淫魔の秘宝 10

  ■
 8人の淫魔全てに勝利する事でダンジョンに新たな道が開かれる。
 その先には、さらに3人の淫魔が待ち構えているのだ。
 え?8人の淫魔に勝てれば秘宝が手に入るんじゃなかったのかって?
 そんな事は一言も言っていない。
 『秘宝にたどり着くためには、8人の淫魔全てに勝利しなければいけない』とは言ったが、『勝てればそこで終了というわけではない』。
 この後、残り3人の淫魔と順番に相手をし、それら全てに勝利する事で最深部にある秘宝へとたどり着けるのだ。
 …ただし、気を引き締めた方がいい。
 残り3人の淫魔はこれまで以上に手ごわい奴らばかりなのだから。
 ■
 
 
 
「…マジかよ」
 40年。8人の淫魔全員に勝つのにかかった時間だ。
 本当に大変だった…なにしろ一度でも負けたら最初からやり直しだからな。
 かなり歳もとった…このダンジョン内は若い時期に固定されるシステムがなければここまで来れなかった。
 途中、知り合いから結婚を勧められたり、後輩が引退してしまったり、そんなイベントを乗り越えてやっと勝てたと思いきや。
 まさかまだ続きがあるとは…さすがに落胆がでかい。
「くっ…そぉ…」
 …いつまでも落ち込んでても仕方ない。
 先へと進まなければ。
 あと3人、こいつらに勝てれば今度こそ秘宝にたどり着けるんだ。
 俺は、絶対に、諦めないぞ…!
 
 
 
 新たな道を進んでいくと一つの部屋にたどり着く。
 どうやらここに次の淫魔がいるようだ。
 俺は意を決して扉を開き中へと入る。
 そこに待ち構えていた淫魔の姿を見て思わず「うっ」と声が漏れた。
「よくぞここまで来た。まずは素直に歓迎しよう」
 部屋の奥で座禅を組んでいた淫魔が俺の姿を見て声を放つ。
 思わず畏怖してしまいそうな鋭い目つきと、迫力のある声が淫魔というより戦士を思わせる。
 だがそれ以上に目を引くのが彼女の姿だ。
 三面六臂。3つの顔と6本の腕を持つ異形の姿だったのだ。
 どこかの国の神話にこんなのいなかったっけ?
 …いや、神話とは違い、こいつはさらに乳房までも3対、6つある。
「過去ここまでたどり着けた挑戦者は100名にも満たぬ…つまりこの時点で、お前はこれまでの挑戦者の中でも上位の実力者と言っていい」
 100名以下…そんなに少ないのか。
 まぁそれもそうだろう、あの8人全員に勝利する事がどれだけ困難かは身をもって体験している。
「だがそれらの実力者達の大半も私の淫らな技の前に敗れ去っていった。はたしてお前は私を超えていく事が出来るかな?」
 来るか…相手はこのダンジョンの終盤を任されている淫魔。その実力は恐らく今まで以上と見ていいだろう。
 だが俺だって伊達に40年、淫魔とのセックスに挑戦し続けたわけじゃない。
 こいつに勝って、秘宝までの道を開いてみせる!
 
「ちゅっ…♥」
 まずはキスから。これは終盤であろうとも変わらない基本だ。
 唇を重ね合わせ、互いの舌を絡めあう。
「ちゅぅぅっ…♥」
 もういろんな淫魔と数え切れない程キスをしてきたが、いまだに慣れない。
 これだけでも軽く意識がぼやける程度の快感は感じてしまうのだ。
 さすがは淫魔、キス一つとっても信じられないくらいレベルが高い。
 数分にも感じられた数秒の後、キスを終え淫魔と唇を離す。
 が、淫魔は横を向いて別の顔を俺に向けてきた。
 この淫魔は三面、正面の顔の左右にそれぞれ別の顔があるのだ。
 横の顔がふっ、と笑みを浮かべたかと思うと、その唇で再び俺の唇をふさいできた。
「んんんっ!?」
「ちゅぅぅ♥」
 さっきよりも激しい…
 まるで唇から精気を吸い取られるように力が抜ける…
「あっ…」
 横の顔が唇を離した頃には、俺はぼおっとして思考が曖昧になっていた。
 そこに、さらにもう一つの顔が迫り、3度目のキス。
「うぅんっ…」
「ちゅう、ちゅっ、じゅるぅ♥」
 キスはさらに激しさを増す。
 舌が俺の口の中を動き回るのがたまらなく気持ちいい。
 その快感ですでに俺のペニスは大きくなってしまっていて…
「んおぅっ!?」
「どうだ、口付けをしながらしごかれるのもなかなかであろう?」
 それを淫魔に握られた瞬間、思わずびくんっと体が震えた。
 勃起した俺のペニスは淫魔の手によって、シコシコとしごかれている。
 これがまた絶妙に上手い。手のひらでしめつけ、5本の指を絡ませて…
 すでにキスで朦朧としていた俺はこれに耐える事が出来なかった。
「んぐっ!」

びゅびゅっ!

「出したか。私の手がお前の精液で汚れてしまったな」
 得意げな様子で淫魔が精液塗れとなった手を俺に見せつけてくる。
 俺のペニスが彼女の手で搾られたという明確な証拠だ。
「だが私の手はあと5本も残っている。このまま続けるぞ」
「くあぁぁぁ…」
 淫魔の手コキは射精後もさらに続いた。
 しごく手を何度も変えながら6つの手で俺のペニスを攻め続けるのだ。
 しかも6つの手それぞれで手コキの仕方を変えてくるという芸の細かさ。
 握り方の強弱や、指の絡め方具合でここまで変わるものなのか…?
 うわぁぁ、カリをそんな執拗に攻めるなんてぇ。
「どれか気に入った手はあるか?希望があれば聞いてやる」
「あぅぅぅ…」
 答えちゃダメだ、きっとそれで集中してやられる。
 そもそもどれも気持ち良くて決められない。
「なんだ、特にないのか?ならばこういうのはどうだ?」
 だが淫魔の行動はさらにエスカレート。
 淫魔の6つの手全てが、俺のペニスにまとわりついてきた!?
「あぁぁぁぁ…!」
 6つの手のひら、そして30本の指がいっせいに俺のペニスを弄り始める。
 当然ながらこんなにたくさんの手にペニスを愛撫されるなど初めての経験だ。
「あっ、くっ、それ、やばっ、うあぁ」
「ほぉ、そんなに気持ちいいか、それは何より」
 一つの手がペニスをぎゅっと握り締めてしごいてくると同時に、もう一つの手が指で作った輪でカリを何度も擦り刺激する。
 その上からいくつもの手が重なり、隙間に指を潜り込ませて手コキを補強、まさに隙がない。
 恐るべきは6つの手による連携力、それぞれの手が己の役目を果たしそれでいて全ての手が俺を射精させるという大きな意志の元動いている。
 その未知の快感に俺は急速に快感を高められ…
「で、出る、出るぅっ!」

びゅるびゅるっ!

「おぉ出た出た♥さっきよりも多いではないか。随分とたくさん出るものよ」
 俺はあっけなく二発目の精液を6つの手の中に放ってしまった。
 しかもかなりの量を出したため淫魔の6つの手ほとんどがドロドロに汚れてしまう始末。
 手コキでこれほどの快感を感じさせるとは、なんて奴だ…
「はぁ、はぁ…」
「さて、手でしごいてやるのはこの辺でいいだろう。次は…」
「わっ!?」
 淫魔は俺の体を押し倒し、布団の上に寝かせる。
 すかさず淫魔は俺の体に重なるようにのしかかった。頭と足が俺とは逆に。
 この時点で俺にはわかった、シックスナインだ。
「ほぉ、二度も出していながらまだこれほど硬いとは、さすがにあの8人を超えてきただけの事はある」
 軽く手でしごいてその硬さを確かめる淫魔。
 その口調はどこか楽しげに感じる。
「次は私の口で出させてやるとしよう」
 やはりシックスナイン、つまり淫魔はフェラが狙いだ。
 …ちょっと待て。キスだけであれだけの快感を感じてしまったんだぞ。
 そんな口で直接ペニスをくわえられたら…
「あむぅん♥」
「うおぁっ!?」
 止める間もなくペニスは淫魔の口の中に囚われてしまった。
 瞬く間にペニスは唇の締め付けと絡み付く舌という快感の猛威にさらされる。
「ああぁぁっ、うあぁぁぁ!」
「じゅる、じゅる、ちゅっちゅっ♥」
 くっ、予想はしてたがやはり上手い!
 とても長く耐えられるようなものじゃない!
 と思いきや、唐突に淫魔が口を離した。
 けどこれで終わりじゃないよなと思っていたら案の定。
「んぅっ♥」
「うぅっ!?」
 淫魔はすぐにペニスをくわえ直し、しかもしゃぶり方が変わった!
 くわえる口が変わったんだ。舌による愛撫がメインとなり、特にカリや亀頭周辺は徹底的に嬲られる。
 そ、そんな敏感な所を集中して攻められたらぁぁぁ…
「ちゅ~っ♥」
「があっ!」
 またしゃぶり方が変わった!
 まるで精液を吸いだそうとするかのような強烈なバキューム!
 ペニスを抜こうにも、吸引力が強すぎて抜けない!
 うわぁぁぁ、そんなに強く吸わないでぇぇぇ。
「くぅぅぅぅ…」
 それからも3つの口が何度も交代して俺のペニスに熱烈な愛撫を繰り返す。
 先に二度射精していなかったらとっくに出していただろう。
 だがこのままやられっぱなしでいるわけにはいかない。
 幸い(?)これはシックスナイン、俺の目の前には淫魔の濡れたアソコがアップで迫っている。
 つまりこちらからも反撃のチャンスはあるんだ。
 俺は舌を伸ばし淫魔のアソコに愛撫を始める。
「あんっ…♥いいぞ、なかなかの舌使いだ」
 別の口でフェラチオを続けながらそう応える淫魔。
 よし、どうにか反撃は出来そうだ。
 このままこのペースで…
「ではこちらからもさらなる快楽をお見舞いするとしよう」
「なっ!?」
 しかしここで淫魔からの追撃、狙ってきたのは俺の乳首。
 淫魔がその手を俺の乳首に伸ばしてきて、いやらしい手つきで弄り始めたのだ。
「んんっ…」
 なんという繊細な指の動き…
 そのあまりにも器用すぎる指使いに思わず声が漏れてしまう。
「はうっ!?」
 さらに淫魔の攻めは袋とアナルの方にまで及んだ!
 精液を押し出そうとするかのように玉袋がやわやわと揉みしだかれる。
 アナルには大胆にも2本もの指がねじ込まれた。
 かなり強引にねじ込まれたのに、気持ち良いのが悔しい。
 もちろん乳首を弄る手はそのままだ。
 そうか、手が6本もあるとこういう事もできるのか…!
「うぅぁぁぁ…」
 乳首を弄られ袋を揉まれアナルにまで刺激を受け。
 そして3つの口による激しいフェラチオを受け続けている。
 俺も淫魔へのクンニで反撃をしているが、淫魔の勢いを止める事は出来ていない。
「あっ♥んっ♥よく耐えるな。これでも出さんとは」
 それでも紙一重で射精をこらえていた所だったのだが、
「ならば、これならどうか?」
 淫魔の追撃はまだ終わっていなかった。
 胴体を俺に密着させ、俺の胸~腹に3対6つのおっぱいをぎゅむっと押しつける。
 そしてその状態で淫魔が体を前後に揺らしてきたのだ!
「こ、これはぁぁぁぁ」
 すると当然6つのおっぱいが俺の胸や腹にむにむにと擦りつけられる!
 弾力性のある6つの乳肉がぬらぬらと俺の上半身を這い回り、時折アクセントとして硬くなった乳首がひっかいてくるという、まさにおっぱいならではの独特の快感。
 まさかこんな手で来るとは!
 これ自体は射精に至るような快感ではないが、興奮を高められる事には違いない。
 すでに限界いっぱいの俺にとってはまさにトドメとなった。
「も、もうダメ、うあぁぁぁぁぁっ!!」

どびゅびゅびゅうっ!

「んんん♥んぐっ、んぐっ♥」
 とうとう決壊した俺のペニスから噴き出る精液を淫魔が飲み込んでいく。
 射精は1分弱続き、その間淫魔はペニスをくわえた口を離す事はなかった。
「ぷはぁ♥ふふふ。量も多いし濃さも申し分ない。さてはお前、乳での攻めに弱いな?」
「……」
 無言で目をそらす俺。
 その仕草を肯定と見た淫魔は体の向きを変え俺に近づいてくると…
「そぉら♥」
「わぷっ!?」
 6つのおっぱいの並ぶ胸板を俺の顔に押し付けてきた!
 凶悪な柔らかさがあっちこっちから俺の顔に襲い掛かり、思わず恍惚としてしまう。
「ほれ、どれでも好きな乳をしゃぶるがいい♥」
 言われるがままに俺は淫魔のおっぱいのうち一つの乳首を口に含みちゅうちゅうと吸い始める。
 同時に俺のペニスに伸びた淫魔の手が再び手コキを始めた。
「ちゅう~っ、ちゅっ、ちゅぅ」
「ふふふ、やはりいつの時代も男というものは乳に弱いものだな。よいぞ、そのまま吸い続けろ♥」
 俺は夢中で淫魔の乳を吸いながら、淫魔の手コキを受け続ける。
 ペニスからは断続的に精液が噴きあがっていた。
 あぁ、ダメなのに。今すぐこの乳首を離さなきゃいけないのに。
 体が、言う事を、きかない…




 結局あのまま淫魔の手にひたすら搾り取られて敗れてしまった。
 さすがに終盤戦、初見で勝てるほど甘くはなかったわけだ。
 これでまた最初からやり直しだ。門番も、8人の淫魔もまた超えていかねば。
 …次にあの淫魔に会えるのは何ヵ月後かなぁ。
 
 
 
 
 ■
 “阿修羅”
 
 “8人の淫魔”に勝利する事で新たに姿を現す3人の淫魔。
 通称“最後の3人”。その最初の相手となるのが彼女。
 3つの顔、6本の腕、6個の乳房を持つ異形系淫魔である。
 
 顔が3つと言う事は当然口も3つある。
 とはいっても“百口”のように一人複数フェラは構造上不可。
 だがフェラの上手さは彼女と同等かそれ以上。
 3つの口でそれぞれしゃぶり方が違い、何度も入れ替える事で相手に先を読ませない。
 6本の腕による愛撫も要注意。
 純粋に手数が多いというのはそれだけで脅威であるし、何よりそれぞれの手が恐ろしく器用。
 ペニス、乳首、アナルを同時に刺激されるのはかなりの快感だ。
 豊満な6つの乳房を押し付けてくる事もある。
 胸板をヌルヌル擦られたり、顔面を複数の乳房で圧迫したり…
 これだけで射精する事はないが、6つの柔らかな感触を擦りつけられるのは独特の興奮を生む。
 他の愛撫と組み合わさると大きな効果となり、これもこれで厄介である。
 
 口、手、乳房と、あらゆる箇所でこちらを攻めてくる、しかもそれらが数多いのだ。
 まともに受ければ相当な快感となり、反撃は難しいだろう。
 だが、アソコだけは通常の淫魔と変わりない。
 よって実は挿入するのが一番効果的だったりする。
 それでも手強い事には違いないが。
 
 全くの余談だが全ての淫魔の部屋には専用のベッドが存在するが、実は和風趣味な彼女のみ布団となっている。
 本当に余談だが。

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