アルラウネの呪い 後編
一方、弟の方は安全ではなかった。アルラウネの呪いは人と家に取り付く。家族が家に寝泊りし続ける限り呪いはその家だけに効果を及ぼすが、別の家に泊まろうものならその家の家族にまで呪いが及んでしまう。男性は夜な夜なあらわれる美女に直接精を搾り取られ、女性は精神を乗っ取られて美女軍団の手先としてアルラウネの為に働く。
テオールが泊まった先には青年のフィアンセ、ナターニャとその妹のマリアンがいた。彼女達もアルラウネの呪いがかかってしまった。
「テオール君、まだ起きてる?」マリアンがテオールの布団に潜り込んで来た。「ん…だめだよマリアンおねえちゃん。もう寝るんだからぁ。」「だぁめよ。折角お姉さん達のうちにお泊まりしたんだからもっと楽しまなくちゃ。」「だってマリアンおねえちゃんも裸でしょ?」女性も裸で寝る習慣だ。「あらぁ!おませさんね。もうえっちな事を知ってるのね。」「うう…」「そりゃそうよねえ…テオール君昨日あんなに悶えて一杯いやらしい汁を出しちゃってるもんね。」「!!」
昨日の事は知らない筈…なんかヘンだ。テオールは戦慄した。マリアンが妖しく微笑みながら上に乗って来る。「あっ!ダメだよぉ!お姉ちゃん!ナターニャおねえちゃん!たすけてっ!」テオールはマリアンから逃れながらナターニャを呼んだ。
「こらぁ。だめよマリアン。」左隣からナターニャの声。テオールは姉妹に両側を挟まれて寝ていた。(助かった!マリアンおねえちゃんが死神に取り付かれて変になってるけどナターニャおねえちゃんが助けてくれる!)「…いけない子ねマリアン。テオール君を独り占めにして。」「…え?」
ナターニャが左からテオールの布団に潜り込んで来た。「うふふ。そうね姉さん。私達は仲良し姉妹。何でも分け合わなくっちゃねえ。」「クスクス…知ってたわよお。私の大切な人も食べたでしょ?」「あら。知ってたんだ。彼と一度だけの約束で肌を合わせただけなのに。」「彼の匂いが付いていたわ。酷い子ね、私のフィアンセに手を出すなんて…クスクス」「だあってえ、姉さんのモノは私のモノでもあるでしょ?」
「ふふふふ…いいわ。許してあげる。だって彼…もうすぐマスターにイキ殺される運命ですもの。」「あははっ彼も愚かね。よりによって遠隔でも精を吸い取れる花びらを持ち帰ってしまうんですもの。おかげでマスターは食いっぱぐれずにますますご壮健!」「私の彼があなたのモノでもあるんだから、あなたのかわいいテオール君も私のモノでもあるのよね?」「そうなるわね。」「彼が私のなら弟も私達のものよ。」「クスクス…」
「いや…いやあ…」テオールは必死で布団から抜け出そうとした。大人の会話はよく分からないけど自分が危険に晒されてる事は分かる。「逃げられないよ♪」両側から年上の姉妹にしがみつかれ、テオールのペニスも玉袋もやわらかい女の手に鷲掴みにされてしまっていた。
マリアンが上にのしかかって来た。抵抗できないテオールのウインナーに容赦なく蜜壷が襲い掛かる。マリアンは上からテオールに抱きつき貧乳を彼の顔に押し付けながら腰を左右にグリグリ揺らした。「ほらあ、もっと感じて頂戴♪」マリアンはテオールの小さな腰を股に挟み込みぐいっと持ち上げた。テオールの腰が宙に浮いた状態でマリアンのオンナに翻弄され続ける。ふくらはぎで少年のお尻を支えながら巧みに腰をうごめかすと未熟な肉体から大人への階段がほとばしった。
「うふふ…どおテオール君。気持ちよかった?」「うう…」「じゃあ次は私…」ナターニャがマリアンに代わってのしかかって来る。姉の方は豊かな乳房が自慢だった。テオールを抱き起こして胸のふくらみに頭部をうずめながら、ナターニャのふくらはぎが少年のお尻を包み込む。ぐいっと足を引くと少年の腰がナターニャに引き寄せられた。
テオールの小さな両脚がお姉さんの投げ出されたふとももの上に乗っかる。少年は抱きしめられたままペニスを大人の女の下腹部に押し付ける格好にさせられた。そこでナターニャが巧みに腰を浮かせるとペニスはあっさりと彼女の中に飲み込まれてしまう。
「さあテオール君。ここからどうする?」「やめてぇ…」「まだそんな事言ってるんだ。じゃあ、『止めないで』って声に変えてあげる。」マリアンが少年のお尻の奥に手を滑らせる。開かれたテオールの股の間にしなやかな両手が這い回り、無防備な玉袋やお尻の穴が丹念に愛撫された。
ペニスが快感の壷の中でぐいぐい締め付けられながら外に出された性感帯が妹の手で揉みしだかれ、さすられ、くすぐられている。じわじわと快感が少年の体を包み込み、いてもたってもいられなくなって自分から腰を振り始めた。快感に堪えようと腰を左右にくねらせればペニスがオンナをこねくり回しカウンターでウインナーが揉みしだかれてしまう。その反動でテオールの腰の動きがどんどんリズミカルになり快感を避けようとしてますます深みにのめりこんでいくのだった。
ナターニャがやさしく微笑みながら少年を強く抱きしめ、腰の動きを受け入れ続ける。自分から動かなくても十分感じさせ続ける事ができた。程なくしてテオールは自分の兄の婚約者にも子種を吸い取られてしまった。
「ふふ…テオール君かわいい…」「君は楽に吸い取ってあげる。花弁を持ち帰った張本人じゃないから一晩で終らせるからね。」「きょ、今日で終るの…?」「そうよ。」ナターニャが妖しい笑みを浮かべる。
「張本人は罰として何日も何日もかけてじっくりジワジワいたぶりながら精気を吸い取る。でも本来無関係なかわいい家族だったら一日で解放してあげる。どっちも死ぬけど一日で楽にしてあげた方がいいでしょお?」「一晩で全部吸い取ってあげるからね。」「ひいっ!!」
テオールの恐怖は圧倒的な快感の前にすぐにかき消されてしまった。ナターニャは弟を抱きしめたままあお向けに転がる。マリアンは無防備な下半身に顔を近づけ、玉袋も会陰も丁寧にチロチロ舐め上げた。そしてお尻の穴に舌を捻じ込んだ。
動きやすくなったナターニャが容赦なく腰を上に突き上げると華奢なかわいいお尻が跳ねるように上下した。ピッタリ姉と息を合わせた妹の舌がそれでもアナルや玉袋に吸い付いて離れなかった。姉の方がリードしてムリヤリ少年の腰を突き動かしているのに男の方が腰を上下させているような錯覚を覚える。テオールは結合したまま果てた。
「休ませないよ。」マリアンが少年を引き剥がして布団にあお向けにする。女性逆上位で結合すると前かがみになり、玉袋と周辺をしつこく愛撫しながら腰を上下させた。ナターニャは少年の顔に跨って催淫ローションを口に流し込む。ローションが彼の体を蝕みながら下半身は執拗に大人の女の攻撃に晒され、二人がかりで内側と外側から犯された。テオールはマリアンに魂の一部を売り渡した。
ナターニャとマリアンは交代で少年のペニスをむさぼり続けた。姉が結合している間は妹が、妹の時は姉が、少年に催淫毒を流し込む。テオールはローションの媚薬効果で衰える事無く何度でも姉妹に向けて精を提供した。
命の危険と、快感に我を忘れて失われた理性の狭間で、テオールは何とか自分を取り戻した。生存本能が強く働いて疼く体にムチを当てて起き上がり、火事場のクソ力のように寝室から逃げ出した。これ以上ここにいたら本当に殺されてしまう恐怖が僅かに勝ったのだ。
「うああ…あかない…」がちゃがちゃと玄関の扉を引くが、魔法のカギがかかっていてビクともしない。姉妹が怪しく微笑みながらゆっくり歩いて来る。絶対に逃げられない確信があったから余裕で迫る事ができた。
「うわああ!」テオールは台所に走る。小さな体なら抜け出せそうな窓がついていて、通気口も兼ねていたのでそこは常に開いていた。これで逃げられる!テオールは一目散に小窓に上半身を突っ込んだ。
「うぐっ!?」突然窓が狭まった感じ出した。見ると窓枠四方から何か肌色の物質が飛び出している。グニグニした感触がテオールの胴体を締め付ける。これは女の肉と同じ感触だった。胴を挟み込まれ、少年は小窓につっかえてしまった。「うあ…早く外に…」渾身の力を込めてテオールは身を乗り出すが、力を入れれば入れる程肉でできた"窓枠"がしっかり少年の体を圧迫した。
さわさわ…「ひゃっ!」姉妹が追いついた。「だめねぇ。絶対逃げられないんだから。諦めが悪い子ね。」「ふふ…でも…こうして私達の前に無防備な姿を晒しちゃって。」下腹部が女二人にまさぐられている。しなやかな指使いが少年をいたぶったかと思うとすかさずヌメヌメした二本の舌がペニスをかわいがった。
押しても引いても体が固定されてしまって動けない。なすすべもなく触られ放題、舐められ放題になってしまった。「んあっ!」既に催淫毒が全身に回り体中がぬるぬるになってしまっていた少年にこの快感攻撃は耐えられなかった。姉妹の顔に白濁液をぶちまける。射精したら窓枠が消えて少年は解放された。
といってももちろん外には逃げられない。ナターニャとマリアンが華奢な足を二人がかりで引っ張って少年を台所に引き戻した。「逃げようとするなんて悪い子ね。」「お仕置きが必要だわ。」
テオールは壁に背中をつけた状態で、低い踏み台の上に立たされた。美しい年上の姉妹が少年の前で両側からお互いに背中合わせで立った。そしてヒク付いているペニスに二人のお尻が両側から押し付けられる。臀部の肉が左右からペニスを圧迫し、こねくり回している。
「どお?二人がかりで両側から女のお尻に挟み込まれる感触は?」「パイズリとは違ったやわらかさと弾力でしょお?」ぐいぐいと姉妹は腰を左右に揺り動かしたりペニスめがけて強く圧迫したりする。ペニスは臀部の柔肌に包まれながら巧みにしごかれたり締め付けられたりする。「さあっ私達のお尻の間からドクドクとえっちなお汁を噴き出しなさい!」ぎゅっぎゅっと蠢く二人のお尻に翻弄されたテオールはあっという間にイッてしまった。
「くすくす…次はどこに逃げる?」「いっぱいお仕置きしてあげる!」「逃げないんだったらこのテーブルの上でさっきの続きをしましょう♪」どっちもイヤだと思った少年は姉妹を押しのけて家の奥に走って逃げた。トイレだ、個室に入ってカギをかければ…死神じゃない生身の人間なら入って来れない筈だ。
マリアンの仕事場の窓が大きく開かれていた。マリアンは針仕事をして生計を立てナターニャはパンを仕入れて町に売る仕事をしていた。窓は大人も通れる位の大きさだ。トイレにこもるより外に出て逃げてしまった方がいい。そう判断したテオールは仕事場に飛び込んでドアを閉め、カギをかけた。
「あらあ。窓開けっ放しだったかもね。」「だめじゃないマリアン。カギ締められちゃったわよ?」「ねえテオール君、言っとくけどその窓から外に出ない方がいいわよん。」「そうね。ここでおとなしく私達に絞られなさい。早く鍵を開けるのよ。」
もちろん少年は聞く耳を持たない。彼女達が鍵をこじ開けるまで時間がある筈だ。その前にこの窓から飛び出してできるだけ遠くに走って逃げよう。テオールは窓から外に飛び出した。
「!!?」窓の外は草原が広がっている筈だった。さっきまで暗闇の中でサワサワと草が靡く音がしていたし月明かりも見えた。飛び出すまでは窓の外の風景はいつもの草原だったんだ。
しかしテオールが飛び出した瞬間景色が一変し、赤と肌色の線がぐにぐにと蠢くおどろおどろしい空間に変わってしまった。しかもそこはとても高い場所で何もない空間。テオールはたちまち異空間の中を落ちて行った。「うわああああああ!」
少年の断末魔が姉妹にも聞こえた。「あーあ、飛び降りちゃったね。」「しょうがないわ。どっちにしろ同じ運命を辿っていたのよ。私達の体で絶命するか、彼女達の体で絶命するかの違いでしかないわ。」「ちょっと残念そうね姉さん。」「もっとしたかったからね。でもいいわ。これで私達の役目は終わり。」「やっとマスターにこの体をお返しして解放されるのね。」「さあね。もしかしたら魂は永遠に快楽の坩堝に飛ばされるかもよ?」「クスクス…それも悪くないわ。」
テオールは相当高い所から落ちて来たのに、地面がものすごくやわらかく、ふわりと包み込むように小さな体が深く沈んだ。「し、死んだかと思った…でも…ここは一体…!?」おぞましいストライプ以外に何もない輝く空間。「もしかしたらこれが死後の世界なのかな」
ず…ずず…「!!」テオールの周りが盛り上がった。"それ"は木の様に上に伸び、ヒトの形に形成されて行く。真っ白い肌、周りを覆う赤い花弁、少年の回りあちこちから生えて来たのは…アルラウネ達だった。正確にはアルラウネの思念の奥深く、アルラウネと同等の力を持った"呪いの本性"だった。
テオールはアルラウネの呪いの源泉、呪いの魔力が湧く泉、その一番奥深くにある擬似空間に閉じ込められてしまった。だからアルラウネ達が大勢沸きあがるしその力も本物と同等だ。美しい緑色の髪が靡くと空間はたちまち淫気が充満した。
「んあ…」淫気の毒に当てられた少年はひとたまりもなく誰にも触られていない状態で立ったまま射精してしまう。ビクビクとペニスの先から汁をこぼしながら少年は目の前の化け物に抱きついた。べちゃっとローションが少年の全身を濡らし、女体上半身がニュルニュルと蠢くと脈打ちが止まらなくなった。
従者や幻影の美女達の催淫効果をはるかに上回る"本体"のローションの力はすさまじく、アルラウネのお腹にウインナーを押し付けたままテオールはひっきりなしに果て続けた。その周りを大勢のアルラウネ達が取り囲み、異空間を自在に動き回りながら徐々に少年に近づいてゆく。
テオールは声も出せずに只快感に身を任せるようになった。ついに少年の周りぎっしりとアルラウネ達に包まれてしまう。ぬるついたいやらしい手が数十本も全身を愛撫する。誰かの手が豊かな乳房に亀頭を押し付けると大量の精液が噴き出した。
グネグネと上下左右に蠢きながら、白い肌の化け物が少年の全身に女体を押し付け続け、一気に精気を吸い取って行った。アルラウネが小さなウインナーを口に含むと全身がとろけるような感覚を覚える。口の中は強いバキュームとヌルヌルで満たされ、口の中に数本ある舌が満遍なく性感帯を刺激し続ける。オンナがない代わりにアルラウネの口の中は強烈な搾精装置になっていた。
どんなに腰を揺り動かしても、腰を引こうがうつぶせになろうが、ペニスに張り付いたアルラウネの頭がぴったり付いて来て決して離さない。その淫靡な舌が何人分も下半身に絡みつき、玉袋もお尻の穴も満遍なくかわいがる。ついにテオールは快感の中ですべての精気をアルラウネに提供し、生体エネルギーのすべてを彼女の糧として捧げてしまった。まだ姉妹から逃げなかった方がマシだったのかも知れない。
夜が明けた。ナターニャの家から忽然と住民の姿が消えた。一夜にしてこの家には誰もいなくなってしまった。預けていた弟も行方不明になったがその事を青年はまだ知らない。
午後になってようやく気が付いた。体力が何とか回復している。普通に歩けるようになった青年は異常な空腹を覚え、夕食用のパンを平らげてしまった。いつもは朝は薄いスープと小さなジャガイモ、高級品のパンは夕食にと決まっていた。青年は貧しかったから、アルラウネの花びらを持って帰ってしまったのだった。
空腹が満たされると青年は外を見た。天気があまりよくない。黒い雲がかかっている。雨が降る前に外にある薪を小屋にしまわないとな。そう考えて玄関に向かった。
「あっ!」玄関の扉を開けると、ナターニャとマリアン、その後ろにテオールが立っていた。真っ白い顔、生気のない瞳、只ぼんやりと三人は青年を見つめていた。ナターニャの手には籠いっぱいのパンが抱えられていた。
「あのっ、ああ、ナターニャ、その…昨日は弟をありがとう。悪かったね、迎えにいけなく…」青年は彼女達の異様な雰囲気に圧倒されながらもきっと怒っているのだろうと思い取り繕った。
「オマエ…は…」「!」青年は半歩後ずさった。このしゃべり方は…初日の"警告"と同じだった。意志を持たない者が魔力によってしゃべらされているような、カタコトの、只声帯を動かされているだけのような、抑揚のない無機質な口調!「そんな…まさか…」
彼女達はこんな内容の事を話した。「お前は…じわじわといたぶるぞ。花びらを持ち帰った張本人だから。そして無関係な人々を呪いに巻き込んだ犯人だからな。」「うう…」「この娘達も、お前の弟も、そしてお前の父も…皆お前を恨んでおるぞ。その報いを受けるがいい…」「そんな…」青年はテオールまで犠牲になっただけじゃなくフィアンセとその妹まで呪いで殺された事を知り愕然とした。
青年の目の前にいるのはアルラウネに完全に吸収されて魂を魔性の快楽に翻弄され続けている家族とフィアンセ達だった。しかしかれらはもう生きていない。目の前にあるのはアルラウネが作り出した呪いの幻影だった。
「お前の罪は消えない。死ぬまで毎日少しずつジワジワと吸い取ってあげる…これを見よ。」マリアンの手にはあの赤い花弁があった。「それは…返した筈…」「お前…自分の部屋にあるシクラメンの花びらをむしってみろ。そしてその花びらを再びシクラメンの茎にあてがってみるがいい。それで花びらが再びくっつくのなら…許してやる。」
青年は絶望した。一度引きちぎってしまったら返しても元には戻らない。植物とはそういうものだ。当日の内に反省して返せば例え元に戻らなくても花弁を再生して罪人を許したが、それも怠れば容赦なく精を搾り取る。死ぬまで。アルラウネの呪いはそういうものだった。
「これを食え。」ナターニャの死体が手の籠を差し出す。パンがどっさり入っている。売り物にする為に仕入れたパンだった。「精を吸われればエネルギーを補給すべく強烈な空腹に襲われる。お前はこれを食べる事を我慢できない。そして生きながらえるのだ。強制的に生かし、時間をかけてたっぷり精を提供するのだ。ククク…外に出る事は叶わぬ。」「あああ…」
赤い花びらが小さく分裂する。バラの花びらのようにヒラヒラと舞い、どんどん家の中に舞い込んで来る。アルラウネの花弁が家の中に吸収された。という事はあの戦慄の美女軍団に襲われ続けるという事だ…
ガタン!ガタタタ!ガシャーン!家のあちこちから激しい物音がした。窓や扉の類が閉まる音だった。そして魔力によって閉ざされ決して開けられないようになっている。「…パンがなくなる頃にまた持って来てやる。せいぜい楽しむがいい。」ぎいい…玄関の扉がゆっくり閉まって行く。これが最後の扉だ。
「うわあっ!」青年は玄関が閉まる前に外に出ようと走り出したが三人の壁に阻まれてしまった。「こいつらを殺しておいて自分だけ逃げようというのか?」「うう…」自責の念で青年は後ずさる。そのスキに扉は完全に閉ざされてしまった。
「なんと言う事だ…」青年はアルラウネハウスに完全に閉じ込められてしまった。花びらはもうどこにもなく、完全に壁や柱に吸収し融合してしまったみたいだ。この日から青年の地獄、いや天国が始まった。
家中が強烈な淫気で充満している。窒息しない程度に空気は入れ替わるけど匂いはこもって若い男を苦しめ続けた。どこへ行ってもアルラウネの香りが付きまとった。催淫効果に負けて青年はその場でペニスをしごくが自分では射精できない体になっていた。
日が沈むと、あのいやらしい美女があらわれた。射精したくても女に抜かれなければ出す事ができない青年は身悶えしながらベッドでうずくまっていたが、日が沈むと解放された。部屋の隅の暗がりからあらわれたサラサラ髪の美少女がベッドに潜り込んで来る。青年は彼女に抱きつくとあっという間に精液を噴き出させた。挿入しなくても柔肌にペニスをこすり付けただけで出してしまった。
美女はすうっと消えて行った。青年は起き上がる。まだ滾りを鎮められない。もう2,3回出したかった。ベッドから立ち上がる。自分の部屋を出ると廊下に裸の女が待ち構えていた。彼は無言で美女に抱きつく。キスをしながら女は大きく股を広げて青年を立位で受け入れた。数回こすると青年は発射した。
もうすこし…でも…欲望に負けて快感に身を任せては危険だ…何とか理性を保ちながら呪いを解く方法を考えなくては。青年は再び部屋に戻った。ベッドに腰を下ろすと下から美女が顔を出した。むくりと起き上がり青年のペニスを掴むといきなり咥え込んだ。亀頭に絡みつく舌さばきが青年を悦ばせる。青年は考える暇もなくプルプルの唇のしごきに翻弄されて漏らしてしまった。
彼女の頭を両手で掴んで射精の身震いに没頭していると背中に二つのふくらみがぐにゃりと潰れた。青年は後ろの美女にも抱きつき正常位で挿入。下からなまめかしくゆっくり突き上げる動きに脱力し、体重を預けながら快感を継続させる。彼の腰に回った女のふくらはぎがお尻をスベスベとこすりながら彼女は妖しく腰をくねらせた。青年はこの動き翻弄されてイッてしまう。
そろそろ疲れて来た青年がぐったりとあお向けになるとムリヤリ勃起させるべく芳香が強まり、3人の美女がベッドに乗って来た。半立ちのペニスが代わる代わる騎乗位に包まれ、休ませても眠らせてもくれなかった。
女達の数がどんどん増えて行き、ついに青年は完全に女布団に包まれながら全身を愛撫されてしまう。次々と上に乗って来たりまた下から抱きしめられたりする。正常位の青年はみずみずしい女の上半身に自分の体を擦り付けながらペニスを自分から蜜壷の蠢きに晒すのだった。激しくキスをしながら正常位の女に射精した次の瞬間隣の女が滑り込んで来てペニスをいざなう。
男上背位でお尻の感触を腰に受けながら青年は何も考えられずにセックスし続けた。美女軍団は汗のように体中にローションを滲ませ体臭を強める。にちゃにちゃと騎乗位のふとももが彼の足をぬめり、またぺたぺたとバックのお尻が彼の腰周りをつつき続けた。
前後を挟まれての座位は青年を女まみれにし、ペニスは一晩中萎える事無く精液の出口になり続けるのだった。疲れて立たなくなっても女達は無理矢理しごき立てたりもみ立てたり、口に含んでモゴモゴしながら青年の精液を搾り出した。
朝になると青年はやっと解放され、4時間だけ寝る事を許された。正午になる前に青年は空腹で目覚め、強烈なひもじさに襲われる。思考停止状態で彼は台所のパンをむさぼり食らう。食べ終わると再び家のあちこちに女達があらわれた。
明るい内は、美女軍団はオンナではなく手や舌やふともも、おっぱい等で青年を喜ばせた。青年が射精すると精液が家の壁や床、女体に飛散するが、それを吸い取ってエネルギーにするかのように体液が消えてしまう。スポンジが吸い取るように家具も服も白濁液を飲み込んでしまった。
机に座れば、背中と椅子の背もたれの間に美少女が体を捻じ込んで座り、後ろからペニスをまさぐる。両手で一生懸命棒をしごかれながら机の下からあらわれた別の娘に亀頭をチロチロされる。亀頭が柔らかい口の中でモゴモゴ刺激され、棒がしなやかな指先で素早く刺激されると青年は椅子に座ったまま快感のしるしを噴き出さずにはいられなかった。射精が終ると背中の女性に体重を預けて脱力した。
トイレに行けば、小水の時は両側から女性にペニスを触られ、彼女達に棒を支えて貰いながら用を足す。出すのはおしっこだけでは済まされなかった。大便の時は便座に座った上に女の子が座り、ペニスをふとももに挟み込まれる。青年は用を足しながらペニスは上向きにしていなければならなかった。
家中にあらわれる女性達は同じ顔ではなくなっていた。みんな美しいけど若いのから色気ムンムンな人もいて、体型もさまざまだし髪の色も得意なテクニックもバリエーションがあった。千差万別の美女軍団が青年を飽きさせなかった。
弟の部屋に行くとロリロリな女の子達が待ち構えていて、集団フェラ攻撃でペニスも玉袋もお尻の穴も小さな舌にかわいがられた。青年の腰周りにぐるりと張り付く女の子達のあどけない顔立ちを見ながら大胆な責めに青年は呻くしかない。
父の部屋には遺品とかが積み上げられていたので行かれなかったが多分そこにも逃げ場はないだろう。台所に行くと巨乳の女達が青年を胸の谷間で気持ちよくしてくれる。夕食のパンは股間にパイズリの刺激を受けながら食べさせられた。
四六時中誰かに咥えられ、挟み込まれ、しごかれ続けた。ちゃんと食事だけしていれば弱りもしないでいくらでも精液を吐き出す事ができた。どうやら夜に本番で抜かれる以外は疲れ知らずなのだろう。その疲労は明け方に一気に襲い掛かる。痛みとだるさがずんずん青年を苛むが、少しの睡眠とパンで回復してしまう。いや、ムリヤリ回復させられていたんだ。
何日かするとナターニャの亡霊がパンを持って来る。売り物がなくなると霊界のパンを持って来るようになった。ナターニャの懐かしいオンナの感触を味わいながら青年の夜が更けて行く。
何日経っても饗宴は終らなかった。便座の上で美少女のスマタを受け、彼女の胸を抱きかかえながら青年は何も考えられなくなっている。毛の生えていない美女軍団のふとももとオンナが棒を擦るとすぐに足の間から体液が飛び出す。終ってもその場を離れないと女の子はいつまでも上下し続けてむっちりしたふとももで青年をかわいがり続ける。
弟の部屋で幼女達のふとももに挟み込まれながら青年は既に弟の事さえ思い出せなくなっていた。夕食が終ると女達はもっと淫乱になり、積極的にペニスを蠢く壷で包み込んだ。
夜の寝室は次から次へと女達が迫って来るハーレム状態だが、場所を変えても同じようなものだった。夜中のトイレは美少女達の座位天国。青年は便座に座りながら女の子の感触を味わい続ける。昼間スマタをしていた彼女が夜は小さなお尻を深く青年に食い込ませてスリスリしたまま自分の膣でペニスを揉みしだく。
弟の部屋に行けば胡坐をかいた青年に次々と女の子達が抱き付いて来る。台所の妖艶な美女達が青年の口に粘液を流し込みながら交代で騎乗位攻撃を仕掛けて来た。廊下は色々な娘達がたむろしていた。昼間は彼女達に抱き付かれたり手コキされたり、お尻のワレメに挟みこまれたりしながら通るしかなかったし、夜は出会う女全員のオンナに精を注がなければ先に進ませて貰えなかった。
体には相当の無理がかかっている筈なのにナターニャが霊界から持ってくるパンを食べるだけで青年は死ぬ事を許されなかった。パンを食べなければ死ねるが生きようとする強烈な空腹には堪えられなかった。
それでも、少しずつ少しずつ、青年は衰弱して行った。もし一緒に暮らし続ける事ができる人がいたら彼の変化には気付かないだろう。夕空をずっと見続けているといつの間にか暗くなっている事に気付かないように、青年の変化もかなり緩やかだった。
毎日毎日、睡眠時間と昼食時間以外は、青年は女体の暴虐に晒され続けた。外に出る事もできなければ外から中の様子を伺い知る事もできない。青年も行方不明で片付けられた。その間もずっとアルラウネの呪いに翻弄されていたのに、誰にも気付かれなかった。
婚約者が次のパンを持ってくる日を青年は「ナターニャ記念日」と名づけて心待ちにしていた。ナターニャには思い入れが強い上びっくりする程のテクニシャンに変わっていて、昼間パンを持って来たナターニャは青年が行く所どこでも付いて来て手や口、胸、お尻、ふともも、わきの下で絶えずペニスをいじめ続ける。夜になるとそれにオンナの感触が加わる。
ナターニャ記念日は特に消耗が激しかった。青年は既に何十回もナターニャ記念日を過ごしていた。
そんなある日、ナターニャがマリアンを連れてあらわれた。パンを持っていなかった。青年は骨と皮だけに衰弱し、本来なら歩き回るのはおろか仰向けから起き上がる事もできない状態だった。家の魔力に支えられて青年は自由に動き回れただけだ。
昼間なのに姉妹は青年を押し倒して上に跨った。ナターニャが挿入するとあっという間に青年は果てた。休む暇もなくマリアンがペニスを包み込む。ずっと昔…若気の至りでマリアンの幼い顔立ちと小さな胸に魅了されて一度だけ彼女を抱いた事があった。その感触を思い出しながら青年は妹に搾り取られた。
妹が終るとまた姉の番だ。姉妹は交互に青年をさまざまな体位で犯した。「ぅぅ…なたー…」やっと青年がフィアンセの名を呼ぶと彼女は妖しくも優しい微笑で応えた。そしてひときわ強くオンナを締め付け青年の最後の一滴を搾り取った。青年は彼女の胸に顔を突っ伏して気を失った。そして…二度とそのまま目覚めなかった。
彼が事切れた時間はアルラウネの花弁を引きちぎった時刻と同じだった。青年の精気をすべて吸い取ってやっとアルラウネの呪いが完成し、その効果が終わりを告げた。その瞬間家がたちまち風化した。魔力で元の状態を維持していただけで、人の手がまったく加わらないまま何ヶ月も放置すれば荒れるのが当然だった。見るも無残な廃墟に変わり果てた家には誰も近づかなかった。
その内噂が立つ。彼と、彼に関わるすべての人がアルラウネに呪われて消滅したのではないかと。そんな噂が立てば尚更その家には誰も近づかない。後は時代の流れが迷信を風化させるだけである。
それから650年後。この土地は大勢の人が暮らす開拓された街になっていた。自動車が四六時中走り抜ける中、近代的なホテルがこの場所に建っている。ホテルの名前は"ある・らうね"昔の伝説をもじった名前だった。森は既になく、すべて木が切り取られたのでアルラウネの棲家もなくなっていた。
ホテルは結構人気があった。本物かニセモノか、ロビーには「アルラウネの花びら」の剥製が飾られていたから見物人も多かった。水晶に閉じ込められ固められた赤く大きな花びらが豪華に装飾されて見世物になっている。どこから手に入ったのか、昔この地の廃墟から発見されたものという説明書きが付されていた。
アルラウネ本体が遠く離れている為か昔のような"事件"は起こらなかったが、このホテルに泊まる男性の多くが淫夢を見るという噂が立った。実際ホテルのシーツは夢精で汚れる事が多かった。噂が広まると泊まりに来る客も増え、ホテルは大盛況だった。
人が増えるとセキュリティーの関係から名物の剥製は片付けられ、金庫奥深くに眠る事になったが、それでも人気は衰えなかった。ロビーにはレプリカが飾られている。
人目に晒されなくなった花びらがいつの間にかなくなっている事に誰も気付かなかった。金庫の中には水晶だけがあり花びら部分が空洞になっている。が、これを確認する人が誰もいなかった。オーナーは相変わらず金庫には名物の花弁があると信じて疑わなかった。花びらの成分が鉄筋コンクリートのホテル全体に浸透している事にも気付かない。
現在、このホテルには世界中から年間数多くの観光客が訪れ、宿泊している。
(アルラウネの呪い 完)