ドッペルゲンガー２（ないと・めあ）

ドッペルゲンガー２－２
　

　たとえドッペル３人が、一人一人実力が僕と同じでも、精力の削り方次第では３人相手でも勝てるかもしれない。自分自身でも、やり方によっては調子よくコトが運ぶときとヘマをするときがあるじゃないか。うまくやりさえすれば、攻撃力と防御力のアンバランスをついて、こっちの精力を温存して、敵を追いつめることもできるかもしれない。ここはがんばりどころだ。

　まとめて倒すといっても、いきなりの百烈愛撫はだめだ。ＰＶもご法度。大技を使えば同じ大技３人分で返り討ちに決まってる。ここは地道に手と舌でかわいがろう。

　僕は３人に手を伸ばす。全員に満遍なく、胸やオンナを中心に全身にかけて愛撫攻撃だ。百烈愛撫の超ゆっくり版といったところだな。これなら大技だとは気づかれず、それでいてしっかりダメージを与えることができる…時間はかかるけどね。

　ドッペル３人もペニスに手を伸ばしてくる。彼女たちは僕が感じるところはすべて心得ているので、正確に｢僕が触って欲しいところ｣に手を伸ばす。わきの下、腕、首筋、お尻、内股がやわやわとさすられ、ペニスはカリと裏スジが丹念に愛撫される。３人がかりだから、感じるところが同時に数ヶ所も集中攻撃されるのだ。

　しかしこの攻撃は表裏一体。相手が僕に触っているのとまったく同じ部位を敵女体に触ればいい。僕が感じる場所は、結局敵が感じるところでもあるのだ。コピーであるかぎり敵の攻撃パターンはこちらにとって重要なヒントになるわけだ。ただ、お互いのテクニックは同等で、手の数は向こうが３倍…しかも女手のやわらかさが武器として加わっている。ダメージは当然こっちのほうが大きい。

　ここで相手の立場に立つ思考法だ。もし僕が３人のドッペルゲンガーのうちの１人だったら…僕と同じ攻撃力で感じるポイントを一斉に責めまくり、自分たちのほうが３倍…いや、連携プレイでそれ以上の力の差がある。ちょっとくらい手を抜いても気を抜いてもだいじょうぶだろう。ピンチなら全力以上を出すが、圧倒的に有利なら油断する。僕ならそうだ。残念ながら。

　案の定、敵の攻撃が甘くなっている。強いところもそっくりコピーしたドッペルは、同時に弱いところもコピーしちまってるんだ。一対一では無敵となる相手も、３人に増えたことで、かえって隙ができちまった。…皮肉なことだな。３人がかりだからだいじょうぶだろうと、心の底で油断してしまうコピーの姿を見ると、正直へこんでくる。他人のふり見てなんとやらってレベルじゃあないな。

　僕は徐々にオンナや乳房など、女体が感じる部位を触る機会を減らし、代わりにわき腹や外腕、太ももの付け根や背中、首筋への攻撃を徐々に増やしていった。これでじわじわ弱体化させるのだ。この攻撃はダメージは小さいものの徐々に体内を敏感にさせ、性欲を高めることができる。気がついたときには相当興奮してしまっているはず。そこへ一気にオンナへの攻撃をくり出せば、敵は反撃の機会もなく崩れ去るだろう。

　それに、直接的に快感ダメージを強めると敵に察知されてしまう。油断している相手でも僕は僕、妙な動きをしてもまずい。少しずつ愛撫の位置を変えるのだ。気付かれないように。これが、気を張っている僕と油断している”ボク”の力の差となる。

　自分を欺くのはかなり難しい。それでも、敵は自信たっぷり、調子に乗ってペニスを集中攻撃している。それなりにダメージはあるが、みずからの持つテクニックを最大限発揮していない。そこまでしなくても、もうすぐ簡単に射精するだろうと思い込んでいるのだ。そして３人がかりで楽しみながらゆっくりいたぶって遊んでいる。ワルノリするのは僕の悪い癖なんだな。今後気をつけよう。

　そろそろ頃合だ。相手もじわじわと体のうちから性欲が込み上げ、自分の体の変化にうすうす気づき始めている。よし、ここで一気に攻撃だ。「おりやあああっ！」手が突然オンナに突き刺さり、はげしくこねくり回す。相手に致命的なダメージが行く。それを３人にまとめてどんどん繰り出す。

　あとは気合だけだ。敵も異変に気付いて百烈愛撫の準備に入った。慌てると思考が鈍るというが…負け行く自分たちの姿を見るのはいやなもんだな。僕は体内の電気を一気に放出し、全員にプレジャーボルトをぶちまけた。

　「あひいいっ！」ドッペルゲンガーたちは立ったまま絶頂を迎えた。ほとんど何が起こったのか理解できなかっただろう。イッてしまってから状況を理解し、はげしく後悔するのだ。ああ、これが自分の姿なんだなあ。

　ドッペルゲンガーたちの体は床に沈んでいき、消えていった。あとは元の僕の姿を鏡に映すのみとなった。もくろみは当たった。同等レベル３人相手でも、敵の油断を誘えば勝てなくはないな。それでも一戦一戦、イクかイかされるかのせめぎあいになることも間違いない。そして、厄介な鏡張りの迷路を手探りで進む必要もある。がんばらねば。

（ドッペルゲンガー２　クリア）

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