バンパイア1−2

 

 ここは正面から堂々と向かい合おう。僕はヴァンパイアに誘われるままに近づき、向かい合った。ふわり、とマントが僕の体を包み込む。

 ギラ…

 突然ヴァンパイアの目が赤く輝き出した。

 「!」マントに包まれたままその目を見ると、僕の中で何かが変わって行く…

 ジンジンと痺れるような感覚が全身を走る。これは…たとえば好きな人に手を握られた思春期の子が感じるような緊張感に近い。段々頭がボーっとして来る…

 「接吻をせよ。」ヴァンパイアが命令して来る。僕は何も考えられなくなり、言われた通りにする。「ん…」さらに意識が朦朧とする。「そのまま我を抱き締めよ。」

 「!」ヴァンパイアの体は恐ろしく冷たかった。生気の通っていない柔肉は、一瞬僕をはっとさせた。だが、そのスベスベした心地よい感触に、彼女の真っ赤な瞳に、すぐに朦朧としてしまうのだった。

 「横になれ。」「はい…」

 もう彼女がすべてだった。まるで彼女がご主人様だった。まったく逆らえずに、命令通りに動いてしまう。僕はヴァンパイアと共に横になった。僕が上に乗っている格好だ。

 「さあ。すぐにお前の熱いたぎりを我の中に収めよ。」「はい…マスター…。」言われるがままに、正常位で挿入する。

 「うぐっ…!?」

 ヴァンパイアのオンナは恐ろしく冷たく、熱く膨張したペニスを冷まして行く。その度に冷や水を浴びせられたようになるのだが、すぐに元に戻る。彼女のオンナは人間のそれとははるかに違う心地よさだった。なまあたたかさこそないけど、それ以上に男の理性を奪う蠢きがあった。

 オンナが自在に動き回り、強く蠕動運動を繰り返している。まったく動いていないのに、その動きだけでペニスが揉みしだかれ、扱きたてられてしまう。そして激しく収縮したり高速で解き放たれたりして、極上の締め付けをペニスに感じさせている。

 「力を抜け。そのまま動いてはならぬ。」「はい…」僕は彼女に全身を預け、全体重をかけて脱力した。すると快感が倍増する。

 オンナの蠕動は、始めの内は一秒間に一回程度の緩やかなものだったが、段々スピードを上げ、動いていないのに下半身の方からクチョクチョといういやらしい音が響き渡るようになって来た。

 さっきまでの倍のスピードでペニスがむさぼられ、中で円を描くように振り回されているのが分かる。かと思うと急に動きがゆっくりになり、そしてまたスピードを上げる。新鮮な快感を絶えず送り続けながら、ペニスからの精液の発射を今か今かと待っている。

 さすがに食事というだけはある。並の男なら挿入して瞬殺だっただろう。僕は完全にヴァンパイアのなすがままになっていた。抵抗もせず、力も入れず。動く事もなく只ペニスへの激しい刺激に酔いしれていた。

 「さあ。そろそろ中に出すのだ。我に栄養を!」「あああ!ご主人様!」

 僕も数分しか持たなかった。赤い目の美女のオンナに、精液を提供してしまう…

 心の奥底では、警鐘が鳴っている。このままではダメだ、命令通りに出してしまってはだめだと、言い聞かせるかすかな声が脳裏にこだましている。

 だが、もはやヴァンパイアの魔力には勝てなかった。

 「マスター!出ますぅ!」ビュルルルル…

 勢いよく精液が膣内に満たされて行く。膣はそこで強く収縮し、吸引を始める。その強い締め付けが、奥に溜まっているすべての精液を吸い上げている!

 「まだだ。もっと出すのだ。」「あああっ!」

 快感は衰えない!特殊な掃除機で吸い上げられているように、精液がどんどん放出され、膣から子宮へと吸い上げられて行く!精巣で作っては出し作っては出しの連続で、溜めて置く事を許さなかった。

 正常位のままヴァンパイアは僕の背中に手を回し、背中をさすっている。そして、片足が腰に回され、しっかりと僕の腰を固定した。さらにもう片足が、僕の玉袋やお尻の穴をコチョコチョとくすぐっている!

 一回放出したが最後、敵の思うままに射精させられ続ける運命にある。これ以上精子が作られなくなるまで、つまりエネルギーを吸い尽くされるまで…

 どれ位経ったか、ヴァンパイアはやっと僕を離してくれた。「もうよい。我は満腹だ。」「…。」

 赤く光っていた目が元に戻っている。僕は疲労でその場に横たわったまま動けなかった。

 「我がマントに包まれる事は、我が魔力の射程に入る事。我が魅了の魔法の前には、どんな男も抗う事はできぬ。」「…。」もう話す力も…

 「安心するがよい。この塔は元々仮想世界。お前が果てる事はない。暫くすれば元に戻るであろう。ただし、射精したのだからもう出る事は叶わぬ。」「…。」

 「最後に、礼を言うぞ。お陰で我らは安楽の元に果てる事を許された。…だがまだまだ外には大勢のアンデッドが永遠の苦痛に身を潜めている。恐らく『ないと・めあ』様はそういう不死の運命を背負った者どもを哀れみ、新たにこの居城に我らの代わりに大勢が召喚されるのであろう…だからお前は引き続き吸精鬼達に悦ばせられ続ける。我等が消滅しても代わりの住人がすぐに満たされる。安心して快楽に溺れるがいい。ふはは…はは…は…」

 見る見るヴァンパイアの体が下半身から上に向けて石化し、最後には砂のようになって崩れ落ちてしまった。

 これが…アンタの望んだ最後だったのか…。僕はそうぼんやり考えるのだった。

###ゲームオーバー###

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