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仮想とらわれペンギン・田中編 5



 まだまだ……脱出できない。

 気付いたときには、精力も性欲も、やはり元通りに回復してしまっている。その途端に、さっきまでのおねえさんたちの、たっくさんの手の刺激が身体に染みついているのを思い出し、その快感と、一度に二回もイかされてしまった心地よさを思い出す。

 そうしてまたもや、性的衝動にほだされ、股間が激しく隆起してしまう。また……いい気持ちになりたい……まだまだ……射精し続けたい……

 うぅっ……だめ……このまま、この研究所で女敵たちにえっちな攻撃で抜かれ続けたら、本当に精神的に、魂の奥底まで、セックスの気持ちよさにやみつきになって、何もかもを投げ出して快楽の限りを尽くす、理性を失ったオスに堕してしまう。なんとか……なんとかしなければ……

 しかしもはや、この欲情を抑え込むことはできず、ペニスを隆起させたまま歩くしかない。この先に待っている出来事は容易に想像できたのに、それをどうすることもできないでいる。

 そして、やはりエンカウントして、エロ泡空間の中に閉じ込められてしまう。脱出したり勝利したりという希望よりも、これから起こるであろう股間の快楽への期待感の方が、遙かに上回ってしまっている。

 これでは、期待どおりの展開にしかならない。なんとかしなければと思っていながら、自分自身の肉欲にどうしても抗えない。

 僕の前に横たわっていたのは、ファンタジーでもおなじみの女敵たち3人。腰から下が巨大な魚になっているレディたち。下半身が魚のマーメイドたちだった。彼女たちはすでに裸であり、おとなの成熟した乳房がすっかり露出されている。

 水中ではない研究所では、彼女たちは立ち上がることができず、ずりずりと這うようにして、床を動き回る。怒りに我を忘れないかぎり、マーメイドたちはこの迷宮で横たわりながら、ゆっくり腕の力だけで移動しているのだった。

 人間の走るスピードの方がはるかに速いはずで、逃げようとすればたやすいであろうことは容易に想像できたものの、泡の壁に包まれてしまっているために、僕はその空間から離れることができない。

 そしてその目線は、彼女たちの露出されたおっぱいと、魚部分の腰元についている女性器のワレメに釘付けになっていた。

 ぶわわ……ぶしゅうっ……

「!!!」

 突然、泡の空間内が淡いピンク色に包まれた! なっ……なんだ……これ……!?

 桃色の霧は、間違いなくマーメイドたちから放出されていた。彼女たちのオンナから、性欲に興奮した印である愛液がゴボゴボとあふれかえっているが、その色は透明ではなく、桜色をしている。

 その濃いピンクの体液は、オンナからシュウッと放出され、たちまち霧状になって、周囲に漂う仕組みになっている。ピンクの発情液は揮発性だ。

「うっ!?」

 股間が急激にくすぐったくなる。からだの奥が……あっ……熱いッ……!?

 きゅ~~~ん……

 前立腺の奥がくすぐったく疼き回る。それに伴って、強すぎる欲動が全身を電撃のごとく駆け巡った!

「うぁ……」

 僕はマーメイドたちの裸体を凝視しながら、悩ましく腰をくねらせた。ペニスからは大量のカウパーが、次から次へとしたたり落ちている。会陰のあたりが急激な衝動でせつない劣情に支配された。

 やわらかくって、あったかくって、触り心地のよい女の人の胸っ……すべすべで、吸いつくようなもちもち肌触り……そしてッ……魚部分の根元についている、いやらしいオンナの表面……

 マーメイドたちには股がないので、女性器も表面に付いている。人間で例えれば、下腹部の、通常なら陰毛が生えているあたりに、垂直にワレメがある形状だ。この研究所では首から下に毛が生えないので、タテについている性器が露出され、しっかりくっきりさらけ出されている。僕はそれを間近で見せつけられてしまっていた。

 女性器のすぐ真下から、太い魚になっている美女たち。しかしその綺麗なウロコさえ、見とれてしまうほどしなやかな造りになっている。だが、オンナ周辺から腰、上部分は、すべて人間女性と同じ、滑らかな肌触りを具えていて、女性的な魅力に満ちあふれている。

 呼吸をすればするほど、僕は激しく興奮していった。まちがいなく、これは周囲に充満する、ピンクの霧のせいだと分かった。彼女たちの揮発した愛液には、強い催淫効果が含まれているんだ!

 これを吸い込んだり、肌から吸収されたりすれば、相手はどんどん性欲を強め、感じやすくなって、イキたい衝動を強めてしまう。これはセックスバトルでは、完全に弱体化そのものだ。

 何日もオナニーしていない中学生が、性欲にまみれて我慢できなくなっているのと同じだった。いや、それ以上に悩ましい欲動が、強く僕の全身を突き抜けてしまっていた。

 何日も抜いていない中で性的に刺激されれば、すぐに出してしまう。もちろん、そんな強制禁欲で、精液を溜めに溜め込んだ中で受ける性的な誘惑は、この上もなく人間を虜にするだろう。

 ただでさえ、美しいマーメイドたちが3人も僕の真下で、横たわって見上げているのを、すぐ前で目の当たりにしている。それだけで異常に興奮してしまうのに、ピンクの霧の効果のせいで、その衝動は殊更に高められっぱなしになる。

 その裸体を、ピンクの霧で催淫された状態で間近に見てしまえば、余計に強い性欲に掻き乱され、理性など何もかも吹き飛んでしまう。

 我慢に我慢を重ね、禁欲させられた14歳が、とつぜん目の前になまの乳房を3人分も見せつけられ、オンナ表面のツルツルのやわらかそうなワレメも目の当たりにしてしまえば、誘惑刺激も強すぎるというものだ。

 くねる肢体、脇の下、震えるおっぱい、とろとろと流れ出ては揮発していく強い愛液。それらを目の当たりにし、目の前で見せつけられたら、その性的衝動はすさまじいものがある。とても、論理的に思考を巡らせて物事を進められる状態にはなれない。

「はぅああ……」

 僕は思わず、両手で自分のペニスをがっしりと掴み、ぐにぐにと自分で揉みしだいた! 目の前の女性たちの乳房やお腹をガン見しながら、恥も外聞も捨ててオナニーし始めてしまっている!

 愛液の催淫効果で、ぎゅんぎゅんと精子が生産され、精巣内にたっぷりと溜め込まれている上に、はち切れんばかりにあふれかえってしまっている。

 限界を遥かに超えた量が溜まってしまっており、すぐにでも気持ちよくなって吐き出してしまいたい気持ちに満たされる。

「だめだよお・・・」
「自分でするなんて、女に恥をかかせるようなものだよお」
「ね・・・私たちの身体を見てオナニーするんじゃなくって、私たちの身体でじかに精子出してよお」

 色っぽい声でマーメイドたちが甘く懇願してくる。そして彼女たちは僕の手を引き、自分で自分のペニスに触れることを許さないよう、がっしりと掴み取ってしまった。

 これではオナニーできないだけでなく、両手ともマーメイドのなまおっぱいにギュッと抱きしめられてしまい、その潰れる感触をじかに味わってしまう。

「うあああ!」

 僕は我を忘れた。

 そして、マーメイドの1人にのしかかると、ぐににっとペニスを彼女の腰部分に強くこすりつけた。するとそのマーメイドは腰をぐねぐね動かし、ペニスの動きに応えたかと思うと、ペニス先端を自分のワレメにあてがった。

 僕は真上からマーメイドを抱きしめ、完全に乗っかってしまう。キスをし、その乳房にぎゅみっと顔を押しつけると、そのやわらかな肉はどこまでも潰れ、心地よい弾力を跳ね返してくる。

 マーメイドもしっかり応えて、さらに僕の頭部を自分の胸元に強く抱きしめてくる。すると乳房の肉は、より一層ムギュッと僕の顔面に潰れ広がっていくのだった。

 ペニスはすぐに、正常位の体勢で、マーメイドのオンナの中に吸い込まれていった。

「あひい!」

 未体験同然の肌色ペニスなど、挿入した瞬間にイキ果ててもおかしくない。しかも、霧状になった愛液成分を吸い込んだだけで極度に興奮して弱体化するのに、じかに挿入してペニスに濃いピンクの愛液を纏わり付かせてしまえば、きゅんきゅんするくすぐったい疼きは、一気に何十倍にも高められてしまう!

 そこへ人外の強い締まりと揉みしだき、やわらかに潰れるオンナ内部の圧迫にほだされ、締まる感触だけでも精液を吐き出してしまいそうだった。

 やはり、精力値が高いのが災いしている。瞬殺されて終わるはずが、いつまで経っても精液が出てこない。快感だけが持続する。そこへ、熱く興奮した性欲のたぎりが、射精したいという強い生理衝動が、堰を切ったような怒濤の快楽となって、ペニスに襲いかかってくる。

「はうっ、はうっ、はうっ……」

 僕は必死になって、大きく腰を上下させ、ペニスをマーメイドのオンナの中で激しく出し入れし続けた。

 下で僕を抱きしめてくれているマーメイドは、しっかりとおっぱいを押しつけこすりつけながら、上半身を強く密着させ、腰を上下させたり左右に揺らしたりしながら、僕の動きに応えてくれている。

 人魚の天国オンナの締め付けに、出し入れピストンのしごき感触が加わって、すぐに射精したくてたまらなくなっている生理欲求は、その甘美すぎる感触に、どこまでも衝撃的な気持ちよさを満たしていく。

「ねえっ、そのまま出しちゃ、だめだよお?」
「はやくっ……つぎは……わたし……ね?」
「ほら、もう引き抜いて?」

 下のマーメイドは動きを止め、密着を解いて、僕の肩を押し上げる。正常位結合を解こうと他の2人も動き出す。僕はこのままヘコヘコと腰を動かして、イッてしまいたい衝動に自我を見失っている。だが、3人ともそれを許してはくれなかった。

 僕は急かされるように、隣の娘の上に乗っかり、やはり正常位で、ペニスをオンナの中に収めた。そして自分から必死に上下して、全身でズリズリとマーメイドの上半身すべてをこすりながら、ペニスを激しくピストンさせた。

 いく……だす……ああ気持ちいっ……

 それでも、高い精力値のせいで、なかなか脈打ちは訪れない。イク直前の多幸感だけが全身を駆け巡る。

「まだまだだよおー?」
「ね、交代♥ 交代♥」
「早くしてよお・・・」

 またもや僕は、無理強いされるように引き剥がされ、3人目のマーメイドのところに導かれる。そしてまた、彼女の上で情けなく腰を振り、ペニスを心地よすぎる感触でしごき上げ続ける。

 3人のマーメイドに取り囲まれ、濃すぎるピンクの霧が僕をどんどん弱体化させる。その上、次から次へと交代で正常位結合し続け、三者三様のオンナの感触を味わいながらも、揮発前の濃すぎる体液をじかにペニスに味わい、ペニスの肌表面からどんどん染みこんでいって、身体の奥まで催淫効果が浸透、興奮がピークに達してしまう。

 次の女性、次の女性と、数十秒ごとに交代をせがまれ、僕は言われるがままに、どんどん相手の女性を取り替えながら、正常位で結合しては腰を上下させ続けた。

 顔面を乳房に埋めて、その弾力と顔全体に広がるみずみずしい感触を味わいながら、マーメイドを強く上から抱きしめ続けた。

 交代をくり返しているうちに、ペニスはすっかり桃色に染まっていた。ペニスの芯のところまで、マーメイドたちの愛液催淫が染みこんでしまい、棒全体が桜色になってしまっているのだ。

 こうなってしまっては、もはや挿入していなくてさえも、勝手に精液が飛び出してしまうほどに、情欲は高められてしまっている。

 もう、誰に出してもいいっ!

 そう思いながら、次、つぎとマーメイドたちの上に乗っかっていく。そしてその挿入感覚を、長時間味わい続け、その気持ちいい刺激に脳髄の奥までとろけきってしまっていた。

 どばああああ! びゅくっ! びくびくびくびくびくぴくぴくぴくぴく……ぴゅるっ!

 愛液のせいで急激に生産された生殖細胞が、余すところなく放出されていく。マーメイドの膣内で、僕は大量の精を吐き出してしまった。どんなに精力が高くても、これほど極端なまでに弱体化されてしまっていれば、もう我慢のしようがなかった。

 僕は導かれるままに、交代正常位でヒィヒィ身体の位置を変え、そのうちの1人のオンナめがけて、大量に精液を提供してしまう。出し切るまで、下の人魚さんはしっかりと僕の首に腕を回して、強く抱きしめてくれていた。

「はあっ……あうっ……!? なっなにこれっ!」
「くすくす……まぁだ・・・だよお?」

 僕は本能的に、ほとんど身体が勝手に動くような感じで、隣のマーメイドの上に乗っかってしまっていた。そして射精したばかりのはずのペニスを、さらに彼女のオンナに突き立て、根元までねじ込んでしまった。

 出し終わったはずなのに、僕は隣の美女のところに飛び移り、正常位を続けてしまっている!?

 ペニスは完全にピンク色に染め上げられ、性的衝動が収まることはなかったんだ。

 その状態では、射精の脈打ちが終わっても興奮は収まらず、すぐさま隣のマーメイドに正常位で結合したい本能が優り、勝手に動いてしまったのである。

 そして彼女のサポートで、僕はまだまだ情けなく腰全体を上下させ、ペニスを人外膣で激しくしごき続けた。

「うああ!」
「気持ちいーい?」

 びゅく! びくぴくぴくん!

 最後の一滴がオンナの中で絞られたが、途中から枯渇し、ペニスはただ脈打つだけの肉の棒になっていた。しかしそれでも、絶頂の律動と快楽は収まらない。何分も経っているはずなのに、脈打ちが執拗に続いてしまっている!

 やっと最後のひと脈が終わったところで、急激に視界が暗くなっていく。絶頂しきったので、気を失い始めているんだ。

「まだ2人にしか出してないよお?」
「ねえ、もう1人は?」
「私の分はぁ~? くすくすっ……」

 僕は力尽き、マーメイドの乳房にぼふっと顔を埋めて、全身脱力してしまった。

 本来なら、マーメイドのピンクの霧を吸い、濃い桜色の愛液でペニスが浸され染まりきってしまえば、射精し尽くし、もう一滴も出ない状態になっても、性欲衝動だけは途切れずに、律動するだけのペニスで何度でも何時間でも、彼女たちとの強制正常位が続けられることだろう。

 強制というより、自制が利かなくなって、男の方が勝手に腰を振り続けてしまうのだ。

 そんな人魚たちが大勢いた場合、その男はさらに濃い霧に包まれ、いつまでもいつまでも、律動だけするピンクのペニスで、交代しながら延々と彼女たちに挿入し続け、誰にも彼にもかまわずに、マーメイドたちの肉体に溺れ、ずっとイキ続けてしまうことになる。

 枯渇したときに分泌されるプロラクチンなど、催淫愛液の強い魔力の前では、まるで役に立たないのだ。

 幸いにも、そうなる前に、僕は気を失うことが許されたのだった。

 高校生から大人まで、人間女性からモンスターまで、散々エンカウントしては絞られ、そのつど気を失って、目覚めたときには精力も性欲も復活してしまっている。復活した以上、次の闘いでも、その快感への弱さが発揮され、そのつど精を奪われていく。

 精力値が高くなったせいで、快楽だけがじっくり続けられ、その分だけ確実に、異性の肉体めがけての強欲は格段に深まってしまった。戦闘ごとに僕は、女体の魅力を刻みつけられ、そこから決して思考が外れない、すっかりセックス脳に変貌させられてしまっていた。

 これなら、一回射精しただけでメインコンピュータに洗脳支配され、我を忘れて女体化したまま彷徨った方が、よほど楽だった。

 自我を失わないまま、自分自身の内側から、セックスだけのことを考える脳へと変わっていってしまう。じっくり時間をかけて、射精に次ぐ射精をくり返しながら、僕はじわじわと性的なガードを奪われ、いまや完全に、性欲の虜と化してしまっている。

 彼女たちの生足、乳房、お尻、腕、手、舌、脇、首、背中、そして性器……ありとあらゆるものが、僕の精を吸い尽くして魅力的に離してくれない。そのつどやみつきになっては、性欲に没頭してしまう。

 射精しては気絶。再び気がつけば、それまでの戦闘の想い出がぶり返して、また性欲に溢れてしまう。そうしてすぐさま、次の闘いの泡に包まれ、たっぷりと絞り取られてしまうのであった。

 いったい・・・いつまで続くのだろう?

 どうやったら、このゲームを終了させることができるのか。そう思い途方に暮れながらも、歩いては女敵に出会い、そして気を失っていく。そのくり返しだった。

 しかし、それでも、長い長い時間をかけて、歩みそのものは進められている。研究所5階で、先へ先へと、ゆっくりではあるが進んでいるのは確実だった。

 ただし、一回も勝利できていない(一度はバグで勝ったために事実上の取り消し)ため、レベルは1のままだ。つまり、童貞同然の弱い自分のままなのだった。

 何回闘っても、敵女の肢体の魅力に打ち勝つことはできないし、そのパーツや肌触りの何ひとつにも、慣れるということがなかった。それどころか、その魅力にますます、のめり込んでいくばかりだ。

 この状態で何年も経ってしまうのだろうか。そんなのはいやだ! ああっ……どうすれば……

「ん!?」

 行き止まりだ。

 引き返さなければいけないか。仕方ない。

「!」

 何故か、さっきまで歩いてきた背後の通路が閉ざされている! まるで上から壁が降りてきたみたいに、僕の真後ろが音もなく勝手に遮断され、僕は狭い部屋の中に閉ざされてしまっていた。な、何が起こっているんだ・・・?

”ピピピ。おめでとうございます。この階のゴールです。”

「えっ……」

 放送に驚く。ゴール、つまり……この階からさらに下に進めるってことなのかな?

”この場所の先には、エレベーターがあります。そこから、先のステージに進むことができます。”

「おおっ……」

 そ、そうか……

 ほんのわずかずつではあるけれども、やっぱり先に進むことはできていたんだ。やっと、ほんとうにやっとの事で、ゴールにたどり着くことができたんだ。

 ブゥン……左右にドアが現れる。

”どちらかの扉を選んでください。片方は、プチボス戦なしでエレベータに乗ることができます。その正解を選べたら、先に進むことが簡単です。ちなみに、1階の出口のパスワードは5963です。そのままラスボスを通さずに脱出することができます”

「そうなんだ……って、パスワード教えちゃうの?」

”データはほぼ取れ……いやゲフンゲフン……下の階も構造は変わらず敵女のレベルも変わりませんので。”

「やっぱり……レベルは変わらないのか……」

 おかしいと思ったんだ。

 最初期ステージなのに、絶対に勝てないような強豪が送り込まれてくるし。下の階に行けばより強くなるわけじゃなくて、同じように強い女敵が現れる仕組みになってるんだな。改造がされすぎていて、レベルバランスがめちゃくちゃになっているんだ。

 とにかく。

 左か右か、どっちかの扉を選んだら、先に進めるんだな。どちらかが正解の扉で、もう片方は不正解。山下さんによれば、正解の方を選べたら、そのまま4階ではなく1階に進んで、出入り口にパスワードを入力してしまえば、そのまま脱出でき、ゲームクリアになるらしい。

 正解を選べさえすればいいんだ。あとは、闘っても気絶してそのまま先に進めるから、いずれ脱出はできるってことだな。

 そうなれば、この長い長い強制ゲームからも、いよいよ解放されるわけか。長かった。ああ……やっと終わらせることができるぞ!

 僕は左の扉を選んだ。ノーヒントだし、あとは賭のようなものだ。外れたとしても、きっとプチボスと闘わされるだけで、負けても気絶して復活すればいいだけのことじゃあないか。

 入ってみると、目の前には何もなかった。エレベーターも、見当たらない。少し広めの、無機質な空間だった。

 あ・・・

 ハズレの方だ。しまった……

 しかし、後ろの扉はガッチリ閉ざされており、密閉された部屋は、どこにも脱出口がなかった。

 くっそ……ここでプチボス戦になって、敗北して気絶ルートか。仕方ない……

 ぷしゅううう……

「!!!」

 プチボスは登場しなかったが、その代わりに、壁のあちこちに開けられた小さな穴から、霧状のガスが噴霧され始めた! それは部屋に濃く充満し、僕の全身と肺の中に充溢していく!

「ぅぁ・・・」

 股間の奥が強くくすぐったい! まずい……これは……身に覚えがある感覚! マーメイドと闘ったときと同じだ! 性欲が極端に高まっていく。ペニスが奥からくすぐったく疼き、身体が熱くたぎっている。間違いなく、これは催淫ガス!

 ただし、マーメイドのように完全に我を忘れるような、魔性のピンクの霧ではなかった。むしろそれをモデルに人工的に作られた催淫ガスのようだった。

 そのため、自我を見失って、マーメイドの上に勝手に乗るなどという自制の利かないタイプの霧ではない。もちろん、身体に浸透したからといって、ペニスや肉体がピンク色に染まるなどということもなかった。

 どちらかというと、人工的に模造された催淫ガスだから、効果に魔法的な力はない。しかしそれでも、セックスを我慢し続けた時みたいに、異性のこと、女体のことが頭から離れなくなるような、いつでも射精したいという追い詰められた性欲の疼きに、変わりはなかった。

 ロボットのような女敵なら、こういうガスを駆使して冒険者を惑わせたり、血液中に注入して色狂いにさせたりする攻撃を仕掛けてくるだろう。そういう化学的な催淫剤ではあったが、僕の腰を大きくグラインドさせ、自分で抜いてしまいたい欲求を極端に高めるには、十分な効果があった。

 ぶわああああ!

「なっ!! こ、これはっ・・・」

 壁一面に、ホログラムが現れる! ま、まさか……

 ホログラムというよりは、本当に現実に近いほど、精巧に映像が再現されている! 手を伸ばしさえすれば、ほんとうに触れられてしまえるのではないかと思えるくらいに、目の前で、間近で、そしてなまなましい映像の群だった。

 壁や天井いっぱいに映し出されている映像は、見覚え、記憶覚えがあるものばかりだった。

 小さく、細い女の子たちの素足。その幼い脚の群は、強く記憶に残っているものだ。数年前の、小学時代に目の当たりにしていた、クラスメイトや近所のお姉ちゃんたちの、コドモ太ももにほかならなかった。

 ミニスカートや半ズボンからすらりと伸びる、シコシコした肌触りに間違いなさそうな、女の娘たちの生足が、壁天井いっぱいに広がっている。同級生、年下、年上の、しかし同世代には間違いない娘たちの、かわいらしい太ももだった。

 僕はこれまで、彼女たちのこういう太ももを見て、夜な夜なこれを思い出しては、オナニーの道具にしてたんだ。

 プールの時の水着の脚も、ひそかに目に焼き付けていた。体操服も、ふくらはぎの肌をしっかり覚えている。

 そんな中で、性欲が格段に増してしまっているのだ。僕はくすぐったい疼きに耐えることができない!

 もみ……もみもみ……くちゅっ……

「ぅあ・・・」

 僕は我慢できずに、自分でペニスを掴み、生足の群を凝視しながらオナニーし始めた。そう……こういう群のひとつひとつを詳細に思い出しながら、絶頂を迎えるまで、自分で刺激してはイキ果ててきたんだ。

 しかし、こんどは想い出ではなく、目の前に現実に広がっている太ももを凝視しながらのオナニーだった。殊更に気持ちがいい。

 その生足の群は、さらにきわどさを増していく。だんだんと、半ズボンやスカート、水着という、”見たことのある”生足映像から、見た覚えのない女の子たちのパーツ映像が混じり始めていき、そこから目が離せなくなる。

 ミニスカートがひらりとめくれ、白いパンティが丸出しになっていく。そのめくれたスカートが空中静止状態で固定され、彼女たちの色とりどりパンツが、どんどんあらわになっていった。

 僕はその下着から目が離せない! どんどんミニスカートから露出されていったパンツ姿が、目に焼き付いていく。一度めくれると、元に戻ることはなく、パンティと太ももがさらに大きく露出されていくばかりだ。

 そのうち彼女たちは、更衣室や自宅で着替えるみたいに、僕の方を見ながら、じわじわと服を脱ぎ始めていった。

 スカートを脱ぎ、下着を完全に露出させる。半ズボンを膝まで下ろして、間近で太ももや内股を見せつけてくるクラスメイトもいる。

 さらに、上半身の私服を脱いで、スポーツブラになっていき、そのうちにその下着も脱ぎ果てて、膨らみかけの乳房まで丸出しになっていく。僕は少女たちの小さな上半身をガン見しながら、ペニスを自分でかわいがっていった。

 そうして、女の子たちは、次々と全裸になっていって、ホログラムのくせに僕の方を見てクスクス笑いながら、片足を上げてオンナを見せつけ、あるいは尻餅をついて自分でワレメを拡げて見せたりしながら、自分の身体でオナニーする僕をあざ笑うような不敵なカワイイ笑みを見せつけてくる!

 少女たちの中には、自分で自分の胸板を撫でさすり、オンナを幼い手つきでいじくって、いけないひとりあそびを見せつけてくる娘さえいた。

 5年生6年生の身体は、思った以上に成長している。その太ももはしっかり膨らんでおり、その肌触りも、おとなとさほど変わらないくらいに、吸いつく感触を具えていることを伺わせた。

 個人差はあるが、学年に関係なく、おっぱいがハリ出ている子とそうでないツルペタ女子との差が明らかに見て取れた。そして、いつでも迎え入れることができるツルツルのオンナは、小さく未発達ながらも、完全に異性の器官そのものに出来上がっている。

 僕はそれを数センチ先でアップに見せつけられ、自分でペニスをしごき続ける。快楽が止まらない!

 そんな中で、娘たちの一部がさらに成長していく。制服を着るようになり、中学生へと成長している。

 彼女たちもまた、自分からスカートをめくっては、もっと大きく具合もよくなったオンナ表面を自ら見せつけてきていて、さらに中学生らしく太まって女っぽく発達した生足が露出されていく。

 15歳くらいまでの女の子たちはやはり、先輩や後輩、想い出のクラスメイト女子たちなのだった。

 こうして、小中学生たちが入り交じって、大勢の姿が、壁にも天井にも床にも映し出され、僕はそのあちこちを見ては、ペニスを必死にしごき立てた。

 知っている少女たちの、あられもない姿。第二次性徴で乳房が膨らんでいながら、乳頭はまだまだ子どものままの上半身を目の当たりにして、知っている娘の裸だからこその興奮に掻き立てられていた。

 しかしもちろん、精力が高いために、イクまで時間がかかっている。その分だけ、少女たちの肉体を目の当たりにして、その姿を映像で楽しむことができてしまっていた。

 女の子たちの裸の群がいっぱいに広がっている。この研究所では、たしかに小中学生が一回も女敵として登場してこなかった。下の階には出てくるはずなのだろうけれども、あえて避けられていたような気がする。

 女敵たちは全員年上だった。中学は卒業していた女性ばかりだった。さもなくば完全にモンスター娘である。それより若い娘は現れなかった。

 だからこそ、昔のクラスメイトや今のクラスメイト、先輩後輩たちの、幼い顔立ちとその肉体に、殊更に酔いしれてしまうのだ。僕はさまざまな成長段階の胸、脚、そして女性器をじっくり見ながら、自分の股間を両手で慰め続けた。

「!!」

 女子だけと思われた裸体の中に、よく知っている裸の姿を確認できた。その白い肌、情けない肌色の包茎ペニス、童顔でアホ毛のついた華奢な体つき……間違いなく、彼女たちの中に、裸の僕自身が混ざっている!

 映像の中の僕は、遠慮なく、映像の中の少女たちの全身を撫でさすり、キスをし、あちこちを舐めては顔を埋めている。14歳の身体の僕は、4年前の10歳クラスメイトの幼い全身を撫で回し、その生足に自分の太ももをこすりつけている。

 抱き合って愛し合い、包茎のままのペニスを、少女のお腹に押しつけこすりつけていた。

 そして……少女が股を開くと、”僕”はそのオンナ表面にペニスをこすりつけていった。

「うあああ……」

 興奮がさらに高まる。もちろん、現実にこんな経験をしたことなど一度たりともありはしない。しかし、現実そのもののように、裸の僕が”年下”クラスメイト(今は同い年)の股の間で、太ももに包まれながら、ペニスをズリズリと表面にこすりつけ、感じている!

 ぷにっぷにのちっさいお尻が、”僕”の腰にパンパンと当たっている。

 びゅくっ……

 毛の生えていないワレメの部分から、映像の僕が射精する。”僕”は、14歳の肉体のままで、10歳時代のクラスメイトと裸で抱き合い、後ろからのスマタで、ペニスを射精させていた。そんなあり得ないシチュエーションが、このトラップ映像の中では惜しげもなく表現されている!

 さらに別の場所に目を移すと、やはり自分自身が、6年生の女の子に馬乗りにされ、彼女のツルツルのオンナ表面にズリズリこすられている。騎乗位と同じ体勢で、しかし挿入はせずに、マン肉でペニスがこすられていた。

 お腹まで反り返ったペニスは、オンナのワレメに挟まれ、少女が腰を前後させると、ズリュズリュとやわらかな肌が容赦なくこすれていく。性的刺激に弱い”僕”は、1分もかからずにこの”元”お姉ちゃんの股の間で精液を吐き出してしまう。

 他にも、さまざまな小中学生のクラスメイトや先輩、山下さんたちを相手に、イケナイことをたくさんしている映像が映し出されている。

 スマタだけでなく、手コキでイかされる僕、フェラチオで口腔射精している僕、しっとり膨らんだ乳房でパイズリされている僕の姿がある。

 そして……セックスまでもを行っている場面が、部屋中にホログラムのように映し出された。バック、騎乗位、正常位、半座位、男上背位など、さまざまな体位で、映像の僕は女の娘たちと繋がっていた。どの僕も、1分とかからずに女の子たちによって射精させられてしまっている。

 現実にこんなことをさせられてしまえば、たしかにこのくらいの時間で、この娘たちに精を奪われてしまうだろう。時間的には適正な設定だった。

 さっきまでの闘いで、この身に受けてきた快感が、同い年くらいの少女たち相手に、同じように行われている。ペニスをしごきながら、僕は彼女たちの姿を目の当たりにし、自分の情けないセックスで興奮させられてしまっていた。

 そこへ、女子高生を始め、モンスター娘に至るまで、現実の乳房、生足、お尻、性器の感触を思い出す。ほんとうに、あの快感が、映像の僕が受けているのと同じ気持ちよさが、さっきまで何度も何度も、数え切れないくらいに自分の身に降りかかっていたんだ。

 手でしごかれ、口でしごかれ、胸でこすりあげられて、オンナで締め上げられる。その感触のひとつひとつを、つぶさに思い出すことができる。

 映像の僕は、女子中学生たちの太くなり始めた女性的な生足に挟まれ、膨らみかけたおっぱいにしごかれ、数人がかりで包茎ペニスがフェラチオされ、さまざまな体位でなまセックスしている。

 みんな僕の知っている娘たちであり、その快感をさっきまで散々思い知らされているがゆえに、その娘たちとの行為の最中映像を見せつけられ、じっさいに彼女たちと同じ行為をしているかのような錯覚を受けた。

 さまざまな行為が一度に行われているようにさえ感じる。僕はその映像の数々を凝視しながら、自分でペニスを揉み、しごき、玉袋ごとかわいがり続ける。さっきまでの女敵たちの肌や肉のやわらかさ、口や舌や性器の感触などを思い出しながら、オナニーが止まらなくなる。

 精力値が高くなければ、おそらく少女たちの着替えシーン程度で射精してしまっていただろう。しかし、なかなか律動が始まらないがゆえに、映像の方もここまでエスカレートしてしまったものと思われる。

 ブツッ!

 あと少しでイク、という間際で、映像が途切れ、催淫ガスも壁に吸収されてしまう。元の無機質な空間に戻ってしまった。催淫効果も、怪物どもの魔性のものではなかったために、すぐに収まっていく。

 しかし、精力は地に着き、もうほんのわずかな刺激だけでも、精液が勝手に出て行ってしまいそうな勢いだった。

 僕は手が止まらずに、そのまま出してしまおうと思った。

 が、どうにかこうにか、そこで手を止めることができた。もうあられもない少女たちの姿も、彼女たちと背徳的な性行為をする僕の姿もない。この研究所では、出せば出すほど敗北であり、敗北が続けばそれだけ深みにはまりそうな気がする。

 パスワードを教わったとしても、こういうトラップで深みにはまれば、ほんとうに脱出できなくなってしまうかも知れない。そんな思いで、ギリギリのところで理性を働かせ、自慰行為をやめたのだった。

 しかし残り精力はわずか。あとほんの少しでも刺激を受けたら、いつ射精してもおかしくない情勢で、ジンジンくすぐったくお尻の奥から快感に疼いている。

 部屋を出る。プチボスは出てこなかったが、トラップで追い詰められてしまったことに変わりはなかった。まずい……また……敵に遭遇したら気絶させられてしまう。だが、イク寸前にまで高められているペニスを、自分でもどうすることもできなかった。

「はーっはっはー! 田中ぁ!!!」
「!!!!!」

 がしい!

 とつぜん僕は、やわらかな感触を背中に受けた。赤いサラサラの髪が背後からそっと前方に張り出す。

「ぶっ……部長!?」
「どうだったぁ? 私の改造したとらわれペンギン、別格だっただろお!!!」
「なっ! 何やってるんですか!」
「はっははー! なんと! このプチボスはほかならぬ、この私なのだぁ!」

 そこに待ち構えていたのは、全裸の部長だった。彼女は背後から僕に抱きつき、遠慮なく前に手を伸ばして、イキそうなペニスを両手でがっしりと掴んできた。

 ちゅくっ……くちゅっ……

 両手で作った筒は、ゆっくりとペニスをしごき、心地よい感触を刻みつけてくる!

「ほれほれ~。田中はこのまま、私の手でイキ果てるのだァァァ!」
「ええぇぇぇ!!??」

 ぎゅみっと、やわらかな部長の感触が背後全体から伝わってくる。胸はほとんど成長していないけれども、やや膨らみは感じられる。上野部長は、そのちっぱいをしっかり僕の背中にこすりつけ、やわやわして滑りのよい、それでいてしっかり吸いつく若い肌を、背中全体にこすりつけてきた!

「ああっ……やめて……くださいぃ……」
「気持ちいいだろぉ!? さあ、ココで私に敗北し、ゲームオーバーになるのだー!」
「なんで……こんな……コト……うぅ!」
「私もこのゲームで散々悩まされ、女敵にいっぱいイケナイことをされてはイかされまくったからな! その快感の苦悩をアンタにも味わわせてやろうと思ったのだ!」
「そんなっ!!!」

 こんなこと……最後の最後に、部長本人が登場して、僕をイかせにかかるだなんて!

 しかも、今しがたのトラップで、小中学生の肌や手の感触には、どうしても耐性がなく、彼女のやわらかで幼い手つきにぐにぐにされると、どうしても強い快楽を覚えてしまう。

 しかし部長は手慣れているわけではないので、ペニスのしごき方もぎこちなく、本来なら快感攻撃力もかなり低いはずだった。どちらかというと、見よう見まねでやっているように思える。

 それでも、僕の方がいつ脈打ってもおかしくない情勢なのは、さっきのトラップで精力のほとんどを使い果たし、自分の手でさんざん高めた後だったのと、中学生である部長のなまの肌をじかに味わい、その女手を心地よく感じさせられているからにほかならなかった。

 そういえば、さっきのトラップで唯一、部長だけが出てこなかった。それも彼女の改造のせいで、あえて出さなかったのだろう。そうすることによって、こうして実際に彼女自身の手でしごかれる新鮮さが味わえるというものだ。

「やだよぅ……こんなの……そもそも、どうしてこんな……僕にこんなゲームをやらせようとしたんですかあっ!」
「ふっふふふ……このゲームを田中によこした本当の目的は、ちゃんとあるのだ。刮目するがいい!」

・このゲームで行われていた田中の破廉恥な行為はすべて監視および録画され、上野のPCに保存されている
・田中にセックスの知識と、異性の感触、その快楽を魂の奥底まで叩き込むこと
・最後の仕上げは上野自身が行うこと
・ここでの出来事のほとんどは、現実に戻った瞬間に忘れてしまうが、女体の良さ、魅力、そしてとりわけ上野自身の魅力については、潜在意識にしっかり焼き付けられる
・したがって明日から、田中は上野の顔も首も手も、少しでも露出された肌があればその部位を、きわめて強く本能的に、異性として意識するようになる。上野からの性的な誘惑からは逃れられない

「えええええぇぇぇぇぇ!?!?!?!?」
「そう! ぜぇんぶ記録は私が保存しておいたから、これからはオカズには困らな……じゃなかった、貴重な男子データを入手できたというわけ! そして、田中は本能的に、異性のカラダのことが頭から離れなくなる。ゲームの記憶は失われても、その性欲は今まで以上に剥き出しになる。無意識のうちにアンタは、私たちの足や胸部に目を移し、気がつけば凝視しているようなスケベ男に生まれ変わるのだあああ!」
「うわあん! そんなのイヤだああ!!」
「そして私がこの手でちんちんをイかせ、この上野サマの手を忘れられないように刻みつけておけば、現実に戻ったあと、色々忘れても、私を見た途端、私の手を見て、”なんだか分からないけど異性としての興味ある綺麗な美しいかわいい手だ”と勝手にパブロフ的に認識するようになる! 潜在意識レベルで刻み込まれているから、もう逃れることはできないぞー! したがって、今後の私のエロ発明には、これまでと打って変わって引っかかりやすくなるのだ。すべて計算どおり!」
「いやあああ!!」

 完全に上野部長の術中に嵌まってしまっていて、すべてが遅かった。僕はまんまと彼女の策略にはまり、延々と長時間、この禁断ゲームに付き合わされた上、改造者である部長の手でしごき倒される……そんな末路をたどる以外の選択肢を与えられていなかったんだ。

 上野部長は、自分の目的を僕に告げ終えると、ペニスをやわらかい手でチュッコチュコとしごき立て、その生足を僕の脚の間にねじ込んでくる。

 僕は上野部長になすがままにされながら、その太ももの心地よい感触を、股の間で受けさせられ続けながら、もう少しでイク直前だったペニスが再び刺激されるに任せるしかできなかった。

 自分でしごくのとまったく違う、女性特有の吸いつくやわらかな手が、上野部長の魅惑的すぎる手のひらが、僕のペニスをゆっくりしっかりとしごき上げてくる。精力がほぼ尽きている状態で、この快感攻撃は致命的だった。

 ペニスをしごかれ始めたらもう持たない。彼女のセリフが終わってから数秒程度シュコシュコされただけで、あっという間に上野部長の手で、大量の精液を吐き出してしまう。

 これまで耐えてきた体液が、びゅくびゅくとあっけなく気持ちよく絞られている。精液は空しく、研究所の床にこぼれ落ちていった。律動の感覚が、さっきまでのオナニーで高められた分とあわせて、殊更に心地よく感じられる。

 たしかに女敵とはひと味違う、ごくごく普通の射精ではあったが、抜いてくれたのが上野さんという点で、あまりに新鮮であり、僕はブルルッと震えながら、幸せな気分になれた。

 僕は腰が抜けたように座り込み、初めて強い疲労感に襲われた。こうなる前に、これまでの闘いでは眠りに入ってしまったのだった。しかし今回は、急激に気を失うことがない代わりに、身近な異性に抜いてもらえた幸福感と、なぜかはわからないけれども心地よい安心感で、ぐったり脱力している。

 そこに上野部長が寄り添って座ってきた。僕たちは無機質な研究所で、尻餅をつき、お互い裸で、隣同士くっつき合っていた。部長の小さな横尻が、僕にきちんと密着しているし、その滑らかな太ももが僕の脚にはり付いている。

 その上半身も、しっかり僕にしなだれかかっていた。僕は彼女の小さなお胸をぼんやり眺め、見上げてくる部長のかわいらしい一面に、改めて気づかされるのだった。

「こんなことをしても田中は忘れるから心配ないけど、でもね? ……こんな恥ずかしいコトをする私のこと、キライになんて、ならないでね……」
「え……」
「こっ、告白だってー、忘れる設定になっているから堂々とできるんだからっ! あけっぴろげにあんなことやこんなことをさせたのだって、覚えられていたらもう私、生きていけない……でも忘れてくれると知っているから、なんでもできただけなんだから。も、もうちょっとだけ……これを機に、わっわたしのこと……意識して欲しいなー……って・・・」
「ぅ・・・ん」

 僕は彼女に寄りかかるようにして、そのカラダのスベスベ感触に甘えた。意識が遠のいていく。脳髄が痺れ、今までのことが消えていくような感覚に襲われる。隣にいた人が誰か、その名前さえも思い出せなくなっているな、と思ったところで、意識がぷっつりと途切れた。

 ふと気がつくと、僕は自分の部屋にいた。ぼーっとしていた意識がはっきりしていく。

あれ? さっきまで、何をしていたんだっけ。

 たしか、ゲームのスイッチを入れて、その世界に入り込んで実体験できるって設定だったはずなんだけど……何も起こってないや。故障かなぁ。いや、あの部長のことだから、なにか失敗作か何かだったんだろう。

「!!!???」

 股間がべっとりしている。何が起こったか確かめると、ブリーフが自分の精液でしっとり濡れそぼってしまっていた。濃い体液の特有の臭いが、そこからどっと立ちこめていく。

 僕は窓を開け、誰にも気付かれないように着替えてブリーフを洗い、さらにシャワーを浴びた。風呂場の時計で、ずいぶん時間が経っていることに気付かされた。

 つまり……あのゲームのスイッチを入れて何も起こらなかったのではない。僕には瞬間にしか思えなかったが、たしかにゲーム世界の中に入り込んで、そこで時間を過ごしたんだ。

 ただ、そのゲーム世界での出来事を、僕はすべて忘れてしまっていて、何も思い出せない。

 なんなんだ一体……さすがに何も覚えていないとなっては、ゲームが楽しかったかどうかも、その機能が良かったかどうかの評価もできないじゃないか。そのこと自体が欠陥だよ。

 それは明日部長に報告しなくちゃ。あ……でも……なぜかは分からないけれども、まるで夢精したかのように、勝手に精液が出てしまっていたことは、恥ずかしくて言えないなぁ。困った。

 何だかひどく疲れている。身体の中から大切なものが、ゴッソリ吸われてしまったような感覚だ。やっぱり部長の発明や改造品はろくなことがないや。今日は大人しく寝て、あとのことはまた明日以降に考えよう。

 疲労感のおかげで、僕はすぐに深い眠りに落ちていくことができそうだった。……安眠用のゲーム、なんてことはないよなぁ、さすがに。

 部長……うん……文句はやめておこう。あの人には、なんだか逆らえないっていうか……あれ? あの娘のことを頭に思い浮かべると、ヘンなドキドキ感が芽生えてくるな。なんだろうコレ……。あぁ、このまま部長が夢に出てきたりしたらイヤだなあ。うん。いや……うん。














終わり


 

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