学園長から臨時学園集会の通達があったのは、その日の午後9時30分である。
生徒寮での消灯時間が10時であることを考えると、異例中の異例であった。

「何かしら、こんな時間に……」
「今日はもう疲れてんだよ」
「まったくだ、トライアスロンのあとだぜ」
「明日は完全休養日だからまだいいけど」
「消灯時間伸ばしてくれるんだろうな」

生徒たちはブツブツと文句を言いながら、三々五々、講堂へ集まってきた。
教員棟の方からは教師たちが、職員棟の方からは事務方や食堂施設関係者まで集合してきた。

「……」

学園長と教頭は、ざわつく講堂を舞台の袖から盗み見ていた。

「学園長、なにも全員集めることはなかったのではありませんかな」
「いや。もし教員たちの中にけっこうのやつがおったなら、欠員はそっちだろうから、教職員
も呼ばないわけにはいくまい」
「はあ」
「それに、けっこう仮面は複数犯であるとの疑いが濃厚なのじゃ。仮に紅恵が捕まったことを
けっこうどもが知ったなら、他の誰かが紅恵に化ける可能性もある」
「なるほど」
「それにな、片桐たちが本当にけっこうのひとりを捕らえたのであれば、例え仲間が他にいても、
全員集めてしまえば、どこかに欠員が出るはずじゃろう」

その通りであった。
とにかく島中の女をみんな一箇所に集めてしまえば、けっこう仮面は現れようがないのだ。
咎島でひとり捕らえたというのであれば、必ずここの人間はひとり少ないはずである。

学園長は念のため、女生徒だけでなく全生徒と全職員も集合させた。
島の人間はひとり残らず集めたのだ。
理由は、学園がけっこう仮面捜査のために女性を集めたと知られたくないということ。
もうひとつ、万が一、男子生徒の中にけっこう仮面がいた場合に備えて、である。
自他共に認める独裁者だけあって、学園長にもこの程度の知恵は回るのだ。

「学園長、全校生徒集合しました」

そう報告しに来たのは夏綿けい子である。

「うむ、ご苦労。では、念のため点呼をとってもらおう」
「点呼ですか?」
「全員きちんと揃っておるかどうか確かめるのじゃ。……夏綿先生は不満かね?」
「いえ、そんな。わかりました」

けい子がそう言って生徒の方へ向かおうとすると、学園長はその肩に手を置いた。

「先生、この舞台の上からひとりずつ生徒と教員、職員の名を呼んで返事をさせてもらいたい」
「教職員もですか?」
「うむ、例外はなしじゃ。理由を話さねばならんかね?」
「……」

* - * - * - * - * - * - * - * - *

「う……うん……はっ……苦し……」

けっこう仮面−紅恵は呻いていた。
太柱への背中縛りの苦痛からは解放されたものの、今度もまたきつい縛られ方をされていた。

部屋のほぼ中央にある小さな、本当に小さな台の上に乗せられていた。
30センチ四方の、机ともベッドとも呼べない角柱の上に、腰の上のいちばんくびれた部分だけ
が乗っかっている。
そして手足は大の字に拡げられていた。
両手首両膝の部分にベルトが通され、部屋の四隅から伸びる鎖に引っ張られる形で固定されて
いる。
革ベルトで恵のしなやかな肢体がチェーンに引き延ばされていた。
それだけでは手足に体重がかかりすぎるから、ほんのわずか腰の部分だけに台があるのだろう。
それでも腕や脚が引き千切られそうな苦痛があった。
股間も思い切り拡げられているから、腿の付け根がピリピリと痛む。

そんな哀れな格好の恵を責めているのは、カマキリこと片桐教諭である。
先ほど、学園長にけっこう仮面捕獲の連絡を入れたものの、色好い返事はもらえなかった。
学園で調査の上、追って連絡すると言って電話を切られてしまったのだ。
明らかに胡散臭く思われている。
今度は佐田が学園長に電話をかけにいったのだ。
片桐は、学園長に信じてもらえなかった怨みを恵に向けていた。

「ふふ、頑張るわね、さすがにけっこう仮面てところかしら」

片桐のスタイルが奮っている。
黒のブラにショーツという下着姿である。
同色のストッキングを留めているのはガーターであった。
これで黒のアイマスクでもして、ナチ親衛隊のアルゲマイネの制帽でもかぶれば完璧だろう。
しかし素肌の露出が多いというのに、色気はほとんどなかった。
細っこい手足が際立ってしまい、あだ名の「カマキリ」がいかに的を射ているかがわかる。
そのサディスト女は、瞳に妖しい炎を燃やしながら恵を責めていた。

「うむ……く……お腹……あっ……だめ……」

恵は不自由な裸身を小さくうねらせて呻いていた。
大きく拡げられた股間の中央で、小さなアヌスがひくひくと蠢いている。
ぐぐっと膨らみかけ、またすぐに窄まった。
恵は片桐の浣腸責めを受けていたのである。
たっぷりの浣腸液を注入されたまま、ずっと我慢させられている。
させられているというか、恵の方が我慢していた。
一度、佐田にも浣腸されたが、排泄まで見られるのはもうたくさんだ。

「だ、だめ……むむ……ト、トイレに……ああ……」

一度、佐田に大量浣腸されており、腸内に吐き出すものはほとんど残っていない。
それだけに苦痛は大きかった。
全身びっしょりと汗にまみれ、湯気が立ちそうなほどにムンムンしている。
なんとか漏らすまいとして、お尻の筋肉に力が入り、ビクビクと痙攣しているのが痛ましか
った。
引き窄まった肛門が、傍目からもはっきり見えるほどにキュッと収縮したかと思うと、恵は
ひときわ高い悲鳴を上げ、最後を迎えた。

「ひっ……ひぃっ、だめぇっ!!」

言い終わらないうちに、締まりの良いアヌスが見る見る膨らみ、決壊した。
夥しいほどの浣腸液を噴き出していた。
じっくり見られているのがわかるのか、強気の恵が泣きながら懇願した。

「だめっ、見ないで!」
「よーく見てやるわよ。おやおや随分ハデにひり出すものね」
「いやいやいやっ、見るな! 見ないでぇぇっ」

押しとどめたいと思ってもどうなるものでもない。
出始めたらすべて出すまで出てしまう。
アヌスが痛くなるほどに激しく噴出していたが、片桐は片時も目を離さず見ていた。
無論、恵を羞恥地獄に落とすためである。
泣きながらの排泄がようやく終わると、恵のアヌスは再びキュウッと締まっていく。
そこが完全に締まる前に、片桐はチューブを差し込んだ。

「ひぃっ!」

恵の顔が青ざめ、喉から細い悲鳴を絞り出した。
片桐が、プリンと張った恵の尻を撫でながら、透明なビニールチューブを肛門の押し込んでいく。
小指ほどの太さのホースが入り込み、恵の裸身がピクンと跳ねる。
もぞもぞ蠢く腰を抑え、片桐は10センチほども直腸へ挿入していった。
そしておもむろにイルリガートルの栓を緩めた。
直腸に流れ込んでくる冷たい液体を感じ、恵が呻いた。

「ひっ、やめっ……い、入れちゃいやあっ……」

いくら気張っても、流入を食い止めることは出来なかった。
目を固く閉じ、息んで紅潮した顔を振る。
だが、目をつむって視界を閉ざしてしまうと、余計に肛門に突っ込まれたチューブの感覚や、
腸壁を犯す浣腸液の感触を感じ取ってしまう。
激しい排泄で爛れたアヌスと腸襞に染み渡る冷たい液体に、美少女は顔を仰け反らせた。
流れ込むグリセリンを感じ、恵の腰がビクンと震え、腿や腕はぷるぷると小さく痙攣して
いた。
羞恥と苦痛に歪む美少女の表情に満足しているのか、片桐は笑顔を浮かべて言った。

「どう、浣腸の洗礼は? 満足かしら?」
「やめろ……うっ……こ、こんな恥ずかしいこと……あっ……」

三度目の浣腸で、さすがに腸もまいっているのか、早くも薬効が出てきたようである。
恵は苦悶の表情を浮かべ、左右にぶるぶると首を振りたくった。

「は、はう……む……も、もう入れるな……」
「苦しそうね紅さん、いえ、けっこう仮面」
「ううっ……お腹が……んんっ……もうやめろ、ああっ……」
「あら、やめて欲しいの?」
「あ、当たり前だ……はう……むむっ……」
「ウソおっしゃい」

片桐は恵の膣を触って言った。

「こんなにオマンコ濡らしてて、何がいやなの」
「……」
「やめて、なんてウソなのよね。あなたマゾなのよ、こうして恥ずかしいこと、苦しいことを
されると感じてしようがないの」
「で、デタラメ言うな! こ、こんな……あっ」

まだ激しく言い返す恵を鼻で嗤って、片桐は彼女の大きな乳房を握った。

「だってそうじゃないの。なによ、浣腸されてるくせにオマンコにいやらしい汁を垂らして、
おっぱいだってこんなに乳首が固くなってるじゃないのよ」
「そ、それは……」
「こんなおっきなおっぱいして。私への当て付けのつもり?」

確かに片桐は胸も尻も貧相ではあるが、だからと言って、恵がグラマーなのとは無関係だろう。

「そんなわけ、あるか……あっ……も、あっ……お腹、苦しいっ……」

恵も、さっきからの浣腸責めで媚肉から蜜が滲んでいることは気づいていたが、
もうそんなことを気にかけている余裕はなかった。
腹部の膨満感、腸壁の苦痛で、気もそぞろなのだ。
しかし、そんな恵の苦悶に関係なく、肉の割れ目からはジクジクと甘蜜が零れ落ちていった。
浣腸による肉体的刺激と精神的刺激に、彼女の若く鋭敏な肉体が勝手に感応している。

「うっ……ああっ……」

恵の悲鳴がにわかに切羽詰まったものになってきた。
便意を意識し始めたのだ。
いったんこれに気が付くと、もうどう我慢しても堪えきれなくなる。
それを察したのか、片桐が新たな責めを加えた。

「ホントに苦しそうね。じゃあ、少しまぎらわせてあげるわ」
「な、なに……ああっ」

片桐は恵のアヌスに刺さったホースをつまむと、それをクイクイと抜き差しし始めた。
ぐぐっと奥まで入れられると、先端が腸壁に当たって激痛が走り、頭をぶん殴られたような
ショックを受ける。
引き抜かれるとアヌスの襞がめくれ上がり、そこに外気が当たった。
何より、深い場所と肛門付近の浅い場所、どちらにもまんべんなく浣腸液をふりまかれること
がたまらなかった。
たちまち恵はつんざくような悲鳴を上げた。

「やめっ、そ、それはやめて、ああっ……う、動かさないで! ひいっ……あひぃっ……
ああっ……」
「あら、可愛い声も出せるじゃないの。もっと聞かせて、ほら」
「ひぃあっ……や、やめ、あっ……ああっ……はっ……くぅあ!」

浣腸液を注入されながらチューブを抜き差しされる恵は、背中をぐうんと仰け反らせ、大きく
喘ぎ、呻いた。
加速度的に累積されていく便意に加え、アヌスを擦り続け、腸内を動き回るチューブの感触に、
けっこう仮面は気死しそうになる。

「だめ、だめえっ……もっ、もうだめっ……」

片桐はニヤつきながら、追い打ちをかけるように恵の肛門を責める。
蠢く尻を左手で押さえ、右手はグリグリとチューブをこねくり、盛んに抜き差しした。

「だっ、だめだったらっ……も、漏れる、漏れちゃうっ……」

逆らい、反論することも忘れ、恵は恥ずかしい言葉を口にした。
尻穴をこねくられるたびうに、その動きについていくように尻をうねらせている。
そうすることで少しでも刺激を減らそうというのだろう。
息も絶え絶えの恵に、片桐が絶望的な宣告をした。

「まだまだ。あなたもけっこう仮面なら少しは我慢なさい。まだたっぷりお薬はあるのよ」
「そ、そんな……もう無理だわ……」

恵は美貌を引きつらせ、恐怖に震えた。
今でさえ、もう腸は膨満して破裂寸前なのだ。
恵のなめらかな腹部が少し盛り上がり、膨らんでいるくらいだ。
これ以上入れられたら死んでしまう。

便意の限界に震える恵を見ながら、片桐は栓を全開にした。
たちまち、これまで以上の勢いで浣腸液が流入し、腸内を浸蝕していった。

「うああっ、そ、そんなにいっぱい、だめえっ……!」

どんなに腰をよじっても入ってくる薬液、我慢しようのない生理的苦痛に、恵は崩壊しつつ
あった。
苦しげな表情でぶるぶると震え、身悶えするピチピチした裸身から汗が乱れ飛ぶ。
もう臀部の痙攣が止まらなくなっていた。
チューブをくわえさせられたアヌスは、爆発寸前のように膨れあがっていた。
恵の顔色が蒼白となり、歯の根が合わぬようにガチガチと鳴った。
脂汗が引き、代わって冷たい汗が噴き出してくる。

そろそろ限界と見た片桐は、注入しながら恵の腹部をマッサージし始めた。
グルグル鳴っているお腹を揉み込まれ、恵は目が飛び出しそうな表情で叫んだ。

「やっ、やめてぇっ! だ、だめ、そんなことされたら……ああっ」
「どうなるの?」
「で、出る、出ちゃうわっ」

けっこう仮面の苦鳴を心地よく聞きながら、片桐は下腹を揉み、ひくつくアヌスも丁寧に揉んだ。
言うまでもなく、便意を促すためである。
女の細い指で揉まれ、伸びた爪で軽く引っ掻かれる肛門からは、少しずつ薬液が漏れ出した。
盛んにマッサージされるお腹はキリキリと締めつけるような激痛で、恵を泣き喚かせた。

「もっ、漏れちゃうっ……もう入れないでぇっ……ううん、くっ、苦しいっ……」
「そんなにしたいの?」

恵は目をつむったまま何度もうなずいた。
もはや恥ずかしいとかみっともないとかいう感情はない。
一刻も早く、苦痛の塊を吐き出したい。
それだけであった。

「はっ、早く! 早くしてぇっ……死ぬ、死んじゃうっ……お腹が裂けるうっ……」
「あらあら顔が真っ青ね、もうおトイレまで間に合わないでしょ。ここでいいわね」

恵はガクガクうなずいた。

「いいっ……どこでもいいから、ああ……は、早くさせて! もう我慢できないっ……し、
したいのよ、早くさせてぇっ……!」

その言葉を聞くと、片桐はズルズルッと一気にチューブを抜きはなった。
全部抜けると、ちょろっと薬液が零れたが、またアヌスが引き締まる。
まだ恥ずかしいのか、恵は懸命に肛門を閉じていたが、そんなものは知れていた。
片桐はもう一本のチューブを出した。
これは処置台に繋がっており、その先からちょろちょろと水が出ている。
少し勢いを強くして、激しい便意で痙攣の止まらないアヌスにそれをかけた。

「ひゃああっ」

恵が不意を突かれたような悲鳴を上げた。
恥ずかしい崩壊を必死に我慢している肛門にかかる水流の刺激がたまらなかった。

「そ、そんなことしないで! あ、やめてえっ……ひっ、で、出るわ!」
「いいのよ、出して。見てあげるから」
「いやっ……と、止めて、もういやあっ!」

透明な水流が、恵のひくひくする肛門を削るように揉んでいく。
恵の声が途切れ途切れになり、腰に腿、唇までわなわなと震えて止まらない。

「で、出るっ……もう出るぅっ……お願い、見ないでっ……」
「あなた、見られるの好きなんでしょ? 見てあげるわよ、遠慮しないで」
「いやああっっ、み、見ないでっ!!」

呆気ないほどに崩壊した恵のアヌスは、腸内に溜まった薬液を噴出させた。
一度、佐田にされているだけに、吐き出される薬液はほとんど透明で、固形物はなかった。
やや濁ってはいるが、便という雰囲気はしない。
それでも見られる屈辱に変わりはなかった。

「もういやああ……見ないで……だめえ……ああ、まだ出る……」

* - * - * - * - * - * - * - * - *

点呼は1年生を終え、2年生に入っていた。
2−Aの呼び出しが続く。
けい子の、通りの良い綺麗な声が講堂に響いた。

「北崎志緒理!」
「はい」

そこでけい子は、ちらと学園長の方を覗き見、それから次の名を呼んだ。

「紅恵!」
「……はい」
「待て」

恵の返事がした時、学園長が呼び止めた。
けい子はそっちを向く。
学園長は返事がした辺り、つまり2年A組の列を凝視していた。
その中に、やや背の高い、ぼさついた赤い髪の女生徒がいた。
引きずるほどの長いスカートを履いている。
そっぽを向いているが、これはいつものことだ。

「……」
「学園長、何か?」
「……いや、何でもない。続けてくれ」

学園長は、「やはりな」というややホッとしたような顔と、それでも少しは失望の表情を浮か
べる。
片桐からの電話内容を疑っていたこともあるし、仮に紅恵が本当にけっこう仮面だったら、
どう対処すればいいのか困ったろうからだ。

この場に佐田や片桐がいれば、突っ立っている紅恵を見て仰天したことだろう。
生徒の中にも、恵の健在ぶりを見て唖然としていた者が3年の列の中にいた。
持田である。
紅恵−けっこう仮面捕獲に協力した彼は、積年の恨みを晴らしたことと後日の褒賞とを思い浮か
べ、ほくそ笑んでいたのだ。
驚きの声も出せず、孤高を気取るヤンキー学生は紅恵を見つめていた。

そのまま点呼は続けられ、生徒の中に欠席者はいなかった。
その後に行われた教職員たちの点呼でも、やはり欠席者はいなかった。

「学園長、全員の点呼終了しました」
「……」
「欠席者なしです」

学園長は今いちど生徒たちを見回してから厳かに言った。

「わかった、夏綿先生。ご苦労だったな、解散してよし」

* - * - * - * - * - * - * - * - *

恵は続けて三度、チューブ浣腸された。
三度目は二度目よりも一回り太いチューブが使われたが、恵のアヌスは難なくそれを飲み込んで
いた。
そして、またしても片桐に排泄シーンをつぶさに観察された。
恵は、体力を搾り取られるような責めを受け続けたが、ぐったりしている時間も与えられなかった。
片桐はすぐに次の責めを若い女体に加えていく。

「あ、あう……いっ……くっ……」

恵は尻をよじりながら、片桐の責めに耐えていた。
今度は、例の台の上にうつぶせにされ、そこに腹だけを乗せている。
大の字で、部屋の隅から鎖に手足を引っ張られているのは同じである。
大股開きの恥ずかしい格好で、膣もアヌスも、いやらしい女性教師に向けていた。
何度もされた浣腸のせいで、恵の肛門は片桐の指をあっさりと飲み込んでいる。
片桐は腸内を調べるかのように、アヌスに挿入した指をぐいぐい回していた。

「いや……あっ……い、ああ……」

恵の腸内はカッカと熱かった。
指先が腸壁に触れると、反応するように襞が指に絡みつく。
そして、浣腸で緩んだはずの肛門が、片桐の指を締め上げるのだった。
片桐の指が腸内を蠢くと、疲れ切った恵の肢体がぶるぶると震え、腰がうねる。
指が敏感な場所に当たると、「ひっ」と喉を鳴らして背中を反らせてしまうのだった。
ぬぷり、と指を抜くと、恵の臀部がぶるるっと痙攣し、ホッとしたように力が抜ける。
薄く口を開けて、腹部や胸を忙しなく動かし、「はぁはぁ」と荒い呼吸をしていた。

「……」

片桐はそこをじっくり観察した。
激しい浣腸責めだったが、アヌスは爛れている程度で出血もしていない。
いじった感じでは、腸内も平気なようだ。
そして、責められたのが肛門だったとは思えないほどに媚肉が濡れそぼっていた。
アヌスがひくひく蠢くと同時に、媚肉も生き物のように蠢いた。
ふっくらとほころび、赤く充血した秘肉の割れ目が生々しかった。
頂点のクリトリスも、ほぼ完全に包皮が剥け、顔を覗かせている。
触れれば血が出そうなほどに充血しているのがわかった。

まるで男を欲しがっているかのような膣の動きに、片桐は軽い嫉妬すら感じていた。
恵がどう言い繕おうとも、度重なる浣腸や尻責めに感じてしまい、媚肉がほぐれ、蜜が湧き出た
のは否定できまい。
そのまま媚肉をいたぶり、クリトリスを嬲る誘惑にもかられたが、この際、恵を徹底的に辱める
べきだと思い直した。
それならオマンコを責めて気をやらせるよりも、尻責めをして恥ずかしい絶頂を味わわせるべき
だろう。

片桐先生は薄笑いを浮かべて、ひとつの道具を手に取った。
言うまでもなくいやらしい性具である。
取っ手のついた棒のようなもので、色は真っ黒。
柄の部分を抜いた長さは20センチほどだろう。
パラソルチョコのように先端が細く、根元の方へ行くほど太くなっている。
最も太いところで直径5センチもあるだろうか。
その先端に手をやってビンビン弾くと、少したわんで弾むように復元した。
少々硬めのゴム製のようだ。
異様なのは、棒の全周にゴツゴツとイボ状の突起が無数についていることだった。
片桐は、そこに自分のハンドクリームをたっぷりと塗りたくった。
裂けてしまうのは不本意だったし、恐らく佐田も恵の尻を犯したいというだろうと思ったからだ。

浣腸に指嬲りと、気も狂うような恥辱の責めを受けてグッタリとしていた恵は、片桐の動きに気
が付かない。
その尻の真ん中に、片桐教諭は無造作に責め具をあてがった。
ピクンと振られた尻を押さえ、そのまま捻り込むようにしてアナル棒を埋め込んでいく。

「あ……ああっ!? ……あ、な、なにを……」

クタリとしていた恵は、のろのろと顔を上げて後ろを向いた。
片桐の手が動くと、自分の肛門に苦痛が走った。
教師の手に何やら棒のようなものが握られ、それがアナルに入れられていると知ると、恵は活が
入ったようにビクッとした。

「やあっ……やめて、そんなっ……こ、これ以上恥ずかしいことは、ああっ」

腰をぷるぷる震わせて臀部を強張らせるのだが、アヌス棒はじわりじわりと恵の肛門を貫いていく。
必死に窄める括約筋も、潤滑油代わりのクリームが塗られ、回転して潜り込んでくるアヌス棒の
敵ではなかった。
捻り込まれると、狭いアヌスの粘膜が巻き込まれる苦痛に襲われたが、クリームのお陰で裂けて
しまうことはなかった。
それでも、無数の突起に巻き込まれ、少しずつ肛門を拡げられて深く入ってくる感覚はたまらな
かった。

「い、いや……あむむ……」

浣腸と激しい排泄を繰り返し、さらに指で散々いびられた肛門は、ひどく敏感になっていた。
そこをイボイボの責め具で抉られるのだから堪えようがない。
恵はボサボサの髪を振りたくって悲鳴を上げ、わずかに動く腰を揺さぶって呻いた。
入れられるのがいやで肛門を引き締めると、イボイボの感覚をより鋭敏に感じさせられ、恵を
さらなる困惑に追いやるのだった。

「だ、だめ、ううっ……い、入れちゃいや……さ、裂けるわ……ひっ……」

恵のアヌスが限界近くまで開かれていた。
根元近くまで押し込まれたということは、5センチくらい拡げられたということになる。
腸の中も、20センチくらい奥まで入れられたのだ。
もう目一杯というくらいみっちりと責め具を埋め込まれたアヌスは、苦しそうにひくひくと蠢い
ている。
そこを覆うような豊満なヒップには、じっとりと汗が浮き、それがつぅっと尻たぶに沿って滑り
落ちていった。
さすがに片桐も興奮するのか、いっぱいいっぱいまで広がった肛門の襞を指でなぞった。

「ひいっ……やめて、触らないで! ……あう、そんな……ひっ……ううっ……あ」

太いものを飲み込まされ、みちみちに広がった肛門の襞を指でいじられる刺激に、恵はひぃひぃ
と泣いた。
ただでさえお尻から身体が真っ二つに引き裂かれそうな激痛に苛まれているのに、ビリビリと
痺れるような痛みを感じている襞を直接いびられるのだから無理もなかった。

「いや……もういや……お尻、許して……ああ……」

最後の「ああ」が、今までの恵の呻き声と少し違っていたことに、片桐は気づいた。
単に嫌がっているようには聞こえなかったのだ。
その証拠に、拒絶するような尻の動きがだんだんと小さくなってきている。
挿入を妨げようとして振っていた腰がおとなしくなっているのだ。

恵は、身体の芯からこみ上げてくる妖しい感覚をぼんやりと感じていた。
腰の奥が痺れてくる。
同時に、膣の最も深いところから熱いものが分泌されてきているのもわかった。
それが、紛れもない性的な快感だと知った時、恵は絶望感にも似た記憶が思い起こされた。
最後に浣腸された時の、苦痛の奥からやってきた淫らな思いだ。
このまま責められては、肉が爛れ、ほぐされていってしまう。
その結果やってくるのは、屈辱の快楽だ。
恵の心の動揺がわかるのか、片桐は手にした責め具をぐるぐると回しながら抜き差しし始めた。

「あっ、あひっ……やっ、やめてっ……ああ、だめよ、お尻が……ああっ……」

アナル棒がゆっくりと挿入され、引き抜かれるのが繰り返されると、恵はたまらず尻を振った。
眉間を寄せた妖しい美貌を苦悶させ、大きく首を仰け反らせる。
ぐっと深くまで入れられ、また戻されると、そのたびに肛門が擦られて熱が高まっていく。

「ああっ……う、うむ……ふ、深すぎるわ……ああ……」
「深すぎる? ウソおっしゃい、こんなにおいしそうに飲み込んでるじゃないの」
「いやあ……くっ……ああ、そんな奥まで……あうう……」

柔軟な恵のアヌスは、もう無理なく太いものを自在に飲み込んでいた。
ぐぐっと押し込まれるとアナルの襞も巻き込まれて中に入り込み、引かれると腸の襞を一緒に
引き出してくる。
恵はそんな刺激すら、自らの快楽に変えてしまっているようだ。

生々しい光景だった。
うつぶせになっているから目立たないが、恵の膣からは新たな蜜が次々に溢れてきている。
ぽたりぽたりと床に小さな水たまりを形成していく。
肉の割れ目は弾けるようにほころび、赤く充血していた。
感じていることは明らかだ。

「ふふふ……、こんなに感じちゃって。いやらしい子」

片桐はそう言いながら、責め具を操っていた。
抽送の速度を少しずつ上げていく。
次第に強くなる刺激と愉悦に、恵はたちまち激しい反応を見せた。

「ああ、いやあ! ……も、もっとゆっくり、ううむ……ああっ……んむむ……」

美少女は呼吸困難になるほどに、その刺激を受け止めた。
クッ、クッと締まりのいい肛門で、責めるアナル棒を食い締める。
そこを無理に押し込まれるものだから、一層抉られる感覚が強まった。
中に入れば入ったで、腸内の襞をイボがグリグリと削るように擦っていく。
アナルを引き締めると、それに同調して媚肉も収縮し、ぼたぼたと愛液を漏らしていくのだった。
尻の穴などという汚らわしい箇所を責められているのに、どうして快感を得ているのか、恵には
さっぱりわからなかった。
だが、理由はわからずとも、媚肉も肛門もズキズキと性的な疼きを感じてしようがないのは事実
だった。

「ああ、もういやあ……あ、あ、あ……おかしくなるわ……お、お尻が……ああ、お尻が……」

回転し、ぬぷぬぷと深くまで抜き差しされるアナル棒に、ねっとりとしたものが絡みついていた。
クリームも残っていたが、ほとんどは恵自身の腸液だった。
アナルを責められる苦痛を緩和するためと、得も知れぬ快感の結果として、淫靡な液体が分泌
されている。

「た、たまんない……」

恵の声色がはっきりと変化した。
きつく激しい口調が消え、甘く妖しいものになっていった。

「あ、あうう……あああ……あ、ああ……お尻……お尻が……」
「なによ、さっきからお尻、お尻って。お尻がどうしたの?」
「ああ……」
「はっきり言いなさい」
「あう……お尻……いい……」

それを聞くと、片桐はアナル棒の動きを止めた。

「もう一度言いなさい。そうしたら、もっとよくしてあげるわ」
「あ……」

そんな恥ずかしい台詞は言えない、屈服したくないという思いがわき起こったのは一瞬だった。
すぐに圧倒的な肉欲に押し流されてしまった。

「お、お尻が……いい……お尻がいい……たまんないの……」
「ふふ、よく言えたわね、そんな恥ずかしいことが。まあいいわ。ご褒美をあげましょう」
「あああっ!」

肛門を抉られる快美が子宮に直結し、それが媚肉に返ってくる。
そして電撃的に脳天にまで届くのだ。
尻を責め抜かれることにより、甘美というにはあまりにも激しい悦楽が、身体の隅々まで広が
っていく。
アナルに突き刺される責め棒に、恵の肛門と腸の襞がねっとりと絡みついてくる。
引き抜かれると、離すまいとして腸内の粘膜がねばりついてきた。
尻も、責める片桐に合わせてうねり、振られた。
イボイボで肛門や腸の粘膜を擦りつけられると、脳神経が灼き切れそうな狂乱に追い込まれる。

「あ、あああ、いいっ……ひぃぃ……」
「そんなにいいの。それはよかったわね。なら、もっと言いなさい」
「い、いいっ……」
「お尻が気持ちいいのね?」
「いい……お尻、気持ちいいわ……」
「どういいのかしら?」
「あうう……ふ、太いので、ああ、深いとこまで……え、抉られると、ああ……おかしくなる
くらいよ……」
「もっとして、って言いなさい」
「も、もっとして……お尻、もっと、ああ……」

よし、とばかりにうなずいた片桐は、急速にアナル棒で抉った。
恵の肛門が擦り切れるのではないかというくらい激しく律動させたが、それすら恵は快楽として
受け取った。
イボイボで傷つける心配もあったが、柔らかいアヌスはうまく片桐の力を分散させていた。
むしろ恵の方が、貫かれるアナル棒を食い締めるように括約筋を動かし、そのきつい刺激を痺れ
るような愉悦に変換し、喘ぎよがっているくらいだった。

片桐も、恵の性への感受性に対して舌を巻く思いだった。
処女ではなかったとはいえ、ここまで感じやすい肉体は珍しいだろう。
初めての尻責めでここまで反応するとは思わなかった。

もちろん、アヌスと同時に他の部分も責めている。
恵は腹をちょこんと台座に乗せているだけなので、股間や胸は下向きに晒されている状態だ。
片桐はその揺れる乳房をこねこねと揉みしだき、乳首を指先で潰すようにこねくった。
健康的に張り出した豊満な乳房を揉み抜かれる快感と、固い乳首をコリコリされる痛みが合わさ
り、恵に脳髄に感電するような愉悦を与え続ける。
もうダダ漏れ状態の膣に細長い指が挿入され、アナル棒を呼応するようにズブズブとピストン
されていた。
片桐の指が根元まで押し込まれると、その太さの分だけ、じゅぶっと愛液が押し出されてくる。
突っ込んだ指を腹側に曲げ、Gスポットまで意地悪く責めると、たちまち恵は頂点近くまで押し
やられていく。

「ああ、もう……もうっ……」
「あらまあ、お尻でいきそうなの?」
「いやっ……あ、いい……うああっ……」

アナルで気をやるなど屈辱以外の何物でもないと思ったものの、すぐにドロドロとした肉の淫欲
に飲み込まれてしまった。
片桐の手の動きがもどかしいとでも言いたそうに、腰をうねくらせて喘ぎ続けていた。

サドの女性教諭は両手で責め具を持ち、ぐいぐいと美少女の肛門を抉っていった。
我を忘れて尻を揺すっていた恵の声が裏返った。

「あひっ、もうっ……あ、ああ、い、いきそうっ……」

恵の腰がぶるぶると震えると、上半身を大きく仰け反らせて叫んだ。

「ああっ……い、いく……うむぅっ、いっくぅぅぅっっ……!」

恵は、血を吐くような声で絶頂を告げると凄絶な表情を見せて、腰をガクガクッと跳ね上げる。
両手両脚を激しく突っ張らせ、汗を四方に飛び散らせて全身をぶるるっと震わせた。
彼女の肛門は、片桐が手にしたアナル棒を持っていきそうなほどに強く食い締めていた。

片桐がアナル棒から手を離すと、ピンと肛門から生えているように見えた。
それがプルプルと震えている。
よほど強くアヌスがそれをくわえ込んでいるのだろう。
裸身いっぱいにしたたるような汗をかいている恵の肌をそっと撫でると、片桐はまだ尻に刺さっ
たままのアナル棒を握った。
まだ何度もいかせてやるつもりだった。

* - * - * - * - * - * - * - * - *

解散後、けい子のもとに若月香織がやってきた。

「先生、うまく行きましたね」
「ええ、取り敢えずは」

カラクリはこうである。
紅恵に化けたのは結花だ。
170センチの恵に対し、彼女は168センチある。
面光一は165センチということで、恵に近い結花が代役になったわけだ。
その結花の身代わりには、もちろん双子の千草が化けている。

結花と千草は、周囲に気づかれないよう、定期的に入れ替わって学校へ通っている。
言葉は悪いが、結花と千草の片方が、常にスペアとして存在しているのである。
このお陰で、今回のような全員集合時に起こる事件にも対応できたわけだ。
けい子と香織は教師側で点呼されているし、面光一も男子生徒で呼ばれている。
欠員なしとなるわけである。

ただひとつ心配だったのは、この時に何か事件が起こって、けっこう仮面が出動せざるを得ない
状況に陥ることだった。
女生徒だけの集合なら教師のけい子と香織、女全員でも面光一が出られる。
だが、恵が囚われた今回ばかりはそれが出来ない。
それだけに気を揉んだが、さすがに学園側もそこまでは考えが回らなかったようだ。
けい子がそう言うと、香織も頷いた。

「そうですね……。先生のおっしゃる通り、学園長にも連絡が行ってるようですね。けっこう
仮面を捕まえて、その正体が恵さんである、と……」
「そうらしいわね。でも、まだ半信半疑なんでしょうね。だからこうして総員集合をかけて確
かめた」
「はい。咎島へ行けるのは、早くても明日の朝。あっちはSSSの事件以来、無人島ですから
船もありませんし。それまでに出来ることと言えば、こうして生徒を集めて確認することくらい
ですからね」

少し考えて香織が言った。
不安そうな表情が消えない。

「でも先生、これっきりということはないでしょう?」
「多分ね。咎島で恵を捕まえたのが誰かということにも寄るけど、本気で信じているなら、
学園長は自分から島へ渡るでしょうね」
「どうしましょう、私たちも島へは渡れませんし」
「……」



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