Brand new love Written by 潮崎 とあ 様 [2004.2.8] |
見送って、キラは深く息をついて。 思考の海へと自らを沈める。 戦争が終わった。 長い―そう感じていた時は、実は短く。 自分が参加してから1年も経っていなかった。 あっけないものだと、彼は思う。 同時にあっけないのは何かと、彼は考える。 …おそらく、自分だろうと、思う。 輪を保とう、こじれた輪を戻そうとしていた自分が。 まさか、輪の外にいるべき存在だったとは思いもしなかった。 足元から崩れていく感じ。 そうして、思った。 やはり自分のような存在は、消えてしまうのが一番だと。 先の彼女とのやり取りを反芻する。 胸が痛んだ。 けれど、彼はゆっくりと頭を振って。 「ごめんね?」 一言だけ、告げた。 今は目の前にいない『彼』へと。 そうして、ゆっくりと窓の外へと視線を向けた。 季節は冬へと設定されていて、人工の雪を降らしていた。 next>>
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