スクヴス女学園（ないと・めあ）

スクヴス女学園２０

　①理事長を攻撃

　やはり、今この場にいる最大のボスは、この佐久葉。理事長だ。

　僕をこの悪魔の園に誘い込み、快楽漬けにして、こんなやせ細った身体にしてしまった女。

　許すわけにはいかない。

　それに、この刃物で事態を打開する手段としてもっともありそうな選択肢は、これで頭領を倒すというものであろう。つまり、これで理事長を傷つければ、魔力の込められたナイフが何らかの力を発揮し、魔の者どもを滅することに繋がる。

　そんな気がしたのだ。

　僕はナイフを持って身構えた。

　「ふふ……」理事長は余裕の笑みを浮かべている。

　ほんのわずか、彼女に傷をつけることさえできれば、そこから神通力が流れ込む。やるしかない！

　「たああ！！」僕は思いきって、ナイフを理事長に突き立てた！

　ぐにっ！

　とてつもない柔らかい感触が、ナイフごしに伝わってくる。

　「なっ……！？」
　「私は人間とは違う。そんな刃物で刺そうとしても、ナイフでさえもやわらかく包み込む肌をしているの。……もしこの肌で、お前を抱いたら、どんな快楽に悲鳴を上げてもらえるかしら。ねえ？」

　じりじりと理事長が迫ってくる！　殴ってもその拳圧を吸収してしまう表皮を持つ特異体質の男の話を聞いたことがあるが、彼女の場合も、それに近い肉体をしていると言うことだ。それだけでなく、刃物でさえもその柔らかすぎる肉を突き通すことができないなんて！

　「うわああ！　寄るなあ！！」僕はブンブンと銀のナイフを振り回して、理事長に抗った。

　「無駄だという……むっ？」

　角度が良かったのだろう。すらりと尖った刃先が、ほんのわずかだが、理事長の腕の肌をかすめ、そこにごくわずかの裂け目ができた。

　刺すことはできなかったが、大きく振った刃物が、彼女の肌を、ほんの少しだけ、切ることはできたんだ！

　血は出ない。ただ１センチくらい、その場所に裂け目ができただけだった。悪魔には血さえも流れていないのか。

「そう。悪魔には血が流れていない。１０００の傷を持っていても、そこから鮮血が飛び出すことはない。」悪魔の角を折り取るのでもなければ、彼女の血を見ることは不可能なのだった。

　「……むうっ！？」理事長が再び怪訝そうな顔で傷口を見る。

　しゅうううう……

　やった！　彼女の腕の傷から、煙が出始めたぞ！

　銀のナイフに込められた神通力が、血の出ない彼女の肉体を蝕み始めたんだ！

　「なるほど……ただのナイフではないだろう、とは思っていたけど……つまらない仕掛けが施してあるね。」

　ぼしゅううううう！！！

　煙はさらに大きく拡大していった。蒸気のように、悪魔の身体が蒸発している。その邪悪な肉はどんどん溶け、広がり、気化しているんだ！

「このまま永遠に消えてしまえ！」僕は肩で息をしながら、理事長の身体が消えていくのを注視していた。

「ふふふ……」だが、理事長は不敵で上品の笑みを崩してはいなかった。「舐められたものね。この程度の神通力で、わが魔力を凌駕していると思われるなんて。」

「！！？」煙が……！　だんだん出なくなっていく！

　気化の量がみるみる減少した。溶けて骨が見え始めていた理事長の腕が、再び復活していく！

「そ……そんな……」

　腕が再形成され、やがてぱっくり割れた傷口も、完全にふさがってしまったのだった。

「こんな少量の神通力など、飲み込んであまりある魔力が、私にはある。私の魔力消費など、ほとんど必要なかったようね。」「そんな……そんな……」僕は後ずさった。

「いずれにせよ。この身体に傷をつけた罪は、万死に値します。もっとも、生かして返すつもりはないけど。」
「うわああ！」僕は再びナイフを振り回すが、すでに神通力が失われてしまっているナイフをいくら振り回したところで、もはや理事長に傷ひとつつけることは叶わなかった。

「さあ……用務員さん。最後の仕上げを、この娘たちにして上げてくださいね。」「うわああ！　いやだああ！」

　僕はきびすを返して逃げようとした。しかし、すでに周囲は裸の女学生が取り囲んでしまっており、彼女たちの間を縫って脱出することは、もはや不可能であった。

　あっという間に捕まり、僕はその場で組み伏せられてしまった。数人が体重をかけて、僕の手足を床に固定する。

「そうだな……数学教師と同じ吸い尽くし方ではつまらない。この私を攻撃したものは、何人たりとも、絶対に許しはしない。……ふふふ……この上ない快楽にのたうち回らせて、殺してあげる。」

　理事長がパチンと指を鳴らした。

　「うわっ！？」

　突然、全身に違和感を感じる。急激に体中に魔力が流れ込んでくる！　一気に全身を破壊しつくしてしまいそうな、強烈な魔力だ。理事長のものかあるいは、悪魔像から流れ込んでくる何か禍々しいものの力であるのか、それはわからない。だが、瞬時にして僕の細胞の一つ一つまでに魔力が浸透し尽くし、全身を何かに変化させられてしまったのは確かなようだ。

　「うぐっ！？」予想はしていたが、強烈な快楽が全身に襲いかかってくる。誰にも触れられていない、ペニスから、今にも精液が吹き出してしまいそうである。

　ビクン！　ビクン！

「あああっ！」

　ペニスが絶頂感覚とともに脈打ち始める。だが、精液が出てこない！

　周囲の女学生たちが一斉に手を伸ばし、律動しているペニスをちゅこちゅことしごき立ててきた！

「あひい！」脈打ち速度がさらに速くなり、快感も倍増する。だが、それでも精液が出てこない。

「もうお前は、絶頂から逃れることはできない。ふふふ……死ぬまでイキ続けるのだ……一秒も休まずにな。そして……我々の膣内以外では、絶対に射精はしない呪いもかけた。挿入して初めて、子種が出てくるのだ。それまでは、ただイク律動だけが延々と続く。刺激されればその速度と快感も跳ね上がる。」

「そんな……ぐああ！」

　大量の精液が、一人の女学生の膣内で爆発した。

　それまでしごかれ、舐められ、挟み込まれて快楽責めに遭ってきたペニスは、イキはするが射精しない中で延々と脈打ち続け、挿入が始まったとたんに大量の精液が膣内にぶちまかれてしまう。

　そのときの快感が最高峰に達している。それまでは、ビクビクと絶頂し、多幸感に包まれ続けるものの、そして、刺激されればされるほど強まるものの、射精は必ずその倍以上の快感に襲われながら訪れる。

「これでお前は、大量の精を女学生たちに注ぐことになる。必ず着床し、妊娠するであろう。そうすれば、サタンさまへの生け贄が量産される……最後の一人まで。」
「そんな……」

　女の子たちは一斉に、よってたかって僕の全身に張りつき、手、舌、オッパイ、脇の下、足、背中、お腹、お尻で、ペニスを責め嫐ってきた。

　どんどん快楽が高まり、脈打ち速度が速くなる。多幸感が収まることもなく、いや増す快楽にただ身を任せるしかなかった。

　そして、誰かが騎乗位でハメ込むと、さらにその倍の快感とともに、大量の白濁液が吸い上げられていくのだ。

　ハメ込まれたら、一瞬で片がついた。根元まで膣内に収められたペニスは、その締め付ける柔らかな感触によって、というよりは、それまでにさんざんじらされ、高められ続け、絶頂し脈打ちながらも決して満足することがなくさらなる高みに追い詰められた結果でもあった。

　オンナの中に根元まで入れられなければ、決して精液が出てこない体にさせられている。

　それまでの間、女学生のやわらかな手で握られ、揉みしだかれ、シコシコと擦り上げられて、数人がかりで交代しながらコショコショと撫でさすられ続ける。

　その間中も僕はイク直前の多幸感を四六時中味わい続け、さらに律動してイク快感を享受する。

　しかしそれでも、決して精液が出てくることはない。

　刺激されればされるほど、快感はじわじわと強まる。女の子たちはさらに集団で亀頭周辺を舐め、脈打ちの速度を早めてくる。

　僕はイキ続けながらも、射精することは許されず、止まることのない律動に悶絶するばかりだった。しかし四肢を集団で固定されてしまっていて、僕は仰向けの体勢から身動きが取れないのだった。

　そうしてさんざんじらしたあとに、女学生の１人が騎乗位で亀頭を飲み込み、小刻みに上下する。根元まで入らなければ射精は始まらない。それを知った上で、彼女は楽しみながら、少しずつ深くはめ込んでいくのだ。

　その膣圧の刺激もまた、僕の脈打ちのスピードを上げるのだった。玉袋にはすでに大量の濃い体液がパンパンに溜め込まれている。

　ついに根本までオンナの中に入ると、やっと許された射精が、とてつもない勢いで始まる。

　そこまででじらされた快楽の２倍の快感が訪れ、我を忘れるその感覚によって、玉袋に溜め込まれたすべての精液が、噴水のように膣内にそそがれていく。

　やっと出すことができるという肉体の悦びによって、尿道を通る白濁液の感覚がいつまでも持続して欲しいと思ってしまう。

　そしてその願いが果たされるかのように何分もかけて精液が吐き出され続けるのだ。

　すでに排卵を済ませ着床のスタンバイが整っている中で、これほどの量の種が子宮内部を満たしているのだ。その瞬間に妊娠は確実というわけだ。

　女の子は僕の精液を受け取ると、ふらふらと立ち上がって、悪魔像の前の魔法陣に立ち尽くす。その表情はうつろで、口をだらしなく開けたまま放心している。その体が小刻みに震えているところから、彼女が１秒間に何１０回も絶頂し続けていることがわかる。

　そのアクメに耐えることができず、もはや理性が失われているのだろう。声も言葉も思考も失って、ただ理事長の言いなりになっているのだ。むしろ理事長に従うことによってこの快楽が続くことを知っている彼女たちは、もはやその命令に逆らうことができなくなっているのだ。

　彼女はみずからの手首を切り裂き大量の血液を魔法陣の中に注ぎ込む。血は飛び散ることも溢れかえることもなく、魔法陣の床の下へと吸い込まれていく。妊婦の生き血を吸った悪魔が、もうすぐ復活の時を迎えてしまう！

　気を失った彼女は魔方陣の中に吸い込まれ、髪の毛一本残さない。命を失っても惜しくないほど、彼女は快楽に狂ってしまっていたのだった。

　宴はまだまだ続く。

　イク直前の多幸感に襲われたペニスに、またもや手や舌が襲いかかる。さらに別の娘のおっぱいがペニスを包み込みしゅこしゅことパイズリ攻撃してくる！

　さっきと同じだ。快楽が極限まで高まり、ビクンビクンと脈打ちながら、全身な絶頂感に包まれる。

　頭も手も脇の下も胸も乳首も、お腹も両足も足の裏まで、そしてペニスのつけ根や玉袋まで、大勢のやわらかですべすべのしっとりした女手で包み込まれ、くすぐられ撫でさすられて、性感神経をくまなく刺激してくるのだ。

　さらに生足やおっぱいや舌が女手の群れの中に加わり、飽きのこない刺激を全身に与え続けてくる。

　それによってあっという間に高められ、脈打ちの速度が速くなってしまう。しかしそれでも、精液を出すことは許されない。あくまで根元までの挿入がなければならないのだ。

　僕の口は女の指や舌が交代で何人分もねじ込まれ、話をすることはできなくなっている。だから射精を懇願することまで許されなくなっているのだ。

　脇の下を舐められながら、両腕に数体のおっぱいが挟み込まれ、足の裏をくすぐられて、玉袋が丸ごと誰かの口の中に含まれている。僕の両足には女の子特有のシコシコした太ももが絡みつきスリスリと滑り回っている。

　上半身にはオンナ表面や、なめらかな女手が滑り回り、空いている場所があれば、競ってそこに手や舌、腕や脚をあてがってくる。だから全身が完全に埋め尽くされてしまうのだ。

　耐えきれないほどの快感になった時に、誰かがペニスをねじ込んでくる。根元まで突き刺さったとき、また妊娠するほどの精液が大量にぶちまけられる。

　次から次へと、僕は女学生たちの膣内に大量の子種を奪われ続けた。

　入れてから腰を振る間もなく、僕は快楽地獄の中で体液を吸い取られ続ける。彼女たちは集団で僕の全身をかわいがりながら、律動し続けるペニスをもてあそぶように奪いあって手コキ、フェラ、パイズリ、尻ズリ、ほおずり、脇の下、膝の裏でこすりあげ、しごきたて、くすぐり撫でさすり続ける。

　そして次々と騎乗位ではめ込んでは妊娠する射精を愉しむのだ。着床した瞬間彼女たちは、あの狂うほどのアクメ感に襲われ、自由意志を押しなって魔法陣の中でみずからの命を絶っていく。

　僕は精を注ぎ込めば、結果的に彼女たちは死んでいくことになる。何とか食い止めなければ。しかし、我慢しようと頑張るだけ無駄であった。女の子たちの容赦ない快感攻撃は、僕は大量と踏ん張ればそれだけ、苛烈さとスピードを増し、さらに心地よい脈打ちに誘ってくるばかりだ。

　そして耐え切れなくなっては、騎乗位で犯し、やはり白濁液を奪い取っていく。自分が死ぬことを分かっていながら、女の子たちは我先にと祖先して、自分の順番をずっと待ち続けるのである。

　なぜそんなことをするのか……。なぜ自分で死に急ぐのか……。そんな疑問さえ吹き飛ぶほど、若娘たちの怒濤の宴は勢いを増すばかりであった。

　日が昇り、また沈む。その意識自体はあったが、もはや何時間経っているのか、時間感覚はすでに失われてしまっていた。１秒も休むことなく絶頂感が続き、もはや性感以外の間隔も意識も失われているようだ。

　快感の天国が収まることはなかったが、館全体を覆っていた娘たちの荒い息遣いがだんだん少なくなっているのが分かった。あれほど大勢埋め尽くしていた女子たちが、ことごとく魔方陣の中に消えていったのだ。

　すでに周囲には数人の女子だけを残すのみとなっていた。

　彼女たちもまた、僕を取り囲んで全身を刺激しつつ、脈打たせて悶絶させる。そして僕が感極まったところで、挿入に持ち込んで射精を促す。

　３人……２人……そして……

　最後の１人になった。

「御苦労様。最後の１人です。それでは特別に、私みずからが、止めを刺して差し上げましょう。」
「うぅ……」

　疲れ果てることも、飽きることも狂うこともなければ、いかなる苦痛も残らない。ただ快楽だけが持続するのだった。

「残念です。あなたはサタンさまの姿を見ることなく、ここで息絶えるのです……」
「た……すけ……」
「ふふふ……」

　理事長が僕に近づき、その細く長い指で僕の体に少し触れた。

　ドギュウウン！！

　強烈な魔力が体内に入り込んでくる！　体がそのまま破裂してしまいそうだった。

「うぐああああ！！！！」

　どばばばばっ！

　女学生の体内を精液がほとばしる。ついに最後の１人まで着床させてしまった。

　彼女が挿入から離れ誰にも触れられていない状態になったにもかかわらず、脈打ちと射精が止まらない。全裸になった理事長がすかさず、射精し続けているペニスにまたがり、一気に自分の膣内に挿入してしまった！

「～～～ッ！！！」

　もはや声も出なかった。これまでのどんな絶頂感覚よりも心地よい快楽が全身を電撃のように駆けめぐり続けた。

　もはや人間ではない。いや、はじめから彼女は魔族だった。人間の女性では絶対に出せないような扇動、振動、押し潰す外の膣圧、ペニスの敏感なところすべてを同時に刺激し尽くす細かく動く木ヒダ数々！

　動いてもいないのにペニスをしごく女性器全体の悩ましくも滑らかな、そしてものすごいスピードの動きが、僕の精をどんどん吸い上げていく。

「すごいでしょう？　これが淫魔の実力！　人間の男性ではひとたまりもないほど、連続して死ぬまで果て続けるのです。……残念です、あなたと、マミーに、サタン様復活の様子を見せることができないのですから。ですが……その代わりといってはなんですが、あなたにはこれから魔界に行っていただきましょう。」

　射精が止まらない！　それだけでなく、体の細胞も神経も骨も、内臓ももちろん、すべてが精子に変換され、ペニスから理事長に吸い上げられていることがわかる。体に力が入らない。ただ快楽だけが全身を責め苛む。

　僕は脈打ちながら、手足が消えていき、体が跡形もなく彼女に吸い上げられてしまうことに恐怖した。しかし、すでに遅かった。僕は身動きが取れないまま、快感とともに魂ごとどんどん吸い上げられていく。

「私に逆らいなおかつ傷までつけた男は、この世に髪の毛一本も残しはしない。魂ごと……異世界で永遠に絞られていただきます。」

　うぐあ……そんな……

　だが……これからも異世界で、美しくセックスに強い女たちに囲まれ、永遠に途切れることのない快楽を味わい続けることになるのだ。

　これから意識を失い、気が付いた時には、魂ごと魔界に送られ、そこでとらわれの身となるのだ……

　選択を誤ったことを、もはや後悔してはいなかった。むしろ逆に、これから起こるであろう理事長以上の快感に、強い期待感が膨らむばかりであった。

　視界が黒く濁っていく……僕は自分の意識の混濁を感じ、自分が誰であるのかわからなくなっていった。

＃＃＃パッドエンド＃＃＃

②サタン像を攻撃

　やはり、悪の元凶は、あのまがまがしい像にある。

　僕の腹は決まった。この神通力を含んだナイフで、あの像を攻撃しよう。魔方陣から地下に流れる血液により、サタンが復活するというのなら、あの像からあふれる魔力が、サタンの正体と言っていいだろう。

　妊婦たち全員が犠牲になった暁には、あの像が動き出し、サタンとなって、地上を魔の世界に変えてしまうことになる。少なくとも理事長はそう信じている。

　だが、理事長が妄言を吐いていると決めつけるのは早計かも知れない。

　彼女もまた魔族であり、とてつもない淫靡な魔力を放っている。そして、それ以上に、あのサタン像から漏れてくるまがまがしい瘴気が、おぞましい希薄を伴ってずんずんと迫ってくるのが分かる。

　本当にサタンとして復活するのかどうかは分からないが、魔の儀式が完了した時に、何か恐ろしいことが起こるのは間違いなかった。

　僕は、自分が助かるというだけでなく、その恐ろしい儀式を食い止めなくちゃいけないんだ。

　神の力に染まったナイフで、傷の一つでもつけられれば、そこから突破口が見えてくるかも知れない。賭けてみるしかない。

「えーい！！！」

　僕は神通力のこもった銀のナイフを、サタン像に向けて投げつけた。

「ああっ！」理事長が悲痛な叫びを上げる。

　ガイーン！！

　金属同士がぶつかる嫌な音が響く。

「ぎゃあああ！！！！」
理事長が頭を抱えて床に転がり込む。

「あ、頭がああ！　割れそう……ぎゃあああ！！」
さらに理事長は悶絶しのたうち回っている。

　やった！　像にも傷がつき、さらにそこへ清らかな神の力が流れ込んでいく。しかもそのダメージは、理事長にも同時に行くらしく、彼女は泣き叫びながら頭を抱えて転げ回っている。

　ぴきっ！　ぴりぴりぴり……

　像が音を立てる。

　見ると、像全体に細かいヒビが入り、今にも砕け散りそうになる。

　神通力が、像に破壊的ダメージを与えたんだ！

　これで正解だったんだ。

　びきいっ！！

　大きく像が割れる。細かいヒビが全体に伝わり、さらにゴワッと音を立て、像が崩れ始めた。

　「あぎゃああああ！！」
断末魔の理事長。

　ぱりーん！　ごごごごご……

「やった！　像が……砕ける！　ざまぁみろ！」

　像が音を立てて崩れていき、金属だったはずのかけらが石のように脆くなり、さらに砂のように溶けてなくなってしまった。

　これで、敵の儀式は完全に破壊した！

　少女たちは一斉にその場に崩れ落ちるようにして倒れた。全員気を失っている。

　理事長もぐったり倒れ込んだまま動かない。

　どうやら外の警備員たちも、気を失ってしまっているらしい。

　よかった……これが正解だったんだ。

　とにかく山を下りよう。

　救助を呼び、すべてを白日の下にさらすんだ。これで教団も壊滅、悪魔のもくろみは、二度と企てられることはないだろう。

「おまえは……たいへんなことを……してくれた……」
「！！」

　よろよろと、理事長が立ち上がる。肩で息をし、ふらふらで、またいつ倒れてもおかしくはなかった。

　まがまがしい淫らな瘴気を感じない。あの像とともに、彼女の魔力もすっかり地に落ちてしまったんだ。

　今の理事長なら、素手で倒せそうな気がする。念のため、ぶん殴ってでも、もう一度気絶させておいた方がいいかな。

「わかって……いない……ぎしきは……あくまで……学生全員の……妊婦の血と交換という契約なのだ……」
「？」
「契約に違反すれば、契約者は罰せられる。そして……契約者のいないサタンさまは……うぐっ……」

　再び理事長が倒れた。意識を失ったわけではなさそうだ。

「私を見ろ……」
「うわっ！」

　理事長の顔はぼろぼろだった。いや、その豊満で美しかった体も、やせ細りしわだらけの老婆そのものだった。肌や肉が剥がれ落ち、眼球が飛び出し、内臓や骨まで見えている。

　美しい女も、老いれば同じ。内面の輝きが物を言う。だが、悪魔である理事長には、その内面が、まさに砕けていく腐った死体と同様の醜さなのだ。

「ちーがうー……私は……契約に違反したために、すべての魔力を奪われ、その肉体が急速に老化し、崩壊しているのだ……この魂は魔界に強制送還されるだろう……」
「なんだと……」

理事長は死ぬのではなく、魂が魔界に送り返されるだけなのか……

「妊婦の血が足りないまま……召喚すれば……おそろしいことに……。おまえは……妨害者だ……」

　ごごごごご……

　地響きだ。しかし揺れは感じない。むしろ、空間全体が揺れているような感じだ。

「違反者は罰せられ、魔界に強制的に送られる。そして……契約を妨害した者は……女であればその肉体をのっとられ、サタンとして暴れ回り、世界は破滅するであろう。妨害者が男であれば、サタンは誰にものっとることができない代わりに、その男を……ぐううっ！」

　理事長はそこで事切れた。体が砂のようになり、ガイコツがあらわになっていく。ついに彼女は骨だけの姿になった。

　何を……最後に言った？

　この儀式は、もともと理事長と悪魔との契約だった。

　サタン復活を手助けし、妊婦の生き血を捧げる代わりに、復活後はそのサタンを理事長の意のままに操って、世界を支配するために動いてもらう。そういう契約だった。

　契約に違反して召喚すれば、その埋め合わせとして、違反者（理事長）は滅び、魔界に送られる。

　契約者のいないサタンは、世を邪悪な滅びへと誘う。

　ただし、肉体をのっとるためのサタン像は、僕が破壊してしまった。

　すると、サタンの魂は、のっとる体がなく、このあたりを彷徨っているというわけか。

　さらに、契約を妨害した者が女性であった場合、その女性の体をのっとって世界支配に動くが、妨害者が男性だった場合……なんて言った？　最後が聞き取れなかった。

”あー……びらー……ふむかーむ……すぶぁーはー”

　どこからか女の声が聞こえる。何を言ってい……

”おまえが……妨害者か……”

　空中から声がするッ！　僕は思わず天井を見た。

　何も姿がないが、何かおぞましい者がそこにいることが、感覚的に分かった。そして、それがたいへん邪悪で、敵意に満ちあふれていることも感じ取った。

”うおーんむ……まにぺーむえ……ふおーむ……”

「なっ……！？」

　からだが……びりびりする……

　ごごごごご……

　なにかが……からだの……なかに……はいって……

「うぐうっ！！」

　急に心臓が痛む！　呼吸が……できない！

　急激に意識が遠のいていく。まずい……しんぞうが……止まっ

………………

…………

……

「う……」

　気がつくと、僕はまったく違う世界にいた。

　空がピンク色に染まっている。赤い月があるが、太陽は出ていないようだ。

　ここは……魔界……なのか……

　僕はとんでもないところに連れてこられてしまったようだ。

　自分の体が自分のものではないような、なんともヘンな感覚だ。

　一体、何が起こっているのだろう。

　生気というか、覇気が自分の中にまるで感じられないのだ。肉体は確かにあるのに、どこかふんわりしていて、実体がないかのようである。

　いや……

　自分の実体が、存在していないようだ。

　さっきまでと格段に違う点が一つある。それは……肉体が若々しいまま蘇り、元の肉付きのある状態に戻っているのである。

　あれほど吸われまくって痩せ細り、まるで骨と皮のゾンビのような土色の肌をしていたのが、すっかり元に戻り、しかも数年分は若返っているような気さえしている。

　また、鏡もないのに、なぜか自分で自分の顔を見ることができた。瞬間的に体から視野だけが飛び出して、自分の体を見ることができてしまうのだ。

　そして生気そのものが失われている感覚。

　間違いなく、僕は死んでしまっているのだ。

　魂だけの姿になり、しかしおぼろげに形がないような不安定な状態ではなく、触覚も感覚もすべてしっかり備わっている。体重もあるように感じる。

　心臓の鼓動を感じることなく、肉体としての感覚だけは残っている状態。それが今の僕の姿だ。

　死んだあとの魂って、こんな風に確かな実感が残るモノなんだな……

　のんきに、そんなことを考えていられたのは、ほんの数秒間のことであった。

「うぐっ！？」

　この場所が魔界であることが直感できた理由は、激しい性欲のたぎりであった。

　ピンク色の大気は、魔界に棲む女たちの体臭、息、淫気そのものであった。

　それがかなりの数に上るため、魔界の大気そのものが、淫気に濃く毒されてしまっていたのだ。

　それをまともに吸った僕は、あっという間に高められ、四六時中、「何ヶ月も抜いていないのと同じ状態」が続くようになってしまうのだ。股間の奥がくすぐったく疼き、性欲の固まりになってしまう。セックスがしたい、気持ちよくなりたい、射精をしたい……オスとしての本能ばかりが反射的に突き上げ、自分の理性ではどうすることもできなくなっている。

「うふふ……」「くすくす……」

　可愛らしい女の子たちのクスクス笑いが、周囲から僕に迫ってきた。

　姿は見えないが、若い娘たちの気配が、僕の周囲に満ちあふれている。地中にも空中にも、女の子たちのクスクス笑いと、言語は理解できないが何かの甘い囁きが脳天に響いてくる。魔界の中ではきわめて低級な存在で、その姿を見ることもできない、というよりは魔界において姿を現すことのできない影のような精霊だ。

　彼女たちは、空気のように周囲に充満しており、魔界全体を漂っている。”精霊界めぐり”などの魔法によって一時的に異空間に飛ばされた場合、彼女たちは姿を見せることができ、何千体何万体とで、よってたかって射精に導くのだといわれる。

　しかし通常は透明であり、触れることも触れられることもできない。ただ存在感だけを示し、その甘く悩ましい声を聞かせるばかりの存在である。

　ただし、彼女たちが僕の体を通り抜けるたびに、僕の性欲は格段に高まり、さらに感じやすくなってしまう。

　そしてまた、精霊たちは、何重にも重なることによって、ペニスにある効果を及ぼすことができる。

「ぐああああ……」

　ペニスにくすぐったい刺激が走り、一気に射精感が高まった。誰にも触れられておらず誰の姿をも見ていないのに、いきなり僕はイク直前のあのくすぐったさに襲われてしまったのだ。

　正確には、誰にも触れられていないわけではない。

　ペニスに強くやわらかい圧迫が掛かり、きゅっと締まって、イキそうになっていたペニスを一気に射精にまで追い込んでしまったのだ。

　１００、２００と重なった精霊たちのオンナが、僕のペニスに一気に集中したためである。それによってペニスは挿入されているのと同じ感覚を持つことになり、まさに”入れられただけで”イッてしまったのである。

　ビクンビクンとペニスが脈打っている。姿の見えない相手にいきなりイカされてしまった。

　しかし、一切精液は出なかった。確かに体液が大量に尿道を通った感覚はあるのだが、先端からは何も出てこないのだった。

　魔界においては、出てきた精液は瞬時にして蒸発し大気中に拡散していく。だから先端から体液は一切飛び出すことなく、素粒子状になって消えてしまうのだった。

　イッている途中でも淫気による淫毒は有効なままである。従って何ヶ月も抜いていない状態は変わらない。だから最後の一滴まで出し尽くしてもすぐに精液は瞬時にして大量に生産されてしまう。そして性欲の塊になった肉体は、再び目に見えないオンナの締め付けにさらされて脈打ち始めていく。

　その結果、僕は魔界に来てすぐに絶頂が止まらなくなってしまったのだ。

　くぐもった声でうめきながら、僕はどこへ逃げても必ずペニスにオンナの感触が残る状態のまま、絶頂時のあのくすぐったさに酔いしれていた。それが１秒たりとも休むことなく、魂となった今でもずっと続いているのだ。

　魔界の者たちは、男の精を糧にして生きている。より正確には、男が絶頂したときの強い快感、それに酔いしれる気持ち良い思いというものを精神エネルギーとして吸い取り、これを魔力に変換しているのである。ごく微量の精神エネルギーを、精霊たちは分けあって細々と生きているわけだ。

　そして、そんな僕を、より高次な魔族たちが放っておくはずがなかった。

　土の中から灰色の物体が飛び出した。それは石でできた裸体であった。

　その顔と体には見覚えがあった。

「”ごぶさた”しております、用務員さん……魔界の心地はいかがかしら？」「ああっ！？」

　その動く石像は、間違いなくあの理事長であった。

　「もともと高度な魔族であった私が、こんなガーゴイル程度にまで、魔力が下がってしまいました……あなたのせいで……」

　静かながら、理事長の怨念に満ちあふれたひとことだった。

「あちらで私も随分と魔力を使い果たしてしまいました。格下げの憂き目に遭ったばかりでなく、しばらく地中に埋もれていなければいけないか……とも思ったのですが、運良く用務員さんと同じ場所にたどり着けたようです。残念ながらマミーの姿は見当たりませんね。魔界はあまりにも広いので、いつめぐり合えることやら……すべてお前のせいだ。」

「！！」

　ガーゴイルは僕に飛びつき、射精し続けているペニスを強制的にその乳房の間に挟み込んできた！

「あうう！」

　脈打つ速度が一気に３倍に高まる！

　ただでさえ、淫気を吸ってイク直前まで高められているところへ、四六時中精霊たちの性器に包まれている感触が残り、精液の出ない射精が続いている中で、さらに魔族のおっぱいに包まれてしまったのだ。ひとたまりもないに決まっている。

　快楽も上乗せされ、僕はもう声を出すことすらできなかった。とんでもない速さで律動し続けているペニスの気持ち良さに、何も考えることができなかった。

「さあ、もっとお出しください。まだまだ回復しなければ……リリムに戻るために！」

　石像でありながら、その全身は女体と同じあるいはそれ以上にやわらかくもっちりとしていて、とても心地よい肌触りをしていた。肌のきめは人間の女性を遥かに凌ぐみずみずしい細かさを具えている。

　僕のお尻に手をまわして胸の谷間にぎゅっとペニスを包み込んだ体勢のまま動かない。それなのに激しくパイズリされている感触がペニスに襲いかかってくる！

　挿入とパイズリの両方を同時に味わっていることで、倒錯した快感がさらに倍増しているのである。全方向からやわらかく強く圧迫してくる甘美な性器の感触と、シコシコとモチモチ動くおっぱいの滑る肌触りが同時に迫ってきていて、僕は気持ち良さに立っていられないほどであった。

　ガーゴイルは僕の腰にはりついたままぴったりと動かなくなった。僕がどんなに暴れても、引き離そうとしても、完全にくっついてしまっているかのようにピクリとも動かない。

　それなのに激しく乳房が動く感触だけがペニスに襲いかかってくる。それによってイク快感が高まったまま止まることなく、僕は力を入れることもできなくなってしまっている。従ってますます彼女を引き剥がすことが困難になってしまったのだ。

「あぁ……」体が動かない。

　ズズズズ……

　石像とともに体が沈んでいく。

　やわらかい土の中にどんどん僕たちの体がめり込んでいっているのがわかる。

　そして自分の体も灰色の石に変わっていくのが分かった。

　ガーゴイルは侵入者を捕らえて、一緒に石化することによって、半永久的に精を絞り続けながら快感のうちに地中に沈め、その体を永久に拘束することができるのだ。

「このまま……１０００年は土の中にいてもらうぞ。私が完全に回復するのにそのくらい掛かる。回復したら、解放してあげる。どこへとも自由に彷徨うが良い。……もっとも、すぐに別の淫魔に捕まって快感地獄に晒され続けることになるだろうけどな。」「そんな……たすけ……」

「私は優しい方だ。恨みのある相手を１０００年で解放してやろうというのだから。筋金入りの魔族は、義理がなくても何億年でも、ずっと男を捕まえて離さないからな……。」「やめ……ああ！」

　体は動かないままどんどん沈んでいく。パイズリと挿入の感触がずっと残り、絶頂し続けたまま、１０００年もの長い間土の中に埋まっているなんて。

「退屈しないよう、夢を見せてやろう……快楽に満ち溢れた、強大な淫夢を、な……」

　ついに僕の視界は真っ暗になった。魂だけの存在になったので呼吸の必要はない、というよりは、土の中でも普通に息ができる感覚だ。

　ずっとずっと淫気に犯され続けながら、精霊たちの締め付けにさらされ、理事長のパイズリ地獄に１０００年間も陥らなければならないなんて！

　次第に僕の意識は薄れて行く。その代わりに、みだらな夢が始まって行くのだ。

　次の瞬間僕は、あの女学園の礼拝堂にいた。前面に布団のようなものが敷かれており、僕はその真ん中に横向きで寝そべっていた。

　これが夢だと分かっているのに、僕はどうすることもできないでいる。夢なら目覚めて欲しいのに、もはや何もコントロールはできない。

　女学生たちがクスクス笑いながら、僕の周囲を端っこまで埋め尽くしていた。彼女たちも横になりながら若い肌を僕に見せ付けつつジリジリと中心に向かって迫ってきている。

　逃げ場はなかった。

「だめですよぉ、用務員さん、逃げちゃ……」少女たちが間近に迫ってくる。絶頂直前のあの多幸感が四六時中僕に襲いかかっている。すぐにでも彼女たちの体で抜いてしまいたかったが、わずかに残った理性が、僕を押しとどめていた。

　ここで快感に我を忘れたら、それこそすべてが一巻の終わりな気がする。

　すぐにでも立ち上がって、その場を走り去ってしまいたかったが、腕に力が入らず、どうしても起き上がることができない。

「あれれ～？　抵抗しちゃうんですかぁ？」「んあっ！！」

　立ち上がって逃げようとする僕を察知して、真後ろにた女学生がやわらかい体できゅっと僕に後ろから抱きついてきた！　ふにふにした若々しい肌が、僕の背中を覆い尽くす！

　吸いつくような感触が、乳房の潰れる感触が、僕を心地よくしびれさせた。

「ほらぁ……気持ちよくなってくださいよぉ……」前方にいた少女が、ペニスの先端をキュっと優しく握り締めた！

「あああっ！！！」ビクビクビクン！　その途端に堰を切ったようにペニスの律動が激しく始まる。

　初めて女の人にペニスを握られたのと同じような、初々しい快感が全身に広がって行く。女性特有のやわらかい手が、先端めがけて優しく触れ、そのみずみずしい感触を刻みつけながらじわじわと力を入れていく。

　その刺激だけでペニスは激しく律動し、止まらなくなってしまった。

　僕は強く腰を引いて何とか絶頂を抑えようとしたが、やはり無駄な抵抗だった。

「ほれほれっ、私の脚で挟んじゃう♪」

　美少女は内股にペニスを挟み込み、キュっと締め付けてきた！　手とはまた違うやわらかいシコシコした感触に僕は悩ましいため息をつきながら絶頂し続けた。

　前後を挟み込まれて、手や脚で包まれる度に、脈打つ速度が跳ね上がった。その都度快楽も倍増し、僕は少女たちを抱き締めながらブルルッと震えて絶頂し続けるしかなかった。

　彼女たちは交代で胸に挟んだり、お尻に挟んだり、脇の下に包んだりして、女体のあらゆるところで僕を快楽にさらした。

　さらに舌で舐め上げては、ペニスの律動を口の中で楽しんだり、挿入して腰を振っては、ペニスの律動をまるでバイブのように味わって顔を上気させる美少女たちに包まれてしまっている。

　時間の感覚はほとんどなくなっているが、何時間もときには一日以上かけて、１人の若娘と交わり、ありとあらゆる部位でなめらかな心地よさに刺激され続ける。数百人はいると思われる若娘たちが、僕を前後そして上から包み、たっぷりと時間をかけて、律動させ続けるのであった。

　ペニスだけでなく全身を撫でさすられ、唇は女の子の口や舌、乳首、指、クリトリスなどか四六時中あてがわれている。ほんのわずか空いた部位すら、少女たちの優しい指がいたずらに動き回った。足の裏や指の間ですら、くすぐり地獄が襲いかかってくる。

　玉袋も舌や指でくすぐられ揉みしだかれ、作られたばかりの体液を水道の蛇口のように即座に出させるように刺激された。

　アナルも指や舌がねじ込まれている。

　若く締まる性器が、しつこくしつこくペニスをしごきまくった。絶頂し終わって萎えるということはないので、いつまででも彼女たちは女らしく膨らんだお尻をいやらしく前後させ左右に振り、何時間経とうとも何日経過しようとも、一切動きを止めることがないのだった。

　数ヶ月は経過しただろうか。すでにここにいる全員の女子学生とたっぷり交わった。

　すると最初に僕のペニスに触れた少女が、いきなりアナル挿入を始め、やわらかな肛門で強烈にペニスを締め上げながら、激しく小刻みな動きでお尻を僕の腰にたたきつけ続ける。全員が終わっても決して解放されたり許されたりすることはないのだった。

　その間一瞬たりとも、快感と絶頂が取りれることはなかったのである。

　少女たちの中に、僕の記憶の中にある女性たちが登場するようになっていった。どうやら礼拝堂にいる少女たちも、外に出たり入ったりして、決して僕を飽きさせないように交代しているようだった。

　小学校の時のクラスメートや、大学の同級生など、知っている女性が美しく生まれ変わって僕に襲いかかっている。知っている相手だからこそ、強い背徳感から強烈な快感が呼び起こされ、さらに律動が高まるのであった。

　何年もかけて、礼拝堂の宴が終わることなく続けられた。

　だが、１０００年にはまだまだほど遠い。

　魔界では死ぬことも枯渇することも、狂うことさえもできはしない。眠ることも食べることも必要ではなかった。魂だけの存在になっているからというのもあるだろう。

　乳房がツンと上を向いて大きく張り上がっている、前の職場のＯＬだった。彼女がパイズリでペニスをかわいがり、亀頭先端を妖しく舌で舐め転がす。彼女自身が飽きるまで何時間でも何日でもその攻撃が続けられた。さらに２７歳くらいの成熟した膣が、結婚適齢期で受胎したくてウズウズと蠢いているところに、すっかり弱体化してイキ続けているペニスが脈打ち続けるのだった。

　別の大人の女性にお尻の肉で圧迫され、亀頭が臀部にめり込むようにして律動し続けている。そのあとアナルと膣でひとこすりずつ素早く出し入れされ、その味わいの違う二つの穴の快楽を愉しまされる。

　終わることのない宴に、僕は懇願することさえもできずに、ただ脱力して彼女たちに前後左右から包まれ、抱かれ、全身をくまなく犯されるに身を任せるしかなかった。

　どのくらい時間が経ったのだろう……

　僕は自分が誰であるのかも忘れかけていた。

　突然、夢から覚めるような、ハッとする感触に包まれた。

　異常な眠りの時に体がビクンとなることがあるが、これに近い状態で、僕は急に夢の世界から覚めてしまったのである。

　そこは土の中ではなかった。

　僕の腰には理事長はもういなかった。

　そこが魔界の建物の中であることはすぐわかった。僕を高め続ける淫気は、相変わらず空気中に充満しているのだ。

　しかし、もはや夢の世界ではなく、理事長の影響力もまるで感じられなかった。

　一体、何が起こったというのか……

　僕には、辺りを見回すことしかできなかった。

　なぜなら、両手は肘から先、両足は膝から下が、完全に壁の中に埋め込まれていたからだ！

　まるで鹿の剥製が飾られるように、僕は壁に四肢を埋め込まれ、裸で、どこかの城の壁を背に立たされているのだった。

「あうぅ……」

　また律動が始まる。精霊どもがいたずらを始めたんだ。

　しかし、今度はそれだけではなかった。

　僕の前に現れたのは、数百、いやそれ以上はいるかもしれない、魔性の女性の群であった。

　さまざまな種族がいる。目の前の広い空間は、城の中でも最も広い場所に拡がっているらしい。

「目が覚めました。」「では、みんなで味見をしなさい。」

　どこからか声がする。

「い、一体……これは……」

「私はこの城の主、シャコンヌと言います。この一帯を治めるリリム族です。地中に埋まっていて、ひ弱なガーゴイルに囚われていたので、奪ってこの城の一部になっていただきました。淫夢で縛るしかできないなど、貧弱にして下等極まる。ガーゴイルは破壊致しました。」「えっ……」「あなたの精が、私にふさわしいかどうか、配下全員６０００人あまりに試していただきます。その精が上質なら、そののち私が直々にいただきます。ですが……たいしたことがなければ、配下たちのエサになっていただきます。そうなったら、二度とこうして私と話すことはないでしょう。」

　声の主は姿を見せない。壁に反射するように、どこからか声を響かせているようだ。

「魔界にまで来た人間の男……何か特別な質でもあるかも知れません。ただの男ならエサ。特別なものをお持ちなら、来賓として歓迎致します。私の配下一人一人は、ほぼ全員があのガーゴイルをしのぐ実力者です。……始めなさい。」

　その声を合図に、女の怪物たちが一斉に僕に群がってきた！

「いやあああ！」

　僕の叫びはすぐに、快楽によって声を失い、完全にかき消されてしまった。

　ヴァンパイアがペニスを口に含んだとたん、脈打ちの速度が数え切れないくらいになっている。律動と言うよりはすでに、ペニスが小刻みに振動してしまっているのである。

　手足を拘束され、ペニス、上半身、下腹部がむき出しになっているだけの状態では、身動きがとれなかった。

　多腕族の娘たちが全身をまさぐると、その肌触り、指一本一本の感触が、それだけで射精を誘う。毛穴という毛穴から淫毒を吐き出す魔族たちが一斉に僕めがけて殺到し、埋めつくすと、さらに快楽が深まり、全身がペニスと同じ性感を感じて擦り切れてしまいそうなほどであった。

　彼女たちは味見と言わんばかりに、ほんの少しペニスをいじくっては悦ばせ、挿入してはすぐに離した。次の淫魔と交代するためだ。僕自身はひっきりなしに女体に埋めつくされている。一秒たりとも、脈打ちの感覚がカウントできないほどのスピードになって律動しているペニスの快感から逃れることができなかった。

　一人３秒ペニスに触れたとしても、たっぷり３００時間かかる。１２日半だ。

　その配下たちが味見を終えて、判定され、もし僕に何かの素質が認められてしまえば、配下たちなど足下にもおよばない、領主の快感地獄が待っている。

　仮に不合格だったとしても、配下たちのエサとして、この快感が何年も何年も続くことになるんだ。

　ガーゴイル化した理事長に捕まっていた時の方が、遙かにマシだったと、いま実感した。

　理事長は言っていた。自分は１０００年で解放するが、下手な相手に捕まれば、それこそ億年単位で拘束され続け、決して解放されなくなるのだ、と。

　その、危険すぎる相手に、実際に捕らえられてしまったのだった。

　もはや誘惑し、それに負けたら搾り取られるなどと言う、ヤワな快感攻撃ではなかった。

　有無を言わさずペニスを犯し、１秒間に何百回も律動するほどの信じられない快感に無理矢理晒し、しかもまったく休むことなく何億年もそれが容赦なく続く……それが魔界の恐ろしさだった。

　すでに僕の中に理性はなかった。ただ快楽を味わうだけの肉人形だった。

「……ただの男のようです。」サキュバスの一人がペニスを挿入して、勝手に蠕動して精を絞る膣の動きに数秒晒した時に、吐き捨てるように言った。

「おにいさんも、もう少し強かったら、ちょっとはかわいがってもらえたかもね。」１２０センチくらいしかない小さな娘がペニスを舐めしゃぶってから、クスリと微笑んだ。

　魔界に足を踏み入れる男は、強制的に連れてこられた猛者か、間違って迷い込んできたザコか、魔界を制覇してやろうと意気込む勇者くらいだ。捕らえられた勇者であれば、領主が直々にお相手なさるらしい。それに比べれば当然、僕はザコ中のザコに部類する。それもそのはずだ。サタンなる存在の呪いによって、力もないのにここに連れてこられただけなのだから。

　リリム族を相手にさせられなかっただけでも、まだ良かったと言えるのかも知れない。狂うことも神経が擦り切れることもできない世界で、ただ快感エネルギーをひたすら絞り続けられるエサになってしまったのだ。

　理事長の野望は食い止められたが、サタンと言われる恐ろしい存在は、まだ人間界に彷徨っている。どんなきっかけで具現してしまうか分からない。完全には、解決できていると言えない状態であり、魔の脅威がわずかでも残っているまま終わってしまうことは、結局のところ、同じような野望の持ち主が現れるだけでその脅威が必ず現実のモノになってしまうがゆえに、失敗だったと言わざるを得ないだろう。

　全身がブルブルと振動するような脈打ちの中で、僕は意識を失うこともできずに、ひたすら思考停止して絞られ続けるのだ。……文字どおり、永久に。

＃＃＃パッドエンド＃＃＃

③自殺

　理事長にこのナイフを突き立てたくらいで、この悪魔を倒せるとはとても思えない。偶像であるサタンを攻撃しても同じだろう。このナイフにどれだけ神通力が込められているかは分からないが、たっぷり込められていたとしても、これを武器にして戦うのはリスキーにすぎる。

　僕が選んだ道は、自分にとって、もっとも過酷なものだった。

「……」

　僕は銀のナイフを右手に持ち、理事長に向き合った。

「……それでどうするつもりなのかしら？」理事長は余裕の表情だ。つまりこれで彼女に攻撃を加えても、まるで歯が立たないということがわかる。

　やはり、この方法しかない気がする。

　ちょうど僕の下には、あの魔法陣がある。準備は整った。あとは、……覚悟を決めるだけだ。

　取り押さえられないように、注意深く辺りを見回す。タイミングを間違えたら失敗する。

「……こうするのさ。」

　最後の勇気を！

　ほんの数秒間の勝負だった。僕は怖がりながらも、数本のためらい傷をつけながら、自分の手首を銀のナイフで深く切り裂いた！

「なっ！？」僕の予想外の行動に、理事長は眉をしかめた。何が起こっているのかは彼女には理解できないらしい。

　手首から血液が血しぶきを上げて周囲に飛び散る。僕の血が魔法陣に流れ込んでいった。

「”サタン”とやらに吸わせる血は、確か”胎内に受精卵を宿した女の血”でなければならなかったんだよなあ。」

「……はっ！　しまった……」

　うおおおおん……

　地震だ。いや……この大聖堂の空間全体が地響きとともに揺れているように思える。

　この魔法陣は妊婦の血液を吸って復活の儀式としているはずだ。だから、”異物”が混じることは決してあってはならないはずなんだ。

　妊娠していない女の血や、まして男の血液なんぞを流し込んでしまったら、それこそ契約違反ということになる。サタン復活のために必要な犠牲は、不純物によって妨げられてしまったことになる。

　彼女たちの命が何を意味しているのか、そこまではわからない。妊婦の命がサタンのエネルギーになっているのだろうか。あるいはサタンを呼び寄せるために必要な犠牲として、対価として扱われているのだろうか。いずれにせよ、僕の血が混じってしまったことによって、サタンの復活は完全に妨げられることになる。あるいは、不完全な形での契約成立ということになるだろう。

「お前は……大変なことをしてくれた。」理事長がわなわなと震える。「サタン様復活のために必要な犠牲が、男どもの精をたっぷり吸って懐妊した女たちの血なのだ。それを……別の血を混ぜてしまうなんて。」

「やはりな……。」僕の選択は間違っていなかったようだ。

「愚かなことをしたものだ。お前は……このまま魔界に行くがよい。私は……うぐっ！！」

　理事長の体が急激に変化していく！　その顔や腕にしわがより、急激に老け込んでいく。

「サタン様を復活させ、私の意のままに動いていただく契約だったのだ。その対価が、妊婦たちの血だったのだ。それを……うぐああ！」

　もはや元の若く美しい理事長の姿はなく、人体としても原型をとどめていない。体は崩れ、ひび割れ、内臓や骨が露出している。さらにその肉体は朽ちていき、砂のようにボロボロと崩れて行く。

「契約に違反した者……その肉体は朽ちてしまう。私の場合は魔界に強制召喚となるだろう。だが……この契約を妨げた者は、サタン様の霊魂によって呪われるのだ。」

「何だって！？」

「それが女であった場合、その精神はサタン様に乗っ取られる。そしてサタン様によってこの世界は完全に支配されてしまうだろう。だが、それが男であった場合、乗っ取られることはないが、魂ごと異世界に移されることになる。サタン様の霊魂はこの世界をさまよい続けることになるだろう。」

　この大聖堂の地響きのような空間の歪みは、サタンの霊魂が引き起こしていたのだ。このままでは、理事長は完全に崩壊し、魔界に送られることになる。それはそれで解決になるのだが、僕の方もただでは済まないらしい。

　サタンの霊魂がさまよっているというだけでも、今は安全かもしれないが、いつこれが災いになるかわからない。つまり、まだ完全に解決したわけではないということだ。

　ギーン！

　突然、銀のナイフが輝かしい光を放った！

　”うおおおおん！！！”空間の振動がさらに激しくなる！

　”オウン……アビラウンケンソワカ……”低めの女の声が響きわたる。これがサタンだ。ゾッと体が震えた。

「ぎゃああああ！」

　断末魔の叫びとともに、理事長が完全に砂になってしまう。その魂は魔界に強制召喚され、跡形もなく消え去ってしまった。契約魔法の失敗により、その身を滅ぼされたのである。

　ナイフの光が僕を包む。すると不思議なことに、ビームを描いて噴き出し続けていた血がぴたりと止まり、貧血に近い状態だった意識も、すぐに覚醒するようになる。

　体に精神力とパワーがみなぎってくる。急激に回復が進んでいるようだ。

　光は僕の体を包み、さらに周囲へと広がって行く。命令系統を失って放心していた裸の少女たちは、僕の光を見るとバタバタと倒れていった。気を失っているようだ。

　ついに、大聖堂にいたすべての女学生たちが、僕の光の力によって気を失ってしまった。

　光に満たされた僕はとても安心する。何かとてつもなくを大いなるものに護られているような気がした。

　サタンによって心臓を止められ、そのまま魔界に魂ごと引きずり落とされてしまうはずなのが、無事に済んでいる。

　それどころか、姿の見えないサタンが苦しんでいることがなぜか手に取るようにわかるのだ。壁のあちこちに何かが激突する音がこだまする。サタンの霊があちこちぶつかっているようだ。

　ガッシャーン！

　大聖堂の象徴だったサタン像も、何かの衝撃を受けて崩れ落ちてしまった。

「ああっ！？」

　半透明ではあるが、どす黒い影が僕の前に現れる。本来見えるはずのないサタンの姿が、ナイフの光のおかげで、うっすらと見えるようになっているのである。

　”今だ……刺すのだ……”頭の中に声が響く。

　僕は何も考えられず、黒い影に銀のナイフを突き立てた。

　”ぐあおおおお”影が悶絶し、大聖堂の床で転げ回る。

「やっと分かった……この銀のナイフは、聖なる力の増幅装置だったんだ！」

　魔法陣が若い女の血を吸う悪魔の装置であるならば、銀のナイフは男の血を吸うことによって、神通力を数百倍に引き上げる装置である。だから、僕の血を吸ったナイフはとてつもない力を発揮し、僕を回復させたばかりでなく、虚空を彷徨うサタンでさえ、魔界へと押し戻すことになったんだ。

　女将さんがこれを僕に託した理由もわかるし、僕が登場することで、やっと彼女は報復を実行にうつすことができたのだ。準備だけはしておいて、あとは男手が現れればよかったのだ。

　僕が現れたことで、彼女は命を賭した最後の戦いに挑むことができた。そして僕がその仕上げをすることになったのだ。女将の命は犠牲にはなったものの、決して無駄ではなかったといえるだろう。

　さらに回復は進み、ミイラのようになっていた僕の体は、みるみる肉付きが良くなっていく。あっという間に、僕の体はすっかり元通りになっていた。元気がみなぎる。それも、魔性の力によってむりやりに性的に活力あふれる、という状態ではなくて、本当に心の底から力がわいてくるような、不思議な感覚だった。

　すっかり元通りになった僕は、気を失っている裸の少女たちを外に運び出し始めた。

　まだまだ数十人はいる女の子たちを運ぶのは一苦労だったが、その滑らかな肌を運ぶのは悪くない。不可抗力とは言え、体のあちこちを触ることができるのだから。

　って、ダメだ！　そんなよこしまなことを考えながらでは、またどこかで悪魔の軍門に降ってしまうではないか。いい加減懲りないと。

　それにしても……人数多いな。まだまだいっぱい残っている。それに……思った以上に、気絶した女子たちの体は重い。一人ずつ運ぶのにも一苦労の連続だ。

　”時間がない……力を貸そう”またあの声が頭に響く。この声は一体、何者なのだ。

　ふわり……。「あっ！」女子たちの体が、一斉に浮かび上がった。

　そして、彼女たちは勝手に、ふわふわと空中を漂いながら、次々と大聖堂の外に運び出されていった。これも神通力のたまものだ。

　ゴゴゴゴゴ……

　地響き。今度は地面が揺れている！　悪魔の仕業ではなかった。

　ビシッ！　壁のあちこちに亀裂が入り始めた。巨大地震によって、建物が崩れ始めようとしている！　自然発生的なただの地震ではない。まさに銀のナイフの力によって、このスクヴス女学園だけが、地表表面だけが大きく揺れているのだ。

　まるで、悪魔の作った施設のみを破壊しようとしているような……

「うわあ！」僕はその場にいられなくなり、よろけながら外に出ようとした。

　学園も、体育館も、大聖堂も、すべて崩れ落ちていく。

　スクヴス女学園の、最期だ！

　命からがら、大聖堂から脱げ出す。ぬるぽ

　ガッ！！

　天井からはじけ飛んできた瓦礫の一つが、僕の頭を直撃した！　「ぐあああ！」

　頭の中がぐちゃぐちゃになる。痛みすら感じることなく、僕は気を失ってしまった。

　…………

　……

　…

　目を開けてみる。

　天井が見える。白い天井だ。一体ここは……どこだろう？

　ベッドに寝かされている。白いベッド、白い壁。ここは……病院だ。

　医師の説明によると、ここは麓の病院で、地響きに気づいた住民たちが通報し、救助隊が駆けつけ、僕も女学生たちも保護されたのだという。

　頭のけがは、幸いたいしたことがなかった。

　退院もすぐだという。

　この一件で、事の真相が明るみに出ることになった。

　次々と事実が暴かれる。

　責任者の佐久葉は依然行方不明で、警察が捜しているのとのこと。

　宗教を騙った邪悪なハレンチ集団として、新聞や雑誌に書き立てられ、テレビでも報道され続けた。

　教団は解散し、幹部たちが次々と逮捕される。

　教団は潰れた。これで彼女たちのもくろみも、完全に阻止することができたのだった。

　幼少時から、女性は性的な行為を奨励され、中学に上がる頃には、すでにあまたの男たちと淫らな行為に耽り、食い物にしている実態。女学園で行われているハレンチ極まる放蕩も暴かれる。

　だが、教団のボスも見つからなければ、その目的も不明なまま。

　また、教団の男たちが大勢行方不明になったり、女たちも、女学園を卒業して社会に出て、教団関係の企業に就職できる人数がごくわずかである点など、不審な点はいくつも残されていた。信者たちも教団関係者も、多くが行方不明なままなのだ。

　それは……残念ながら、人間の力では解明できないだろう。

　男たちはほぼ全員、女たちに吸い尽くされている。

　そして女たちのほとんどは、サタンの生け贄として、魔方陣に吸い込まれていったのだ。

　残った女たちの一部、精鋭は女学園を守る衛兵となり、残りは教団関係の企業に出て資金集めをしていた。洗脳が解けた彼女たちは、連日マスコミに追いかけられ、身に覚えのないことばかりを追及されることとなった。しかし、そんな末端をいくら叩いても、何も出ては来ないだろう。

　首謀者も、とっくに魔界に落ちている。

　この事件、彼女たちのしていたことの一部は明るみに出た。ごくわずかな情報ではあるものの、教団をつぶし、サタン復活という悪魔のもくろみを無に帰するには、十分な情報でもあった。

　保護された僕もいろいろ聞かれたが、真実を語れば狂人扱いだ。真実は伏せて、ただの用務員として仕事をしていただけだと答えた。雇われ者であり、教団関係者でないことがはっきりしたので、（ウソではあるが）彼女たちと淫らな営みもしていなかったという証言は、すんなりと受け入れられた。僕は何も関係がない、とされたのだった。

　これで……すべてが終わったのだな。

　しばらく入院生活を送っていると、けがも癒えた。僕は退院した。

　さて……これからどうしようか。

　あらためて、僕は無職になってしまっていた。

　つぎ……なかなかないなあ。

　求人情報誌を開いてみる。

　”求む！　女子学園の用務員！”
　”用務員急募！　職場は波練痴中学女子部！”
　”君も今日から用務員だ！”
　”サルでも分かる用務員！”
　”用務員として女子たちと毎日エッチなことをするだけの簡単なおしごとです♪”
　”高級ＪＫが用務員の肉体を求めています”

　僕は情報誌を床にたたきつけた。

「だあああ！　なんじゃこりゃあ！」

　なんだよこれっ！

　なんで全ページ用務員募集なんだ！　用務員って、結局そんな簡単にはなれないだろうが！

　なんだかよく分からんキャッチコピーとか混じってるし。簡単なおしごとって……簡単じゃないぞ！　命がけだぞ！　スパムまがいの求人てなんだよ！

　だいたいスクヴスの一件があって以来、世間の目は厳しくなった。スクヴスまがいの破廉恥な仕事なんてあるはずもないだろう！

　”それだけ……この世界は魔族に毒されつつあるのだ……”

「はっ！？」

　頭の中に声が響く。あの声だ！

　僕は鞄から銀のナイフを取り出した。ナイフが光を放ちながら、僕に語りかけてくる。

　”この世界を、淫魔の手から守るために、お前は働かねばならぬ。用務員として、お前のすべきことがあるのだ……”

「な……なんだって！？」”その情報誌はお前だけのものだ……お前にしかできない仕事だ。”

　そんな……ばかな……

　”まだまだ、隠されている女の園が、悪魔を呼び出そうとしている。それを阻止するのだ。”

「い、いやいやいや！　ちょっと待って！　僕はそんな……」

　”誘惑に簡単に負けぬ強靱な精神力、幾多の快楽や困難にも負けぬパワー、そして、悪に打ち勝つために自己犠牲も厭わない正義の心。それを兼ね備えたお前こそ、女学生たちと戦い、打ち勝つ潜在能力を秘めているのだ。さあ、戦いの地に赴こうぞ！”

「いや、そんな、ちょっ、待って……うわあああ！！！」

　ナイフがさらに強く光ると、僕の体は周囲に溶け込み、空間が白く濁っていく。どこかにワープさせられるのか。

「いやだあああああ！！！！」またあの地獄がくり返されるのはいやだ！！！

「……はっ！」

　気がつくと、僕は見知らぬ場所にたどり着いていた。

　校門の前だ。

「えっと……私立……聖☆妖魔女学園淫靡コース中等高等部……国際支部……だと！？」

　聞いたことのない学校なんですけど？

　国際支部！？

　”そうだ……今度は日本人だけではない、ＪＣを含む、主に北欧系の金髪白人が渦巻く世界規模の女学園だ！”

「いやああああ！！！！」

　”今度は世界の魔女学生たちを相手に、誘惑に打ち勝ち、その根幹をたたきつぶすのだ！”

「うわあああん！　帰るうううぅうぅ！！！」

　僕はきびすを返してその場を走り出そうとした。

　”どこへ行こうというのだ。……もはやここは人間界でもない。半分魔界に片足を突っ込んだ、すでに異世界の中にある。魔の力が強く、男たちの精を吸い取りすぎたがゆえに、学校全体が異界に入り始めた女の園だ。逃げ場はないぞ！”

「えぇえぇぇ～～～！！！」

　”ここでは、人間の精を吸い続け、ある一定量を吸った女学生は、妖魔になる。魔力を駆使した快感攻撃を得意とする、半淫魔に変身するのだ。お前は彼女たちとも戦い、快楽に打ち勝たねばならぬ！”

「無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理！！！！！！！！！！！！！！！！」

　”さあ、立ち向かうのだ！”

「うわああああん！！」

　僕はナイフの力に導かれ、勝手に女学園の中に足を踏み入れていく。体の自由が利かず、すでにあられもない姿で徘徊している女学生たちの渦の中に、裸一貫で突っ込んでいくのだった。

　……

　僕の冒険は、まだまだ終わらないようだ。

＃＃＃スクヴス女学園　完＃＃＃

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