お花シリーズ - すすき4
彩は、どうしてあの花を残していったのだろうか。
会議中も、授業中も、放課中も、何をしていてもそればかりが頭の中でグルグルと回る。
正直、いつミスをしてもおかしくない状態。……いや、もしかしたらしていたのかもしれない。
それすらも気付かないほど、俺は混乱していた。
昨日、彩の様子はどうだったか?
笑顔だった。無邪気な笑顔で、懐いてくれていた……と、思う。
一昨日も、その前も、ずっと。
嫌われるような事をした覚えも、ない。
時々物言いたそうに見ることはあったが……。
もしかして、それが原因だったのだろうか。もっと、きちんと話を聞いてやるべきだったのだろうか。
恨みが積もりに積もって……?
もしかして、あの花には何も意味は無く、ただ親切で置いていっただけなのだろうか。
だが、彩は俺の花言葉好きを知っている。置いていく前に、花言葉について考えたりしないだろうか?
いや、あんなに可愛くても、アイツは男だし、どこか抜けている所もある。案外気付かず置いて行ったのかもしれない。
それとも、そう思うのは自分の都合のいい思い違いで、やっぱり彩は……。
いくら考えても、答えは出てこない。
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