ラストプラッツ 前編


 僕は今、OLまでクリアしたところだ。辛勝だったから、適当に抜きポイントを確保しておきたい。

 幸い、通路の一角に小部屋を見つける事ができた。でもこの部屋、隅の方にカーテンがかかっている。向かいにはベッドもあり、まるでソープランド(行った事ないけど)の個室みたいだ。

「フーンフフーン♪フフンフフーン♪フンフンフーンフフーン♪」

 カーテンの中はシャワー室のようで、中に女の人の影がうっすら見えた。というか、なぜ暴れん坊将軍の鼻歌…。作業用上様でも作る気か?

 影のラインしか見えないが…とてもきれいな女の人だ。つま先から膝までは枝のように細く、腰まではムチムチと肉付きのいい、スラリとした両脚。極限まで引っ込んだくびれとは裏腹に、シャワーの雨に当たるたびプルプル揺れる豊満なバスト。髪はシャワーに濡れて後ろにまとめられているが、カーテン越しからでも、ウェーブがかかって相当ボリュームのある事が見て取れた。

 ひとことで言えば絶世の美女だ。さっき戦ったOLが更に長身巨乳になったような物か。僕もあのシャワー室に入って、ぬるま湯を浴びながら裸で抱き合えたらどんなに夢心地だろう。体のどこを触っても、暴発寸前のペニスが文字通り暴発してしまう気がした。

「…誰?」

 女がこっちに気づいて振り返る。しまった、どこにも身を隠す場所が無い。覗いたわけじゃないから、犯罪にはならないと思うけど。

 いや、そういう事を心配してんじゃない。絶対に射精してはいけないないと・めあの世界で、しかも残りHP1(光の闘気まとっているとかなら別だが)の状態で、あんな色気たっぷりのお姉さんに近づくなんて無謀にもほどがある!

「でっ、出たなモンスター!」

 それでも僕は一応身構えた。クマに遭遇したら逃げてはいけないのと一緒だ。こちらがフル勃起しているのを見たら、相手も自分へのダメージを警戒するはず。その隙を狙って逃走…というのが現時点の打開策だった。

「…モンスターじゃないわ。私」

「へっ?」

 僕は拍子抜けした。

「ゲーム画面を見て御覧なさい。戦闘画面になっていないでしょう?」

 女は言った。この世界は一種のRPGで、目を閉じるとメニュー画面が現れ、僕のステータスや現在使えるアイテム、必殺技などが表示される。いわゆる、Aボタンでコマンドを開くような物だ。セックスバトル中はこれが戦闘画面に切り替わり「●●が現れた!」とか、どの敵を狙うかのカーソルが表示される。

 しかし今は、目を閉じても戦闘画面ではなく、このフロアを天井から見下ろしたマップ画面しか映らない。これはエンカウントしていない、セックスバトルに突入していない状態という事。つまり、目の前でシャワーを浴びている女も、ないと・めあ上では町の通行人Aに過ぎないわけだ(通りかかったのは僕だが)。

「こ、これまた失礼。うっかり八兵衛でした」

 誤解だと分かり、僕は小部屋から離れようとした。「あなた…そのまま外に出るつもり?」女に聞かれて、僕は暴発寸前のペニスを改めて目に留めた。確かに、このまま外に出るのは物凄く危険だ。だから、安全地帯で抜いてしまおうと思ったわけだが。

「う…」

 僕はカーテン越しの女と向き合って、ほんの少し黒い欲望が芽生えてしまった。この女が通行人Aに過ぎないのなら、彼女をオカズに使うのも一向に構わないわけで…。

「あ…分かったぞ。お前、さてはミミックだな!?」

 僕は理性を振り絞り、女に問いかけた。女の体で好き放題抜けるだなんて、そんな都合のいいボーナスステージが用意されている物か。システム上は通行人だったとしても、話しかけた瞬間凶悪モンスターに変化して…というのは、現実のゲームでもよくある事だ。

「…何でもかんでもゲーム脳で物を考えないでちょうだい」

 女は機嫌を損ねたらしい。的外れな指摘をされたからだろう。じゃあ、本当に罠でも何でも無いのだろうか?

「そもそも、ここは…」

「フーンドラストプラッツよ」

「意味ワカリマセン…」

「犬の休憩所、という意味。この際『犬』は気にしないで。つまり、ダンジョン内の宿屋みたいな物ね」

 女の言う通り、ここではシャワーとベッドの他、テレビやラジオ、奥には台所と冷蔵庫など、ひと通りの生活必需品が揃っていた。英気を養うため、2~3日寝床に使っても申し分ない場所だった。

「…で、あんた何してんの?」

 僕は聞いてみた。

「私も休憩しに来たのよ。初めに言っておくと、私はサキュバス。ないと・めあ様に仕える淫魔の一柱よ。だけど、あなたを襲うつもりは無いわ。だって、今は冒険者を狙っているんじゃなく、休憩しているだけだもの。ラストプラッツ内ではセックスバトルも発生しないわ」

 言われてみれば、特別なイベントでも用意されていない限り、宿屋でモンスターとの戦闘が発生する事はあり得ない。だから、目の前のサキュバスも通行人Aでしかないし、外に出なければそれ以外の存在になれなかった。

「じゃあ、僕もラストプラッツを使っていいんだ?」

「もちろんよ。ベッドで寝るのも、食事を取るのも、テレビを見て暇を潰すのもあなたの自由。私みたいに、シャワーを浴びるのも…」

 そう言って女はシャワーを止め、頭にタオルを巻き、湯船に浸かった。正直言うと、僕も連戦続きで汗まみれだし、シャワーを使いたかった。

「それなら、シャワーを使いたい。あ、その…後どのくらいで上がる?」

「さあ?私、長風呂が好きだから。あと1時間かも知れないし、2時間以上はかかるかも知れないし…」

「ふざけてんのか」

「でも、シャワーは空いたわよ?」

 確かに、サキュバスは入浴中だがシャワーは空いていた。「そ、その、えっと…」僕は急に恥ずかしくなってしまった。美しいサキュバスと、二人で浴室に入る事を、ついうっかり想像してしまったからだ。

 サキュバス自身、それを拒んでいるわけでは無い。僕が頼めば、パンパンになったペニスを、やさしく気持ちよくイカせてくれる事だって…。

「…いや、いやいや!これ、絶対罠だろ!?」

「だから、システム上それは無理だって言ってるじゃない」

「あんたが外に出て、僕を待ち伏せする事だってありうるだろ?」

「裏口から出れば大丈夫よ」

 彼女の言う通り、この部屋は反対側にも出口が存在した。

「そもそも、この階層でサキュバスがセックスバトルする事は、ないと・めあ様に固く禁じられているわ。ただのセックスなら別だけど」

「つ、つまり…擬似的にバトルしたとして、僕がイッてもゲームオーバーにならないし、あんたをイカせても倒した事にはならない、と?」

「そうよ。…何だか、セックスに関して質問が多いわね?」

 僕はまた気恥ずかしくなってしまった。この女は相当知的で落ち着きがある。若い男の考える事ぐらい、大抵は見透かしてしまえるようだ。

「い、いや、その、あの、ぼ、僕は、ただ単にシャワーが浴びたいのであって…」

「ええ。シャワーは空いているわ」

「じゃ、じゃあ、マジで浴びるよ?入った瞬間、警察呼ぶとかも無しね」

「そんな物、この世界に存在しないわ」

 言われなくても分かっている事だ。僕は遠慮なく、カーテンの窓を開いた。

 女は後ろにもたれかかり、足を組んだ状態で湯に浸かっていた。お湯は泡風呂で、膝からつま先、両肩から頭までが露出していた。

 なんて美しい顔立ちだろう。全体的に面長で、唇は小さく、鼻筋が整っていて、両目はナイフのように鋭く、それでいて瞳は甘ったるい。サキュバスだけあって並の美人ではない。そして、大人の女としてのフェロモンもムンムン漂わせていた。

「……」

 クスッと、女が微笑んだ気がした。つい、我を忘れて見惚れてしまった事をたしなめているのだろうか。フル勃起も晒したままだし。

「しゃ、シャワー浴びなきゃ」

 ごまかすつもりで、僕はシャワーのお湯を出した。でも、見惚れていた事はまず見透かされているだろうな。

 ああ、お湯が気持ちいい…。全身がほぐれ、体の疲れも取れていく。湯に浸かったらもっと気持ちいいだろう。裸のお姉さんもいる事だし。

 い、いやいや!僕はシャワーを浴びる目的でここに来たんだ。下心なんて、下心なんて…。僕は高ぶる気持ちを抑え、シャワーを止めて石鹸を塗り始めた。

 その間、バシャバシャ…と、湯船で頻繁にお湯の跳ねる音が響いた。あっちも泡風呂だから、お湯の中で汚れを拭いたり、肩から上にお湯をかけて温めたりしているのだろう。湯船で波が立てば、その内サキュバスの色々な部分が見えちゃうかも…。

 もう、恥ずかしくて顔向けできなかった。でも、サキュバスの裸見たさに振り向いてしまったら負けのような気がして、体を洗う間、意地でも背を向け続けた。

「…どうしたの?」

 サキュバスが、突き刺すように問いかけた。うぐ…。いけないと思いつつ、つい横目でチラチラ見ようとしたのを気付かれたらしい。この女、勘が鋭すぎる…。

「見たければ見ればいいのに…」「だっ、黙れ!」

 僕は必死に反論した。しかし声が上ずってしまい、余計にボロを出すだけだった。サキュバスも心の中でからかっているに違いない。

 ん?待てよ…。

「そうか。お前、僕に誘惑呪文をかけたな!?」

 僕は洗体を中断し、振り返って指を指した。「呪文?」「とぼけるな!」僕はひたすら突き詰めた。しかし女にうろたえた様子はなく

「ステータス確認すれば?」

 と言い返した。メニュー画面を開いてみると…確かに僕は正常だ。毒にも麻痺にも眠りにも混乱にも、エナジードレインにもかかっていなかった。

「言っておくけど、サキュバスの世界に誘惑呪文なんて存在しないわ」

「でも、サキュバスは心を堕落させるのが目的だろう?」

「それは呪文じゃなく、サキュバス自身の魅力でそうしているのよ。むしろ、呪文で心を操るサキュバスは、サキュバスとして失格とさえ思われている。誓って言うわ。私はあなたに誘惑呪文を使えないし、呪文で心を操る事さえできない。サキュバスはラリホーもマヌーサもメラゾーマも闘魔傀儡掌も使えるけど、メダパニだけは使えない。使えたとしても、精神異常は戦闘終了後に自動回復するわ」

 まったくもって返す言葉が無い。むしろ、RPGの知識も彼女の方が断然詳しい気がした。

「ところで…ふふ。そういう作戦だったのね?」

 微笑を浮かべ、サキュバスは聞き返した。「う…」僕も気まずくなった。

 今、サキュバスは立ち上がって膝を洗っているため、美しい裸体が目の前で丸見えだ。だから、問い詰める事を口実に振り返った、と思われたのだろう。

 あぁ、それにしてもなんて美しい体つきだろう。モデル雑誌でも、ここまで体型の際立った女は滅多にいない。浴槽と浴室の高さが一律でないのではっきりとは言えないが、身長も相当高そうだ。

 僕は強がって背を向けはしたものの…少し後悔した。今振り返れば、あのスタイル抜群の裸体をもう一度拝める。頼めば多分、胸でも尻でもふとももでも好きに触らせてもらえる。ギュッて優しく抱きしめてもらう事も…。

「そんなに構えないで…。ここは敵の基地じゃなく、ただの休憩所よ?」

 かすれ声で、女はわざと色っぽく言った。言い返しても裏声になってしまうので、無視するしか反撃手段が無かった。

 僕は完全に彼女の虜だった。誘惑呪文を使われたわけでも、超絶な性感技を使われたわけでも、ましてや射精させられたわけでも無いのに、彼女の事が頭から離れなかった。魔法でなく、サキュバス自身の魅力に心を囚われていた。

 僕は自分の、男としての未熟さを思い知った気がした。僕は自力でOLや女子大生を倒してきたが、それは相手が合意の上でセックスを受け入れ、あくまでもセックスという名の格闘技試合をしたに過ぎない。だから、今の僕はセックスバトルの達人であっても、女性の扱いそのものが達者になったわけでは無い。指先のテクニックはプロでも、女性とのコミュニケーション力はこの世界に来た時と変わらず、ド素人の童貞そのままだった。

「また…汗だらけになっちゃった。きっと、シャワーだけじゃ落ちないわね」

 彼女の指摘は意地が悪過ぎた。いったい誰のせいだと…と反論しかけたが、彼女はあくまでも風呂に入っているだけで、彼女の魅力に参ってしまっているのは、僕自身が撒いた種だった。

 シャワーだけでは汗を落とせない。しかし、泡風呂はサキュバスが使っていて、しかも2時間以上は空かない。

「入りたければ入れば?」

「あ、あんたが使ってるから無理…だよ」

「自分でスペースを作ればいいじゃない。腕力ではあなたに勝てないし」

 確かに、僕がどかして入ろうと思えば入れる。だけどその場合、嫌でもお互いの体がくっついてしまうわけだが。でも、この際仕方が無い。泡風呂じゃないと汚れを落とせないんだから、仕方なく湯船に浸かるんだ。ち、誓って、ドサクサに紛れてお湯の中で彼女の体を触ろうというわけじゃ…。

「し、失礼します…」

 僕はお湯に入る事にした。すると彼女も、これ見よがしに王様スタイルで湯船に浸かった。僕が入るには、彼女の両足を奥に押しやるか、背中を前にひっこめさせるか、あるいは彼女と同じ方向を向き、彼女自身に背もたれするしかない。僕は前者を選び、彼女の足をどける事にした。これだけでも相当恥ずかしいが仕方が無い。

 さわっ…ふにふに。

 ああっ、なんて柔らかいふともも…!掴んだ瞬間、五指が全部柔肌に埋まった。手の平には女の生暖かさが伝わり、膝からももまで、どこにも引っかかる事無く滑らかになぞる事ができた。

「ふふ…」

 足を触られて、女が微笑を浮かべた。いけない、きちんと奥にどけないと。

 でも、彼女はさっきと同じように足を組んでいて、お湯の中で色々まさぐらないと、複雑に絡まった両足をほどけなかった。それに彼女自身、ほどかれないよう僕に抵抗している。こいつ、腕力では敵わないと言ったけど…週一でスポーツジムに通っているぐらいの体力はある。だから僕も本気で力を込めなければいけない。しかしこれをすると、否が応でも彼女の両脚全体をおさわりする形になる、諸刃の剣。素人にはおススメできない。

 一向に足をどかせられず悪戦苦闘する中、僕は彼女と至近距離で向き合う形になった。うぅ、なんて美しい顔だ。一度でいいから濃厚なキスを味わってみたい…。これも誘惑呪文じゃなく、僕自身が芽生えた感情だ。

 もうダメだ、我慢できない…。否、ここでは我慢する必要さえ無い。現実ではセクハラ扱いだったり警察を呼ばれたりするが、ここでは何をしても無罪。しかも戦闘中ではないから、彼女に何をしてもゲームオーバーにならない。我慢する必要なんて…無いっ!

「ごっ、ごめん!」

 僕はやむなく…否、そうしたくて、彼女の両脚にしがみついた。そして内股のわずかな隙間に、極限まで怒張したペニスを挿し込んだ!

「えっ…」

 相手のサキュバスは、少々戸惑っていた。しかし、奥底に秘めていた男の情欲を察したのか、いつもの微笑にすぐ戻った。

「もう、駄目で…。我慢の限界で…。だから、どうしても、そのっ…」

 しょうもない言い訳をしながら、僕は必死に腰を振った。あぁっ、カチカチのペニスがふわふわ甘ったるい女のふとももにこすられ、しごかれるっ!全体を包み込んでくれるような、やさしさと温かみにあふれた柔肌の感触がたまらない!1分どころか数秒さえ我慢できずに…いや、我慢なんかしたくないから…で、出るっ!

びゅくっ、びゅぷる!びゅるるっ!びくんびくん、どびゅぷぷぅっ!!

びゅる、びゅくるっ!びゅくんびゅくん!!

 あぁっ、すごい!静電気を流されているみたいに、腰全体が痺れるっ!男の黒い欲望を体現した汚らしい粘液が、もがく魚のように激しく痙攣するペニスの先から、とめどなくあふれ出るっ!下半身が熱い!精液が出れば出るほど快楽のマグマで燃え上がるっ!出ろ、もっと出ろ。僕はできるだけ長く、この恥ずかしいお漏らしを味わっていたいんだ。現実では到底味わえない快楽を、できるだけ長く味わいたいんだ。だから出ろっ、精子もっと出ろ!ペニスの痙攣止まるんじゃない!

「あふぅっ…お姉さん、サキュバスのお姉さんっ…!」

びゅくんびゅくん!びゅる、どぷぴゅっ!!びくっ…びくっ…びくっ…びくっ…

 やがて、ペニスの痙攣は収まり始めた。痙攣と言っても、窮屈な柔肌に埋もれ、身震い以外は一切できなかったが。

「はふっ…はあぁ。はあ…はあ…はあ…はあ…」

 僕は脱力し、彼女の両脚にしがみついたまま体重をかけた。下半身に結構筋肉をつけているのか、男の重みがのしかかっても、サキュバスは特に窮屈そうな反応を見せなかった。

「ご、ごめん…」

 出し尽くしてスッキリしたからだろうか。急激に理性が戻って、僕はひと言目にこうつぶやいた。あぁ、サキュバスとエッチな事をして射精してしまった。物凄く恥ずかしくて気まずかった。

「そ、その、この事は…どうか秘密に」

「…秘密って?」

 彼女に意地悪く聞き返され、少々腹が立った。それを僕の口から言わせるのか?ふとももスリスリして射精してごめんなさいって…。

 とはいえこの世界では、精子は外に出て数秒と経たずないと・めあの領域に送り込まれる。だからお湯に精子が浮かんでくる事も無いし、泡風呂なのでペニスのビクビクした痙攣の様子も見られる事は無かった。

 でも、サキュバスが気づいていないはずは無かった。自分のふとももの谷間で、童貞男のペニスが情けなく悲鳴を上げ、ピクピクもがいて身震いした事を。先っぽから、人には言えない真っ白い粘液が漏れ出た事も。分かっていて、こんな意地悪な聞き方をしてくるのだ。

 ひとつ幸いなのは、ステータス画面を見たところ、ゲームオーバーには全くなっていない事だった。HPの表示は0だが、僕は主人公として依然自由にマップ上を歩く事ができる。しばらくすればHPも自然回復するだろう。肉体改造もされておらず、ここは休憩所に過ぎないという彼女の言い分に、全くの嘘偽りがない証拠だった。

 とにかく、気を取り直して本題に入ろう。僕は体を洗いたくて泡風呂に入った。け、決して、その…は、裸のお姉さんが一緒にいるから、とかじゃなくて。そ、そうじゃなくて、体を洗いたいんだ…。

「そ、その、スポンジ…」

 スポンジはお姉さんが持っていた。しかし渡してはくれず、微笑みかけるのみだった。欲しければ自分で取れと言うのか。

 僕が手を伸ばすと、彼女も手を引っ込めた。また意地悪されてる…。僕たちはしばらく、湯船の中でスポンジを奪い合った。レスリングみたいに、体のあちこちがこすれ、挟まれ、押し合い、揉み合いになった。うっかりバストをわしづかみしてしまい、クスクスとからかわれた。わざとじゃない。でも、柔肌の甘美な感触にトキメキ、再び股間が膨張し、心臓が高鳴り始めている事は事実だった。肉体改造も、変な薬を盛られているわけでも無いのに、こんなに早く復活するなんて…。それほどまでに、僕が彼女の肢体を求めてやまないという事だった。

 彼女の手の動きは素早く、右手左手と巧みに持ち替えるため、いっこうにスポンジをつかめなかった。取り押さえようとしても泡まみれの体はニュルニュル滑り、彼女も腕の力をそれなりに鍛えているため無理だった。

 僕は一度立ち上がり、上から覆いかぶさる形でスポンジに手を伸ばした。すると彼女も立ち上がり、スポンジを天井高く掲げた。

「うっ…」

 直立して向き合う形となり、僕はこれまでになく気恥ずかしくなった。

 この人、物凄く背が高い…。スラリと伸びた生足は、腰の付け根が僕のお腹ぐらいの位置にあり、豊かで形のいいバストが、僕の口と同じ高さにある。多分、180は軽く超えていそうだ。

 彼女は腰に手を当てた凛々しい姿勢で僕を見下ろし、自信気に、たしなめるように微笑みかけた。く、悔しい。これが日本人の限界なのか…。

 しかし悔しさ以上に、僕は彼女の美し過ぎる体型から目が離せなかった。これほど完璧絶美な肢体の女性は、世界中でも滅多にいないし、男の側も滅多に堪能できるものじゃない。だけど僕は、さっき彼女のふとももで恥ずかしいお漏らしをしたんだ。やろうと思えば今だって…。さっきの湯船レスリングで散々高まったペニスの怒張と僕自身の欲情は、もはや抑えが利かなかった。

「すっ、スポンジをよこせ!スポンジを…」

 僕は無我夢中で彼女に抱きついた。スポンジを奪うためではなく、スポンジを口実に彼女のナイスバディを堪能する事が目的だった。

むにゅ、ぷにゅぷにゅ、にゅるるんっ…

 あぁ、やっぱりこの人の体最高!僕よりも長く引き締まった生足、ふんだんに脂肪が詰まって、いくら揉んでも飽き足らない乳房とお尻、僕よりも肩幅が広いのに、ちっともごっつい印象を感じない、きれいな流線を描いた背中、全部僕の性感を刺激するっ!

 僕はまたも彼女の内股にペニスを挿し込み、必死こいて腰をカクカク振った。顔は美乳の谷間にうずめ、ひたすら首振りして甘美な弾力を味わった。もうダメだ、早く出したい!色気ムンムンお姉さんの長身ナイスバディで、出したい出したい出したい出したい~っ!!

びゅく!びゅるるっ、びゅくんびゅくん!!

どぶ、びく、びゅぷ!ぶぴゅるっ!どっぴゅるるるる!!

 あぁっ、すごい!ペニスの律動もピクピクした痙攣も、程走る熱いネバネバの体液も止められない!いや、止めたくない!僕は少しでも長くペニスの痙攣状態を維持しようと、一心不乱に腰を振った。ペニスの敏感な部分に刺激を強めるため、両手でグニグニふとももをマッサージしたりもした。

 努力の甲斐あって、精液はいつも以上にたくさん出た。ペニスの痙攣もいっそう激しくなった。恥ずかしいお漏らしを続ける間、僕はこの上ない悦楽に浸っていられた。

「はあっ…はあっ…はあっ…」

 腰の力が抜けて、正直立っていられなかった。しかし、背の高いサキュバスが僕の脱力した体をしっかり支えてくれて、姿勢が崩れずに済んだ。

「はい」

 自分の体をオカズにされても全く意に介さず、サキュバスはスポンジを渡してくれた。「あ、ありが…とう」僕は受け取って礼を言った。もちろん、スポンジを渡してくれた事に対してではなく…。

「ご、ごめん。足、汚しちゃって…」

 彼女の足が精液でベトベト粘ついているのを見て、僕は言った。精液はいずれ蒸発しても、ヌルヌルの我慢汁と、僕の体からにじみ出た汗は残ったままだった。

「じゃあ、返して」「ぼ、僕が洗いたい」

 僕は彼女の言葉を遮るように言った。それでも彼女は手を伸ばした。さっきやられたように、僕も引っ込めて後ろに隠した。いいぞ、これなら彼女も僕に抱きつくしかない。ドサクサに紛れ、あのナイスバディをおさわりし放題…。期待感で、僕の心臓はバクバク高鳴った。

 すると、彼女は素早く手を伸ばし、僕が引っ込めるよりも先に手首を掴んだ。速い…!

 彼女は少々不機嫌なのか、冷たく鋭い目で睨み下ろしてきた。凄みがあって、僕は思わず縮こまった。

「…気の小さい男」

 冷淡な声で、彼女は言い放った。「なんだと…」こればかりは僕も頭に来た。すると彼女は、目と鼻の先まで顔を近づけた。冷たい睨み顔は相変わらずで、僕は背筋が凍った。

「だってそうでしょう?男が女の体に興味を持つのは恥ずかしい事じゃないし、悶々と夜中オナニーしたり、我慢できずに触ったりしても、私は別に軽蔑しないわ。でも、あなたは私の体触りたさに、いちいち言い訳したり、建前を作ったりするのよね?」

「う…」

「そんな男に、サキュバスの気高い体は死んでも渡さないわ。もしかして、相手がサキュバスだからすぐエッチな事してくるとでも思った?ここのフロアで女が襲いかかってくるのは、極上のテクニックを持っていても男を誘惑する方法を知らないからよ。つまり、OLも女子大生も淫魔としては程度が低いって事」

 全く、返す言葉が無かった。OLや女子大生は女としての魅力値が低いから、男に遭遇したら自分から飛びかかるしかない。目の前のサキュバスは存在自体が極上の女だから、セックスバトルの最強技など使わずとも、男の側から射精したさに飛びついてくるわけだ。

「ご、ごめんなさい…」「何が?」彼女はすかさず聞き返した。何に対してごめんなさいなのか、はっきり言わない限り許してはもらえなかった。

「そ、その…お湯に浸かってた時、ど、ドサクサに紛れてあなたのふとももに射精…した」「私に出したくてそうしたのね?」「は、はい…」「それから?」「ふ、二人で立った時、その、スポンジ奪うと見せかけて、お、お姉さんのふとももにもう一度射精…しました」「さっき出したばかりなのに?」「う…その、湯船でうっかり胸触った時、ドキドキして、もっとさわり…たいと思って」「一回目よりたくさん出たわね?」「お、お姉さんの方が背が…た、高くて…見下ろされると、ドキドキ…して」「そう…。それで、どうしてスポンジ渡さなかったの?」「そ、そうすれば…僕に、だ、抱き…ついてくる…と思って…」

 尋問されるたび、僕は恥ずかしさで体中から熱い湯気が昇った。もう男として情けない限りだ。どんな女でも失望するに違いない。…と思いきや

ギュウッ…

 サキュバスは僕の体を優しく抱き寄せてくれた。あぁっ、また胸に顔をうずめる形になって、自分の細い足をしなやかなふとももに絡められる形になって、サキュバスの生暖かい体温を直に感じる形になって気持ちいい!でも、今は性感よりも、全てを懺悔した事に対しての安堵感が勝っていた。

「偉いわ…よく頑張ったわね。これからも、恥ずかしがらずに本当の事を言うのよ?お姉さん怒らないから」

「は、はい…。そ、その、カーテン越しにお姉さんを見た時から、ずっとこうして欲しい…と、思って…ました」

「背の高い女の子に背比べで負けて、やさしく見下ろされながら?」

「は、はい…」

 僕はまた我慢できず、彼女にしがみついた。エッチな事をしても怒られないと分かっているので、もう遠慮が無かった。「お姉さんっ!背が高くてエッチなお姉さんっ!」僕は横尻にペニスを擦りつけ、再び恥ずかしいお漏らしをぶちまけた。もちろん、彼女は嫌がらず自由にさせてくれたし、僕が疲れて余韻に浸る間、ずっと体を支え続けてくれた。

「あ、あの…き、キス…したい」

 しがみついたまま顔を上げると、彼女は要求通りキスをしてくれた。唇は吸盤のようにチュパチュパ力強く吸い付き、長い舌は、僕の舌も歯茎も含め、口の中全体をペロリとなめ回してくれた。甘く濃厚な口付けに耐え切れず、僕は再びペニスから男の子のオシッコを漏らしてしまった。

「せ、背中、しがみついても…?」

 僕が恐る恐る聞くと、彼女は大柄な背中をこちらに向けてくれた。「お姉さん、んふっ…」僕は全力でしがみついた。強い力で押し込んでいるつもりだが、彼女もグッとこらえてみせた。あぁ、この人は背中も色っぽくてスベスベしていて気持ちいい!それに、頭をタオルで巻いているから、むき出しのうなじを堪能し放題だ。タオルが巻かれているのも、大人のお姉さんな雰囲気が出ていて好きだった。

びく!びゅくるるっ!!

 僕はまたも精子を漏らした。お姉さんの側は、後ろから激しく胸を揉まれようと、股間をクチュクチュいじられようと声ひとつ出さなかった。お姉さんはオトナだから絶対お漏らしなかった。

「い、挿れたい。お願い、セックスさせて。セックスバトルじゃなくて、せ、セックスしたい…!」

 僕はすがるように懇願した。彼女は微笑んだまま、再び湯船に浸かった。ダンジョン内では女側が勝手に挿入してくるが、今は僕が挿入したいから、彼女は相手に身を任せるだけだ。

 僕も湯船に浸かって、彼女の左膝を椅子代わりに、パンパンのペニスを捻じ込んだ。ズブズブ…と、亀頭はツルツルのオンナに埋め込まれていく。ペニスはニュルリ、ザラリとした未知の感触に包まれてすぐ、ギュウギュウ掃除機で吸引されるように締め付けられた!

びゅっぷるるるる!!!

びゅくんびゅくんっ、どぷぷぷぷうっ!!

どぷ!びく!べちょ、びゅる、びゅくんっ!!

 ああっ、サキュバスの膣内は一分一秒でも我慢し切れない!出したい、もっと出したい!もっと出ろ!僕が出したいと願うほど、精子は急ピッチで製造され、とめどなくあふれ出た。その度、痺れるような快楽が腰から全身に広がってビリビリした。こんなにエッチな体がこの世にあったなんて!もちろん、肉体改造は受けていない。お姉さんに抱きついている間、そう言うのはステータス画面で何度も確認した。ゲーム上では、誰もいないところでオナニーして抜いているのと同じ処理が施されていた。だから僕も、決してゲームオーバーにならない射精ボーナスを安心して楽しめるのだった。

「まだ、まだ…!」

 一度出し切っても、僕は一心不乱に腰を振り続けた。精子も次から次へと新たに造られた。お姉さんを欲しい!体をむさぼりたい!色気ムンムンのフェロモンにノックアウトされたい!そんな切実な男の欲情が、体内の精子生産工場をフル稼働させ続けるのだった。

 もう、数え切れないくらい射精した。膣内だけでなく、背の高いナイスバディの肢体も思う存分おさわり、またはしがみついて堪能した。「背の高いお姉さんっ!ナイスバディなお姉さんっ!セクシーなお姉さんっ!色気たっぷりのお姉さんっ!エッチなお姉さんっ…!」僕は彼女と見つめ合って何度も叫んだ。「私はジーンよ」彼女は名前を教えてくれた。「じ…エッチなお姉さん!」しかし僕は、あえて彼女をエッチなお姉さん呼ばわりした。エッチなのはキミでしょ?と言い返されても、僕はエッチなお姉さんをエッチと言い続けた。

「はあっ…はあっ…はあっ…はあっ…」

 思う存分出し尽くして、僕はジーンの上半身に体を預けた。彼女は僕を横向きにして抱き寄せた。僕の腰は彼女のふとももに挟まれ、顔の右半分が豊満なバストにうずまる形となった。そして、ジーンは上から僕の顔を覗き込んで微笑を浮かべた。僕もデレデレしながら見つめ合った。性的に未成熟な男の子を、彼女もかわいくてギュッとしたいと思ってくれていた。

 実のところ、セックスよりも抱き合って余韻に浸る時間の方が長いのではないかと思われた。だって、こうしていても全然飽きないんだ。全身に彼女の体がほどよく押し付けられていると、セックスの時ほど激しい快楽が無い分、じわじわ飽きの来ない安定した快感が常に送り込まれ、何より女の柔肌に包まれていると、精神的に安心感が湧くのだった。だから、僕は自分の気が済むまで彼女と抱き合い、ずっと見つめ合った。

「あ、あの…そろそろ、風呂から上がりたい」「そうね」

 ようやく僕たちは体を離し、湯船から上がった。しかし、お姉さんのナイスバディを求めてやまない僕は、間もなく勃起が復活しようとしていた。

「あ、あの、今度はベッドで…。その、棚にコスプレとかあったから、色々着せたり…して」「いいわよ」

 彼女は要求に答え、まずは上半身にバスタオルを巻いてくれた。頭にタオルと、乳首から下と腰回りはヒップをギリギリ隠したバスタオル姿。たまらなく色っぽい姿だ。色っぽいバスタオルのお姉さんを、これからベッドで好き放題できる。僕は期待に胸を膨らませ、浴室の外に出てジーンの後に続いた。



(続く)

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