5.フェアリー
研究所内をさまよい歩く。
クローンも大勢犠牲になったが、そのつど蓄積された経験によって、僕は比較的楽に戦いを進め、チェリーボム頼りにならずに、勝ち進めることができている。
とはいえ、まだまだレベルは低いままだ。クローンとして誕生すると、戦闘の記憶だけは受け継がれるが、肉体の感度やレベルは初期化されてしまうのだ。
だから、失敗の経験を受け継いで射精しない戦い方を心得ているが、実際に味わう気持ちよさに抗いながら、注意深く進めていかないと、あっさり射精させられ、研究所の藻屑と消えてしまうことになるのだ。
スライムやおっぱいなど、パーツ型のモンスターは難なく勝てる。確かに、こいつらの紡ぎ出す快楽は、気を抜けば敗北してしまうほど精巧な作りだ。しかし、そのグロテスクな外観と、意外にこちらの攻撃に弱い点を考慮すると、引き締めて戦闘に臨めば、この化け物どもに勝利するのは難しくもない。
それである程度レベルが稼げるメリットもある。弱点も、以前からのクローンの記憶ではっきりしている。
多くのクローンたちは、初めのうちは逃げ続け、やっと勝利を収めては次の戦闘まで持たない、などという状況が続いたのだ。それを乗り越えたところで、これらのモンスターでレベルを上げることを覚えた。
しかし、ヒューマンタイプ、つまり生身の女性を相手に、苦戦するクローンが多かった。あるクローンは、生身の女とのセックスを避け、モンスターだけを相手に経験を積んで、しっかり実力をつけてからヒューマンタイプに挑んだ。
そして……そのほとんどが、手足肉体のついた若い女たちに勝つことができず、大人の魅力や思春期の魅力を前に精を奪われ、儚く散っていったのだった。
僕も定石通り、モンスターでレベルを上げ、ゾンビや高校生相手に果敢に挑んではモルモットルームで回復するという過酷な快楽闘争を繰り広げていた。
ある程度のレベルが上がれば、もっと戦闘が楽になるはずだ。大人の男としてクローン再生ができず、ちょっとした性的な刺激にでもすぐに反応してしまう、多感な14歳男子では、なかなかレディたちを相手に勝ち進むことが難しいのだ。
初めての敵だ。これは……等身大の妖精だ。生身の女性は数人倒してきたものの、人間以外は初めてかも知れない。ゾンビだって人間の死体だったし。
「こんにちは。一緒にいい気持ちになろうね。」
妖精はにっこりと微笑んできた。
西洋風の顔立ち、細い足、華奢な体つき、それでいて胸などはしっかり出ている。北欧系美少女ってヤツだ。しかも、背中に生えたいたいけな羽は、彼女が人外娘であることを如実に物語っている。
ふわり……
「!?」突然、フェアリーは浮き上がった! 羽がついている以上、それで飛ぶことができるのだ。
やっかいでもある。戦闘が不利になったら、相手は空を飛んで逃げてしまう可能性がある。しかも、僕のアイテムを盗むことだってできてしまうだろう。
それでいて、実力は未知数の相手。気を引き締めないと、勝てないかも知れない。
急展開だった。
飛びながらフェアリーは、オンナを僕の股間にあてがったかと思うと、するりとペニスを飲み込んでしまったのだ!
入れる時だけはスムーズに入るようになっていて、入ったあとはきゅっと締まり、簡単には引き抜けない構造になっているのか。
「うっく……」
妖精もどちらかというと思春期属性に入るらしい。若く直情的な締まりが襲いかかる。
だが、この程度なら、すでに味わったことがある。かろうじてだが、女子高生たちを相手にこの膣圧に耐え抜き、打ち勝ってきたのだ。
妖精相手でも、こっちから反撃して、愛撫攻撃と併用しながら、じわじわと敵精力を削っていけば、勝機が見えてくるはずだ。
こちらも腰を振って応戦する。するとフェアリーは悦びながら、さらに右に左にと腰をひねって、僕が突き上げる度にオンナの味わいを変え、なおかつ自分からも腰を打ち付けて甘美なオンナでペニスをしごく。
ぐにぐにと蠢くような膣圧に揉まれ、中学生の包茎ペニスが悲鳴を上げる。先端を揉みしだくだけですぐに射精してしまうという、14歳という年代特有の弱点が、はっきりと狙い撃ちされてしまっていた。
妖精は、大人の男性を射精させるだけでなく、コドモのペニスにもいたずらをして精通を覚えさせるという。つまり、彼女たちにとって、僕くらいの世代の男子など、ゴマンと手玉に取ってきたのだった。
ペニス先端に集中するようなヒダが、やわらかいブラシのように包茎をこじ開け、敏感な亀頭まで侵蝕してくる。その上で、硬くなりきれない棒全体をつぶさんばかりに揉みしだきながら圧迫し続け、執拗にしごき立ててくるのだ。
こちらの反撃も効いてはいるのだが、女子高生以上に精力が高く、なかなか絶頂の兆しが現れない。思った以上に苦戦させられてしまっていた。
射精直前の多幸感が、突然襲いかかってきた! まさか……こんな早くに追い詰められてしまうなんて。
入れた瞬間には、大丈夫、と思っていたが、内に秘めた攻撃力の高さ、そしてこちらの責めに耐え抜く力と高い精力によって、僕の方が一方的にイキそうになってしまっていたのだ。
「あうっ! もう……」
僕は仕切り直しを余儀なくされた。あいにく回復薬は持っていない。
強く腰を引くと、やっとペニスを引き抜くことができた。妖精はふくらはぎを腰に回して挿入を続けようとしたが、僕はかろうじて身を引き、がっちりホールドされる前に、妖精オンナから脱出することができたのだった。
こうなったらチェリーボムを使って脱出、モルモットルームに戻……
がしい!
「うああっ!」
妖精は飛べる。僕がアイテムを使う前に、彼女の方が素早く先回りしてしまった。
そして、イキそうになっていたペニスに、今度は真っ白い肌の生足が襲いかかった!
妖精は両脚を小刻みにスリスリさせてペニスを内股でさすり、さらなる快感を刻みつけてきた!
「だめえ! 出るよ! 出ちゃうよぉ!」
懇願する僕に妖精は、うれしそうに、そして残酷な笑みを浮かべて言い放った。
「だぁめ。このまま出しちゃおうよ。ね? 気持ちいいよ? あたしの太ももで出してっ!」
「そんな……」
白くやわらかい生足が押しつけられ、両脚で圧迫しながらペニスをしごく。股間のくすぐったさがピークに達し、もうすぐ脈打ってしまいそうだった。
戦線離脱しかない。僕は手に持っていたチェリーボムを爆発させようと手を振り上げた。
「にゃはっ! 良さそうなものを持ってるね?」
妖精は盗みに関しては素早かった。チェリーボムを投げつける前に、僕の手からサッとアイテムを奪い、後ろ手に隠してしまったのだ。チェリーボムはフェアリーに盗まれてしまった。
絶体絶命のピンチに、僕はつい取り乱してしまう。
妖精を押しのけるようにして引きはがすと、僕はきびすを返して走り逃げようとした。
ぎゅみっ!
「ぎゃ!」
見えない壁にぶつかり、僕は跳ね返されてしまった。壁はゴムのようにできていて、けがはしないものの、妖精のもとにはじき返されてしまうのだ。
そう……チェリーボムを使わないかぎり、戦線離脱、逃げるということは不可能なのだ。メインコンピュータの計略により、敵の女とエンカウントした場合、周囲に透明の膜のようなバリアが張られ、射精するか、敵を倒すか、チェリーボムを使う以外には、セックスから逃れることはできない。
初歩的なミスだった。
分かりきっていたことだ。メインコンピュータは、捕まえた男を易々と逃げさせはしない。空間内に閉じ込め、ムリにでもセックスさせ、射精に追い込もうとするに決まっている。単純な仕掛けなのだ。
逃げることはできない。妖精がさらに迫ってくる。
「逃げようなんて……わるい子にはおしおきが必要だね☆」
ふしゅ~……
何の音かって?
妖精が指で輪っかを作り、口に咥えて思いっきり吹いた音だ。うまくやればそれでピーッと大きな音が出る。この妖精は失敗して、変な空気音しか出なかった。
彼女は仲間を呼ぼうとしたのだ。だが、指笛を何度やっても、ふしゅーふしゅーっと空気音しか出ない。
何とかチェリーボムを奪い返して戦線離脱できないかなあ。
「むぐあああ!!!」
なんと、妖精の下手な指笛で、2人の仲間が呼び寄せられてしまったのだ!
あっという間に取り囲まれ、身動きがとれなくなる。
白レオタードの妖精が僕の両腕をがっしりととらえ、青レオタードが足を捕まえる。飛ぶことができる相手だけに、浮かびながら僕の四肢を固定するなんて造作もないことだった。そしてそれだけで、地味に動けなくなってしまうことも。
あとは、彼女たちのなすがままだった。
白レオタードが執拗にフェラ攻撃。青レオタードが僕のアナルと玉袋を舐めまくる。赤レオタードが強制クンニだ。妖精の蜜の甘い味が口腔内に拡がり、僕の性感をいやがおうにも高め続ける。
ごぼぶっ! どばっ! どばっ!
もともと直前まで高められていた矢先の、3人がかりの攻撃だ。僕は声も出せないまま、即座に射精してしまっていた。
白い肌の滑らかな妖精が、しかも3人で、イキそうになっている僕の、敏感なところめがけて集中攻撃。勝てる道理などあるはずがない。
イッたあとでも、僕の肉体改造が終わるまで、この体勢のまま、ペニスもアナルも吸われ続けていた。射精が数分経っても止まらず、多幸感が続く。その間に、僕の理性は完全に破壊されてしまうのだ。
細くあどけない外観ながら、射精させるために手段を選ばない北欧系美少女妖精たちは、容赦なく僕を快楽地獄へ突き落とした。
僕も彼女たちの仲間になって、次の男を付け狙う存在になるのだ。その間中、全身を快感への意志に犯され続け、気持ちいいことしか考えられなくなってしまう。
僕の心がそれを受け入れた時、僕のアイデンティティは完全に失われた。
###こうしてまた一人、クローンが犠牲になった###