呪いの忘却 1



  「おい…ここやべーよ…」

 裕太が震え、うわずった声をあげる。

 「…。」

 僕は黙っていた。

 「帰ろーぜ!」

 「分かってるよ!」

 僕はいらついた声を、やっと荒げることができたのだった。

 僕、栗原光平は、悪友の中倉裕太と一緒に、とある県の山奥に来ていた。山奥といっても、遭難するようなところではなく、人里も近く、道路も舗装されていて、すぐに来ることができ、また、すぐに帰ってこられる場所でもあった。

 僕たちがここに来ようと思ったのは、その県の観光スポットを巡るついでに、学校で噂になっている都市伝説の真相を確かめるためでもあった。

 「この山奥のどこかに、廃村がある」

 廃村?

 そう、昔、人が住んでいて、やがて寂れ、誰もいなくなり、建物や施設だけが残された…という、地図にも載らなくなった小さな村だという。

 人が住んでいたことがあるというだけあって、里からすぐに入ることができ、また、すぐに里に戻れる場所にあるのだという。

 だが、これまでに多くの男女が文献資料を調べたり、実際にその場所に足を運んでみたりしてみたものの、これまで、誰もその廃村を見つけた者はいないというのだ。

 「要するにさ、作り話なんだよ。」

 僕は学校でケラケラと笑う。裕太は興味津々な顔で、次の休みに行ってみようぜと言って聞かないのだ。

 「何でも、その村にたどり着くには条件があってさ、よくわかんないけど、その条件に合わないと村にたどり着けないんだって。村に結界でも張ってあるのかな。村が訪れる人間を選ぶって噂だよ。」

 「ばっかみたい。」

 「とにかく行ってみようぜ。条件に合わなければ村にはたどり着けない。見つからなければ、俺もあきらめがつくよ。」

 ただそれだけのことであった。

 普通なら、こんなことでは、貴重な休日をつぶしてまで、ありもしない廃村探しなんてしようとは思わない。ましてや、うさんくさい裕太の言葉も信じられないし、都市伝説や怪奇現象の類にはまったく興味がないのだ。

 それなのに、僕は裕太と一緒に、その場所に行ってみることを決めてしまったのだ。

 魔が差した…とでもいうのだろうか。あるいは、なにかとてつもない力によって、僕の心が犯され、支配され、行く気になってしまったのだろうか。

 とにかく、裕太の言葉にのせられ、僕たちは次の日曜に、山に入ってみることにしたのであった。

 山を登ると、標高も低く、あっという間に頂上にたどり着く。低いので、見晴らしが良いわけでもない。観光の名所でもないし、なんの変哲もない、ただの小高い山でしかない。

 都市伝説は、色々なところで出回っているものらしく、僕たち以外にもいくつかのグループが、この山を訪れていた。が、誰もが浮かない顔をしている。そりゃあそうだ、ありもしない村を探し、ことごとく見つけられずに、つまらない風景の中、落胆して帰ろうとしているのだからね。

 そんな中、僕たちは、山を下りようと、もとの道に引き返すことにしたのだった。僕たちももちろん、そんな村など見つけられはしなかったのだから。

 「なあ、光平。」ふいに裕太が声をかける。「俺たち、元の道を下ってんだよなあ。」

 「…。」僕はそれには答えなかった。が、裕太の言いたいことは分かっている。

 山を一本道で下っているはずだったのだ。分かれ道はないし、そんな道に入った覚えもない。

 しかし、僕たちはいつのまにか、上り坂にさしかかっている。

 アスファルトで舗装された下り坂。自動車は一度も通らない。が、途中で廃村探しに来たグループには何組かすれ違った。その一本道の道路をずっと下り続けていたのだった。

 が、いつのまにか、勾配は逆転し、気がついたら、僕たちはまた、舗装された道路を”登って”いるのだった。

 一時間、二時間と経過していく。

 不思議と体は全然疲れず、それどころかどんどんエネルギーがみなぎってくるようで、足はどんどん速くなって、それでも一向におかしさを感じなかった。

 それは裕太も同じようで、彼は何度も小走りになると、はっと気づいてまた大股を拡げて歩く体勢に戻す。

 「!」「これは…」

 ついにゴールかと思いきや、上り坂はまだまだ続き、しかも、アスファルトの舗装は、目の前でぷっつりと、切れてしまっていた。

 あとは、草木の生える獣道。しっかりと踏み固められてあって、進むことに苦労はなさそうであるが、その先が何か、異様な雰囲気に彩られていることは、はっきりと感じ取ることができた。

 おかしい。

 どう考えても、異常だ。

 低い山だ、とっくに麓にたどり着いていてもおかしくはない。

 が、それよりも何倍も時間がかかって歩き続け、登り続けているのに、一向に足も体も疲れず、しかもどんどんと知らない場所に突き進んでしまっているのである。遭難してしまったのだろうか。

 獣道を進むしかないのは分かっていた。引き返してみたところで、途中に分かれ道もなく、麓へ出る方法がないのがわかりきっていたからだった。

 土の道は思ったよりも歩きやすく、僕たちはスイスイと登り続けることができた。そして、小一時間も歩くと、周囲の木々が急に少なくなり、草の茂る砂利道に出ることができたのだった。

 砂利道ということは、誰かがその場所を整備した、つまり人の手が加わっていることを意味する。

 全体的に、もやのかかった場所だった。

 周囲が小高い丘のようになっていて、建物のようなものは見あたらないが、その代わりに、あちこちに赤いものが見え始めるのだった。

 「あれは…」僕は思わず声を上げた。裕太も、その赤いものの異様なたたずまいに声を失っている。

 鳥居だった。

 朱色に塗られた、大小さまざまな鳥居が、丘のあちこちに建立されている。

 少し丘を上がってたどり着けるような鳥居もあれば、道ばたに小さく立てられた鳥居もある。潜ることのできるような大きなものから、30センチくらいの小さなものまで、あちこちに立てられている。

 進めば進むほど、鳥居の数はあちこちに増え始めていて、しかも、周囲を包み込んでいる、もやのようなものも、いっそう深く濃くなっていくのだった。

 まるで異世界、霊界にでも迷い込んでしまったみたいだ。

 そこで…

 「おい…ここやべーよ…」

 裕太が震え、うわずった声をあげる。

 「…。」

 僕は黙っていた。

 「帰ろーぜ!」

 「分かってるよ!」

 この会話が出てきた次第である。

 分かってはいるのだ。

 この場所が何か異様で、恐ろしくおぞましく、人間が立ち入ってはいけない、何か禍々しいもので満たされているのだということを。

 この場所が、れいの廃村なのかどうか。

 廃村だとしても、家もなければ、人が暮らした痕跡もまったくない。

 ただ、山の中、小高い丘のあちこちに、もやに映える赤い鳥居がたくさん立てられているばかりである。

 鳥居は、結界を意味するものといわれる。何かの境界であり、通常は神秘的なものと俗界を分かつものとされているのだが、この鳥居の雰囲気は、そういう神々しいものがまるで感じられず、まったく反対に、邪悪な意思のようなものをひしひしと感じるのである。

 帰りたいのは山々だった。だが、どう引き返せばいいのか、この濃い霧の中では、方向も皆目見当がつかない。

 僕たちがどこにいて、どこを歩いていて、どこに進めばいいのか、まったく分からないのだ。

 ただ、一方向に、まるで何かに引っ張られるように、僕たちはある方向に向かって、ただ黙々と歩き続けるしかなかった。帰りたい、という心をお互いに抱え込みながら。

 物音ひとつしやしない。ただ、ざっざっという、僕たちの歩く足音がするのみである。鳥の声も、虫の音も、風の音もない。

 不気味で、人影も何もない、ただ鳥居だけがある、しかも砂利で舗装された広い山道だ。まるで鳥居そのものが、この近辺の住人であるかのようだ。

 「あっ!」

 僕と裕太は同時に声を上げた。

 道が終わっている。

 僕たちの目の前には、5メートルはあるだろうか、巨大な鳥居が立ちはだかっていた。

 鳥居の奥には、お堂のようなものがあり、さらにその奥に、家屋らしきものが立ち並んでいる。

 「…廃村…だ…」

 人の気配のない、静かな木造の家が、お堂の奥に密集しているのが分かる。

 ついに僕たちは、噂の廃村にたどり着くことができたのだった。

 とにかく、中に入ってみよう。そんな気持ちが不思議と頭をもたげ、心から離れなくなった。大勢のグループが探しに来て、場所を見つけることができずにがっかりして帰っていった、あの廃村が、今、僕たちの目の前にあるのだ。

 一方で、心は警鐘を鳴らしている。この不気味で禍々しい雰囲気は、何か邪悪なもの、霊とか悪魔の類の気配とでもいうべきものが取り囲んでいる。ここを突き進めば、きっと取り返しのつかないことになる。

 だが、そんな警鐘とは裏腹に、僕たちはゆっくりと前に進み始めた。何かに引き寄せられるようだった。それは裕太も同じ状態のようだった。僕たちは無言で、鳥居をくぐり抜けた。

 そのとたんだった!

 キイイイイイイイイン!!!!

 「うああああ!!」「ぎゃあああああ!!」

 僕たちは同時に悲鳴を上げ、その場に転がり回った。

 耳鳴り、というよりは、強烈な音波のようなものが、耳から脳の奥まで駆けめぐり、大音響で頭の中を響き渡る。人間が耐えられるレベルを超えた甲高い音が大音量でギンギンと響き、すぐにでも脳が破壊されてしまいそうな衝撃を受ける。

 そして、頭が割れそうなくらいの強烈な頭痛が僕たちを襲っている。僕も裕太も何も考えられず、その痛みと苦しみにのたうち回るしかなかった。裕太も僕のそばで絶叫しながら転げ回っているので、僕と同じ苦しみを味わっているのだろう。

 生まれて初めて、自分が呪われたことを体で思い知った。

 このまま、気の狂わんばかりの怪音波と、死の一歩手前の頭痛で、数分後には発狂死するのだろうか。そんな恐怖が頭をよぎり、しかも、その不快な音と、脳の周辺のすべての痛感神経が一気にギリギリと締め上げられる苦痛から、早く楽になって死にたいとさえ願うようになった。そのくらいに、この破壊音は強烈であった。

 フクヲ…ヌゲ…

 「ぎいやあああああ」「ひいいいいい」

 フクヲ…ヌゲ…

 があああ! 苦しんでいる中で幻聴が聞こえてくる。もうおしまいだ! 死にたくない! 死にたい!

 フクヲ…ヌゲ…

 服を…脱ぐのか!

 頭の中に響く凛とした声は、ひどい耳鳴りと頭痛の中で、天女のような救いの声にも聞こえた。

 何かは分からない。が、服を脱げば、きっと楽になれると思うしかなかった。

 僕は無我夢中で服を脱ぎ、全裸になった。

 「!!」

 服を脱ぎ捨てたとたん、耳鳴りと頭痛がぴたりと治まった。すうっと楽になり、そのまま気を失いそうになった。

 裕太も同じらしかった。彼も全裸になると、ぐったりと地面に倒れ込んだ。

 「ゆ、ゆうた…しっかりしろ…ゆう…た…」「こう…へい…」

 僕たちはのろのろと起き上がる。男子二人の華奢な裸体だ。風呂でもないのに、友人の裸を見るのは奇妙な感覚だった。僕たちはペニスを隠すことも忘れて、呆然とお互いを見つめ合うしかなかった。毛も生えていない、包茎のペニスが恐怖と苦痛で縮み上がっている。

 エラベ…

 「!!」「!!」

 また、頭の中で声がする。

 「…聞こえたか?」「ああ…聞こえた…」

 エラベ…

 凛とした声は、外からでなく、間違いなく頭の中で響いている。

 「選べって…」

 ムスメ カ アネ カ…エラベ…

 「娘か、姉か…選べ…」「俺にもそう聞こえたぞ。」

 服を脱げと聞こえたとき、服を脱いだら、一気に耳鳴りと頭痛が治まった。ということは、この得体の知れない声に逆らえば、また同じ死にそうな耳鳴りと頭痛に襲われることになる。逆らうことはできそうにない。

 意味は分からないが、どちらかを選ぶしかない。

 「俺には姉ちゃんがいるからな。もし、命を奪うのがどっちかを選べっていうなら、いま姉ちゃんに死んで欲しくないから、姉を選ぶよ。」裕太がつぶやいた。

 「じゃあ、俺は娘だ。でもこれって、将来の自分の娘ってことかな。いやだなあ…」

 キイイイイイイイイン!!!!

 「ぎゃあああああああ!」まただ! またあの苦痛が襲いかかった。

 デテイケ…デテイケ…!

 声がする。デテイケ、というのは、この鳥居から出ていくことか。

 僕は訳も分からず、半狂乱になって、鳥居の外に飛び出した。

 鳥居から出ると、また耳鳴りと頭痛が消えた。

 「大丈夫か裕太…。裕太?」

 裕太は全裸のまま、鳥居の先で立ちつくしている。僕の目をまっすぐに見て、しかも呆然として何も言わない。

 「裕太! どうしたんだ。出て行かないのか!?」

 「そうか…お前は…あの声に”帰れ”って言われたんだな。」「ゆ、裕太は違うのか!?」

 裕太は青白い顔で、無表情なまなざしを僕に向けた。

 「…俺は…残れって、言われたよ。」「なっ…!?」「ここに残るって意志を固めたら、耳鳴りと頭痛が止んだ。だから、俺はここから出ることは、できない…」「そんな! 裕太!」「帰れ、光平! 帰って、呪いを解ける人を探して、もう一度ここに戻ってくるんだ。それしか、俺たちが助かる方法はない。さあ帰れ!」「裕太!」

 「帰るんだ光平! ぐずぐずしていると、また耳鳴りが来るぞ。さあ、服を着て帰るんだ。帰れーーー!」

 僕はあわてて服を着て、一目散に元の道を走り出した。裕太、絶対助けに行く! それまで無事でいてくれ!

 どこをどう走り、どの道を通っているか、まったく分からない。ただ無我夢中で、ひたすら走り続けた。そして…

 「!」

 気がつくと、僕は麓の、山道入り口のところに立っていたのだ。

 僕はさっそく警察のところに行った。すでに僕と裕太の両親から捜索願が出されていて、捜索が始まっていたらしい。

 カレンダーを見ると、僕たちが山に登ってから、すでに一週間が経過していた。

 まさか…!

 山を登り、さまよい歩き、あの鳥居のところで苦しんで、無我夢中で走って帰って…トータルしたって、半日もかかってはいないはずだった。が、山を下りてみると、一週間も経過してしまっているなんて!

 病院で手当を受け、診断の結果、異常なしとされ、僕は一日泊まる程度で家に帰れることになった。

 僕は誰にも、鳥居のことや、そこで起こった出来事について話さなかった。誰も信じてくれない、突拍子もない話と受け取られるし、都市伝説もあるから、おもしろがってマスコミの餌食になるって分かっていたからだ。ただ、遭難しただけ。奇跡的に健康なまま下山できただけ。遭難時の記憶がないと嘘をついていた。

 家に帰り、食事をして、床につく。あの時の悪夢は、まだ僕の中で、恐怖として心の中を駆けめぐっていた。

 裕太、今ごろどうしているだろう。殺されていなければいいが。そんな思いが強くなる一方だ。

 なかなか眠れない。自分ひとり、こうやって無事に帰ってきてしまったことが後ろめたい。

 時計の、コチコチという耳障りな音が部屋の中を小さく満たしている。

 しばらく、眠れないまま天井を見ていたが、あまりにも秒針の音がうるさく、ふと時計を見る。

 午前、2時。

 くっそ、…裕太。

 「…?」

 部屋の中が妙に静かだ。

 さっきまでと様子が違う。さっきとは違う静けさが、部屋の雰囲気を変えてしまった。

 「!」

 そうだ、コチコチという秒針の音が聞こえない!

 時計の針が止まってしまったみたいだ。まったくの無音の部屋になった。

 「!!?」

 突然、足元が青白く光った。

 顔を上げてみると、そこには人影があった。不思議と恐怖心はわき起こらず、むしろ人影が、なにかの呪いの結果であることを直感していた。

 「…だれだ…」僕はくぐもった声で訊ねてみる。

 僕の足元でうずくまっていた人影が、すっと立ち上がり、音もなく僕の枕元まで迫ってくる。

 女だった。

 しかも、僕と同じくらいの年の、制服を着た美少女だった。

 「お前が…声の主か?」

 女は答えない。ただ、虚しい表情で僕を見つめるばかりだった。

 不意に、その少女がニタリと笑った。優しい微笑みなんかじゃあない。なにかを企んでいるような、それでいてあどけないいたずらっぽさを含む、悪意ある妖艶な笑みだった。

 女はいきなり、制服のスカートを脱ぎ捨てた。真っ白いパンティと、すらりとした光る白い足があらわになった。

 「なっ!?」

 女は僕の目の前に座り込むと、脚を拡げ、惜しげもなく内股を見せつけ始めた。

 可憐な美少女の、白く透き通る肌。ふともものむっちりしたふくらみが、すでに子供というより、大人になりかけのしっかりした女らしい妖艶さとしなやかさを具えている。

 お互いに14歳、性に目覚め、異性に激しい興味を覚える年頃だ。

 僕の視線は彼女のふとももとパンティに釘付けになり、それ以上何も考えられない。

 股間がくすぐったく疼く。女の子の足ってこんなに色っぽくて、きめ細かい肌ざわりが吸いつくようで、つい触りたくなってしまう。

 すると、不思議なことに、手が勝手に動き出し、彼女の内股を撫でさすり始めた。

 「ああ…」なんて触り心地がいいんだ。

 やわらかでしっとりスベスベで、吸いつくようなきめ細かさとシコシコした悩ましさを具えたふとももだった。

 その感触だけで、ペニスはいきり立ち、パジャマを持ち上げ始めるのだった。

 勃起を認めた少女は、クスクス笑いながら、すっと僕の股間の方に手を伸ばした。

 「うあ!」彼女の手は布団をすり抜け、僕の股間に届いてしまう。その時あらためて、この美少女が異形の者、幽霊であることを思い知らされた。

 布団、パジャマ、ブリーフに守られたペニスが、容赦なく女の子の手の餌食になった。それらの生地をすり抜け、彼女の手がじかにペニスに触れているのだ!

 少女のやわらかい指先が、ペニスの先端をつまんでいる。まだ剥けてもいない包茎の皮の先端が、少女の指先につままれているのをはっきりと感じた。

 コショコショコショコショ…

 「あうああっ!」

 女の子は右手の親指と人差し指で、皮をつまんだままこねくり回し、間接的に亀頭に刺激を加えてくる! あまりの気持ち良さとくすぐったさに、僕はつい悶絶し、そして性欲の命ずるままに、腰を持ち上げて激しく反応してしまう。男なのに内股になって、股間の激しい快感に酔いしれていく。

 僕も性欲旺盛な年頃、オナニーだって覚えている。が、そのやり方はもっぱら、包茎の皮をつまんで先端を刺激する亀頭オナニーだ。彼女がそれを知ってるのか、まったく同じやり方で、僕のペニスを刺激してくれてるのだ。

 だが、決定的に違うのは、自分でスルよりもはるかに、彼女のやわらかくしなやかな指先でしてもらった方が、くすぐったくて気持ちいいことだった。

 「ああ…」僕は腰を浮かせて体をぴんと緊張させながら、彼女のいやらしい笑みと、内股を交互に見て、快感が強まって行くに身をまかせた。もう彼女が幽霊だとか呪いの存在だとか、何もかもどうでも良かった。ただ、この快楽に身を委ねたい。

 ペニスは女の子の指の柔らかさに悦び、僕の精神は彼女のきめ細かいスベスベのほっぺといやらしい目つき、そしてパンティとふとももをオカズにして、ますます高められていく。僕の手が内股をさするその心地よい感触も、僕をあっという間に爆発させるに十分な魅力をたたえていた。

 「あふう!」精液が噴き出していく。何も考えられない火のような快感が、精液を容赦なく吐き出させるよう、股間に指令を送り込んできた。

 強烈な快感が、股間から全身へと拡がり、駆けめぐっていく。女の子の指先だけで、僕は射精してしまったのだ。

 「はあっ、はあっ…」出し尽くすまで、脈打ちの快楽は収まらず、僕は荒い息を吐き出すばかりだった。自分でしているよりもずっと満足度の高い絶頂だった。

 指先をいじくって射精させた娘は、僕をいたずらっぽく見下ろすと、すうっと空中に消えていった。

 「ああっ!」彼女が消えたことが名残惜しいと思った瞬間、僕はまた、別の娘が足元にいて、青白い光を放っていることに気づいた。髪の長い、やはり14~5歳くらいの若い娘だった。

 射精したばかりではあったが、僕の興奮は収まらず、ペニスはいきり立ったままだった。もっと、して欲しい。もっと気持ちよくなりたい。その一心だった。

 僕はもう何も考えられず、情けなくも自分からパジャマを脱ぎ、パンツも脱いで、下半身を露出させ、布団もはぎ取って、彼女の前に包茎の小さなペニスを差し出した。すると彼女はニタリと笑って、僕の足元に跪いた。

 「ん…」くちゅるん!

 「なっ!? ひゃうっ!」

 信じられない光景だった。

 指先で亀頭の皮をつまんで揉むオナニーしか知らなかった僕にとって、この光景はあまりにも斬新で、それでいて、指先の刺激をはるかに超える快楽だった。

 女の子は、小さくいきり立ったペニスに顔を近づけると、いきなりペニスをその小さな口に含んでしまったのだ。

 ち、ちんちんを…食べてる!?

 たが彼女は、決して歯を立てず、ペニス全体をやわらかい舌で舐め回し、唾液のぬるぬるを絡めながら、皮もこじ開けて内部の亀頭まで丹念に舐め上げ続けるのだった。

 「うおおお…」今度の快感は強烈すぎた。さっきは腰を突き上げてくすぐったさに反応したが、有無を言わさないペニス舐め攻撃に、僕は今度は腰を引いて快感を和らげようとさえしてしまった。

 だが、女の子はしつこく僕の股間に顔を埋め、根本まで咥え込むと、唇で棒をしごきながら舌の動きを早めてきた!

 あああっ! 女の子に舐められるって、こんなにいい気持ちだったんだ!

 有無を言わさぬ快楽の怒濤に、童貞の僕が耐え切れるはずはない。あっという間に高められ、精液がこみ上げるのを抑えきれなかった。このままだと、あの臭い体液が彼女の口の中に放出されてしまう。なんとかそれは避けてあげないと。僕はさらに腰を引いて、彼女の口からペニスを引き抜こうとした。

 だが、彼女はさらにペニスを奥まで咥え込み、喉の奥で締め上げるようにして、ペニス全体を締めつけてくるのだった。くすぐったさはピークに達し、あのイク直前の強烈なくすぐったさが持続したかと思うと、精液が口腔内にぶちまけられてしまった。

 ぐぼぼ…幽霊の喉が鳴る。精液は粘っこいまま、彼女の胃の腑の奥へと流し込まれる。それでいて彼女は、気色悪がるそぶりを見せず、むしろ満足そうに精液を飲み尽くしてしまうのだった。

 この娘幽霊も、すっと空中に姿を消してしまう。

 しかしその直後に、また別の女の子が姿を現す。さすがに二回射精しているので、ペニスは萎えかけ、体は疲れてきていたが、それでも、彼女の制服が脱ぎ捨てられるにおよんで、この子とも気持ちよくなりたいと切に願うようになってしまった。

 彼女はパンティをも脱ぎ捨てると、すでに大人の形状になってきているオンナがあらわになる。

 ああ、同い年の女の子って、もう、毛が生えているんだ。男の子は生えているヤツといないヤツで差があるというけど、女子は早く成長するから、ソコは大人と同じになるんだな。そんなことを初めて知るのだった。

 半立ちのペニスを美少女が掴むと、僕の上に馬乗りになったまま腰を落としてくる。セックスというものを何となく知っていた僕にとっては、これから始まることがどんなことであるかくらいは、予想がついた。

 いよいよ、ちんちんが女の子のアソコに入れられるんだ。初めての経験、初めての感触になるだろう。それがどんなものなのか、想像もつかなかった。指先だけで悶絶してすぐ射精してしまい、舐められただけであっという間に二発目を出してしまう状態だ。こんなペニスが、オンナの中に入ってしまったら、一体どうなってしまうのだろう。知りたい。気持ちよくなりたい。

 その一心で、ペニスを奮起させ、疲れていながらも若さと性欲の限りを尽くして、無理に勃起させた。

 そこへ、熱い感触がまとわりついた!

 「んあ!」

 びゅっ! びゅっ!

 熱い肉に締め上げられたとたんに、つまり入れたその直後に、あっさりと精液が女の子の体の中に吸い上げられていった。

 相手は幽霊だ。妊娠はしない。その安心感が、僕をいやがおうにも快楽へと駆り立てた。まして、人間の娘以上の攻撃力を持っている幽霊の中学生、大人の男だって耐えられるか分からない。童貞の僕なんかの太刀打ちできる相手ではなかった。

 挿入した瞬間、僕は果ててしまっていた。ああ…きもちいい…

 すうっと幽霊娘が消えていく。僕のペニスも、精力も体力も限界だった。

 僕の意識も、すうっと遠のいていく。別の娘が現れ、僕に抱きついてきたが、もう限界だ、これ以上はできない…

 僕の目の前が暗くなり、急に何もかも失うように、すとんと眠りの世界に落ち込んでいくのだった。

 夢を見なかった。

 気を失ったと思った次の瞬間、目覚ましが鳴る。

 あのめくるめく快楽の夜、気を失って、そのあと夢をさえ見ないほど深い眠りで、何も考えられず、何も感じることができず、ただ泥のように眠っていたらしい。

 そのおかげか、夕べの疲労感はすっかり消えてなくなっていた。

 夢でも見ていたのか、夢精でもしたのか、気になって股間を見るが、精液の形跡は見られない。

 だが、脱ぎ捨てられたブリーフとパジャマ、剥がされた布団から、夕べの出来事が夢ではないことがはっきり分かった。

 僕は冷静になる。

 あの出来事は、間違いなく、あの鳥居の呪いがもたらしたものだ。

 声の意味がうっすらと分かった。

 選べ、娘か、姉か。つまり、僕が相手にする女が、同い年くらいの女の子が良いか、自分よりも年上の方が良いかを選べって意味だったんだ。

 裕太は姉を選んでいた。どうなっていたかは想像に難くない。

 とにかく、一刻も早く、裕太を助けに行かなくては。しかし、どうやって?

 まず、あの呪いの正体と、それを解く手がかりを掴むんだ。裕太も言っていた。呪いを解くことができる人を探せと。まずはあの村のことをきちんと調べないとな。

 町の図書館から調べてみよう。町の図書館のオカルトコーナーにその手の本があり、裕太はそこから詳しい情報を掴んでいたらしいのだ。今日は休館日のはずだから、明日だな。

 朝食を済ませ、急いで学校に向かう。いつもどおりの、朝の風景だ。何も変わったところは…

 「んなっ!?」

 いつもどおり? 冗談じゃあない!

 女の子たちが全裸なのだ。

 いや、制服の娘もいるから、全員がそうというわけではなさそうだ。

 どうやら、僕と同年齢までの女性全員が、裸になっているみたいなのだ。

 同じ朝の時間帯に登校する小学生たち。毛の生えていないオンナをあらわにしたまま、ランドセルをしょって元気におしゃべりをしながら登校している。中二までの女子も、惜しげもなく裸体をさらして鞄を持って登校している。

 中3の先輩や高校生、大人の女性は、ふつうに制服やスーツなどを着て歩いている。

 言うまでもなく、娘たちが裸で歩いていれば、大騒ぎになるに決まっている。そうならず、ごく普通の登校風景で、誰も気に留めないというのは、つまりは、裸に見えているのは僕だけということを意味していた。

 彼女たちはちゃあんと服を着ているのだ。が、その服装は、僕には透けて見え、彼女たちが全裸で歩いているように見えるのである。

 ついつい、女の子供のぷっくりふくらんだお尻や、バレエでもやっているのだろうか、すらりと伸びた生足、そしてチラチラと見え続けるオンナのワレメ、めったにお目にかかれない、ぺったんこの胸やふくらみかけの乳房に目が行ってしまう。男の子と同じように乳輪も乳首も発達していないおっぱいなのに、肌のきめが細かく、白く透き通るようで、これからが楽しみな子供たちの上半身。同世代の、個人差のある大小のふくらみかけの乳房たち。

 その悩ましい肌やパーツを目の当たりにして、股間がくすぐったく疼いてくる。ダメだ、ここで朝っぱらから勃起したら、みんなに白い目で見られる。

 僕はつい前屈みになって、勃起を抑えようとした。だが、若く性欲旺盛な男子にそれは無理というもの。どんどんペニスは勢いを増していってしまう。

 そこへ、同級生の裸が走ってきて、「おはよー!」と元気に話しかけてきたのだ。隣の席に座る美少女、奈穂美だ。

 ペニスは完全にいきり立ってしまった。

 ピキッ!

 「!」

 そのとたん、世界に異変が起きた!

 クラスメイトの笑顔が、空を飛ぶ鳥が、人々の動きが、ぴたりと止まってしまったのだ。

 腕時計を見る。秒針が止まっている!

 世界の時間が完全にストップしてしまっているのだ!

 「ああっ!」

 いつのまにか僕の制服も消え失せ、全裸になってしまっていた。

 「な、奈穂美!?」

 奈穂美は返事をしない。笑顔のまま、ぴたっと僕の前で時間を止めている。

 奈穂美に触れてみる。「!」裸の奈穂美。そのきめ細かい肌ざわりをじかに感じ取ることができた。

 「…」フラフラと立ち上がる。若い僕は、奈穂美の裸体を前にして、性欲をどうすることもできなくなっていた。

 時間が止まっているんだ。そして裸の僕と、裸の奈穂美がいる。乳輪は小さいが、しっかりとおっぱいのふくらみがある、健康的な体を具えた魅力的な奈穂美だ。何をしても気付かれはしない。その背徳感が僕をドキドキと駆り立てた。

 奈穂美に抱きついてみる。「あああ…奈穂美の体、やわらかいよ…スベスベだよ…」僕は陶酔した。

 ぎゅっと後ろから別の美少女が抱きついてきた。半透明の、それでいてしっかりと肉感を具えた、裸の幽霊美少女だった。

 僕は後ろの娘に促されるままに、奈穂美の体にペニスを押しつけこすりつけた。

 ペニスは奈穂美のお腹や太もも、オンナ表面にこすれ、そのみずみずしい吸いつくような肌の感触に悦んだ。後ろの幽霊娘も積極的に腰を突き出し、僕のお尻をぐっぐっと押し出し続ける。すると腰が勝手に動き、一番気持ちよくペニスを奈穂美の体にこすりつけることができるのだった。

 奈穂美の華奢な肩を抱き締めながら、上半身に感じる奈穂美と後ろの娘の乳房の感触を味わいながら、必死に腰を振り、なおかつ幽霊娘の腰の動きに身を委ねた。

 包茎の亀頭が執拗に奈穂美の体をこすれていく。やわらかくめり込む美少女の肢体に酔いしれ、僕は一気に高められていく。

 「ああっ、奈穂美っ!」

 ぐぼぼ!

 白濁液が奈穂美ちゃんのお腹にはりつき、粘ついたまま流れていく。後から後から精液があふれ、奈穂美の体を穢していった。

 だが、精液はすぐに蒸発するように、空中に消えて行ってしまった。

 精液を出し尽くし、ペニスが勢いを急速に失っていく。

 「はっ!?」

 僕は元の位置に立ちつくしていた。

 「どしたの? さ、学校に行こうよ光平!」

 「えっ…あ…う、うん…」

 僕は制服を着ていた。奈穂美は…あいかわらず裸のままだ。

 時間が止まっている間のことを彼女はまったく知らないようだった。あの正体不明の幽霊娘も消えてなくなっている。

 さっきの痴態を思い出し恥ずかしい思いをしながら、それでも魅力的な肉体を持つ奈穂美、しかも裸の奈穂美と並んで歩き、登校する。その気恥ずかしさも手伝って、僕は顔を赤くしながら学校へと向かうのだった。

 おかげで、登校するまで、ペニスはどの裸にも反応しなかった。というより、それどころの精神状態ではなく、一体何がどうなっているのか、混乱ばかりしていて、女の裸が目に入らなかったのだ。

 いくつか分かったことは、僕と同い年以下の娘、つまり0~14歳の女は、僕の目には全裸に映るということ。僕が勃起すると時間が止まるということ。射精などで勃起が収まると元の時間、立ち位置に戻るということ。性欲処理の間、どこからか中学生くらいの幽霊が現れ、処理のサポートをしたり、自分から抜きにかかったりしてくるということだ。

 今の僕にとっては、その情報だけで十分と言える。

 学校が始まると、クラスメイトたちの女子全員の裸を目の当たりにしなければならなくなっていた。隣に座る奈穂美も、前方に座る加奈子のスベスベの背中も、斜め前に座る清香のふとももも、しっかり目に飛び込んできて離れない。ホームルームが終わって歩き回る女の子たちのオンナやお尻を目の前にしながら、勃起しないでいることなど不可能だった。

 僕は椅子に座りながら、どこを見ても必ず女の肌が目に飛び込んでくる状況で、だんだん我慢ができなくなってくる。今朝、奈穂美で抜いたのでしばらく元気を失っていたペニスだったが、知っている娘たちの裸の群れを前に、耐え切れるはずもないのだ。

 一時限目が始まる頃には、ペニスはすっかり元気を取り戻していた。

 ピキッ!

 またもや、時間が止まった。

 僕は立ち上がり、前に座る丸顔で眼鏡をかけた加奈子の後ろから抱きついた。

 僕の前でスベスベの背中を惜しげもなくさらしている加奈子が悪いんだ。

 動かない加奈子と同じ椅子に座り、彼女をぎゅっと抱き締めたまま、そのもっちりした背中の感触を、上半身に存分に味わう。ペニスはすでに、彼女のお尻の肉にめり込んでいた。

 前に手を回し、ふくらみかけの乳房をまさぐりながら、中学生のオンナに手を伸ばして表面をかわいがる。興奮がますます高まっていった。

 加奈子のふとももを撫でさすりながら、僕は必死で腰を前後させ、ペニスを彼女のお尻に押しつけこすりつけた。やや肉付きの良い加奈子のお尻は、どこまでもペニスの硬さを受け入れ、深くめり込んではきめ細かい肌で亀頭を包み込んでくれる。

 僕のそばには、全裸の幽霊が立っていて、僕の背中や肩を優しく撫でさすってサポートしてくれる。

 「んああ!」

 精液が加奈子のお尻にぶちまけられる。

 僕は脱力して、加奈子にぎゅっとしがみついたまま、快楽の余韻に浸る。離れるときに、吸いつく肌がペリペリと音を立てて剥がれていった。

 ペニスは半立ちのまま、時間も止まったままだ。完全に萎えるまで、時間は動かない。

 別のクラスメートのところに行って、半立ちのペニスをその子の内股の間に挟み込んでみた。「あああ! 女の子の太ももっ! き、きもちいいっ!!」

 僕は一心不乱に腰を振る。さっきとは別の幽霊娘が、僕の背中にぴったり貼りついて腰を振ってくれた。

 むっちりシコシコした生足がじかにペニスを包み込み、僕の腰の動きで弾力を得て波打つ。その波状攻撃がペニスをことさらに悦ばせ、僕はまたもや高められていった。

 「っで! 出るよっ! 美咲ちゃん!」僕は精液をふとももの間から放出、イク時の多幸感に1分近く包まれ、打ち震えた。

 完全にペニスが萎えると、時間が進む。僕は制服を着たまま自分の席に座っている。時間が止まる前の状態に戻ったのだ。

 出し尽くした僕は、すでに裸体を見てもほとんど感じることなく、しばらく時間を過ごすことができた。が、そのキレイな肢体を見つめ続け、しかも顔見知りの同級生たちが相手だから、いつ復活してもおかしくはなかった。

 それでも、何とかその後の授業は無事に過ごすことができた。

 綺麗な女子たちの肢体を目の当たりにし続けながら、しかし彼女たちに僕の視線を悟られてはいけなかった。さすがに、僕の目に全裸に映っているとは夢にも思わないクラスメートたちは、ふくらみかけの乳房や、むっちりスベスベのふとももを惜しげもなくあらわにして、僕の前を横切ったり、やわらかな臀部をくねらせて歩いたりしている。その美しくもエロチックな肉体は、否が応でも僕の性的興奮をかき立て、ツルツルの脇の下や背中やふくらはぎにさえも”女”を感じさせた。

 それでも、朝から何回も出し続けてしまい、睾丸に軽い痛みさえ覚えるほどに、僕は疲れ切っていた。いくら若くても枯渇してしまえば勃起はしないのだ。それで、少女たちの裸体を目の前にしても、股間の奥にじわっとくすぐったさが走りはするものの、それが生理的反応まで引き起こすことはなかったのである。

 しかしそれも、放課後になってからは一変してしまう。

 校庭に出たスポーツ少女たちが、全裸で走り、動き回る。体育館でもバレーボールを始め、部活の球技にいそしんでいる。その躍動する肉体に中てられてしまったのである。

 もともと部活をやっていなかったので、僕はまっすぐ帰ることになるのだが、どうしてもそこで体育館と校庭を抜けなければならず、少女たちのあられもない姿を目の当たりにしてしまう。

 体育館の美少女たちの飛び跳ねる姿は、まさに肌色の美しい芸術作品の群れであった。惜しげもなくさらされる脇の下、乳房、ふともも、お尻、そしてオンナ。躍動するたびに、女らしい肉の部位が潰れ、ひしゃげ、やわらかそうに形をしなやかに変えていく。

 ジロジロ見ているわけにも行かず、僕はそんな彼女たちの姿に後ろ髪を引かれながら、足早に体育館の横を通り過ぎていった。

 股間にくすぐったい感触が集まってくる。体の奥がじわりと高まり、ペニスの奥がさわさわとくすぐられているみたいに心地よくなる。こうなると、勃起するまでにあまり時間はかからない。疲れてはいたものの、股間は明らかに復活の兆しを見せていた。

 そこへ、十数人の裸の美少女たちが、かけ声をかけながら全裸で、こちらに向かって走ってくる。彼女たちはただ単にランニングをしているだけだが、僕にとっては、自分に向かって小さなおっぱいをゆらしながら集団で走ってくる女の子たちの群れにしか映らない。

 「うぅ…」僕は思わず前屈みになる。玉袋がひきつるようだ。が、それさえも欲情と快楽に変わってしまい、自分ではどうすることもできなくなっていたのだ。

 ピキ!

 ああ! また時間が止まった。

 大勢の少女たちが、僕の前で走るポーズを取りながら、ぴたっと止まっている。その意識も呼吸も、何もかも時間が止まっていた。

 だが、それでも身体の疲れは悲鳴となって僕に迫ってきている。勃起はしたものの、これ以上射精はできそうにもなかった。

 彼女たちと気持ちいい事したい。彼女たちで出してしまいたい。そんな欲望と、思い通りにならない身体とのせめぎ合いで、僕は彼女たちの裸体を見つめたまま、身動きが取れなくなっていた。

 ぎゅっ!

 「んあ!?」突然後ろから抱きつかれた。やわ肌の感触が僕の後ろ半身に押しつけられる。

 女の子の幽霊だ。全裸で僕に吸いつき、自慢のきめの細かい肌ざわりを僕に刻みつけている。

 「ね。この子たちを見ながら、私の手で抜くってのはどお?」

 そう言うと少女霊は、後ろから手を伸ばし、両手でペニスを掴むと、ゆっくりしごき始めた。

 「はうう!」電流のような快感が股間に走る。女の子特有のやわらかい手が、じかにペニスを包み込み、しっとりと前後してペニスを刺激してくれているのだ。

 目の前にはランニング少女たちの乳房とオンナの群れ。ペニスは同年代の少女にしごかれている。僕は彼女たちの裸体のあちこちを凝視しながら、幽霊娘の手の動きに身をまかせた。

 くちゅ…くちゅ…

 女手の滑る音がカウパーに混じり、いやらしい音を立てている。時間が止まった世界では、他に物音ひとつしはしない。

 少女たちの乳房、脇の下、お腹、オンナ、ふともも…立体で写真を見ているみたいに微動だにしない、美しい裸たち。

 そして、それをオカズにオナニーしているみたいだった。しかし、しごいているのは自分ではなく、同じ年頃の幽霊娘なんだ。その倒錯が僕をどんどん高めていく。

 「出していいよ? …ほらあ。」女の子の手の動きが速くなる! 「うあああ!」僕は快楽に打ち震えた。枯渇した玉袋がヒクンと跳ね上がる。

 びくびくっ!

 僕は少女たちの乳房を舐め回すように見つめながら、幽霊の手で精液を抜かれてしまった。

 しかし、精液はもはや薄い水のようになっていて、しかも少量しか出ていない。体の中に一滴も残っていないところを、全部搾り取られてしまったようだ。

 それでいて、幽霊の手で抜かれたせいだろうか、快感だけはずっと強く、しかも1分ほど続いた。最後の方の脈打ちは、もはや水さえも出ず、ただペニスが律動するだけとなっていた。

 「くすくす…よく頑張ったね♪」少女霊はふっと消えてしまった。

 「ファイットー! ファイットー!」

 「!!」

 突然僕は、現実世界に引き戻された。

 全裸の美少女たちは僕の横を走り抜けていく。時間が元に戻ったんだ。僕もちゃんと制服を着ている。

 …立って歩くのもつらくなった。

 射精しすぎると大変なことになると、僕はこの身で学んだのだった。

 ふらふらになってしまったが、どうにか家にたどり着くことができた。

 そのまま布団に倒れ込む。意識が途切れそうになる。強烈な眠気。

 …僕はおかしくなってしまった。

 いや、裕太とあの鳥居に入ってから、何もかもがおかしくなってしまっていた。本当を言うと、その前から、なにか兆しがあったような気もするが…どうしても思い出せない。

 少女たちが裸に見え、勃起すると幽霊娘が手伝って射精三昧。おかげで、こんなに身体がくたくたになってしまう。

 これは…呪いなんだ。

 すぐに直感できた。

 あの鳥居の一件で、裕太はあの場所に一人、取り残されてしまった。何とか帰ってきた僕は、同世代の少女霊たちを相手に夜中何度も交わった。そうして、朝起きてから、世界の様子が一変してしまったんだ。

 僕は強烈な快感と引き替えに、この町で生体エネルギーをどんどん吸い取られている。このまま交わっていたら、確実に死んでしまうだろう。

 何とかしなければ。

 女の子たちの体を見て勃起しては射精するに身をまかせていたんではダメだ。できるだけ抵抗して、勃起しないようにして、しかし誘惑に負けて勃起しても、即座にその場を離れて、目の前の娘や幽霊では抜かないようにしよう。

 快楽に浸っている場合ではない。自分の命が危ないし、裕太はさらに、こんな幽霊どもが大勢いる鳥居世界に囚われているんだ。

 何とかして呪いを解く方法を見つけ出し、裕太を助けに行かなければ。

 だんだん思考がまとまらなくなってきた。僕は身動き取れないほどに疲れ果て、やがて深い眠りに落ちていった。

 アビラウンケンソワカ…

 …だれだ…

 アビラウンケンソワカ…

 頭の中で誰かが何かをつぶやいている。

 アビラウンケンソワカ…

 「う~ん…」

 …はっ!

 どのくらい眠っていたのだろう。

 ふと起き上がってみる。身体が軽い。力がみなぎっている。

 時計を見ると、12時40分を少し回ったところだった。

 外は真っ暗。つまり今は夜中というわけだ。

 十分休んだ感じだ。

 よし、さっそく調査だ。

 まずパソコンを起動させ、鳥居のことを調べ始める。

 都市伝説から噂、オカルトの類まで、あちこちのサイトを見て回った。

 「…だめだ…」

 二時間ほど調べていたが、手がかりになりそうな情報はまったく出てこない。廃村の噂はいっぱい出てくるのだが、やはりたどり着いた者はいないみたいだ。あれが廃村だったかどうかも定かではない。そんな状態で、ネットではあまり調べきれないことは明らかだった。

 「…明日、文献を当たってみるしかないか。」ほんとうに詳しい調べ物は、ネットの情報ではなく、ちゃんとした本を読まなければダメだ。

 もうすぐ、3時になろうとしている。ヘンな時間に寝てしまったせいで、ちっとも眠くならない。でも、今寝ておかなければ、絶対明日の昼間頃に眠くなるんだ。それだけは避けないと。

 僕は部屋を暗くし、布団に潜り込んだ。そのうち寝られるだろう。

 「!!」

 異変はすぐに起こった。

 昨日と同じだ。足元に青白い光が現れる。

 「くっそ! もうお前たちの言いなりになんかならないぞ!」僕は体を硬くした。これ以上、僕が快楽に浸るわけにはいかない。彼女たちに襲われないよう、股間を手で隠すようにして抵抗した。

 まず、彼女の姿を見ても勃起しないこと。そもそも見ないことだ。僕はぎゅっと目をつぶって抵抗した。

 しゅるる…

 服を脱ぐ音が聞こえた。

 もぞ…もぞ…

 布団がもり上がる。幽霊が容赦なく僕の布団に潜り込んできたんだ。

 「くっそ!」僕は横向きに寝て、彼女に背を向けると、体をくの字に曲げてペニスを手で隠し、必死で少女霊に抵抗した。

 幽霊は僕の背中にぎゅっと抱きついてきた。

 「うう…」女の子のきめの細かい肌ざわりが、じかに背中に触れてくる。僕は衣服を身につけているが、幽霊はそれをすり抜けて、柔肌を直接、僕に押しつけこすりつけることができるんだ。

 女の子のしなやかな感触がこすれるたびに、心地よさが増し、どうしても股間が妖しく疼いてしまう。男としての生理現象が恨めしかった。

 むちゅっ!

 「!!?」口を塞ぐやわらかい感触に驚いて、つい目を開けてしまう。

 そこには、僕の前方に回り込んできた幽霊の可愛らしい顔があった。

 サラサラのストレートヘアの、少女らしいあどけなさと、大人っぽい美人さを兼ね備えた幽霊だった。その凛とした大きなつり目は、まさに僕好みの少女だった。

 そんな彼女にキスされてしまった。

 い、いや! そんな程度では負けないぞ!

 「くっ!」僕は頭を振って、ごろんと身体の向きを変えると、彼女に再び背を向けて体を曲げ、勃起したペニスをひた隠すように手で覆った。

 「ねえ…エッチしよ?」耳元で甘い声が囁く。ふくらみかけの乳房が僕の背中をスベスベと這い回っている。そのやわらかくくすぐったい感触が僕の興奮をどんどん高めていく。

 幽霊のふとももが容赦なく、僕の両足の外側や内側を撫でさすっていく。

 「離れろっ!」僕は幽霊娘をふりほどいた。

 が、彼女はしつこく僕にしがみつき、唇を奪い、首すじに吸いつき、乳首をくすぐってくる。前方から後方から抱きついてきて、おっぱいやお腹やふとももの感触を僕の全身に刻みつけてくる。

 どんなに振り払っても、女の子は容赦なくしがみついてきた。そして体のあちこちを撫でさすり、吸い付き、くすぐり続けてくる。

 股間の高鳴りはどんどん…いや増すばかりだ。

 その甘い感触に、どんどん僕の力が抜けていく。ほおずりされるたびに、くすぐったい心地よさによって脱力させられているんだ。

 ついに隙を突かれ、僕の手のガードはふりほどかれてしまった。

 幽霊娘は手際よく僕のズボンを降ろしてしまう。

 女手が容赦なくペニスを掴んでくる。僕は必死に彼女の手をふりほどき、快感に負けないように抵抗を続けた。

 下半身裸の僕に、女の子のふとももが襲いかかる。スベスベの感触がシコシコの弾力をもって、僕の両足に絡み付いてはスリスリしてくる。何度も何度も、女らしいぷるんとした唇が僕の口を塞いだ。そのたびに、とろける感触が全身を電流のようにじわりと痺れさせる。

 2,30分もそんなことをくり返していくうちに、ほとんど抵抗する力を奪われ、僕たちはついに、お互いに横向きに抱き合う格好になってしまった。上着もすっかり脱がされてしまい、僕も幽霊もふとんの中で裸になっている。

 「ね…しよ?」

 女の子がぎゅっとしがみついてくる。彼女が身体を引くと、僕の体はあっさりと引っ張られ、ついに彼女の上にすっかり乗っかってしまうのだった。

 僕の体重が乗っかっている分、彼女との密着が強くなり、潰れた乳房が心地よく僕の胸板を圧迫する。幽霊だけに、体重をかけきっても平気なのだろうか。

 女の子は足を大きく開き、ふくらはぎを僕のお尻に乗せた。

 くちゅ…

 ペニス先端が、オンナに包み込まれていく。

 「くすくす…じっとしててね?」

 ぐちゅっ!

 どぶぶぶ!!

 「うあああ!」

 ペニスがやわらかくて熱い器官に包まれたとたん、有無を言わさず精液が噴き出していった。

 ペニス全体を快楽一色に染め上げるような、強くてやわらかい締まりに絞られた感じだ。そのあまりの気持ち良さに、僕は何も考えることができず、反射的に精子を出してしまったのだった。

 「あはっ! いきなり出たね。いい気持ちでしょう?」「あああ…」「ね? ほかの子にもこれからも、いっぱいシテあげてね?」

 そう言うと、美少女霊は消えていった。

 今のは、正常位で見えなかったけど、ペニスが彼女のオンナに包まれて、即座に爆発してしまったんだ。

 オンナの締まりに耐え切れなかったペニスが、一瞬で射精に追い込まれてしまった。

 あああ…セックスって、やっぱりこんなにも気持ちいいんだ…。昨日味わった感触も、やはり同じくらい極上だった。僕はすっかり、挿入の虜になった。

 足元に青白い光。全裸の美少女がまた現れたのだ。彼女も布団に潜り込んでくる。そして僕に抱きつくと、しつこく“本番”をねだってくるのだ。

 ペニスはまだ勃起したまんまだ。

 彼女はあお向けに寝た状態で僕を誘った。脚を拡げ、オンナを僕の前にあらわにしている痴態は、もはや少女ではなかった。それでいてどこかあどけない肢体を持っている。その肉体の誘惑に、今の僕が勝てる道理はなかった。

 僕は彼女のオンナ表面に先端をあてがい、グッと腰を押していった。

 ペニスはあっさりとオンナに飲み込まれていく。

 根本まで入ると、またさっきと同じような強烈な快感が全身を襲った。

 オンナがきゅうっと締まりながら、ペニスから精液を絞ろうとモグモグ蠢く。その熱い器官は、間違いなく戦慄の搾精装置だった。

 少女が腰をくねらせながら、ペニスを揉みたててくる。ペニスとオンナを覆い尽くす、ねっとりとした液が、ちゅっちゅっといやらしい音を立てた。

 「あああ! 出ちゃう!」

 ペニスが律動を始める。一分間、脈打ちは止まらず、精液が止めどなくオンナに注がれていった。

 奈穂美も加奈子も美咲も、部活で走っていた少女たちも、ひとりひとり、全員が、こんな心地いい器官を、その体に具えているというのか。

 ち、ちがう…

 女の子を、そういう目でしか見ないのは最低の男だ。

 そうだ、幽霊の誘惑に乗ってしまっては、考えが邪悪に陥ってしまう。これ以上は、ダメだ!

 だが、次の少女が現れたとき、そんな考えが吹き飛んでしまった。

 ショートカットで、中学生にしては発育がよく胸も大きな幽霊が現れ、僕の上に乗っかってきて、半立ちのペニスをオンナ表面でこすりあげてきたのだ!

 表面のぬるぬるやわらかい器官でこすられただけで、射精しそうになるくらい気持ちいい。中に入れてしまったら、その快感はなおさらだというのも納得が行く。

 僕は抵抗できず、少女霊がペニスを騎乗位で挿入していく様子を、じっと見つめるしかできなかった。

 ペニスはまたもや、熱い器官に飲み込まれてしまった。さっきの二人と同じように、やわらかく強い締まりを具えているが、一方で、さっきの二人とは違う感触でもあった。ひとりひとり、オンナにも個性があるんだ。

 そう思ったら、興奮がさらに高まった。いろんなオンナに挿入してみたいという、ドス黒い欲情が心を支配してしまう。

 ぐちゅっ! ぐちゅっ! ぐちゅっ!

 「ひゃあああ!」

 少女霊はペニスを挿入した状態で、全身を激しく上下させてきた!

 ペニスがオンナで包まれ締め上げられた状態。それだけでもすぐに射精してしまうというのに、これに加えて、ヒダが複雑に絡み付きながら、ペニスをグチュグチュとしごき上げてきたのだ。

 ごぼぼっ!

 精子が吸い上げられていく。重力に逆らって、幽霊の子宮に体液が注がれ、たっぷり溜め込まれていった。

 「あふ…」急に眠気と脱力感が襲いかかってくる。矢継ぎ早の射精で、さすがに限界が来たのだろうか。

 「明日から…もっと濃くなるからね。今から楽しみ♪」少女霊はクスクス笑いながら消えていった。僕はその言葉の意味も分からずに、全裸のまま眠りに落ちていった。

 目覚ましが鳴る。

 夢を見なかった。

 眠ったと思った次の瞬間、目覚ましが鳴った感じだ。しかし疲労感や余計な眠気もなく、かなり深く眠っていたのだろう、頭はスッキリ冴えているし、身体の疲れも完全に取れている。

 僕は着替えを済ませ、学校に向かう。あいかわらず、僕と同い年以下の女は、みんな裸だ。

 「おはよー☆」いつものとおり、奈穂美が迎えに来る。僕は奈穂美の裸を見ながら、この子の性器はどんな感触なのか、などとつい思ってしまう。

 「どしたの?」頭を振る僕を不思議そうに覗き込む。「…なんでもないよ。行こう。」「うん。」

 かろうじて勃起は抑えられた。とにかく、できるだけ我慢して、幽霊の軍門に下らないようにしなければ。

 学校でも、できるだけ女子は見ないようにして、意識しないようにして、授業をやり過ごした。

 それでも、前の席の加奈子の背中は、黒板を見るにつけ、どうしても視界に入ってきてしまう。そのつどペニスが隆起しそうになるのを、必死でこらえた。

 何とか午前中はやり過ごせた。が、股間の奥がくすぐったく疼き、ちょっとしたことでも勃起してしまいそうなくらい、興奮しやすい状態になっている。これがいわゆる“溜まってる”状態なのだろうか。

 そして、午後の体育がいけなかった。

 準備運動は、二人一組になって行う。なるべく友達でない人と組まされる。お互いの動きを見ながら、手を抜かないように見張るという意味合いがあるらしい。

 それで、僕の相手、今日は女子だった。クラスメイトだが、あまり話したこともない唯ちゃんだ。

 お互いに普通にジャージを着ての運動だったが、僕にとっては、全裸の唯ちゃんをじっくり見ながら体操しなければならないハメに陥っている。

 しなやかな体、スベスベの脇の下、ふくらみかけの乳房、女性らしくふくらんでいるお尻、細長く形のいいふともも、あられもないオンナ…挿入したらきっと、あっという間に射精してしまうんだろうな。

 そんな風にどうしても思わずにいられず。ペニスはどうしても反応してしまう。だめだ…と自分に言い聞かせても、唯ちゃんの裸体からは目を離すことができず、ペニスがどんどん硬くなってしまった。

 ピキッ!

 「あああ…しまった…」時間が止まってしまった。

 射精するなどして勃起が収まれば、ふたたび時間が動き出す。それなら、このまま何もせず、勃起を鎮めていった方がいいだろう。

 そう思ったが、これを少女霊が許さない。

 どこからともなく現れた美少女幽霊が、僕の耳元で甘くささやく。「ねえ、この子に入れてあげなよ。気持ちよくなろ?」「くっ…だめ…それだけは…」「だいじょうぶだよ…キミの精子は全部私たちのもの…いくら中出ししても絶対に妊娠しないから。処女膜破っても、時間が動けばまた、なにもかも元通り…だから、ね?」「ううっ!」

 この誘惑に抗うのは難しい。目の前には動かない唯の裸。誘う幽霊。

 すでに、本番挿入は果たした。一応、経験者ということになるので、童貞ではない。といっても、相手は幽霊だ。生身の人間に入れた経験はない。

 入れて…みたい…

 相手が唯ちゃんなら、かわいい子だし、申し分はない。

 い、いや、いけない!

 気軽にしていいものじゃあない。まして僕たち子供が、そんなことを…一線を越えてしまうのだけは…

 「昨日私たちに入れて、いい気持ちだったでしょう? ね、時間が止まっていなければ、キミは一生、唯ちゃんの中にオチンチンを入れることはできないんだよ?」「はうう…」

 くっそ、このままここにいたら、誘惑に負けてしまう。ふとももで抜いてしまうなどという安易な選択は、この幽霊が許さないだろう。

 逃げよう。どこか、裸の少女がいないところに逃げ込んで、勃起が収まるのを待とう。

 僕は一目散に走り出した。体育館を出て、誰もいない校庭に駆け出す。近くのテニスコートに逃げ込んだ。

 「はあっ、はあっ…ここなら…誰もいない。」ここで勃起が収まるのを待っていよう。僕はテニスコートに尻餅をつき、全裸で勃起が収まるまでじっとしていることにした。収まれば、時間が元に戻ってくれるはずだ。

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