告白/

「ん……っ」

 再び、タオル越しの徹の手が豊かな乳房に触れる。ゆっくりと、その手は

実の母親の乳肉に泡をまぶしていく。
 ああっ……わたしの胸って、こんなに柔らかかったのね……
 大学時代に初体験して、その後しばらく付き合った彼。二人目の彼で、
忙しさにかまけて最近抱いてくれない、旦那。そして、息子……。他人に
触れられる事で自分の乳房の魅力を悟る。

「やあっ、徹……そんなに、強くしないで」

 背後から洗う息子の手の力が、どんどん強くなっていく。


「だって、後ろからだから洗いにくいよ。力入れるしかないし」

 息子は続けて力を込め洗う。そう、それはまるで、揉むように。下から
掬い上げ、掴み下ろし、掬い上げ、掴み下ろし。

「くっ、うんっ……お願い、もっと、弱く……

 あまりの恥ずかしさに、美希子は全身を紅潮させる。背後から、男に胸を
揉まれている事実。母親と息子というほんの一片の常識に縋っている、自分。
 全身を恥辱に紅く染め、震えながら乳房を愛撫される、女。それが今の
美希子の姿だったのだ。背後の男が、実の息子であろうと、劣情は変わらない
はずなのに。

「母さん……

 手の動きを止めずに、徹が背後から囁きかける。それはもう、耳元。


「な、なに……?徹」

 美希子はもう、声を出すことすら苦労するようになっていた。それほど
息子 徹の乳房への攻撃は激しくなっている。
 恥ずかしくて、つらい。感じてしまいそうで、つらい。

「今日の母さんのここ、なんだか変だよ」


 ここ、というのは、乳房に違いない。また肉体の温度が上がる。


「変なこと、ないわ……いつもと、同じよ」
「ふうん……でも、ここはいつもよりくにくにしてる」
「あ、ふ……っ!」

 タオル越しではなく、直に指先が乳房の頂点に息づく薄桃の突起を摘んだ。

「だめ……そこ、そんなにしないで……っ!」
「ほら、いつもと違って、こんなに簡単に摘めちゃうよ。変じゃない?」
「変、じゃない……お願いだからっ、そこ、そんなに……んふっ!」

 揉みの強さは変わらない。だが、両方の乳首を摘み揺らす強さは、明らかに
強くなった。美希子は、母親としての戸惑いそして女としての戸惑いに、
同じように揺れ始めた。

「あ、母さん
……もうひとつ、聞いていい?」

 徹の顔は、美希子の裸の肩に乗っていた。それすら気づかない、母親。女。

……本当は、ベッドの下の本、見たんでしょ……?」

 母親を性の対象にしている少年が、その性の対象に向かって、囁きかけた。

……っ!」

 美希子は怯えた瞳で振りかえる。目の前に、冷たく微笑む息子の顔。

「僕が大事に隠してた本、母さんは見たんだよね
……僕に黙って」
「み、見てないわ……本当よ、くううっ!」

 徹の尋問は、母親のたわわな胸を揉む事を武器にして進む。


「嘘だ。だってあの時、僕はマンガの本って一言も言わなかったよ」

……!」
「なのに母さんは『マンガなんて見てない』って言ったよね……

 ぐいっ、と徹の指先がしこったピンクの乳首をつねった。

「あ、ひいっ!」

「ひどいよ、母さん……僕の大切な本覗き見るなんて」
「ごめん、なさいっ……許して、お願い徹ぅ……

 つねられた先端の痛みが、美希子の贖罪を誘う。しかし徹は、許さない。


「当然、中身も見たんだよね
……?」

 顔だけでなく、厚い胸板も美希子の白い背中に添う。細身の体でも、それは
まさに男の体だった。

「僕が、どんなふうにHしたいかも、知ってるんだよね」

 それが、合図だった。遂に徹は、母親の肉体にあの凶悪な物を押し付けたのだ。

「い、やあ……っ!」
……母さんがいけないんだよ。オナニーしてるとこ見ようとしたり、趣味が
ばれちゃう本を盗み見たりするから……だから母さんが、どうにかしてよ」

 背中とヒップの境界線上で、それは圧力を増した。美希子は感じてしまった。
大きく開いたエラ。熱く太い幹。その太い幹に熱い血流を湛える、血管さえも。

「だめっ、徹!……そんなこと、しないでっ!」

 母親が躰をくねらせて抗うのも聞かず、徹は自分の逞しい兇器を白い下半身に
押し付ける。いや、それだけではない。あろうことか、その兇器を前後に激しく
擦り付け始めたのだ。

「あ、ああ……母さん、気持ちいいよ。母さんの肌、スベスベで……っ」
「やめ、てっ……おねがい、徹っ……こんなの、変よ、だから……ああっ!」

 さらに生々しく存在感を増す実の息子の怒張。美希子の思考は、惑うばかり
だった。かすかに残る良心が、躰を動かすために無駄な抵抗をする。

「気持ちいい……か、かあさん……う、くうっ」

 このままじゃいけない。背後の息子の声は、乱れた色に濡れ始めている。
美希子は力を振り絞って、体を立たせようとした。押し付けられたバスルームの
壁に、右手を伸ばしたのだ。

「あう
……!

 しかし、それは叶わなかった。シャワーの水流に濡れた壁は美希子の縋った
指先を滑らせてしまった。力をかけそこなった美希子の躰は、無様に床に這う。
 抵抗は、女に迫る若い男に、逆の効果を与えた。
 逞しい兇器は図らずも、亀のように突っ伏した母親の、尻の谷間に這ったのだ。



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