俺と文哉と俺たちの母さん 




 <17>

母さんは、多分父さんとか俺とかをめちゃめちゃ気にしてる。エラそうに言うなら、寝たら起きない父さんよりも、俺を。
俺は昨日からの2人の行動を全部知ってる。更に母さんは俺が全部知ってるってことを知ってる。あ、ややこしい?
だから、今ももしかしたら俺が寝たフリして観察してんじゃないか?ってまで考えてると思う。ま、観察してんだけど。
ただし俺としても、昨夜からの一連の流れで一番気になってることが今からの行動で分かるかもしれないわけで。


『だから母さん、家に帰ってもこういうことしていいんでしょ?』

母さんのふとももにちんこを擦りつけながら、こう文哉は聞いて、

『……こうなってることは、男の子としてしょうがないの。だから母さんは怒らない』

とりあえずはそう返事して、

『でもね……人に言っちゃいけないし、父さんやお兄ちゃんに言ってもダメなの。わかる?』

そうちゃんと文哉に説明して、

『そう……それからね、母さんはなんにもしない。手を出したりとか……まあとにかく、しない』

そう条件をつけた上で、

『……なら、いいよ。他の誰にも言わないんなら、家に帰ってもしてあげる』

そう文哉に約束した、母さん。
手を出したりしないと言いながら、その10数分後にはもうトイレの個室の中で口でしちゃってた、母さん。
おまけに。
キジマの観覧車の中で、王様の母さんが「昨夜あったこと」として説明してくれた話に、この「家に帰ってもしてあげる」話は入ってなかった。
俺が、「素直に話してくれるだろう」と期待した話が、何か微妙に隠されちゃった。だからその瞬間、胃がめちゃめちゃ気持ち悪くて。

その後、俺はめでたく母さんのフェラを経験するんだけれども、それとは別に母さんと文哉との約束は残ってる。
……で、俺の不安どおり、見事なまでに文哉は家に着いた途端「して」と母さんに頼んでるし。
 

「……いいよ」
「いえー!」
「文ちゃん」
「ん?」
「自分でも、できるよ?気持ちいいこと」
「自分でするの?母さんしてよ、口で」
「口では、しない」
「えー!」
「……静かに」
「母さんはしないって言ったよね?見ててあげるし、しかたも教えてあげる。それが約束」
「いやだ」
「嫌ならしない。もう絶対しない」
「……ねー、口でー」
「しない」
「自分でしたら意味ないじゃんー。ねー、ねー」
「そんなことない。みんなそうなの。母さんは教えるまで、なの」
「えー!」

このやり取りは正直おかしかった。文哉がダダこね声になると、母さんはちょっと怒った声になって。
それでちょっと怖くなった文哉が甘え声を出すと、母さんは同じようなトーンで抑えて。
少し調子に乗って文哉が大きな声出すと、母さんは逆に低く短い言葉で意見を却下した。

「じゃあさ、じゃあさ」

かなり理詰めで母さんに抑えこまれたっぽい文哉。まだダダこねモードに入っちゃうか?

「兄ちゃんとは?」
「……え」

……っ!?

「兄ちゃんとは、こういうことしてやらんの?」
「あ、の……今、お兄ちゃんの話?」
「うん、兄ちゃんの話」
「関係、なくない?」
「だって兄弟だもん」

この展開は……どーいうわけだ?何で今、急に文哉は俺の話題を出してきたんだ……?
まさか、バレ……いや、そんなはずないよな?

「兄弟、って……それが」
「だって、ずっと僕、気持ちいいことしてるやん」
「う、うん……で?」
「兄ちゃんは、そうじゃないんでしょ?」
「うん……ま、あ」
「じゃあ、かわいそう」
「あの、ね……文ちゃん」
「兄ちゃんも好きだから、かわいそう」

……うーん。
感動は……しないわなぁ。この状況で。
そりゃまあ、文哉には珍しく……ってか、生まれて初めて人に対して気遣ってるの聞いたけど。
どーも、その発端が「かわいそう」って感情みたいで。完全に俺、エロの先駆者文哉に同情されてるわー……情けな。

「……じゃあ、教えて。自分の手でするけん」
「文、ちゃん」

あ。母さんの声のトーンが変わったわ。こりゃ、いかんなぁ。

「優しい、ね。お兄ちゃんも喜んでると思うよ」

うーん……。
 

「えらいね、ホント。母さん嬉しい」
「うん」
「だから、ね」
「うん」
「……出して。ほら、もう少し……手伝ってあげる」
「出す?」
「だから……ほら、ここ」
「あ!」
「少し、声が大きい」
「はーい」

ああ、やっぱりだ。昨日今日の家族旅行でたまに見せてたご褒美モードの母さんだ。
確かに、今までの文哉じゃありえない態度を俺もびっくりはした。
でもいきなりそれをエロでお返ししちゃうってのが……親としては別の感想があるのか?

「よし……じゃあ、ほら。自分で」
「うん……よいしょ。こう、かな?」
「ふふっ、そうよ」
「あははっ。こう?こう?」
「静かに……そう。そう」
「なんか……楽しい、めっちゃ楽しい」
「そう……もっと楽しくなろうね。文ちゃん」

あー、ダメだ。昨夜のホテルでのイライラ胃痛状態を思い出してしまった。
他愛もないバカ会話してるのに、文哉と母さんがしてることは、超エロいこと。
まだ俺もフェラしてもらう前だったから、ただひたすら聞かされるだけでめちゃめちゃ心がジリジリしてた。
……フェラしてもらったけど、結局今でも俺は、文哉に同情されちゃうくらい母さんとのエロに関しちゃ文哉に遅れをとってる。

何してる?
出してってことは……ちんこを出したってことか?
それを自分で……じゃあ、擦ってるわけだ。母さんにそう言われて、文哉は。
文哉はあのバカっぽい表情で自分のちんこを楽しそうに擦ってて、母さんはそれを、目の前で見てる、わけだ。

「ねえ」
「ん?」
「見せてくれんの?」
「んー?ここ?」
「うん。見せてもいいんでしょ」
「……まあ、見せてもいいよ」
「いえー」

見せても……まあ、これはおっぱいっぽいな。
文哉はどうもおっぱいが好きみたいだな。昨夜からずっと、何か始まる時はおっぱいがらみだし。まぁ、俺も好きだけど。
母さんのおっぱい見ながら、オナニー、か。

また更に胃が痛くなってきた。
だから、俺は、1階に下りる!決定事項!こうなったら自宅での母息子エロを観察してやるっ!
……もちろん、チキンだから足音めちゃめちゃ抑えてね。固い板の段だから、多分足音しない。今までしたことない。

ひとこと感想フォーム

戻る     進む