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ソープ嬢1−6


 ローションプレイは、敵の攻撃力を2倍に跳ね上げる。その上、彼女の体表面はどこもかしこも、それだけで十分精液を絞れる強力な武器となっている。

 そして風俗嬢は、なんといっても、口を除けば体表面で勝負する仕事だ。本番挿入はせず、生足で挟み込んでオンナ表面で精力を削り取るスマタ攻撃が、トドメの運動となる。

 当然、密着する面積が大きければ大きいほど、僕の全身に降りかかる、ローション女体によるダメージは大きくなるわけだ。

 密着する面積は狭いほどよく、その時間も短い方がいい。手技対決を選んだのはそうした理由からだ。

 もちろんリスクはある。

 立ったまま戦えば、僕よりも背の高いしおりの大きな手による快楽攻撃に、さらされ続けることになる。こちらも百戦錬磨のテクニックがあるとはいえ、相手は風俗技のしごき方を身につけており、さらにその攻撃力が倍になっているため、決して侮れない相手なのである。

 こちらの手技が上か、相手の熟練ボディが上か。また、こちらの耐久力が上か、相手の耐久力が勝っているのかの戦いでもある。僕もある程度レベルを上げてきているので、防御力には自信がある。ただ、しおりちゃんに通用するかどうかまでは分からない。少なくともレオター時代の彼女に比べて、はるかにレベルが上がっている相手になっているんだ。

 僕は相手の裸体を見極めながら、慎重にしおりのオンナに手を伸ばし、左手を乳房に添えて愛撫合戦を始めた。

 しおりは長い両手を伸ばしてきて、大きな手のひらでペニスをきゅっと掴んだ。そしてゆっくりと、ローションまみれの柔らかい手で、ペニスを両手コキし始める。僕は片手で性器を、相手は両手で性器を攻撃する。その時点で、彼女の方が強い攻撃力を誇っていた。

 ああ……心地いい。

 風俗嬢だけあって、すでに数え切れない男根を、その手で絞ってきたーー少なくともそのレベルまでは強化されているーーしおりは、慣れた手つきで引っ張るように、ペニスを優しくこすりあげてくる。ローションにあふれた女手は、にゅるにゅるとしっとりこびりつきながら、ペニスの敏感なところをまんべんなく、そのやわ手に包み込んでいる。

 しかし、僕の方も負けてはいない。こっちだって、この右手一本で、数え切れないオンナをイかせ続けてきたんだ。表面の撫でさすり方、敏感な場所、中へと指を入れるタイミングなどはちゃんと心得ている。

「……。」

 僕たちは無言で、お互いの性器を愛撫することに集中している。ただし僕の方は、しおりの大きな乳房を左手でかわいがる併用作戦をとっている。

 上半身への攻撃は、実のところたいしたダメージにはなっていなかった。だが、それで別にかまわない。

 直接的な性感ダメージには繋がっていないが、僕の手つき指つきは、実はジャブのように、あとからジワジワと効いてくるタイプの愛撫なのだ。彼女が気がついた時には、おっぱいもオンナも感じやすくなってしまっているだろう。そういうツボを逃さないようにして、両方のおっぱいや脇の下、谷間やお腹などに、左手と指とを滑らせていく。ローションがある分だけ、僕の手つきも滑らかになった。

 一気に両手でオンナを攻撃し、大ダメージを与える方法も、もちろんある。トドメはそれしかない。だが、初めからそれをやってしまって通用する相手かどうか、十分な自信が持てなかった。

 相手もまた、大勢の男性からその全身をまさぐられ、オンナ表面を硬い男根でこすりまくられた経験を誇っている。自分から腰を振って仕事をしているにせよ、表面に加えられる快感も少なからずある。それでも、自分が感じまくって絶頂までしてしまうようでは、疲れてしまって仕事にならない。

 だからしおりもまた、快楽に耐性がつくように訓練を積み重ねたはずなのだ。つまり、普通の女性に比べて、彼女ははるかに防御力が高いと踏んだ次第。

 正攻法ではなく、あとからじわりと性感神経が敏感になるような愛撫の仕方をして、時間をかけて敵の弱体化を図っている。そうするには十分に、こちらの精力が高くなければいけないが、そこは何とかなりそうだ。

 しおりも、しっとり両手コキでペニスを優しくしごき上げながら、的確に男の快楽を引き出している。指だけを小刻みに動かして裏スジをくすぐりながら、両手全体は優しくゆっくりと前後している巧みな動きだ。

 さらに玉袋に手を添え、撫でさすったりくすぐったりしながら、精巣に溜め込まれた体液をかき回して、くすぐったく吐き出させようともくろんでくる。そうやって右手では、先端ばかりを包み込んでコショコショと小刻みにしごき、いきなり射精してもおかしくない絶妙な快感攻撃を繰り出してくる。

 僕も対抗して、左手はあくまでやわらかく優しい手つきで、じわりじわりと追い詰める手法を続け、逆に右手は激しい動きでクリトリスも内部もかき回しながら、それでいて女体の心地よさを的確に捉える指の動かし方を忘れずに、着実に性感ダメージにつなげていく。

 それは確実に功を奏し、しおりの上半身を責める僕の手は、徐々に女体の性感神経を過敏にさせていった。右手の手応えが少しずつ変わっていくのを実感する。彼女が気づかないうちに、女体は弱体化していき、一回一回の攻撃に対する反応が変わり始めているんだ。

 僕のテクニックと相まって、風俗嬢ならではの鍛えられた防御は、確実に崩れ始め、しおりは腰をくねらせ感じ始めている。いまごろ彼女は、ときおりゾッとするような強い快楽が電撃のように走り、その頻度が少しずつ上がっていることを、不審に思い始めるだろう。

 しかし、それ以上に僕の方のダメージは大きかった。

 彼女はときおり、計算したように長くて大きな太ももを僕の股の間に滑らせ、シコシコした女の足の感触を、存分に刻みつけてくる。さらにローションで攻撃力が跳ね上がった彼女の生足は、長くて細く引き締まり、それでいて内股などの膨らみが十分にあるので、こっちもぞわっとする快楽に打ち震えてしまうのだ。

 僕よりも長い足なので、膝の上あたりから内股のきわどいところまで、にゅるっと滑らかに、長時間密着しながらこすれていく感触に、僕はあらためて彼女の魅力と、長身女性のすばらしさに悩まされることになった。

 そうしている間ももちろん、ペニスは手コキの快楽に晒され続けている。手と脚のダブル攻撃で、僕のダメージは跳ね上がるんだ。

 さらに、僕がブルルッと震えて、心地よさに腰を引こうものなら、それが油断となって、しおりちゃんがギュッと抱きついてくる。僕よりも大柄な女性が、僕の全身を包み込むようにして抱きしめると、ローションできめ細かくなりすぎた彼女の肉体が、ぎゅうっとやわらかく甘美に密着してくる。

 僕の隙を突きながら、広い肩幅で僕の華奢な肩を包み、その肩幅に見合う大きなおっぱいを滑らせてくる。予想した通り、頻繁に全身を押しつけ抱きついてきて、生足攻撃も併用されてしまう。

 さらに油断した僕は、しおりの両手が自分の胸板を這い回ることを許してしまう。これは失態だった。急激に性感が高まり、ヒクンとペニスがくすぐったく反応してしまう。その隙に彼女は猛スピードでドアノブを引っ張るようにペニスをローション女手でしごき立てる!

 思わぬダメージを受け、僕の作戦は中断してしまう。ここで切り返しを計った方がいいだろうか。つまりオンナへの集中攻撃に切り替えた方がいいかも知れない。悠長に右手左手をバラバラにしている場合ではないぞ。

 そんな思いがある一方、いやいや待てよ、もう少し、もう少しだけ……今はもっとじっくり、ジャブを効かせておいた方が、トドメを刺しやすいのも確かなんだ。ヘタに両手攻撃に移れば、彼女は防御の態勢を取ってしまうかも知れない。そうしたら、たいして敵にダメージを与えられないのに、しおりの妖しい手つきで、ペニスの方が先にまいってしまうかも知れない。危険だ。

 結局、僕は今の攻撃態勢を維持することに決めた。精力が残っているので、今しばらくこの作戦を続行した方がいいだろうと判断したのだ。

 とはいうものの、精力がたっぷりあるからと安心はできない。次の戦いの場所は、すぐ隣の部屋なんだ。どれだけ回復できるかも分からない。残った精力で、このしおりよりも強力な相手、おそらく3人の風俗嬢を相手に、射精せずに女体をイかせ倒さなければならないのだ。残りわずかの精力でしおりちゃんに辛勝しても、次の部屋であっさり敗北を喫してしまう。そこまで計算に入れて闘わないといけないんだ。

 だが、僕の総合的な判断は、どうやら正しかったようである。

 しばらく続けていると、上半身へのジャブがかなり効いてきたようだ。

「はあっ……はあっ……そんな……」
しおりは明らかに焦り始めた。

 僕の右手の攻撃は、耐久力を鍛えて強化されたしおりのオンナに対して、それほどのダメージにはなっていない。少なくとも、致命的なダメージまでは与えられていなかった。しかし、いつの間にかそれが、普通の女性と同じような快感を受け始めたのだ。彼女にとっては、鉄壁だったはずのガードがいつの間にか外れ、突然敏感になってしまったように思えるはずだ。

 強化されていた女体は、じわじわと追い詰める僕の左手によって打ち崩された。小さなダメージの積み重ねではあったが、少しずつ女体の性感神経を過敏にさせる作用を、指先で与え続けていたから、やっとそれが功を奏したのである。しおりは快感に弱くなっていた。

 そこへ一気に方針転換。僕は両手でオンナ表面と内部を同時に愛撫し、何人もの女性を天国に送りつけたテクニックを、遠慮なく発揮し続けた。

「ひあっ……やあっ!」
しおりちゃんは大きく腰をくねらせて、僕の手による快楽をどうすることもできずに、ローションとは違う体液をこぼしながら、妖しく顔を上気させている。

 さすがに鍛えられているだけあって、弱い敵ならとっくに昇天しているはずが、しおりはまだまだイク気配を見せない。が、このまま続ければ、それも時間の問題だ。

 だんだん自信が出てきた。

 しゅっこしゅっこしゅっこしゅっこしゅっこ……!!

「おああっ!!」

 突然しおりちゃんは、両手でペニスを掴み直して、乱暴なくらいに大きく素早く引っ張りしごいて反撃してきた! ちゅっこちゅっこと大きな音を立てながら、ローション女手が暴れ回る。その柔らかい感触と、それに似合わず力強い締まりだった。

 大きな女手の長い指が、ペニス全体に完全に絡みつき、ぎゅうっと力を込めて締め上げながら、それでいて敏感なところはあくまでもくすぐるように、小刻みな動きを併用させつつ、全体を激しくしごき続けてきた。

 これには大ダメージを受けざるを得ない。お尻の奥にきゅんと強いくすぐったさがほとばしる。精力の残りが心配になるくらい、僕はしおりの性的な攻撃にビクンと大きく震えた。

 思わず強く腰を引いた。だが彼女は容赦なく、太ももで僕の内股をかわいがりながら、手の動きを強め早めて、決して止めてはくれない。

「うああっ……だめ……やめてえ!」

 悩ましい叫びとともに、絶頂寸前に追いやられ、全身を巡る心地よすぎる快楽にイク寸前になっていたのは……しおりの方だった。

 僕はまだまだ追い詰められる段階ではない。が、彼女の方はもう限界だった。「だめ……だめですう……うぐっ!」しおりは絶頂寸前のゾワゾワした女体の快楽を必死で堪えている。だが、そこで耐え抜けるほど、僕の百戦錬磨のテクニックは甘くなかった。

「はうっ!」
短く叫ぶと、彼女は大きな体をのけぞらせて、僕の手でイッてしまった。

 僕の勝ちだった。満足した風俗嬢は、かっこいいスタイルをぐらつかせ、尻餅をついて、そのまま消えていった。「さすがです……私ではかなわなかったのですね……」そう言い残して、この魔性の世界、夢の世界から追い出されていったわけである。

 隣の部屋の鍵がカチャリと開く音。すぐさま、次の戦いが待っているんだ。ドアの前に現れた回復剤を飲む。回復量は……あまり大きくはない。

 精力はかなり残っていた。

 だが、もう少しだけ回復させたいところだった。回復薬で全快できればよかったのだが。

 オナニーして抜いてしまいたい衝動に駆られる。しおりちゃんの大きな裸体は、思い出してもやはり興奮する。BFの敵としてではなく、恋人として、さらには未来妻として、お近づきになりたかったものだ。いまとなっては……二度と叶わぬ夢である。なぁに、来世で妻になってくれれば、それでいいのさ。それまでは……僕は自分を陶冶せしむるのみである。再び巡り会う百年先まで、僕は待っています、ずっと。さようなら。

 自分で抜くわけにはいかない。

 そういう回復法は、この五重塔では許されていない。しおりを想って自分のペニスに手をかけたとたんに、隣の敵たちが押し寄せてくる。自分でしごいてダメージを受けているところで、隣の強敵にトドメを刺されるのがオチだ。

 それに、そもそも心配なほど、精力が残り少ないわけでもない。何とか、このまま次の戦闘に即座に入ることもできるだろう。

 僕はドアノブに手をかけ、次の部屋に移っていくのだった。



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