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侵蝕してくる姪の誘惑 第一部



 SDGsが叫ばれてしばらくが経過した。期限は2030年。そこからすでに、10年以上が経過している。

 多くの人は、「そんなことがあったな」程度で、ほとんど気にもとめずに、タイムリミットをやり過ごし、持続可能な開発目標など遠い昔の話として、すっかり過去のこととして片付けてしまっていた。

 世界も地球も、思ったほど深刻な変化が訪れたわけではなかった。

 生活の質は、それほど変わらない。大きな災害や天変地異が連発することもなく、資源の枯渇もない。途上国は相変わらず、かつてのままの食糧難である。

 それもそのはず、それらの貧困地域のほぼ100%が軍事過激派組織に牛耳られて、必要な支援物資はすべて横取りされ、マシンガンだけが物を言う世界だったからだ。かつてよりそのままだったため、飢餓国に食糧が行き届く道理は、初めから存在していなかったんだ。

 それを無視した開発目標だったために、初めからできもしない目標、空論にすぎなかった。先進国の暮らしぶりも、結局のところ、21世紀前半とほとんど変わらない日常が続いていた。

 せいぜいのところ、リモートワークが格段に進み、ほとんどの人が家にいるか遊びに行くか、仕事上必要な出先ではAIロボットによる遠隔操作で、ほぼすべての業務をまかなうことができるようになったくらいが、2020年時代よりも進歩したところかな。

 それ以外の状況は、ある点を除いて、20年代と全くといっていいほど同じだった。そうそう時代は、変わらないものなのだなあと改めて感じさせられる。格差社会も相変わらずだ。

 外国でもいくつかの変化があったものの、人類存続の危機に至るような、深刻な事態は、外国ではほとんど発生しなかった。あの開発目標はなんだったのかと、世界中の人々がこれを嘲笑するばかりで、誰も何も反省することなどありはしなかった。

 目先さえ、自分たちさえ良ければそれでいい。その「取れるだけ取り尽くす」経済姿勢は、結局何ひとつ変えることができなかった。エネルギー枯渇問題と食糧問題がダメージにならなかったため、人々はこれをあまりに軽視し、SDGsを過去のタワゴトとして片付けるに至った所以である。

 そうやって10年の歳月が流れる。

 日本で、当時の学者たちさえ予想もしていなかった事態が起こり始める。よりによって真っ先に日本が、地球環境の変化に、いちはやく反応してしまった形だ。

 学者たちは、地球環境の変化を、二酸化炭素やエネルギー、食糧といった部分にばかり注目していた。彼らがノーマークだった自然物がある。まさか、地球環境破壊の結果が、このような微粒子から現れ出ずるとは、誰ひとり予想できていなかった。完全に想定外だ。

 花粉である。

 かねてより花粉症には、多くの日本人がアレルギー体質を持ち、悩まされてきた。しかしそれは、地球環境変化とは無縁の、全く別のものとして片付けられていた節がある。

 そのせいで、SDGsに失敗して以降、識者どもは「このままではマイクロプラスチックが、食糧が、エネルギーが、、、」と警鐘を鳴らし続けてきたものの、「花粉がさらに脅威となる」ことを予想した人間はゼロであった。

 ある時期を境に、人々は花粉症から完全に解放された。目のかゆみも鼻のムズムズも、クシャミをする人も完全にいなくなった。

 多くの人はそれを歓迎した。いくら花粉を吸い込んでも、誰ひとり症状が現れず、炎症に苦しむ人がいなくなった。それを喜びこそすれ、脅威と捉える人間はいなかった。

 花粉が自然と突然変異を起こすことなど、まれな現象だというのが、当時の常識だったようだ。

 どの植物の花粉も、ほぼ同時に、急激な変異をした。機能は変わらないけれども、つまり植物自身の繁殖には何ら影響はなかったけれども、人間だけには、ある深刻な影響を及ぼした。

 花粉症として人間を苦しめることをやめた花粉たちは、その代わりに、体内に延々と蓄積させ、集団で、人体に悪影響を及ぼす機能を獲得するようになった。蓄積微粒子のため、対症療法がなく、気がついたときにはもう遅い、とされる類の症状だった。

 そうでなかったなら、花粉が飛び交う中であっても、人々はそれをものともしない治療法を確立できていただろう。細菌やなにかとは根本的に異なる。

 かつて花粉症に苦しめられていた人は罹患しにくい体質になっていたが、そうでなかった人には、急激に強い影響が現れ始めたのである。環境の変化はじわりと、自然物の見えないところに変化を及ぼしていた。

 それが人命に大きく関わることが、研究結果で示されたときには、もう遅かった。

 影響は特に、男性に大きく現れた。染色体の関係からか、男ばかりが付け狙われるように、重篤な心臓麻痺を起こすようになったのである。

 花粉症にならない代わりに、とつぜん、男がいなくなっていく世の中になった。長生きした男女に強く影響が現れ、さらには男児の夭折も目立ち始める。人口は目減りし、一時パニックに陥った。

 ようやく、死を免れる強力な薬剤が開発され、パニックは収まった。

 ただし、あまりにも強力すぎるために、人体への悪影響はどうしても避けられなかった。

 その結果……社会の人口構成は、予想とはまるで違うものに変化してしまっている。

 高齢者にさしかかっていた団塊ジュニアは、年金を受け取る前に3分の2以上がいなくなった。若者の負担は減り、超少子高齢化社会を免れる。平坦で型どおりな人口比率となり、一見、理想的なグラフを描くようになっている。

 だがしかし、大きな問題が立ちはだかっていた。

 男女比である。

 人口自体は年齢別比率がそれほど変わらず、減少はしたものの安定性を維持。しかしながら、花粉ディスアスターによって、多くの男が犠牲になって、社会は女性ばかりになってしまっていた。

 もっとも突出しているのが20~30代女性。それ以降高齢になると、新花粉症の犠牲になるか、対症ステロイドの副作用で寿命を縮める結果になる。次に多いのが10代女子。同世代男子もまた、新花粉症と薬剤の犠牲になっている。

 死はずいぶん身近なものになった。このまま行けば心臓がやられる、薬に頼るしかないが、一定の確率で多臓器不全の可能性が残っている。ただし、心臓麻痺よりははるかに少ない確率なので、人々は注射を受けて過ごす選択をした。

 不思議なことに、症状は女性には現れにくかった。ただ、年を重ねると蓄積した花粉の犠牲になる可能性が残ってしまっているので、やはり予防接種は避けられない。

 男よりも生存率が極めて高く、若いうちの致死率は花粉だけで100000分の1、投薬で10000000分の1に下がる。40をすぎるとこの数字が急激に悪化するので、油断はできなかった。

 長生きしたければ接種するしかないのは、男女とも変わらなかった。ただし、男性は注射を打っても、女性よりはるかに、長生きが難しい時代になった。

 それ以外は、ごく普通の日常生活だ。人間というものは、死が身近であったとしても、極力それを意図的に無視して過ごそうとする習性があるらしい。

 死への恐怖が目先の欲と義務に埋もれ、しだいに意識されなくなっている。人命よりも経済。20年以上前の疫病のときも、同じ感覚に陥る者が多数いた。今の花粉ディスアスターも、これとさのみ変わらないってわけけだ。

 社会全体が、正常性バイアスに陥っているのは間違いなかった。

 こうして、若者の男女比は、だいたい1:20くらいになっている。若い男1人に対して、女子は20人以上。深刻な「女余り」が顕在化していた。ちょうど1990年代以降に同じような男余りが30年以上続いたが、この男女が逆転した格好である。

 若い男は相手の女性を選ぶのに困らなかったし、選ばれる立場として、女子たちからの告白を待っていればいい身分になる。毎日モテまくって困るくらいの天国を謳歌できた。

 一方、花粉ディスアスターは、さらなる追い打ちのダメージを日本社会に与えた。対症薬剤の副作用として、無精子症に陥る確率が30%、卵子が受精卵に変化しなくなる確率が87%に達し、妊娠する可能性が地に落ちてしまったのである。

 次世代が産まれないかも知れない、という危機感は、連日新聞やネットニュースに書き立てられ、社会問題化する。しかし人々は、それを良いことに、コンドームを装着しない生殖行為を楽しむばかりで、ほとんど深刻に受け止める者はいなかった。

 法改正がなされ、男性から女性に対して強制的に性交を仕掛けることは違法のままだが、女性から男性に対して性交を誘い、これに男性が応じた場合は、男女とも罪に問われないことになった。

 生まれた子供は社会全体で育て、夭折しないように細心の注意が払われることになった。さらに、後者の場合、女性の年齢は、妊娠可能(10歳以降)であれば、いかなる制限も設けられなくなった。

 次世代の繁殖がそれだけピンチに達していることを、頭脳明晰な首脳部は理解していたのである。

 花粉ディスアスターは、我々の日常を平穏なものに保ちながら、人口構成と性への意識を大きく変えることになった。

 そうして……我々は、そうした事態にも関わらず、あいかわらず、我関せずとして、「いつもどおりの日常」を送っている。平素と同じ感覚で過ごそうとするのも、人間の特性らしい。

 僕もまた、そういう幸運な男の一人だった。副作用もなく、無精子症でもなく、一日数時間、家で仕事をして、たっぷり給料をもらって、あとは自由な時間を過ごすだけの、インドア派のノンビリした日常生活を送っていた。

 一時期、結婚をしようと目論んだことがあるが、周囲のすべての女性から嫌がられ拒絶され、相談所に登録しても50代の女性しか残っておらず、しかもその女たち全員が「社会的体裁のため」に再婚をしようという連中ばかりだった。

 僕も40をすぎ、ここまで女に拒絶され続けるのなら、もういいやと、完全に諦めて、ゆったり家でちょこちょこリモート仕事をして、細々生活する生き方を望んでいた。

 そこへ来て、この花粉ディスアスターである。

 死ぬことになっても構わないと思って、普通に過ごしていた。死ななかった。ステロイドが開発され、副作用を心配したが、何ともなかった。副作用の少ない薬剤は、まだ開発に成功していない。これを頼りにするしかなかった。

 登録した相談所から、次々とハナシが舞い込んでくるようになった。どうやら、花粉ディスアスターで夫を失った女たちが殺到してきているらしい。なにをいまさら。僕は相談所の退会手続きをし、結婚願望を完全に捨てた。

 あれだけ半狂乱になって伴侶を求めたにも関わらず、あんなに憎悪されたんだ。状況が変わって手のひらを返してきたって、もう知るもんか。いくら資金を吸い上げられてきたと思ってるんだ。アホか。

 20代女性たちは平然としたものである。結婚できなくてもいい、彼氏がいなくても構わない、やはり90年代から続くこの通念的感覚は、未だに大人の女性たちを支配し続けているようだった。

 花粉ディスアスターのさなかでも、あまり変わり映えはしていないように思えた。ただ、若くして旦那や恋人を失った女性たちも多くいて、それだけはちょっとかわいそうかな。妊娠できないので、彼女たちの多くは母親になることもできなかったようだ。

 本当に焦っていたのは、多感な少女たちの方だった。

 恋愛をしたい真っ盛りの世代なのに、相手の男がほとんどいない状況に置かれてしまっている。達観して、いなくてもいいと20代後半になれば思えてくるのだろうけれども、まだそこまで行っていない娘たちは、おおいに困惑したようだった。

 運良く生き残った2,30代大人の男性と、子供から高校生までの女子カップルが頻繁に誕生した。彼女たちは、年の差をものともせずに、頼りがいのある大人の男を積極的に誘い、恋人関係にこぎ着けるようになった。

 また、醜い奪い合いになって自他ともに苦しむことを避けるため、自分の仲良しや知り合いの女の子なら、その男性に浮気させることを許す風潮が高まっていた。男シェアリングと呼ばれ流行する。

 若娘たちは、一人の男を共有し、否むしろ、友人の恋人に抱かれても許される環境下で、積極的にさまざまな異性交遊を楽しむことができたのだった。もちろん、肉体の関係も遠慮なく次々連鎖・発展したようだった。

 もっとも、そもそも家にいて仕事するだけの日常、ヒマなときはネットゲームばかりしている僕には、関係のないことだ。すっかりオジサンになってしまったことだし、出会いなんて望むべくもない。世の中がどう変わろうと、僕は一人で生きていくのさ。

 ……と、いいたいところだったのだが、孤独を楽しめる時間は、だんだん削られていくことになる。

 「親戚の集まり」が急激に増え始めたのだ。

 花粉ディスアスター以降、生き残った親族が集まり、父方母方問わず、ことあるごとに集合して飲み交わし談笑するパーティーが増えた。職場で一度も会ったこともないような同僚たちと会って話す以上に、親類たちと顔を合わせる機会が格段に増えた。

 どうも、こうした異常事態により、多くの親類が失われていく中で、社会的に、親戚の結びつきというものが見直され、強く意識されるようになったようである。

 これほど頻繁な親類の結びつきは、戦前の日本で多く見られた。こういう所に日本らしさと、この社会が危機に瀕している意識の表れが見て取れる。

 かつてはほとんど会ったこともないような伯父、叔母、亡くなった祖父の妹(奇跡的に生き残った)、遠縁の血筋の人間と、僕は次々知り合いになっていった。

 家族でさえバラバラに住んで過ごしている中で、その家族も含めて親戚一同が会場に集まることがめずらしくなくなっていった。

 おそらくは僕みたいに、この花粉ディスアスターでさらに孤独を深めていく人間は何万人もおり、それを防ぐために自然と通念が働いて、大昔のような親戚会合が復活して、一種のセーフティネットとして役立っているのだろう。

 久しぶりに妹に会った。妹夫妻は壮健で、花粉の犠牲にはならなかった。が、この夫婦の一人息子の葬儀には参列した。それ以降は連絡を取り合っていなかった。

 僕は妹と少し話をした後、そのまま距離を取った。仲が悪いわけではないけれども、あの悲劇のあとでは、かける言葉もなかなかに見つからないんだ。

 その代わりに、妹と仲の良い、いとこの女性があれやこれやと、彼女を慰めているようだった。母の姉の子。既婚。そのいとこと妹が昔から気が合って、良く連絡を取り合い話も弾むらしい。いとこには一人娘がいて、たしか……あの娘だ。

 華奢な体つきながら、お尻がプルプルと膨らみ、半ズボンの生足はすらりと、綺麗にもっちもちの女らしさを具えている。もう少ししたら6年生になるくらいだったかな。

 上半身はペッタンコの痩せ型だけれども、下腹部だけ急に女性らしい膨らみを覚える、まさに思春期始まりたての、かわいらしい女の娘だった。

 名前は……ええと……たえちゃん、そう、多恵だ。以前会ったときには、花粉の前、まだ学校に上がって少ししたくらいだから、顔立ちの整い方から美人に成長するだろう、でもまだまだ童顔だな、かわいらしいなと記憶した。

 その稚い童顔は健在ながら、露出度の高いキャミソールと短パンの元気な女の娘は、会場のハジッコでひとり、ポータブルゲームをしている。

 同じくらいの子供はほとんどおらず、乳幼児が何人かいるくらいなので、彼女も孤独だ。彼女の父親は、花粉の犠牲になった。

 少女は壁に向かって、周囲の大人たちと積極的なコミュニケーションを取ろうとせず、ゲームに打ち込んでいる。お尻をこちらに向けているので、僕からは彼女の臀部の膨らみがよく分かった。

 きれいな素足は、しっかり毛の処理を施してあり、ツルツル吸いつくような肌触りに変貌していた。

「……。」

 話しかけてくる大人はいない。父親を亡くした娘にアレコレ話そうとする大人は、僕を含めて皆無だった。たのしく会話する、という雰囲気には、まだなれるはずもないんだ。

 僕もゲーム機を取りだした。親類の集まりに顔を出さなければ、死んだのではないかと思われてしまうので、しぶしぶ参加している身だ。早く時間が過ぎるのを待ちわびるように、僕も好きなネットゲームを始める。

 ああ、きっとたえちゃんも、おんなじ気持ちなんだろうなぁ。

 ピコーン!

”近くに同じゲームをしているユーザーがいます。友だちになりますか?”

 ゲーム画面にメッセージが出る。これは、近くの人と一時的に一緒にプレイができる自動追跡機能だった。

「・・・」

 辺りを見回すが、ポータブルをいじっているのは、僕とたえちゃんだけだった。たえちゃんも、くるりとこちらの方を見て、周囲をうかがっている。そして、同じ機種を手にしているのが僕だけだと分かると、すたすたと歩み寄ってきた。

「……お兄さんも、”スターになろう! ザ・ソルジャー”やってるの?」
「あ、ああ……まちがいなく僕もスターソルジャーだよ。」
「やっぱり! ね、友だちやろうよ!」

 僕たちは”友だち登録”をした。一時的にではなく、ずっと友だち登録の形式にした。

 たえちゃんは僕の横に座り、ボーンガガーンとゲームに熱中する。僕も彼女に合わせて、一緒にコントローラーを動かし続けた。

「ヘンなゲームだよね。アイドルをめざす女の子たちが、何故か戦闘機に乗ってシューティングまでさせられて、その結果でファンの人気度が変わるんだから。」
「まぁ、そうだな……おっと、たえちゃん、そのガイコツは全部打ち落としておくとレーザー5方向連射できるようになるよ!」
「ほんと!!? やった☆ これ無敵状態じゃない! お兄さん物知りだね!」

 カチカチカチとゲームを進め、僕たちはどんどんステージをクリアした。

”やったね! ふるーつばすけっとの人気、あの最大ライバルのくりぃむオタベの好感度を抜いたよっ”

 ぴろりろり~ん♪

「やった! 勝った! お兄さんのおかげでクリアできたよ! ありがと!」
「ああ、がんばったな。」

 ・・・つくづく、おかしなゲームだ。

「お兄さん、私、もっといろいろ知りたいな! ね、また一緒にスタソルしようね☆」
「そう……だな。」

 いま気がついた。

  たえちゃんは僕のことを、おじさんではなく”お兄さん”と呼んでいる。

 僕が年齢よりもずっと若く見える外見をしているからなのか、他の意図があるのかは分からないが、たえちゃんは僕にとっては姪――厳密には異なるが、限りなく姪――に当たり、僕は彼女から見ればオジになる。おじさんというのが正式な呼称なのだが……ま、気にしなくてもいいか。

 僕は初老。たえちゃんは11歳。三十数歳も離れている。これだけ世代が違うと、話が合わないものなのだが、ゲームは共通語として、僕たちを繋いだようだった。

 それから数日が過ぎた。

 電話がかかってくる。妹からだった。

「きーさんが、多恵を預かって欲しいんだって。お見合いするから。」

 きーさんとは、いとこで妹と仲が良い女性だ。多恵の母親に当たる。きーさんは器量も良く、子孫存続が危うい中で、子供がいる母親というのは、かなりの強みになるらしい。再婚相手には困らないようである。

「お前が預かるんじゃダメなの?」
「多恵が嫌がってるんだよ。兄貴じゃなきゃ嫌だって言ってる。……なんかしたの?」
「いや……ゲームしただけだよ。」
「ふうん……まぁ、このご時世なら……うん……ロリコンめ。」

 ガチャン! 電話が一方的に切られる。

 なんだよ。

 ロリコンじゃねーよ。

 まったく・・・朝から不愉快だ。

 一昔前なら、決して許されないシチュエーションでもある。姪とはいえ、男女を野放しにするんだからな。大人の方がよほど自制心を強く持って事に当たる必要がある上、そもそも親がそれを許さないだろう。

 花粉ディスアスターのせいで、男女同衾も相当に緩んでいる時代になった。10歳以上の女子を抱いても合法だ。運良く妊娠に至れば、注意深く死なないように育てる機構が確立している。

 親元を離れて育てられるシステムだが、そうしなければならないほど、次世代の子供が誕生しにくい状況であることを、改めて危機感として募らせざるを得ない。

 もっとも、僕はロリコンでもないので、たえちゃんを異性として抱きたいとか、意識しようとはサラサラ思わないけどね。ただの子供、遊び相手で一時的に預かるだけだ。彼女を異性として意識するなんて、とんでもないことだ。

 僕は自分にそう言い聞かせて、たえちゃんを迎えにいった。

「ここがお兄さんの部屋なんだね。」
「あぁ。大人しくゲームしててくれよ?」
「一緒にやってくれないの?」
「悪いけど仕事なんだ。」

 時間になるとPCに向かう。どんな仕事でも、力仕事でも、いまはAIロボがやってくれる。人間はそれをカメラで見ながら、遠隔操作するだけで済んでいた。労働時間はお昼まで。長引いても14時には終わる。

 それ以降は自動プログラムで、勝手に処理が進むし、アクシデントがあれば、「午後だけ勤務する勢」や「夜だけ勤務する勢」が対応に当たった。仕事は短くて済んだ上、基本給が高いので、生活には困らない。

 姪のたえちゃんは部屋の隅で、音を出さないようにゲームに熱中している。

「・・・ねえ、たえちゃんは友達と遊ばないの?」
「……いない、から……」
「あ、そ、そう……なんだ……なんかごめん」
「いいよ」
「……。」
「うっそ☆ 友だちはいるよ? でも、いまは、お兄さんと一緒の部屋にいたいだけなんだよ。」
「あ、あっそう……」

 う~ん……

 なかなか話しづらいのは、世代ギャップなんだろうか。

 友達がいないのは本当なのだろうか。あるいは、いるとしても少ないか、年長なのか、あまり付き合いがないのは本当のようだ。彼女に連絡メールを送ってくる人がほとんどいないことからも、それが理解できた。

 花粉のせいで、父親もいなくなり、たえちゃんは余計に淋しい思いをしているのかも知れない。

 時間になった。やるべき作業はすべて終わらせた。今日の仕事はこれで完了だ。

「・・・ふう。」
「おわったの?」
「ああ、終わったよ。」
「じゃあ、これやりたいっ!」
「ぉい・・・それって……」

 たえちゃんがカバンから取り出したのは、ごつい機械だった。いそいそとテレビに繋いで、スイッチオンにする。

 ぴこーん!

 彼女が生まれる遙か昔に、というか僕が生まれるよりも前に存在した、ふる~いゲーム機だった。端末にフロッピーディスクを入れて、ゲームをするレトロなやつで、500円あれば別のゲームに書き換え可能なタイプだった。もちろんいまは滅亡している。

「……おい……よくそんなの持ってたな。てかまだ稼働するのか。」
「ね。お兄さん、私と対戦しない? 負けたら罰ゲーム!」
「えぇ・・・」
「どんな罰ゲームかは、勝負が付いてのお楽しみ!」
「レースゲーム、か……」

 ドット絵だけで表現されたカーレースゲーム。僕は彼女と、このレトロゲーで勝負することになった。ゲームは好きだが、稼働する現物を見るのも、もちろん操作するのも初めてだった。

 ぶいいいいいいん・・・・・・

「なっ……、た、たえちゃん、このゲーム、かなりやり慣れているなッ!? し、素人の動きじゃあ、ないッ!」
「へへへー! すごいでしょお! 私のおじいちゃんが買ったヤツで、パパが直してくれたんだ。まだ稼働しているのは、パパのおかげ。このですくシステム機は、パパの形見なんだよ。」
「……。」
「ちょっとハンデあげる。お兄さん、このゲーム初めてだもんね。私は慣れてるけど。ほら。」

 たえちゃんはわざと、コースを数回外れてくれた。それによってタイムが伸び、数周回遅れで彼女のマシンが僕に追いつこうとする。よ、よし、ここまで差が付いたなら……

 ぶううん! ごーーーる!

 レーシングカーがゴールに達する。あと10センチのところまで、たえちゃんのマシンが僕に追いついていた。もう少し僕が油断していたら、あれだけハンデをくれたのに、僕が負けるところだった。

「あはっ、ハンデあげすぎちゃった。私の負けだね。じゃあ、罰ゲーム、ね。。。」

 たえちゃんはすっくと立ち上がり、急に半ズボンのホックを外すと、白いパンティ姿になった!

「なっ!!! なにを……して……」
「罰ゲームだよー! 昔、脱衣ゲームがあったの知らない? 負けた方が脱ぐの。で、次の勝負では、脱いだ相手の姿を見ながらプレイするから、そっちに気を取られて自分が負けやすくなるんだ☆」
「だっ、だめだよ、たえちゃん、そういうのはナシ! このご時世でも、僕はそういうつもりでは……」
「へへっ、私は、ね・・・・・・」

 間髪入れず次のレースがスタートする。

「今度は、ハンデあげないからね。1回プレイしたんだから、操作方法はだいたい覚えた、でしょ?」
「い、いや待って……そんな……そんな……」

 次のレースでは、僕がミスをしまくった。

 たえちゃんはわざと僕の視界に自分の身体が見える位置に座り直し、余裕でマシンを操作する。

 彼女のキャミソールから、脇の下、ツルツルの腕、おへそがチラチラと見える。意図的にのぞき込んだら、膨らんでいない胸のぽっちが見えてしまいそうだった。

 それに加えて、半ズボンを脱いでパンツ姿になったので、たえちゃんの生足が今以上に露出され、女らしい膨らみをたたえたヒップも横尻も、さっき以上に肌面積広く、僕の視界に飛び込んできてしまう。

 僕はどうしても、たえちゃんのあられもない肌をチラリチラリと見てしまい、あわよくば乳首を覗こうという本能が働いてしまって、数秒も目を離してしまう。マシンは側溝に落っこちて、十数秒ものロスが生じ続ける。

「あれれ。お兄さん、さっきのスピード感はどうしたの? もしかして、私のカラダを見て、気を取られちゃってるのかなー☆」

 ごーーーる!

 今度は僕の完敗だった。

 たえちゃんの方がはるかに早く、ゴールまでたどり着いていた。

「じゃあ、罰ゲームね。脱いで♥」
「だっだめだよっ……こんな……こと……」
「ふぅん。イヤなんだ・・・じゃあ、代わりに私が脱いで、おっぱい見せちゃうけど、いい?」
「だめだめだめえ!!!」
「じゃあ脱いで!」
「うぅ……」

 致し方ない。僕はズボンを脱いで、ボクサーパンツを露出させた。たえちゃんの肌や生足が気にはなったものの、ロリコンではなく、小学生の姪の肉体に激しい欲情を催したわけでもないので、ペニスはまだ、硬い反応を示していなかった。

「ふーーーん……ねえ、お兄さん、私のようなガキは、好みじゃないの?」
「こっ、好みじゃ、ない・・・」
「そうだよねー、ちんちん勃ってないもんね。仕方ないか、もっと成長して女の子らしくならないと、魅力出ないよね。」
「だ、だから、もうこんなことやめようよ……」
「じゃあ、お兄さん、女の子供がいかにいい気持ちにできるか、男の人を満足させてあげられるか、誘惑してあげる!」
「ノー! そういうことは、若いやつにしておくんだ。」
「若いやつなんて、もうほとんどいないよ。知ってるでしょ。私のクラス、男子いないんだ。」
「じゃ、じゃあ、仕方なくこんなオッサンでも相手にするかって感じなのか!?」
「……違うよ? 私、お兄さんみたいに頼りになる男の人が好きなのっ! それも、ちょうどパパより少し上くらいの男性が好み。だから、お兄さんが、一番ちょうど良かったんだ。ゲーム同じのをやってるって知ったときは、話しかけるきっかけができて、本当に嬉しかったんだからっ」
「えっ・・・」
「ふふっ……ね、私の魅力、ちょっとは気付いてくれる?」
「そ、そんなワケ……あるか……うぅ……」
「くすくす……」

 たえちゃんは腰に手を当てて、ぐぐっと前屈みになり、間近で僕の顔を見上げた。キャミソールが垂れ下がり、ノーブラの乳首が、つるんと丸見えになる!

「おっぱいはゼンゼンだけど、でも、ちゃんと……女の子の胸なんだから。男子とは違う吸い付き加減だよ? ほら、性徴直前の女子の胸、じっくり見てるね、お兄さん、私の胸に魅力を感じてるんじゃないの?」
「そっ……そんなことッ!」
「がんばるんだー。じゃあ、お尻と脚ならどうかなー? 触ってみて?」
「さわらないっ! さわらないぞおおお!!!」
「見るだけでも、いいよ?」

 たえちゃんは僕の目の前で内股を開き、間近で太ももを見せつけてきた! やわらかそうでシコシコもっちりしていて、完全に吸いつくみずみずしさを具えた、女の脚の形をしている!

 さらに彼女はゆっくりと回転し、小学生らしからぬ肉付き良い膨らみに成長した、女性的な臀部を、パンティ越しに見せつけてくる! な、なんてやわらかそうで形のいい、女らしいお尻なんだっ・・・・

「子供でも、満足させてあげるっ! お兄さん、私のこと、好きになって!」
「だめ・・・だって。」

 花粉ディスアスター前の感覚が残っている。長く生きてきて、こんな小娘を相手に欲情するのは、道徳的にも法的にもタブーだ……という感覚が染みついているため、どうしてもたえちゃんに対して、劣情を催すのは禁断の獣道に思えてしまうのだ。

 たとえ時代が変わって、合法化したとしても、こんな年端も行かぬ少女に性的衝動を覚えるのは、とても恥ずべき欲動にほかならない。

「昨日私、がんばって首から下の毛を全部処理してるから、アソコもつるっつるになってるんだよ?」

 がばっとオンナ表面を、パンティ越しに見せつけてくる! ちいさいながら、しっかり女性器のスジが、彼女のショーツにくっきりと浮かび上がってきていた。

「うあぁ……」

 ぐぐぐっ・・・・

 ペニスが情けなくも、たえちゃんの下腹部のせいで、いやらしく蠢き、テントを張り始めている。

「勃った! 私の勝ちっ!」
「うゎっ!!! ちょっ!!!」

 たえちゃんは急に僕に抱きついてきて、僕を仰向けに寝かせた。そしてすぐさま、半立ちのペニスの上に跨がり、ぐににっとオンナ表面を強く押し付けてくる!

 ペニスはボクサーパンツの中で反り返り、まだやわらかさを保ったまま、たえちゃんの下腹部の圧迫に晒された。

 たえちゃんのパンティ越しながら、ぐにぐにとやわらかな肉の感触や、オンナ表面のぷにっとしたワレメの感覚が、ペニスをホットドッグしながら、上からぎゅううっと押し付けられ、強く圧迫している。

「あうぁあ! やめッ……やめてっ……」
「いいよ。やめてあげる。その代わり、この体勢のままおちんこ萎えてみなよ、お兄さん。私に跨がられても、私に”女”を感じなければ、ちんちんも小さくできるよね。そしたら、私に魅力がないって諦めるから。」

 半立ち状態のペニス。ボクサーパンツと、たえちゃんのパンティの二枚に阻まれ、ペニスとオンナはじかに触れ合っていなかった。

 直接性器の肌が触れ合っていない以上、理性をフル稼働させて、勃起を止め、力んでたえちゃんの誘惑に抗い、ペニスを萎えさせることができたら僕の勝ち。彼女はしっかり諦めてくれるだろう。

 だがしかし、布越しとはいえ、たえちゃんの股間のやわらかさは、しっかりと上から、ペニスにぎゅうううっと押し付けられ、ぶににっとやわらかに潰れている。その圧迫感と弾力が、ひっきりなしにペニスに送り込まれ続けていた。

 たえちゃんの年代であっても、本当に異性を絶頂まで追い詰めることが可能であることを、少女の肉体が証拠としてしっかり示しているのだった。

 これに加えて、たえちゃんのお尻の肌が、僕の腰周辺にじかにまとわりつき、異性の吸いつく感触が、ぐにっと押し付けられている。

 何より、彼女の生足が僕の両脚付け根に貼り付いて、もちもちした弾力と肌触りを、直接押し当ててきているのが、なんとも気持ちよかった。

 こうして、性器、生足、お尻の3重攻撃により、僕は理性を働かせて欲情を抑えるどころか、上からぐっと押さえつけられているペニスを、さらに強く硬く膨らませてしまうのだった。

「また、私の勝ちだね。お兄さん、私の下腹部に、しっかり”女”を感じてるんじゃない。……いいよ、このまま・・・してあげるっ!」

 ずりゅっ……ぐりゅっ……ずりりっ……

「あひ! やめて、ダメ、だめだってぇ!!!」

 たえちゃんは腰を前後にゆっくりこすり始め、だんだんリズミカルに、上下前後に蠢き続ける。生地越しではあるが、メスガキのやわらかな下腹部全体が、ペニスとその周辺を弾力よく押しつぶし、スリュスリュと勢いよくこすれていく。

 摩擦によって、パンティもボクサーパンツも熱を帯びていき、それが彼女の体温と相まって、熱くペニスをこすりあげてくる!

「へへっ☆ お兄さん、すきだよっ・・・このまま、イクまで悦ばせてあげる!」
「たったえちゃん、多恵・・・」

 ぐりゅっ、ずりっ・・・

 生地越しにオンナ表面がペニスを執拗にこすり、やわらかい弾力で刺激し続ける。

 まとわりついて離れないパンティ肉が、どこまでもしつこくしつこくペニスを根元から先端まで、やわらかにぐにぐにずりずりと圧迫しながらこすり立て続け、気持ちいい刺激を送り込み続けた。

「私、知ってるんだよ? ママから聞いた。お兄さん、運良く無精子症になってないんだってね。私の排卵は検査してないから分からないけど、もしかしたら、ニンシンできるかもね☆」
「ぅああ! そ、それだけは・・・」
「どうして? 子供が生まれない社会になってみんな困ってるんだから、ひとりでも多くの子供を作って産んで、増やした方が世の中のためになるじゃない……」
「そ、そうだけっど・・・」

 ち、ちがう・・・なにかが間違っている……でもそれをうまく説明できないまま、股間の快感に意識が持って行かれ、むにむにとひしゃげる少女の臀部を腰に感じ、スリスリとこすれる生足の感触を身に受けながら、僕はひたすらに高められていった。

「うああ!」
「あはっ☆ 触ってるー! 私の太もも、触り心地バツグンでしょおお!! ほら、お腹もちっパイも、すっごい触り心地イイよ? 撫でさすってみてー!」

 僕は言われるままに、少女の全身を撫でさすり、その肢体の心地よい肌触りをとことんまで楽しんだ。たえちゃんのどこを撫でても、もっちり吸いつくみずみずしさが健在で、どこまでも女らしくやわらかにめり込む。

 ペッタンコの胸部でさえ、指が吸いつき、ぐにっとめり込んでいく女らしいやわらかさだ。何より彼女の大きく膨らんだヒップが、もにゅもにゅと揉みしだくごとに、僕の指をめり込ませ、女としての揉み心地をどこまでも演出し続けるのだ。

「うあ! それ以上……したら……ッ!」
「なぁに? それ以上はどうなのー? ほれほれー!!」

 たえちゃんはさらに激しく、シュッシュッと腰を前後させてペニスをオンナ表面でこすりあげた!

 布の感触に阻まれながらも、女子としての肉のやわらか弾力は健在で、そのモチモチした物体が、ペニスを何度も何度も何度も何度もこすりたてリズミカルに摩擦し続けている。

 多幸感がこみ上げても、たえちゃんの動きは止まらなかった。

「出ちゃう! やめてえ!」
「出しちゃえー!! 私の身体に負けちゃえー!」

 どばっ! びゅくるるるるるる! びくんびくんびくん! どぼっごぼぼぼっ……びゅく!

 ボクサーパンツの内側で、大量の白濁液が僕のお腹を汚す。僕はたえちゃんの股の摩擦によって、パンティ越しながら、オンナ表面の感触がこすれる気持ちよさによって、ついに射精の憂き目に遭ってしまったのだった。

 たえちゃんはゆっくり動き、ペニスが律動し終わるまで、やさしくオンナ表面を押し付け、こすりあげ続けてくれた。

「へへー。お兄さん、私の魅力で満足したんだね。ってことは、お兄さんは小学女子のカラダに発情して、しかもパンツで遮られてたのにスマタ攻撃でイッちゃったってことだよね。お兄さんはロリコン。変態。こんな娘に精子出しちゃう子供好きってことが証明されたんだね☆」
「うぅ……」
「もうお兄さんの負け。姪に抜かれちゃったんだから、私とつきあってよ。」
「そんなこと……どうして……」
「平気だよ? いまは姪を抱いても姪で妊娠してもOKだから。もし、赤ちゃんデキたら産んであげるね?」
「うぅ・・・」
「シャワー行こ?」

 僕も姪も汗だくだ。しかも僕の方は、ボクサーパンツの中が汚い汁で目一杯満たされてしまっている。たえちゃんの言うとおりにするしかなかった。

「次の罰ゲームはね。お兄さんが、私のカラダを洗ってくれること♥」

 僕もたえちゃんも全裸になる。まだまだ幼いたえちゃんは、僕の胸部くらいまでしか背の高さがない。

 すらりとした肉体ながら、細っこい全身なのに、腰回りとお尻の膨らみだけが、すっかり女であった。そうして、つるつるに処理された女性器が、僕の目の前であらわになってしまっている。

 精液をシャワーで流し、僕は言われるままに、たえちゃんと抱き合いながら、僕の方が屈む形で、何度も何度もキスを交わした。幼い姪の魅力に負け、心を奪われた瞬間でもあった。

「タオルじゃダメ。手で洗ってね。」

 シャワーを止め、ボディーソープを手につけて、生手でたえちゃんの全身を撫でこすり、摩擦で洗ってやる。首も肩も腕も脇も、お腹も背中もお尻も、足の先までヌリュヌリュと石鹸まみれにしていく。

 たえちゃんの方は僕にしがみつき、僕の脚を小学生足で執拗にこすりながら、僕の愛撫つきの手洗いに身もだえた。大人の男の手による、しかも好きな相手の手で洗われることに、彼女は性的な心地よさを、多分に感じているのだった。

 たえちゃんのお尻を撫でさすり、その内股太ももを洗うと、女らしい心地よい感触が、僕の両手にじかに伝わってくる。間近でじっくりと、彼女の平たい胸や、露出されたお尻、そしてあらわになったオンナ表面を見続け、指先で丁寧に洗ってあげる。

 相手がもうすぐ12歳のコドモであることなど、すっかり頭から吹き飛び、その肢体のあまりにも異性的なパーツの数々に、ひたすら心を奪われ続けてしまっていた。

 僕は椅子に座らされた。そしてその腰元に、たえちゃんがお尻を向けて重ねて座ってくる。そして・・・。

「うあああっ!!!」
「ほらほらー☆ じかに生足でシてあげる! お兄さん、気持ちいいでしょお、小学生の脚って、もうこんなにちんちんをいい気持ちにできるんだよー!」

 たえちゃんは石鹸でにゅるにゅるになった生足内股で、ペニスをじかに包み込み、挟み込んで、左右の足を交互に上下させて、小刻みにペニスをしごき立てた!

 イッたばかりとはいえ、まだ射精できそうだったペニス。身体の奥底に、生殖用の体細胞が、わずかながら残っている感覚。

 たえちゃんは、そんなほんの少しの体液さえも、自分の素足で絞り取ろうと、きゅっと内股でペニスを包み締め、ぐにぐに左右の足を動かして、一気にイかせにかかろうとしてきた!

「あはっ、お兄さん、私の平べったい胸も好きになったみたいだね。にゅるるんといっぱい撫でさすってくれて、私もいい気持ちっ……もっと続けて……ね?」

 ぐにぐにぐにぐにぐにぐに……

 ペニスは小娘の小さな太もも、それでいて女としてシコシコ完成した素足+石鹸の滑りで、しつこくしつこくペニスをこすりあげてくる!

 ペニス先端が時折顔を出し、たえちゃんの内股に翻弄されると、グニュグニュと蠢く内股の刺激の中で、再び脚の中に埋没していく。

 ピンポイントで、しかもじかに内股の弾力がペニスを揉みしだき、こすりあげる刺激によって、僕はさらに強い多幸感に押し包まれてしまうのだった。

「うああっ……たえちゃんの、脚とお尻が気持ちいいっっ!!!」
「私のこと、好きになって!!!」
「多恵! たえちゃん……すき」
「大好きだよ、お兄さん!!!!」

 びゅく! ばしゃっ! ビュルル!

 さっきよりも激しい律動と、素早い脈打ちがペニスを襲い、股間の奥までキュンキュンと強い快感が突き抜ける! 僕は何も考えられなくなり、姪の脚の間で絶頂の快楽に没頭した。

 さっきたくさん射精してしまったので、彼女の脚からは、ごく少量の精液が出たに過ぎなかったが、ペニスはそれに見合わずいつまでも、はげしくビクンビクンし続け、出尽くしてこれ以上体液が出なくなった肉棒が、ただただ素早く、律動の運動をくり返すばかりとなった。

「はあっ……はあっ……はあっ……」
「あふっ……いいきもち・・・さいっこうの、気分だよ、お兄さん。」

 たえちゃんは絶頂を迎えていなかったけれども、精神的な満足感だけで、天国にいるみたいにほわほゎになった。彼女はそれだけで十分満足だった。僕は肉体的に出し尽くし、すっかり姪の肉体の虜になって、同じく強い満足感に脱力していた。

 石鹸を洗い流し、全身を拭いて、服を着る。その間じゅうも、僕はたえちゃんの肢体、生足、お尻を凝視し続けた。

 身体を拭いている間も、股間の割れ目をじっと見ていた。パンツを穿くときの、お尻のぷるんと弾ける弾力も見逃さなかった。キャミソールが彼女の背中を隠す瞬間まで、その肌の質感を脳裏に焼き付けた。

 僕は……自動的に、たえちゃんの彼氏になってしまった。途轍もない年の差になってしまう。女で至ると書いて、姪と思い知る。

「ね。お兄さんのこと大好きなのは本当だよ。でもね、いまの世の中、お兄さんが考えているより大変なことになってるんだよ? 女の子がいっぱいいすぎて、誰も彼氏を作れなくなってるし、かなり年上になっても男だったら欲しがっちゃう。みんな……お兄さんだったら受け入れるんじゃないかな。妊娠率がほとんどゼロになって、なまでエッチしても、子供ができないから、世の中全体が焦ってる。」
「……。そう、だよな・・・」
「私も焦ったんだ。このまま誰とも出会いがなくて一生が終わるのか、ステロイドがあっても花粉で死んじゃうんじゃないかって不安だった。それなのに慰めてくれる恋人も夫もできないなんて、辛すぎるよ。でも私にはお兄さんがいてくれた。幸せ。本当に、お兄さんに会えて良かった。」
「多恵……」
「みんな不安だよ? だから、お兄さん、女の子たちを助けてあげて? 私、もともと友達がほとんどいなかったけど、お兄さんと恋人になれたって言いふらせば、いっぱい友達もできるから。もっとたくさんの子と仲良くなれると思う。」
「……。」

 それは……いわゆる男シェアリング、”友人の恋人とならセックスをしても許される”風潮のことを指しているのだろうか。姪は、僕目当てで近づいて友達になろうとしてくる女たちを受け入れる気なのだろうか。

 いや……本当に彼女は、しかのみならずいまの若娘たちはみんな、そのくらいに寂しい思いを強いられているのかも知れない。花粉が、何もかもを変えてしまった。こんな時代になるなんて、SDGsが言われたころには誰ひとり、予想だにしていなかったんだ。

 ……それから数ヶ月が経過した。

「いっぱい出たね。」

 6年生になって、付き合い始めた頃とはまるで違う、成熟の兆しある胸を揉みしだく。まだまだAカップだが、もはやブラジャーなしではいられないほど、多恵の胸は膨らみ始めていた。バックの体勢で突き上げながら、僕は彼女の膣内に大量の精液をぶちまける。

「交代、交代♥」

 多恵の友人になった中学娘が、僕に飛び掛かるようにしがみついてきた。僕は押し倒され、Cになろうとしているぷるんとした乳房にペニスを包み込まれてしまった。

「いーい気持ちにしてあげるね?」

 15歳で、まだまだ乳頭が子供のツボミのままであるような乳房。だが、そのおっぱいはすでに、ペニスをまるごと包み込めるくらいには成長しており、両者のギャップが、彼女のパイズリをさらに魅力的なものに仕立て上げる。

 顔はまだまだガキっぽさを残しているのに、首から下はすっかりおんなになっていて、かろうじて乳首だけがコドモのポッチのままという、アンバランスな中学生の肢体に、僕ははげしい衝動を覚えた。

 ムクムクとペニスが反応して、女子中学生の胸の谷間で勃起を余儀なくされる。

「あふっ……」

 対面座位で結合。少女の方が積極的に腰を振り、ぱつんぱつんとペニスを中学膣でしごき立てる!

「スゴイでしょ。碧いツボミはよく締まる。イモっぽい女子って言われがちだけど、もう女の子のカラダなんだからっ・・・」
「手伝ってあげる。」

 多恵は僕の背中に抱きつき、膨らみかけた乳房をこすりつけて刺激する。3人目の女子高生が、手を伸ばして僕の玉袋をコチョコチョとくすぐり続けた。

「むぐう!」

 びゅばっ! ごぼぼ……ばしゃっ!

 体液が少女の膣内に吐き出される。

「あぁ~……ね、私、検査で妊娠できる身体なんだって。これでデキたら、世の中に貢献できるね!」

 こぽっ……

 最後の一滴が、少女の中で吐き出された。

「最後、私だね。」

 待ち構えていた高校女子が、松葉崩しで結合してくる。ペニスはそれでも萎えることなく、女として最高の肌触りを誇る生足の感触と、完全に膨らみきってプルンプルン震えるおとな乳房の揺らぎを目の当たりに、どこまでも若く締め上げる高校膣に高められ続けた。

 中学生が僕の背中に貼り付き、多恵が玉袋と足の裏をくすぐる係になった。

 その体勢のまま、僕は2回立て続けに、女子高生のオンナで精液を吐き出してしまった。

「もう少し、できそうだけど……」
「多恵ちゃんがカノジョなんだから、最後は……ねえ。」
「そうだね。」

 中高生がゆずってくれる。僕は黙って多恵と正常位で結合し、12歳の若すぎる膣でペニスをピストンさせた。

 多恵は不慣れな性感神経ゆえに、おとなペニスの刺激に耐えきれず、すでに何回か絶頂してしまっている。僕の愛撫で胸も脇腹も撫でさすられながら、多恵はさらに強い快楽刺激に女体を震わせた。

 ぴゅ。ぴゅぴゅ。

 少量の精液、しかしちゃんと生殖細胞のある体液が、追加で彼女の膣内に収められる。彼女の妊娠確率は10%程度らしいが、これだけ連続して、会う度に中に出していれば、そのうち”当たる”に違いなかった。

 親も親戚も公認の、年の差関係だった。むしろこれで子供ができれば、報賞されさえもした。そのくらいに、まだまだ子孫存続に対する危機感は強いままだった。

 一応特効薬のようなものは開発された。それは、男性の射精回数を、何倍にも伸ばすことのできる薬だった。僕も服用し、何度もナカダシしていても、そうそう簡単には枯渇しない肉体になっていた。

 しかしこれはあくまで、生殖細胞を残している男性が、受精の機会を増やすという効果に留まる。

 女性サイドの受胎能力は低いままだし、男女比がアンバランスすぎて、いくら性行為をあけっぴろげに、ハーレム状態で連日くり返したとしても、子供を授かる可能性は、依然として低いまま留まる。

 花粉は、植物における生殖行動である。それが猛毒と化し、人間の生殖行動に悪影響を与えるとは、誰も夢にも思わなかった。

 だが、地球環境にダメージを与え、他の生命の繁殖にブレーキをかけてきたのは、我々人類の方が先である。その仕返しとして、他の生物が、人類の繁殖にブレーキをかけようとするのは、むしろ当然の流れだったのではないだろうか。

 やられたことを、そのままやり返しているだけなのである。この世界は鏡のようなもの。自分のしたこと、思ったこと、言ったことが、鏡のように跳ね返る。我々は目先だけを見続けてきた。目先だけに心を奪われ、浅薄すぎる、思慮のない浪費をむさぼってきた。

 そうして……僕たちは今も、禁断の世代との性行為に連日耽るという、目先の快感に心を奪われている。なにも……何十年経っても何も……成長しない、できないのだろうか。

 明日は多恵がお休みで、代わりにOLと女子大生たち5人が家に訪ねてくる予定になっている。多恵公認だ。

 女の娘たちとシャワーを浴びながら、急に回復する薬効により、明日抱ける異性たちの快感を楽しみにしてしまう。少なくとも僕は、成長することのない、堕落したサイドの方のようだ。

 そんな僕が貢献できるのは、せいぜいのところ、このピンチのさなか、誰かの子を異性に産ませ、子孫をつなぐことくらいのものだ。それ以外の人間が、事態の打開を図るほかはないのだろう。

 そんな諦めと、自己正当化で頭がいっぱいになり、僕は理性を忘れるオスに堕落した。

 明日が……楽しみだ。






侵蝕してくる姪の誘惑 第一部 完

女で至ると書いて姪って言いたかっただけなんやー!

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