02.好き者のアイちゃん
ゲームも終盤にさしかかっている。
俺はこの館で、様々な戦闘をくり返してきた。そして……一度も射精せずに、ようやくここまでたどり着いたのだった。
屋根裏にも登ったし、地下にも潜った。
子供から大人、老人まで、様々な女を抱いた。経験を積み、レベルも上がっている。
そして……
ついに、最終ステージまで、たどり着くことができたのだった。
この迷路の奥に、陽子は必ずいるはずだ。
やはり……思ったとおりだ。
子供から大人まで、他の階にひしめいていたのに、俺と同じくらいの年代の女子高生だけは、どこにも現れなかった。それはつまり……その年代の少女たちは、最終ステージにいるということだ。
俺にとって、一番「彼女にしやすい」年代の女の子。それが、同じ女子高生であることは間違いない。一番近しいからこそ、一番魅力的に感じるんだ。
これまでの敵とは格が違うはずだ。心してかからねば。
正常位にて戦闘開始。
「うっく……」
思った以上の快楽に包み込まれる。
下から抱きしめられているだけなのに、全体を包み込まれているような、じわりとした安心感が拡がってしまう。それが直接、性的な感触に変換されていくのが分かる。
俺は好き者のアイちゃんのオンナの感触に、もう少しで酔いしれそうになった。
なんて高い攻撃力なんだ。
オンナがペニスを締め上げるだけで、大量の精力を消費してしまう。
オリハルコンのコンドームも装備し、防御は完全で、しかもレベルも十分上がっていて、地下2階の敵を難なく倒せるほどになっているのに、それでもとことんまで俺の股間を追い詰め、とろけさせてくる膣圧と魅力なのだ。
「さあ……陽子よりあたしの方がずっと魅力的って、認めてよ。ね……ほら……あたしの中、すごくイイでしょう?」
囁くように僕を魅惑してくる好き者のアイちゃん。確かに、女体だけはとてつもない魅力に満ちあふれている。若く、ハリがある10代の肉体。幼さを残していながら、大人の良さも十分体得してしまっている。
アイちゃんの肌はどこまでも吸い付くようで、やわらかで心地よい。
本当に、アイちゃんに乗り換えてしまっても不思議でないくらいに、彼女は魅力的だった。
だが……俺にも意地がある。
せっかくここまで、一度も女体で射精することなく、陽子のためにがんばってきたんだ。ここで負けるわけにはいかないんだ。
俺は好き者のアイちゃんの体のツボを探しながら、愛撫で応戦した。
「ああー……いいきもち……ね、もっとあたしに夢中になってよ!」
ぎゅううう!
「うぐあっ!」
好き者のアイちゃんは、俺のイチモツをこれでもかと締め付けたっ!
のみならず、腰を左右にゆったり振りながら、ゆっくり出し入れされるペニスへの圧迫を変幻自在に変えてくる。
女子高生ステージの敵たちは、とんでもない性的戦闘力を誇っていて、最高レベルに達した俺でも、気を少しでも抜けば精液を抜き取られてしまうほどだ。
目を細めたアイちゃんの仕上げが始まる。
俺の精力は、すでに限界に達してしまっていた。
彼女の弱点となる部位を見つけることができず、少しのダメージしか与えられていないのに対し、好き者のアイちゃんは容赦なく、どこまでも心地よくペニスを締め付け、下からぐいぐい責めてきて、さらに俺を抱きしめては脱力を誘っている。
ついうっかりと力を抜いた時に、アイちゃんのオンナが猛威をふるって、俺はだんだんイキそうになってしまっていた。精力が底をついている。
そんな俺の状態を察知したアイちゃんは、これでもかこれでもかとオンナを締めまくり、さらに強く抱きついて、俺の力を奪っていった。
そうして、体に力が入らなく、好き者のアイちゃんの上でぐったりと身を預けるやいなや、彼女はそれをしっかりと受け止めて、精を絞りだそうと下半身を蠢かせるのだった。
俺はなすがままになってしまっていた。
ああ……陽子……だめっ……イっちゃだめっ……
心の底で陽子のことを想いながらも、どうしても好き者のアイちゃんの魅力には勝てなかった。
びゅくん! びくびくどばあっ!
この館の中で、何百人とオンナに入れてきて、溜まりに溜まった体液が、好き者のアイちゃんの膣圧に負けて、勢いよく放出されていく!
世界一硬いコンドームが持ちこたえられず、崩壊していく。外からの圧力と、内側からの液体の圧力によって、ついにオリハルコンのコンドームも壊れてしまった。
体液は堂々と、好き者のアイちゃんの膣内に注ぎ込まれていく。
これが夢でなかったなら、確実に妊娠させていただろうほどの量である。
「あああ~……」
何もかも失って、完全に脱力してしまう。
「クスクス……どお? 気持ちよかった?」
好き者のアイちゃんは不敵な笑みを浮かべた。
コンテニューをして、変わりの“俺”が陽子と結ばれるまで、ゲームはくり返されるだろう。
しかし、好き者のアイちゃんとのセックスに満足してしまった今の俺は、夢から覚めて、陽子と別れることになるのである。イッてしまった以上は、これ以上申し開きはできない。
俺の心を奪い尽くしたアイちゃんの優しい笑みを間近で見つめながら、俺は夢の世界から覚めていくのだった。
###ゲームオーバー###