お花シリーズ - 椿8
「んっ……や、ぁ……せんせ……ッ!!」
胸元の小さな尖りを口に含まれ、奥の蕾にはゼリーを3本もの指で塗りこまれて、彩はビクビクと快楽に体を震わせる。
慣れない体は、丁寧な愛撫に、触られてもいないのに蜜を溢れさせ、熱い吐息を吐かせる。
彩のリボンは汗を、司のリボンは彩の先走りとゼリーの水分を吸って、しっとりと濡れていた。
「いきたければイってもいいんだぞ」
促す司の顔が笑っているのは、返ってくる返事が予想できるからだ。
そして、その予想を裏切ることなく、彩は必死になって首を左右に振る。
「や、だ……ッ……先生と、いっしょ……ひぅッ!!」
涙ながらの訴えは、意地悪く動かされ、敏感な内部を強く擦る指に中断されてしまう。
それでも意図はきちんと伝わり、司は一際ゆっくりとした卑猥な動きで尖りを舐め上げて顔を上げた。
「可愛い子だな、彩は。そんなに俺と一緒に、イきたいのか」
問われて何度も首を縦に振る彩に、脳みそ揺れるぞ、と笑って司は口付ける。
「へいき、だも……もう、大丈夫、だから……っ」
「欲しいのか?」
クチュリと音を立てて中をかき回せば、懇願する瞳と共に頷かれて、司は口端を上げる。
そのワイルドさで、彩の目を釘付けにして。
「……インラン」
卑猥な言葉で詰られれば、羞恥よりも先に昂揚してしまうのは、ほんの片手で数えられるほどの行為で彩の体が作り変えられてしまったからなのか。
それとも本当に初めから淫乱だったからか。
「……イヤ?」
「愛してるよ」
どちらにせよ、司にとって嬉しいことなら、それでいいと彩は思う。
大好きな人に、大好きと言ってもらえるなら。それも、甘いキスのおまけ付きで。
「入れるぞ」
司は短く宣言すると指を抜き、いつの間にか取り出したコンドームを手早くつけて、ゆっくりと挿入(はい)ってくる。
その内臓を押し上げるような圧迫感にはまだ慣れないが、だからこそ彩に彼の存在をリアルに知らしめる。
そして同時に、彩は痛いほどの快楽に眉を寄せる恋人の表情を目前で見られることに幸せを感じるのだ。
初めて体を繋げた時は辛すぎて、向かい合うことができなかったから。
それでなくとも、こうして表情をみることは、数えるほどしかなかったから。
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