「わかってくれた?」
「……」

夏実の優しい声に、美幸は顔を伏せたまま小さく頷いた。
その美幸の姿に、夏実はいっそうの哀れを感じている。
自分の力不足で美幸まで追い込んでしまったのだ。
その罪滅ぼしは、この地獄をやり過ごす術を教えることなのだ。
一方、覚悟を決めたはずの美幸だったが、それでも夏実の指が大事なところに伸びて
くると、身体が勝手に抗ってしまう。

「ああっ、だめ夏実っ……! あっ、そ、そんなところ……ああっ……さ、触っちゃ
……あああっ……」
「美幸、頑張って……お願い、我慢して」
「夏実……」
「あたしが少しでも楽にしてあげるから……。ほら、もう少し力を抜いて、身体を
楽にして……」
「ああ……お、女同士で、こんな……」
「あたしだって嫌なのよ、こんなの……。でも、相手が美幸なら何とか耐えられる。
他の相手だったら絶対に……」
「な、夏実……ああっ!」

牛尾に開発された期間が長い分、夏実の方が積極的であり、牛尾に対する諦めも
あるようだ。
牛尾など相手にせず、自分からやっていると思えばまだ楽である。
夏実にとって幸運だったのは、牛尾がいつものいやらしい合いの手を入れること
なく、夏実と美幸の淫らな絡みをじっと見物してくれていることだ。
声がない分、この卑劣で淫猥な男の存在を忘れることが可能となる。

「あ、あっ……あ、夏実、そこっ……ああ、いや……私、あっ、変になる……ああ
……」
「いいのよ、それで……。ね、没頭して。そしたら忘れられるわ、少なくとも終わる
までは」

美幸はまだ抗う声を出しているものの、夏実の愛撫に感応しているのは明らかだ。
その証拠に、美幸の唇から漏れる声が随分と甘く、とろけてきている。
もう脚にも力が入らないのか、立てていた膝ががっくりと倒れ、夏実の顔の前で
大きく開脚してしまっている。

「美幸……、ここ、どう? 気持ちいい?」
「ひっ! なっ、つみっ、そこはあっ……! くうっ……!」

夏実の指が敏感な箇所に触れているらしく、美幸は盛んに腰を捩っていた。
しかしその動きは、まるで夏実の責めに合わせているかのように見える。
夏実は指を二本まとめて、ずぶりと美幸の中で挿入した。

「ひあっ……!」
「あ、すごい……美幸の中、すごい熱い……ああ……もう、こんなに濡れて……」
「いやあっ、見ないで! あ、指が……夏実の指が……あ、あはっ……」

ねっとりと美幸の蜜で濡れそぼった夏実の指は、ゆっくりと膣の中に挿入され、
引き抜かれていく。
そのリズムや、膣内で指を曲げ、軽く擦る愛撫は、いずれも牛尾によって自分に
施されたものだ。
その時の快感を想像しつつ、夏実は美幸の中を嬲っていった。

「あ、あ……ああ……夏実……ああ……」

美幸の声が完全に変化してきている。
抗う色が消え、もう快楽に浸りつつあった。
指が入り込むと腰を震わせ、抜かれると僅かに腰が持ち上がって追いかける仕草
まで見せている。
美幸が徐々に自分の愛撫に反応してくるのを知った夏実は、かさに掛かって責めを
続ける。
官能を示すようになったら、さらに一歩責めを進めていく。
これも牛尾に犯された肉体が覚え込んでいたものだ。

「美幸……、ここも……された?」
「え……? きゃああっ、夏実、そこはあっ!」

夏実は美幸の媚肉に右手の指を挿入しながら、左手で尻を撫で、その谷間に指を
這わせていた。
指がするっとアヌスの上を滑り抜け、ゾクゾクするような刺激が美幸を襲う。

「はあっ……はああっ……な、夏実、そこはいや……ああ……」
「……可哀想に。ここもされたのね、あいつに。じゃなければ、ちょっと擦っただけ
でこんなに感じたりしないわ……」
「ひっ……あっ、夏実、いや……あう……」

肛門を指が嬲るたび、美幸は踏ん張るように下半身に力を込め、細く途切れそうな
呻き声を上げた。
夏実には、美幸がもう自分と同じかそれ以上に、牛尾によって執拗な肛虐を受けた
ことがわかる。

「い、いや……お願い夏実……お尻は……ああ……」
「もうこんなに柔らかいわ、美幸のお尻……」
「は、恥ずかしいっ……あ、だめっ……そ、そこに入れちゃだめっ……ああ、入って
くる……夏実の指が入ってくる……あ、もっとゆっくりっ……!」
「美幸、可愛い……。責めてるのはお尻なのに、ほら、こっちもどんどん濡れて……」
「ああ……ゆ、許して……」

牛尾の技巧ですっかり開発されていた美幸のそこは、触られ、指を入れられただけで
敏感な反応を示している。
夏実は膣とアヌスの双方に指を入れ、その秘穴を同時に愛撫していた。
その行為は牛尾のような激しく執拗なものではなく、あくまでも美幸の愛するという
仕草が感じ取れる。
だからこそ、美幸も反応していった。

「み、美幸……」
「あ、あうう……夏実……わ、私……」
「美幸……あ、あたしにも……」
「な……なに……? ああ……」
「あたしにも……して……」
「夏実……」

美幸を責めていることで夏実自身もかなり昂ぶってきている。
牛尾の目を気にしていたらこうまで乱れはしなかったろうが、男は沈黙を守り、美女
同士の愛欲図に見入っていた。
もしかしたら、この展開も牛尾の思惑通りだったのかも知れない。

うっすら開けた美幸の目の前に夏実の性器があった。
思わず目を閉じた美幸だったが、その甘い香りと熱気に煽られ、また恐る恐る目を
開いた。

「夏実……すごい濡れてる……」
「わかるわ……自分でもわかるの。美幸を愛していたら、あたしまで……」
「夏実……」

美幸はそっと指を伸ばし、柔らかく閉じていた肉の割れ目を寛げていく。
指が触れると、びくっと夏実の肢体が震える。
そこは見た目以上に柔らかく、また熱かった。美幸は思いきって、そこに舌を這わ
せた。

「ああ! み、美幸っ……し、舌で……? 舐めてるの? あくっ……!」
「夏実の味がする……。いい? 夏実……」
「い、いいわ……そう、そうよ……ああ、いい……あああ……」

肉厚の襞にそっと舌をあてがい、舌先を使ってそこを押し開いていく。
左右の肉襞に丹念に舌を這わせると、夏実は顔を振りたくって喘いだ。
なおも、奥の膣口に舌先を尖らせて差し込んでいく。

「ああっ……! み、美幸の舌がっ……あ、いい……うんっ……あはあっ……」
「夏実……」
「み、美幸……あたしも……」
「ああっ、お尻はあっ……!」

攻守所を変えて、主導権を得ていた美幸に対し、夏実がまた奪い返す。
媚肉に感じる美幸の指と舌の繊細な愛撫に身を震わせつつ、夏実は美幸の弱点を
責め上げていく。
膣から指を抜き、両手で臀部を割り開くと、剥き出しになった美幸のアヌスを指で
揉みほぐした。

「ゆ、指でしちゃいやあっ……ああっ……」
「でも、気持ちいいんでしょう?」
「い、言えないっ……そんなこと言えないわ……あ、夏実っ、お尻は許して……
か、感じてしまう……恥ずかしいっ……!」

熱い舌で、媚肉とアヌスを交互に舐めていく。
膣から愛液を舐め取り、それを肛門に塗りたくるようにして美幸に悲鳴と喘ぎ声を
上げさせた。
尖らせた舌先がアヌスをほじり、また指が押し入っていくと、美幸はつんざくような
悲鳴を噴き出させた、

「あああっ! だめ、夏実、そんなにされたらっ……私ぃっ……ああっ!」
「気持ちいいのね……? 前もこんなに……どんどんエッチな蜜が流れてる……」
「くっ……いい……夏実、いいっ……ああ、だめ、おかしくなりそう……いいっ……」
「そんなのにいいのね……。じゃ……じゃあ、あたしにも……ああっ、そう、そうよ
……いいっ……」

夏実の舌と指がアヌスを舐め、ほぐしていくと、美幸の膣は面白いほどに蜜を溢れ
させていった。
指は遠慮なく美幸の直腸内に入り込み、その腸壁を擦るようにして、柔らかい内臓の
感触を愉しんでいる。
嬲られ続けた肛門はすっかり濡れそぼち、柔軟にほぐれている。
よく見ると、内部の粘膜が淫らなピンク色を見せて露わになっていた。

「なつみっ……ああっ、お尻が痺れる……くっ……ああ、そうされると私……あ、
ああっ……」

美幸は、あまりの快感に夏実へのお返し愛撫もそぞろになってくる。
夏実も、まるで自分が男となり、美幸の恋人にでもなったつもりで燃え上がっていた。
アヌスへ人差し指を何度も出し入れしながら、淫靡に蠢き、蜜を溢れさせ続ける媚肉
にもねっとりと舌を使っていく。
舌先を器用に使って、クリトリスを覆っていた包皮を剥き上げると、生身になった
その肉芽をつるんと唇に含んだ。

「なつみぃっ! そ、それはあっ……ひっ……ああっ!」

クリトリスが責められ始めると美幸の喘ぎがいっそうに激しくなり、夏実の唇と舌が
巧みに吸い上げると、甲高い嬌声が噴き上がった。
夏実はなおもアヌスで指を律動させつつ、顔を出したクリトリスを舐めしゃぶって
いる。

「くあっ、だめっ……いいっ……ひっ、いいっ……そ、それは、ああっ!」

夏実の舌が、唇が肉芽を嬲るたびに、そこはぷくりと勃起していき、尖ってきていた。
真っ赤に充血したそこを夏実が唇で挟んでねぶると、とうとう美幸は達してしまった。

「だめえええっ……あ、いく……いっちゃうからいやっ……ひっ、いいっ……いっ、
いく……いくうっ!」

美幸は夏実の下で大きく身を反らせ、ガクガクッと痙攣した後、跳ねた肢体がベッド
に落ちた。
夏実はそこでようやく身体の向きを直し、美幸と合い向かいとなる。ま
だ美幸は絶頂の余韻に浸っており、夏実の下ではあはあと荒く呼吸を繰り返していた。

「……いったのね、美幸……」
「あ……」
「嬉しい……あたしの手で美幸が……」
「い、言わないで、恥ずかしい……こんな……こんなこと……」
「美幸……」
「あ……」

夏実の顔がゆっくりと近づいてくると、美幸は目を閉じてその唇を待った。
ふたりの唇が重なり、もごもごと口が動いている。
互いに口を開けて咥内を許し合い、舌を交歓しているのだ。
最初のキスはあれほど嫌がっていた美幸も、今度の口づけはうっとりとした顔で夏実
の唇を受けていた。
ここでようやく牛尾の声が入った。

「いやあ、良かったですよ。カメラでばっちり撮影しましたし」
「……」

やはり、ただおとなしくているわけはなかったのだ。
美幸と夏実の痴態をデジカメに収めていたようだ。
そのことを知り、今さらながらふたりの美女は顔を真っ赤にして俯いた。

「愉しんだようですね。特に美幸さん。夏実さんに責められて気をやるとはね」
「ああ……」
「ま、俺もこのふたりがレズなら、夏実さんが責め役だろうなとは思ってましたけど」
「……うるさい」

顔を背けたまま、夏実が小声で罵った。
卑下た感想を改めて述べられると、女同士で愛し合ってしまったこと、そしてそれを
こんなけだものに見られてしまったことを痛感させられる。
そんな夏実を見ながら、牛尾がにやにやしている。

「見物ばかりじゃ退屈だから、俺も混ぜてもらおうかな」
「……!」

牛尾が入るということは、つまり美幸と夏実とで3Pをやろうということである。
美幸も夏実も、ほぼ瞬時に否定した。

「いやっ!」
「いやよ!」

あまりの即答に、さすがの牛尾も苦笑する。

「嫌われたもんだな。美幸さんなんか、もう一回いってるんだから寛容になってるか
と思ってたのに」
「か、関係ないわ! あなたなんか嫌よ! 夏実もいる前で……」
「だから三人一緒にって……」
「絶対に嫌!」

間髪入れずに夏実が叫んだ。
なぜか牛尾は頷きながら言った。

「なるほど、なるほど。まだほぐし方が足りないってか」
「な、何を言ってるのよ」
「いや、いいです。そういうことなら、その気になるまでふたりにレズってもらい
ましょうか」
「……!」
「も、もういいわよ」
「ふたりの意志なんか関係ないです。俺が見たいんだし、やりたいんだから」
「こ、こいつ……」
「ふふ……」

牛尾は不気味に嗤いながら、またバッグの中をまさぐって何か取り出した。
どうせ淫らな道具か、ろくでもない媚薬もどきに決まっている。

「これ使いましょうか」

案の定である。
牛尾が取り出したのは張り型のようだった。
それを指でつまみながら、これ見よがしに牛尾が言った。

「知ってるでしょ、これ。夏実さんにも美幸さんにも使ったことがある……」
「い、言わないでよ、そんなこと!」
「へへ、これを突っ込んでかき回してやると気持ち良さそうに喘いだくせに」
「ウソよ!」

ウソなのは自分の発言だと夏実もわかっている。
見るからにグロテスクなそれを、膣と言わずアヌスと言わず使われ、抉りまくられて
何度も気をやらされたのだ。
美幸を見ると、俯いて小刻みに震えている。
彼女も牛尾にこれで嬲られたことがあるに違いない。

「……?」

だが、よく見ると少し違っている。
夏実と美幸を散々泣かせた性具に似ているのだが、形状が違った。
質感や見た目がいやらしいほどに男性器に似ているのは同じだ。
陰茎部分にはダミーの静脈が浮いていたり、男根じみて節くれ立っているのも同様
である。

違うのは亀頭だった。
亀頭部も、なぜここまで似せる必要があるのかと言いたいくらいにペニスとそっくり
である。
カリの張った凄みのある形が淫靡極まる。
問題は、その亀頭がふたつもあることだった。
双頭ディルドだったのである。

「ま、まさかそれで……」

夏実の顔が青ざめた。
これを夏実と美幸の双方に挿入し、擬似セックスさせようというのではなかろうか。
震える声で夏実が尋ねると、牛尾は嬉しそうに頷いた。

「その通り、さすが夏実さんだ。これならどっちも男気分と女気分を味わえるでし
ょう? くく、お互いに奥の奥まで抉り合えばいい」
「ひ、ひどい……」

長さは30センチほどだろうか。
太さとて4センチや5センチはありそうだ。
とても日本人サイズとは思えないから、恐らく輸入品なのだろう。
ということは長さは1フィートほど、つまり約30センチという夏実の見方は正しい
ことになる。

牛尾はそれを手に持ち、ぐいぐいと曲げている。
わざと勃起した男性器のように反り返らせているのだ。
美幸の顔が青ざめ、夏実の顔は朱に染まった。
これを自分の媚肉にくわえ込み、しかる後、美幸の媚肉を犯す羽目になるらしい。
それがどれだけあさましく、また恥辱と屈辱にまみれた行為なのか、夏実にもイヤと
言うほどわかっている。
美幸も同じ考えだろうが、顔色に両者の差が現れている。
調教期間の長い夏実は、もうされることを前提として、その羞恥に顔を染めている
わけだが、美幸の方は、そんな恐ろしいことをされるのはイヤという恐怖に震えて
血の気が引いたのだ。
もう夏実は完全に言いなりになっている。
牛尾は込み上げる嗤いを堪えつつ、命令した。

「さ、夏実さん。美幸さんはまだ戸惑いがあるみたいだから、あなたがリードして」
「……」

ポンと投げ渡されたディルドを震える手で受け取った夏実は、それをじっと見つめて
いる。
その様子を信じられないという顔で見ながら、美幸は後じさった。

「夏実、やめて……。そんなことしたら、私たち本当に……」
「ごめん、美幸……」
「お涙頂戴は流行らないですよ。そうだな、夏実さんはリードするんだから……お尻
に入れたんじゃやりにくいだろうな。じゃ、夏実さんはオマンコに入れてもらいまし
ょうか。んで、美幸さんのアヌスを犯す、と」
「そんな、ひどい……」
「そうですか? なら、俺が代わりに美幸さんのお尻を……」
「わ、わかったわよ!」
「な、夏実……そんな……」

美幸は大きく目を見張った。
夏実はうつむきながらも、太いディルドを手にすると、それを己の股間に押し当てた
のだ。

「くっ……」

太い擬似性器を膣にねじ込み、そのきつさに夏実の美貌が苦悶に歪む。
ディルドで媚肉を貫いていくその圧迫感もあったろうが、それ以上に、自分でそれを
挿入しなければならないという情けなさと恥ずかしさ、そして、それを使って美幸を
凌辱するという苦悩にうちひしがれている。
しかもその有様を牛尾に見物されるのである。

「うっ……あ……」

夏実は苦労してディルドを1/3ほど膣内に押し込んだ。
それだけでも充分なきつさと息苦しさだ。それを片手で支えながら、夏実は美幸に
迫っていく。
脅えた美幸が顔を小さく振りながら逃げようとしていた。

「だめ、夏実……お願い、目を覚まして、正気に戻って!」
「あたしは正気よ……いいえ、狂ってるのかも知れない。でも、自分が何をしようと
しているかはわかってるの」
「夏実……、夏実!」
「あんたを、あんな穢らわしい男に犯させるなんていや。それなら、いっそあたしが
……」
「違うっ……、夏実、違うよ!」

美幸は激しく頭を振った。

「私だって、あんなやつ、大嫌い! 身体に触られるのだってイヤよ! でも……、
でもだからと言って、こんな……女同士でこんなこと……」
「美幸……、あたしが嫌い? こんなになったあたし……、あんなやつの言いなりに
なってるあたしが嫌いになった?」
「違う……、違うのよ、わかって夏実っ! 私だってあなたが好きだわ。でも、それ
とこれとは……」
「難しい話はもういいわ。ん……」
「んんっ!?」

まだ言葉を紡ぎ出そうとしている美幸の唇を、夏実は強引に塞いだ。
一度唇を強く押しつけた後は、軽くちゅっ、ちゅっ、口づけを交わしただけだが、
それでも美幸の目がとろんとしている。

「美幸、お願い……。さっき、覚悟してくれたんでしょう? この地獄が過ぎ去る
まで、あたしたちはやり過ごすしかないのよ。そのためには、これに……、これに
のめり込むしかないの。そうすれば……その時だけは忘れられるわ」
「でも夏実……」
「お願い」
「……」

美幸は諦めたのか、それとも観念したのか、あるいは夏実の真情を汲んでくれたの
か、黙って身体を反転させ、うつぶせに姿勢を変えた。
そして、上にいる夏実に向かって尻を向けるように腰を持ち上げてきた。
驚くべきことに、両手で尻たぶを掴み、そこを割る仕草まで見せている。
夏実は自分の股間に埋まった張り型の位置を微妙に調整しながら、その先端を開か
れた美幸の臀部の奥にあてがった。
さすがに美幸が小さく悲鳴を上げる。

「あっ……!」
「大丈夫。優しくするから……」
「夏実……」
「楽にして、力を抜いて……」
「ん……」

ぐぐっと押しつけられる擬似男根に美幸が呻く。
清楚そうに引き窄まったアヌスが、じわじわと捻り開かされていった。

「あっ、あっ……くっ……あ、きつ……も、もっとゆっくり……ああ!」
「ご、ごめん美幸、慣れてなくって……。こ、こう?」
「んんっ……あ、入る……入ってくる……な、夏実が……ああ……」

美幸の尻が脅えたように引かれたかと思うと、また思い出したようにぐっと突き出
される。
いやだけど我慢しなくては、やめられないという葛藤がそのまま腰の動きに反映さ
れていた。

「あ、ううっ……うんっ……」

柔軟な肛門粘膜は太いディルドをずぶずぶと埋め込まれていく。
夏実が訪ねてくる前から散々いたぶられ、揉みほぐされていたアヌスは、皺がなく
なるほどに引き延ばされ、夏実の股間に生えたディルドを迎え入れていく。
入れられる美幸もたまらないが、挿入している夏実もたまらない。
美幸の狭い穴に埋め込むために力んで腰を進めれば、その分、反作用で自分の中にも
ディルドが入ってきてしまう。
美幸と違って膣だからまだ少しは楽なはずだが、美幸を犯しているという精神的な
ダメージが大きく、夏実の心を掻きむしっていた。

「み、美幸っ……お尻の力、抜いてっ……美幸の、締まりすぎ……あ、あたしも
きついわ……ああ、美幸のお尻が震えてるのがわかる……」
「あ、そんな……うんっ、うんっ……ああ、まだ入るの!? ……ふ、深いわ……
あ、そんなとこまで……ああっ……」

ふたりは顔を真っ赤にして、互いに腰を動かしている。
それでもまだ遠慮があるのか、ディルドは全部収まっていない。
夏実の腰と美幸の尻をつなぐディルドは、まだ10センチほど外に出ている。
動きはやはり夏実の方が積極的だ。
美幸は後ろから犯されているのであり、しかも肛門に挿入されているのだから、受け
身になるのは仕方がない。
夏実の膣から漏れ出ているらしい愛液がディルドの表面を濡らし、ぬらぬらしている。

「ううっ……あ……ああ……」
「くうっ……夏実……あ、もう無理……それ以上入れちゃいや……ああう……」
「が、頑張って美幸、もう少し……あたしの中にも入れるから、美幸も……」

夏実は何とか全部埋め込もうと必死になっていた。
よく考えれば、別に牛尾は「全部入れろ」と命じたわけではないのだ。
だからそんなことをする必要はないのに、夏実はそれを美幸の中に全部沈めたいと
思っている。
美幸の中に入りたいとすら思っていた。
自分にはそれをするペニスはないが、ディルドを使って彼女の中に入っていけると
思うと、もやもやとした欲望が燻ってくる。
美幸を優しく犯したいという思いと、犯されている美幸の肉体を想像し、背徳的な
淫欲が込み上げてくる。
牛尾に責め抜かれ、夏実の身体と心が邪な淫らさに貪られていったのだった。

「こ、これで……」
「夏実っ……あう!」

ぺたん、と、夏実の腰と美幸の臀部が密着した。
汗ばんだふたりの美女の肌がぴったりと重なっている。
肉を打つ音すら肉欲を刺激するのか、夏実はゆっくりと腰を突き込み、美幸の尻を
抉っていく。
ぺたっ、ぺたっと餅をつくような音が響き、その間隙に美幸の悲鳴が上がる。

「ああっ! あはっ! な、夏実、動き過ぎっ……ひっ……あうっ……お、お尻っ
……ああっ!」
「美幸、いい? あ、あたし……いいっ……も、もっとしたい……こうしたいっ!」
「ああっ!」

美幸の悲しげな苦悶の声が、少しずつ甘く、熱くなっていく。
夏実にアヌスを突かれる感覚に慣れてきたようだ。
全身に汗を浮かせ、美人婦警たちは喘ぎ出していく。
腰を振っていたのは夏実だけだったが、そのうち美幸の方も反応するようになって
いった。
夏実がぐっと腰を突きだしてくると、受ける美幸もぐいっと臀部を突き出してくる。
それによって、より深い挿入とディルドが内臓粘膜を擦る刺激を強めているのだ。

「あああ、美幸……」
「夏実ぃっ……あ、いい……お尻がよくなってる……ああ、こんなの……」

もうふたりには、薄汚いレイパーの見せ物となっている、という認識はない。
美幸の前には夏実しかおらず、夏実も美幸しか目に入っていなかった。
夏実も美幸も、もう口を割るのは喘ぎのみであり、肢体からは汗、股間からは女汁を
洩らしている。
室内はふたりの体液と汗が発する甘ったるい香りでむせ返りそうだ。

ふたりともかなり快感は高まっていたが、美幸の方がより高みにいた。
夏実は美幸を感じさせたいと思っていたのに対し、美幸は受け身一方だったことも
ある。
それもよりによって夏実に嬲られるという想定外の事態ですっかり動転し、その隙を
突かれて官能の渦に巻き込まれてしまった。
しかも犯されているのは、恥ずかしい排泄器官である。
そんなところを夏実に……と思うだけで、美幸は濡れてしまう。
彼女のマゾ資質が、ここで一気に開花したのである。
夏実の方も、快感を露わにし始めた美幸の痴態に、その興奮と官能を増していく。

「み、美幸っ……ああっ、いいっ……」
「くうっ……夏実……いっ、いいっ……あ、お尻の奥まで来てるっ……あう、深いっ
……いいっ……わ、私ぃっ、もうっ……!」
「あ……い、いきそうなの? ね、美幸っ!」
「あひっ、強くしないでっ……あ、いい……そう、そんな感じがいちばんいい……
あ、あ……だめ、いきそう……ああ……」
「いって……いっていいわ、美幸……あ、あたしも……」
「い、いや……そんなの……夏実にいかされるなんて……恥ずかしいわ……ああっ」

それでも夏実の律動は収まらない。
優しくしてと言われて、少しペースは落としたものの、またすぐに突き上げる速度が
上がってしまう。
そうすることが夏実にも強い快感をもたらすからだが、美幸の方も口で言う割りには
強い抵抗は示していなかった。
むしろ、尻を突きだして、より深く強い突き込みを願っているかに見えた。

夏実は、牛尾の激しい腰使いと野太い肉棒を思い起こしていた。
自分にもあれくらいのものが欲しい、あの力強い動きが欲しかった。
それを補おうとするかのように、夏実はガシガシと腰を叩きつけていく。
美幸の丸く柔らかい臀部が、ぴしゃぴしゃと夏実の腰にぶち当たった。

「ひっ、ひぃっ……あああ、だめだめ……い、いきそう……ホントにいっちゃうわっ
……夏実っ……ああっ……い、いっく……いきそ……ああっ、い、いっくっっ!!」

夏実がとどめのように思い切り腰を打ち込むと、美幸は媚肉からシャワーのように
愛液を噴き出して激しく絶頂した。
全身をぶるるっと震わせ、その強かった快楽を体現している。
それでも夏実は、まだ美幸の尻を押しつぶすように強く肛門を貫いていた。
美幸のアヌス粘膜がディルドに絡みつき、括約筋が激しく食い締めてくるのを、胎内
に食い込んだディルドで感じ取っていた。

「ああ……」

美幸は膝からも力が抜け、突きだしていた腰がどたりとベッドに横倒しとなった。
それに伴って、美幸のアヌスからずるずるとディルドが抜けていく。
失神したらしい美幸のアヌスも完全に脱力したらしい。
夏実も、自失したようにぺたりとベッドに横座りとなった。股間には、まだディルド
を埋め込んだままだ。

「ああ、美幸ごめん……。あたし、何てことを……」
「ご苦労でしたね、夏実さん」
「あっ……!」

申し訳なさといたたまれなさに打ちひしがれていた夏実は、突然に後ろから突き倒さ
れた。

「な、何を……」
「見事に美幸さんをお尻でいかせたご褒美をあげようと思いましてね」
「いっ……いいわ、そんなの……いらないっ!」

夏実は目を堅くつむって激しく顔を振った。
こうした場合の牛尾の「ご褒美」とは、間違いなくセックスか、それに準じた責め
に決まっているのだ。
牛尾は、うつぶせに倒された夏実の腰を引き起こして言った。

「美幸さんはいったけど、夏実さんはまだでしょう? このまま不完全燃焼じゃやり
きれないでしょ」
「そ、そんなことないっ……あ、やめて、触るな!」
「ウソばっか。夏実さん、いざとなるとそういうすぐバレるウソついて来ますよね。
まだまだ羞恥が抜けきれないのかな。ま、それくらいの方が可愛くていいけど」

およそ年上の女性に対する発言とは思えぬことを言って、牛尾は自分のペニスを
持った。

「や、やめ……あっ、そ、そこにするの!?」
「当然。だって夏実さんのオマンコ、太いのが入ってるじゃありませんか」
「ぬ、抜くっ……抜くからっ……お、お尻はだめえっ……!」
「美幸さんはお尻でいったんだから、夏実さんもつき合ってあげてよ」
「そ、そんなっ……あ、あっ! ああ!」

夏実は困惑していた。
確かに牛尾の言う通り、まだ自分は絶頂に達しておらず、中途半端な状態だった。
しかも美幸の激しい絶頂を見て、ますますその思いは強まっている。
美幸のお尻を犯して気をやらせた自分が、今度は牛尾にアヌスをやられて気をやら
される。
そう思うだけで、夏実の被虐願望がめらめらと燃え上がっていく。

もぞもぞと蠢く夏実の臀部を牛尾の手が捉え、ぐいと割り開いた。
すうっと涼しい風がアヌスに当たる。
牛尾はそのまま尻を押し広げ、おののくようにひくついているアヌスにぴったりと
肉棒をあてがった。
その熱さと質感に夏実はくらくらする。
何度か細かく位置を調整し、牛尾はずぶずぶとその肛門に押し込んでいった。

「ああっ! や、やめて、お尻っ……あああ、入る……くっ、きつ……きついっ…
…!」
「おおう、いい感じだ。夏実さんのアヌスは最高ですよ」
「よ、余計なこと言わないでいいわよっ……き、きつい……あ、もっと優しく、
ああっ」
「夏実さんがお尻の穴を緩めればいいんですよ、ほら、もっといきますよ」
「くああっ……あ、あんたのがでかすぎるのよっ……くううっ……」

牛尾の腰がぺたんと夏実の臀部にくっついた。
根元まで埋め込んだらしい。
さすがに膣と違って底が深く、余裕で全部挿入されてしまった。
牛尾はそのまま動かず、ひさしぶりに味わう夏実の肛内の感触を愉しんでいる。
そうされることで夏実の方も、いやでも直腸内で牛尾の肉棒の太さと長大さを味わ
わされてしまう。

「あ、あう……うくっ……」

皺が伸びきり、いっぱいにくわえ込んだ肛門が肉棒の根元を食い締めている。
きゅっ、きゅっと締まったかと思うと、時折ふっと緩むこともある。
ただ緩むだけでなく、腸内粘膜とアヌス粘膜が共同して、押し入ったペニスをさら
に奥へと引き込もうとしているかのようだ。
熱く滾り、腸液を分泌させた腸壁がペニスに絡みついている。
肛門は苦しげに喘いでいるのに、腸内は盛んに男根を貪っていた。

「く……それでもきついな、本当に。やっぱ、まだ前にも入ってるからかな」

まだ夏実の膣からディルドは抜かれていない。
膣口が太いもので塞がれ、口いっぱいに広がっているから、余計にアヌスが苦しい
のだろう。
前後の穴がそれぞれ拡張され、見るも無惨な姿になっていた。

「やっ……こ、これもう……」
「抜くな!」

たまらず夏実がディルドを抜こうとすると、牛尾が鋭い声でそれを止めた。
びくりとして止まった夏実の手を荒々しくどけると、牛尾は自分でそのディルドを
操りだした。

「ひっ、ひぃっ! やっ、動かしちゃ……ああっ……だめえっ、な、中で……中で
擦れてるっ……擦れてるのよぉっ……!」

アヌスを犯す男根とともに、媚肉に入っていたディルドも牛尾の手で深くまで刺し
貫かれた。
美幸と繋がっていた時はちょうど半分ずつ受け持ったような形だったため、長くても
15センチほどだったが(それでも夏実には充分以上の長さだったが)、今度は夏実
ひとりの膣に埋まっている。
15センチどころか30センチ全部埋め込まれる恐れもあった。
牛尾は一気に20センチほども沈め込んでいた。

「うああっ、そんないきなり深くっ……ひっ、奥に届いてるっ……当たってるっ…
…!」

牛尾は、ずぶっ、ずぶっとリズミカルにディルドで夏実の膣を貫いた。
その張り型が、膣壁と腸壁を隔てて、アヌスを犯している牛尾自身の肉棒に接触する。
そのごりっとした感触に、牛尾は震えるほどの快感を感じ取り、思わず呻いていた。
夏実の方も双方が擦り合わされる感覚がたまらないらしく、ひぃひぃと喘ぎ、嬌声を
放っていた。

「だ、だめっ、そんな激しくっ……あ、いきなり動くのはいやあっ……あぐっ……
あ、ああ深いっ……前も後ろもっ……深い、深すぎるっ……」
「そんなことないでしょ。まあオマンコは子宮があるから仕方ないけど、お尻はそん
なのないんだから。ほら、こうやるともっと深く入りますよ」
「うああっ……!」

牛尾は腰をぐぐっと押しつけ、さらに深く挿入する。
夏実の豊満な臀部が柔らかく潰れ、まるで牛尾の腰が食い込んでしまったかのようだ。
それだけ深く牛尾の肉棒が、夏実の直腸の奥まで入っていることになる。

「だめえ、そんな深くぅ……く、苦しいわ……お腹が、お腹がきつい、苦しいっ……」

そんな風に苦悶しながらも、夏実は腰を振っている。
決して嫌がっている動作ではなかった。
牛尾がずるずるとゆっくり肉棒を引き抜くと、まとわりついた腸壁がへばりついて
まくれ上がってくる。
それと一緒に、分泌されていた腸液まで零れ、夏実の臀部を汚していた。
体外に引きずり出された腸壁は妖しいピンク色に輝き、抜かれてくるたびにその淫
らな色彩を浮かべている。
肉棒が押し込まれると、それに引きずられるようにして巻き込まれ、またアヌスの
中へと帰って行った。

「あ、あううっ……お尻が引っ張られる……あああ……」

夏実にはそれが、ペニスによって腸とお尻が引っ張られているように思えるらしい。
実際には夏実の腸と肛門の粘膜の方が牛尾の肉棒にへばりついているのである。
夏実を喘がせるのはアヌスだけではない。
媚肉に埋め込まれたディルドも巧みに操作され、胎内をひっかき回されている。
特にぐりゅっ、ぐりゅっと回転させられるのがたまらなかった。張り型にへばりつ
いた膣の粘膜が、ディルドの回転に引きずられて一緒に巻き込まれていくのだ。
肛門だけでなく、膣まで引っ張られているかのようだ。
男根では決して出来ない動きをされ、夏実は柔らかい肢体を仰け反らせて叫ぶよう
によがっている。

「ああっ、ああ、いいっ……くあっ……ま、前も……」
「夏実さん、オマンコ」
「くっ……オ、オマンコも……引っ張られるっ……あうっ、うんっ……いいっ……」

苦痛でしかなかった二穴同時挿入は、今や抗いがたいほどの快感となって夏実を覆っ
ていた。
自分で臀部を揺することで、その快楽をある程度コントロールできることを知って
からは、積極的に自分から腰を振り出した。
腰を打ち込まれ、深くまでアヌスを抉られつつ、ディルドでも子宮口に届くほど貫か
れて、夏実の悲鳴が喜悦の喘ぎに昇華する。

「あ、あう、いいっ……いいっ……」
「くく、すごいよがりようですね。じゃあ、おっぱいも……」

牛尾はそう言って、背中から左手を回して大きな乳房を揉みしだいた。
ただでさえ巨乳気味の夏実の乳房は、ボンデージの革ベルトで括り出され、さらに
大きくなっている。
汗でぬめる豊麗な乳房をたぷたぷと音がするほどに揉み込み、夏実を喘がせた。
たちまちぷくりと屹立した乳首は、指で何度も弾かれて、そのたびに夏実の脳内に
びりっと電気が走った。

「あ、あ、感じるっ……ひぃっ、いい……ああうっ、き、気持ちいいっ……くっ…
…ど、どうして……」
「え?」
「どうして、ああっ……どうしてあんたにされると、こんなに気持ちいいのよぉっ
……いいいっ……!」
「当たり前ですよ、俺は夏実さんを愛しているからです。夏実さんも俺を……」
「あ、あたしはあんたなんか大嫌いよっ、ああっ……で、でも……くううっ、気持ち
いいのよぉっ……!」

夏実のマゾ気質、被虐願望が、牛尾という男に犯されることで激しく反応し、彼女に
とっての至上の快楽をもたらしているのだ。
そういう意味では、いかにテクニックがあろうとも愛する東海林とのセックスでは、
ここまで快感を得られないということだ。
しかも、技巧的にも男根のたくましさでも、東海林よりも牛尾の方が数倍は優って
いる。
心身ともにセックスでは牛尾に敵わないのである。
夏実は激しく首を左右に振りたくり、牛尾の言葉と快楽を打ち払おうとするのだが、
牛尾に突かれるたびに官能が兆してくるのが止まらない。

「あ、あうう、きつい……いいっ……く、苦しいのにいいっ……!」

夏実は、肛門を男の生身で犯され、膣を擬似ペニスで貫かれる感覚に我を忘れている。
時々ふっと正気が戻ることもあるようで、ハッとしたように逃げようと腰を動かす
こともあったが、またすぐに行為にのめり込まされ、その美貌を淫らに染め上げて
いった。

「あ、あっ……あう、あっ……あ、あひっ……うんっ……深い……あ、奥に来てる
……ああっ……」

開きっぱなしの口からよだれすら垂らし始めた夏実のとろけた美貌に、牛尾も興奮
してきていた。
夏実の薄く開いた唇に、牛尾の分厚い唇が吸い付いてきた。

「んむっ!?」

突如現実に引き戻された夏実は、びっくりして目を白黒させている。
目の前には、見たくもない脂ぎったオタク顔がある。
牛尾は夏実の細い顎を持ち、後ろに向かせて背中から強引に唇を奪っていた。

「んんん……んむ……むううっ……!」

いやいやするように顔を振る夏実だが、すぐにその動きが弱々しくなる。
ばたつかせていた腕も萎え、わなわな震えるだけになった。
ぎゅっと閉じていた瞼が少し緩んでくる。
目を開けているわけではないが、目尻の皺が消えていた。
それと同時に口も緩んだ。
牛尾は「待ってました」とばかりに夏実の咥内に侵入する。
夏実はそれを振りほどく気力もなかった。

「はんむ……じゅっ……んちゅ……んん……ん……むう……んんむ……ちゅっ、じゅ
ぶっ……」

ナマコのような厚ぼったい舌が、夏実の咥内を蹂躙していく。
イボでもついているかのようなゴロゴロとした感触の舌は見てくれにそぐわず、意外
と繊細な動きで夏実の口中で暴れ回っている。
歯の根元を擦り、上顎の粘膜をこそぎ、頬の裏側を舐め回る。
異生物に入り込まれたような違和感で鳥肌すら立っていた夏実だったが、次第にその
舌を受け入れ始める。
恐る恐る舌を突き出すと、牛尾は吸い千切るくらいの勢いでそれを吸った。
その苦しさに夏実の美貌が苦悶するが、それでも唇を離そうとはしない。

「んむ……じゅぶぶっ……はんむっ……んんう、んう……んちゅっ……むむ……
うんっ……!」

もう牛尾が顎を支えていなくとも、夏実はその唇を男に捧げていた。
息継ぎのためにすっと唇が離れると、すぐに夏実の口が追いかけていく。
それに応えて牛尾が激しいほどに夏実の口を吸う。
咥内の唾液どころか空気まで全部吸い取られたような感じを受けた。
かと思うと、今度はどろどろと粘りの強い牛尾の唾液が咥内に流し込まれる。
その不快さに顔をしかめた夏実だが、観念したのか、すぐに喉が動き始めた。

「んっ……んく……ごく……んくっ……」

そこで牛尾がようやく唇を離すと、夏実は「はああっ」と息をついた。
牛尾は愛おしそうに夏実の顔を撫でている。

「……全部飲んでくれたんですね、俺のツバを」
「あ……」
「嬉しいですよ、夏実さん。俺を受け入れてくれたんだ」
「ち、違う、これは……あむっ!」

余計なことは言うなとばかりに、牛尾はまた夏実に口づけした。
牛尾は夏実の上下の歯の間を頬の上から押して口を開けさせ、再び舌を乱入させる。
すぐに流されてしまった夏実は、その舌を自分の舌でそっと舐めていく。
牛尾も夏実の舌を絡め取るようにして吸い、息すらさせぬほどの激しい接吻で夏実
を狂わせていった。

「んむむっ……むううっ……じゅうっ、じゅじゅっ……んちゅ……んんむ……ぷあ
あっ!」

やっと牛尾の唇が離れ、ホッとして深呼吸していた夏実は、鋭い突き込みを受けて、
吸った酸素をまた全部出してしまう。
牛尾は右手で持ったディルドをずぶっと奥まで突き上げ、腰を夏実の尻の押しつけて
アヌス奥深くまで貫いた。
子宮口にまで届かされたディルドの感触にくらくらしつつも、夏実は深い挿入を避け
ようと身体をずり上げようとする。
そうはさせじと、牛尾は上からのしかかり、思い切り体重を掛けて深々と腸管を
抉った。

「あおおっ、奥っ……あぐうっ、深いっ……オマンコも……お尻もっ……お、奥まで
来て、ああああっっ!」

ずぶぶっと根元までペニスが押し込まれると、アヌスの僅かな隙間から腸液が滲み
出る。
媚肉もディルドを2/3ほども飲み込まされ、じくじくととどまることなく愛液を
溢れさせていた。

「く、苦し……苦しいっ……ああ……」
「苦しいでしょうね、今までよりずっと深く入ってるんだ。でも、きついのはなく
なったでしょう?」
「ああ……き、きついのは……きついのは楽になったわ……でも、まだきつい……
あうう、お腹、苦しい……ああ……」

前も後ろも目一杯深くまで埋め込んで、そのまま牛尾は動きを止めた。
少し身体が動くだけで、媚肉もアヌスもねちねちと卑猥な音をさせている。
動きが止まっただけに、夏実は子宮に届くほどに埋め込まれたディルドの深さと形、
直腸の壁に当たっている肉棒の亀頭部の感触まで、しっかりと感じ取っている。
苦しげに喘いでいた前後の穴が、徐々に収縮するように蠢いてきた。
腸内も胎内も小さく震えているのがわかる。
それを感じ取った牛尾は、腰を回転させながら捻り込むようにアヌスを抉って、
夏実に悲鳴と喘ぎを交互に上げさせた。
アヌスはペニスをねじ切るかのようにぎゅうぎゅうと収縮してくる。

「苦しいのは仕方ないですね。でもさ、夏実さんマゾだから、その苦しいのやきつい
のがいいんでしょう?」
「違う……違うわ……いい……お腹が……いっ……」
「言ってることが支離滅裂ですよ。くく、でもこれだけ両穴同時責めに反応するん
なら、誰か男を巻き込んでサンドイッチセックスしたくなってきたな」
「い、いや、そんなの……絶対に……ああっ」
「ウソですよ。夏実さんは俺だけのものだ。両方いっぺんに犯されたかったら、そう
だな、また美幸さんとつながればいい。美幸さんにオマンコ責められて、俺はアヌス
をやる、と。その逆でもいいですけどね」
「ああ、もういや……許してよ……あぐうっ……」

肉棒を締め付けて出て行かせないようにしているアヌス粘膜を引き剥がして腰を引き、
カリがアヌス内にようやく引っかかっている状態まで引き上げてから、今度は一気に
根元まで貫く。
長大な肉棒のサイズを存分に使った律動で、夏実の肛門を犯していった。

「あぐうっ、ひっ……す、すごっ……お尻、壊れるっ……ひぐっ……あ、いいっ…
…お尻がめくれるっ……き、気持ちいい、ああっ、か、感じるっ……」

牛尾の腰が夏実の尻に激しく打ち付けられる肉の音が響く。
右手は膣のディルドを、左手は乳房を揉み絞っていた。牛尾は夏実を追い上げるべ
く、さらに激しくその尻を潰していった。

「あうっ、ああっ、激しいっ……だめっ、そ、そんなにされたら……い、いっちゃ
うっ……」
「いけばいいですよ。俺も出してあげます」
「そんなだめっ……お、お尻に出すなんて……ああっ、感じるっ、感じちゃうっ」
「オマンコに出すよりいいでしょ。それともオマンコに出して孕ませましょうか?」
「だめっ、それは絶対だめっ……ひっ、いく……い、いきそうっ……!」

夏実の裸身が細かく痙攣する。ひくっ、ひくっとアヌスが収縮する間隔が狭まった。
激し過ぎるアナルセックスによって、夏実のアヌスも爛れてきている。
しかし彼女には痛みよりも、突き抜けるような鋭い快美感の方が強かった。
いや、苦痛すらも快楽に変換してしまっているのかも知れない。

張り型でこねくりまわされる媚肉もだらだらとだらしなく蜜を垂らし続けている。
牛尾は、ディルドの角度を変え、背中側に突き込んでいく。
上からのしかかる牛尾は、尻を下に押しつけるようにして夏実の肛門を犯した。
下から入ってくるディルドと、上から下へ抉ってくる牛尾の男根が夏実の内部で激
しく擦れ合う。
びりびりと強い電流が夏実の神経系をひっきりなしに駆け巡る。
その頂点は腰の奥──子宮に至って爆発した。

「うああっ、いくっ……中で擦れるっ……オマンコいく……お尻いくっ……ひっ、
ひっ……いくっ……いっく……いっっくうううっっ!」

夏実は前後の穴を猛烈に締め上げて、激しく気をやった。
膣はディルドが折れそうなほどに、アヌスはペニスを食いちぎる勢いで収縮する。
これにはたまらず、牛尾も射精した。

「うおっ……!」

どっぷうっ、どびゅびゅっ。
びゅるるっ、びゅくびゅくっ。
びゅるっ、どくどくどくっ。

「うっひぃっ、出てるっ……お尻の奥に出てるっ……あ、熱いっ、ま、またいくうっ
……」

腸内にどろどろの熱い精液を勢いよく放たれ、夏実は連続絶頂している。
脚は膝が曲がって足首が持ち上がり、足の指がぎゅっと強く屈まっていた。
ペニスを埋め込まれたアヌスは、全部出せとばかりに思い切り絞りあげている。
それに応えるように、牛尾も夏実の尻たぶをぐっと掴んで腰を押しつけ、出来るだけ
深いところで射精していた。

「あ、あうう……あ……あんたの、まだ出てる……くっ……脈打ってる……どくどく
出てるわよ……ああ、どうしてこんなに出るのよ……ああ……」

射精の脈動が終わると、牛尾はようやく夏実から離れた。
牛尾の手が離れると、糸が切れた人形のように夏実はドッとベッドにへたり込んだ。

「ああ……はあ……はあ……」

直腸内にいやというほど大量に射精された夏実は、ぐったりと身体を横たえていたが、
その瞳はうっとりと潤んでいる。
肛門も、抜かれたペニスを名残惜しむかのように、まだひくひくと収縮していた。
身も心も震えるほどの絶頂を続けざまに味わわされ、その快感に余韻に浸っている
夏実は、もう口を利く気力もなかった。



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