エルフィン1−2
 

 一瞬、意識が飛んだみたいだ。視界が暗転し、その瞬間「いけない!」と思い直し、かぶりをふって自分を取り戻した。感覚が鈍り深い眠りへといざなうほどの、心地よい、危険な香りがあたりを包み込んでいる。ほんのわずか気を抜くだけでも命とりだ。

 何とか気を失うことは避けられたみたいだが、深い脱力に襲われ、寝る一歩手前のように体が重い。僕のこの隙をエルフィンが見逃すはずはなかった。

 気がついたら僕は仰向けにされていた。体が異常に重く金縛りのように鈍いのは、自分の周りに咲き乱れる花々の強烈な淫気香のせいだった。仰向けになることで、強い花の香りが一段と強まり、ますます意識が朦朧としてしまう。

 我を取り戻したのもつかの間、このままでは再びエルフィンの放つ魔性の香りにほだされ、自分を見失って深い眠りのなかで甘い夢を見ることになってしまう。

 何とか身を起こそうと力を入れるも、体の動きが鈍く、わずかにゆっくり手足を動かせる程度だ。深いところへ落ちるような心地よさが全身を包み続ける。このまま花の妖精に抜かれてしまうのだろうか…。

 いや、ここでエルフィンの誘惑に負けるわけにはいかないんだ。快楽と欲望のとりこになって、自分が自分でなくなり、永遠の悪夢に取り残されてはいけない。こんなピンチこそ頑張り時ではないか。

 僕は眠ってしまいそうな心地よい香りのなかで何とか気を取り直すと、渾身の力をこめて上半身を一気に起こした。深い眠りからいきなり起き上がったように、一気に全身はげしい疲労感に襲われる。義務感や意欲がなければ再び寝転び、すぐさま眠りの世界へと落ちてしまいそうな、とてつもない苦痛だった。頭がフラフラする。

 透明のドレスがオブラートのようにスルリと消え去る。大きくなったときにすでに絹のスケスケドレスで裸同然だったから、いまさらエルフィンの体に見とれるわけではなかった。それでも白く美しい女体が迫ってきて、間近で見せつけられると、あらためて心奪われそうになる。おそらく体中にまわっている催淫毒が女にたいする耐性を著しく下げているのだろう。並の男だったらそれだけで完全に心奪われ、夢中で彼女の体にむしゃぶりついていただろう。

 エルフィンは僕の上に優しくまたがった。その肌触りは思った以上に心地よく、清楚に吸いつく神秘の奥に妖精らしからぬ魔性の甘い罠がひそんでいた。毛のまったく生えていない肌が僕に密着している。オンナが玉袋の上に軽く乗せられ、彼女のふとももが僕の腰周りに吸いついて、今にもいきり立ったペニスを挟み込もうとしているみたいだった。

 しかし彼女は足を使わず、ふわりと体を持ち上げると、ペニスをオンナ表面でこすりつけ始めた。そのとたん、僕の方に電撃のような快感が走る。ゆっくりと、しかし着実に裏スジの敏感な部分を責めているんだ。

 包み込むように、オンナのワレメがペニスをホットドックし、腰を小さく前後させることで、ペニスのヒダをツルツルのオンナがかわいがっている。エルフィンの美しい顔が僕をやさしく覗き込み、許すような笑みを浮かべていた。

 「うっく…」僕はエルフィンと目を合わせながら身動きが取れず、しっとり快感にダメージを受けた。挿入していなくても、ピンポイントでくすぐったいところを責めれば、こんなにも気持ちいいんだ。しかも毛の生えていないオンナがすべすべ裏スジに絡みつき、僕の精力を確実に削りとっている。幼い表情のなかに妖しく漂う色気が、そして充満する花の淫気が、倒錯した愉悦を僕の体に刻みつけている。

 エルフィンは前へ後ろへ動くさいに、裏筋のところにはとくにのしかかるように少し体重をかけている。こうすることで表面のしっとり感をより強くペニスの感じやすいところに押し付けることができるし、振り子のように弧を描く滑らかな動きがエルフィンのリズムに拍車をかけることもできる。

 さらに…。彼女は僕を責めがなら待っているんだ。もし僕が逃げようとしたり、はたまた反撃しようとしたりして、わずかでも身動きを取ろうものなら、彼女の動きは自然とペニスをオンナに飲み込むようになっている…あっという間に妖精の膣の餌食となってしまうだろう。

 それどころか、あまりの快感に僕が反射的に身もだえするだけで、するりとペニスがオンナに収まってしまうんだ。エルフィンの一方的な責めは、ペニスを強く反り返らせる格好で続けられている。バランスを崩せばペニスは空へ向かってぴょこんと跳ねるだろう。その勢いのなかでオンナ表面が弧のように前後していれば、彼女が腰を引いたとたんの騎乗位の戦慄に晒されることになる。

 そう、こちらが身動きすればエルフィンのオンナが強烈なカウンターをくり出し、身動きしなくても裏スジへの執拗な攻撃と淫気香で精力を消費し、どっちに転んでも果ててしまう作戦なのだ。

 一体どうすれば状況を打開できるんだ。ヘタに動けば大ダメージを受けてしまうし、じっとしていても徐々に精力を削り取られちまう。否、だいいちこのままじっとしていることはできそうもない。僕は小さく呻き続け、震え始めている。強烈な快感ダメージを受けたとき、意志に関係なく身をよじらせてしまうのも時間の問題だ。

 多分エルフィンは、じっくりじわじわ裏スジをいたぶり、射精寸前まで追いつめて、反射的に動いてしまった隙に挿入してトドメをさすつもりなんだ。ここは動かずにいた方が危険だ。返り討ちの危険も大きいが、ここは賭けてみるしかなさそうだ。

 僕はエルフィンの体に触ろうと手を伸ばした。自然と腰がうごめく。エルフィンがいっそう微笑んだ。

 活きのいい魚のようにペニスが跳ね上がる。次の瞬間、オンナ入口が亀頭をつかまえた。エルフィンは動きを止め、ぐっと体重をかけてきた。思ったとおり、ペニスはあっさりと妖精のオンナに捕らえられてしまったのだ。

 「はうあっ!」全身に暖かい心地よさがかけめぐる。エルフィンは待ってましたとばかりに両ふとももで僕の腰を挟み込むようにしてペニスをがっしり捕え、両手を僕の胸に置いた。彼女は動くでもなく、じっくり自分の性器の感触をペニスに感じさせている。

 さすがにエルフの系統を引き継ぐ妖精のオンナは、これまでの相手とは一味も二味も違う。ぷるぷると弾力ある肉が強く纏わりつき、容赦なくぐいぐい締めつけてくる!そのシコシコした強い感触は、エルフ以上のこんにゃく締めといっていい。

 僕を挿入に導いた、彼女の乳房めがけて伸ばした手は、あまりの強烈な甘い快感に宙を舞い、再び地に落ちた。「さあ、私の体をじっくり愉しんでください。」

 ぐにに。動いてもいないエルフィンのオンナが妖しくうごめく。僕はにぎりこぶしをつくって射精しまいと必死にふんばった。

 「クスクス…。いいですよ、もっとガマンしてください。その方が長い時間気持ちよくなれますわ。」ペニスを吸い上げるようにオンナがうごめき、ますますがっしりとペニスにまとわりつき、ぐいぐい締め付ける。動かないのは自信の表れなのか。

 「まだイッちゃダメですよぉ。私のメニューを全部味わってからにしてくださいね。…どこまでガマンできますかねえ…ほらほら。」

 エルフィンの指先が僕の両乳首をくすぐる。磨き抜かれた手のひらが僕の胸からわき腹にかけて大きく滑りまわると、またピンポイントで敏感な乳頭をいじくるのだ。

 こちらとしてもやられっぱなしというわけにはいかない。なんとかして腰を突き上げるなりして反撃しなければ負けてしまう。しかし、もはや僕の細胞一つ一つにまで染みわたっている花の甘さが僕を脱力させ、エルフィンの甘美なオンナに翻弄されるにまかせる状態となっているのだ。

 「くっそ…あうっ!…き、気持ちいい…うぅ…」「ほらぁ、動いちゃダメですよぅ。そんなことしたら早くイッちゃうじゃないですか。じっとしていてくださいね。」やっとの思いで腰を突き上げ反撃しようとしたが、とてつもないコンニャク名器のなかでペニスをこすりあげたが為に、逆にこっちが大ダメージを受けてしまったのだ。

 エルフィンがその気なら、トントンと小刻みに上下し続けるだけで、程なく僕の精力をゼロにできるに違いない。おやゆびひめは妖しい戦闘を楽しんでやがるんだ。

 「じゃあ…コレには耐えられます?…んッ!」「あひっ!」突然エルフィンのオンナがぶるるんと震えた!彼女の腰周りだけが小刻みに震え、その振動がペニスを直撃したのだ。同時にシコシコ名器が波打つように蠕動し、ペニスをこれでもかと快楽に晒すのだった。

 人工的でない、したがって”ゆらぎ”を含んだバイブと波打つ締めつけは、僕の精力を大幅に奪い去った。

 彼女のオンナはエルフ以上だ。エルフは集団戦を得意とし、連係プレイにて本領を発揮するという。僕はまだその脅威を知らない。きっと今の実力ではエルフ集団には太刀打ちできないだろう。

 しかしエルフィンは、個体としてはエルフ以上の実力の持ち主だ。一人ずつならエルフと戦い、どうにか倒した僕が、今エルフィンのオンナに悶絶し、ピンチに立たされ、そればかりかその僕をおやゆびひめはまるで手玉に取っているんだ。

 それに、この花畑に入ってから、僕の防御力は地に落ちてしまっている。強力な淫気に毒されたことで、僕の性感神経は異様に敏感となり、性欲も強制的に高められ、女性の魅力に過剰な反応を示すようになっている。中学生が何週間もオナニーを禁じられて限界にきているところへきわどい娘のビキニ画像を見せられたのと同じように、僕の精神は女の体のどこかしこにもひどく敏感になっている。そこへ妖精さまの美しい裸体がペニスを弄んで楽しんでいるのである。

 エルフィンと肌を合わせてから、花の催淫毒の効果が格段に高まっていた。僕の性感が高まっているのは、花の香りのせいだけじゃなかった。いや、この甘美な花の誘惑は、エルフィン自身の体液・体臭によるものだった。淫気香の正体は、魔性の妖精から出たものだったのだ。その証拠に、彼女と結合し、ペニスが愛の体液に浸かってから、僕は一気に、体の髄まで花の毒に染めあげられてしまったのだ。

 このままでは絶対にまずい。本当にジワジワ追いつめられて果ててしまう。何かいい手立てはないものか。ここで反撃して腰を突き上げようものなら、ぷるシコ蒟蒻の妖精オンナがペニスを激しくしごきたてることになる…そしたらもう勝ち目はない。

 「ふふふ。かーわいい。いっぱいガマンしましたね。がんばる男の人を見ると、私、全力で安らぎを与えたくなるんです。志ある人を快感でなぐさめるのは花の精の本能ですわ。」「うく…っ」

 「じゃあ、そろそろ何もかも忘れさせてあげます。もうガマンしないで、私の体で癒されてください。」「お…おまえのしていることは…癒しなんかじゃない。志ある者を悦楽のわなにおとしいれる、魔の妨げにすぎない!」「…あら。いまごろ気づいたんですかぁ?」「てめえ…」

 花の精エルフィン、恐るべき妖精!表向きは人に安らぎを与え、人の益となる友好的な癒しの行為を信条とするが、その内実は、そのあまりに強烈な快感で、とくに志ある若者を快楽の罠におとしいれ、堕落させる魔性の妖精だったのだ。

 「さあ、小刻みに上下してイッていただくか、大きく腰をくねらせてイッていただくか、どちらか選ばせてあげますよー。小さくしごきたてるのは思った以上に気持ちいいんです、私の顔を見ながらコショコショ、ピンポイントでしごかれて出します?…それとも、私のアソコに締めつけられたまま大きく揉みしだかれて、包まれる甘美さを味わいながら出すのがお好きですかぁ?」「くっ…」

 だめだ、ここで動かれたら一巻の終わり、射精は決定的となる。何とか動かずに堪えてきて、やっとここまで持ちこたえたんだ。小刻みに上下されても、大きく腰をぐりぐりグラインドされても、あっという間に果ててしまう。

 「選ばないの?じゃあ両方やってあげますよ。代わりばんこに五秒ずつね。さて、どっちの時にイキますかねー?」

 うう…こうなったら、相手が動く前に、せめて手による愛撫で一矢報いたい。せめて反撃しなければ。

 僕はなんとかして手を伸ばし、巧みに滑らせながらエルフィンの全身を能うかぎり愛撫した。手の届くところはすべて、腕も乳房も、おなかも、腰周りも、ふとももも、すばやく手を滑らせてかわいがった。

 「えっ…あっ…ひゃあっ!やん、やんぅ〜っ!」エルフィンは思った以上に感じてくれた。身をよじらせ、震えながら悦んでいる。女体全体をかけめぐる思わぬ快感をどうしたらよいか分からずに、おやゆびひめは自然と快感を求めて体を前に倒してしまう。そこへすかさず、いっそう強力なバイブつき愛撫をお見舞いしてやる。ある程度のレベルを誇る僕の手は任意でバイブさせることができるのだ。

 エルフィンにたいしては、腰を突き上げてペニスで責めるよりも、全身愛撫のほうが断然ダメージが大きいみたいだ。

 たぶん、これまで長い年月、花の精エルフィンたちは騎乗位で結合し幾多の男たちを昇天させ、オンナを突き上げられるのには慣れているのだろう。花の香りで若者を引き寄せ、弱体化させ、弄びながらその名器の毒牙にかけてきたんだ。

 しかし逆に極上のオンナを誇るからこそ、ほかの部位を責められるのには慣れていないんだ。そんな反撃をする前に、男たちはいたぶり騎乗位に果ててきたのだから。せいぜい、腰をふって快感を与えようとしたか、または自分のペニスをオンナでみずからしごいて射精を求めたくらいだろう。何万年もそうやってきたから、オンナの守りはおそらく鉄壁、ほとんどダメージを与えられなかったんだ。

 しかし僕はあえて腰をけっして動かさず、下半身は守りに徹した。そして手を駆使して責めまくったのだ。思わぬ逆転に彼女も戸惑い、つい欲望のおもむくままに体を差し出してしまったというわけだ。つまりエルフィンは全身愛撫攻撃に弱い。

 いくら精力の高いエルフィンでも、愛撫しなれた百戦錬磨の僕の手には大ダメージを受ける。敵の攻撃力はたしかに僕を果てさせるに十分な実力であったが、弱点が分かれば勝ち目もある。もはやこれに賭けるしかない。

 とはいうものの、花の淫気香とその素であるエルフィンの体液に全身を侵され、その上ペニスは波打つぷるぷるオンナに晒され続けてきた身だ。腰から下を守りに徹していたとはいえ、もうこちらも限界だった。

 トントン小刻みに上下運動とうねるグラインドの順番攻撃は、直前でなんとか阻止することができた。しかし、こちらがエルフィンを責めまくり、彼女が身もだえする度に、ペニスはうごめく女の下半身に合わせて揉みしだかれ、やわらかい圧迫に拍車をかける結果となっていた。こちらの精力はもうほとんど残ってない。

 こうなったら勝負に出るしかない。僕は身を起こし、エルフィンの体を強く抱き締めると、座位の体勢に持ち込んだ。そして僕の上半身全体を駆使してエルフィンの上半身をかわいがった。僕の胸で女性のやわらかいふくらみがつぶれる。

 これはある意味捨て身の攻撃だった。抱き締めてぐいぐい男の体をこすりつけることでエルフィンの残り精力を一気に奪おうとすることは、僕にとってみれば女体の密着を意味する。当然、こちらの残り精力も一気に奪われることになる。

 「きゅうん!」「んああっ!」二人はほぼ同時に達した。エルフィンが身を震わせて僕にしがみついたとたん、限界を超えた精液が彼女に流し込まれる。花の香りのおかげで、また我慢を重ねてきたせいで、二回分の体液がものすごい脈打ちのスピードとともに放出されたのだった。

 快楽に我を忘れ、出し切るまで頭の中が真っ白になって、僕はエルフィンを抱き締めたままじっと愉悦の十数秒を味わっていた。

 そして、快感がおさまり冷静さを取り戻すにつれ、戦闘の汗とは明らかに違う冷や汗が一気にあふれた。も、もしかして…負けてしまったのか…!?

 エルフィンは満足した顔で僕を見つめた。「はあはあはあ…。久しぶりで…す…この感覚。ずっと男の人を悦ばせる一方だったから…。」おやゆびひめはにっこり微笑んだ。

 僅差でエルフィンの方が早く果てていたのだった。「さあ…早くこの花畑をあとにするのです。私が消えてもこの花の魔力はしばらく消えません。モタモタしてると私の残り香に当てられてしまいます。…先を急ぐのです。」

 エルフィンの体があのドレスのように透け、やがて消えて行った。

 出したばかりだというのに、ペニスはすでに元気を取り戻しつつあった。花の香り、そして今の戦いで染み込んだ淫毒のせいで、尽きることのない性欲の虜になりつつあったのだ。

 体内に入った方は、本体がいなくなった以上は程なく消えるだろう。しかし花にかけられた淫呪によって放出される甘い香りはしばらく消えそうにない。この匂いに別の敵が引き寄せられないとも限らないし、クラクラするこの淫気香の中をいつまでもい続けるのは危険だ。

 僕は早く花畑を脱出すべく先を急ぐのだった。

エルフィン1 クリア

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