ドール1−4
 

 ドールは魔法媒体だ。つまり魔力で動く。多分「ないと・めあ」の魔力がこの階に充満しててそれがドールに作用してるんだろう。ドール自体には意志があるのかどうかも分からない。いずれにしてもドールが魔力で動き、そして普通に責めても感じない事は確かだ。

 相手が魔力で繰るならこっちも魔法で対抗する必要がありそうだ。普通に責めても感じない相手で魔力で動くなら、魔力をぶつけて相手の原動力を削り取る。魔法媒体は魔法で倒す。

 この世界は精神力に応じて色んな事ができる。物体を出したり電流を体に流したり波紋法の呼吸をしたり瞬間移動もできるし時間も止められる。高度な効果であればある程、複雑な物体や高機能の道具であればある程、強い精神力が必要だけどね。だからレベルが低いと大したものは取り出せないし高度な術も使えない。

 そういう世界だからきっと魔法だって使える筈なんだ。…でも使い方が分からないとどうにもならない…どうしよう?

 …みようみまねでやるしかなさそうだ。

 ここは精神世界で魔法も可能だろうけど、多分ファイアーとかアイスストームとかメテオとかは通用しないだろう。ここは性的快感だけが物を言う世界だからね。物理攻撃は無効化されてしまうか、そもそもそういう魔法自体出せないだろう。

 かといって直接性感帯を刺激したり魅了や操りなんて高度な魔法は僕の今の精神力じゃ無理。こういう高等魔法は相手を支配できる位の精神力が必要なんだ。魔法使いに魔力で挑むようなものだから、魔力の塊みたいなドールには太刀打ちできないかも知れない。

 ヴヴヴヴヴ…ぐににに…。ドールのオンナが容赦なくペニスを刺激し続ける。モミモミとこねくり回され、ダメージで一瞬思考停止してしまう。

 今の僕にやれる事といったら…ある程度の物を無から生み出すとか。疲労回復(精力回復じゃない)とか。空は飛べないし快感攻撃の魔法も無理。やっぱり無理なのか…?

 根元以外のオンナの締め付けが緩やかになり、ペニスは根元でしっかり固定されながら亀頭の辺りの圧迫から解放される。しかしすぐに膣が洗濯機の脱水のようにブルブルと根元を軸に円を描き始める。すると亀頭が膣内で強く揺さぶられ単純な締め付け以上の快感に晒された。

 こっちが反撃できないままドールの方は絶えず僕を悦ばせ続けた。あまり考えている時間はなさそうだ。

 魔力で対抗するしかなさそうだけどこっちの精神力じゃあドールには太刀打ちできそうにもない。相手を感じさせる魔法も知らないし只念じただけじゃあ効果はない。絶体絶命なのか?

 いや、待てよ。ここは女魔王「ないと・めあ」の世界。魔の力、暗黒の側の力で支えられている。だからきっとドールもそういう影の魔力で動いてるに違いない。それならこっちの白魔法がもしかしたら通用するかも!ゾーマにベホマが効いたように、ドールに回復魔法が効けば…活路も開ける。だめだったら…打つ手なしだ。

 ペニス全体をやさしく圧迫しながらドールは巧みに亀頭周辺をうごめかしてカリや裏スジをさすって来た。まるでオンナの奥に舌先があるみたいな感触。そうかと思うとまた強烈なバイブとうねり攻撃に転じた。僕は下腹に精神を集中させて玉袋に溜め込まれるオスのエキスが外に出ないように踏ん張った。下半身の感触がジワリと疼く。そろそろ射精が近いサインだ。まずい…

 とにかく一か八かやってみよう。それ以外に脱出方法はない!

 「…ケアル!」僕はドールに回復魔法をかけた。その瞬間、ひっきりなしにペニスをむさぼっていたドールの動きが止まった。膣の締め付けがゆるくなる。快感も弱まり、僕はその隙に呼吸を整えてイキそうになっていた疼きを押しとどめた。

 ドールは無表情だからよく分からないけど、この悶えるような動きはドールに何らかのダメージが行っている事を表していた。

 暫くしてまたオンナが蠢き始めた。しかしさっきよりも心なしか攻撃力が弱まってる。ペニスを自由自在にこねくり回していた動きにも勢いがなくなってる。多分僕の回復魔法がドールの魔力を削り取り、総魔力が減少した事で攻撃力も弱くなったのだろう。

 僕の考えが正しければ、ドールは魔法媒体で、魔力によって動くだけじゃなくて、その魔力が尽きた時にこっちの反撃のチャンスがきっとある。しかもこっちにとっての「回復魔法」が相手にとっては魔力減退に結び付くみたいだ。だから暫くは魔法攻撃で弱体化させてから最後一気に責めるしかない。相手の魔力さえ削れれば、きっとドールも感じてくれるだろう。そう期待するしかない。ほとんど絶体絶命なんだ。

 僕の攻撃はたしかに効いている。只こっちの精力も魔力も残り少ないぞ。もう一回回復魔法を使うチャンスしかない。次の一回で目に見える変化がなければ、魔力が尽きるか、尽きなくてもその前に射精してしまう。ラストチャンスってヤツだ。

 ケアルをもう一度打つ?いや、それで相手に効かなければ三度目のケアルはない。つまりこっちの負けだ。ここで賭けは危険過ぎる。なら…アレしかない!

 「…リジェネ!」僕は渾身の力を込めて呪文を唱えた。ドールの動きが止まった。暫くしてまた動き出すも、さっきよりもっと弱くなっていて、ダメージも小さい。といってもイキそうな所に「軽い刺激」が加わると逆に高められる危険がある。僕は気を抜かないで残り精力の維持に全力を傾けた。

 動き出してはドールがまた止まる。電池が切れそうな時計のように、止まっては動くのを繰り返す。動きが再開する度に攻撃力が激減して行く。「ターン毎に徐々に回復」する魔法効果なら、ドール相手なら「毎ターンじわじわと魔力が削られる魔法」と同じ事だ。もちろん一定時間で効果が切れてしまう。自分がイク前に、かつ魔法の効果が切れる前に、決着をつけないと。

 ドールの動きが止まるのが先か、それとも僕の根負けが先なのか。リジェネ作戦は成功したといっても僕もいつ出してしまってもおかしくない状態だった。

 ドールのオンナ以外がガクガクと震える。その震える動きがペニスを刺激する事はなかったが、さっきまでピッタリ張り付いて動かなかったドールが動揺した動きを見せている。

 ドールの動きが完全に止まった。どうやらこっちの魔法が相手の魔力を削り、ゼロにする事で動力源を切ったんだ。注入された魔力が電池のようにドールを動かしていたから、もう彼女は動けない。どうやらこっちの作戦勝ちのようだ。

 ペニスの出し入れも自由になっている。オンナの締め付けもずっと緩やかになって、僕へのダメージがかなり小さくなっている。

 魔力を削られたドールは攻撃力が失われるだけじゃなくて耐久力も失われるし僕を拘束する力もなくなってしまう。

 少し腰を動かしただけでドールははっきりとこわばり、小刻みに震えている。ほとんど動く事ができなくなったドールは僕にされるがままになっているし、魔力がなければ最大精力値も大した事がなさそうだ。

 僕も限界だったが最後の力を振り絞って彼女の体を小刻みに上下させる。あっという間にドールは追い詰められ、ブルッと震えたかと思うと、完全に脱力し、だらんと崩れてしまった。そしてそのまま消えてしまった。僕は勝ったんだ。

 きっと一定時間堪えるだけでは勝てなかっただろう。積極的に相手の魔力を消耗させる事で相手が隠していた性感帯をむき出しにさせて、魔力ゼロにしてから一気に倒さないといけない。今の所ドールの魔力を削るのは白魔法系の様だ。ドールの対処法を身に着けた。

 作戦は大成功だった、…といっても絶対的な魔力不足と耐久力、最大精力値の問題は残ってる。

 今のままじゃドール一体倒すので精一杯だ。連続した戦闘はできないし、こっちの魔力はすぐに尽きてしまうし簡単に精力がピンチになってしまう。もっとレベルアップしないと、この階の攻略は難しいだろう。

 精力を回復させてから、さらなる修行の決意も新たに、僕はその場を後にした。

ドール1 クリア

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