①

 俺、嫁、息子。37、34、12。細かいスペックはいらないよな?誰某に似てるとかよく分からんし。
 とりあえずおっきな共通項がある。家族3人みんなめちゃめちゃネコが好き。
 特に俺が好きかもしれん。今のコ(ナー)を買って来て子猫から育てたのは俺だし。
 だからずーっと「俺が仕事でいない時にナーがどうしてるか」を知りたかった。
 だから専業主婦の嫁に「ビデオ昼間撮っといて」って頼むけどそれは断られる。
「普通にしてるよ、あなたがいる時みたいにバタバタ。それがかわいい」と言う。
 ならばと息子に「学校帰って来てからでいいからビデオを」って頼むと「はあ?そんなヒマないよ」
 俺としては、帰宅直後に子犬みたいにしっぽ振って駆けて来て、メシ中もずっと俺の膝の上にいるナーを信じてる。
 でももしや昼の間に嫁におやつ攻撃食らってたり、息子に撫でくり攻撃食らってたりしてたら、と。
 俺が一番ナーに好かれてるのは間違いないけど、嫁と息子が競ってくるのが嫌、と思ってた。
 だからある日ネットで密林覗いてて、面白いものを見つけた俺は、2人に内緒でそれを購入した。
 動感センサーのカメラ。対象物が動いたら撮影開始して、動きが無くなって10分経ったら録画停止。それを2種。
 電池式の置時計みたいなヤツと電源供給したらどこでも使える極小サイズのヤツ。
 極小サイズのはリビングのLED照明のとこに設置。電源あるし。そこからならリビング全体が撮れる。
「ナーはいつもみたいにバタバタしてる」という嫁の意見を参考にした。夜、膝の上以外ではほぼリビングで暴れてるし。
 置時計のヤツは夫婦の寝室に。ナーが寝る時は俺と嫁の間が定位置だし。 

 

 ここまで書いてて分かると思うけど、別にこれはマジで秘密にしとくつもりなんてなかった。
 ナーのかわいいとこが撮れたら「実はな……」みたいな感じで嫁と子に見せるつもりだった。
「なに黙って撮ってんの」て一応怒られるかはしれないけど、3人で見たらきゃっきゃ言って笑い合うつもりで。
 それぐらいみんなネコ好きだし、もっと言えばそれぐらい仲がいい家族。

 予想はついてるかも知れんね。そう、しばらくしてあとで録画確認したら思ってたナーの動画はあんまり撮れてなかった。
 その代わりに、思いもよらない動画が撮れてた、と。意外とあっさりしてるもんなんだな、実の母子って。びっくりしたわー。
 
 

 1週間くらいはテストのつもりで、うまく撮れなかったら設置場所移動とか考えてた。
 次の日曜日に2人が買い物でいない時に録画用のmicroSDだけ外して、パソコンにつなげた。そしたらそこそこサイズのデータ。
 まぁ録画時間よりナーがちゃんと映ってるほうが大事だから、あんまり期待しないでまずリビングのほうのを確認。
 うん、まずは予想通り。月曜朝の支度の場面から。ここは自分で体験してるからあまり興味なし。 
 で俺と息子が家を出る。しばらく何も映らず。嫁が多分キッチンで洗い物してるんだろうと。そこでいったん切れる。
 録画再開は1時間後。ナーが自分のエサ皿があるキッチン方向から庭に面した窓のほうへダッシュ。
「嫁の言う通りナーは元気だな」とか思ってたら、それ以上は画面変化せず。まぁ窓で外の鳥とか見てるんだろうと。
 そしたら画面に嫁が映る。もうエプロン外してソファーに座る。午前中洗濯機回すとか聞いてたから、その時間か。
 ぼんやりテレビ見てるらしい。嫁はワイドショー的なのよりBSとかCSとかのほうが好きで。撮れてる音もそれっぽい。
 あんまり動かないで見てるから、録画停止。しばらく後の再開後も代わり映えなし。
 ソファーテーブルに嫁が好きなお茶のペットボトルが増えたくらい。ぼーっとテレビ見る嫁しか映らない。

 

 嫁が言うほど、ナーは走り回ってないことに気づき「こりゃキッチンとか窓とか映るアングルにしたほうがいいか」と思った。
 で、まあ嫁が立ち上がってリモコン操作してテレビ鑑賞終了の様子。しばらくして録画停止。
 次に映ったのはだいぶ時間が飛んでた。午後2時過ぎ。洗濯物は2階のベランダに干すし、買い物もリビング通らないで済む。
 ちょっと思いがけなかったのは、嫁がシャワー浴びた直後っぽい様子でソファーに座ったから。
 夜、ちゃんと時間と順番決めて風呂にゆっくり入る俺ら家族。だから別に夏でもない今の時期にシャワー浴びてるとは思わなかったし。
 でもまあすぐに別の感想が。自分が見る風呂上がりの姿じゃない嫁が、そこにいるわけで。
 夜風呂入ったらすぐパジャマになる嫁が、動画ではゆるいTシャツと短パンみたいな格好で髪拭いてる。多分テレビ見ながら。
 真上からのアングルだから、少しソファーにもたれると嫁のノーブラのデカいおっぱいの形がはっきり見える。
 この時初めて、「俺は家族を盗撮してるんだ」って気持ちが浮かんだ。ナーの事関係なく。 

 

  実際ナーはほとんど映らんし、どっちかっていうと普段知らん嫁の姿のほうが新鮮で。
 この1週間嫁とエッチ1回だけしたけど「それなら、寝室の奴には俺らのあの時のが映ってるんだろうか」とちょっと興奮したり。
 ロングの髪の毛拭いたりクシかいたりしてるから、意外と長めに録画が続いて。
 よく見てたら、短パンみたいのはローライズの女性用下着やった。嫁が好んで穿くボクサーパンツみたいな。
「パジャマよりエロいやん。夜もあの格好で寝てくれたらいいのに」。俺は無邪気に思ったりしてた。
 ち○ぽもムクムクしてくるし、ちょっとヤバイ気持ちになりながら自分の嫁でシコっちゃおうか?て思い始めたその時。
「ああでもこの格好は息子が帰って来るまでやな」て気づいた。まだ小6だけど、もう小6やから嫁のこの格好はいかん、と。
 盗撮しててなんだけど、俺の小6時代は立派にエロ妄想が始まってたし。
 俺のパン1を普段みっともないと禁止した嫁が、自らパン1姿で迎えるわけがない。
 ちょうど午後3時前。学校近所やし、遊びに寄らなかったら息子が帰って来てもおかしくない時間。
 髪も拭き終わってまたじっと静止した嫁を見ながら「エロい姿ともお別れか」と思った。
 このまま録画が停止して、次に再開されるのは多分息子が帰って来た時だ、と。

 
 予想は裏切られた。そのまま録画は止まらなかった。息子がどこにも寄らず帰って来たから。

 その音は撮れてなかったけど、嫁が玄関のほうを向いたから気づいた。息子が帰って来たんやと。
 息子はカギ持ってるし、別に嫁が迎えに出んでもいい。さっき外れたばっかりの俺の次の予想。
 嫁は「おかえり」と声だけかけながらキッチンの扉から自室に移動→着替えて再登場、て流れを。
 嫁はソファーから立ち上がって画面から消えた。慌ててたように見えたから「これは当ったな」
 画面の奥から「りょうちゃんおかえりー」と嫁の声。キッチンから発せられたと俺が勘違いした声がした。
 なのに同じ場所ぐらいから息子の「ただいまー」って声が聞こえる。ん?キッチンじゃないのか?と。
 また予想は外れた。なんにもなかった画面に、嫁と息子が同時に登場した。
 嫁はもちろんさっきの格好のまんま。息子りょうの手を引いて、リビングに入って来た。
 それまで家事してるシーンが映ってないものやから、嫁は終始ぼんやりしてるように見えてた。
 でもりょうを連れて戻って来た嫁はなんかはしゃいでるように見えた。 

 

 手はすぐ離れてりょうは画面からフェードアウト。キッチンのほうに向かった。表情は見えん。
 嫁はまたソファーに座って足を組んだ。ニコニコ顔でそのままテレビに視線。やけど数秒後すぐに立ち上がる。
 嫁もキッチンのほうへ駆け足。「なんだこのテンション」てパン1の嫁見て思ってた。まぁその姿にも慣れてニヤニヤ。
 パン1じゃ済まされなかったのが次のシーンだった。嫁とりょうが、肩組んでキッチンから歩いて来た。
 もちろんりょうからじゃなくて、嫁が上からりょうの肩を抱いてる感じ。顔近づけて笑ってる。
 なんだこれ?正直頭が混乱し始めた。まだ全然ガキのりょうを、背が10cm以上高い嫁がダボTとパン1で連れ歩いてる。 

 

 りょうは別にヘンな子じゃない。普通の、どっちか言うたらおとなしめの男の子。
 たまにボソッと面白い事言うから嫁と2人で「センスあるな」て笑うくらい。それくらいの特徴の。
 だからあんまり嫁とベタベタしない。嫁は俺にもりょうにもナーにもベタベタするけど。
 無意味に嫁にベタベタされたら「や・め・ろ・よー」て体離したがるりょうの姿を、よく夜リビングで見る。
 なのに、なんだ?たしかに嫁みたいに笑ってはない。でも別に嫌がる風もなく嫁に密着されたまんま。
 このシーン自体はほんの数秒で、嫁がまたソファーに座り、その隣にりょうが少し離れて座った。手には紙パックのコーヒー牛乳。
 そこからはなにかするわけでもなく、2人でテレビをじーっと見始めた。
 
 

 おかしいぞ、これ。まずは嫁の格好。これは明らかに普段言ってる事と違う。
 小6の息子にセクシー(て俺が思う)パンツ見せてへっちゃら。ましてや上はTシャツ着ててもブラもしてない。
 りょうがもし、俺が小6くらいの時と同じくらいのエロさだったら、映ってる嫁はもう完全にアウトやし。
 あとりょうもおかしい。なんで平気なんだ?と。普段のお前みたいになんでベタベタを嫌がらないのか、と。
 昼間汗もかいてないのにシャワー浴びて、帰って来たばっかの子に半裸でベタベタする嫁。おかしいおかしい。

 でもまだ、ここで俺は考え直す余裕があった。画面はそれ以上なんも変化してないし。
 たまたま嫁は下着姿もオッケーなハイテンションになって、りょうは別にそれを気にしてない、と。
 いやむしろハイテンションだから「あんま相手しないでおこう」みたいな態度になってるんだと推理。
 嫁がたまにペットボトルの茶を飲む。りょうがたまにコップのジュースを飲む。それ以外なんも変化なし。
 俺が、嫁のパン1に惑わされただけなんだ。まだエロい格好のままだけど、それはりょうには関係ない。
 テレビが済めばりょうは自室に上がるだろうし(まだカバンほったらかし)、嫁もぼちぼち飯の準備始めるだろう。
 そう思って、あらためて見直し始めたちょうどそのタイミング。画面が、少しだけ動いた。

「おい、なんだそれ」俺はモニターに向かって思わず言った。
 りょうの手が、嫁のふとももにスーって伸びたんや。これはもう、明らかにおかしい。 

 

 2人の様子になんも変化はない。視線はずっとテレビのほう向いてる。動いてるのは、りょうの手のひらだけ。
 たまたまそこに置いただけじゃない理由が明らかにあった。その手はずっと小さくやけど動き続けてて。
 嫁のふとももをさわさわ撫でるみたいに。その場所も、奥のほうでもひざのほうでもない。ふとももを、撫でてる。
 嫁はなんでそれを叱らないんだ、て思った。気づかないわけがない。なら、なんで叱らない?
 これが普段当たり前だったら、叱る事もないだろう。でもそれはそれでおかしい。
 当たり前でない事だったら、余計に叱らない事がおかしい。そんなおかしな場面が、ずーっと映ってる。
 このりょうの動きがそれこそ数分間ずっと続いてて。ほんとにそこだけ動いてる。
 だから、そのままそこで録画停止した時は少し驚いて息を呑んだ。
 りょうの手の動きは「動いてる」とカメラに判断されないで録画が止まったらしい。
 しかし1秒も経たないうちに、息呑んでるヒマさえない動画が再開された。 

 
 
 りょうが立ち上がって、嫁の前に来る。嫁は一瞬だけ目の前のりょうを見上げて笑う。
 ちょうど見上げた先がカメラレンズ真正面やだったから、その笑い顔ははっきり見える。
 すぐに笑顔をやめテレビに視線が映る。だが、嫁の足が動いた。ゆっくりと、左右に開いていく両足が映ってた。
 りょうがその開いていく嫁の足と足の間にしゃがんだ。りょうの目の前にあのローライズのパンツがあるわけ。
 小6の息子の前で、股を広げる嫁。俺の想像の範疇にまるでない光景。
 りょうと嫁はますます俺の予想を裏切っていく。普段は好き好んで接触したがらないりょうが、そこに近づいた。

 見た目はなんも変わらなかった。嫁は股は開いてるけど、その姿勢のままでテレビ見てる。
 りょうは、明らかに嫁のパンツに近づいていった。薄いブルーで腰周りが太いゴムのローライズパンツ。
 別に興奮してるわけじゃない。興奮するわけがない。だけど少し荒い動画の中で、次に何が起こるか期待してしまった。
 普通に考えたら、触るとか。あるいは匂いを嗅ぐとか。でもりょうはそうはしなかった。

 

 すると真上から見るアングルが、異様にエロく見えるシーンが起こった。
 りょうの手が伸びて、そっとあの嫁のパンツに向かった。それはあっさりパンツのふちに触れ、そこを持ち上げた。
 さすがに具までは見えなかったけど、下の毛ははっきり映った。見えて一瞬、俺が驚く間もなく。
 りょうはそこに顔を持って行って、顔をくっつける。嫁のマンコを触るどころか、舐めた。
 パンツに触られてもそこめくられマンコを見られても何も言わなかった嫁。さすがにそこで一瞬、目を閉じた。
 すぐに目開けてまたテレビ見てたけど、反応はあった。気がついてないわけじゃない。当たり前だけど。

 そうか。これは日常なんだ、と。下着姿で出迎えて、すぐソファーに誘って、マンコ舐めさせる。
 母の手に従って、自分の部屋にも行かないで、ソファーの前にしゃがんで、マンコ舐める。
 それをお互い何も言わないで、当たり前のように実の母子でクンニリングス。
 いつ始まっていつから続いてるのか。俺の全く知らない嫁とりょうのやらしい行為。もう端にも現れないナーの事など忘れてた。
 どんどんジリジリしていく俺の心。興奮どころか、ただ喉や心臓が痛い。だけど見るのやめられない状態。
 
 

 しばらく変化のない画面が続く。りょうはひたすら嫁のマンコを舐め、嫁の視線はテレビに向けられたまま。
 時間が過ぎてく。あのふともも撫でと同じくらい過ぎようとしてた。
 また切れるのか。今度はどんな姿を見せられるのか。そう思ってたら、嫁が動いた。
 大きく動いたわけやない、右手が自分の口に移動しただけ。しかしそれが嫌に目に付く。
 半開きの唇に手が、指が添えられたのだ。なにか我慢してるのか、と。
 りょうの動きは少しも変わらない。頭も激しく動かないから、ただペロペロとマンコ舐めてるだろうと。
 ああ。嫁はテレビ見てないんだ。りょうのクンニに身を任せてるだけなんだ。
 ソファーにだらりと座ってるのは、それが一番自然な体勢なんだ、て気づいた。
 俺のいない昼間のリビングで、別に声出してもええのに嫁は指で堪えてる。
 声を我慢してるんじゃなくて、感じてる自分をりょうに見せたくないのか、と。

 別に勝気ってわけじゃない。少し賑やかなだけ。愛嬌があるし、そこが嫁の魅力。
 ただ、人に弱み見せるのが嫌い。イベントとかでも「自分が引っ張って」ていうのに喜びを見出すタイプ。
 多分だけど、この日常のエロ行為もそんなんだろうと。嫁が思いつきで初めて、りょうを巻き込んで。 

 

「舐めて」「いいよ」くらいのものだったんやと思う最初は。それが続いてる、と。
 なら、これはどこまで続くんだろう?はしゃぎの延長みたいなものなら、このまま嫁がイって終わり、か。
 でももし、そうじゃなかったら。喉がごくっと鳴る。
 息子のりょうも、ノリ気だったら、この後の動画は、どうなるんだ、と。
 そう思ったら、いけないね。思ったとおりに、悪い予想とおりに展開したんだ。

「ねえ」

 久々に音が鳴った。照明に仕掛けたカメラのマイクじゃ、ちゃんと声を出さない限り録れないらしい。
 だからりょうの舐める音とかは聞こえなかった。聞こえなかったほうがよかったかもしれないけど。
 嫁のその声に、りょうはマンコから顔を離す。あっさりと離れたんで、あのパンツの縁が勢い良く戻った。
 当たり前のようにシミが広がる。濡れてた。りょうのよだれかもしれんけど、どちらにせよ濡れてた。

「する?」
「うん」

 短い会話。なにをするのか言わなくても、嫁とりょうには分かってる。実の母と子が、何をするのか。
 ソファーにゆるく座る嫁。その前にゆっくり立ち上がるりょう。どうする? 

 
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