アマゾネス1−3
 

 後ろは海。泳げないから危険ではあるが、この小舟で逃げれば逃げられるかもしれない。ただし、敵に背中を向けることになるので、追いかけるほうとしてはやりやすい退路。つまり追いつかれたら一巻の終わりということになる。右は岩だらけで逃げにくいな。左は少し行くと小道が見えるから、そこからあがれば島の奥に逃げることができるだろう。が、左はなだらかなだけに走ってくるアマゾネスたちの数も半端ではない。結局、楽そうに見える道はかえって危険だったり困難だったりするわけだな。

 それなら。僕はあえて困難な道を行こう。前方には切り立った崖、そこからパラパラとアマゾネスたちがロープか何かを伝って下りてくる。が、数は少なそうだ。ロッククライミングで逃げようか…いや、そういう体力勝負ではアマゾネスたちのほうが上だろう。それなら、こちらは頭脳プレイでしのぐしかない。まずは崖のほうに向かって走り、そこから抜け道がないか探す。抜け道がない場合、囲まれる前に右に逃げて岩方面から逃げるしかない。どっちみち僕めがけて大勢のアマゾネスたちが押し寄せている以上、生き残るチャンスはそもそも小さいんだ。賭けるしかない。

 僕は正面に向かって走り出した。崖がだんだん大きくなる。すでに崖から降り立ったアマゾネスたちが僕めがけて走ってくるが、こっちは急に進路を変えたり、相手の股の下をくぐったりして、スイスイとアマゾネスたちの手を逃れていく。彼女たちはみな、僕がまっすぐ進むものと思っているから、急に方向が変わったり脚をくぐられたりすると止まることができず、転倒したりして遅れをとってしまう。数百人に取り囲まれるなんて状況でもなければ、何とか切り抜けられるかもしれない…望みは薄いが。

 やっと崖にたどり着いた。思った以上に崖は高く、斜面も急だ。まっすぐな崖かと思ったら意外に出っ張りが多く、登るのは不可能に近い。アマゾネスだったら可能というところだ。しかも崖は”つ”の字型をしており、途中に大きな出っ張りがある。途中で体をさかさまにして登らないといけない。上がるのは無理か。

 それなら抜け道だ。僕は辺りを見回した。あちこちが岩だらけだ。しかし自分の身は大きな岩の出っ張りにはばまれ、上から見ることができなくなっている。海岸から押し寄せるアマゾネスたちはまだここにたどり着いていない。僕は一時しのぎに岩陰に隠れ、彼女たちに見つからないように腰をかがめて移動しながら、抜け道がないかどうか探した。モタモタしていると追いつかれ、草の根ならぬ岩の根分けでも探し出すはずだから、その前にここを脱出するんだ。

 「!」小さな穴が開いているな。奥は薄暗いが、一筋の光もうかがえる。つまりこの穴をくぐった先にも出口がある、しかもそう遠くないということだ。ここしかない。僕は小さな穴に体をくぐらせた。岩であちこちがすりむけて痛い。が、ここは精神世界だから、物理的な傷はすぐに治ってしまう。気にせず突き進もう。

 何とか体をくぐらせることができた。引っかからなくて本当によかった。下半身まるだしで穴に引っかかって、抜けなくなったらそれこそいいようにいたぶられて終わりだった。危ないところだ。

 それにしても、この穴は探索するアマゾネスたちに容易に見つかって、結局追いかけられてしまうな。内側から塞いで、穴だとわからないようにしておこう。僕は手ごろな岩を穴にあてがい、出入り口を塞ぐとともに、そこに穴があることをアマゾネスに悟られないよう、しっかりとはめ込んだ。これでしばらくは見つからない。

 さて。穴を抜けるとすぐに広くなった。どうやら洞窟の中らしい。この穴は正規の出入り口ではなく、偶然に空いたものだろう。ということは、やはり別の場所に出口があるはずだ。そして、別の場所に出入り口があるということは、アマゾネスたちがいずれはこの中を探索し始めることを意味する。その前にここを抜け出さないとな。

 僕は音を立てないようにして、暗い洞窟を進んでいった。多分アマゾネスたちの大半は、海岸にいる。僕が小舟でこの島にゆっくり流されている間に、彼女たちはいっせいに海岸に押し寄せているだろう。男が船で海を渡っている間に見つかっている可能性が高いからね。そうでもなければ、あんなに大勢がいっせいに海岸に姿をあらわすはずもない。ピンチではあったが、逆にここを抜けられさえすれば、しばらくは人気のない島を冒険できる。

 きっと今頃は、彼女たちは崖とその周辺の岩場をくまなく探索しているだろう。崖を上っている形跡がなく、近くに抜け道がない(本当はあったけど塞いだ)となれば、アマゾネスたちは当然、僕が岩陰に潜んで息を殺していると思うはずだからね。時間稼ぎは成功だろう。その隙に逃げるしかない。

 光が見えてきた。やっぱりこの洞窟はそれほど深くはない。数百メートルもないんじゃないかな。見えてきた先は、明るい森林だった。進路からすると、僕が上陸した海岸から右奥方向だ。岩だらけに見えた先には深い森があったんだな。森なら身を隠しやすいだろう。無事見つからず抜けられれば、とりあえずこの場は僕の勝ちになる。

 ざしゅっ…。「!!」僕は物音がすると同時にとっさに岩陰に身を隠した。誰かいる。そっと覗いてみると、アマゾネスが一人で入って来ていた。まずい、もう追っ手がそこまで来ているのか…! 僕は息を殺して様子をうかがった。アマゾネスはこちらに向かって歩いてきている。と、途中で足を止め、周囲を見回すと、近くの壁に寄りかかって腕組みをした。そしてそのまま動かなかった。

 どうやら見回り係か何かなのだろう。この洞窟の奥には何か生活用品みたいなものでも収納されているのかな。どんな時でも一定時間見回るとは、やはり周到というべきか。アマゾネスはつまらなそうな顔であくびをした。どうやらそれ以上敵が押し寄せてくる気配はない。

 そうは言っても、もし彼女に見つかったりしようものなら、すかさずこいつは仲間を呼ぶだろう。そうなったら絶体絶命だ。彼女の位置の反対側に岩があり、その奥に僕が息を潜めている。身動きをとろうものならすぐに見つかる位置だ。まずいな…

 かといってここにしばらくじっとしていても、いずれ数十人の探索部隊がここを探しにくるだろう。ここを出ても絶体絶命、ここにいても絶体絶命の状況だ。ここから彼女の位置まで2,3メートルといったところか。正面切って戦いを挑んで声を出させずにやっつけようとしても、抱きつく前に大声を出されちまうな。一体どうしたら…

 「…ふわあああ…退屈だ。当番でなければ狩に参加できたのになぁ…まぁ明日にはいけにえとして頂戴できるし、よしとするか。」彼女は退屈そうに腕組みをしながら、壁に寄りかかってその場を動こうとしない。何とか切り抜ける方法はないものか…

 「!」あわてて身を隠す。彼女がこっちのほうを向いたからだった。み、見つかったかな…。ヒタヒタと足音が聞こえた。こっちに近づいてきている。だめだ、見つかった…!! 戦慄が走る。

 「あー…よっこいしょ。夕方まであとどれくらいかなぁ。」彼女は僕が潜んでいる岩に腰を下ろした。どうやら見つかってはいないみたいだった。このアマゾネスは、僕の潜む岩が座るのにちょうどいいことに気づいて、場所を移動したのだった。その後ろには、アンタの言っているいけにえが潜んでるんだよ。しかも交代は夕方か。探索隊がくるまでは、しばらくコイツ一人というわけだな。このチャンスを逃す手はない。幸い彼女は落ち着いて座っていて、こちらに背を向けている。

 行動を起こすと決めたら早かった。僕は音もなく立ち上がり、すかさず後ろからアマゾネスに襲い掛かった。左手で彼女の口を押さえ、声を立てられないようにし、右手で乳房をぎゅっと抱きしめる。「むぐっ…!」アマゾネスの筋肉がこわばった。この調子だと力だけで押さえつけることはできなさそうだ。「…声を立てるな。」「む…ぐぐ…」アマゾネスは何とか後ろからの拘束を振りほどこうとして暴れ始める。

 「…僕があんたらの探しているいけにえだよ。ここで見つかるわけには行かないんだ。だからおとなしくしていてくれ。」「んぐぉれ…」「おとなしくしていてくれたら、他の仲間に先んじてメチャクチャにしてやるよ…。」「ふぐッ!?」

 僕はアマゾネスの首筋にふうっとやさしく息を吹きかけ、そのまま首筋に強くキスマークをつけた。ビキニのブラをはずしながら、いつくしむように右手で両乳房を大きくこすってやる。アマゾネスはブルッと震えた。耳の後ろをしゃぶりながら耳たぶにも舌を這わせ、指先で乳首をこねくり回しながら左右の胸を優しくかわいがる。こういうテクニックは、これまでの戦闘経験とレベルで、相手にダメージを与えるに十分なほど培ってある。

 耳の穴に息を吹きかけ、舌でペチョペチョしてやると、ゾクゾクした快感がアマゾネスを陶酔させた。彼女は耳をくすぐるいやらしい音と、意外な性感帯攻撃に驚き戸惑っているのだろう。僕の左手を振りほどこうとしていたアマゾネスの両手から力が抜ける。

 力を抜いたアマゾネスの体は丸みを帯びていった。アマゾネスは、獲物を捕まえるまでは「狩モード」すなわちビキニの鎧を携え、筋肉を出し切って追いかけ、ねじ伏せ、まさに男勝りの力技で挑んでくるが、捕まえてしまってじっくり調理する段階では、そうした戦闘モードは影を潜める。力を抜くと、じつに女性らしいやわらかい肉体に変化させることができるんだ。

 種馬を射精させるためには、ごつごつした体よりは、しなやかな肢体のほうがいいから、必要最低限以外は力を抜き、女性特有の皮下脂肪を前面に出す。その結果、体つきがやわらかくなり、スベスベでふにふにした全身を男に押しつけることができる。種馬を効率よく利用するには、体全体で精を搾り出す工夫が必要であることを、彼女たちは伝統的に受け継ぎ、よく理解しているのだ。

 このアマゾネスの場合、僕の奇襲を受け、意に反して脱力したわけだが、それでも彼女が戦闘モードになったことには変わりがない。彼女が僕の左手から手を離し、ダランと下げたのを合図に、僕は右手で彼女の下の鎧をゆっくりはずしていった。後ろから見ても、彼女の顔が羞恥と期待で真っ赤になっているのが分かる。「この島は特別で、正攻法では勝てない。人数が多すぎるからな。だから僕は逃げて逃げて逃げまくって、セックスはしないことになる。いまも逃げたところさ。」

 むきだしのオンナに指を這わせながら、リップサービスを続ける。一応警戒して左手は彼女の口を押さえたままだ。「だけどいまは特別だぜ。お前だけには、黙っていてくれたお礼に、たっぷりかわいがってやる…お前だけだ…他は誰も抱かないよ?」静かに囁くように彼女の耳に息を吹きかける。自分だけ特別という売り文句は結構効く。彼女の鼻息が荒くなり、さらに脱力して、岩から滑り落ちそうになる。

 僕は彼女を立たせ、後ろからペニスを挿入した。アマゾネスは力を抜いて、素直に僕を受け入れた。「声は出すなよ。他の女に感づかれたら、僕は逃げなくちゃいけなくなるからね。」アマゾネスは顔を真っ赤にしてうんうんとうなずいた。よし、これで抵抗する気がなくなったな。僕は左手を離してやった。後背位で結合し、静かな息遣いだけが洞窟にかすかに響いた。

 あとは普通の戦闘と同じだ。僕は大きくしなやかに腰を振り、臀部やおなかをさすりながらひたすらペニスを前後させた。さすがにアマゾネスだけあって、内部の締まりは抜群だ。が、このレベルならすでに幾度となく乗り越えてきてもいる。こちらがイクことはないだろう。あとは敵がどれくらい強いか…長持ちするかだな。鍛えているだけあって、きっと精力値は高く、長期戦になるのだろう。あまり長く結合し続けていては、こちらも無事では済まないからな。警戒しながら戦わねば。

 「んっ!!!」アマゾネスが声を立てずに絶頂した。「…ぇ……??」これからが本領発揮、強くそれでいて優しく、スピーディに、オンナをかき回しながら暴れん棒を突き上げようとしていた矢先だった。女は消え、洞窟は僕ひとりだけになった。よ、弱い…あっさり勝っちまったぞ。

 分かったぞ。このステージが人数に関係なしの設定になった理由! アマゾネスは、じつは単体では非常に弱いのだ。男に慣れていないからだろう、いきなり挿入してはあっという間に果ててしまう。ひとりなら、レベル1でも倒せる程度の相手なんだ。これなら、現代っ娘のほうがはるかに強い。それなりの経験があるからね。じらすテクニックもあるし、心理作戦で責めることもできる。だがアマゾネスの場合、あまりにも直情的で、それでいて防御力が非常に低い。精力はそこそこあっても、やはり短時間で絶頂してしまう。

 アマゾネスは、女だけで暮らす部族だ。繁殖期に男をさらってきて種馬とし、伝統を維持してきた。だから、男を犯す技術は訓練されているだろうけど、また道具などで挿入時の締め方なども学んでいるはずだけど、快感から身を守る訓練は受けていない。その必要がないからだ。自分の快感がどうであれ、種馬の子種を奪えればそれでいい。だから彼女たちは、男を射精させるための訓練は受けていても、自分がイかないようにする面では普通の娘よりもはるかに劣る。繁殖期以外では男を見ることすらない生活だから、精神面でも相当弱体化されているに違いない。

 種馬が一方的に受け身なら、それでも部族を維持する程度の精は手に入るだろう。枯渇するまで抜きまくることも可能だ。しかし、相手が抵抗して、快感攻撃をくり出すような、セックスバトルの状況においては、アマゾネスたちは簡単にダメージを受け、どんどん倒されていってしまう。勝負には向いてないんだ。

 だからこそ、彼女たちは徒党を組む! 1人だの3人だのの少人数で男を襲うのではなく、最低10人以上のグループになって、息の合った連携プレイで男を組み伏せ、抵抗できないようにしてから、動けないようにしてから、じっくり集団で精を搾ろうとするんだ。だからこの島ではアマゾネスたちは一気に何十人と群がってきたというわけだ。

 洞窟で1対1の戦いなら、こんなに簡単に勝ってしまったのもうなずける。とにかくここには誰もいなくなったわけだな。

 よし、いまのうちに脱出しよう。僕は周囲を警戒しながら、森のほうへと歩いていった。他にはアマゾネスはいない。まだ彼女たちは海岸周辺を探しているのだろう。最低限見回り役以外は、森にもその奥にもいないのかもしれない。それならある程度は動きやすいな。

 森に出ても、周囲はひっそりとしている。森林は結構深く、奥がどこまで続くのかは分からない。ヘタをすると樹海のようにさまよってしまいかねないな。それでも、逃亡中の身だし、目印をつけて進めば「僕はこの先にいます」とアマゾネスたちに示しているようなものだから、とにかく余計なことはせず進んでいくしかなさそうだ。

 まだ彼女たちは海岸にいる。しかしやがては、僕が海岸を脱出したことに気づき、島全体に散らばって僕を探そうとするだろう。その前にできるだけ先に進んでおいて、この島の秘密を見つけ、脱出するしかない。

 僕は周囲を警戒しながら、深い森をさまよい始めた。

アマゾネス1 クリア

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