色情霊2−2


 やはり、今の段階で性霊3人相手は分が悪すぎる。一度ここから離れて、もう少しレベルを上げてから、再びこの3人を昇天させよう。幸い、幽霊相手のときは、逃げやすい面もある。自縛霊が多く、走り去ってしまえば彼女たちはあまり遠くまで追ってこられないのだ。この手で逃げて仕切り直しをし、勝てそうにない怨霊を倒したこともある。

 未練を残して自殺までした、しかも女子高生相手で、3人も倒せる自信はなかった。一人相手でさえ、たいへんな精神力と勢力を必要とするのが性霊との戦いなのだ。金縛りで身動きを封じられ、脳まで犯されて敵のとりこになることもある。これをはねのける精神の力が不可欠で、長期戦になればなるほど集中力の持続が要求される。

 そのうえ敵の攻撃力が異常に高い。触れられただけで大ダメージを受けるし、挿入してしまえばそのあまりに甘美な感触に悶絶してしまう。これはおそらく、幽霊が僕の脳や性感神経を直接刺激しているからなのだろう。だから相当量の精力値がなければ、あっという間に高められてはててしまうのだ。強敵である。

 とにかくここはいったん引いて、仕切り直しとしよう。僕は踵を返し、一目散に走りぬけた。

 幽霊たちも追ってくる。追いつかれて捕まれば一巻の終わりだろう。自分の魅力になびかずに男が逃げたとあっては、その怨念も膨らみ、敵が強くなってしまうからな。

 走りながら振り返る。「あっ!」幽霊たちは僕のすぐ後まで迫ってきていた。彼女たちが手を伸ばすだけで、僕に手が届いてしまう。相当遠くまで走ったのに、それでも彼女たちはついてきていた。

 しまった、致命的なミスを犯した。彼女たちは自縛霊ではなく、どこへでも自由に移動できる浮遊霊だったのだ。

 呪いを込めた冷たい手が伸びる。こっちは全力疾走して息が上がっているが、敵はすうっと宙に浮いて僕のすぐ後ろをぴったりついてくるだけでよかった。

 「うわあああ!」僕は石に躓いて倒れた。ぞくっと頬に冷たい手が触れる。その瞬間僕は得体のしれない恐怖に襲われ、声も出せずに気を失ってしまった。

 どのくらい時間がたったのかわからない。あるいは時間の経過という概念自体がないのかもしれない。僕は墓地ステージで倒れ、気を失い、しばらくして気がついたのだった。

 なぜあの時、強い恐怖に襲われたのかはわからない。おそらく幽霊たちの怨念が僕の脳に直接作用し、恐怖をつかさどるスイッチが入ったのだろう。気を失うほどの恐さを味わったことだけはたしかだ。

 肉体は無事だ。性欲の塊になってもいないし、精神も今は冷静だ。ということはまだ射精はしておらず、負けていないということだ。

 あたりを見回すも、誰もいなかった。さっきの女学生の幽霊たちはどこへ行ったのだろう。

 「ううっ!」突然股間がくすぐったくなった。萎えていたペニスが一瞬にして膨張する。きゅーんと快感に疼くと、カウパーがにじみ出た。快感は瞬間的なもので、痛みのようにひいてしまった。

 いまのは、一体…

 「私たちは、ここにいるわよ…」「!!」あわててあたりを見回すも、やはり誰もいない。しかし、今たしかに声が聞こえた。

 「よくも逃げたね。許さない…」「これから私たちとあなたは一心同体。」「幽霊たちが奏でる天国の調べ、たっぷり味わってくださいです。」「なっ、どこにいるんだ! …はうっ!」

 今度は全身がじわりと快感に包まれた。痺れるような、すべてが性欲に直結するくすぐったい甘さがあった。立っていられないほどで、足がよろめいてしまう。

 声はたしかに聞こえる。だが、彼女たちの姿は見えない。声の主は間違いなく、さっき手を伸ばした女子高生たちだ。

 「わたしたちは、あなたの中にいるです。」「これからはずっと一緒だよ?」囁くような甘い声が頭の中に響き渡る。それでやっと状況を理解した。

 僕は幽霊たちに取りつかれたのだ。あの冷たい手は、僕に憑依する呪術だった。彼女たちは僕の肉体の中に入り込み、一体となっている。僕という一人分の器の中に、僕を含めて数人分の魂が共生している状態だ。みるみる精神力が衰えていく。

 彼女たちは僕の体の中で、あちこちの性感神経を刺激する。その結果、僕は時折、誰にも触れられていないのにあちこちが気持ちよくなり、精力を消費してしまうのだ。ランダムに発動する毒ダメージのようなものだった。

 「うう…」ペニスの皮膚の内側が柔らかい手でしごかれる感触。集中した性感神経がまんべんなく刺激され、僕は思わず前かがみになった。すると快感がおさまり、代わりにお尻の穴がキュンとくすぐったく疼いた。

 「あふ…やめ…」この状態で立ったまま射精させられてしまう危険がある。なんとかして除霊しないとまずいことになるぞ。なにより、体内に入り込んで一体化している相手に攻撃を加えることができず、一方的に高められてしまう。

 3体もの色情霊が憑依しているから、体のあちこちが同時に3か所以上責められてしまうし、1体だったらまれに発動する呪いも、3人分ということで、快感の頻度も3倍になる。

 幽霊を怒らせるとろくなことがない。

 僕は全身に力を入れて踏ん張りながら、ゆっくり墓地をさまよい始めた。こういうステージなら憑依対策のアイテムだってどこかにあるはずだ。それを一刻も早く探すんだ。

 会陰の奥、お尻の穴のスポットが激しく快感にさらされた。「ああ…」僕は墓石にしなだれかかり、前かがみになって快感に耐えた。なんとか力んで、体内からの刺激によるダメージを軽減させなければ。あまり時間は残されてないぞ。

 「ふふふふ…若い男みっつけた♪」「!」しなだれかかった墓石が倒れ、その場所から色気むんむんの色情霊があらわれた。この墓石は彼女の墓だったらしい。「たっぷりかわいがってあげるね、坊や…って、もう先客がいるじゃない。」

 色情霊は攻撃してこない。憑依された状態では追加で攻撃できないのか。あるいは彼女のプライドが許さないだけなのか。それはよくわからなかった。

 「じゃあ、あたしも混ぜてもらおうかしら。いいわね。」「いいですよー」ペニスから若い娘の声がした。憑依している性霊が返事したのだ。次の瞬間ペニスがきゅうっと引き締まり、強い快感にさらされた。この感覚は挿入時とそっくりだった。

 「あら。だめよ、そんなやり方じゃ。」そう言いながらお姉さんの幽霊は僕の体内にすうっと入り込んでしまった。体の中で声が響く。「一気に快感を与えようとすると、ごく短時間しか効果がなくなるのよ。相当霊力が高くないとね。私たちは普通の色情霊だから、もっと別の方法でこの男を追い詰めなくちゃ。いくら強い快感を一瞬だけ与えても、回復されちゃあ意味ないでしょ。」

 そういうとお姉さんの声が極端に低くなった。あまりに小さい声で、何を言っているのか聞き取れない。囁くようなコニョコニョした女の声しか聞こえなかった。ときおり女学生たちのうんうんとうなずく声がするのみだった。

 「できることが限られてるんだから、テクニックを磨かないとね。こんなのとか。」「あ…ああ…」

 急に上半身の力が抜けた。足ががくがく震える。強制的に筋肉が弛緩したのだ。全身の性感神経がジワリと疼く。力んで快感を感じないようにしていたのが、力が抜けてダイレクトに感じるようになったのだ。

 会陰からお尻にかけて、じわじわとくすぐったくなってくる。さっきのような強烈な快感ではない代わりに、弱い快感がずっと持続していた。「そうそう、そうやって”強い快感を一瞬”ではなく”弱い快感を長時間”のほうが、ずっと効果があるのよ。そうでしょ?」この台詞は僕に聞いている。否定はできなかった。

 乳首がくすぐったくなってきた。お尻の奥を弱く刺激する担当とは別の性霊が、軽くさすったりくすぐったりしている。快感自体は弱いが、寝ても覚めてもずっとこのくすぐったさが続くとなれば、そのダメージは相当なものだった。

 そして三人目は、ペニスを軽く手で包み込んでゆっくりやさしくしごいてくれた。決して力を入れず、スピードを上げない。その代りやさしい手のひらのやわらかさがペニスにまとわりつき、ゆっくり滑り続けている。

 こうして、感じやすい三か所がひっきりなしにずっと責めつづけられた。受けるダメージ自体は小さいのに、軽いジャブを受け続けた時のように、コンスタントに精力が減り続けている。これを長期間受けたらまずいことになりそうだ。

 歩くことはできた。これをチャンスにして、除霊の方法を探らなくては。

 しかし、僕の太ももに力を入れることができたのは、さっきのお姉さん幽霊の計算だった。僕が歩きまわれば、当然、除霊の方法を見つける以上にエンカウントばかりをしてしまうことになる。性霊が僕の前に現れるたびに、体内に憑依して僕をじわじわ責め続けている色情霊たちが憑依を誘う。敵たちはそうやってどんどんと僕の体内に入り込んでいくのだ。そして思い思いの場所を責め続けるのである。

 気がつくと、憑依している幽霊の数は数え切れないほどになってしまっていた。思考が鈍る。全身の皮膚に女体が密着している感触が満ちあふれ、すべすべと蠢き続けている。やわらかい圧迫も感じる。

 性感帯はすべて体内から犯され続けていた。幽霊たちは同時に一か所を責めることができる。だから僕の乳首は指先でつままれたまま舌先が転がり、また同時に激しく揉まれくすぐられている。わきの下もお尻もおなかも背中も、足の裏でさえ、性霊たちが集中攻撃している。

 ひとりひとりは霊力保持のため、軽い責めを続けているのだが、それが数人分まとまっているために、快感も半端ではなかった。当初の一瞬だけの快感が持続している状態だった。

 玉袋も会陰も性霊たちの餌食だ。体内に入り込んでいるために、睾丸の性感神経だけを刺激することができるし、内部にたまっている精子をかき回して外に押し出そうとしているし、周囲の神経を指先で律動させて疑似的な射精感を味わわせ、ややもすると本物の射精に至ってしまいそうな特殊攻撃さえ繰り出してくる。

 ペニスへの攻撃は過酷を極めた。ペニスは絶えず数人に咥えこまれている感触。周囲にはりつく集団フェラではなく、全員が棒をのみこんで、唇でしごきあげているのだ。唇の位置もばらばらだから、その刺激も波打つように甘美だ。その上で舌先が棒全体をくまなくなめまわしてくる。

 さらに棒全体は激しく圧迫されている。フェラチオされながら、膣にも収まっているのである。そして、カリなどの敏感なところは指先がもて遊び、同時にペニスがしなやかな手でしごかれている。

 これらは、実際に目に見える攻撃の姿ではなく、あくまで「その感触」だけが残っている状態だ。彼女たちは僕の体の中で、全身を責めまくっているのだ。一人の攻撃はジワリとした小さなものでも、大勢の憑依は耐えきれなかった。

 このままでは本当に、誰にも触られないまま立った状態でイッてしまう! それでも、力んで我慢することは許されず、ただただ、ゆっくり歩を進める以外になすすべがないのだった。そうやってまた、新たな性霊を体内に抱え込む。かろうじて、回復を続けて精力を保つことができたものの、それさえもどこまでもつかわからない。もうすぐ魔力は枯渇する。

 「…どうしたの?」よろける僕に女の子が声をかけてくれた。体が光っていない。これは…そうだ、性霊の類のほかに、このステージには少数だが妖怪がいるのだった。緑色の体、ぬるぬるした全身、かわいらしい顔立ちに古い村娘の格好…ほとんどわらで編んだきれを前後で挟んでひもでまいただけの格好だった。

 この妖怪は、川に出没して男を誘惑し、引きずり込んでしまう川姫だ。こんなところでまずい相手に出会ってしまった。

 「ふうん。見てすぐわかったよ。あんた、ものすごい数の怨霊に取りつかれてるねえ。」「うう…たすけ…」「安心しな。性霊は有無を言わさず男を襲うけど、このステージの妖怪に限っては自由意志がかなり働く。求められればスルけど、別にどっちでもいい感じだから。」「除霊…を…」

 「私には無理ね。」「そんな…」「でもこの先に沼があるから、そこに住む上位妖怪のクラマ様に頼んだら、なんとかなるかもよ?」「うう…」

 とにかく、その妖怪に会うしかない。沼まで間に合いにないが、賭けてみるしかない。

 「クスクス。やっと見つけた。」頭の中で声が響く。「私は妖怪に出会うのをずっと待っていたのよ。」性霊の一人が僕の頭の中で待機していた。「…せっかくだから、大勢の幽霊に憑かれた状態で妖怪に抜いてもらおうと思ってたの。」「そ、そんな…」

 じわっと脳天が痺れる。くっそ、やめろ…洗脳する気だな…! 「クスクス。わかってんじゃない。おとなしく川姫に抱きついちゃいなよ。」「絶対…するものか…!」僕は頭の中の性霊と精神的に戦った。

 が、これだけ憑依されて抵抗するのは空しかった。目の前にいる川姫のかわいらしい顔立ちに一目ぼれをしてしまう。さらにローションのようなぬめりを帯びた太めの生足から目が離せなくなた。質素な服からはわき腹や横乳まで露出されている。精神が支配され、目の前の魅惑的な妖怪がさらに魅力的に見えるのだ。

 「ほらほら、抱きついちゃえ。求めればしてくれるって言ってるじゃない。」甘く囁く色情霊の声。もう駄目だ、我慢できない。

 僕は川姫に飛びついた。「ちょっ! 何!?」僕は川姫の太ももに自分の足をこすりつけた。ぬるぬるしたもち肌の感触が刻みつけられる。「…あきらめるの? いいよ。してあげる。」

 僕は我を忘れて彼女を押し倒し、ずりずりと全身を女体にこすりつけた。川姫も自慢の太ももを駆使して僕の下腹部をかわいがる。そこへ性霊たちの内部からの攻撃が一気に襲い掛かる。

 「実を言うと私の足が一番の自慢なんだ。挟んで。」僕は言われるままに川姫の太ももの間にペニスを突きたてた。そして大きく腰を前後させた。にゅるにゅるしたふとももに包み込まれ、僕はあっという間に高められる。

 川姫もギュッとももを閉じてペニスを締め付け、足を左右交互に滑らせてしごきたててくれた。気持ちよさがピークに達する。僕は一心不乱にペニスをこすり続けた。

 睾丸の精子がかき回され、舌先で尿道に押し出される。付け根付近の神経がびくんびくんと震える。これも性霊が周囲を指先で律動させたのだ。が、もはや性霊が手を止めても、リズミカルな律動は止まらなかった。

 強烈な快楽が全身を包み込む。イク寸前の多幸感に支配された。すると性霊たちの責めの手が強まる。もはや持続して嫐る必要はなく、一気に一瞬で強い責めに転じればよかった。

 精液が勢い良く川姫の太ももの間から飛び出した。脈打ちがいつまでも止まらず、そのたびに強い快感が全身を貫き続けた。体内の性霊が無理やり律動神経を揺り動かし続け、脈打ちを持続させていたのだ。

 体内にため込まれたすべての精液が容赦なく外に押し出される。一回の脈打ちで出る量以上に無理に精子が尿道から噴出する。性霊たちが白濁液を強制的に外に押し出しているのだ。その結果、律動のスピードが格段に上がり、また時間も相当長くなっていた。つまり通常の射精の快感をはるかに超える多幸感が僕を襲い、しかも長時間それが続いたのだった。

 「あふ…」出しつくして、一粒の体細胞も残さずに性霊たちによって排出されてしまっても、なおも脈打ちが止まらず、しばらくカラのまま律動がつついた。が、それも徐々に薄れていき、やっと絶頂が終わったのだった。何分かかったかすらわからない。

 だが、次の瞬間、玉袋にははち切れそうなほど精液がため込まれた。肉体が改造され、射精し続ける状態になってしまったのだ。

 そこへ性霊たちの責めが再開される。脈打ちがやっと終わったと思ったのに、すぐにまた精液がペニスからほとばしる。もはや川姫の股に挟みこまれていないのに、全身に張り付いた性霊たちの“感触”だけで、僕は脈打ちを続け、「高まってから出す」のではなく「出しっぱなし」の状態で、膝をついて悶絶し続けた。

 そこへ墓地のあちこちから性霊たちが集まってきて、どんどん体内に入っていく。色情霊たちが体内から僕を犯し続ける。僕は我を忘れて、あまりにも甘美な憑依を楽しみ、終わることのない絶頂感を狂ったように受け入れるだけになってしまったのだ。

 そのうち視界が薄れ、意識もなくなっていく。永遠の天国を、僕は幽霊たちと過ごすことになるのだ。もちろん、最高に幸福だ。

###ゲームオーバー###

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