ハニーがコスプレシティから姿を消して三週間。
街でも彼女の失踪について、あれこれ噂が飛び交うようになった頃。

マルコキアス姉弟は旅支度をしていた。
それでもハニーは嬲られていた。
彼らは、まるで時間を惜しむかのように、暇さえあればその女体を辱めた。
彼らの欲望の前に、キューティーハニーは、その媚肉を、アヌスをいつでも捧げなければなら
なかった。

もう、前戯とも言うべき拷問じみた責め苦も必要なかった。
ハニーは簡単に欲情させられたのである。
この日は、珍しく兄弟で美女をいたぶっていた。
いかつい巨漢がハニーの左腕を掴み、固定している。
青い男は、そのしなやかそうな腕に注射器を突き立てていた。

「あう……」

チクッといた痛みに、ハニーは眉間を寄せた。
しかし、ことさら抵抗しようとはしなかった。
大男が押さえ込んでいるのだから、したくても出来ないのではあるが、それ以上に「もう、
どうにもならない」と捨て鉢になっていた。
どんな危地でも望みを捨てず、僅かな希望を最大限活かしてピンチを乗りきってきたハニーと
は思えない心境だ。
それほどまでに、この姉弟の淫虐地獄は徹底してキューティーハニーの誇りや理性を粉砕して
いたのである。
それでも、いざというときには僅かに残った人間性や知性が甦る。
空中元素固定装置のお陰ではあるが、それが逆に犯し厭きない新鮮さとなって、ますます姉弟
を悦ばせているのだ。

注射を終えると、カイムは簡易注射器を無造作に捨てた。
床には、使い捨ての注射器がもう5本も転がっている。

「兄貴よう」

アスタロが聞いた。

「この媚薬、えれえ効き目らしいぜ。売人どもも、すぐに品切れだって言ってきやがる」
「まあ、そうだろうな」

兄は軽くうなずいた。

「完全無害で効き目は抜群。それで常習性はない」
「ん? 中毒にはならねえのか? こいつを使うとやめられねえって聞いてるぞ」
「こいつ自体に中毒になるような成分はないそうだ。病みつきになってる連中はな、その効果
の虜になってるんだ」

この薬品自体は、カイムが言ったように無害だ。
常習性も確かにない。
それでいて中毒症状のような状態になるのは、使った効果があまりにも刺激的だったからに他
ならない。
つまり、この媚薬を使った上での性交が、それまでの行為とは段違いに良いということなので
ある。

通常のセックスに於ける快感はもちろんのこと、どんな行為でも直接快楽と結びついてしまう。
これを使えば処女でもいきなり絶頂させることも容易く出来るし、ズブの素人でも、ハードSM
で感じまくってしまう。
つまり、犯す側が一方的に相手を凌辱しているにも関わらず、また相手をどんなに嫌っていよう
が、どのような状況であろうが、ストレートにセックスの快感を強烈に感じ取ってしまうので
ある。
最強の媚薬であった。

この新媚薬の原料は──ハニーの血液だったのだ。
ハニーの不死性、その立ち直りの素早さに着目したリリは、その原因が強力な疑似ドーパミン
であることを突き止めた。
この脳内麻薬は、痛みを緩和するだけでなく、性感をもアップさせる。
決して副作用ではなく、人間のそれも同じような効果があるのだ。
ただ、ハニーの脳内麻薬は人間のものとは桁違いに強力で、肉体だけでなく精神的な傷にも
作用する、ということである。

そこでリリは、弟たちを使ってハニーを肉体的に痛めつけ、その後に変態セックスで辱めた。
これをパターンとして繰り返し、常にハニーの疑似ドーパミンが分泌しやすい状態にしておく
わけだ。
そして倒錯的な責めを交えたセックス漬けにする。
肉体的に傷つき、精神も誇りを傷つけられボロボロにされたハニーの脳髄は、機能をフル回転
させて脳内麻薬を作り出したのだ。

それを吸血鬼ラトゥによって吸い取らせる。
吸血された血液のほとんどはラトゥの養分となってしまうが、その一部を吐き出させて、それ
をもとに精製したのである。
こうして史上最強力にして至上の快楽をもたらす淫靡薬は誕生したのだ。

「でもよお、こいつは人間用だろ? ハニーには生ぬるいんじゃねえか?」

ハニーの体液をもとにして作ったこの媚薬は、そのままでは強力すぎて、かえって実用性が
なかった。
注射した途端に全身が火照って、蒸し焼き状と化して死んでしまうのである。
だから販売用──人間用に、この原液を5倍に薄めたものを作っている。

「心配するな、こいつは原液だ」

兄は薄笑いを浮かべて答えた。
ハニーは、自分の身体が作り出した超強力な淫靡薬を、人間の許容量の20倍も30倍も打た
れていたのである。
もとは自分の血液なのだから、浸透性も抜群にいい。
すぐにハニーは感応してしまう。

「ううっ……」

6本もの原液を注射され、ハニーは解放された。
カイムもアスタロも、腕組みをしたまま眺めているだけだ。
武器こそないが、逃げようと思えば逃げられそうな気がした。
だが、ハニーに逃亡しようなどという気概は微塵もなかった。
そんなものは6本の媚薬注射で霧消してしまっている。
横座りで腕を床についたまま、しばらく俯いていたハニーは、呻きながら自分の肩を抱いた。
両肩がぷるぷる細かく震えている。

「ああ……」

そして、ためらいながらも片手をゆっくりと胸へと持っていった。
ハニーの精神で、恥ずかしい、浅ましいという思いと肉欲との無益な葛藤が起こり、そして
すぐに収まった。
肉の疼きの前に、ひとたまりもなく屈したのだ。

豊かなバストを、下からすくいあげるようにやわやわと揉んだ。
それだけで、ハニーの鋭すぎる性感が収まるはずもない。
逆に油を注いでしまったかのように、美女の貌が火照りだした。
もう身体の内からこみ上げる獣欲を堪えようともせず、乳を揉みながら、もう片方の手は股間
へと真っ直ぐに進んだ。

「あああ……」

膣を抉る指の動きに、ハニーの美唇から妙なる喘ぎが洩れる。
乳房を揉み込む手にも、媚肉をいじくる指にも、だんだんと力がこもっていく。

そして視線を前にやると、もうハニーはそこから目を離せなくなっていた。
ふたりの男が仁王立ちしている。
股間には、言わずもがなの肉棒がたくましくそそり立っていた。
硬そうに反り返り、今にも腹にくっつきそうなほどの勢いだ。
アスタロが腰を突きだして、誇らしそうに揺すって見せた。

「どうだ、ハニー。こいつが欲しいだろう」
「……」

ハニーはゴクリと生唾を飲み込みつつも、何とか首肯するのを堪えた。
そんな我慢は無駄だということは、今までの経験からもわかっているのだが、人々のヒロイン
としての矜持は簡単に消え失せるものではないらしい。
しかし、その反面、あのペニスで心ゆくまで犯して欲しい、穢して欲しいという倒錯した思い
から、どうしても離れられなかった。

悪と欲望渦巻くコスプレシティで、愛と平和を守る正義のヒロイン・キューティーハニー。
そのキューティーハニーが、浅ましくも乳房を揉み、股間をいじって自慰している。
街の人たちの憧憬と期待を一身に背負った身でいながら、敵の男を前にして、抑え切れぬ肉欲
が疼いている。
なんとはしたない、そして、なんと官能的なことだろう。
なんと汚らわしい、そして、なんと快美なことだろう。
ハニーは、倒錯と被虐の快楽にどっぷりと浸ってしまった自分を感じ取っていた。
だめ押しのようにカイムが言った。

「欲しいならそう言ってみるがいい」
「……」
「言えぬか?」
「……て……」
「なに?」
「して……」

もう自分の手だけでは、到底満足できなかった。
あの大きな手で力いっぱい、乳房を揉みあげて欲しかった。
舌がもぎとれそうなほどのきついキスをして欲しかった。
がちがちに硬くなった肉棒で、奥の奥まで抉って欲しかった。
前も後ろも。

「お、犯して……」
「具体的に言え」
「わ、私を……」

ハニーはうつむき、消え入りそうな声で言った。
兄は冷たく言い放つ。

「聞こえないぞ」
「……。私を犯して……ください……」
「どっちを犯して欲しいんだ?」
「ま、前も……後ろ、も……」
「そうじゃないだろ?」

ニヤリと笑ったカイムを悔しそうに見つめながら、ハニーはうつむいた。
しかし、口にした言葉は意外と明瞭だった。

「オマンコ……と、お尻の……穴を……犯して……ふ、太くてたくましいので……いっぱい、
して……」
「それだけか?」
「ああ……お、奥に……オマンコの奥……し、子宮にいっぱい射精……して……お尻も、
いちばん奥に……濃いのをたくさん出して……ああ……」

兄弟は顔を見合わせてニンマリした。

「よし、いいだろう」

兄弟はうなずきあうと、カイムがしながらハニーの側へ行き、そこへ寝ころんだ。
仰向けである。

「あ、あの……」

いきなりのしかかってくるのか、それとも裏返されて後ろから犯されるのか、と、恐怖と期待
で疼いていたハニーは拍子抜けしてしまった。
カイムは何のつもりなのか。
男は寝たままで言った。

「おまえから来い」
「え……」
「おまえから俺につながれ、と言ってるんだ」
「……」

これまで、辛うじてハニーの矜持を保ってきたのは、自分からしにいったことはない、という
点である。
なるほど、どんなに嫌がっていても最後には相手にしがみつくくらいに感じさせられ、屈服の
言葉を吐くのだが、理性が比較的はっきりしている最初から積極的になったことはなかった。
今回は媚薬を使われているとはいえ、まだ理性はある。
その状態で、自分から凌辱者に合体せねばならないのだ。
だが、ハニーに葛藤はほとんどなかった。
もう頭の中は淫らな色で染まりつつあったのである。

コスチュームの股間と胸のあたりを自分で引き裂いた。
犯されやすいようにであろう。
その状態でカイムを跨ぎ、ゆっくりと腰を沈めていく。
内腿に熱い感触があった。
カイムのペニスだろう。
おもむろにそれを掴むと、ハニーは自分の性器にあてがった。

「んんっ……」

愛液で濡れ、媚薬で痺れ切っていた媚肉が、カイムの肉棒で押し広げられていく。
いくら犯され慣れてきたとはいえ、カイムのそれは巨根である。
亀頭部を通り抜ける時、びりびりっと頭の芯が痺れるような感覚が走る。
それを堪えてさらに腰を沈めると、ぬぷぬぷとぬめった水音を立てながら、長大なペニスが
ハニーの膣に飲み込まれていく。

「く……くううっ……は、入って……くるっ……お、大きい……んんっ、奥まで来てる……」

焦れったいほどにゆっくりとハニーの腰が下がっていく。
そして、とうとう膣の最奥にまでペニスが到達し、その先端が子宮口をぐりっと突き上げると、
ハニーは甲高い悲鳴を上げた。
ハニーはカイムの上に跨り、ぺったりと座り込んでいた。
男女の腰は隙間がないほどに密着している。

「あ、あうう……」

男の肉棒で無惨なまでに押し広げられた媚肉は、ひくひくと太いものをくわえ込んでいる。
僅かな隙間からじくじくと熱い蜜が漏れ出ていた。
長男は満足げに女を見上げた。

「よし、根元まで入ったな」
「あ、ああ、はい……んんっ、お、奥……いちばん奥まで……来てる……」

あうあう喘ぐハニーを見上げながら、カイムはその腰をつかむと上下に動かし出した。
子宮口に密着するまで押し込んだペニスを2/3まで引き出し、そして最奥まで突っ込む。
10回も繰り返さないうちに、ハニーの方から動いてきた。
カイムの動きに合わせるというより、むしろ自分が主導権を握りたいと言わんばかりの積極さだ。
くっついては離れる男女の性器は、にちにち、ぬちぬちと粘った卑猥な音を響かせている。
ハニーの肢体が上下運動するに従い、豊かすぎるほどの乳房もたぷん、たぷんと揺れ動いた。
その肉塊を掴み、男は激しく下から揉み上げる。
指先でいびる乳首は、張り詰めたように硬く、また熱い。
乳輪部分もぷくりと膨れあがっており、乳首と合わせて二重に盛り上がっている。

「あっ、あはっ……いっ……くんっ……いっ、いいわ……ああっ……」

猛々しい肉棒が女の陰部を蹂躙している。
犯される女は苦しそうな貌をしているが、よがり喘いでいるところから見ても、その苦痛を
感じているわけではない。
次々に送り込まれる新たな快楽で呼吸困難になっているのだろう。

それでいて、まだ完全に堕ちているわけでもない。
貫かれ、乳肉を揉みしだかれ、「いい」と喘いでいるものの、美貌の片隅にはわずかに羞恥の
色も見え隠れしている。
毎日毎日、徹底的に犯し抜いて、最後には完全屈服したような素振りを見せるのだが、休息を
与えると、またリセットでもされるかのように反抗心を見せるのである。
如月博士がそういう設定にしたのであろう。
例え敵から大きなダメージを受けても、ある程度の時間を置けば、空中元素固定装置が心身共
に彼女を修復させるシステムに違いない。

そうであれば、完全な肉奴隷とすることは難しい。
だが、逆に言えば、毎日新鮮な気持ちで犯せるという利点もある。
日々、この不撓不屈の美女が惨めに屈服する様子を見られるのは、それはそれで悪くない。
それが面倒な時は、今回のように媚薬を打ってやればいいだけの話だ。

「あ、ああ、あう、あう、あううっ、いっ、はああっ、いいっ、あひっ……」

下からリズミカルに突き上げられ、たくましいものが子宮を突き込んでくるごとに甘い声が漏れ
出る。
子宮口をつっつかれると、甘い痺れがジーンと脳天にまで響き、声を出さずにいられなくなる。
肉棒がぬっ、ぬっと出入りすると、めくれ上がった膣襞が赤い肉の色を露わにする。
ペニスに絡み、襞から洩れている愛液は透明なものから、白く粘ったものに変わってきていた。

ハニーが突き上げのリズムを覚え出した頃、いきなりカイムは力強くぐっと腰を突き上げた。
膣への摩擦と子宮へのショックが増大し、ハニーは悲鳴のよういな喘ぎ声を上げ、大きく身体
をしならせた。
女の全身に浮いた汗が飛び散る。

「お、おい兄貴よぉ、そろそろ……」

目の前で繰り広げられる肉宴に、もう我慢できないとばかりにアスタロが声を掛けた。
巨漢の掴んだ肉棒は、もう破裂寸前なほどに硬く膨れあがり、先っぽからはぽたぽたと汁を
垂らし始めている。
もっとも、アスタロの場合、カイムのペニスがハニーのヴァギナに出し入れされる生々しい
シーンを見ても、ここまで昂奮はしないだろう。
激しく抜き差しされている媚肉のすぐ上にある、小さく窄まった穴に昂奮しているのである。
カイムがグンと突き込むと媚肉が絞まり、アヌスまで連動しているかのようにひくついていた
のだ。

カイムは黙ってうなずくと、ハニーの腕を掴むとそのまま前へ引き寄せた。
前屈みになったハニーの背中に腕を回し、そのまま抱きしめる。
そして、近づいてきた美貌に唇を重ねた。

「ん、んむむっ……」

突然、唇を奪われたが、もうハニーは抗わなかった。
それどころかカイムの頭に手を回し、自分から吸っていく。

「む、むちゅっ……んっ、んっ……んんん……ん、じゅるるっ……」

カイムはハニーの背中から手を離すと、そのまま尻に手をやった。
そして、むっちりとよく張った臀部を撫で回すと、ぐいっと尻肉を割り開く。
尻の谷間にが開かれ、恥ずかしい場所がすべて晒されてしまっているが、ハニーはカイムとの
唾液の交換に夢中で、そのことに気づかない。
その背中に、強面の大男がまとわりついてきた時、やっと事態を把握した。

「あ、ああっ!? な、何を……」
「何を、じゃねえだろ。わかってるくせによ」

カッカと灼熱している肉の凶器が臀部の谷に押し当てられると、美女は驚愕の表情を露わに
して叫んだ。

「ひぃっ!? いっ、いやあっ!」
「何をいまさら。アナルセックスは散々教えてやっただろうが」
「そ、そうじゃなくてっ! ま、まだよ、今はやめて!」
「なんでだよ、兄貴にはさせてるじゃねえか」
「だっ、だからっ」

ハニーは大きく動揺している。
まだカイムが終わっていないのだ。

「ちゃんと相手するわっ……だから、少し待って。まだ……ま、前に入って……」
「だからよ、ふたり一緒にするんだよ」
「一緒って……」
「カマトトぶってんのか? オマンコとケツと同時に入れるって言ってんだよ」
「な……」

ハニーにとっては信じられない言葉だった。
あまり性的な知識はなかったのだから無理もない。
だいいち、肛門性交にしたところで、この三週間で初めて仕込まれたのである。
排泄器官でセックスを行うこと自体、異常な変態行為だと思っていたのに、今度は膣と肛門を
同時責めにするという。

「いやっ! 絶対いやよ! 少し待って、す、すぐ終わりにするわっ」
「同時にしてえんだよ。ほれ」
「やあああっ!」

ハニーは泣き叫んで腰をよじり、何とかアスタロの矛先から逃れようとするものの、思うよう
に動けない。
カイムががっしりとハニーの尻を両手で掴んで固定している上、膣には太い杭が刺さっている
のだ。

媚薬のせいか、媚肉だけでなくアヌスも潤い、緩んでいるようだ。
そこへ、暴力的に野太いものがめりめりとねじ込まれていく。
いかに過去何度もこの凶器で肛門を犯され続けたとはいえ、膣にも肉棒をくわえさせられた
ままなのだ。
ハニーは、加えられていく圧力に悲痛な叫びを放った。
初めて犯される時のようなきつさを感じているのだろう。

「だ、だ、め……うああ……さ、裂ける……裂けてしまうっ……」
「裂けるわけねえだろが。もう何度ぶちこんでやったと思ってんだ」
「で、でも、ああっ……こ、こんな……一緒になんて……あ、ううむっ……」

ハニーのアヌスは痛々しいほどに拡げられ、アスタロの巨大なものを飲み込もうとしていた。
たちまちハニーの身体に、新たな脂汗が噴き出してくる。
カイムに抱き抱えられているヒップが、瘧に罹ったかのようにぶるぶると震えていた。

思ったより抵抗があった。
なかなかペニスが入っていかない。
肉体的なきつさもあるだろうが、ふたりのケダモノに同時に犯されるという恐怖もあって、
身体が縮こまっているのだ。
アスタロが焦れたように叫んだ。

「おら、何やってんだ! 自分からケツの穴を開くようにしないとかえってきついんだぜ!」
「そ、そんなこと言ったって……ぐぐっ……」
「何度も教えただろが。ウンチする時みたいに息むんだよ、おら」
「あひぃぃっ!」

もっとも太い亀頭部がアヌスの肉環を通り抜けた時、ハニーは本当に裂けたと思った。
頭の中にも白い稲妻が走った。
その直後、それまで恐怖で冷えてきていた身体が、火が着いたように熱くなり始めた。
そこをさらに過熱させるかのように、熱い肉棒がずるずるっと直腸へぬめりこんでくる。
亀頭が通ったあと、アスタロは躊躇なく一気に貫き、肉棒をすべてその穴に埋没させた。
二本の肉棒が完全に埋め込まれると、キューティーハニーは失神寸前になって呻いた。

「し、死ぬ……」

前後の穴を埋めたもののたくましさ、その圧迫感に目の前が暗くなる。
それを揺り動かすように、ふたりは腰を使い始めた。

「ああっ、やめて! んうっ、ひっ、き、きついっ……し、死ぬう……死んじゃうっ」
「何言ってやがる。キューティーハニーは死ねないんだろ? じゃあ、思い切りいかされて
死ぬ気分でも味わってみろや」

兄弟は嘲笑うと、調子を合わせて前後からゆっくりとハニーを突き上げ始めた。
途端にハニーは、名状できない凄まじい感覚が噴き上がり、一気に押し上げられた。

「だっ、だめえっ……い、いく……いくううっっ!」

ほとんど瞬間的に絶頂を極めたハニーは、膣孔も肛門も思い切りきつく締め上げた。
無論、無意識にである。
ハニーは、これ以上無理というくらいまで背中を仰け反らせ、びくっ、びくっと腰を痙攣させ
ている。
今日まで、ありとあらゆる性の快楽を教え込まれ、もうこれ以上のものはないと思っていたの
は誤りだとわかった。
両穴同時責めで味わわされた肉の悦楽は、それほどに強烈だった。

「ん、ああ……あ、は……」

余韻に浸っているのか、ハニーは腰を小刻みに揺すっている。
痙攣しているのだろうが、さらなる責めを欲して男を誘うように蠢いているようにも見えた。
もちろん、これで許すほどにマルコキアス兄弟は甘くない。
美女を間に挟んでニヤリと笑い合うと、再び腰を突き込み出す。

「あっ! ああっ! ひぃっ!」

いかされた直後で敏感になっている膣内と腸内の粘膜を擦り上げられ、ハニーはまたしても
強制的に快感を与えられる。
まるで剥き出しになっている性の神経を、ヤスリか何かでゴリゴリ擦られているかのような
錯覚を受けた。

一度いかせたとあって、カイムもアスタロも余裕を持って責め立てる。
キューティーハニーのしなやかな肢体は、ふたりの男の間で揉みつぶされ、汗と愛液とよだれ
を絞り出す。

「ああっ、はっ、うんっ、くううっ、ああっ、んむっ、んうう〜〜っ」

真っ赤な顔で喘ぎまくるハニーを恍惚とした表情で見つめながら、カイムは腰を突き上げる。
一方のアスタロは、もう爛れてきているアヌスに躊躇することなく、ガンガンと強靱な腰を
使った。
二本の肉棒は、股間でくっつきそうなくらいに女の臀部を占領している。
肛門と媚肉を何度となく突き刺され、引き抜かれ、ハニーの内部を蹂躙した。

「ああうっ、ああ……お、お願い、もっとゆっくりっ……ああっ……」
「ふざけるな。おまえは乱暴に犯されるのが好きだったんだろうが」
「そんな、ひどい……あくっ……お、お腹が……苦しいの……ああ……」
「そりゃそうだろう。俺とアスタロの太いのが二本も入ってるんだからな」
「ぬ、抜いて……一本抜いて……き、きつい……」

「やめて」ではなく、「一本にしてくれ」と言ったところに、ハニーの悩乱ぶりが窺える。
もう明瞭な判断力は失せているようだ。

兄弟は一本調子ではなく、様々な動きを加えていった。
深く抜き差ししたかと思うと、今度は浅く、但し猛烈な速度で抽挿を繰り返す。
かと思うと、大きく円を描くように腰を使って、膣と肛門を拡げにかかった。
そして根元まで突っ込んだまま、腰を揺すって子宮口を抉り、直腸の内壁を削った。
猛烈な攻勢に、正義の美女はとても持ち堪えることは出来ず、二度目の頂点に近づく。
恐ろしいほどの肉の愉悦に、さしものキューティーハニーも翻弄される。
白熱化した鉄棒に身体の中心を貫かれたかのような衝撃を受けた。

「た、たまんないっ……いいっ……あ、いく……またいっちゃうっっ!」

太腿とふくらはぎの筋肉がはっきりと浮き上がるほどに両脚を突っ張らせ、大きくガクンと
反り返る。
そしてアヌスと媚肉は、再び激しい収縮を二本のペニスに与えた。
カイムとアスタロも、思わず出しそうになったものの、「兄弟に負けられない」という意地
で踏ん張った。
奥歯を噛みしめて射精の発作を耐えたアスタロは、ぱんぱんに張っているハニーの腿を撫で
ながら言った。

「なんだ、またか。おまえも好きなんだな、え、正義の味方さんよ」
「あ……あう……」
「ろくに喋れもしねえか。だが、こっちはまだなんだ。終わるまでつき合ってもらうぜ」

そう言って腰を揺する弟に、兄が話し掛けた。

「……しかし、すごい締めつけだったな」
「ああ、まったくだぜ。チンポがアヌスに食い千切られるかと思った」
「こっちも同じだ。凄え女だぜ、まったく」
「さすがに美人アンドロイドってとこか。なあ兄貴」
「そうだな。なんせ人じゃないんだ。いくらでも責められるってもんだ」

兄も弟に負けじと腰を使い出す。
ぐっと腰を突き上げ、深いところまで挿入すると、薄い粘膜越しに弟の硬い肉棒が感じられた。
速い動きで、盛んに出入りを繰り返しているのがわかった。
兄は、目の前でたぷんたぷんと大きく揺れる乳房を鷲掴みにし、揉みしだきながら聞いた。

「どうだ、ハニー。天にも昇る気分だろう?」
「ああ、いいっ……す、すご……すごいっ……に、二本とも、ああっ、い、いちばん奥まで来
てるっ……」
「そうか。で、どっちがいいんだ?」
「いいっ」
「いいのはわかってる。オマンコとケツと、どっちがいいんだ?」
「ああ、ま、前も……」
「前じゃねえ。オマンコと言えと言ってるだろう」
「く……」

ハニーは一瞬、悔しそうな表情を浮かべたものの、すぐに獣欲に飲み込まれた。
もう何でもよかった。

「オ、オマンコっ……」

愛と平和を守る美女は、恥ずかしげもなく大声で叫んだ。

「オマンコもっ……お、お尻も……お尻の穴も、いいっ……ああ、どっちもすごいいっ……」
「それでいいんだ。で、どんな感じなんだ? はっきり言え」
「あ、あはっ……オマンコの方は……ああ、奥まで……し、子宮まで突き上げ、られると、
か、身体中、痺れる……」

ハニーの口の端から、たらりとよだれが滴った。

「ぬ、抜かれると……エ、エラの張ったとこが……な、中を、擦って……いいっ……」

責め抜かれるハニーは、基本的に女体には関心のないアスタロでさえ、ゴクリと生唾を飲むほど
の妖艶さを漂わせていた。
そのアスタロが、激しく突き上げられ、ゆさゆさと揺れる女体を見ながら上擦った声で訊く。

「じゃ、じゃあ尻の方はどうだ? ああ?」
「お、お尻はっ……」

そう口にすると、ハニーはまた少し恥ずかしそうな色を貌に浮かべる。
これだけ責め嬲られても、尻責めは恥ずかしいし、またそのことを言葉にするのは恥ずかしい
らしい。

「う、後ろのは……ああっ、お尻の奥までっ……奥まで来てるみたいで、す、すごいっ……
お腹、いっぱいになってるの……お尻からお腹まで、ああ、お、犯されてるっ……」

カイムの方は、素直にハニーの媚態に酔っている。
アスタロのアナルセックスの効果も存分に出ているようだ。
だが、やはり彼は肛門より膣の方が好みだった。
アナルを犯すこともあるにはあるが、媚肉には敵わないと思っている。

実際、女の膣の内部は襞で覆われている。
中に挿入された男のペニスを刺激し、射精を促すためのものである。
しかし肛門はそうもいかない。
直腸の中はつるりとしているのだ。
これも当然で、こっちは中から出す一方通行で、普通、入れることはないからだ。
前と同じように襞でもあろうものなら、排泄物がそこで引っかかってしまう。
だから、そこに男根を挿入したところで、前ほどの快感を男は得られないのである。
確かに肛門は括約筋だし、膣穴よりも小さく窄まった穴だから、挿入時にきつい刺激はある。
しかし、それだけだ。
従って、排泄器官を犯すという、倒錯的かつ嗜虐的な快感を得ることは出来るが、男としては
さほど気持ちよくはないはずなのだ。

カイムはそう思っているが、アスタロは別規格なのだ。
この男ほどの巨根をアヌスに挿入すれば、直腸はその太さでパンパンに膨れあがってしまう。
その状態で抜き差しするわけだから、細い風船か何かの中に突っ込んでいるようなものだ。
確かにつるりとした感触ではあるが、きつい収縮は根元を締めつける肛門からだけでなく、
サオを包んでいる直腸内壁からも得られるのである。

アスタロは十二分に満足してハニーのアヌスを犯していた。
兄弟は好き勝手に動いているようであって、互いの調子を合わせている。
兄がペースを速めれば、アスタロも激しく肛門を突き込んでいく。
弟が左回転に腰を回してハニーのアヌスを拡げにかかれば、カイムは右回転にして膣をこね
くった。
お互いに思い切り深くまで突っ込み、己の先端で相手を感じ取って、粘膜越しに激しく擦り
合い、ハニーの中を引っかき回す。
合わせるばかりでなく、双方無無秩序に責める場合もある。
前後左右に肉棒を動かされ、内部を抉り抜かれながらも、ハニーはそうした責めを受け入れた。
どれほど激しく責められても、両穴は悦んで女液を溢れさせ、肉棒たちを奥へ奥へと導き入れる。

「あおっ……おおうっ……すごいっ、たまんないっ……おかしくなりそうよっ……」

堕ちたようだ。
ハニーは腰を使い出したのである。
また明日にはリセットされるだろうが、今回の責めでは、もうハニーは男どもの言いなりの
はずだ。

ハニーは責めるふたりに合わせて腰を振っている。
アスタロが尻を潰すように突き込めば、その巨漢を持ち上げるかのように尻を突きだして、より
奥への挿入を求めた。
カイムがブリッジするかのように腰を突き上げると、ハニーはそれを押し潰すように腰を男に
密着させ、子宮が持ち上がるほどの突き込みを欲した。
それ以外にも、細かく腰を動かしているのは、より自分が感じる箇所を知って、そこへペニスを
持っていこうとしているのだろう。

「くっ、いいっ……そっ、そう、そこっ……そこ、もっと突いてっ……んんっ、もっと深く抉っ
て……いちばん奥までぇっ!」

三度目の絶頂に向かってひた走るハニーは、きゅうきゅうと前後の穴を収縮させた。
一度目より二度目、三度目の方が締め付けがきつい。
奥まで挿入されると、もう逃がさないとばかりにぐっと締めつけるのだが、そこを男たちは引き
剥がすように抜いていく。
膣の粘膜も直腸の粘膜も、べったりと男の肉棒にへばりつき、突っ込まれると一緒に引き込まれ、
抜かれるとめくり出されている。
めくり出される時は、大量の蜜をまぶしつけていた。

「ああっ……ああ、もうっ……」
「いきそうか? またいくのか、キューティーハニーよ」

ハニーはガクガクと何度もうなずいた。
直腸と胎内の襞が、ペニスを促すようにざわつき出した。
腰の動きも大胆になっていった。
射精を望んでいるのだ。
肉体だけでなく、恐らくハニー自身も、だ。
性本能などないはずの彼女なのに、水を求める乾いた喉のように精液を求めていた。
肉を揉み上げられる快感、性器に挿入され、内部を抉られる快感の他、射精される快感も、イヤ
と言うほど教え込まれたのだ。

「ああ、は、早く……」
「何を早くだ?」
「だ、出してっ」

ハニーはぐいぐいと腰を押しつけながら言った。

「もっ、いきそうなのっ……たまんないのよぉっ……」
「だから?」
「だ、だから出して! せ、精液、出してぇっ!」
「どっちにだ? 尻とオマンコと、どっちに出して欲しい?」
「ど、どっちもっ!」

焦れったいとばかりに、美女は腰を淫らに打ち振っている。

「お尻にも、オマンコにもっ……は、早く出してっ……いっぱい、してぇっ」

その言葉を聞いて、ふたりの動きは一層激しくなった。
ハニーの媚態で促され、もうどうにも辛抱できなくなったのである。
もちろんハニーも、兄弟から精を絞りだそうと必死になっていた。

「よし! 出してやるからいけよ!」
「は、はいっ、いきますっ……ああ、いくうっ……いきそうよっ……た、たまんないっ、もう
保たないっ……」

兄弟はここぞとばかりに思い切って腰を打ち込んできた。
このふたりが本気で腰を突き上げてきたら人間の女など毀れてしまうだろうが、ハニーは二匹
のけだものの怒張を堂々と受け止めていた。
激しく腰がぶつかり合い、汗とも淫液ともつかぬ汁が三人の裸身から乱れ飛ぶ。

ふたりのタイミングがぴったりと合い、ズズンと同時に前後の穴の最奥に肉棒をぶち込んだ。
前は子宮を胃の方にまで押し上げ、砕け壊れそうになるほどに。
後ろは根元まで埋まり、アヌスが裂けそうなほどに拡げられ、先端は直腸の最奥にまで届かさ
れた。
膣とアヌスからびりびりびりっと、この日最大の電流が流れ、脳髄と子宮の奥へと一直線に進
んでスパークした。
ハニーは全身を突っ張らせ、足の指までぐぐっと反り返らせて激しく気をやった。

「いああああっっ、いくっ、いっくうううううっっっっ!!」

恐ろしいほどの収縮に襲われ、カイムもアスタロもたまらず射精した。

「く、くそっ。くらえ、キューティーハニー!!」

どっびゅるるるっ。
どぶどぶどぶっ。
びゅくくっ。
びゅるるんっ。
びゅくっ。
びゅる、びゅるるっ。

ハニーの肛門と性器に引き絞られて、カイムは子宮口にぴったりと押しつけた状態で、アスタロ
は直腸の最深部で、それぞれ獣欲の塊を放出した。
子宮の中に、直腸の奥に、どろどろと濃厚の熱い粘液を浴びて、ハニーはぶるるっと腰を大きく
痙攣させた。

「ああっ……あおおっ……あ、はああっ……く、ああ、出てる……す、すごい量……いい……」

どくどくと注がれる精液の多さに目を剥きながら、ハニーはよがり声を上げた。
カイムはなおも腰を打ち込み、ハニーの腰に密着させたまま射精を続けた。

「どうだハニー。たっぷりくれてやったぞ」
「ああ、すごいわ……熱いのが……精液が奥に当たってる……し、子宮の中に出てるのがわかる
……ああ、どんどん中に流れ込んで来てる……」
「おい、こっちはどうだ。ケツの中の方はどうなんだよ」

アスタロもハニーの括約筋の締めつけに顔を歪めながら、その尻に腰をくっつけている。
未練がましく腰を揺すって、最後の一滴まで注ぎ込もうとしているのだ。

「んんん……ま、まだ出てる……お、お尻が……お尻の中が熱い……精液で熱いわ……あうう、
ま、前もまだ出てる……」

男ふたりは精嚢が空になるまで射精しようとハニーを突き上げ続け、ハニーはハニーで、男
どもの尿道に残っている精液までも搾り取ろうと、膣とアヌスを締めつけていた。
両脚はしっかりカイムの腰に絡んでいる。

「ふう」

魔人ふたりは、ようやくハニーの穴から引き抜いた。
媚肉も肛門も、ペニスが抜き去られたあとも粘膜がめくれ上がったままで、赤く爛れた内臓の
内側を晒していた。
それを見ているうちに、またムラムラと欲望がこみ上げてくる。
アスタロがハニーの尻をひっぱたいて言った。

「おい、これで終わったと思うなよ。今日は少なくとも5発ずつはやるからな」
「そんな……こ、これ以上されたら……」
「平気だよ。なんせおまえはアンドロイドだしな」
「も、もう何度いったかわからないのよ……これ以上いかされたら、どうにかなっちゃうわ……」
「それでいいんだよ」

カイムはほくそ笑んだ。

「これからおまえは……キューティーハニーはな、愛と平和の戦士なんかじゃなくて、俺たち
の奴隷に過ぎないんだ」
「奴隷……」
「ああ、肉奴隷、セックス奴隷だよ。もう面倒なことを考える必要なんぞないんだ」
「……」
「街の平和? 人間のため? 笑わせるな。人間が、それほどのものか? 他属を滅ぼすだけ
では厭きたらず、同族同士でも殺し合う。生きるためでなく、楽しみで殺しまでする。そんな
ものを護ってやる必要がどこにある」
「あ、あなたたちだって……人間でしょ……」
「ああ、そうさ。ま、ちょいと姉貴に身体をいじくられてはいるがな。だからこそ、そんな人間
だからこそ、己の欲望のまま生きりゃいいのさ。綺麗事なんざたくさんだ」
「……」
「だからな、おまえもこれからは俺たちに犯られることだけ考えてりゃいいさ。楽なもんだろうが」
「……」
「気持ちよけりゃ「いい」って言え。いく時ゃ「いくっ」て思い切り叫びな。よがって喘いで
りゃいいんだよ」

私はそんな女ではない、と言いかけた時、待ちきれなくなったアスタロが、再びアヌスを貫いてきた。

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コスプレシティからキューティーハニーが失踪して一ヶ月が過ぎた。
この日も、団兵衛と直慶は、あてどもなく街を彷徨っている。

「……直慶」
「……」
「直慶」
「あ、なに?」

老人は痛ましそうな目で孫を見て言った。

「気にするな。あれがハニーちゃんであるはずがないわ」
「……そうだね」

そう答えたものの、少年の表情は虚ろだった。
団兵衛は力づけるように言った。

「他じゃ。他を探そう。ハニーちゃんがわしらを置いて、ここから出ていくわけはない。そう
じゃろう?」

祖父の言葉に、少年は何とか笑みを浮かべることが出来た。

たった今、彼らが立ち去った場所。
シティのダウンタウンの一角、浮浪者の溜まり場。そこで小さな性宴が開かれていた。
四人ほどの薄汚い男どもが女に群がっていた。
主賓たる女は、この街の住民なら知らぬ者とていない、かのキューティーハニーだった。

「こっ、これがキューティーハニーかよ!」
「ああ、このツラ見ろよ、間違えねえよ! 何度もテレビで見たぜ」
「そ、そんなこたあどうでもいいや! もっとやろうぜ!」

ハニーは両手に一本ずつペニスを握り、一本を口にくわえ、一本を膣で受け止めていた。
もはや声も出せないのか、呻き声だけ出して、盛んに肉棒をさすっていた。

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町はずれ。
大型の住居型トレーラーがコスプレシティから離れようとしていた。
住居部では、リリが街の要所にセットしたカメラが撮影した映像を見ている。
映っているのは、何人もの男に輪姦されているハニーだった。
擬体である。
セックス責めで朦朧となったハニーに命令して、空中元素固定装置で作らせた自らの分身だった。
もちろんハニーの能力の足元にも及ばないコピーに過ぎないが、少なくとも見た目は本人とうり
二つであった。

ハニーを連れ去るにあたり、この街に偽物を残す意味は、人々の記憶から彼女を消し去ること
だった。
あのキューティーハニーが、何があったかは知らないが、淫らな姿で男を誘い、淫行に耽って
いる。
なにしろ見た目は同じだから、よほどの近親者でなければ違いは分からないだろう。

もうこんな女は頼りにならない。
淫らなだけの、ただの牝。
そういう意識を植え付ければいいのだ。
いつしかハニーが消えても、そんなことは誰も気にしなくなる。
偽物はそのまま、壊れようが殺されようがどうでもいい。
要はハニーの信用を失墜させ、人々を失望させ、彼女の存在を忘却させればいいのだ。

リリは鼻で嗤ってモニタを切った。
その隣の部屋では、カイムとアスタロが、まだハニーの裸身を犯し嬲っていた。
情欲にまみれ、邪淫に溺れるハニーの瞳から、徐々に正気の色が失せつつあった。




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