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ソープ嬢2-3


3.脱衣所で挿入戦

 ここはあえて、風俗技を避け、通常戦闘である挿入戦に持ち込むことにしよう……だと!?

 ……正気か?

 なぜ僕は、そんな選択肢を含めてしまったのか。それさえも分からなくなっているくらいに、判断力が鈍ってしまっているようだ。

 残り精力は、ほとんどない。あるいは少なくとも、この3人をまともに相手にしていたら、決して勝利できないほどに、消耗しきってしまっているんだ。

 まだ風俗技のステージに持ち込み、挿入を避けていれば、勝機があったのかも知れない。

 ……いや……それとて、本当に勝ち目があったのかどうかも、分からなかった。だからこそ、錯乱してしまったのかも知れない。

 いずれにしても、3人がかりのオンナを味わって、射精せずに済ませられる可能性は、ほぼゼロだ。

 特に、ふらんそわーずは未知の相手だけに、どんな恐ろしい攻撃をしてくるか分からない。姉さんのことだから、きっとこの場所に召喚した時に、サイボうぐぅとして卑怯な改造か何かをしているに違いない。

 他の2人は挿入戦があり得ても、このふらんそわーずだけは、避けておかなければならないだろう。

 それにもせよ、選んでしまった以上は、挿入戦で最後まで行くしかない。対ふらんそわーずは後で考えることにして、先に日本風俗嬢2人を倒してしまおう。

 僕はゆっくりと呼吸を整え、精力温存させながらペニスを武器に戦う体勢を取った。これを察した3人は、脱衣所で裸になり、僕を取り囲む。

 順番が大切だ。

 おそらく若くて直情的なオンナの締まりを誇る、女子大生のようこの方が、熟練した27歳のテクニックを誇るゆいより、若干だが戦いやすい気がする。

 精力温存のために、先に人数を減らしておくのは、セックスバトルの定石だ。

 先にようこを倒し、続いてゆいを倒して、精力にまだ限りがあるなら、一番の強豪である金髪白人娘を挿入以外で倒す道も見えてくるだろう。

 背の高いようこと僕とは腰の高さが同じくらいに合わせられる。ようこは脚を開いて、オンナ表面を亀頭にあてがい、そのまま腰を押しつけて、女性主導の形でペニスをオンナに飲み込んでいった。立位での勝負開始だ。

 やはり……肉体は強化されているようだ。

 しおりのように、どこまでも僕と相性のよい膣圧は、しかしそれでも、しおりを乗り越えてきた僕にとっては、二番煎じもいいところだった。これなら……互角に戦えるッ!

 僕は彼女の背中に手を回して抱き寄せながら、脚を開いた彼女の股の間で、しっかり腰を大きく振り乱し、ペニスでオンナの敏感なところを重点的に責めていった。

「んあ……」

 ようこは身を震わせて、大ダメージを受けている。

 風俗技に持ち込まない以上、あとは実力勝負のみとなる。

 それなら、どれほど強化されてこの世界に召喚されたとしても、記憶だけ数多くの男根をイかせてきたオンナという“設定”だけでは、じっさいに百戦錬磨の地獄の快感をくぐり抜けてきた僕の敵ではない。

 腰の振り方、息づかいとタイミング、併用愛撫の仕方と部位、女性が感じるポイントを突きながらさらに奥底まで徹底的に責めていくコンボ攻撃、そして、オンナの締まりと快楽をできるだけ退け感じないようにし、精力を温存させるノウハウ……すべてがようこの一歩上を行く。

 もちろん、そんな状態で、単独戦に持ち込んでくれるほど、彼女たちは甘くはなかった。すかさずふらんそわーずが僕の背中に貼り付き、背後から密着して、僕の両脚をスベスベの生足でこすりあげながら、同時に僕の腰使いを制限するようにぴったりしがみついてくる。

 こちらの動きが邪魔されるが、それも相手の作戦の一つだ。そんな体勢、いくつもくぐり抜けてきたではないか。僕はなりふり構わず、ようこ1人に絞って責めの手と腰を本格的に強めてやる。

 するとふらんそわーずは、北欧のやわらかな巨乳を僕の背中に滑らせ、両手で僕の肩と腕をスベスベ撫でさすりながら、ぐいぐい腰を動かして、僕の動きをさらに妨げようとしてくる。

 リズムとタイミングを崩せば、ようこの方から腰を振ってペニスをしごき立て、射精に導けると思っているのだろう。

 そうはいくか。

 僕は、ふらんそわーずのずれたタイミングにもかかわらず、腰の動きを一定に保ち続けた。そうするとどうしても、背後のフランス娘の柔らかな体に自分の腰やお尻がぶつかり、ぽよんぽよんと弾けて、性感ダメージに結びついてしまうのだが、それでも、彼女の妨害などモノともしない一定のタイミングを維持することによって、ようこを一方的に責め苛むことができるのだった。これも自分の経験のたまものである。

 今度はゆいが、サポートを追加してきた。ようこの大きく開かれた脚の間に座り込み、手や首を伸ばして、僕の玉袋やお尻の穴を指でつついたり、こねくり回したり、くすぐったりやわらかくスベスベの手のひらで撫でさすったり、口に含んでモゴモゴしたり、くすぐったいお尻の穴周辺をコチョコチョと舐め回してくる。

 負けてなるものか。僕は2人のサポートをものともしないように、とにかくようこを片付けることに専念した。

 精力はまだ多少は残っていてピンチではないが、それでも、ふらんそわーずとゆいの、男の体を知り尽くして弱点ばかり責め立ててくる動きと、若くて締まりのよい女子大生のオンナによるペニスへのきつい締め付けと、とろとろあふれる粘液の柔らかな感触でしごく刺激が、少しずつだが着実に、僕の精力を奪っていった。

 このまま消耗戦に持ち込まれるのはまずい、一刻も早く、ようこを倒してしまわなければ。

 こんな体勢で戦っても、それでも勝利してきた経験がある。それを生かして、ようこに大ダメージをコンボで次々とたたきつけていく。ようこの精力は、彼女が思っていた以上に目減りしていく。その意外さに、風俗嬢の大きな体が、呼吸を激しくして乱れ震えさせていく。

 だがもちろん、攻撃に特化する以上は、オンナのしごきによるダメージもその分嵩んでしまう。リスクは残る。

 そのリスクを取ってでも、まずは1人減らし、2人減らしという作戦が、一番効果的なように思われた。

「あふ……」

 ようこがばて始める。もう少しだ。

 脱力しかかったようこ。もっと主導権を握って、一気に勝利に持ち込みたいところだ。

 若いけれども未熟さも残る女子大生は、次第に追い詰められていく。

 僕の誘導により、彼女は僕と結合したまま、ゆっくりと仰向けに寝転び、大きく脚を開く。正常位への移行だ。その間に入った格好に移った僕は、そのままガンガンと腰を前後させ、しっかりようこの絶頂への仕上げに入ってやる。

 この体勢に持ち込んだために、ゆいはこれ以上、僕の敏感な玉袋やアナルに攻撃を加えることができなくなった。

 ふらんそわーずは相変わらず僕の背後にぴったり密着し、強く抱きしめてくるけれども、立位の時と同様、僕の腰を制御することはできないままだった。背後の金髪女性を押しのけるほどの、力強い僕の腰の前後運動は、確実にようこを追い詰めていく。あと少しだ。

 僕は完全に主導権を握ったまま、仕上げの出し入れに専念し、スピードを速めた。ようこはなすすべもなく、腰を左右に揺り動かしくねらせて、快楽をどうにかしようと悪あがきをする。だが、そんなことでへこたれる僕ではない。

 一気呵成だ。

 僕は敏感な突起にこすりつけるようにペニスを武器に最大限の攻撃を加えた。

「そんな……」

 ようこは信じられないといった表情で、女体に加えられる快楽に顔を真っ赤にしながら、それをどうすることもできず、絶頂直前の堕ちる感覚に身を任せるしかない。

 すぐさまようこが消滅する。元の世界に戻されたのだろう。

 ここは勢いで勝利を掴まなければ。考えている暇はない。

 もちろん、相手も僕を休ませるつもりなど、微塵もありはしない。

 すかさずゆいが、松葉崩しの体勢で結合してくる。ふらんそわーずは後ろにぴったり貼り付いたままだ。

 すぐにゆいは、自分から腰をクネクネと揺らし、ペニスを熟練したとろっとろのオンナ内部でかき回し始める。

「うっく……」

 気持ちいい。

 まずい……精力が……尽きかけている!

 レズの貝合わせのように、ゆいの右足は僕の左足の下に、彼女の左足が僕の右足の上に乗せられ、体をひねりながら、しっかり手を後ろについて体を支えている。そうすれば、自在に腰を前後左右上下にくねらせることができ、ペニスはオンナ内部でもぎゅうもぎゅうともみしだかれることになる。

 クネクネと悩ましく動き続けるゆいの腰。27歳の熟達した腰使いだ。

 ようことの戦いで一気呵成に持ち込んだことが、今度はアダとなっていた。

 残り精力に気を配っていてはようこに勝てないと判断し、次の戦いにどれだけ精力が残っているのかを、計算に入れていなかった。

 そのために、引き続きのゆいとの戦いでは、こちらが一方的に防戦に立たされてしまっている。しかも、その防戦も、きわめて危うい状況だ。

「あう……」
「いいきもちですかー? さあ、えんりょせず、いっぱいゆいさんのナカに出しちゃってくださいネー」

 ようこが甘い囁きとともに、後ろから手を伸ばして、細い白魚のような白い指先で、僕の両乳首をブルブルとこねくり回し始めた。

 どこかのスイッチが入ると、彼女の人差し指と中指が細かく振動し始める。サイボうぐぅの本領発揮の合図のようだった。

「あああ……」

 ゆいのオンナの心地よさは、ようことはひと味違っていた。ようこは若く直情的な溌剌とした締まりとしごきで対抗してきたのに対し、ゆいは、ややただれたオンナ内部の特性を生かして、あえてしごき立てる動きではなく、どこまでもやわらかで優しい揉みしだき攻撃に移っているのである。

 彼女は肉体の能力に頼ったりせず、自分の腰の動きそのもので、長くやっていた風俗嬢という“設定”で僕に対峙してくる。

 少しばかり代謝が悪くなるために、肉付きが良くなり始める年代の彼女。

 ゆいの大きな乳房は、太めの女性の熟した魅力を存分にたたえながら揺れている。

 お腹周りと腰回りが、松葉崩しの体勢によって強調される。ようこの細い肢体とは真逆に、体を曲げたゆいのお腹や腰回りには、どうしてもぽっこりと女性的な肉付きの良さが強調されてしまう。

 そして、その脂肪が、ゆい自身の腰の動きに合わせて、ぐにぐにぷるんぷるんと、あっちへひしゃげ、こっちに出っ張り、お腹と腰のやわらかな肉が揺れていく。すっかり下腹部に肉がついた熟女の体つきが、かえって妖艶さを増している。

 決して上等な、モデルのような肉体美を誇っているわけではない小柄なゆい。だが、その普通っぽさが、かえってソープ嬢の魅力を高めているのだ。

 くねる動きによって、ふっくらとした下腹部の肉がなやましく震え、女性らしくひしゃげ、どこまでもやわらかそうだ。下半身デブ一歩手前の妖女の腰回りが、こんなにいやらしいものだったとは、まったく気づかなかった。

 ペニスはオンナ内部で変幻自在に揉みしだかれ続け、膣内部のどこまでもやわやわと絡みついてくる締まりの感触を刻みつけられてしまっていた。

 残り精力がほとんどない。イク寸前の、あの強烈なくすぐったさがお尻の奥から全身に拡がっていく。律動まで数秒しか持たない!

 それでもゆいの貝合わせ妖艶な腰のくねりは、容赦なく続けられた。

 ふらんそわーずの乳首攻撃も、体全体のくすぐったい心地よさを存分に高めてきて、それがすべてペニスの奥底までの快感に繋がっていく。そこへゆいのオンナが、これでもかとペニスをぐにぐにやわらかく優しく、ぐにゅうぐにゅうと揉んでくれていて、どこから膣の肉が圧迫を加えてくるか分からないほどの複雑な動きで、射精をどんどん促してくるのだ。

 追い詰められてしまったが、こんなところで敗北するわけには行かないんだ。

 なんとか射精を堪えきろうと踏ん張りきる。だが、その男のがんばりを、根底から打ち破って押し寄せる、女体の快感の波が、あざ笑うかのように、せき止めた根性をあっさり打ち崩してくる!

 1人までは倒せた。だがいかんせん、ゆいの甘い腰つきと肉付きの魅力には勝てなかった。

「あああっ!」

 悩ましい溜息を漏らす僕。するとゆいは、くねくねと揺らしていた腰を、さらにスピードを速め、仕上げに入ってくる。亀頭に絡みつくオンナ内部のいやらしい動きが、さらに先端を甘く心地よく刺激した。

 再びこみ上げる多幸感は、先ほどの比ではない。

 もっとずっと強い快感がこみ上げてきて、それをどうしても抑えつけることができなかった。

 びゅく! びゅるるるる!

「うぐあっ!」

 強すぎる快楽にほだされ、ペニスは僕の意志に反して、勝手に精液を吐き出し始めた!

 それでも、ゆいは腰の動きを止めてくれない! その分快感は持続し、いつまでもいつまでも、濃い体液をゆいの膣内に吸い取られていく。

 1分以上続いた射精がようやく収まると、もはや精巣内部は空っぽになり、何もかもを吸い尽くされた気分になった。

 強くとろけるような満足感。かつて愛した女性の、叶わぬ思いが、こんな形で叶ってしまい、すべてを投げ捨ててもいいと思えるくらいの、脱力しきった疲労感だった。

 現実は……やはり、すべてダメだ。

 こっちの世界は、そんな現実の真逆を行く。

 だからこそ、その魅力は計り知れず、悪魔の罠であるにもかかわらず、強く惹きつけられてしまうものなのだ。

 それに抗ってここまで来たのに、僕は完全に敗北してしまった。

「あふ……」

 やっと射精が終わったと思った直後、肉体改造が始まる。

 ゆいの姿は消え、背後に貼り付いているふらんそわーずは残った。

 体が縮んでいく。僕はどんどん若返り、中学生くらいの、多感で性欲盛んな年頃に戻されてしまっていた。

 場面が変わる。

 床が白い雲のようにふわふわしていて、どこまでも何もなく拡がっていく空間だった。そして、僕の周囲に群がるのは、ふらんそわーずと同じような、アメリカ、北欧、ロシア系の美女たちだった。

 全員、肉体改造を施されたサイボーグだった。

 ゆいが結合していた代わりに、まったく別の、背の高いロシアンレディが、松葉崩しの体勢のまま僕と結合していた。

 ぶ、ぶ、ぶ……

「うあ! な、何っ……これ……あひい!」

 14歳に戻された僕にとって、かつてない刺激だった。

 おとなの白い肉体に太刀打ちできるはずもなく、あっさりと射精が始まってしまう。

 四六時中途切れることなく続く、射精前のくすぐったい疼きが気持ちよく、何もしていなくて勝手に射精してしまう身体に改造されてしまっていた。

 そこへ、ゆいの代わりにすでに結合していた女性が、膣内をバイブレーションさせてきたのだった。

 しかも、時間がゆっくり流れているようで、僕の動きも彼女たちの動きもとてもスローなのに、感覚だけは元のままだ。

 そのため、バイブの振動も、通常のような小刻みではなく、ちょこちょこと振動していくだけなのだが、かえってそれが心地よかった。

 脈打つように膣全体でペニスを振動にさらす。その振動の衝撃は、ペニスの奥底や玉袋、お尻の奥の前立腺まで達する。一秒に2,3回振動するゆっくりなバイブであったが、波状に次々と前立腺まで押し寄せる振動が、快楽を休ませることなく惹起し、それがすぐさま射精に繋がっていくのだ。

 肉体改造後の射精時間は5分以上になる。先々になれば、もっと律動は速く、そして長時間持続していくことになるのだろう。

 だが、スローな世界では、はじめからその時間は数十分にまで引き延ばされるのである。

 白い肌の悪魔は、それでも膣のバイブを止めてくれない。ゆっくり動いてペニスを悩ましくしごきながら、振動は続けられる。一度の振動で奥底まで快感が波のように押し寄せるが、それが止まったと思った次の瞬間には次の振動が来て、快感の波が押し寄せる。その繰り返しだった。

 女性はクネクネと腰を揺らしつつ巧みにペニスをしごくことで、まだ肌色の小さな厨房ペニスを、これでもかと快感一色に染め上げた。しかも変幻自在なバイブ振動が、サイボうぐぅの本領発揮と相まって、ペニスは揉みしだきとしごきとバイブの三重苦に晒される。

 数日かけて、彼女は僕のペニスを一秒も休まず律動させ続けた。

 ゆっくりとした動きだが、周囲の女性たちは確実に僕のまわりに群がり、密着し、全身を手や舌や太ももでかわいがってくる。

 そうして、数分かけて次の女性と交代する。時間が遅いためにそう感じるだけで、実際には、オンナがペニスから離れた次の瞬間には、すかさず別の北欧美少女がペニスを飲み込んでいるのだった。

 肌が密着し、やわらかな肉が潰れる感触を押しつけられて、交代している数分の間でさえ、僕は包茎肌色ペニスから、ひっきりなしに精を吐き続けた。

 そうやってびゅくびゅくと脈打っている最中のペニスでもお構いなしに、高校生くらいの白人美少女が、座位でペニスを飲み込んでしまうのだ。すると、律動は速くなり、快感も倍増する。また数日かけて、僕はこの異人のお姉ちゃんに精を搾り取られ続けた。

 一年くらい経っても、周囲20メートルくらいにいるサイボーグに絞られるだけなのだろう。その周囲には、地平線に見えなくなるまで、何万人ものフランソワーズたんがひしめいているのである。

 快感は高まる一方だ。僕は完全に、この異世界の虜となってしまっていた。

 ただツイてないだけの現実。宿業因縁によって、いっさいが台無しになってしまう現実。宿業因縁があるからこそ、この世の成功も、恋愛も結婚も、神によって禁じられた。禁じられているにもかかわらず、かずかず異性を求めた。それは罪過である。その罪過によって、私は罰せられ、ほんの僅かに残っていた現実のよろこびさえも、すっかり失ってしまい、ついには心までが、もはや自分のものではなくなってしまっていた。あとは、ただひたすら、罰せられるだけの、ツイてない現実のみが、横たわる。死するまでの宿命である。来世に向けて、浄化しなければならないので、ただひたすら、煉獄の日常だけが待ち構えている、もう、何も期待できない……

 それに引き替え、それと真逆のこの世界は、なんとすばらしいことだろう。業もない。罰もない。ただ、思い通りの快楽だけが、それだけがすべてである。

 永遠の世界に囚われ、それゆえに輪廻宿業から切り離された。罪過の諸悪を、神罰によって果たす必要も、この世界にいるかぎり、もうないのだ。衆善奉行も、諸悪莫作も、もはや必要ではないのだ。

 魔族のエサ。ああ、まったくかまわないではないか。元の世界に戻るなんて、どうしてそんな意志を持ってしまっていたのだろう。どうして、たたかおうなどとしてしまったのだろう

 だらく したって いいんだ もう あんな せかい なんぞ かみ ほとけ なんぞ ただ うらみ しか のこらない

 そんな考えは因縁を深め業を積み重ねるばかりなのだろう。だが、六道世界のすべてから切り離されている。いまさら、どんな悪業を積もうと、どんなに心を汚そうと、「もしやもしやと走り求め、心を尽くす(憔悴せしめきってしまう)」ことにあくせくする必要もなく、ただただ、無心に快感に忠実であればよい。宿業因縁の借りを返す必要がないなら、そうだ、どこまでも堕落しきってやろう。

 狂うことはできないが、別の意味で自分を失った僕は、ただひたすら、このスローセックスの世界で、肉体の律動そのものになりはて、ただそれだけに、没頭していく……どのみち、何も、残りはしない。



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