別室でモニタリングしていたリリが愁眉を開いた。

「……とうとう自分から欲しがったね、あの女……」

ハニーが自ら男を求めた、という意味ではない。
精液を欲したというところにリリは注目したのだ。
キューティーハニーを捕らえ、凌辱し続けて二週間。
この間、ハニーは兄弟に殴り飛ばされ、刺し貫かれ、何度も瀕死の重傷を負わされていた。

それだけではない。
残酷にも、食事は一切与えられなかったのだ。
水もやっていないから、普通の人間なら保たない。
食事抜きはともかく、水や塩分すら与えられていないのだから死んでしまうだろう。
だがハニーは生きている。
しかも、彼らと戦闘できるほどの体力も気力も保っているのだ。
どこからそのエネルギーを得ているのか。

それは空中元素固定装置の恩恵だとリリは踏んでいた。
つまり空中から元素を得て、僅かでも栄養素を摂っているのではないかと考えたのである。
空気中の湿気から水分を作り出すことは比較的容易だろう。
だが養分となるとそうはいかない。
恐らく、どんなに効率よく補給できたとしても、ハニーの生命活動を最低限支えるのが精一杯
のはずだ。
にも関わらず、彼女は連日のように弟たちと戦っていた。
まったく養分を摂っていないのになぜだ。

いや、たったひとつだけ摂取しているものがあった。
精液である。
犯された当初は、咥内射精されれば胃から逆流させてほとんど吐き出していたし、アヌスを
犯された時も、アスタロがペニスを抜けば直腸から流れ出てきていた。
それが日を追うごとに、ハニーの内部から逆流してくる精液の量が減っていったのである。

それに気づいたリリは仮説を立てた。
ハニーは、外部から入ってくる唯一の物質──男の精液を自らの滋養としているのではないか、
というものだ。
まったく栄養分が入ってこないと認識した空中元素固定装置が、外部から来るたったひとつ
だけ物質である精液をもとに養分を作ろうとしているのだろう。
犯される時はすべてハニーの身体の中に射精されているが、それを吐き出す量がだんだんと減り、
今ではほとんど体内に吸収されてしまっているのが、その論拠である。

まして、二週間目にしてハニーは、決して心から望んでいるわけではあるまいに、自ら男に
精液をねだるまでになっている。
恐らく彼女の心情では、誇りや屈辱といった激しい葛藤があったはずだが、生命維持のシステム
には勝てなかったのだ。
屈辱や怒りを飲み込んで、唯一の栄養素である精液を望まざるを得ない。
そのことを装置が指示しているのだろう。

ハニーは死にたいと思っているに違いない。
だがそれは不可能だ。
空中元素固定装置があるから不死身だということもあるが、ロボット──アンドロイドの自殺
は、ロボット工学三原則で固く禁じられているのである。
生真面目な如月博士は、この原則を遵守させるべくハニーを設計している。
物心両面で、彼女に自殺という逃げ道はなかったのだ。
リリは淫らな笑みを浮かべた。

(こいつは間違いないね……。ハニーはやつらの精液を啜って、辛うじて生きてるわけだ……)

リリは端末を操作し、情報をインクルードした。
彼女はもうひとつ推測したことがある。
その証明をしようと思っているのだが、それもこの日のハニーの痴態でほぼ判明した。
懸念の、空中元素固定装置は彼女の身体のどこに埋め込まれているか、という点だ。
結果は、リリの仮定に間違いなさそうだった。
ハニーは、口からと肛門から、そして膣から大量の精液を連日注ぎ込まれている。
そして、もっとも逆流量が少なかったのが膣内射精の時だったのだ。
もはや間違いない。

空中元素固定装置はキューティーハニーの子宮なのだ。
人として子を為すことが出来ぬハニーが、その臓器だけは与えられている。
そして、それこそが万物を産み出すことが可能な夢の機械だったわけだ。
これを皮肉ととるか、それとも如月博士の愛情ととるかは人それぞれだろう。

(あそこにあることは疑いなさそうだね……。やつらは怒るだろうが、いっそあの女を殺して
摘出するか?……)

そう考えて女悪魔は軽く首を振った。

(いやだめだ。多分、装置とあの女は不可分になっているはずだ。装置の場所はわかるが、
そいつを無理に取り出せばハニーは死んじまうだろう。それはそれで構わないが……)

恐らく、ハニーが死ねば装置自体も自壊するのだろう。
空中元素固定装置を護るためにキューティーハニーは存在するが、キューティーハニーなくし
て空中元素固定装置は動かない。
護る者と護られるべき物が相互互換関係になっているということだ。
つまり、ハニーが生きて使うしか、空中元素固定装置は動かないし使えないということだ。
装置を護る術としては、これ以上ない完璧なシステムだろう。
如月博士のことだ、それくらいはやっているだろう。

(だとすれば……やはり生かしておいて使うしかあるまいね……。なら、やつらやラトゥに
徹底的に嬲らせてセックス奴隷にでもするしかないか……。それなら弟たちも満足するだろう
しね……)

ハニーを言いなりにしなければ、装置を動かすことはままならない。
殺すだけでも、ただ飼うだけでも使えないのだ。
ふふっとリリはほくそ笑んだ。

さて、装置をどうするか。
科学者の端くれとして、システムがどうなっているのかは知りたいが、その後の有効活用に
ついても考えておくべきだ。
装置強奪に失敗したパンサークローとかいうバカな一団は、あれを使って貴金属や現金を大量
に作ろうとしたらしい。

バカげた話である。
貴金属とは、文字通り数が少なくて貴重な金属という意味だ。
なのに、それを大量に作ってカネに変えていたのでは、貴金属市場が混乱し希少価値がなく
なってしまう。
金だのダイヤだのプラチナだのというものは、少ない上に欲する者が多いからこそ高価なのだ。
どこにでも落ちてるものになれば、価格などあってなきが如しだ。
現金も同様である。
市場経済を考慮せず、大量に資金を流しでもすれば、たちまちインフレの嵐が吹き荒れる。
紙幣はその額面ではなく、重さで価値を計ることにすらなりかねない。

自分はそんなバカなことはしない。
もっと有効に、かつ面白く使ってやるつもりである。
リリはニヤニヤしながらモニタに目を戻した。
そこには、再びカイムに貫かれたハニーが熱く喘ぎ「もっと、もっと」と、よがり声を上げて
いるシーンが映っていた。

─────────────────

(あ……フルーレは……)

薄れ行く意識の中でキューティーハニーはぼんやりとそんなことを考えた。
今まで、幾多の敵を葬り去ってきた、彼女の強い相棒。
強力無比な武器。
なくてはならぬもの。
そのフルーレが手元になくなっても、気にならなくなってきたのはいつからだったか。
フルーレを持つことによりわき上がる勇気よりも、肉体を責められ、女陰や肛門を貫かれる
鮮烈な快感の方に気がいくようになってきている。
このままではいけない、武器を振るって敵を粉砕し、直慶たちのもとへ帰らねばという絆と、
このままでいたい、このまま思うさま責め抜かれたいという被虐が交錯している。
気力を振り絞って立ち直ろうと思い直した時、皮膚が破裂したかのような激痛で意識が完全に
覚醒した。

びしぃっ!

「あぐうっっ!」

ハニーは「大」の字になっていた。
両手は手首にベルトを掛けられ、バンザイする形で左右に引っ張られている。
腕輪にはチェーンがついており、それが両サイドの壁にあるフックに繋がっていた。
股間は筋が浮き上がるほどに思い切り開脚されている。
膝に手首と同じ革ベルトがはめられていて、やはりチェーンで引き延ばされているのだ。
臀部のすぐ上、いちばん細まった背中の部分にスツールほどの大きさの小さな台が置かれて
おり、それで辛うじて腰を支えている。

哀れな姿で拘束されている美女は半裸に近かった。
脱がされているのではない。
身につけているコスチュームは、もはや衣服とは呼べない、ただのボロ布同然になっているの
だった。
股間の布きれはもはやなく、大股開きの奥に見えるふたつの恥穴には醜悪なものが埋め込まれ
ている。
太さ7〜8センチはあろうかという人造男性器──張り型が突っ込まれていたのである。
びしん!

「ぐうっ!」

またしても肉を打つような鈍い音が響いた。
責め具を振るっているのは女悪魔だった。
ハニーはリリから拷問を受けていたのだ。
いや、拷問ではない。
聞き出すべき情報などなかったし、彼女はただ単にハニーから苦痛とその先にある妖しい感覚
を引き出そうとしていたに過ぎなかったからだ。
殴り、痛めつけること自体が目的なのだ。

もう数時間に渡ってハニーは責められていた。
よく見れば、床には様々な責め具が転がっている。
鞭やロープ、針に洗濯ばさみ。
家畜用としか思えない太い浣腸器や、その薬液が入っていたと思われる空瓶もゴロゴロしていた。
リリによってハニーは浣腸され、鞭打たれ、叩かれていた。
その凄まじい打撃によってコスチュームは破かれ、擦り切れてしまったのであろう。
乳房や股間、太腿近辺にはもうほとんど布がないところを見ると、その三箇所は特に集中的に
やられたに違いない。

一通り責めたリリは、今は手にした棒切れでハニーを打っていた。
左手には棍棒だ。
表面はゴムで覆われており、中心部に硬い金属が芯になって入っている。
これで殴られると、皮膚にはさほど影響はないが内部の筋肉や骨に大きなダメージを与えられる。
右手には平たい板のようなものを持っている。
握りやすいようにか、グリップには滑り止めがついており、相手を打つ部分は、ちょうどプラス
ティックの定規のような形状である。
こいつで叩いても打ち身にはならないだろうが、皮膚が裂けるほどの衝撃が加えられる。
今はそっちでハニーの肢体を叩き回っているのだ。

びしっ。
ばしぃ!
ばちん
!びっしぃ!

「ぐっ! ……ぐあっ! ……んんっ! ……かはっ!」

胸と言わず腹と言わず、あらゆる部分を叩かれ、その激痛でハニーの美貌が歪む。
その顔には脂汗が浮き、滴っていた。
手は爪が食い込むほどに握りしめ、苦痛を堪えている。
打たれた瞬間、肌が燃え上がりそうなほどに熱くなり、全身が沸き立つような激痛に苛まれた。

ハニーを追い詰めるのはそれだけではない。
肌を打たれると、痛みのために瞬間的に身が縮こまる。
すると当然、膣やアヌスも絞まるから、そこに突っ込まれた淫具を締めつけることになって
しまう。
いやでもハニーは、その太さを感じ取ってしまうのだった。
皮膚を打たれる苦痛と、膣と肛門を責める淫棒の刺激が交錯し、この類い希な美女を当惑させる
のだった。
それでもリリの手は休まず、情け容赦なく正義のヒロインを打ち嬲る。

びしん!

「んんんっっ!」

ハニーは全身を突っ張らせるようにして、ぶるるっと大きく身震いをした。
同時に、責め具をくわえ込まされた陰部と肛門から女液がしぶいた。
絶頂に達したのだろう。
張り型を締めつけ、自ら膣や直腸の中へ引き込むような動きを見せる。
張り型が膣内の襞やアヌスを擦りつけ、それだけで気をやってしまったのである。

リリは喉の奥で嗤いながら、なおも激しく打ち続けた。
数十回もそのまま打撃を続け、最後に思い切り乳房をひっぱたいた。
乳首がもげるかと思うような激痛で、ハニーは失神しそうになる。

「あぐうっ……あ……ああ……」

ひときわ強く打たれたその時、ハニーは熱い激痛とは別の感覚を持った。
皮膚が弾けた直後、ずくんと腰の奥が脈打つのを感じ取ったのだ。
皮が裂けたとしか思えない強い痛みとともに、熱い疼きが肌を走ったのである。
リリが責め具を振るうたびに込み上がる妖しい感覚は、打たれた肌を突き抜け、そのまま股間
にまで届いた。
ハニーは決して認めたくなかったが、股間の張り型のせいではなく、ただ打たれることのみで
快感を感じ始めていたのだ。
もう張り型を抜き、打つだけにしても彼女は気をやってしまうに違いない。

「うふふ……」

それを見極めたのか、リリは実に満足そうな笑みを浮かべてハニーの身体にまとわりついて
きた。
そしてその貌を見て軽い衝撃を受けた。
何という色っぽさだ。肌は薄紅色に染まり、上気している。
唇は軽く開いて熱い吐息を洩らしていた。
虚ろな瞳の奥には淫欲の炎が燃え上がっており、男を引きずり込んでしまいそうだ。
僅かに赤くなった目尻の先には、うっすらと涙も滲んでいる。
目も眩みそうなほどの妖しい色香を発散していた。

アンドロイドに年齢は関係なかろうが、見た目は25〜6歳、いや22〜23歳くらいだろ
うか。
最初に見た時は、こんなタイプではなかった。
豊満すぎるほどの肢体だったから、相応の色気は湛えていたものの、これほどフェロモン満載
という感じではなかった。
色気にしても、男心を揺さぶるというよりは健康的なものだった。
それが連日に渡って変態的な責めを受け続け、倒錯的な激しいセックスに身を委ね続けていた
せいか、明るく健康的な色気に代わって、妖艶さばかり増していったようだ。
こちらの望み通りに変わってきているものの、やはり同性である。
ハニーの美しさに軽い嫉妬すら覚えた。リリはハニーの顎をつまんで言った。

「もうすっかり仕上がったみたいだねえ、あんた」
「……」
「何をやっても感じちまうようになったしさ」
「言うな……」
「ん?」

ハニーは苦しげな口調で反発した。
驚くべき気力である。

「き、きさま、女のくせに……あ、あんな恥ずかしいことを……」
「恥ずかしいだって? 恥ずかしい姿を晒してんのはハニーの方だろうさ」
「……」
「2リットルも3リットルも浣腸されていっちまうなんてね。ちゅるるってシリンダーを強く
押してやったら「いっちゃう!」なんて、さ」
「……」
「挙げ句、今度はなんだい。ひっぱたかれても気をやってるじゃないか。とんでもないマゾ女
だよ、おまえは」
「黙れ……」
「いいや、黙んないよ。弟たちに犯されて気をやるあんたの声が耳に残って離れないよ」
「く……」
「「もっと、もっとしてっ」だってさ」
「……」
「「ああ、またいくうっ」だっけ? あはは……」
「ち、ちくしょう……」
「おや、汚い言葉を使うじゃないか、正義のヒロインさん。ま、いい。その強気もいつまで続く
かね?」
「ぺっ」
「……!」

リリは驚いた。
その頬にハニーがツバを吐きつけたのだ。

驚いた理由はふたつある。
ひとつは、まだこの女にそこまでの気力が残っていたこと。
もうひとつは、ツバを吐かれるというような屈辱的な仕打ちに対してである。
リリに対してそんなことをしたものは今までいなかった。
いたとしても、もうこの世から抹殺されているだろう。
女悪魔は、ぎりっと音を立てて奥歯を噛みしめた。
このまま打ち殺してやろうかと思いを噛み殺し、猫撫で声を出してハニーにすり寄る。

「随分と生意気なマネするじゃないの」
「……ふん」
「あらあら、こんなにミミズ腫れになってるよ、可哀相に」
「な、何を今さら……あなたがしたんじゃないのっ……ああ!?」

ずきんと皮膚に痛みが走った。
見ると、リリが長い舌を伸ばして傷口を舐めているのだ。

「けっ、汚らわしい! やめて!」
「汚らわしいってことはないじゃないか。こうして血を舐め取ってあげてるんだから。ほら」
「あっ!」

熱い舌が腫れ上がった傷跡を這っていくと、ずきっとした痛みとともに舌の熱さが伝わって
くる。
びりびりと痺れるように痛むのだが、おぞましいことにそれがイヤではなくなってきていた。

「あ……あう……んんん……」
「くく、よくなってきたんだね。じゃあもっとしてあげるよ」
「ああ……」

ねっとりとしたベロが肌の上を這うごとに、震えるような疼きが走り、あっというまに股間
にまで到達する。
腰の奥がカッと熱くなり、張り型をくわえた膣が新たな蜜で濡れてくるのがわかった。
リリに気づかれてはならないと思いつつも、彼女の舌の動きに気もそぞろになっていくハニー
だった。

リリは、主に乳房周辺の傷に舌を這わせ、手でやわやわとその胸肉を揉みほぐしていた。

「おっと、あんたは優しくじゃなくって、もっとぎゅうぎゅう揉んだ方が感じるんだっけね」
「ち、違……ああっ……」

ハニーの反論を封じるかのように、リリは力任せに両手で乳房を揉みしだいた。
リリの細い指がハニーの豊かな乳房の肉に食い込む。
ぷくりと盛り上がった乳首を爪を立て、きゅっと抓ると、苦痛よりも快楽を訴える声が洩れる。

「ああっ……ち、乳首はぁっ……あ、あむむ……くうっ……」
「ふふ……」

リリは不敵に笑うと、乳房を揉む手を離してハニーの腰に這わせていく。
濡れそぼった媚肉から責め具を抜いた。

「あう……」

続けて、肛門に刺さっていた張り型も抜き去った。

「ああ……」
「なんだい、そんな物欲しそうな貌をしてさ。入れっぱなしにして欲しかったのかい?」
「そ、そんなわけ……」
「やせ我慢しなさんな」
「あっ、お尻はぁっ!」

リリの細くて長い人差し指が、ぷすりとハニーのアヌスの中に潜り込んだ。
それまで太かったものをくわえていただけあって、あっさりと指を根元まで飲み込む。

「ああ……」

ハニーはお尻を嬲られる恥ずかしさと、責める指のもどかしさに、切なさそうな表情を浮かべた。
知らず知らずのうちに腰が蠢き、リリの手に豊満な臀部を押しつけるような動きを見せた。

「うふふ、ここもすっかり感じる穴になったんだねえ。アスタロにこってり責められたからかい?」

リリは嘲るように言いながら、ハニーのアヌスをこねくった。
指を楕円に回転させて、肛門を押し広げるような動きをすると、ハニーは腰をうねらせて身悶える。
指先で直腸の内壁をコリコリと擦ってやると、踏ん張るようにしてその快美感に耐え、呻くのだっ
た。
腸液にまみれた指をぬぷっと抜くと、ハニーの尻が慌てたようにその後を追い掛けようとする。
恥ずかしいという気持ちを、肉欲が圧していた。

リリはまた別の道具を持った。
長さ50センチ、直径7センチくらいの丸棒である。
両端が丸くなっており、一見バトンか何かに見えた。
異様なのは、先端を除く周囲に無数の突起物が盛り上がっていたことである。
言われなくとも、媚肉に淫らな責めを加える道具だとわかる。

「ふふ、わかるかい? これが何だか」
「……」
「こいつはね、いつもはあたしが使ってるものさ。グロテスクに見えるけど、味はなかなかいい
んだよ。あんたも自分の身体で試してみるといい」
「い、いや……」

無意識のうちにそう口にしたハニーだが、肉体の方はもうカッカと燃え盛っている。
すぐにでもそのグロテスクなものを突っ込んで欲しいと言っている。
そんなハニーの媚態を見ながら、責め具を弄んでいたリリは、淫棒を両手で掴むと、そのままグッ
と曲げた。
半円状というより「U」字型にすると、それをハニーの股間にあてがった。
膣と肛門にその丸い先端が当たり、くちゅりと濡れた音を立てる。
僅かに腰を引いたハニーを抑え、そのままグッと中に押し込んだ。

「あっ、ぐぐ……」
「ほら、力を抜きなよ。入れて欲しかったんだろ?」
「バ、バカ言わない、で……あっ……ぐぐ……そ、そんな太いの……入ら……ないわ……ああっ
……」

膣にはもう半分ほどめり込んでいたが、さすがにアヌスはきつそうだ。
それでもめりめりと音を立てて、肛門が押し広げられていく。
事前にリリの指責めによって、痺れ、潤んでいたせいもあるが、アスタロの剛直で散々犯されて
いたせいでもあるだろう。
徐々に先端が飲み込まれ、いちばん太い部分にかかると、一気にリリは押し込んだ。

「いくっ……!」

膣と肛門に、裂けるような痛みと鮮烈な快感が走り抜け、ハニーはたちまち昇り詰めた。
もうだめかも知れないと思った。
以前より、ずっと感じやすくなっている。
自分でも呆れるほどに、責めを受け入れていってしまう。
ハニーは、絶望する暇もなく、新たな快楽で身を震わせた。
疑似亀頭を潜り込ませたリリが、そのままずぶずぶと根元まで沈めてきたのだ。
膣の方は子宮にまで届き、アヌスの方も直腸の奥深くまで入れられた。
「U」字の二本の棒の部分はすべてハニーの内部に収められ、残りの部分がアヌスと媚肉を繋ぐ
ように顔を出していた。
リリはそこをつまむと、ゆっくりと出し入れを始める。

「ああっ……んっ……やっ、だめ……ひっ……あうっ……いっ、いいっ……ああ……」
「そうだろ、気持ちいいんだろ? そのイボイボがオマンコやアヌスの中を引っかき回して
くれるみたいで」

リリはそう言いながら、責め具を操って、アヌス、膣の同時責めを加えていく。
二穴同時に突き込まれ、同時に引き抜かれる。
いつしかハニーの腰が、責め具に合わせて動いていた。
突っ込まれる時に、僅かに動く腰をグッと下に突きだして、より深い挿入を求める。
引き抜かれる時は、すっと腰を浮かせて、淫具に擦られる時間を長引かせようとした。
リリは右手で責め具を使い、左手で乳房を揉み込みながらハニーをからかった。

「そうそう、そんな感じだよ。そうに動いてくれりゃ、もっと気持ちよくなるさ。それにしても、
天下のキューティーハニーが、こんなに淫らだったなんて、街のみんなが見たら仰天するね、
きっと」
「い、いや……あうう……いい……あ、いい……」

乳房の根元から絞り上げるようにこねくり、乳首が千切れるほどにねじっているのだが、ハニー
には苦痛よりもとろけてしまいそうな肉悦しか感じられなかった。
責めながらリリが感心したようにつぶやく。

「それにしてもいい感じっぷりだねえ。とても、ついこないだまで処女だったとは思えないよ。
やっぱり、こいつの脳には……」

リリが軽く指を鳴らすと、淫棒はまた形を変えた。
「U」字型だったものが、今度は「O」字になっている。
つまり、離れていた二本の棒がほとんどくっついたわけだ。
もちろんハニーの胎内で、である。

「ああっ、な、中で……中で擦れ、てるっ……いっ、いやああっ」
「いやなわけがないだろ。オマンコの中と尻の中に突っ込まれたのが、中で擦れあってるんだ
。気持ちよくてしようがないはずさ」
「んああっ……こっ、擦れてるっ……た、たまんないっ……」

股間の二穴に沈んだ大きな亀頭が、胎内で薄い粘膜を挟んでゴリゴリと擦れ合っている。
今まで感じたことのない凄まじいほどの快感で、ハニーは大きく喘いだ。
喘ぎ悶え、よがらずにはいられない。

「ああ、感じて感じてしょうがないんだね、おまえ。そのイボが擦れて、ああ……」

ハニーの痴態を見ているうちに、リリも我慢できなくなってきたのか、自分の乳房をゆっくりを
揉みしだき始めた。
そしてもう一度指を鳴らした。
すると、また淫棒に動きが加わる。
形状はそのままに、今度は回転するように出入りを始めた。
ずずっと媚肉の中に淫棒が入り込むと、肛門からはずるずるっと抜けてくる。
責め具がアヌスを割って直腸深くまで潜ると、今度は膣から吐き出されるように抜け出た。
膣と肛門を同時に抉られ、ハニーは動かぬ身体をもどかしそうによじらせながら喘いだ。

「あはあっ、いいっ……ん、んくっ……ま、前も後ろもっ……深くまで、ああっ、抉られて…
…いいっ……」

よがらずにはいられないと、美女は顔を打ち振りながら喘ぎ続ける。
手が自由なら、自分から乳房を揉みしだいたに違いない。
リリも自らを慰めながら、敵の美女の悶えぶりを堪能した。

「んっ、たまらないだろうね、そのイボがアヌスの粘膜を抉って……ほら、粘膜がめくれあが
ってるじゃないか」

恥ずかしい描写をされても、ハニーはそっちに気をやる余裕がない。
それほどに股間は大変なことになっていた。
媚肉とアヌスを交互に抉られ、抜き出されるごとに双方から大量に蜜がしぶき出ている。

よく見ると、イボが大きくなっていた。
無数の突起は、最初のうちことなだらかな半円状だったのだが、今ハニーを抉っているそれは、
先端が尖っている。
もはやイボというよりは棘に近かった。その突起が膣を抉り、内部の襞をぐりぐりと扱きあげる。
抜き差しされるごとに、無数の突起がごりゅごりゅっと肛門粘膜をこそげとる。
さらに直腸の内壁もイボに擦られて──というより引っ掻かれて、ハニーに絶息しそうなほどの
凄まじい快美感を送り込んでいる。
強引に与えられた人為的な快感地獄で、ハニーは息も絶え絶えだ。

「あっ、あっ、ああっ、もっ、だめっ……ああ、ま、また……またあっ……」
「いきそうなんだね? いいさ、いっちまいな」
「はああっ」

膣も肛門も真っ赤に爛れるほどの強い刺激を受け、ハニーは全身をグウンと仰け反らせた。
ぐぐっと媚肉とアヌスがきつく収縮し、それに呼応するように責め具が爆発した。

びゅるるうっ。
びゅるんっ。
びゅくっ。

「ひっ、いくっ……い、いっくうっ……」

男のものかと思えるほどの熱くて濃い粘液が吐き出された。
疑似精液を子宮と直腸に浴び、ハニーはぶるるっと大きく震えて気をやった。
そして、まだびゅくびゅくと射精している淫棒を、前と後ろとで食い締める。

「で、出てる……ああ、こんなにたくさん……あ、熱いのが……んんっ、ま、また、いくっ……」
「あ、あたしもっ……」

リリの指が陰部に食い込んでいた。

軽く気をやった余韻に浸っていたリリに声がかかった。

「おい、まだかよ」

気づかなかったのは彼女らしくないが、自慰していたのではやむを得まい。
リリは入ってきた相手に背中を向けたまま冷たく言った。

「……呼ぶまで来るなと言ったはずだけどね」
「待ちきれなかったんだよ。いいじゃねえか、もう。あんたも愉しんだみたいだしな」
「……まあ、いいさ」

ようやく振り返った女悪魔は、手を振って自分の愛液を振り払った。

「いいよ。好きにしな」
「ん? 気を失ってるみたいだぜ、いいのか?」
「いいさ。思いっ切り気をやっただけのことだよ。そのままやるなり、叩き起こしてやるなり……」

それを聞いたラトゥは、長い舌で唇を舐めながら言った。

「よぉし、吸い殺してくれるぞ。ひさびさにうまそうな……」
「お待ち。殺すなって言ってるだろう」
「……」
「いいかい、半分くらいなら平気だろうが、加減するんだよ」
「わかったよ」

そう言って部屋を出ていくリリを、ラトゥは舌打ちして見送った。
この女をとっつかまえてからもう二週間にもなる。
その間、彼はずっとお預けを食ってきたのだ。
いつものことではある。
こいつは、行為の最後に最後に女を殺してしまうから仕方がないのだが、今回は長すぎる。

しかも「殺すな」と来た。
あまり抑制の利く魔物ではないのだが、リリの命令だけは守らねばならない。
彼女のお陰でいい目を見ているのは確かだし、ヘタに逆らえばタダでは済まない。
あっさり殺されるならともかく、おかしな改造でも施されて奴隷にでもされたらたまらない。

「……」

ラトゥは、大の字に宙づりされているハニーを改めてじっくり見た。
いい女だ。

ラトゥの一族は、伝統的に処女を好むのだが、残念ながらハニーのヴァージンはカイムによって
すでに奪われている。
だが、それを補って余りある美女だった。
むちむちした肉体美は、神話の美神すら上回るのではないかと思えた。
くびれたウェスト、足首が、豊満な臀部や乳房を余計に際立てさせている。
あれだけ犯されたにも関わらず、清楚そうな顔つきなのもいい。
その美貌とはアンバランスな妖艶さが漂っているのは、激しい色責めの成果だろう。

これだけの女は数十年ぶりだ。
しかも、女だてらに正義の味方を気取っている。
それにふさわしい力量も持っているようだ。
その女を動けないようにして嬲る。
見ているうちにラトゥの昂奮も高まっていった。

「おら、起きな」
「……」
「おら」
「……う……」

頬を叩かれて、ハニーは絶頂の失神から目を覚ました。
見ると、さっきまで自分を嬲っていた女悪魔はおらず、別の悪魔がいた。
それが男だということは、股間にぶらぶらしている大きなものですぐにわかった。
また犯される。
本当にキリがない。
いつまで自分はこうされ続けるのだろうか。

「……リリに犯られてだいぶまいったみたいだな」
「……」
「おまえも満更ではなかったようだがな。俺も見てたぜ、おまえが「いくっ」って叫んで気を
やるシーンをよ」
「……殺せ……」
「ん?」
「もう、殺せ……殺して……もうこんな……こんなの、耐えられないわ……」
「俺もそうしたいところだったがな」

ラトゥはハニーの小さな顎を掴んで自分の方に向かせ、ニンマリ笑った。

「残念ながらそうもいかねえだ。おっかないリリのご命令でな」
「じゃ、じゃあ……」

ハニーは苦しげに呻いた。

「あ、あなたも……あなたも私の身体が目的なの? ……私を嬲るというの?」
「半分はな」
「半分……て?」

ラトゥはハニーのおっぱいを軽く揉みながら答えた。

「このうまそうな身体を犯したいってのも勿論あるがな、他にも欲しいもんがあるのさ」
「欲しい……もの?」

ハニーの表情に一瞬、キッとしたものが入る。

「ま、まさか……空中元素固定装置?」
「ああ、それな。それを欲しがってるのはリリだよ。俺は別にそんな大層なもんはいらねえさ」
「じゃあ……」
「俺が欲しいのはな」

魔物は愛しそうにハニーの白い首筋を撫でながら言った。

「こいつよ」
「えっ!? あっ、痛っ……な、なにをっ……」

ラトゥはハニーの首筋に吸い付いていた。
いや、正確には「噛みついて」いた。
耳まで裂けた大きな口を開け、そこから覗いた大きな二本の牙がハニーの細い首に刺さっている
ではないか。

「くっ……なにを……するの……痛い……」

長い牙が首筋に沈むと、その傷口から血が滲み、白い牙と白い首を染めていく。
鋭い牙が皮膚を破ると、冷たい感触が首筋に走った。

「あうっ」

一端、歯茎近くまで埋め込まれた牙がすっと抜かれると、ハニーは苦痛でわなないた。
二本の牙の傷跡からは、血液が迸るように噴き出してくる。
頸動脈に穴が開いたのだ。
ラトゥはすかさずそこに唇をあてがった。

「あ、あうう〜〜〜っ……」

吸っている。
魔物はハニーの生き血を吸っているのだ。
いったいどれほどの勢いで吸っているのか、それまでの行為で赤く上気していたハニーの貌から、
すぅっと血の気がなくなっていく。
薄紅色だった肌は色が抜けて白くなり、さらに青白くなってきている。

「や、やめ……て……あ、あ……」

すうっと意識まで吸い取られるような感覚。
首の傷口から、生命力そのものが抜け出ていった。
ラトゥはごくごくと喉を鳴らして血を飲んでいる。
もうハニーの内部にあった血液の2割ほどが吸い取られていた。

(ああ、このまま死ぬのね……)

ハニーは薄れ行く意識の中でぼんやりと思った。
いかに不死身とはいえ、こう急激に血液を抜かれては助かるまい。
というより、全身の血液を飲み尽くされたら、さすがのキューティーハニーでも生命活動を維持
できないだろう。
「これで死ねる」と思ったせいか、ハニーから苦痛が去った。
すると、何とも言えない心地よさに囚われてくる。
ふわふわと宙を舞うような、頼りない感覚。
それでいて、吸われる首筋から得も知れぬ暗い快感まで発生してきた。

「ああ……」

生き血を吸われ、呻くハニーの表情には、セックス時と見紛うばかりの恍惚とした色が浮き出て
いた。
乳首がぷくんと勃起している。
股間の肉芽も、包皮から剥き出て、その濡れ突起を覗かせていた。
感じていたのである。

古来、吸血鬼伝説には性的なものが透けて見え、エロティシズムと切り離せないものがある。
血を吸う側は男がほとんどで、吸われるのは美しい女ばかりだ、というのも、その証明のひとつ
だろう。
そして吸血する箇所は、なぜか首筋からがほとんどだ。
腕など、他にも素肌を晒している箇所はあるのに、首ばかりなのは、やはりセックスを連想して
いるのだろう。
それも、ほぼ必ず後ろからである。
うなじを見ながら白い首に吸い付くわけだ。これは、男性が女性のそこに大きなセックスアピール
を感じているからに他ならないだろう。

通常のセックスに於いては、男性が女性に射精するわけだが、吸血は、それとは正反対に女性
から男性が吸い取る。
これもノーマルな性行為ではない倒錯的な性交を暗示しているのではないだろうか。
なにより、嫌がる女性から無理矢理吸血する行為は、そのまま強姦に繋がるのは誰の目にも明らか
である。
吸血鬼が処女の生き血を好むのも、世の男性の「処女嗜好」があるからだろう。
一度血を吸われた女性が、吸った吸血鬼の虜になってしまうというのも、男性の妄想を促す。
これも、犯された女性が犯した男の性技や男根に夢中になってしまう、という夢想から来ている
のではなかろうか。
吸血はセックスに通じているのである。

ラトゥはハニーの身体にすっかり魅了され、吸い付いた首筋から口を離さない。
それでいて、両手を大手に拡げて大きな乳房をこねこねと揉み込んでいた。
いやいやするようにうねっている尻の割れ目にペニスをあてがうと、そのまま一気に押し入った。

「あぐうっ」

一時も休まる時のない膣は、もちろんまだ濡れたままだ。
ラトゥの大きな男根も、ぬるっとばかりに迎え入れた。
吸血鬼は、根元まで押し込むと、ぐいぐいと腰を使い出した。

「ああ……いい……」

早くも反応し始めたハニーを嬉しそうに見て、ラトゥは尋ねた。

「もう気持ちいいのか。で、どこが気持ちいいんだ? 揉まれるおっぱいか、それともチンポ
突っ込まれてるオマンコか?」
「ああ……む、胸も……いい……オ、オマンコも……いいわ……ああっ……」
「へへ、そうかい。どうだ、俺のは?」
「た、たくましいわ……んんっ、ふ、太くて、ああ、硬い……お、奥まで届いてる……」
「子宮に当たってんのがわかるか?」

ハニーはカクンとうなずいた。
子宮をコツコツつっつかれる良さは、カイムに開発されたものだ。

「吸われるのはどうだ?」
「……」
「おまえの白い首ったまから血を吸われるのも気持ちいいだろって聞いてんだよ」
「……」

これも恥ずかしそうにハニーはうなずいた。
どうしてそんなことが快感なのかわからない。
わからないが、薄汚い魔物に辱められているという屈辱が被虐願望と結びついているのだろう。
ハニーはそんな風に感じていたが、実際は首を傷つけられて血を吸われるという刺激自体も、
官能的なものとしてその肉体が感じ取っていたのである。
ハニーの乳房は、ラトゥの手形が残るほどに強くこねくられ、媚肉も抜き差しするごとに蜜を
しぶかせるほとに反応していた。

「あ、あ、ま、またよ……また、いきそうっ……」
「そうか。少し早いが、ま、いいか。いかせてやるから、思いっ切りいけや。その恥ずかしい貌
をよく見せろよ」
「い、いく……いっちゃいそう……ど、どうにかしてっ……」
「よしよし、じゃあ吸ってやるからな」
「あ……う……」

ハニーの肢体が細かく震えてきた。
もう体内血液の半分ほど吸い取られてしまっている。
もちろん普通の人間なら、とっくに死んでいる量である。
さすがにもうそろそろかと思ったのか、ラトゥは最後のひと吸いをした。
じゅるるっと音がするほどに強烈な吸い上げだった。
その瞬間、ハニーは全身をびくびくっと跳ねさせた。

「うああっ……いっ、くうっ!」

血を吸われても蜜だけは豊富なのか、絶頂の瞬間、媚肉からは夥しい愛液がしぶいた。
当然のように膣も激しく収縮し、魔物のペニスを絞り上げた。
ラトゥもたまらず射精した。

「うっ、ああ……ま、また出された……中に……ああ……」
「へへへ、よかったろうが。俺が血を吸う代わりにザーメンで返してやらあ」
「ああ、そんな……まだ出てるっ……い、いくっ……」




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