ロボット3−6
 

 相手は本来のこのフロアの敵ではなく、もっと強い警備ロボだ。力をセーブしてくれているとはいえ、完全に未知の相手。闇雲に手を出して返り討ちに遭うのは避けたい。ここは様子を見ながら敵の出方を窺って、弱点や感じやすい点を見極めよう。僕は注意深く身構えたまま相手のアクションを待った。

 チャチャ○は僕が動かないのを確認すると自分から身を低くして動き始めた。こちらもそれに合わせて身構える。あの体勢ではきっと僕に飛び掛って来るだろう。よし、受けて立ってやる。「失礼します」そう言ったとたんチャチャ○がもの凄いスピードで僕に飛び掛って来た。彼女の動きがまるで見えなかった。彼女が身構えた次の瞬間彼女のボディが僕の目の前に瞬間移動しているみたいだった。

 なんてスピードだ。やはり超高性能ロボだけあって人間の運動能力の限界を軽く超えてやがる。やはりマトモに正攻法で戦って勝てる相手ではない。これだけのスピードを出せるという事はパワーももの凄いのだろうし、的確に目の前に来るのだから運動神経も人間を超えている。恐らく性戦でもこの能力は十分発揮されるんだろう。どっちにしても僕の動体視力では彼女の動きは見えないし、多分力ずくで何とかしようとしても逆に押さえ付けられてしまうだろう。

 僕は身構えていたお陰で辛うじて防御の体勢がとれた。というより彼女が飛び掛るだろう事が予測できた瞬間僕は身を低くしてほとんど無意識の内に後ずさっていたのだった。チャチャ○は「正確に」僕の位置を確かめそこに辿り着けるように計算して移動したから多少の「ずれ」が生じる。その分一瞬時間的な隙が生じ、僕は一方的に押し倒される事なく状況を把握する事ができた。

 だがまずいのはココからだ。すべての肉体能力が僕よりもずっと上のロボという事が分かり、パワーでもスピードでも叶わない、恐らく計算能力も僕のオツムではどうしようもないだろう。彼女は実直なロボだからそこを突いた頭脳プレーで欺く位しか対処法はなさそうだ。それにしてもこの状態で、どうやって敵を欺いて主導権を握るのか。何かいい手はないものだろうか。

 とにかくこのまま飛びつかれのしかかられてしまえばもう逃げ場はない。女性上位を避けて身動きが取れるようにして置かないと只でさえ強力な相手ではどうにもならなくなるぞ。この状態で逃げてもすぐに追いつかれる。それなら活路を開く道は一つ!僕は逆にチャチャ○の体に飛びつき、押し倒そうとした。足を引っ掛けて落とすか。そのまま密着しない正常位で責める作戦だ。

 だがチャチャ○は倒れなかった。「私を転ばせる事はできません。どんぶりを2メートルの高さまで両手に積んでハイヒールを履いた状態で足を引っ掛けられても転ばないオートバランスシステムを搭載してますから…。」「うっく…」まずい、そうだとするとこのまま彼女に組み合っていれば捕まる。そう直感して僕は手を離し後ずさろうとした。しかしそれよりも早くチャチャ○が僕の体を腕ごと抱きかかえてしまった。「うわっ!」チャチャ○はがっしりと僕の体を抱き込むと後ろに倒れた。

 僕はチャチャ○の上に乗せられてしまった。身動きが取れない。同じ正常位でものしかかるのと相手の前で足を開かせて腰を振るのとではこっちが受けるダメージ量や動きやすさが全然違うし主導権も相手に移ってしまう。この体勢は非常にまずいぞ。何とかして逃れようともがくがチャチャ○の力が強く、動けば動く程逆に彼女のやわらかい肉体にのめり込んで行くしかなかった。

 「ロックオンします。」チャチャ○はペニスに照準を合わせると腰を蠢かせた。下腹部が大きく開いていてペニスがオンナにスッポリ入り込む。挿入しやすいように穴が大きく開いているんだ。ペニスがそこにあてがわれると蓋が閉じ、締め付けが始まる仕組みだ。僕は身動きが取れないまま一方的に挿入させられてしまった。全方向から本物以上の感触を供えた膣が圧迫を始める…

 その間もチャチャ○の腕が僕の腕ごと強く抱き締め、背中に手のひらを押し付けながら僕の体を自分の体へと押さえ付けている。僕は彼女に抱き締められたまま下半身にジワリと広がる心地よさを味わうしかなかった。

 彼女の体は「人間のように」作られている。いやそれ以上の肌触りとぬくもりだ。巧みに抱き寄せる腕ががっしりと押さえ付け、脱出できない。上に逃れようとすれば力強く抱き締められ前後に抜けようとすれば彼女の手が腰に回って締め付ける。そもそも手ごと抱き締められてキヲツケの体勢になっているのだから、大して力が入らないんだ。いや、例え全力を出したとしても彼女の腕を振り解く事はできないだろう。

 「私、人間と同じように汗腺があるのですよ。でもかくのは汗ではなく…」チャチャ○の体が次第ににゅるにゅるし始める。あっという間に彼女の体がローションまみれになり、密着している僕にも満遍なく塗りつけられる。何とかしなきゃという思いで僕は体を蠢かせていたが、ローション効果で女肌の攻撃力が格段に増し、モゾモゾもがくだけでも危険な状態になってしまった。

 彼女の体がぬるついていて滑りはよくなったが、それでも前後に逃げようとすれば彼女の手が僕の肩とかに巧みに回って脱出を妨げる。にゅるにゅるの状態なら力を入れて僕の体を圧迫しようものなら逆にいとも簡単に前後に抜け出せてしまう。その事を計算していたチャチャ○はあえて力を込めずに僕の動きを制御したのだった。流石に高度なロボだ、簡単には欺けそうにない。

 オンナは締め付けながらゆっくり蠕動している。動いていなくても優しく収縮して扱きの効果を醸し出しているんだ。また全体を甘く揉みしだいてダメージを与えるのも忘れない。その上でチャチャ○の腰が左右上下にゆっくりとだがリズミカルに蠢いて変化に富む刺激をしっとり送り込んでいる。バイブはない。「私の計算ではあなたはじわじわ追い詰めた方が良いようです。」

 じわりと体の奥が疼く。淡い快感が持続して送り込まれた為に急激な精力の消費がない代わりになまめかしい動きで一歩ずつ着実に精力を奪っているんだ。局部のくすぐったさが鈍い痺れと共に徐々に全身に広がって行った。このままの状態ではこっちの防御力まで下げられてしまう。彼女の全身からもオンナからもひっきりなしに対男性用のローションが滴っているんだ。

 こうなったらこの体勢で戦うしかない。僕は腰だけを上下に振ってペニスを出し入れする。だがチャチャ○を僅かに感じさせるも、大してダメージにはなっていないようだ。腰だけを動かすテクは心得ているものの、もっと下に潜ってからでなければ奥へ突き上げる事はできない。この位置ではまだまだ突きが浅くなるんだ。それを計算に入れていたのかチャチャ○は僕を抱き締めたまま移動を許さなかった。それに加えて彼女の鉄壁の防御力が僕の攻撃を阻んだ。

 正常位ながら主導権は相手が握っている。彼女のオンナは只でさえ動かなくても心地よく、またチャチャ○も肌をこすり付けながらゆっくり小さく蠢いて僕の上半身やふとももを悦ばせる。その上でオンナが蠢き腰がクネクネしているんだ。そこへ僕が腰を上下させようものなら、逆にこちらの責めがカウンターダメージとなって跳ね返って来てしまう。敵にほとんどダメージを与えられずに自分の動きで自分が感じてしまう、オウンゴールのような自殺行為になっている。

 チャチャ○さんは無言で僕を見つめながら腰から下を段々大きく動かし始めた。きれいなロボの顔立ちが間近でしっとり見つめている。行為が始まって以降僕も二種類の汗をかき(運動と焦り)、チャチャ○も汗をかき始めている。が、僕の汗は生理的なものだが彼女の汗は滴るローションで計算ずくのものだ。

 チャチャ○の思惑通り僕はじわじわと高められて行った。単調な攻撃なのに基本的な能力が高い為にこちらのダメージが蓄積し、いつの間にか精力値も半分を大きく割ってしまっていた。「そろそろ段階を上げましょうか。」お尻の穴辺りから出ているのだろうか、手のひらのようなやわらかい膜が僕の玉袋とお尻の穴を覆った。玉袋が揉まれ、会陰がつつかれたり微妙なタッチでつつつっとさすられたりし、穴周辺が舌状の物で舐られ始めた。この膜は手のひらのように全体を覆いながら指先のようにピンポイントを的確にいたぶる事ができる内蔵武器だ。

 オンナの締りも良くなり、揉みと扱きのスピードが増す。腰の動きがしっとり滑らか、ゆっくりなままなのに、オンナだけがスピードを上げたので、そのギャップが却って新鮮な快楽となって僕に襲い掛かる。そこに膜の補助攻撃が加わっている。こっちは手をキメられているので愛撫での反撃ができず、依然として腰を上下させて対処するしかなかった。

 それでもこちらのダメージが大きく戦局は不利、結局こちらがイキそうになる。玉袋やお尻への攻撃もたまらない。「うああ…」ジワリと体が疼き、快感が駆け巡る。僕の唇を奪ったチャチャ○が得意げに且つ妖しく微笑みながら僕の目をじっと覗き込んだ。

 「では…仕上げに入ります。」ここに来てやっと絶妙なバイブが加わった。「バイブは一時的に大きな快感を醸し出しますが、慣れるのも早いものです。…が、最後の仕上げなら大きな力を減じる事無く発揮します。」「あひいい…!!」絶妙な振動が僕の全身に襲いかかる。

 オンナの蠕動とシゴキがますますスピードを上げながら体の芯まで揺さぶるバイブでペニスをこれでもかと刺激する。玉袋やお尻を覆う幕も振動しながら一層妖しく急激に蠢くようになり、まるで数人の女性の指先が性感帯のすべてを一度に指先で愛撫しているような快感に包まれてしまう。それでいて彼女の腰の動きだけはゆっくり優しいままなのだ。また、彼女の乳首は正確に僕の乳首に押し付けられ、ローションが波打つ位にバイブしている。上半身に潰れた乳房とローションと振動だけで、上半身のくすぐったい性感が執拗に喚起されているのだ。彼女の手は僕の背中に回り優しくさすり続けている。そして僕の心の奥底まで犯しつくすチャチャ○の瞳にとらわれ、僕はもう目を逸らす事ができずに敗北を実感するしかなかった。

 僕は自分を止められずに腰をカクカク上下に揺らしたままだ。そしてすべてを受け入れるかのようなチャチャ○の目を見ながら、耐え切れなくなった白濁液をオンナめがけて出してしまった。その瞬間ロボに体重を預け、彼女も僕を強く抱き寄せる。ほお擦りの感触も心地よかった。精子一匹たりとも体内に残さないような勢いで、彼女の膣と全身の魅力がしつこく僕を刺激する。「あふうう…」悩ましい溜め息と共に僕は一瞬すべてを忘れたオスになった。お尻の穴に入り込んだバイブ膜の振動が精巣の精子をすべて押し出すと、やっと僕はチャチャ○の女体から解放されたのだった…

 出し尽くして身も心も完全に脱力してしまった。僕はチャチャ○さんの横にあお向けに寝かされた。すべてを諦め、自分が自分でなくなるのに、精神は安らいでいた。「それでは失礼します。」チャチャ○さんは凛とした表情に戻って立ち上がり、さっさと服を着て飛んで行った。マスターの所に早く帰るよう命じられていたからだった。

 暫く体が重く、起き上がるのが億劫だったが、それも性欲と共に薄らぎ、身が軽やかになって行くのを感じる。暫くして僕は身を起こした。扉は開いている。ゲームに負け、”ゲスト”の運命をそのまま辿った僕は、もはやカードキーなしにどこへでも行ける身になったのだ。そして永遠に、いくらでも快楽をむさぼり続ける事ができるのだ。この上にはどんな気持ちいい女の人が控えているんだろう。僕はフラフラと敗北の階段を上って行くのだった。

###ゲームオーバー###

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