バンパイア1−5
 

 僕は壁から上半身を離した。腰部分はしっかりとバンパイアのお尻が押し付けられて壁と板ばさみになり、脱出は難しいが、上半身を前屈みにする事位はできる。上半身は自由だ。

 例え僕の腰が固定されて動かせなくても、両手が空いていれば何とかなる。この手で、相手の腰を揺り動かしてあげれば、腰を自在に動かしたのと同じようにできるかも知れない。

 僕は相手の腰に手を添え、しっかりと握った。そしてリズミカルに彼女の腰を前後左右に動かしてあげる。

 「…!」

 ヴァンパイアも段々息遣いが荒くなって来た。こちらがイク前に相手をもっと感じさせれば…

 だが、両手で相手の腰を前後左右上下に揺り動かすのと、こちらの腰が自由自在に動くのでは、やはり快感攻撃力が違う。手の力では限界がある。腰を突き出した時の力強さや、クリトリスを狙った責めが自在にならない。

 それ所か、時折ヴァンパイアの方も腰を左右に動かし、スリスリとお尻を僕の下半身にこすり付け、それがオンナの蠕動といいタイミングでペニスを強く揉んで来る。

 まるで僕の手の動きが相手に読まれているみたいに、敵の腰の動きに合わせるようなリズミカルさを増している。

 そうだ、敵は自由に腰を動かせる。僕の両手の力以上に、ヴァンパイアの腰の動かす力の方が強いに決まっている。

 僕の思い通りに手で腰を動かそうとしても、彼女の腰はその通りには動かない。そして、彼女の思い通りに腰を動かす時にだけ、僕の手がスムーズに腰を動かすように見えただけなんだ。

 「気付いたようだな。お前の手の動きは、我の責めを手伝っているに過ぎない事を。」ヴァンパイアが振り向き、得意そうに笑みを浮かべる。この作戦は失敗か。

 「そんなに腰を動かして欲しいなら、望み通りにしてやろう。」そう言うとヴァンパイアは、さらに強くお尻を押し付け、激しく左右に腰を振って来た。

 「うああ…!」僕は思わず手を離し、両手を彼女のお尻に添えた。グリグリと左右に揺れる腰とお尻が、僕の精力を大幅に削って行った。

 「…こんなのはどうだ?」彼女は今度は上下になまめかしくそして素早く腰を振って来た!「次はこうだ。」そして大きく回転させて来る!僕は身動きが取れないまま、さっきまでの不動の快感とは違う激しい刺激に身悶えしてしまう。

 もう僕はイキそうになっている。

 「ちくしょお、離せ!」僕は渾身の力で暴れ、ヴァンパイアのお尻を叩いたりした。だがそんな事ではびくともしない。「無駄な抵抗だ。」ヴァンパイアはますます速くオンナを蠕動させて来た。

 「…そして最後は。」ヴァンパイアは腰を前後させて来た。ずっとオンナに埋もれていたペニスが、真ん中まで出たり入ったりしている。

 オンナの蠕動は、亀頭から根元まであちこちでグチョグチョ動き、その上に筒でしごく感触が加わって来た。

 「うわああ、もう、でるぅ…」ピュルッピュルッ!僕はヴァンパイアと結合したまま、精液を噴き出させてしまった。

 勢いよく、精液は膣内に満たされて行く。膣はそこで強く収縮し、吸引を始める。その強い締め付けが、奥に溜まっているすべての精液を吸い上げている!

 「まだだ。もっと出すのだ。」「あああ!」

 快感は衰えない!特殊な掃除機で吸い上げられているように、精液がどんどん放出され、膣から子宮へと吸い上げられて行く!精巣で作っては出し作っては出しの連続で、溜めて置く事を許さなかった。

 バックのまま、ヴァンパイアは片手を結合部に伸ばし、上半身を屈めて僕の玉袋をさすったり揉んだりして来る。時折中指を突きたててお尻の穴をまさぐる。

 一回放出したが最後、敵の思うままに射精させられ続ける運命にある。これ以上精子が作られなくなるまで、つまりエネルギーを吸い尽くされるまで…

 どれ位経ったか、ヴァンパイアはやっと、僕を放してくれた。

 「もうよい。我は満腹だ。」「…。」僕は疲労でその場に崩れ落ちたまま動けなかった。

 「…。」もう話す力も…

 「安心するがよい。この塔は元々仮想世界。おまえが果てる事はない。暫くすれば元に戻るであろう。ただし、射精したのだからもう出る事は叶わぬ。」

 「…。」

 「最後に、礼を言うぞ。お陰で我らは安楽の元に果てる事を許された。…だがまだまだ外には大勢のアンデッドが永遠の苦痛に身を潜めている。恐らく『ないと・めあ』様はそういう不死の運命を背負った者どもを哀れみ、新たにこの居城に我らの代わりに大勢が召喚されるのであろう…だからお前は引き続き吸精鬼達に悦ばせられ続ける。我等が消滅しても代わりの住人がすぐに満たされる。安心して快楽に溺れるがいい。ふはは…はは…は…」

 見る見るヴァンパイアの体が下半身から上に向けて石化し、最後には砂のようになって崩れ落ちてしまった。

 これが…アンタの望んだ最後だったのか…。僕はそうぼんやり考えるのだった。

###ゲームオーバー###

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