俺と文哉と俺たちの母さん |
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「……あー」 「……ありゃ」 2人とも同時に気づいちゃった問題。 大胆に動かしだした俺の体。んでもって、その分衝撃?も大きくなったようで。 高校になってすぐ買ったパイプ系のシングルベッド。そのどこかがきしきしと鳴りはじめてる。足元からも枕元からも聞こえる。 普段の生活なら、なーんも気にする事じゃないくらいの小さな音。実際ベッドでマンガ読む時のプチビンボーゆすりと同じ音。 でも、今のシチュが、ね。母さんと俺の、中途半端な会話しか聞こえない状況下で、このきしきし音はかなーり気になる。 ……あー。その前の、木製のベッドだったら鳴らんかっただろうになー。父さんが「これだ!丈夫だ!」って買ってくれた奴。 それこそ文哉とプロレスごっこしててもビクともしなかったんだアレ。 「小さくなったしガキ臭いから買い換える」って今のにしたけど、あん時はさすがに父さんもしんみりしてたな。失敗ー。 で……そんなしんみりもすぐ吹き飛んでしまう、黒いだけの安パイプベッドの上。俺と母さんが出してる不協和音。 「……鳴る、なぁ」 「……音、鳴るね」 「うん……」 ありゃ。この恥ずかしさと心苦しさ&気持ちイイ事止められない感を一緒くたにしたひとりごとだったんだけど。 母さんがすぐに返事返してきた事は超意外だわ。母さんも、やっぱり気にしてる? 「困ったね」 おお。久々に俺の好きな余裕の香織スマイル。言葉と真反対の「絶対になんか繰り出してくる大人」の顔。 ……くそう。少し恥じらいも出てきたと思いきやこれだもん。さすが大人ー。 「困った、ね」 我ながら面白くない返事だ俺。でもまあ、困ってるのは事実だわ。 せっかくの(形だけでも)主導権なのに、どうやらこの音を止めるにはゆっくり動くしかない。 あー……残念。でも、バレとか色々考えたらアレですな。2回目も、まあ、ぱぱっとどばっと。もしかして最後かも、な、ぱぱっと。 「ん」 「……え?」 「止めるの」 「いや、まあ」 「大丈夫、そのまま」 「は?」 「やめないで」 ……やめないでと来ましたか……! いやいや。ちょっと待て俺。だって。アレですよ? きしきしはヤバいでしょう母さん。それともホントに、何か解決策があるのかよおい。 「……こうすると」 ……ぎゃあ。 動いた。動いた。動いたー。 何がって?母さんがだよ。俺の目じっと見たまま、母さんが腰を俺のほうに、くいっ、と。 |
「……ちょっ!」 「い、いいから……今合わせてるから」 合わせてる?まだ止めてない俺の腰に、母さんの腰が合わせて来てる、という事か……? ……あー、こりゃアカン。考えてる余裕なんてねえわ。母さんが俺に向かってしてる行為と、スコンッて急に高まった感覚で。 恥ずかしながら言わせてもらうと、これはもう、完全にセックスなのよ。ついさっきまで童貞だった俺が考える、セックス。 義理だとか何だとかをすっ飛ばして、でもそこに愛がある、更に本能もあるセックス。 男である俺が動いて、女である母さんがそれに合わせてくれる。ほら、もう。 おまけに、おまけにだ。俺と母さんは実の親子。血が繋がってる。だからセックスしちゃいけない。でも、してる。セックスしてる。 ……もしかして、もしかして。音を止めるためにこの方法しかなかったのかもしれん。実際音止まりかけてるし。 でも、勘違いしてもいいよな?俺と母さん、超ヤバイ事してる。俺と母さん、気持ちイイセックスしてる。うわあ、母と子で……! 「ほら……ね。こうするとお」 「母さん」 「……え?」 俺なんかヤバイ事言うわー。絶対間違いないわー。 「好きだ」 「……はあ?」 はっきりした大きな声。音が止まったのに声はおっきく。でももう、知らん。 「母さん、好きだ」 「ちょっと……何言ってんの。バカ」 そうだ。そうやって笑っていやがれ。それこそ俺の好きな母さんだ。 「好きだ」 「もう……ちょっと、どうしたの和樹、んッ」 うはは。動きを大きくしてやった。音はもう鳴らん。だって、母さんの腰も相変わらず動いてるからー。 「母さん好き、だ……文哉の事とか、もうどーでもいい」 「ちょ……私は、母親だから、ン、平等に……う、ンッ」 「好きだ、好きだ」 「だから、ん、くッ……もー、和、樹ッ」 「俺も、そんなのどーでもいい。ヘンな意味じゃなく……おッ、母さんが好き。息子として、母さんが」 「……はアッ?」 「……それだけ。好きだよ、母さん」 「も、うッ!」 母さんは、明らかに混乱してる。 |
俺を怒ろうとして、でもなぜか怒りきれなくて、母親の顔と照れ顔が交互に瞬時に。そりゃもう俺の大好物で。 だからもう、俺は超ハイテンション。セックスの快感、だけじゃない。大好きな母さんの、大好きな部分と、俺の知らない部分。 腰も動かしますよー?突いちゃいますよー?ちょっと角度つけちゃったりなんかしちゃったりなんかして。古。 ……母さんも、もちろん。もっと怒ってくれても俺は構わないのに、相変わらず俺の動きに「合わせて」くれてる。 「知らないよ、も、うッ」 「好きだもん……あー、母さん」 「バカ……愛の告白とか、おかしいよ。うンッ」 「……へ、ヘンに考えなきゃ、いいじゃん。俺が母さんが好きって、だけで」 「アタマ、おかしくなるって……あッ、もーッ!」 ネジが飛んじゃった俺。最初よりずっと気持ちイイ。普通のセックス。でも普通だけど、普通じゃない事極まりないセックス。 どうだい俺、キスとかしたほうがいいんじゃねえか?あ?唇はまだ父さんの物か?あーそうか、それもアリだ。 ……さっき寝てる時にキスされなかったか?アレは否定されてるからカウントされないとか?それもアリだ。 どーでもいいけどアレだな。母さん超可愛いな。うん、俺の好みは間違ってないわ。むっちり好みなのもやっぱりこの人のせいだわー。 んでもってそのむっちりを、思いっきり下にして。俺が上。んでもって更に繋がっちゃってて、ぶつけ合っちゃったりもしてる。 どーでもいいけどアレだな。母さん超気持ちイイな。うん、女の人すげえわ。特に大人。特に母親。超ヤベー。 「好き、だ……母さん」 「和樹ー……も、もう怒るから、ねッ」 「好きだもん……好きだ」 「あーバカらしい……あンッ、アッ、アタマ来るー……」 「来ても、いい。あ、う……母さん、超好き」 「ちょッ……お、お願いだから。う、ンッ……黙って、よぉ和、樹……ッ」 俺はもう、ずっと母さんの顔見てる。この観察がかなり興味深い。 基本、もう8割俺のほう見てくれてない。顔をドアのほうに傾けて、そっち見てるか目をゆるく閉じてる。 で、文句言う時だけちょっとこっち向いて怒る。でもまあ、怒り顔は作れてない状態。 唇は言葉を吐くんだけど半開きでふにゃふにゃだし、攻守交替のスキを見つけようとしてる瞳はとろんとしてるし。 だから俺は「好き好き攻撃」で遂に手に入れた主導権を手放すまいと、とにかくそんな母さんの様子をガン見。 「母さん、母、さんッ……好き、好きだ」 「も、もー……は、はッ、恥ずかしい、からッ……マジで、ちょっと」 「……恥ずかしいんだ」 「い……意地悪……だ、よねー和樹。もー、知らない、いッ」 ヤな事言うから怒る、じゃなくなって、ヘンな事言われて恥ずかしくてたまらない、って感じになった母さんの表情。 むふふ。もうアレですよ。顔背ける事もしなくなった。じっと、とろん目で、一応文句っぽい事言いながら赤面抗議ー。 ……あと「意地悪」が俺的にキタ。ホントはその次の「だよねー」はなかったんじゃないかってくらい、可愛い「意地悪」。 まあしかし、実のところ。さすがにヤバイのです自分が。母さんがデレちゃったもんだから……あ、これデレなの!? いつもの活発美人母 堤香織が俺のちんこでへろへろになりつつあるわけで。まあ実際はちんこで、じゃないんだろうけど。 だもんだから、激しく振っちゃってる自分のちんこが、そのちんこの中駆け上ってる液体が、力入れてるとこまで来ちゃってる? 来ちゃってるって事は、力抜けばドカーンなわけですし。母さん好きだ!攻撃のおかげで何とかそのへんのテンション保ってるし。 だから……そろそろ最後の瞬間を考えたりしちゃってる。どうしたら俺は、あと母さんがいいのか。 |