lucis lacrima - 4-5
「ゃ、ん……は、ぁっ」
自分のものとは思えないほど、甘くて猥らな声。赤面して穴に入ってしまいたくなるようなそれは、しかし朦朧とした頭では止める方法など思いつかなかった。
生まれたままの姿で、ただ刺激に翻弄されて、悶え、身体を揺らす。
「や、だ……フェイ……出る……でちゃ……」
中心に顔を埋める男の淡く綺麗な色の髪を、掴んでいるのか押し返しているのか。自分でも判断が付かないまま、切羽詰った声を上げて、ハクビは首を激しく左右に振った。
それに気付いたフェイは、中心から口を離し、意地の悪い笑みを浮かべながら、いきり立つその側面を指で撫でる。
薬に煽られた身体には、たったそれだけでも過敏になっている神経を直接撫でられるような刺激となり、組み敷かれた青年は苦しげに眉を寄せて熱い吐息を漏らした。
男の口腔より遥かに冷たい空気に晒され、先走りを止め処なく、まるで湧き水のように零すそれを、フェイは面白がるように竿の部分だけ、もどかしい強さで優しく撫で続ける。
「止めていいのか?」
そんな風に笑う男を、ハクビは困惑したような、迷子のように潤んだ瞳で見上げる。たったそれだけで、フェイは酷く悪い事をしてしまったような、苛めすぎてしまったような気になり、戸惑いがちに目尻に口付けを落とした。
「泣くな」
「……泣いて、ない」
強がる言葉に内心ホッとしつつ、彼は組み敷いたハクビの牡を手で軽く揉み扱いて刺激を与えてやる。
「フェラは嫌か?」
「……ん、ぁあっ」
敏感な身体には強すぎる刺激に、ハクビは男の肩に爪を立てながら、首を否定の意味で左右に振った。
暖かいものに包まれるその刺激は、嫌いじゃない。ただ、何もかもが初めての経験である身体は、何をされるにも恐怖を伴う。
「こわ、い」
「大丈夫だ。何も酷い事はしない。……出したかったら、好きに出せばいい」
飲んでやるよ、と余裕ありげに笑う男にホッとして、ハクビは肩にしがみ付いた手の力を抜く。それに促されて、フェイは再び身体を移動させ、若い男の中心をその口に咥えた。
「……んぁ、あぁっ……フェ、イ……ぁぁっ」
徐々に切羽詰るそれに、彼は慣れた仕草で刺激を与え続け、ついでに腕を伸ばして胸の尖りの一つを軽く摘んでやる。揉むように摘み、潰すようにこね回し、時折爪を立てて強い刺激を与えてやれば、みずみずしい身体は陸に上げられた魚のようにビクビクと跳ねて悦んだ。
「ヘン、だ……俺、ヘン……ゃ……でちゃッ……フェイ……フェイ……ッ!!」
自分を煽る相手の名前をうわ言のように呼んで、青年の手が縋るように、己の胸を弄ぶ手を握る。それに気付いたフェイは、手の動きを変えるとそれを握り返してやる。
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