石像3−3
心頭滅却していると、これ程強烈な相手の攻撃も10分の1のダメージになる。便利なテクニックだが体力の消耗も激しく、体力切れになる事は致命的だ。一時間分の体力が残ってるだろうか…
1分で10ポイント減として、1時間で600ポイント必要な体力だが、全体力値は450ポイントしかない。やばい、とても間に合わないぞ!
体力が間に合わないということは、40分強で10倍の快感ダメージを受けてしまうという事だ。残り20分程の時間をどうやって耐えようか…。
体力がゼロという事は、余計な作戦はまったく使えないという事だから、もう自分の実力を信じて踏ん張るしかない。
幸い今の所精力はほとんど減っていない。最初の攻撃で半分に減らされてしまってからは、心頭滅却後、ダメージが少ない。
それにこれまでだって戦っている内に慣れて来るケースがあった。今回もそれに期待しよう。
心頭滅却していると時間の経つのが早い。
「40分経過だよ。へえ、結構がんばるじゃない。」
だが、それから2分程で僕の体力はゼロになった。一気に快感が襲って来る。ここぞとばかり僕は全身に力を入れ、できるだけ感じないように踏ん張った。
下半身を包む快感攻撃に耐えながら、僕は残り15分程を乗り切らなければならない。
「50分経過。後10分。凄いね、正直言ってここまで来るとは思わなかったよ。」
後10分、後10分…。脂汗を滝のように流しながら、僕はひたすら耐え続けた。頭の中で「後10分」を繰り返しながら。
「ほれほれ。あと5分だよ。」
相手は正確に残り時間を伝えて来る。それが有り難かった。頭の中はカウントダウンで一杯になりながら、もうほとんど残っていない精力を気遣った。我慢汁が後から後から滲み出て来る。玉袋がヒクヒク言っているのが分かる。もう射精寸前だ。
「後一分。」
60,59,58…一秒毎に数えている。全身に力を入れ、強張っているのにも疲れて来た。筋肉痛になるか、体の筋肉全体が吊るかの恐怖も加わって来た。ああ、もう限界だ!
「3,2,1、ゼロ!」ドビュウウウウウ!!!!!!僕はまるで体の中にあるすべての内臓を精液に変えて放つかのように、全部を出し切った。体中がガクガク震え、一気に脱力し、頭の中が真っ白になった。
「ふう。どうやらあたしの勝ちね。タッチの差で射精しちゃったもんね。うふふ…ふ…。…え?」
石像の足先にひびが入った。それがどんどん拡大し、全身に広がって行く。
「ば、ばかな!このDIOが、このDIOがぁぁぁぁ!!!」
…?
「もとい、タッチの差で負けたのは、あたしの方だったみたいね!きゃああ!」
亀裂がどんどん深まり、数も多くなり、そして石像ボスは崩れ去った。僕は地べたに投げ出された。ほとんど一瞬の差だった。カウントダウンゼロになった「直後」に、僕はイッたのだった。だから一時間耐え切れた事になり、僕の勝ちだった。
な、何とか石像に勝った。絨毯の上に一枚のカードがある。これが上の階に行く為のカードキーだ。
僕はそれを拾い、扉を開けた。階段が目の前にある。階段を登ろうとしたら、僕はよろけた。さっきの戦いで力み過ぎたらしい。少し休んでから、先に行く事にした。
(石像3 クリア)