Tweet



第20話 杉戸村の悪夢をもう一度!


 ………。

 ……。

 …。

 気がつくと僕は、真夜中の寂れた村に全裸で投げ出されていた。

 この風景は見覚えがある。

 人気のない、真夜中の廃村。昭和に時間を止めたまま、戦慄の色情霊のたまり場となった魔性の村、杉戸村だ。

 以前にも、このシチュエーションに遭遇したことがある。そう、杉戸村の淫夢だ。

 つい先日見た淫夢なのに、ずいぶん前の出来事のようにも思える。

 僕はここで、色情霊たちに襲われながら、杉戸村の謎を解かなければならず、あちこちをさまよっていたのだった。裸で廃村のあちこちに行って、杉戸村伝説の謎を解明し、村を魔の色情霊の手から開放しなければならない。

 そもそもの発端は、ボウイ将軍のバスジャック事件で連れてこられた村の姿だった。そこから、過去の杉戸村に夢の中で飛ばされ、色情霊たちに襲われる身となったのだった。

 情報を整理しよう。

 スタート地点は入り口前の小屋。そこに懐中電灯を始め、色々な道具が揃っていて、なおかつ廃村内部で手に入れた“手がかり”を保管しておくことができる。そこにはまた、廃村最後の生き残り男性の手記が残されている。

 それによると、大昔、閉鎖的な村で普通のように行われていたのが、夜這いと村八分であった。ある時、気の違った娘によって逆レイプ事件が発生、瞬く間に他の村娘たちに伝播し、集団逆夜這いへと発展、村がほぼ壊滅状態に追いやられたのである。これがそもそもの杉戸村伝説の内容であった。

 間違いなくこれには魔族が絡んでいる。どういうことをしたのかはわからないが、その夜に女たちを狂わせ、男の精を徹底的に吸いつくしたのは間違いない。そしてポッティによれば、そこにはヨウコヒメという太古の魔族が関連しているという。

 そしてその事件以来、村は呪われ、昭和に入っても、村の女たちと色情霊たちが夜な夜な、男を襲っては精を抜き取り、衰弱死させていったのだという。

 その村に一ヶ月以上住んだ男女は、二度と杉戸村の呪いから逃れることができない。性欲に駆られた女たちは、狂ったように男を求め、誰彼かまわずセックスに溺れた。男は男で、生身の女たちの他に大勢の幽霊たちの相手もしなければならず、どんどん精気を奪われて衰弱死していく。やがて、男たちがいなくなり女だけが取り残された状態で、性欲が満たされず狂い死にしていったのだ。彼女たちもまた、色情霊となっていく。

 彼女たちが色情霊となって村を徘徊する理由は、狂わんばかりに性欲に苛まれているのにもかかわらず決して満たされず(男がいないとイクことができない)、発狂死したためである。そもそもどうしてそんな呪いがあるのか、その謎を解明するためにも、ヨウコヒメと杉戸村伝説の謎を解明しなければならないのである。

 ちなみに、一ヶ月以上住んだ男女が外部に引っ越しても、性欲の呪いと色情霊は移住先にも突いてきて、結局殺されてしまう。

 また、衰弱死や発狂死を避けて生き残りたければ、杉戸村伝説の謎を全て解き明かさなければならない。解明できないかぎり、死ぬまで色情霊と色欲がまとわりつくのだという。手記の男性も、謎をついに解くことができず、性霊の餌食となってしまった。

 そうして、僕が夢の中で、この謎を解く役割をムリヤリ負うことになってしまったというわけである。

 謎を解こうとすると、色情霊たちの誘惑に出くわす。そこで射精を重ねれば重ねるほど衰弱し、謎を解く体力が少なくなっていく。できるだけ性霊に捕まらないようにしながら、手がかりを集め、謎を解かなければならないのである。

 持ち物を整理してみよう。

 ●懐中電灯
 ●魅了除けの御札
 ●水晶玉(4センチ)
 ●回復薬(3粒)
 ●魔除けの護符(7枚)

 手持ちなのはこれだけだな。懐中電灯は必需品だ。村の中には電気が通っていないし、夢の間中夜が明けることもないので、明かりがどうしても必要になる。魅了除けの御札は、色情霊による憑依を避ける、これまた必需アイテムだ。憑依されてしまえば、完全に魅了され、心奪われ、謎解きも忘れてセックスに長時間没頭してしまう。ヘタをするとそのまま我を忘れて衰弱死するまで交わってしまうかも知れない。持っているだけで一発死亡を避けることができる御札だ。これも必需品。

 水晶玉は、レーダーの役割を持っている。目の前まで色情霊の姿が見えないことも多く、彼女たちは色々なところで甘い罠を仕掛けて待ち構えている。これを察知する装置が、この水晶玉なのである。色情霊が半径十メートル以内にいると青く光り、、五メートル以内ならオレンジ、一メートル以内ならピンク色に変わる。人数が少なければ淡く光り、大人数の場合強く明るく光る。あるいは霊力によって強さが変わる。

 回復薬は、セックスのしすぎで体力が少なくなった時のために必要な回復剤だ。一粒で体力の半分以上が回復するが、村を徘徊して回復薬を見つけるしかなく、有限でもある。気軽に使うことができない。ギリギリまで温存しておくべきものだ。

 魔除けの護符は、村を探索中に見つけたアイテムだ。これを一枚消費するごとに、色情霊とのセックスを避けることができる。あるいは捕まった色情霊を一時的に無効化できる。つまり捕まっても逃げられる。こちらも回復薬と同様有限なので、本当に危なくなった時だけに使おう。

 謎と手がかりを整理してみよう。

 ●どこに何があるか
 昭和期の建物や施設はだいたい把握しているが、鍵がかかっていて入れない場所もあり、どこかに隠されている鍵も入手しなければならない。そうやって全ての建物を探索し、そこからさらなる手がかりを掴み、アイテムをゲットしよう。

 ●昔の風景
 杉戸村伝説の発端となった、事件当時の村の状況を把握しなければならない。ポッティの話では、不具の娘が魔族と通じていたのだろうということなので、事件を起こした娘の住んでいた場所を特定する必要があるだろう。これを解明していく中で、当時の事件の真相を理解することができるはずだ。

 ●ヨウコヒメ
 間違いなくラスボスはこいつだ。不具の娘といえども、ヨウコヒメの魔の手に操られていたはずである。そもそもヨウコヒメとは何者なのか、土地神がなぜ魔族となったのか。そしてどのタイミングでヘルサたん総統とつながりを持つようになったのか。

 これらを解明していくうちに、呪いの内容、誰がどのような魔術で呪いを発動させたのか、こういったことも見えてくるようになる。呪いの元凶は十中八九ヨウコヒメなのだろうけれども。これを解明し撃退すれば、呪いは消し飛ぶはず。色情霊たちは解放され、それ以降、村に住んでも色情霊たちに襲われて衰弱・発狂死することがなくなるわけだ。

 そして、淫夢内部でこれらの謎が解明され、僕が色情霊淫夢の呪いからも解放された暁には、現実における大きな謎の解明にも繋がっていく。すなわち、

 ●現在、杉戸村はどうなっているのか

 今でも何らかの形で、ヘルサたん総統と杉戸村は関連しているに違いない。実際ボウイ将軍はここを拠点にするとか言っていた。謎を解き続け、解明が進むにつれて、魔界に乗り込むこともできず出てきた天国軍団や怪人をモグラたたきみたいに叩いているだけ、という現状も打破できるはずだ。

 つまりこの淫夢は、僕を骨抜きにする魔性の誘惑であると同時に、こちらからすれば、謎の解明をもって攻めに転じる手がかりを得るチャンスでもあるのだ。

 がんばって探索しよう。

 僕は呼吸を整えてから、色情霊たちのたむろす廃村の入り口をくぐった。

 入り口からしばらくは民家が並ぶ。それぞれの家で、セックスの惨劇があったはずである。それらを解明しながら、奥の方にある公共の建物へと突き進むのが一番いいだろう。学校や役場といった大きな設備には鍵がかかっていて入れない。

 ちなみに、家屋や建物の中には、強烈な罠を張っている地縛霊がいて、建物の外、大通りなどには、あぶれた大勢の浮遊霊たちがうろついている。

 一カ所にとどまり続ければ、浮遊霊たちに囲まれてしまう。歩きながら、浮遊霊たちをはねのけて進むしかない。

 右端の家は一度入ったな。では今度は、反対側に移ることにしよう。

 幸い浮遊霊たちに襲われることなく、僕は民家のひとつに入り込むことができた。

 水晶玉が青く光っている。間違いなく、この家の中に性霊がたむろしている。光りの強さからしても2体、いや3体以上はいるのかも知れない。

 「こおおお…」淫夢の中でも佐伯仙術だけは有効だ(フザケンジャーにはなれない)。呼吸を整え、深めて、体内に電気のように神通力を蓄積する。

 残念ながら、相手が生身の体であれば、この神通力をぶつけて即座に倒すことができるけれども、幽霊相手だとそうもいかない。おそらくもう一ひねりして、神通力を“霊気”に変換し、悪霊を退散させる他はないのだが…残念ながらその方法を知らない。

 そもそも、相手の業が深すぎて、簡単には果ててくれないし、イかせることができたとしても、一時的に消えるだけであり、少し経てばすぐに復活してしまうのである。根本的な解決をしないかぎりは、彼女たちが救われることはない。

 だがそれでも、神通力は僕の身を守ってくれる。防御力を高め、精力を増強させる。スピードアップにも繋がる、しかも夢だから筋肉痛にもならない。

 これによって、前回よりもずっと探索はしやすくなっているはずだ。

 事実、この村の中にはすでに霊体から醸し出される淫気が満たされているものの、僕がこれを吸い込んでもとくに何ともないのである。この淫気は男性の性欲を格段に高め、女体に敏感となり、目の前の色情霊たちに惚れ込んで、あっという間に飛び込んでしまう魔性の力がある。通常の男性が謎を解こうと足を踏み入れても、この淫気の誘惑からして、四六時中快楽の園に陥ることとなり、謎を解くこともできずに時間切れ、みるみる衰弱してしまうというわけだ。

 僕の場合、体内に蓄積された神通力によって、淫気の毒成分だけを体外に排出し、この身が犯されることがないので、普通に過ごすことができるのである。これに加えて、魅了除けの札も持っているので、色情霊に出くわしても即座に心奪われることもない。

 あとは、色情霊に捕まらないようにしながら、村の謎を解いていくばかりである。

 まずは、どこに何があるのか、アイテムを集めながら、それぞれの家や施設で起こった出来事を確認していくことが重要である。

 この家には何があるのか。そして、どんな悲劇が起こったのだろうか。

 どの家であっても、女性は性欲に狂わされ、男性はその性欲の処理に当てられるとともに夜な夜な襲い来る数え切れない性霊たちの相手もして、みるみる衰弱していったはずである。しかしその中にこそ、解決のための何らかの手がかりがあると見るべきである。

 この家は比較的新しいのが分かった。昭和の後期にたてられ、しかも当時としては多少豪華な洋風の作りになっている。人が住まなくなってしばらく経っているためにそこかしこが荒れているものの、掃除は行き届いているし、壊れているドアなども見あたらない。

 水晶は光っているが、色情霊の姿は見あたらない。廊下や階段にはいないみたいだ。ということは、部屋の中や上の階にいる可能性がある。光が強いから、集団戦となる可能性もあり、気を抜くことはできない。

 一階の部屋は、見たところ4つあるな。いずれもドアになっていて、和室はないみたいだ。

 どの家でも手記や日記があるわけではないが、何らかの形で記録が残っている可能性もある。性霊に注意して注意深く探ってみよう。

 玄関のすぐ近くの扉はトイレだ。ここにはとくに何もない。

 廊下の両側に扉が二つずつ。右側の第一の扉はリビングだな。水晶の光が弱くなっている。リビングに色情霊はいないみたいだ。

 小金持ちの家らしく、当時としては最先端の家具がそろっている。テーブルにトースターがある。棚にきちんと高級な皿が重ねられていた。テフロン加工のフライパンも納められている。

 あちこちの引き出しや棚を調べるも、とくにめぼしいものは見つからない。

 「ん?」

 ある引き出しに財布がある。中を見ると、一万円の札束がぎっしり入っていた。

 「・・・夢だしなあ。」うれしさも半減というものだ。てか人のいない真夜中の廃村で、そこから出ることもできない身で、現金は何の役にも立たないな。持って行くのはやめよう。

 ここには何もないな。隣の部屋に行こう。

 隣は風呂場だ。洗濯場もある。ここでも水晶の光が消えたままである。

 「おっ…」洗濯機の中は女物のパンティばかりが、洗われずに残っている。…つーか、パンツばっかりこんなにぎっしり洗濯機に入ってるってどんな状況だよ!?

 赤、青、緑、黄色など、色とりどりだ。白いのも混じっている。みんな若い娘が履きそうなものばかりである。男物はない、ということは、この家に住んでいたのは若い女性ばかりということになりそうだ。

 淫霊の呪いは誰にでも平等であるから、彼女たちもここに住み始めてからしばらくして、あふれる性欲に苛まれていたに違いない。そしてここに男性が住んでいないとなれば、彼女たちはその処理のために、家の外に出なければならなかったはずだ。

 …。だとすると、この家にたむろしているであろう複数の色情霊の反応は、一体誰のものであろうか。

 反対側の部屋に行く。洋風のフローリングの部屋で、水晶の反応もない。あちこちを調べてみるが、タンスにも何も入っていないし、ベッドに何か痕跡があるわけでもない。何もないな。

 玄関側の部屋に行く。そこも洋室で、机と、小さなベッドが置いてあるばかり。タンスも空。何もない。

 察するに、一階にはそれぞれ一人ずつ寝泊まりしていたものと思われる。この部屋は比較的年齢の低い娘が、さっきの部屋には比較的年長の娘がいたのだろう。

 二階に上がってみよう。

 水晶の色が変わった。青からオレンジ色に変わり、強い光を発している。

 近くにいる。

 僕は警戒心を強めながら、最初の部屋に入った。

 ここも洋室だな。水晶の反応が変わっている。光はやや弱くなったものの、色がピンク色に変わっている。

 すぐそばに色情霊がいる!

 僕は飛び退けるようにして部屋の隅に走って移動する。水晶の色が元のオレンジ色に変わった。部屋のドア付近に一人いたのだろう。

 見ると、パーティ時のドレスのようなものを身にまとった若い女性が一人、クローゼットから姿を現した。真っ赤なドレスは、何かの祝賀会に身につけそうな、高そうなものであった。

 だが、それ以上に僕の目を引きつけてやまないものは、彼女の首に掛かっている太い縄であっった。縄は首を取り囲み、グッとクローゼットの奥まで伸びている。

 明らかに、首をつった痕跡があった。

 彼女は苦悶の表情を浮かべながらも、どこか好色なまなざしを僕に向けてたたずんでいる。この部屋に住んでいた人だろうか。

 女性は自分のスカートを大きくまくり上げた。パンティもはかず、ツルツルのオンナ表面があらわになる。窒息に苦しみながらも、なおも男性を求める衝動を抑えきれない、不可解ともいえる苦悩が、全身から滲み出ている。

 手記など見なくても、何が起こったのかは容易に察しがついた。

 彼女は、自分の身を苛み続ける禁断症状のような性欲の疼きに耐えきれずに、この部屋のクローゼットで首をつったのだった。しかしながら、絶命してもなお、永遠にこの部屋で、窒息の苦しみと性欲の疼きの両方の責め苦を味わい続けているのである。

 「悪魔め・・・ほんとうにひでえコトしやがるぜ。・・・こおおおお!」

 呼吸を一気に深め、神通力を増幅させる。ほんの一時でもいい、彼女をこの二重の苦しみから解放できれば…!

 「届け! 佐伯仙術!」僕は一気に神通力を色情霊に放出し、彼女の体に流し込んだ。生身の女性相手ならすぐにでも、女体すべての性感神経をすり切れんばかりに刺激し、あっという間に、その気になれば何度でも絶頂させることができる。

 だが、幽霊にも通用するのかは、正直分からなかった。

 バチバチばちい!

 強烈な電流状の神通力が幽霊の体を通り抜ける。彼女はさらに苦悶の表情を浮かべ、声にならない声で絶叫したように見えた。口を大きく開け、断末魔のように顔全体をぐしゃぐしゃにゆがめている。

 すると、色情霊の全身がピンク色になった。服がはだけ、全裸となった彼女の体は、半透明の桃色に染め上げられている。

 これは、色情霊の体から出される淫気の凝縮体だ。

 音もなく彼女の体がはじけ飛ぶ。ピンク色の体は霧状の粒子となって、爆発するように四方八方に飛び散った。僕の体にも大量の淫気が浴びせられるが、佐伯仙術の呼吸を続けていたおかげで、すべて体外に吐き出すことができた。

 佐伯仙術の神通力は、幽体にもたしかに効くことが分かった。ただし、生身の人間よりも大量の神通力が必要になるみたいだ。それだけ業が深い存在なのだから、当然ともいえるだろう。

 大気中にあふれている淫気は、霊体の一部分ともいえる。霊体そのものがはじけ飛べば、それが大量の淫気となって放出されるのも当然であった。だが、どんなに淫気が濃くなったところで、僕には通用しない。

 淫気や邪霊気は、おそらくは神通力とは対極に位置するエネルギー、つまり魔力と同じ負のエネルギーだ。だから正のエネルギーである神通力をぶつければ中和されるはず。

 だが、僕程度の神通力では、これらの負のエネルギーを完全消滅させるだけの中和力はないみたいだ。せいぜいのところ、霊体を構成しているコアを破壊し、霊体をただの淫気の固まりに変えるだけなのである。

 従って、首つり自殺をしたこの女性も、少し時間が経てば、もとの霊体に戻ってしまう。1日もあれば、再構成には十分だろう。根本的な救済にはなっていないことはすぐに分かった。

 やはり、謎を解いて村全体を解放するしかない。

 霊体を消し飛ばしたこの部屋で、じっくり物色をすることにした。ベッドにも棚にも机にも、とくにめぼしいものははいっていなかった。

 小さな本棚にアルバムがある。参考になりそうなのはこのくらいだ。

 「…。」アルバムにはほとんど写真がない。というより、引きはがされた形跡がある。以前まで入っていたのに、誰かに抜き取られたみたいだ。

 「!」一番最後のページに、一枚だけ写真が入っている。懐中電灯で照らすと、そこには4人の少女が移っていた。どこかの海だろうか、水着姿の女性が並んでいる。

 風格から見て、4人は姉妹だろう。そのうちの二人は体つきから大人であることが分かる。さらに右端の人は見たことがある。さっきの赤いドレスの女性だ。残り二人は中学生くらいだろうか、背が低く幼い感じがする。

 全員ビキニ姿で、おへそも生足も肩も惜しげもなく露出されている。

 この家に住んでいるのはこの4人だろう。水晶が強く反応しているから、全員がここにいると見ていい。そのうちの一人を倒したので、残りは3人か。

 とにかく、残りの部屋も探索して、先に進むしかない。色情霊は、渾身の神通力で助けることにする。

 隣の部屋に入る。そこはフローリングの部屋だった。

 水晶がピンク色に光る。この部屋にも、さっきの姉妹の一人がいるな。・・・いや、光が強すぎる。一人じゃない。

 裸の娘二人がベッドに横になっている。小さな体、小さな胸、くびれのない腰、きめの細かすぎる若々しい肌、姉妹のうちの下二人だろう。15にも満たない幼い顔立ちからは、甘えるような涙目で男を求める淫乱なメスのゆがんだ表情を感じ取ることができる。

 魅了除けがなければ、僕は我を忘れてベッドに入り、二人に挟まれていたことだろう。

 「こおおおお!」僕は二人めがけて神通力を流し込んだ。

 中学生二人の体がピンク色に染まると、一気に爆発して消えてしまった。

 あと一人だ。次の部屋に直行する。そこには姉妹の最後の一人がたたずんでいる。僕は一気にたたみかけるように神通力を浴びせかけ、その娘を消し去った。家屋内の探索は、色情霊を排除してからでも遅くはない。

 これで家の中の女性は全員消し…水晶がピンク色に光っている!

 「!」全裸の女性が後ろから抱きついてきた。そして突然ペニスを両手で掴むと、モニモニと揉みしだき、柔らかい女手の感触を刻みつけてくる。

 「くっそ! 佐伯仙術!」僕は呼吸を整え、直接彼女の体に神通力を流し込んだ。

 そうか、写真に4人写っているということは、カメラを構えた5人目がいたということだ。その女性が襲いかかってきたのだった。

 だが、佐伯仙術の神通力の敵ではない。もう、以前のようにやられっぱなしにはならんぞ!

 この女性もはじけ飛び、水晶には今度こそ反応がなくなった。

 よし、じっくりすべての部屋を探索しよう。

 二階の奥の部屋が物置になっている。そこから出てきたのは、大量の写真であった。

 他の部屋にもアルバムはあったが、ほとんどの写真が抜き取られていた。その抜き取られた写真が、すべてこの物置部屋に集められていたのだった。

 それらの写真は、すべて、この姉妹と男性が写っているものだった。

 ツーショットのものもあればグループのものもある。小学生の時の写真でさえ、見ず知らずのお兄さんと一緒に写っている。大人の女性たちも、多くの男性と写っている。

 同じ男性の写真もあれば、一枚一枚違う男性と写っているものもあった。

 さらに、住所録と思われる数冊のノートには、男性の名前と電話番号が記載され、姉妹のうちの誰かの名前も付記されている。

 高丘 太郎(18)×××ー×××× 祐子
 根本 治(38)×××ー×××× 祐子
 野村 晋太郎(22)×××ー×××× 早希
 久米 浩介(14)×××ー×××× 美代子

 こんな感じだ。その名簿が…百人二百人と記録されている。この名簿の男性が、きっと写真に写っている男性たちなのだろう。

 小金持ちだけあって社交も広いのか。加えて美人揃いの姉妹だけ会って、男性とのつきあいも幅広かったのだろう。

 ここに移り住んでからの状況も何となく分かってきた。

 彼女たちは、家の外に出て男性を襲っていたのではない。あえて家の中にとどまり、この名簿にある男性たちを呼び出しては、吸い尽くすほどに交わり、性欲を満たしていたものと思われる。

 その中で、「真穂」の名前だけが極端に少ないことにも気づいた。男性たちとつながっている姉妹は、祐子、早希、美代子、朋子の4人で、真穂だけが数件にとどまっていいる。おそらく彼女だけは奥手で、セックスももともと好きではなく、交友が狭かったのだろう。そしてその真穂こそ、首つりをした女性であるに違いなかった。

 「!!」

 倉庫の奥にはしごがある。そこから上に行くことができた。天井の一部に穴が空いており、天井裏に上がることができるみたいだ。

 何か気になるな。行ってみよう。

 僕ははしごを登った。屋根裏は存外に広く、立ち上がることもできるみたいだ。

 「何かあるな。」屋根裏部屋の隅に、小さな神棚のようなものがある。水晶の反応は…ない。

 近づいてみると、神棚というより、屋根付きの小さなお宮のようなものだった。

 小さな扉を開けてみると、そこには小さな紙切れが入っている。

*地図の一部(8/2)を手に入れた。

 「やっぱりこれは、例の事件が起こった当時の村の地図のようだ。」ばらばらに引き裂かれてはいるが、数枚集めれば組み合わせもでき、一枚の大きな地図になるのだろう。まだパズルのピースはあまりそろっていないので、解読さえもできず、これだけではまだ、どこに何があるかは分からない。

 民家や建物などから地図や鍵を集め、昔の謎を解き続けよう。

 …そう言えば、ここに招き寄せられ、衰弱死した男たちや、男の村人たちは一体どうなったのだろう。骨を見つけたわけでもないしな。これもおいおい分かってくるのだろう。

 さ。とにかくこの家の探索はこれで終了。さっさと次の館を目指そう。

 僕は一階に降り、玄関から外に出た。

 「なっ!!?」

 玄関前には、いや、玄関前だけでなく、この家をぐるりと取り囲むように、数十を超える色情霊たちが大勢集まってきていた! あまりに数が多すぎるので、色欲の前にただただ圧倒されてしまう。

 こ、これは一体…

 今までこんなことはなかった。外を歩く色情霊たちも、僕を誘惑してくることはあっても、一斉に襲いかかることなんてなかったのに。

 原因は…やはり神通力で色情霊を消し飛ばしたからなのだろう。

 佐伯長官ほどの膨大な神通力で完膚無きまでに浄化できれば話は別だが、僕のような生半可な神通力程度では、せいぜい一時的に、性霊を爆発させ、全身を濃厚な淫気に戻してばらまいたのだ。

 突然その場所にだけ濃い淫気が噴出されれば、しかもそれが5人分もあれば、他の色情霊たちを、百人近くも集めてしまうのは当然の道理であった。もしかしたらもっと集まっても不思議ではないのかも知れない。

 まずい・・・佐伯仙術はたしかに色情霊に効果があるが、まさかこんなことになるとは…。

 どう切り抜けるべきか。いや…そもそも切り抜ける手立てそのものがない気がする。絶体絶命ってやつだ。

 とにかく、自分の身を守りながら、何とかこの場を切り抜けるしかない。「こおおお…」身構えつつ呼吸を整え、深めていく。この程度の神通力では、数十の性霊たちを浄化するはおろか、消し飛ばすこともできないだろう。

 一度に消せるのはせいぜい3体が限度か。だが、一斉に百体以上が押し寄せたら間に合わないだろう。

 「うわああああ!」一斉に色情霊たちが飛びかかってくる!

 とにかく佐伯仙術の呼吸は絶対に乱さないようにして、近づく霊体を消し飛ばしながら、このまままっすぐ突っ切って、色情霊の輪をくぐり抜けるしかない。僕は全力で走り、襲いかかる幽霊をものともせずに突破しようと試みた。

 だが。そうそう甘くはない。うまくいくはずもないものは、やはりうまくはいかないのだ。

 やはり、消し飛ばすことができたのは初めの数体だけだった。あとは神通力が間に合わずに、あっという間に全身に裸の女たちの霊がまとわりついてしまう。まずい、このまま快楽を与えられ、射精させられてしまうのだろうか。

 だとすると、色情霊を倒して打破する作戦はやめ神通力を体内にのみ流して、防御に徹することにするしかない。どれほど刺激されまとわりつかれても、性感神経を徹底的に鈍磨させ、触られてもしごかれても挿入されても快感ダメージを受けない状態にするしかない。そのまま性霊たちを実力ではねのけて、輪をくぐり抜けよう。

 だが、色情霊たちはまとわりついてくるだけで、ペニスに手を伸ばすこともなければ、挿入やフェラチオに持ち込む気配もない。女体の柔らかい感触を押しつけてはくるものの、もはや神通力をまとっている僕にそんな誘惑は何らの刺激にもならない。手で全身を愛撫してくるそぶりさえ見せなかった。

 「んなっ!?」

 腕に絡みついていた色情霊の体半分がなくなっている!? いや、なくなっているというより、僕の腕の中に入り込んでいるみたいだった。

 「う、うわああっ! なにを・・・」

 全身にまとわりついている色情霊たちは、ぐいぐいと体を僕に押しつけてくる。そして、僕の皮膚細胞を通り抜け、体の中に入ってきているのである。

 「や、やめ・・・!」僕はもがいて色情霊たちを振り払おうとするが、もはや体半分融合してしまっている彼女たちの体は、決して僕から引きはがされることがなかった。どれどころか、どんどん体内に入り込んできている。

 「くっそ…佐伯仙術ぅ!!」僕は呼吸をさらに深め、膨大な電気を体内に流して、入り込んだ色情霊たちを外に追い出そうとした。だが、どんどん体内に入り込む性霊たちの数が多すぎて、体内で淫気に分解して吐き出す霊体の数を遙かに超える人数が、僕の体に入り込んできて、止められはしなかった。

 こいつら、僕の体の中から性感神経を刺激してくるつもりなのか!?

 「が・・・かはっ!」息が苦しい。霊たちの体が凝縮され縮小され、僕の全身を細胞単位で支配しているみたいな、全身の違和感に苛まれる。

 神通力をはるかに超える人海戦術で、僕はもはや太刀打ちができなかった。

 みるみるうちに、数十の色情霊たちが僕の体に吸い込まれていく。ものの数分で、家を取り囲んでいた大勢の女の幽霊たちが、全員僕の体に吸い込まれ、消えてなくなってしまった。

 「はあっ、はあっ…僕は一体、どうなってしまったんだ…!?」

 違和感が徐々に消えていく。これは、彼女たちの霊気が、僕の肉体と完全に融合してしまっていることを意味していた。安心どころか、逆に不安が広がっていく。

 と、とにかく体勢を立て直さないと。

 今からでも神通力を発動させて、一人ずつでもいいから、体内に巣くう性霊たちを追い出していかないと。数十人に体内の性感神経をいじめられる前に。

 「こおおお…」呼吸を深めていく。

 「…あれ?」体内の電気を神通力として増幅させ、これをどんどん流して、体の中に大量の神通力を川のように流していく。さらに増幅を重ね、これを練って自在に用いることで、攻撃にも防御にもなる。

 その神通力が、全く発生しないのだ! いくら呼吸を深めても、気を高めようとしても、体は全く反応がない。体内の気を練ることができない!

 ま、まさか、あの数十の色情霊の目的は、僕をイかせることではなく、僕の佐伯仙術を封じるためなのか!?

 いくら呼吸をしても、体内に神通力が復活することはなかった。

 彼女たちがやったことは「憑依」の一種だ。だがそれは、体内から僕を犯したり、僕の体を意のままに操ったりすることではない。そんなことをしなくても、僕から神通力を奪うだけで、十分僕を快楽漬けにすることができるのだった。

 まずいことになったぞ。神通力が使えないということは、色情霊を撃退することはできないし、彼女たちの性感攻撃に対して防御ができない。つまり、色情霊に捕まったら、そのまま甘い快楽の罠にはまり込んでしまうということだ。

 それどころか、淫気に対する耐性が格段に弱まり、空気に触れ続けるだけで性欲に苛まれるようになってしまう。

 そんなところに、エッチな誘惑が矢継ぎ早に押し寄せようものなら、いくら僕でも耐えきれるかどうか分からない。

 どうしよう、こんな状態で、本当に謎なんて解けるのだろうか。

 いや、もともとこの探索に挑戦してきた、あるいは挑戦せざるを得なかった男たちも、今の僕と同じ境遇に立たされた状態で、果敢に探索を試みたのだった。

 僕だけが特別というわけにはいかないだろう。

 ただ、そうはいっても、これまで誰もこの謎を解くことができなかったのだから、僕が今更チャレンジしたとしても、結果を変えることはできないだろう。ピンチであることに変わりはない。

 普通に探索していれば、他の男たちと同じように失敗してしまう。僕の場合、しこたま射精させられ、これが夢精となって、本来なら徹底的に弱体化して現実に悪影響を及ぼしてしまうことになる。「とめった」とかマスターの処置によって弱体化は免れているものの、精神的な悪影響までは逃れられない。

 もし僕がセックスの虜となって、精神崩壊に至ってしまえば、どれだけ体が回復しても、もはやフザケンジャーとしての活動はいっさいできないだろう。そうなれば、ポッティはヘルサたん総統の謀略を食い止める手立てを失い、世界は徐々に新世界へと、破滅へと向かっていくのである。

 神通力が使えない以上、慎重に進まなければ、世界を破滅に追い込むことになってしまう。それだけは絶対に、避けなければならないのだ。

 とにかく、ここにとどまるのはまずい。どこか別のところに移動しなければ。僕は歩き出した。

 早速、女子大生風の美女が近づいてきた。時代遅れのぴっちりボディコン姿で、細い足を開いて、スタイルのいい体を見せつけてきている。僕は彼女の体を見て、性欲が疼くのを感じた。

 さっきまでの自分だったら、こんな程度の誘惑などものともしない。だが、もはや神通力を持たない今、淫気は確実に肉体を蝕んでしまっている。性欲が高まり、女の肌に対する耐性が弱まってしまっているのである。だから、手を見ても足を見ても、いつも以上にきめ細かく魅力的に見え、性欲を刺激する強烈な誘惑として働くのである。

 だから、細い生足や内股を見るにつけ、視線がそこに釘付けになり、細いながらもプニッとしている内股のふくらみや、柔らかそうな感触、きめの細かいシコシコしたツルツルの肌触りが予想され、触りたいという劣情に駆られているのだ。

 この劣情を僕自身の中で克服しなければならない。淫気などに負けず、自分の意志を強く持って、女体の誘惑をはねのけなければならない。

 「~~~ッ!」僕は後ろ髪を引かれながらも、ボディコン娘から目をそらし、その場をさっさと歩き始めた。

 するとすかさず、別の女の子3人が僕の前に立ちはだかる。彼女たちは浴衣のような和装に身を包み、結った髪を下ろしてきちんと整えて束ねていた。死んだ時代はずいぶん昔だが、現代まで色情霊をしているが故に髪型を変えた娘たちであった。

 今の男たちをも魅了するために、古い色情霊たちもそれなりに工夫しているのである。

 「みさ…」無意識のうちに、みさの名前をつぶやいていた。その雰囲気は彼女にどこか似ているのだった。

 3人の和服娘は、帯をするりと脱ぎ捨てると、和服に袖を通したまま前半身をはだけ、おっぱいもツルツルのオンナも僕の前に惜しげもなくさらけ出された。

 「あふ…」女の子たちはくすくす笑いながら僕の目の前に立っている。その姿に釘付けになり、ペニスの先端がくすぐったくうずき始めた。血液が海綿体に集中するのを感じる。

 僕を取り囲む裸体を見ながら、ペニスが反応し、勃起していくのが分かった。だが、勃起するということは、性的な誘惑に負けて、その相手とセックスがしたい、あるいは少なくとも、その相手で射精したいと体が願うことを意味する。

 そうなれば、相手の娘たちは、視覚や聴覚に訴える誘惑から、肉体を使った、触覚に訴える誘惑に切り替えてくるだろう。すなわち、抱きついてきてペニスに触れ、しごいたり舐めたりして射精をうながしてくるのである。もちろん、勃起したとたんに幽霊のオンナに飲み込まれてしまうことも十分にあり得る。

 その誘惑に負ければ、僕は幽霊の体で精を放ち、強烈な快楽に身を苛まれることになるだろう。それは僕を狂わせ、魔性の女体の魅力に心を強烈に犯されることを意味する。この射精を繰り返していけば、僕はもう逃れることができなくなり、女体の、セックスの虜となってしまうことになる。

 また、勃起しないように自分の心の中で戦い、踏ん張り続けなければならないが、誘惑をはねのけきれずに長時間戦っていれば、幽霊側もしびれを切らして、愛撫や抱きつき、足スリ攻撃で、無理にでも立たせようとしてくるであろう。

 あるいは、抱きつかれてもやわ肌をこすりつけられても、勃起しないだけの強い意志の力があれば、誘惑を完全に克服できるであろう。佐伯仙術が有効だった時の僕がしていたのがこれである。

 だが、フザケンジャーの力も、佐伯仙術の力も失った僕は、完全に生身の素人男性であった。すぐそばまで近づいている半裸委の美少女3人を目の当たりにして、いつでも快楽をむさぼって良いと許されている状況の中で、ペニスが興奮に耐えきれるはずがなかった。

 むくむくと頭をもたげながら、股間がくすぐったい疼きに包まれる。ペニスはすっかり勃起し、彼女たちの前に情けない怒張をさらけ出すのであった。

 僕よりも年下と思われる少女たちは、股間のふくらみを生で目の当たりにして、うれしそうな笑みを浮かべた。自分たちの身体に反応してくれた悦びと、性的な快楽への期待感が入り交じった、淫靡だがあどけない微笑みであった。その顔に僕の心はさらに高鳴ってしまう。

 一斉に3人の美少女が僕に抱きついてきた! ふにゅっとした柔らかい弾力と、あまりになめらかな肌触りが、一気に僕の体3方向から襲いかかる。3人の生足が僕の足全体に絡みつき、しきりにこすっていって、男の興奮をさらに高めていった。

 「うわあああ! 離れろ!」僕は3人を突き飛ばし、振りほどくと、無理に女の間をかき分けて走り出した。ペニスは激しく勃起したままで走りにくかったが、そんなことにかまっている余裕はなかった。

 だが、勃起したままということは、他の路上の浮遊霊たちは、僕の体を好きにして良いということである。わざわざ、声や肌見せで勃起を誘うステップをふまずとも、いきなり僕に飛びかかり、何なら急に押し倒して犯したっていいのだ。

 いずれにしても、浮遊する色情霊たちの肉体にほだされ、快楽を得たいとわずかでも思ったら負けなのだ。

 「あ! あふああっ、やめ…」走る僕の股間に、浮遊する性霊がはりついた。そしてペニスを口に含むと、なめらかな動きで舐めしごき始めた。僕は、フェラチオされながら走っているという奇妙な状態に置かれ、あまりの股間のくすぐったさによろけてしまう。

 倒れ込む先にも美少女が待ち構えていた。上半身裸で、ふくよかな乳房に僕の顔面がめり込んでしまう。即座に僕の頭部はこの女の子に抱きすくめられ、捕まえられてしまったのである。

 フェラチオ美女はリズミカルにペニスをいたぶり続けている。ぷるんとしたやわらかい口が股間に吸い付き、浮遊しながらすばやく首を動かして、小さな頭ながら強烈な快感攻撃を展開している。口腔内部で暴れ回る舌は、容赦なく亀頭先端から根本までに絡み付いてうねうねし、唇の動きに合わせて敏感なところめがけて暴れ回っていた。

 「くっそ、離せ!」僕はぷはっと美少女のおっぱいから顔を上げると、渾身の力でフェラチオ美女の頭部を引き剥がした。

 だが、両手で彼女の頭部を持ち上げてペニスからムリヤリ引き剥がしたと同時に、待ち構えていた別の女の子がペニスにかぶりついてくる! そして執拗に唇でしごきながら舌先で尿道口をかき分けてくるのだった。

 「あ! あふっ!」強い快感に身をよじらせる。横向きに倒れた僕の全身に浮遊霊たちが群がり、あちこちに顔を貼り付けて舌を這わせ始める。僕はくすぐったい口とベロに全身キスされ、舐められていく。

 唇が奪われ舌をねじ込まれる。やわらかい女の舌が僕の口の中をかき回し、かき立てた。

 ペニスにも玉袋にもアナルにも無数の女の頭部が群がり、舌先で転がされたり、口の中に含まれたり、執拗にチュッチュッと吸いついたりしてくる。

 脇の下も乳首も背中もお腹も、首筋も膝裏も、足の指の間にまで、容赦なく女の口が僕の全身をかわいがった。僕も抵抗して女の頭部を引き剥がしたりふりほどいたりしたが、そうする矢先に次から次へと別の娘が頭をねじ込んできて、さっきと同様にくすぐったく舐めしゃぶるばかりである。

 こねくり回すように亀頭をしつこくねぶる舌の動きに、僕は感極まってしまう。「ああっ、だめえ、いっちゃうう…!」射精直前の強烈な多幸感に襲われ、僕は身もだえして射精をこらえようとしたがその抵抗さえも空しく、全身にはりつく女の舌と唇の暴虐に敗れ、ペニスが大きく脈打ち始めるのだった。

 びゅる! びゅる! びゅる!

 美少女たちの顔面めがけて、白濁液がほとばしる。お尻の穴とその周辺をくすぐったい舌がすばやく動き、射精の律動を早めながらもそれをできるだけ長引かせ、僕の脳を快楽一色に染め上げてくるのだった。

 イかないようにする戦いだけでなく、射精してしまった時に精神が弱体化することを防ぐ戦いでもある。女の体の魅力にやみつきになり、そのまま快楽をむさぼっていたいと願望するようになれば、そしてそれがずっと続くようであれば、間違いなく僕の精神は悪魔の手に堕ちてしまう。快感なんかに負けてたまるか。

 僕は渾身の力で起き上がり、目指す家屋めがけて一直線に走り込んだ。

 「はあっ、はあっ、はあっ…」呼吸を整える。もはや仙術が使えない以上、神通力でもって性霊たちを倒すことはできない。水晶の光に注意しながら、できるだけ彼女たちに遭遇せず、捕まらずに、謎を解くほかはない。

 民家の敷地内に浮遊霊たちは入ってこない。ここから先は、さらに強力な、民家に縛られている数多くの地縛霊たちが相手となる。素人男性に過ぎなくなった僕にできることは、地縛霊の浄化ではなく、彼女たちから逃げることだけである。

 色情霊たちはあちこちのポイントで僕を待ち構えている。そのポイントの射程内に僕が入り込めば、容赦なく彼女たちは襲いかかってくるだろう。僕を捕まえようとし、しきりに誘惑し、セックスへと持ち込んでくるに違いない。

 まずは、水晶の光に注意して、ポイント内に入り込まないように気をつける。だが、うっかりしてしまったり、そこに行かなければ謎が解けない場合、今度は色情霊たちに「抵抗」する動きを示さなければならない。

 抵抗の仕方は、「逃げる」「避ける」「押しのける」の3種類が考えられる。その場の状況に応じて使い分けながら、性霊に捕まることを回避しなければならない。失敗すれば、僕は即座に女体に巻き込まれることになる。

 そうなった時の最後の砦は、誘惑に負けず、勃起しないで、ナチュラルに色情霊を拒否することである。だが、今の僕程度の実力では、その砦はあっさりと破られてしまうに違いない。あまり期待はできない。

 やはり、まずは色情霊に出会わないこと、出会ってしまったら抵抗して捕まらないようにすること。これに賭けるほかはないだろう。

 今度の家は、どこにでもありそうな、和室洋室が混在した、ごく普通の民家であった。広さも一般的だ。

 さっそく水晶が反応し始めている。光も強いな。何体もの色情霊がこの家にたむろしているみたいだ。色もオレンジ色。近いぞ。

 玄関から入ってすぐがリビングのようだ。さっそくそこに入ってみる。

 「ぐおおおお!」「うわあああ!」

 ばっと飛び出してきた大人の女性に組み付かれてしまった!

 台所と繋がっているリビングは、当時としては最先端の、豊かな暮らしの象徴でもあった。そこに控えていた裸の女が、僕が入ってきたとたんに襲いかかってきたのであった。

 赤い瞳に生気のない顔。それでいてセックスのことしか頭になく、性欲に完全に支配されて理性を失った女の成れの果ての姿であった。

 「くっそ!」なんとか回避をしなければ。逃げる、つまり性霊をムリヤリふりほどいて、部屋から脱出をするか、避ける、つまりたくみに身を翻して部屋にとどまりながら色情霊を横へ逸らし脱出するか、押しのける、つまり力ずくで幽霊をふりほどき、投げ飛ばす要領で押し切ってしまうか。

 押しのけるよりも避ける方が簡単で、避けるよりも逃げるの方が簡単だ。だが、逃げるより避ける方が謎の探索はスムーズであり、避けるより押しのける方が謎の探索がスムーズでもある。色情霊の強さと自分の実力の天秤と、機転を利かせた瞬時の判断により、選択とその結果が決まる仕組みだ。

 僕は避けるを選んだ。

 性霊は僕の両手首をがっしりとつかみ、今にも抱きつこうとぐいぐい押してきている。僕は両手をばたつかせて彼女の後続をふりほどこうともがいた。同時に身を翻して、隙あらば女から離れようと体を反らし続けた。

 とにかく、肌と肌が重なったら僕の負けだ。ぐいっと全身を押しつけようとしてくる女に抗い、手首ごと彼女の体を押しのけるとともに、自分も身を引いて体をひねって、なんとかお姉さんのおっぱいが僕の体にくっつかないよう必死の抵抗をしていた。

 女の手が僕の手首から離れた。僕は彼女の手をふりほどくことに成功した。「ぐああ!」女は怪物のような表情でなおもしつこくしがみつこうとしてくる。僕はとっさに身を翻し、霊体を「避けた」。

 台所は彼女のテリトリー。僕はリビングの方に走り込み、色情霊の体から十分に距離を取った。避けることには成功したらしい。

 「ぐるる…」完全に理性を失い、動物となった女は、這うようにしてじりじりと僕の方に迫ってくる。だが、ある場所から先には、どうしても進むことができないみたいで、体を止め、起き上がったり伏せたりしながら、さらに僕の方に近づこうとしているものの、どうあっても見えない壁があるみたいに、これ以上僕の方に来ることができないでいた。

 うなりながら悔しがる女。キレイな体なのに、そんな成れの果ての行動を取られると、かえって哀れにさえ思えてくるのだった。地縛霊である以上、ある一定のテリトリーから外に出ることはできない。その代わりに、外の浮遊霊とは比べものにならないほどのパワーを持っていて、その肢体は極上、お互いが身に受ける快感もひとしおというわけだ。

 リビングは結構広い。大きな低いテーブルと、そのテーブルを取り囲むように置かれたソファ。反対側には、大きなブラウン管のテレビがあり、大きなビデオデッキも備え付けられてあった。

 廃村に電気は通っていない。そのはずだった。だが、暗闇のなかで、テレビとビデオの主電源ランプがついている。

 食卓でもあるテーブルの真ん中に、古びたリモコンが置いてあった。おそらくこれで操作するのだろう。

 僕はリモコンを手にとって、電源をつける。電池の入っていないリモコンなのに、テレビやビデオはスイッチが入り、ざーっという音とともに砂嵐が画面いっぱいに映し出された。

 ビデオテープがすでに入っているらしい。僕は再生ボタンを押してみた。

 テープの映像は、昼間の、幸せそうな一家の姿が映し出されていた。

 父親らしき人物が白衣を着ている。そのまま二階の部屋に引っ込み、少し経って私服姿で出てきた。「お父さんは仕事から帰ると白衣のお医者様からだめおやじに変身しまーす」「ダメオヤジっていうなww」

 姿は見えないけれども、低めの妙齢女性の声。ホームビデオを手に話している、この男性の奥さんだろう。

 白衣のまま職場から帰ってきたこの男性が、村の病院の医師、しかも貫禄からいって院長か上役のクラスであることがわかった。

 ビデオはこのリビングを映し出している。唐揚げ、煮物、漬け物、ご飯に味噌汁。サラダまでついた豪華なディナー。わいわいと話す若い男性二人。医師の子供で、兄は僕と同じくらい、弟は14歳くらいか。

 たばこをくゆらすお父さんと会話しながら、時々お母さんの声が混じる。幸せそのものの一家団欒の姿だった。廃屋の中で見る「生前の」彼らの幸せな姿が、かえって僕の悲しみをいやがおうにも誘うのだった。

 「これがお母さんでーす」弟がカメラに近づくとこれを手に取り、反転。さっきまでカメラを回していたお母さんの笑う姿が映し出された。

 「あああ!!!」「ぐるるるる! ぐふうおお! …おおお…」

 僕は振り返った。ああっ、なんということだ。

 色情霊となっているために、二十歳前後まで若返っているけれども、ビデオに映し出されたお母さんの姿は、まちがいなく、台所でうなっている動物の顔と同じなのであった。うなり声を上げている女性は、このお母さんなのだ。

 理性は完全に失われているが、それでも、どこかうなり声に嘆きの渓が混じっているように見える。彼女にも、このホームビデオの映像を見ることができたのだ。

 何があったのかは具体的にはわからないが、村を襲った悲劇はこの家も容赦なく飲み込んだはずである。父も、息子たちも、女体と性霊の餌食になっていき、こともあろうに、そこにこの母親も混じっていたかも知れない。

 家族が崩壊し、自分も快楽の虜となって、理性を失ってまで地縛霊をさせられているという悲惨な状況。彼女はもしかしたら、夫と子供たちが衰弱していく姿を目の当たりにしながら、どうすることもできずに死んでいったのかも知れない。

 これが! これが魔族の快楽なのだ。セックスに溺れ、肉欲と性感の快楽に我を忘れ続けるということは、家族の団らんも人間としての慶びも、何もかもを破壊しつくすことなのである。

 絶対に許せない。

 何としてもこの村の謎を解いて彼らを解放しなければならない。そして、この事件の黒幕であるヨウコヒメと、そいつに手を貸し、おそらく主導権まで握っていたであろうヘルサたん総統を倒し、世界を救わなければならないのである。

 ビデオは再生を終え、自動で巻き戻しに入っている。その巻き戻しを終えると、再び自動再生に入った。リモコンで停止・イジェクトをしなければ延々と再生をくり返す仕組みなのだろう。

 ビデオを再生している間は、もしかしたらお母さんもわずかに理性を取り戻し、おとなしくなってくれるかも知れないな。

 「お父さんは仕事から帰ると白衣のお医者様からだめおやじに変身しまーす」「ダメオヤジっていうなww」

 幸せそうな声を背に、僕はリビングをあとにした。うなっているお母さんはビデオ映像を食い入るように見つめていた。

 反対側は浴室のようだ。ドアに手をかけた時、水晶がピンク色に光った。「!」慌てて辺りを見回すが、誰もいない。と、いうことは、この浴室の中に性霊が待ち構えているということである。わざわざ襲われに中に入る奴はいない。回避手段を見つけるまでは後回しにしておこう。まずは色情霊のいないところで謎解きとアイテム探しだ。

 浴室の隣は、トイレと物置みたいだった。トイレには何もない。物置ももぬけの殻で、ほとんど何も置かれていない。ただ一つ、コードのないテレビが一台置いてあっただけであった。

 ぶう…ぅん…

 突然テレビのスイッチが入った。コンセントもない旧式のテレビで、映るはずもないものである。

 そこに映し出されていたのは、まぎれもないこの家の家族の姿であった。ビデオデッキもないのに、電源が入るはずもないのに、しっかりと映像が映し出されている。霊の仕業に違いなかった。

 リビングの幸せそうな姿とは違って、別の意味での幸せそうな姿が、そこには映し出されていた。

 まだ理性の残っているお母さんの姿はなく、おそらく外に男を求めていたのであろう、そこにいたのは、父と息子二人の宴の姿であった。

 リビングでお父さんが、このもぬけの殻の物置でお兄さんが、廊下の奥で弟が、村の娘たちとセックスに興じている映像であった。音声はないが、何が起こっているのか、鮮明な映像だけで状況把握は十分であった。

 早朝。のろのろと全裸で階段を降りてくる男たち。彼らは自分の置かれた状況がわかっているらしく、三人とも同じ時刻に部屋から出て、下の階に降りてきたのであった。

 そう、彼らはこの時間まで、一晩中、無数の色情霊たちを相手にセックスに興じ、数えきれぬほど射精させられていたのである。

 やっと色情霊たちから解放された三人に待っているのは、毎朝決まっている。すでに呪いから数日以上経過しており、毎朝毎朝、しなければならないことは決定づけられているのである。

 お父さんが玄関のドアを開けると、どっと女たちが押し寄せてきた。彼女たちは幽霊ではなく、生きている村の若い娘たちである。

 杉戸村の呪いは、住む者を性に狂わせている。男たちは絶倫となり、何度射精しても萎えることなく、いくらでも性交に励むことができる。睡眠時間が極端に削られても、快楽の淵に立たされても、肉体的にも精神的にもまいってしまうことがないのだ。その代わりに、確実に生体エネルギーは削り取られ、ゆくゆくは衰弱死してしまう運命であった。

 女たちは、邪淫霊どもの呪いによって若返りつつも、四六時中強烈な性欲に苛まれることになる。ガマンできる範疇をはるかに超える疼きに悶絶し、イクことで一時的に疼きを止めることができるものの、死ぬまで決して解放されることがない。それがわかっていても、禁断症状のように全身を苛む体の火照りをどうすることもできない。自慰行為や女同士では決して満たされることがないよう呪われているため、彼女たちは生きた男を求めてかけずり回るほかはないのだ。

 男たちは毎晩毎晩、一体または複数体の性霊たちと一晩中交わり続ける。グループで夜な夜な襲ってきて、全員に射精させるか全員がイクまで、しつこくセックスを求める。グループ全員が満足するか、グループ全員の体で男が満足すると、そのグループは消えていくが、すかさず別のグループが現れ、萎えることのない男を快楽の淵に再びたたき落とすのである。これが早朝の日の出まで続けられる。

 家から出られない生身の女たちは、早朝、色情霊たちが消え去ったあと、必死で家から飛び出し、男を求めてかけずり回る。どこに誰がいるかは、小さな村なのでみんな知っている。従って、早朝になると、大勢の女たちが、男の家まで押し寄せてくることになるのである。

 この家族の元にも、こうして、村の娘たちが大勢押しかけてきた次第である。

 お父さんも息子たちも、正午になるまで、自分たちがしなければならないことを熟知していた。彼らはそれぞれの部屋で女たちを迎え入れ、彼女たちの性欲を、たとえ一時的にでもいい、その苦しみから救ってやらなければならないのである。

 映像に映し出されているのは、そんな早朝の一コマなのであった。

 ソファに座ったお父さんにまたがり、椅子座位でペニスをむさぼる女性。お父さんは両手の指先で別の娘二人のオンナをかわいがっている。そして彼の両腕に二人がまたがり、必死で自分の股をこすりつけて快楽にのけぞっていた。つまりお父さんは一度に五人の女性を相手に彼女たちを慰めていたのである。

 物置であお向けになり、膝を立てたお兄さんを、淫乱娘が騎乗位で責め続ける。お兄さんも片手で一人ずつ、指でオンナを慰めた。さらに舌で別の女性のオンナを舐め回し、別の二人が彼の膝に性器を押しつけこすりつけて愉しんでいる。彼は一度に六人を相手にしていた。

 まだ幼い弟にはそこまでのテクニックはないらしく、廊下の奥で立ったまま年上の女性たちにもてあそばれていた。バックで挿入し、必死で腰を振るお姉ちゃん。彼の両側と後ろに立って女体を押しつけこすりつける女性。彼女たちは代わる代わる少年の手を取りオンナにあてがって、強制的に手マンをさせていた。

 まだ年端も行かぬ娘から三十近い妙齢の女性まで、さまざまな女たちがこの三人めがけて押し寄せている。順番待ちの女たちがうずうずしながら並んでいた。

 男が射精しようとするまいとお構いなしに、女たちの責めは続いている。自分がイクまでは何があっても離さなかった。とはいうものの、もはや性欲の疼きがピークに達し、限界を超え続けて数時間悶絶していたので、やっと男にありつけたとたんに、あっさりと絶頂を迎えるのだった。数分も経たないうちに、女たちはアクメの緊張にさらされ、何もかもを忘れて全身を張り詰め白目を剥いてしまう。

 絶頂を迎えれば、そこで理性を取り戻し、我に返ることができる。そしてそそくさとその場をあとにするのだ。わかってはいるのだが、自分の疼きをどうしようもできないという苦悶の表情を浮かべながら帰っていくのである。

 すかさず順番待ちをしていた子が待ちきれずに空いたポジションにはりつく。男にとっては、射精しようがするまいが女の渦からは逃れられない。

 お父さんの精を受け取った女性が別の美女と交代する。彼女もまた、座っているお父さんにまたがって腰を振った。そうこうしているうちに左側で腕にまたがっていた子がイク。すると年端もいかぬ女の子が彼女と交代し、お父さんの腕に生足とオンナをしきりにこすりつけるのだ。

 指でイかされた女性も同じで、すぐに別の女性と交代、お父さんは休まず両手を動かし続けなければならなかった。

 別室の息子たちも事情は同じだった。

 代わる代わる、兄にも弟にも女たちが交代で群がっている。勃起する男でありさえすれば、女たちと幽霊たちの相手をしなければならない。中学生くらいの少年であっても、セックスの快楽は容赦なく押し寄せ続けるのだった。

 もちろん、男たちは何度イッても疲れたり痛んだり性欲減退に陥ることがなく、それどころかイク時の多幸感をずっと引きずったまま女たちとの肉欲の宴をますます愉しまされるのである。

 ・・・くっそ、エロティックではあるが、残酷でもある。

 テレビではそんな早朝の様子が映し出されている。もちろんこれは、ビデオ録画なんかじゃあない。霊障によって記録された、なまなましいこの家の記憶なのだ。現実に起こったことが、テレビの中で再現されているのである。

 僕は結果を知っている。見ることなくわかっている。男たちは徐々に衰弱し、なすすべもなく死の淵に近づいていく。謎を解けば解放されることがわかっていながら、正午からの時間は眠りこけざるをえないし、腹も満たさねばならぬ。謎解きに使える時間などほとんど限られてしまっている。そしてその謎はあまりにも深く、魔族が関わっている以上、彼らに解くことはできなかった。

 そして、男たちが衰弱死したあとは、女たちは、生き残った男の元に殺到し、せっかく生き残っている男性の寿命をさらに一気に加速的に衰弱させていくのである。

 村の男たちが全滅したあと、絶対に満たされることのない、七転八倒する性欲の疼きに苦しみ抜いて、娘たちも発狂死してしまった。結果、彼女たちは残らず色情霊となり、村に住んだ男や来訪した男(僕みたいな)に襲いかかり、捕らえ、村から出さないようにして衰弱させ、えもいわれぬ快楽の中で殺していったというわけだ。

 ・・・こんな映像を見せつけられたくらいで、勃起している場合じゃあないぞ。

 わかってはいるのだが、この家の中も性霊の淫気が充満している。神通力が使えない以上、軽い刺激や視覚ばかりで、あっという間に僕も興奮してしまうのだ。

 家族の悲劇や、魔族への怒りが頭をどれだけ満たしていても、人間の根本欲求のひとつである性欲は、容易にこれを突き破ってしまう。「そうは言っても気持ちいいでしょ」とあざ笑われているかのようだ。そしてそれが、どんな残酷なことになっても、悪魔に勝てない理由であった。魔族が暗躍し、その誘惑にいくらでも人類がピンチに陥りかねない原因でもあった。

 ただ単に魔族の悪逆非道を憎み、許せないと思っているだけでは、勝つことができない。機転を利かせ、誘惑に抗う精神力と、簡単には肉欲に溺れず射精しない強靱な体が必要であった。仙術が使えない以上、実力だけで戦わなければならない。

 水晶に反応はない。この部屋に地縛霊はないみたいだ。僕は気持ちを落ち着けて、物置をあとにした。

 水晶の光に気をつけながら階段を上る。強い青の光がオレンジに変わったら要警戒。すでに光は強く、複数の色情霊が二階に群がっていることがわかっていた。できるだけこいつらに遭遇しないようにし、謎に肉迫していかなければならない。

 二階の部屋は四つ。手前右側がお父さんとお母さんの部屋、手前左側は空き部屋のようで名札がかかっていない。奥左が兄、左が弟の部屋のようだった。

 水晶の反応が青いままの、お父さんの部屋を訊ねてみた。

 お母さんの霊はリビングにあるため、ここでは色情霊がいないみたいだ。

 洋室の真ん中に広いベッドがある。ここで両親が寝ていたのだな。コードのないテレビが置いてあり、あとは引き出しに鍵のかかっている小さな机が一台あるだけで、異常なほどに殺風景だった。

 通電していないテレビから映像が流れている。それは、真夜中に色情霊たちと交わるお父さんの姿であった。

 それは、性霊たちが僕を性的に興奮させようとする誘惑のひとつでもあったが、同時に、自分と家族がセックスに引き裂かれた無念を伝えるために、お父さん自身が用意したダイイングメッセージでもあった。だからこそ、僕はこの映像から目を離すわけにはいかなかった。何かヒントがあるかも知れないからだ。

 数人一組のグループで、代わる代わるお父さんにまたがり、次々と精を絞っていく。ある時はバックで、ある時は騎乗位で、ある時は側位で。広いベッドの上で、女たちがお父さん一人めがけてわらわらと蠢いている。お父さんが射精すると、すかさず次の幽霊が彼を犯していた。

 「!?」

 一瞬だが、何かが映った。セックス以外の映像だ。だが、1秒にも満たない瞬間的な画像だったので、一体何が映ったのかわからなかった。

 バックで突いているお父さんの背中に美女が張りつき、しきりにおっぱいをこすりつけている。彼の両脇の下を若い娘が舐め、両乳首ももう二人が舐めしゃぶっている。お父さんは一度に六人の色情霊たちに責められ、快楽にあえぎながら矢継ぎ早に精を放っていた。

 色情霊たちはあっという間に六発の精を奪うと、別のグループに交代する。彼女たちはお父さんをあお向けにして、数コスリずつ交代で全員のオンナをペニスに刻みつけていく。

 「あ!」

 今度は捕らえられた。一瞬映った映像は、小さな机の引き出しの画像だった。

 僕は机の引き出しを調べてみた。すると、さっきまで鍵がかかっていて開けることのできなかった引き出しが、今度はスムーズに開いたのだ。一枚のカードがそこには入っていた。

*金庫カードを手に入れた。

 僕が意を決してお父さんの無念の映像を見続けたから、引き出しの鍵が外れたのだ。そしてそこに、この家のどこかにあるはずの金庫を開けるためのカードキーが入っていたのである。

 金庫に何があるのか。ここまで厳重であるということは、きっと何か、重要な手がかりに結びつくものであるに違いない。

 ありがとうお父さん。あなたの無念は必ず晴らして見せます。

 僕はお父さんの部屋をあとにし、空き部屋に入ろうとした。だが、空き部屋には鍵がかかっている。

 しょうがない。先にお兄さんの部屋に入ってみた。水晶の反応はない。

 お兄さんの部屋は和室だった。片隅に机があり、その横に本棚があるだけの、これまた殺風景な部屋であった。小さな押し入れもある。いずれも、何も入っていなかった。廃屋であるにもかかわらず、畳は新品同様に青い香りさえ放っているみたいで、すぐに寝っ転がることができるくらいにツルツルしてキレイだった。

 やはり気になるのは、机の上に置いてあるテレビだ。もともとはこのテレビ、この机の上にはなかったはずだ。勉強机は小さく、ブラウン管の大型テレビを置いたらそれでいっぱいになってしまうのだ。

 僕が入ってきてしばらくすると、やはり映像が映し出される。この部屋で、お兄さんが色情霊たちと交わっている映像である。

 セパレーツ水着の女の子たち。クスクス笑いながら、エッチな表情でお兄さんを取り囲み、彼の性欲を刺激している。お兄さんが勃起するまいと踏ん張っているところに、容赦のない視覚攻撃が飛び込み、勃起するやいなや一気に抱きついて、性欲の虜にしていく。お兄さんはついにガマンできずに、娘のうちの一人を押し倒して、畳の上で犯し始めた。グループ全員が満足するまで誘惑と、それに負けて押し倒すのと、射精に至るのとがくり返された。彼女たち全員に射精すると、別の水着娘たちがお兄さんを取り囲んだ。全員が必ずセパレーツでおへそも丸出し、露出度も高かった。お姉さんから美少女、小娘にいたるまで、色々なグループが出現するため、お兄さんは飽きることなく同じように誘惑に負けて彼女たちを畳の上で抱き続けるのだった。

 「むっ!?」

 さっき見た映像と同じ光景がテレビに映し出されている。十代後半くらいか二十歳前後くらいのセパレーツ水着の娘たちが、お兄さんを取り囲んでいる。これは一度見た。ということは、ビデオでいえば巻き戻されて最初から再生されている感じか。

 「!?」しかし、今度は何かが違っていた。さっきとまったく同じ光景なのに、どこか違和感がある。しばらくの間、その正体がつかめなかった。

 「・・・あ!」

 いやがおうにもその正体がはっきりしていく。水着娘たちに取り囲まれて誘惑されているのは、あのお兄さんではない。

 裸の男にはあまり目を向けなかったせいか、その人物がすり替わっていても、しばらく気づかなかったのだ。

 水着女性の輪の中に立たされているのは、この家のお兄さんではなく、まぎれもなく僕なのだった。僕がテレビの映像に映っている!

 「しまっ・・・!」水晶が強いピンク色に輝いている。いつのまにか僕は、五人の水着の女性に取り囲まれているのである。焦点の合わぬいやらしい表情で妖しい笑みを浮かべながら、セパレーツの肢体をあらわに僕をぐるりと取り囲んでいた。彼女たちが色情霊であることはすぐにわかった。そして、テレビの映像は、過去の家族の記憶ではなく、今現在の僕の姿をただ映しているに過ぎなかったのである。

 もはやテレビには集中できない。あのお兄さんが毎晩受けている快楽と同じ状況に、今まさに僕自身が立たされてしまっているのである。完全に周囲を取り囲まれてしまっているため、部屋からの脱出は計れない。

 「うふふ・・・」「くすくす・・・」女の子たちのかわいらしいクスクス笑いが全方向からサザナミのように聞こえてくる、どこを向いても、水着の若い娘が僕をじっと見ていて、ある者はかわいらしく、ある者はいたずらっぽく、ある者は妖しく、ある者は上気した表情で、そしてある者は懇願するような涙目で、僕を誘っているのだった。

 まるで僕自身がテレビの中に入り込みあのお兄さんになって、追体験をしているみたいだった。

 だが、目の前の光景は、僕の身に迫り来る危険、甘い誘惑にさらされた現実そのものなのである。

 部屋の中はすでに甘い淫気で満たされており、女の肌や体つきや性的な部位についての感受性が極端に高まってしまっている。つまり、女性の体を見れば通常の何倍にも魅力的に思えるし、そのかわいらしい声や魅力にほだされやすくなっているのである。

 性欲も増強され、ちょっとした刺激で射精しやすくなっているばかりでなく、ずっとオナニーしていないのと同じ感覚となり、四六時中くすぐったい疼きに襲われる状態となるのだ。体液もパンパンに溜め込まれてしまっている。

 そこへ、生身の女性よりもはるかに魅力的で快楽に満ちあふれたセックスゴーストたちが、しかも集団で誘惑してきているのである。耐えきれるはずもなかった。

 きっとあのお兄さんも、同じ感覚でいたに違いない。僕はこれを追体験しているのである。

 ぎゅっと目を閉じても、視界は変わらない。目を閉じても開けても、部屋の中の様子が丸見えになっていて、幽霊たちの水着姿を目の当たりにし続けるほかはなかった。

 前屈みになって胸の谷間を強調する子、のけぞって下乳を際だたせる人、足を開いて美しい内股を見せつける娘、脇の下を思いっきり見せて挑発する美女。後ろを向いて水着をずらし、お尻を見せてくれる女性。どこを向いても、僕を勃起させようとする色情霊たちの甘い誘惑に満ちあふれていた。

 映像を見ているから知っている。彼女たちの誘惑に負けて勃起してしまえば、一斉に抱きつかれてしまう。淫気に満たされた中で、すべすべやわらかい水着娘たちの肢体にむぎゅっと囲まれれば、本当に理性を失い、お兄さんと同様、いくらでも精を放つべく幽霊娘を押し倒してしまうだろう。何としてもそれだけは避けなければ。

 立ってはいけないと自制心を働かせ、グッと力んでガマンしようとするが、女の子たちの乳房のふくらみや背中、脇の下、腕、手、生足、お尻、そして淫らで妖艶で甘くかわいらしい小悪魔的なさまざまの表情、これら全てが、僕の自生を遠慮なく突き破り、僕の心臓を高鳴らせる。

 その気になればいつだって、彼女たちと快楽をともにし続けることができるんだ。永遠に。

 「~~…」全身がくすぐったく疼く。体内の色欲の高まりが、女体の誘惑を盤石なものにしていく。じわじわとこみ上げる性欲の高鳴りを、もはやどうすることもできなかった。ペニスはすっかり反応し、ダメだダメだと思いながら、体は勝手に股間をふくらませていく方へと動いていってしまう。

 すっかり膨張した僕の股間を見据えると、水着娘たちは一斉に飛びかかってきた! 僕は逃げる隙さえ与えられずに、あっという間に女の子たちに抱きつかれてしまう。五人の娘に一気に抱きつかれたので、360度方向が女体の感触に埋め尽くされる。

 僕の頭部以外は水着娘の体に密着され、ぎゅうぎゅうと押しつけられこすりあげられてしまう。僕は女の子の頭の上に顎をのせた格好で、彼女たちの体のなめらかな感触を無理に味わわされるのだった。

 首から下全身が女の子の肌に包まれている。僕の両足は五人の娘のシコシコ生足に包まれ、スリスリとこすりあげられ続ける。そのもちもちした感触は、なめらかに僕の下半身を大きく滑り続け、ついでといわんばかりにペニスまでもやわ肌にさらしている。

 もっちり吸いつくような彼女たちのお腹が僕の腰と下腹部にはりつき、モニモニ蠢いては僕のお尻までもくすぐったい刺激に包み込んだ。大小さまざまな女の子たちの乳房部分はやわらかく僕に吸いついて、うごめき滑りながら僕のおなかや胸をかわいがっている。その激しい動きによって大きくひしゃげたおっぱいは、スポンジのように僕の体のあちこちを這い回り、彼女たちの上半身の動きよりもワンテンポ遅れてみずみずしい感触を背中や腕にも刻みつけていった。

 彼女たちの10本の腕や手は、僕の肩や脇の下や脇腹、お腹やお尻など、あちこちにすばやく動いて、手のひらや甲のスベスベで僕の全身をいたぶり続けた。股、彼女たちの腕は、僕をぎゅっと抱き締めて、女体の弾力をこれでもかと押しつけ吸いついて離さない役割まで担っている。

 むちゅっとした唇、スベスベのほっぺ、なめらかな首すじは、僕の肩や首を責める役割だった。首や延髄部分にくすぐったく吸いつきながら、さらに舌先で敏感な首筋にゾクゾク舐め転がし、同時に別の娘が僕の乳首をぬめぬめとくすぐってきている。僕の両手はとっくに誰かに掴まれ、足の間に挟み込まれたり、おっぱいにあてがわれたりしていた。

 「あ、あひ・・・」周囲をぐるりと包まれ、もみくちゃにされながら、僕は若娘たちの感触を押しつけられ、そのままでもイッてしまいそうな刺激を受け続けた。女の子たちの動きがあまりにも激しいので、セパレーツ水着の胸部分はとっくに剥がれ堕ち、おっぱいがダイレクトに僕の体を強くこすれていっている。一人、また一人と、自分からパンツ部分まで脱いでいって、性霊ならではのツルツルのオンナを露出させつつ、さらにそのくすぐったい部分を僕の足や腰に押しつけて、しきりにセックスにいざない続けるのだった。

 お兄さんもきっと、あっという間に耐えきれなくなって、目の前の娘を押し倒してしまったのであろう。そしてそれは、全員に射精するまで続けられるし、そればかりでなく、このグループ全員の体で満足した暁には、さらに別のグループが取り囲んできて、体を見せつけては誘惑、枯渇することのできないペニスを再び勃起させ興奮させてきては精を奪い続けるのである。

 色情霊たちの甘い吐息、それは彼女たちの霊気の一部であり、その霊気こそが、男を淫乱にさせる淫気の正体なのであるが、その吐息がダイレクトに僕たちの“固まり”を包み込み、空気中の毒素濃度をどんどん高めていく。僕は外側からやわ肌の暴虐にさらされながら、淫毒によって内側と精神との両方を責め苛まれているのである。彼女たちの、本番行為への誘いをはねのけ続けることなど、ハナからできることではなかったのだ。

 僕は無言で、目の前の女の子に抱きついた。「きゃん♪」期待のこもったかわいらしい叫びとともに、脇を締めた笑顔の女の子が、僕のなすがままになる。これで彼女たちにとって、“僕の方から”性欲処理に女の子を求めたという大義名分ができた。決して逆レイプではないという大義名分によって、僕の拒否感覚を根こそぎ奪ってしまい、もはや僕は、自分の暴走を止める手立てを完全に失ったのであった。

 畳の上にかわいい娘を寝かせ、その上に乗っかる。すでに彼女は全裸であった。完全に僕が彼女を押し倒した格好だ。

 体重をかけすぎないようにして別の娘が上に乗っかってくる。プニッとしたお腹が僕のお尻にはりついた。上下サンドイッチされた格好になり、僕はどこにも逃れられなくなった。

 そして、下の娘がしきりに足を体をゆり動かし、僕の方も積極的に腰を上下させつつ両足で彼女のなめらかな生足の感触を愉しみ、唇を重ねてはほおずりをし、吸いつくようにして離れないオッパイの感触を上半身に受け、ますます興奮を高めていくのであった。

 ペニスは女の子のお腹やおへそや足の付け根、オンナ表面と、あちこちを滑って行き、ムニムニやわらかいすべすべもち肌に包まれて悦んでいる。ほんのわずかでもタイミングが合えば、そのままするんと入ってしまいそうな勢いだった。

 上の娘も下の娘も、たくみに腰をくねらせ蠢かせて、タイミングを合わせようとしてくる。僕は、最後に残ったわずかな理性をフル稼働させて、よしこのまま女体の感触に刺激されて射精させられるとしても、せめて挿入を避けておきたいと考えていた。色情霊の女は、通常の女性とは比べものにならないほどヨい感触なのだ。

 それは、膣の力だけでなく、霊障の力でもある。僕の脳に直接作用し、オンナの快感を何倍にも高めるよう、神経を操作するのである。その肌の感触自体そうなっているものの、入れてしまえばさらに、その快楽の虜となり、ますます深みにはまってしまうことがわかっている。だからこそ、腰を上下させることは止められないが、なんとかたくみに位置をずらして、ペニスがオンナのワレメを押しのけることだけはしないようにと奮戦しているとことなのである。

 それに対して上下の若娘たちは、僕が右によければ右に、左によければ左にと、上手に腰をくねらせてきて、僕が腰を落とした先に膣が来るよう、たくみに挿入に持ち込もうとしている。二人がかりで挿入させようと操作してきているのに対し、明らかに僕の方は分が悪かった。ちょっとでも先端がオンナ表面にひっかかってしまいさえすれば、上の性霊はその瞬間一気に腰を強く落としてくるだろう。

 はたして、彼女の腰が僕のお尻に強く押しつけられたかと思うと、グッと下に落としてくるのだった。ああ、しまった、そう思った瞬間には、あまりにもスムーズにペニスが下の娘の中にねじ込まれてしまっているのだった。

 「あふああ!」その瞬間、脳がとろけるような強烈なくすぐったさが全身を包み込んだ。下の娘の膣がペニスを完全に根本から包み込み、うごめき、締め上げ、敏感なところ全てを小刻みに震えながら刺激しつつ、一気に左右に大きくくねる腰使いによってもみくちゃにされ、さらに上の娘の吸いつく肌に誘導されて、上下に出し入れさせられ始めたのだ。

 左右にも女の子が待機し、僕の腰をがっしり掴むと、いきなりハードなスピードでムリヤリゆり動かしてペニスをオンナでしごかせてくるのだった。僕は力を入れようが入れまいがお構いなしに、勝手に上下左右していく自分の腰をどうすることもできなかった。

 下の娘と上の娘に挟まれ、両側からは僕の腰を操作する二人がいて。残るひとりは僕の背後に回り、両手で玉袋や会陰、アナルをくすぐり、撫でさすり、やわらかい手でこすりあげていく。

 一斉に五人がかりで責められ、僕は下の娘の名器にペニスを包まれたまま、全身も上下包み込まれて、強烈な快楽に何も考えられなくなっていった。わずかに残っていた理性さえも削り取られ続け、力を入れて自分の腰を止めようとしていたけれども両側の二人の娘と上の娘のリズミカルな動きを止めることができず、結局なすがままにされるしかなかった。

 そのうち最後の理性もなくなり、力を入れて快楽を減らそうとする試みさえ失敗に終わり、だらんと脱力して、女の子たちに完全に身を任せてしまったのだった。

 そのとたんに、快感は倍増し、僕は下の娘に体重を預けて射精の準備に入った。僕の体重をずっしり感じた女の子は、仕上げとばかりにきゅっ旧都女をリズミカルに強く締め上げる。その動きをさっとした周囲の娘たちも、これでもかというスピードで僕の腰を動かし、僕のお尻の穴に白魚のような細い指をねじ込んだ女の子の腕の動きにも力が入る。

 「ぅ~~~ッ!!!」軽くうめいた僕の全身が打ち震えた。

 精液はとてつもないスピードでの律動とともにほとばしり、彼女の膣内をゴボゴボと満たしていった。脈打ちの速度が通常よりもはるかに速く、それだけイク時の快感は数倍にも達した。しかもなかなか射精が止まらず、1分以上は精液を放出し続けるのだった。

 下の娘が満足した顔で僕をぎゅっと抱き締めると、するりと横に離れていった。

 だが次の瞬間、すかさず左側にいた娘が僕の下に滑り込んできて、足を開いてペニスを飲み込もうとしてくる。これだけ放出したのに、ペニスは決して萎えることがないのだった。

 もふもふと下の女の子がうごめき、腰を突き出してはペニスを飲み込もうとしてくる。そのなまめかしい腰のくねりでペニスがこすれ、女の下腹部で圧迫されやわ肌でこすりあげられるだけで、とろけそうになってしまう。

 また挿入すれば我を忘れてしまうのはわかりきっていた。なんとか脱出しようと腰を持ち上げるも、すかさず上の娘がずんと体重を強めてきて、僕の腰は再び美少女二人の腰に強く挟み込まれてしまうのである。

 挿入に持ち込まれるのは時間の問題だった。

 あっさりとペニスがオンナに飲み込まれてしまう。それからはさっきと同じように、五人がかりで責め苛まれ、名器に包まれたままあっという間に発射させられるのである。

 なんとかしてこの天国から抜け出さないと。僕は次の美少女が下に潜り込んでくる前に上体を起こし、女のるつぼからの脱出を試みた。

 だが、膝を立てて畳の上に起き上がった状態で、僕の体はまたもや固定されてしまったのである。

 両側から美少女二人に挟み込まれ、ぎゅっと圧迫される。背中に貼りついていた娘は、僕が起き上がると同時にくるりと背を向け、四つん這いになって僕のお尻に自分のヒップをむにゅっと押しつけてきた。これだけで僕は身動きが取れなくなる。左右にも後ろにも逃れられないし、前方には、これまた四つん這いになって迫ってくるオンナが照準を定めてじりじり距離を詰めていたのだから。

 左右の娘がペニスを掴み、狙いを定めると、前方の美少女は一気に腰を突き出し、ずぬぬっとペニスを飲み込んでいった。彼女たちはどうあっても、僕を解放するつもりがないらしい。

 体勢体位は変わったが、全身くまなく襲ってくる女体の快楽は一向に変わらなかった。吸いつくようなやわ肌に取り囲まれ密着され、色情霊ならではの極上の性器に包み込まれる。その腰使いも絶妙で、激しく前後してしごきながらも左右上下回転でなまめかしく腰が動き、激しく揉みしだきながら内部でも蠕動している。その締まりは幽霊とは思えない熱を持って、ペニスのすべての性感神経をくまなくかわいがってくれるのだ。

 バックの体勢で一方的に挿入させられ、左右と後ろを固定されて動けない僕に、激しく大きく動く女の子のお尻とオンナが僕の下腹部を一方的にかき回し続けている。

 5人目の娘は、バックで挿入しているこの下に潜り込んで、首を伸ばして僕の玉袋をくすぐったく舐め続けていた。男が感じるところは一カ所たりとも逃しはしない。両側の娘も僕の上半身や乳首を執拗に指先でかわいがっている。

 僕はできるだけ快感をこらえようと下腹部に力を入れ、射精するまいと踏ん張り続けた。出せば出すほど幽霊たちの虜になり、なるほど目覚めた時には夢精をしても回復手段はあるけれども、精神的な弱体化だけは自分でなんとかするしかない。心が女体へと堕落してしまったら一巻の終わりなのであり、悪魔どもがもくろんでいるのはまさにその点なのだ。

 だが、そんな僕の抵抗もあっさりと打ち破られてしまう。後ろから僕のお尻に自分の臀部をやわらかく押しつけていた女の子が、えいえいと腰を元気に振り始めたのである。

 これにより、やわらかい女の子のヒップがポヨポヨと僕のお尻で波打ちながら、同時にぐいぐいと僕の腰を突き立て、つき動かし、自在に操作するのである。

 お尻とお尻がくっつき合うオシリアイの体勢のまま、僕の腰は勝手に突き上げさせられ、それが前方のバック挿入娘の名器を執拗にかき回すことに繋がっていた。それは膣の快感攻撃力を数倍にもはね上がらせることになる。

 女の子のお尻の柔らかさを前後に感じさせられながら、ガマンしきれない刺激がペニス全体に襲いかかる。下にいた娘も玉袋をまるごとふにっとした口の中に含み込み、もごもごしながら舌であちこちを執拗に舐め続けている。

 両側の子も首筋に吸いついて両手で僕のおなかや背中、乳首を撫でさすり続け、優しい愛撫とくすぐりで脱力を促していく。

 「ふああ…」つい力が抜けたところで、強烈な快感が全身を駆けめぐった。ガマンしていて感じないように踏ん張っていたのが解け、一気に彼女たちの責めをダイレクトに身に受けたからだった。

 「あぐっ!」勢いよく精液がほとばしる。幽霊の子宮めがけて、男の満足の種がたっぷりと注がれていった。やはり、通常の射精よりもはるかに気持ちいい猛スピードの律動が訪れ、そしてそれが1分ほど続くのだった。その間中、強烈な快楽が全身と脳を犯し続ける。精神までがとろけてしまいそうだった。

 このままでは文字どおり一晩中抜かれ続けてしまう。なんとかして脱出しないと。

 危機感でいっぱいになった僕は、まだ挿入していない女の子が僕に抱きついてくる前の一瞬のタイミングを見計らって、すばやく身を引き剥がし、ごろんと転がって女の子たちの輪の中から脱出することに成功した。

 とっさに起き上がって、僕は何も考えずに部屋の外に飛び出した。

 あのまま中にいたら、残り二人にも精を放っていたばかりでは済まないはずだ。あの映像が物語っていたように、このグループから解放されても、すかさず別の女性集団が現れ、水着姿で悩殺してくる。大人の女性のグループもあれば子供セパレーツの集団もあって、取り囲まれた男は飽きることなくペニスを怒張させてしまい、そのまま天国の宴に興じさせられることになるのだ。文字どおり一晩中。

 とっさの機転で、なんとかその天国からの脱出を果たした。その勢いで転がり込んだ先は、兄の部屋の向かいにある弟の部屋であった。

 そこは洋室だった。あいかわらず殺風景で、ベッドひとつ置いてあるばかりである。部屋の隅にテレビがあるが、これは間違いなく色情霊どもの用意したエッチな映像を流すためのものであろう。

 とっさに戦慄が走る。まずい。これはさっきと同じパターンだ。僕はきびすを返し、考えるのをやめて外に飛び出そうとした。

 がちゃがちゃ。「…くっ!」

 しまった…ドアに鍵がかかってしまった。本来なら鍵は内側からかけるものであり、閉じ込められはしない。だが、幽霊屋敷と化したこの廃墟では、霊どもの好きなように、外側からも内側からもかけることができるのだった。つまり、侵入者が中に入れないようにすることも(さっきの空き部屋のように)、侵入者を閉じ込めることもできるというわけだ。

 まずいことになった。これでは部屋から脱出することはできない。

 このあとの展開は読めている。テレビにエッチな映像が映し出され、それと同じ目に僕自身が遭遇してしまうのだ。

 さっきは扉の鍵が開いていたから、一瞬の隙を突いてお兄さんの部屋から脱出することができた。しかし今度は、完全に閉じ込められているわけで、そうした脱出は不可能となっている。

 そこがまずいのだ。このままでは僕は、閉じ込められた状態のまま、さっきのような女の子幽霊たちに囲まれ、彼女たちの虜となって止めどなく射精させられてしまうことになる。脱出ができない以上、彼女たち自身をどうにかしなければ、それこそ文字どおり一晩中、幽霊たちに抜かれまくってしまうだろう。

 そうこうしているうちに、勝手にテレビの電源が入る。あいかわらずコードが繋がっていないし、そもそもこの家にはもはや電気が通っていないにもかかわらずだ。

 映像に映し出されているのは、14歳くらいの、まだまだ華奢な男の子の裸体と、彼を取り巻くいやらしい女幽霊たちとの宴であった。

 彼女たちは弟を取り囲み、体をすり寄せ押しつけては勃起を促し、立たせたとたんに手や舌や生足でペニスを刺激しては射精させていくのである。

 思春期真っ盛りで、簡単に勃起してしまう男の子に対して、この仕打ちはあまりにも酷であった。ただでさえ立ちやすくたまりやすく、感じやすくイキやすい、未熟な男子に対して、これでもかと女体が押し寄せては容赦なく射精させているのがわかる。

 弟は顔を紅潮させ、誘惑にあっさり屈すると、その手や足に、全身に、ヌルヌルの精液を振りかけていく。

 「…。」だが、さっきのお兄さんの時とは、明らかに違う点がいくつかあった。

 まず、女の子幽霊たちが全員下着姿であるということ。中にはブラを外してAカップのふくらみかけ乳房を露出する娘もいたが、だいたいは白のブラに白いパンティを身につけている。彼女たちはあの手この手で身をすり寄せ、いたいけな弟を誘惑しては射精までいたらしむのである。

 さっきから映像を見ているが、一度も本番挿入がない。これもさっきとは決定的に違うところだ。手でしごいたりフェラチオしたり、生足に挟んだりという、男子受け身の体勢での射精があれば、暴走した弟の体の動きにより、ペニスを女体に押しつけこすりつけながら“自分から”射精してしまうこともある。

 そして何より、弟の暴走率が異様なまでに高いことが特殊である。いくら幽霊にほだされ感じやすい14歳だからといって、彼の興奮はちょっと異常である。たしかに、色情霊どもの魅力はあまりにも甘美で、どんなにセックス慣れをした男でも、この甘い淫気と女体の群れ、そして名器を超えた生々しい性器の餌食となれば、誰だって暴走してしまうのだが、それとはちょっと違う、さらに決定的な要因によって、弟は暴走しているようなのである。

 おそらくそのことが、本番挿入なしに延々と精を吐き出し続ける秘密ともなっているのだろう。

 …やがてすぐに、その秘密は明らかとなっていくはずだ。なぜなら、今テレビに映し出されているのは、その弟ではなく、まぎれもなく僕自身なのだから。次は僕の番というワケか。

 なんとかして、脱出の方法を考えないと。

 映像の僕は、キレイなベッドに腰掛けている。いつのまにか、リアルな僕の方も、弟の寝ていたであろうベッドに腰掛けてしまっていた。スタート地点から、完全に映像と同じ体勢になってしまうのである。

 「!」僕の体がひとまわり以上小さくなっている!?

 細い足、毛の生えていない脛とペニス。幼い顔立ち。テレビに映り込む自分の影を鏡のように映しているため、その風貌はすぐに見て取ることができた。

 僕自身が若返っている!

 間違いない、これは13から14くらいの僕の姿だ。つまり僕は、弟と同じくらいの年に戻ってしまっているのである。

 性欲も、敏感さも、性に目覚めたばかりの頃そのままに、股間の奥がくすぐったく疼いている。どこまでも弟と同じように、未熟な体をもてあそばれてしまうというわけか。

 何もかもが映像と同じだった。だが、多少の違いがあった。そしてその違いこそが、僕を甘い官能の罠に、いやがおうにも引きずり込んでくるのだった。

 僕の目の前に、下着姿の美少女幽霊が二体、あらわれた。「ああああ!!」弟が異様なまでに興奮していた理由を、僕は即座に理解した。

 「蔵本さん! 青木さん!」その二人は、僕の知っている人たちだった。

 蔵本豊美、青木霞。二人とも、中学時代の同級生なのだ。同じクラスだった。もっとも、あまり仲が良かったわけでもないし、そんなにこっちも積極的でもなく、結局お互いに存在は知っているがただのクラスメイトでめったに話すこともない、そんな間柄であった。

 もちろん、彼女たちとの接点などほとんどないし、僕が彼女たちを好きだったとか、彼女たちが僕を好きだったとか、そういう浮ついた話もいっさいなかった。ただ、肌のきめが細かく体つきも大人になり始めたばかりで、ちょっと、ほんのちょっとだぞ、夜のオカズに使ったことがあったくらいで、まさか彼女たちが下着姿で登場するなど、まったく夢にも思っていなかったのである。

 まさか、彼女たちが死んで幽霊になってしまったというのか!?

 だが、それにしては雰囲気があまりにも違いすぎた。どうやら、幽霊どもが僕の記憶の中に入り込み、忘れてしまってさえいる思い出の女の子たちの外見をコピーして、目の前に具現化させただけのようだ。つまり彼女たちは、僕の元クラスメートに“変身”しているのだ。それには膨大な霊力を必要とするはずだが、複数の霊たちが協力し合って、霊力を提供しているみたいだった。

 見た目、肌の質感、胸の大きさから細かい仕草まで、クラスメートたちそっくりに作ってある。

 弟は、きっと自分の知っている同級生たちや知り合いの女の子たち、年上も年下もお構いなしに、日頃密かに魅力を感じている全ての女性が、入れ替わり立ち替わり目の前に現れて誘惑していたのである。

 これでは、通常でさえ激しく欲情してしまう上に、知っている娘が相手となれば、それこそあっさりと暴走してしまうのも道理なのであった。

 知っている魅力的な女たちがエッチに迫ってくる。普段はほとんど接点もなく、たとえ好きになったとしてもまず相手にしてもらえないような、そんなかわいい子たちが、今やこぞって自分一人めがけてエッチを求めてくるのである。これで暴走しない方がおかしいというべきものである。

 僕の体が中学生に戻ったのと同様に、蔵本も青木も、当時の肉体そのままが再現されていた。僕の記憶から彼女たちの肌の質感やスタイルを割り出し、下着姿で肌を露出しては僕に迫ってきているのである。ここでは、ただ幽霊が甘い誘惑を仕掛けてくるという以上に、思い出の女の子たちと擬似的な恋愛さえ愉しむことができる。

 それが男の理性を徹底的に崩し、あっという間にセックスの虜にしてしまう秘訣なのであった。

 ベッドに腰掛けている僕の左側に蔵本が、右側に青木が腰掛けた。そして二人同時に、ぐいぐい両側から僕の体にすり寄って、生足やお腹や腕や肩やほっぺをしきりにむぎゅっと押しつけなめらかにこすれていく。

 ああ、あのなつかしい、かわいらしい、魅力的で、当時密かにドキドキしていた、クラスメートの二人が、半裸状態で、僕と体を密着させている! しかも僕は精に不慣れな14歳に戻っている。

 暴走しないはずがなかった。

 そこへもう一人の少女が現れた。彼女もまた中学時代のクラスメート、沢井春子だった。春子ちゃんもまた、成長仕掛けの肉体にスポーツブラ、水色のパンティという下着姿の出で立ちであった。

 僕の両腕は両側の娘に手首からがっしり掴まれ、彼女たちのふとももの間に挟み込まれている。きゅっと手を締めつけながら、やわらかいシコシコ弾力を僕の両手に刻みつけると同時に、その強烈な武器たる生足が、両側から僕の足に密着してスリスリしてくれていた。

 そこへ春子ちゃんが近づいて、きつく閉じて悶絶している僕の両足をなめらかに撫でさすってくれた。僕の目の前で跪く美少女は、まだセックスを知らない少年のツルツルの足をかわいがりながら、上目遣いに妖しい笑みを浮かべてじっと見つめてくる。

 すでにペニスははちきれんばかりに膨張していた。にもかかわらず、未発達の小さな突起は、肌色の皮を被ったままぴょこんと幼い自己主張をするばかりであり、それが女の子たちにとってたいそうかわいらしいものに映っているのだった。

 「くすくす…」少女たちはかわいらしい笑いをともなって僕の股間に視線を集中させる。いよいよ快楽の宴が始まるのだ。僕は生唾を飲み込んだ。

 ・・・あれ・・・? 何かが、おかしい。どこかに違和感を感じた。

 大事なことを忘れている気がする。いや…ついさっきまで覚えていたことが、どんどん記憶から抜け落ちていっている感覚だ。

 あらためて、女体の感触が新鮮に感じられたことで、僕は自分の記憶に何が起こっているのかを理解した。

 これまで幾度となく射精させられてきた。女の肌、手、足、口、胸、お尻、そして名器。どの部位からでも搾り取られ続けてきた。そのことを言葉として覚えているのだが、実際の感覚をまるで覚えていないのである。夢でも現実でも女体にまみれ、あれほど肉体を味わっているのに、今やその感触について、まったく思い出せないでいる。

 映像として、戦った記憶や経験は蘇るが、肌や股間への刺激がどんなものだったか、まったく覚えていないのだ。

 つまり、目の前で僕を取り囲む美少女たちの肌の感触は、まったく初めての新鮮な感覚そのものだったのである。

 まさか・・・これも霊障のひとつということなのだろうか。それは間違いないが、14歳の肉体に戻った僕は、体が覚えていたはずのセックスの快楽をも忘れてしまい、そのために「初めて女の足に触れた」「初めて女体の柔らかさを押しつけられた」そういう感覚に陥っているのである。

 弱体化した上に、セックスの記憶まで奪われ、どんなに交わっても「初めて」の感触という事態に陥っているのである。完全に不慣れな少年の体に美少女たちが容赦なく群がってくるというわけだ。

 これで、映像の弟が本番挿入なしに、次から次へと美少女たちの体で射精していた理由もわかった。

 そんなことをせずとも、すぐに射精してしまうのである。

 何度イッても、そのつど肉体と記憶がリセットされ、初めてその体を見たのと同じ状態、初めて触られたのと同じ状態が再現されてしまう。永遠の童貞だ。簡単な刺激だけで、イキやすい思春期の少年の体はあまりにも過敏に反応し、ちょっと触られたりくすぐられたりというだけで感極まってしまうのである。

 僕もまた、同じ苦境に立たされているのである。

 正面に跪いている春子が、クスクス笑いながらペニスに手を伸ばす。

 きゅ。

 「あう!」

 あまりにやわらかい女の子の手のひらが、すべすべむっちりの感触が、ペニス全体を優しく包み込んでくれた。

 両足を女の子の足に密着され、両手をふとももの間にねじ込まれ、美少女たちの脇腹の感触や甘い髪の香りに包まれながら、3人目の娘にペニスを直に握られてしまった。

 ゾクゾクした快感とともに、股間の奥が一気にくすぐったさを増し、それが心臓の高鳴りとともに律動となって、全身を駆けめぐっていく。

 何もかも初めて。手を握られただけでドキドキが止まらなくなり、ふわふわ天国の感覚に陥る未熟な少年が、手どころかペニスを直接掴まれてしまっているのである。

 「ぅぐぐ…」僕は身をよじった。女の子たちに挟まれているので、脱出はおろか、あまり身動きが取れない。身をよじれば帰って、美少女たちの肉体に不覚からだが食い込み、あらためてその弾力を刻みつけられるばかりであった。

 こみ上げる! ぴゅるっ!

 きゅっと優しく握りしめられただけで、女手の感触に耐えきれなくなり、僕は荒い息とともに濃厚な精液を春子の手の中で爆発させてしまった。射精時の律動スピードもいつもの2倍以上で快楽も倍増。しかもそれが1分以上続くのだった。

 すると春子は、にちゃにちゃした手で、クチュクチュと包茎ペニスを優しくしごき始めた。

 「はうああ! だめえ!」強烈な快感が全身を突き抜ける。射精したばかりなのにすでに精子が玉袋に溜め込まれ、しかも女手の感触をまたもや忘却し、初めて女の子のやわらかい手に直に触れられている新鮮さと、その手に激しくしごかれている強烈な快楽と、おまけに未だした自分の精液のヌルヌル感触によって、またもや僕は感極まってしまうのだった。

 立て続けに精液がほとばしる。僕はあっという間に、春子ちゃんに2回も抜かれてしまったのである。

 やっと手を離してくれた春子は、いたずらっぽい微笑みを僕に向けると、すっと立ち上がった。見慣れたはずの下着姿の娘が、やはり初めて目にするみたいに新鮮で魅力的だ。

 ああ、女の子の体って、こんなにきれいなんだ・・・

 14歳の敏感な体に、何度交わっても一時的に消されてしまう経験と記憶。この状態なら、春子だけで永遠に精液を放出することが可能だった。それが、豊美、霞までいて、しかも彼女たちが十分満足するまで僕を蹂躙したあとは、別の娘たちグループが出現することがわかっている。挿入に持ち込まずとも、それこそ一晩中精液を搾り取られることはわかりきっていることだった。

 両側の娘がクスクス笑いながら、ぐいぐい体を押しつけすり寄ってくる。その新鮮な感触に僕は再び高められ、包茎ペニスを膨張させた。すると豊美がペニスに手を伸ばし、軽くつまむようにして先端だけを皮ごと指先でコショコショと小刻みにこすり始めた。

 吸いつくような女の子の人差し指・中指の先っぽが、ペニスの皮つぼみと周辺、つまり亀頭部分を、コスコスとすばやく小刻みにこすり続け、ペニスの敏感な先っぽばかりを執拗に刺激してくれた。

 ついさっきまで握りしめられていた春子の手の感触さえも忘れ、初めて女の子の手に触れられているのと同じ感覚で、僕は感極まってしまう。女の子の両側の生足の感触を十分に味わいながら、ペニス先っぽへの執拗な刺激によって、またもや高められてしまう。

 やはり1分以上、絶頂時の快楽が持続するのだった。

 今度は霞ちゃんの番だった。彼女も手のひらでペニスを軽く握りしめると、しつこくなまの手でペニスをしごき上げる。それだけの刺激なのに、「初めて女の子に触られた」僕はあっという間に感極まってしまう。

 「あああ青木…さんっ!」僕は彼女の手の動きについて行けず、体液を搾り取られてしまう。またもや強烈な律動のまま1分以上の快楽を味わわされてしまう。

 イッている時間の方が、その前の刺激の時間よりも明らかに長くなっている。女の子たちに包まれ、豊美と霞と交代で手コキされてはあっという間に高められ、どんどん精を放出する。すでに数発は、美少女たちの手で絞り上げられていた。

 10~20秒刺激されればそれだけでイッてしまうふがいない状態だ。そして射精時は1分以上快楽が持続する。すでに30分以上経過し、その間中、春子、豊美、霞の女手に刺激され、20回近く射精させられ続けていた。

 単純な手コキから先端ばかりをいじめる方法、皮を押しのけて指先でクチュクチュする刺激、強くゆっくりしごき上げたり、締めつけるように握りしめられたり、軽い力ですばやくしごき上げられたりで、さまざまな刺激を刻みつけられ、そのつど新鮮な「初めて」の感覚に襲われ、ペニスは情けなくも精液を吹き上げ続けるのであった。

 体液は、いくら出してもすぐに再生され、いくらでも連続してイクことができた。疲れも痛みもない。あるのは、現実以上の脈打ちと、信じられないほど長引く射精の快楽ばかりである。

 このまま絞られ続ければ、たしかに精神は弱体化し、快楽の虜となって、廃人同様の状態から抜け出せなくなる恐れがある。魔族が求めているのがそれである以上、このまま快楽に浸り続けるわけにはいかない。

 わかってはいるが、脱出もできないし、この快感を自分でどうすることもできないのだった。

 女の子たちはクスクスと笑いながら、満足したという風な笑みを僕に向けると、そのまますうっと消えていってしまった。

 脱出するなら今しかない。もたもたしていれば、矢継ぎ早に次のグループが現れてしまう。

 僕はよろよろと立ち上がり、扉の方に駆け寄ると、弟の部屋からの脱出を試みた。

 「う…くっそ!」やはりドアには鍵をかけられたままである。まさか、初めての感触が続く少年の姿と経験と心のままで、女体の誘惑をはねのけなければ、この部屋からは出られないというのだろうか。

 そんなのムリに決まっている。ああ、せめて佐伯仙術が使えれば、触られてもその感触を味わわずに済むというのに。どんなに呼吸しても、霊どもの憑依によって、完全に神通力は食い止められてしまっている。

 いや。それこそが反省すべきことなのかも知れないな。

 僕はあまりにも、フザケンジャースーツや佐伯仙術といった、神通力に頼りすぎていた。もちろん、敵が悪魔である以上は、神通力は絶対に必要ではある。だが、それがあるから安心だといって、セックスの技術や耐久、精神的な強さという「実力」の方をおろそかにしてしまっていた気がする。

 もっとも、神通力といってもまだまだで、そちらのさらなる修行も続けなければならないが、同時に、体術の方の修行も怠ってはいけないのだ。

 今の未熟な肉体、何度交わっても初めてと同じになる状態は、やはり僕の本質をあらわしていると言わざるをえない。反省しきりである。

 だが、今は反省ばかりしている時ではない。次のグループが現れる前に、なんとかしてこの部屋を脱出しないと。実力で彼女たちの誘惑と快楽に抗う術がない以上、ここからの脱出を第一に考えなければならない。

 だが扉は固く閉ざされており、反対側の窓も固く閉ざされていて、完全に密室になってしまっている。脱出は困難だった。

 「ああ!」時間切れだった。春子たちのグループとは別の、三人の美少女が僕の目の前に現れ、ぎゅっと抱きついてきたのである。

 彼女たちもまた、中学時代の同級生だった。接点はほとんどなく、見たことがある、知っている程度のつながりでしかなかったが、たしかに彼女たちは隣のクラスの若娘たちであった。鈴木リサ、亀井ヒロ、中村ナオの三人で間違いなかった。

 三人ともパンティにブラジャーという格好で、肌もあらわに僕にしがみついている。生足がこすれ、なめらかな腕でぎゅっと抱き締められると、初めて味わうみずみずしい女の子の肌の感触にほだされ、僕はまたもやペニスを興奮させてしまうのだった。

 三人は僕の前に跪いた。そして、ペニスに口を近づけると、ちゅっちゅっと唇で先端にキスをしてくる。

 「ああ…くすぐったい…」僕は彼女たちの口の心地よさに酔いしれ、思わず腰を突き出してしまう。皮を被った情けない肌色のペニスが、ますます彼女たちの顔へと差し出されるのだった。

 「くすくす・・・」三人の娘は唇の刺激から舌の刺激に切り換えてくる。リサの右手がペニスの根本を掴み、位置を固定すると、3人は一斉に攻撃を開始した。

 赤くなめらかな舌が、ペニス先端ばかりを集中攻撃する。

 カリの敏感なところに強く舌を押しつけつつ、ぐりゅぐりゅと舐め続けるリサ。皮かむりの入り口をこじ開けるようにくすぐったい舌先がすばやく舐め回し、にやりと口元で笑うヒロ。二人の舌が貼りついていない場所全てを独占してなめらかなやわらかい舌を転がしてくるナオ。

 「お、おふ・・・!」先端ばかりに集中するくすぐったい快感は、僕を一瞬にして天国へといざなう。強烈な快感につい腰を引いて、首を上げて悩ましい表情をしてしまうのだが、娘たちはお構いなしに顔をねじ込んできて、三者三様、ペニス先端ばかりを舐めしゃぶり続けた。

 お尻がドアに当たってしまい、これ以上下がれないところに来ても、引いた腰にもかかわらず女の子たちの舌は容赦なく先っぽばかりをかわいがり続けた。

 じわじわと体の奥がくすぐったくなったかと思うと、急に脈打って白濁液が3人の顔に振りかけられてしまった。

 やはり射精は1分以上続く。しかも現実の脈打ちよりもずっとくすぐったく心地いい快楽に包まれたままの至福の長時間だった。

 出している間も、出し終わってからも、娘たちの舌は先端を丹念に舐め回し続けた。

 3人が協力して分担し、絶妙なタイミングで先端のあちこちを丁寧に舐め続ける。できるだけ腰を引いてペニスを隠そうとするも、わずかに露出したところだけでも付け狙って下を伸ばしてくる女の子たちの快感攻撃を、いささかも軽減すること能わなかった。娘たちの息づかいが股間や玉袋に熱くかかり、僕は再び高められてしまう。

 ごぼごぼ! またもや至福の射精が訪れた。すばやく動く娘たちの舌は、放出される体液を残らず舐め取り、こくんこくんと喉の奥へ飲み込んでいってしまう。

 ついに、だらしなく伸びた皮が包皮をとどめておくことに失敗し、敏感な亀頭がむき出しになってしまう。そこへ徹底的な女舌が容赦なく這い回った。

 「ひゃああ!」痛みが体内では強烈なくすぐったさに変換される。敏感すぎる亀頭先端を優しく這い回ってくれる娘たちの舌先が、ますます赤く染め上げられ、魔性の快楽装置となってペニスの先っぽをむさぼった。ツルツルの女の子の手が数本、僕の脇腹やお尻や玉袋を愛撫すると、とろけそうな心地よさに包まれ、僕は脱力したまま連続して射精に追い込まれてしまう。

 数回は、先っぽだけの刺激で娘たちに精を提供してしまっていただろう。大量の精を飲み込んで満足したリサたちは、クスクス笑いながら消えていくのだった。

 ほんのわずかの時間だけ、次のグループと交代するまでの瞬間的な時間の猶予がある。この短い時間の間に、なんとか脱出する手立てを考えなければならない。

 若返り、弱体化され、淫気にも毒されたこの体では、射精をガマンすることも、もちろん勃起をガマンすることもきわめて困難であり、従って、次の幽霊グループとの遭遇が即座に数十発の射精を意味するようになってしまっているのだ。

 「!」ドアに鍵がかかっている、ということは、もしかしたら、この部屋のどこかに鍵があって、それで開けてでるのではないか。単純ではあるが、トラップである以上はそういう脱出が一番オーソドックスでもある。

 鍵の場所はわかりきっていた。

 あのベッドの、しかもふとんの中に置かれているに違いない。わざわざ自分から、色情霊たちがわんさかと登場する部屋のベッドに寝るのは自殺行為。だからこそ、格好の隠し場所になっているはずである。

 僕はベッドの布団をめくってみた。「やっぱり!」部屋の鍵が中に置いてある。僕はそれを手に取り、ドアの方を向いて走り出そうとした。

 「!!!」そこで時間切れとなった。

 僕は突然現れた白い幽霊に抱きつかれ、その飛びつくような勢いによって、ベッドにあお向けに倒されてしまったのである。

 「んふふ…」その声には聞き覚えがあった。見てみると、見覚えのありすぎるお姉ちゃんが僕にしがみついていた。

 以前にも夢に出てきたことのある、朝野静佳に間違いなかった。

 ただ、以前の夢は、「17歳の神谷達郎」の時のお姉ちゃんであり、19歳の朝野静佳であった。だが、今僕に抱きついている静佳姉ちゃんは、14歳の僕に対するお姉ちゃんなので、16歳の朝野静佳なのであった。

 幽霊のパワーによって、僕の記憶から美少女を引き出し、その姿と正確をそっくりコピーして襲いかかるトラップ。静佳ちゃんが登場することは当然の摂理であった。

 「ほら、達郎君・・・お姉ちゃんの体、やわらかいでしょ?」むにゅっと上から圧迫してくる。僕の首に手を回し、体重をかけすぎないよう、それでいて逃げられないくらいには上から圧迫して、ぎゅっとしがみついてきている。

 発展途上のおっぱいが僕の首筋でつぶれ、彼女のお腹がぴったりと僕の胸に貼りついている。彼女の両足が僕の腰の上辺りを蟹挟みしてがっしりと抱え込み、いわゆるマウントポジションの体勢で乗っかってきているのである。そこへお姉ちゃんの唇や舌先や甘いささやきが、裏、首すじをくすぐり続けていた。

 「見てごらん、上を。」「!」

 ベッドにあお向けに倒された僕の周囲に、大勢の色情霊たちがたむろしていた。もはや3人一組ではなく、部屋中に女の子が充満してしまっている。

 しかもみんな、僕の知っている若い娘たちばかりであった。かわいいクラスメイト、他のクラスの女の子、若い教育実習生、近所のお姉ちゃん、幼なじみ、年下の友達、さらには当時テレビやポスターでおなじみのアイドルや女子アナなども混じっている。

 大人も子供も、みんなが全裸であった。もはや下着娘ですらないことが、彼女たちが僕にトドメを刺しにきたことを如実に物語っていた。このまま僕の精神が完全に快楽に傾き、何もかもを忘れて肉欲にふけるようになるまで、この部屋で精を抜き取り続けるつもりなんだ。

 「あああ…」静佳ちゃんのみずみずしい全身が僕の上半身に貼りついているだけで、僕はガマンができなくなってしまう。そのくらいにまで弱体化しているのだ。ペニスがあっという間にジンジンと疼き、海綿体に血液が充満していく。

 お姉ちゃんの上から抱き締められ裸で密着していて、中学生の僕ははちきれんばかりにペニスを膨張させてしまったのである。

 くぽ。

 「!」

 突然ペニスが熱いものに包まれた! 次いで火のような快楽が股間から全身に広がっていった。

 静佳おねえちゃんは、わざとペニスに体が当たらないように、脚を広げて僕にしがみついていた。だから、股間から下は完全に無防備なまま、誰にも触れられることなく空気中にさらされていたのだった。ただ、熱い視線ばかりが、僕のペニスに集中しているばかりなのであった。

 そうして、上半身だけにしがみついて、ぎゅっと抱き締めては16歳のピチピチの肌と弾力を押しつけ刻みつけ、僕の手を誘導しては女体のツルツルの背中を撫でさすらせ、だめ押しといわんばかりに首筋や耳に甘い口の攻撃をくり出すだけにしていたのだ。

 だが、それでも十二分に、僕を勃起させる魅力が静佳にはあった。

 そして、僕が勃起した暁には、周囲で僕を見つめていた若娘たちが、しかもみんな僕の知っている美少女たちが、僕を射精まで追いつめる算段となっていた。

 勃起が完了したら、近くにいた誰かがペニスを掴み、責め、あっという間に射精に導く。このあとの展開もわかっていた。静佳は決してどかない。僕の体は決して女体に慣れない。従って射精させられたあと少し経てば、また元気を取り戻す。すると別の娘がペニスをもてあそんで射精にいたらしむ。敵がどうするかわかりきっているのに、それをどうすることもできない自分が悔しかった。

 おねえちゃんに上半身しがみつかれているので、誰が、どんな手段で、ペニスを責めているのかは見て取ることができない。

 だが、ペニス全体を包み込む熱い感触となめらかな口腔、やわらかい唇、内部で暴れる女舌の絶妙な感覚だけで、誰かがフェラチオしていることだけはすぐにわかった。

 僕は見ることができない状態で、刺激だけでなにをされているのかを想像し、そのまま快楽に果ててしまうしかないのだった。

 くちゅっ・・・ちゅくっ・・・

 股間と耳元で、女の口から出るいやらしい水音が響いている。唾液とカウパーの混じったヌルヌルした口腔がペニスを吸い上げながら、優しくゆっくりと棒を唇でしごき上げているのである。

 「女の人に触られたことさえもない」状態で、いきなりフェラチオをされ、ペニスは一瞬にして耐えきれなくなった。

 「あうう!」激しい律動とともに、精液が女の子の喉を鳴らしていく。一滴残らず吸い上げられるべく、顔の見えない(でも知っている誰かであるということがいやがおうにも僕の興奮をかき立てる)娘の口に1分以上、快楽の汁を放出するのだった。

 放出が終わると、女の子は口を離してくれた。出しつくして萎えてしまった情けないペニスが、またもや衆目にさらされる。

 静佳は決してどかなかった。熱い体温と娘っぽい汗、ニュグニュグと吸いつくような肌触りで、引き続き誘惑してくる。

 「うふっ、脱出したければ、その鍵でいつでも外に出ていいんだよ? ただし、私の体で勃起しなかったら、ね?」

 そんなの・・・ムリ!

 「ほれほれ。がんばってガマンしてみなよ。おねえちゃんの体で欲情しなかったら解放してあげるからさ。でも、立っちゃうってことは、私たちと気持ちよくなりたいって印だから、遠慮なく抜いてあげる。ね、気持ちよくなろ?」「うう・・・」

 お姉ちゃんのぬくもりとすべすべの肌に密着されたままの状態で、「女の子の肌触りを味わったことのない」僕が耐えきれるはずがなかった。

 「えへへ~…またおねえちゃんたちの勝ちだね。」

 くぽっくぽっ!

 「ひああ!」またもや誰かにペニスを舐められ始めた。やわらかい口腔内に体で、激しく頭部を上下させ、一気に唇でしごき上げる。くっぽくっぽといやらしい音が強く響いて、強烈な吸引が先端を喉奥深くまで吸い上げているのがわかった。

 「ああっ! だめ! くぽくぽしちゃやだあ!」僕は腰をひねり、なんとかして脱出しようと上半身を持ち上げながら懇願したが、両足で体重をかけすぎないようキープしていたお姉ちゃんがずんと体重をかけてくると、その重みで上半身は再びベッドに固定されてしまうし、クポクポ音を立てるフェラチオは一向に勢いを弱めてくれる気配もなかった。

 「あぐっう!」僕は静佳の背中をぎゅっと抱き締めたまま、知っている誰かの口腔内に思いっきり精液をぶちまけてしまう。

 ペニスが萎えるのは一瞬であり、それも静佳お姉ちゃんの柔らかい肌に抱き締められたままであれば、ほんのわずかな安らぎでしかなかった。若娘のやわ肌の感触を刻みつけられ続け、すぐにペニスは勢いを取り戻してしまう。

 するとやわらかい女手が根本から途中までをシュッシュッとすばやくしごき、先端はなめらかな舌がねぶるようにあちこちいやらしくぴちゃぴちゃしてくる。そのダブルの刺激にあっという間に高められた。

 引き続き、手や舌や胸、ほおずりや脇の下などで、精液が幽霊娘たちに搾り取られた。静佳ちゃんが時折生足でペニスを挟み込むと、そのシコシコした弾力だけでペニスを爆発させることもあった。

 本番挿入などしなくても、女の体のありとあらゆる他の部位だけで、ペニスは立たされ、悦ばされ、射精させられる。1分以上続く、通常の数倍の快楽は、間違いなく僕の精神をとろけさせていくのだった。

 ペニスを掴まれ、亀頭を女の子の親指でスリスリされると、体液はいつまでも絞り出されるのだった。

 「ああ! 静佳お姉ちゃん!」僕は感極まって腰を突き上げると、ペニス先端が静佳のワレメに突き刺さった。

 「あっ! いや! だめえ!」おねえちゃんはぶるっと震えると、思わず体を持ち上げて、ペニスからオンナを離した。

 「!?」

 もしかして!

 「えい!」僕は身を翻し、滑るように横に体をずらすと、上からの静佳のマウントポジションから脱出した。

 「ちょっ、逃げないでよ!」お姉ちゃんがしがみついてくる。彼女の生足と、ベッドに寝転んできたクラスメイトの黒江多恵の生足が絡み付く。

 「む! っふう!」僕は女の子のスベスベの足を感じながらペニスを立たせてしまう。大きく滑らせてくる、女の子特有の吸いつくようなふとももの感触に感極まってしまう。

 僕は静佳かお姉ちゃんの上に乗り、彼女の足を開くと、オスの乱暴さをむき出しに、一気に正常位でペニスをねじ込んでしまった。

 「あはああ!」「ひゃあ! だめえだってばぁ・・・!」

 ペニスから精液がほとばしる。あまりに滑らかできつい感触はペニスをこれでもかと刺激し、入れたままで脈打ちが止まらなくなってしまう。もちろん、萎える瞬間などなく、怒張したままで、静佳のオンナはペニスの暴力にかき回され続けるのだった。

 「ああ! いやあ! イヤ・・・はうう!」

 何度かペニスで出し入れしていると、静佳は大きく目を見開いて、絶頂に全身を打ち振るわせた。

 思った通りだ。色情霊たちは、僕の記憶を探って、ほぼ完全に当時の娘たちの姿を再現する。ある程度のテクニックは色情霊譲りであったとしても、静佳や中学生たちがそうそう本番の経験を有しているわけもなく。僕のペニスをオンナの中にねじ込んで出し入れするだけで、彼女たち自身が強烈な快感に襲われるのだ。

 未熟なのは僕だけではなかったのだ。

 その未熟さまでコピーしてしまうからこそ、僕をここまで狂わせることができる。

 だが、そのことが同時に、「本番挿入に弱い」という弱点となって、僕に突破口を作らせてしまったのである。

 彼女たちは、精を絞るに挿入が必要ないからしなかったのではない。挿入したらあっさり逆転されてしまうから、挿入には持ち込まなかったのだ。

 ああ、あの弟さんもそれに気づいていれば、夜な夜なの快楽地獄から脱出できたかも知れないものを。

 とにかく、静佳のマウントポジションから脱出した僕は、このチャンスを逃すはずもなく、鍵を握りしめて女の子たちをかき分け、ドアの扉を開いた。ムリに襲いかかれば挿入で反撃されるのがわかっているから、クラスメイトたちはそれ以上手を出してこなかった。

 「はあっ、はあっ・・・」

 廊下に出て、僕は落ち着くべく呼吸を整えた。あの兄弟の部屋で、僕はずいぶん長いこと、そして数え切れない回数、快楽に浸り続けてしまった気がする。

 ここらへんで突破口を見いださなければ、また色情霊のトラップにはまり込んでしまうぞ。なんとかこの家の謎を解き、先につなげるヒントを探さなければ。

 「あ!」

 さっきは開かなかった、物置部屋が開いている。鍵がかかっていたはずなのに、いつのまにか半開きの状態のドアが目の前にあった。

 あの兄弟の部屋を経験したからこそ、さっきまで閉ざされていた空き部屋の鍵が自動で開いたのだ。きっとここに重大な手がかりがあるに違いない。

 おそるおそる中に入っている。物置となっていた空き部屋はしかし、何もなかった。ただ、壁に血のような真っ赤な文字で「5963」と書いてあった。何かの暗証番号かな。覚えておこう。

 そこで色情霊に遭遇することはなかった。

 あと、この家で入っていないのは、はじめに入るのをためらった、風呂場だけである。

 水晶の反応からして、よほど強力な色情霊が潜んでいるに違いない。僕は気を引き締めて階段を降りていった。

前へ      次へ


メニューに戻る(ノーフレーム用