魔族新法 8
2.11歳五年生の場合
「行ってきま〜す!」
僕は軽やかな声で玄関を出た。
今日から、新しい法律ができたんだって。
パパもママも、その法律のことを、ゆうべ僕に教えて聞かせてくれた。
これまで人に隠れて、誰も見ていないところで、自分のペニスをいじり、くすぐったくなって、これを楽しんでいたのだけれど、そのことは、じつはすっかり2人にバレていて、でも叱られるわけでもなく、この日からそういう性的なことは堂々と行えるのだと説明された。
僕がやっていたのはオナニーというもので、自分で自分のペニスをかわいがる行為なのだけれど、この日からは日中、堂々とペニスを気持ちよくさせることができて、しかも自分でするよりも、ずっと気持ちいい思いをし続けられるのだという。
この日からは、僕は靴以外全裸という決まりになって、ちょっとだけ恥ずかしかったけれど、べつにお風呂は裸だし、それが外でも変わらなくなるというだけのことだから、特におかしな気持ちにはならないのだった。
そして、オナニー以上の快感というものが、異性、つまり女の子や大人の女の人によってもたらされると教わった。気持ちよくなる時、ペニスは大きくなるけれど、それを勃起といって、勃起したペニスは、必ず女性によって”しゃせい”させられることになるとのこと。それが格段にいい気持ちだという。
”しゃせい”というのは、とても気持ちがよくなって、異世界の支配者にエネルギーを与える現象だという。支配者に男の精を与えて、その代わりに、人類は永遠に病気をすることもなく生きられ、快感に浸って楽に過ごせるようになったのだと。
だから、僕は今日から、その快感を楽しみにしていたのだった。きらいな勉強をすることもなく、あの股間のくすぐったい状態が堂々といつでも実現するってことが、とても楽しみだったんだ。
僕の家の前では、いつもの班員たちが待ってくれていた。が、人数がずいぶん少ない。
「あれ? なおきくんと、たかしくん、よしきくんは?」
「今日はお休みだって。」
「ふ〜ん……」
男子は僕だけだった。低学年の子も休みのようだった。3年生以上の女子5人と、僕の、合わせて6人で登校することになった。6年生の奈緒お姉ちゃんを先頭に、学校に向けて歩いていく。
みんな、ランドセルに裸だった。
僕は彼女たちの間に挟まるような形で、彼女たちをまじまじと見つめていた。
パパやママの教えてくれる通りなら、この女の子たちが、オナニー以上の快楽を僕に与えてくれる法律になるらしいけど。でも、いざオナニーとかペニスのことを言おうと思ったら、ちょっと恥ずかしくなっちゃった。ついには言えず、僕は彼女たちのお尻や生足、ランドセルを見つめるばかりなのだった。
お姉ちゃんや同級生の脚はすらりと細くて、しかし内股は少女らしく膨らんでいて、どこか僕のスッとまっすぐ伸びる脚とは構造が違うみたいだ。お尻は小さく膨らんでいる。僕よりも肉付きがいいみたいだ。
オナニーする時、スカートの太ももや、だらしなくあぐらをかいたクラスメイトのパンチラ、クラスでもかわいい娘の笑顔なんかを思い出しながらやっていると、快感が2倍くらいになる。
今、目の前にそんな生足やお尻、そして垣間見える性器……あらわになっていて、どこかドキドキさせるものの、やっぱり気恥ずかしく、肝心なところが見えそうになると、僕はドキッとして、つい目を逸らしてしまうのだった。
だから、結局太ももとランドセルばっかりに目が行ってしまうことになる。
少女たちも、チラチラとペニスを盗み見ているみたいだった。自分には付いていない器官がめずらしいのだろう。皮を被った肌色のちいさなペニスは、オナニーの時と違って、指先ほどに縮んでしまっている。
教室に入ると、男女ともやっぱり全裸だった。
女子16人のうち、登校しているのは11人だった。男子17人のうち、教室にいたのは、僕と、他に3人だけだった。あとはみんなお休みだって。学校に行かず、来たい時だけ来て、イヤなことはしなくてもよくなったんだから、みんな家で遊んでいるか、あるいは、僕以上に恥ずかしくなって、外に出てこない子ばかりなんだろう。つまり、教室にはいつもの半分くらいしかいないってこと。
「ねえ、男の子いる?」
隣のクラスの少女たちがドヤドヤとなだれ込んできた。隣のクラスの男子は全員休みらしい。このクラスには4人の男子がいる。
「あ、ここのクラスは男子がいるよ! しかも4人も!」
さらに教室に入ってきたのは、上の階から降りてきた6年生の少女たちだった。
よく知っている娘も、顔を見たことはあるくらいのお姉ちゃんも、大勢この教室にひしめいてしまった。みんなとても可愛らしい。顔の造りが以前とは別人のように美しく変わっている子もいた。もともと誰であったかの判別はできるが、肌の質、目の大きさ、顔立ちの整い方が、整形でもしたかのように作り替えられていた。これも、支配者の魔術だそうだ。
3人の男子は、それぞれのグループに連れて行かれた。教室に1人も男子が登校せず、退屈してしまう時、数人登校していた教室から、1人ずつ別教室に差し出される格好だ。この教室には、クラスメイトたちと、僕だけが残った。
みんな、じっと僕を見つめていた。正確には、股間に視線が釘付だった。なんだか恥ずかしくなって、僕は顔を伏せってしまった。
クラスメイトの麻由美ちゃんが、裸で僕の前に立った。
「ね。新しい法律のこと、どのくらい知ってる?」
「えっと……昨日パパとママからちょっと聞いただけなんだ。……お互いに裸って、なんだか恥ずかしいね。」
少女たちがクスクスと笑う。
彼女たちの上半身は、僕とほとんど変わらない。太ももと、股間の大切な部分、オンナの部分だけは、体つきが男子と違っていた。
「あのね。新しい法律、魔族新法っていって、今日からスタートする法律。」
「うん。だからみんな裸になったんだよね。」
「それだけじゃないよ?」
智子ちゃんが横から割り込んでくる。
「エロい法律なんだよ!」
活発な智子ちゃんは、僕や麻由美ちゃんがおずおずと言い出せなかったことを、ハキハキと言い切ってしまう。
「そうだよ。男と女がもっと包み隠さずに自由にエッチできる法律なんだ。」
麻由美ちゃんが、やっとはっきりと言い切った。
「……」僕は、余計に恥ずかしくなった。
「だから、授業も勉強もナシ! やったね!」
運動好きのゆいちゃんが手を叩いた。
好きな時に、好きなだけ、堂々とエッチになれる法律。なんだか気恥ずかしくて、僕にはとても、堂々とできる自信がなかった。彼女たちの姿や笑顔を思い出して、やっぱり後でオナニーする方がいい気がしてきた。
「そう……でも興味はあんまりないかな。勉強しなくて済むのは僕もうれしいけど。」
僕は冷ややかにそう言って、自分の席に座ろうとした。
「違うよ?」
智子ちゃんがぬずいっと、僕の間近に来た。
胸はぺったんこだけど、首もとで束ねたツインテールが可愛らしい少女だった。
「興味とかじゃないんだ。勃起って知ってるよね? おちんちんが立っちゃったら……」
智子ちゃんたちはさらに下を向き、萎えたままのペニスをじっと見つめた。
「?」
「立っちゃったらね、絶対に女の子がペニスを射精させなければいけないって法律なんだよ?」
「ええっ!?」
それは初めて聞いた。パパもママも、そこまではっきりとは教えてくれなかった。
魔族新法はエロい法律。しかも、ペニスが勃起したら、必ず女の人に射精させて、魔族にエネルギーを送らなければいけないって決まりだったんだ。知らなかった。
「それでね……」
麻由美ちゃんがすっと僕の横に立ち、僕の手を取った。
「女の子は、男の子を立たせて、射精させると、すっごいイイ気持ちになれるから、積極的に勃起させるように促されてるの。」
「男の子もすっごい気持ちいいらしいよ?」
「えっでも、女の子の方が気持ちよくなるっとママが言ってた!」
「本当!?」
とっかかりがつかめていなかった女子たちが、やっと堂々と僕を誘惑できる算段が付いたので、一斉にわいわい集まり始めた。
スリ……
「!!」
ぞわっとする感覚だった。今までに味わったことのない感触。
麻由美ちゃんが僕の手を引き、自分の太ももや内股にあてがって、その肌触りを味わわせ始めたのだ。
スベスベでやわらかく、弾くような弾力、吸い付くようなみずみずしさがあった。
「見てえ!」
智子ちゃんが机の上に片足を乗せ、大きく脚を開いてみせる!
「ああっ!」
今までチラとしか見ることのなかった、少女のオンナが、僕の視界に大きく飛び込んでくる!
ワレメの奥は、桃色の複雑な器官になっていて、ワレメの先端に突起もついているのが分かった。生まれて始めて見る、ピンクのきれいな器官だった。
パンツの奥を夢想したものではあるが、まさか実際に、じかにこの目で見ることになるとは、夢にも思わなかった。
「知ってる? 女の子のココに、勃起したチンチン入れると、すっごいイイ気持ちなんだって!」
「あ、それ聞いたことあるー!」
少女たちははしゃぎ始めた。
「い、いや……そんなの無理だよ……」
僕は思わずたじろいでしまった。だが、麻由美ちゃんがぎゅっと僕の手を握りしめて離さない。バレエでもやっていそうな、細くて長い太ももを、僕はずっと撫でさすり続ける羽目に陥った。
ようやく、事態が飲み込めてくる。
周囲に目をやると、10人以上の女子が、僕1人めがけてぐるりと取り囲んでいる。
クラスメイトたちは、みんな僕と同じような上半身をしていたが、その肌の質や肉付きが、どこかで男女を隔ててしまっている……そんな気さえしてくる。
しかし、絶対確実に言えるのは、下半身はもう、完全に別物になっているということだった。少女たちの太ももは、麻由美ちゃんと同じような膨らみと弾力を具え、みんな触り心地良さそうだったし、わずかずつ形は違うが、智子ちゃんのオンナと、少女たちのそれとも同じように見える。
もし、その中にペニスを入れたらいい気持ちになるってことは、10人の女の子それぞれの体でペニスが気持ちよくなれるってことなのかな。
僕は智子ちゃんの内股や太もも、オンナ表面に手や指を這わせ、その柔らかさや質感が、麻由美ちゃんと同じであることを確かめた。つまり、女の子は全員、僕にとって気持ちいい体をしているということだ。
オナニーの時にさんざん詳細に思い出していた少女たちの太ももが、今はじかに触ることを許された部位となっている。触らないわけには行かなかった。
「あふっ……くすぐったくて……いい感じ……ねえ、もっと上の方を指で触るんだよ? こう……」
オンナのワレメ先端についている、ちいさな突起に向けて、智子ちゃんは僕の手を引いた。その突起をくすぐるようにかわいがると、智子ちゃんは体を震わせて顔を上気させた。オナニーをしている僕と同じ反応だった。きっと彼女は気持ちがいいのだろう。
すると、後ろからゆいちゃんが近づいてきて、僕の太ももの間に、すらりとした生足を滑り込ませてきた!
「あぅ!」運動で鍛えた太ももは、しっかり引き締まっていて、それでいてツルツルで心地よい感触だった。僕は両手に少女の足の感触を刻みつけられながら、同時に自分の脚でもこのシコシコした心地よい肌触りを味わわされるのだった。
「ほら。おちんちん大きくなってきたよ?」
ペニスがくすぐったく反応する。勃起したら、この少女たちにいい気持ちにさせてもらえるんだ。しかも自分のオナニー以上だと聞かされている。その期待感、興奮度が高まっていって、股間がさらにくすぐったく疼いていく。
「大きくなったね?」
麻由美ちゃんが頬を赤く染めながらも、じっとペニスを見つめている。おもむろに彼女は、手を伸ばしてペニス先端の皮をつまみ、きゅっと強く力を入れてきた。
「んあ……」
僕は麻由美ちゃんのオンナ表面や生足を撫でさすりながら、腰を突き上げて彼女の指に身を任せてしまう。快楽への期待以外は全部吹っ飛んだ。
ちょみちょみちょみ……
麻由美ちゃんは僕より背が高く、腕も長い。しなやかで、つるつるで、指先は太いけれども、とってもやわらかくて、触られ心地がいい。
パパとママの言った通りだった。自分でオナニーするより、女の子にしてもらう方が、何倍も気持ちいいっ!
麻由美ちゃんはペニスの皮先端を親指と人差し指でつまんで、ぎゅうぎゅうと先端に押しつけるようにして、ちょみちょみと揉みしだいてきた。
すると、まわりの少女たちは、一斉にその様子を凝視して、右へ左へとぴょこぴょこするペニスを、目線でじっくり追いかけるのだった。