ピクシー1−3
体の大きさが違う。こんな妖精が出て来るのも、ここが魔の世界だからだ。現実世界ではなく精神世界だからだ。僕もいくつかの魔法が使えるが、多分現実世界では使えない物だろう。
精神世界、精神力…。魔法…。ピクシーを責められる道具…!
考え付くのはあれしかない。
もし僕の思惑通りなら、用意できる筈。
僕は右手のひらを上にして、一心に念じた。綿棒出ろ綿棒出ろ!
ポフッ。手のひらに綿棒があらわれた。僕の思惑通りであった。
ここは魔法世界。精神世界。ある程度なら念じた通りのでき事を起こせる。世界そのものは『ないと・めあ』の作ったものだけど、僕はそれを夢として見ている。夢である事が分かっているのなら、逆に『ないと・めあ』に抵触しない限りかなりの程度自分の思い通りに操作できる筈。
コーヒーを飲みたいと思ったら目の前にコーヒーを自由に出せる。思った通りの状態を作り出せる。敵だけは『ないと・めあ』の管轄だから操作できないけど、綿棒を出そうと思ったら自由に出せるんだ。
後は精神力の問題。具体的に、強く念じる事のできる力。あるいは「できて当然と思う事のできる精神力」だ。HBの鉛筆をベキッとへし折るようにッ!できて当然と思う事が大切なのですじゃウシャーッ!
僕は綿棒をピクシーのオンナにあてがい、ゆっくりと挿入させて行った。
「ああっ!何?何これえっ!」ピクシーは今までにない快感を味わい、痙攣し始めている。先が太くてしかもふわふわしている物質が中をかき回している。
僕は、中を過度に傷つけないようにやさしく、上下左右にかき回したり、前後に出し入れしたり、くるくると回してあげた。ピクシーの全身から、これまでにない程の量の愛液が溢れる。相当感じている証拠だ。
ピクシーは僕のペニスを責める事さえ忘れて、身を捩じらせて悦んでいる。よし、とどめだ。秘技、指先バイブッ!
僕は手を震わせて、指先を震わせた。その振動が綿棒からピクシーに伝わる!
「あひいいい!いやああ!」ピクシーは全身を震わせて、絶頂を迎えた。綿棒はふにゃっと折れ曲がってしまったが、十分役に立った。
「あふ…私の負けね。いいわ、負けたんだから怒る権利もない。踏んづけた事も水に流すよ。」「そりゃどうも。」「でももうアナタはこの『妖精の国』からは逃れられない…このフロアにたむろす大勢の妖精達がとめどなく射精させるんだから…」「なっ…『妖精の国』だと?」「そうよ。私達ピクシーの他にもエッチな妖精さん達が暮らしてるの。ここに迷い込んだ男は一生を高度な精霊達に射精する事に費やす事になるわ。それも人間の女では味わえない快楽でね。」「…!」
「そうそう、この先には川があるわ。無理に川を渡ろうとはしない事ね。」「ちょっ待て…一体このステージは…!?」ピクシーは消えてしまった。
妖精の国、だと!?ピクシー以外にも敵が出没するんだろうか。やっぱりだだっ広いステージだけに何かあるとは思っていたが…妖精がたむろしているとは。
建物までまっすぐ進めば済むと甘い考えでいたが、やっぱり一筋縄では行かなそうだな。敵は案外強力だぞ。心して掛からないと甘美な妖精さんの魅力に負けて魂を抜かれかねない。
僕は立ち上がって建物に向かって歩き出した、が、ピクシーの最後の言葉が引っかかった。この先に川があるみたいだ。たしかにせせらぎが聞こえて来る。
歩いて行くとたしかに川が流れていた。幅は3メートル程度の小川だから、遠くから見えなかった。数歩歩けば歩いて渡れそうだ。手を突っ込んで確認してみる。手が届かない。思ったよりも深そうだな。1メートルはある。入れば腰が浸かる程度か。流れも結構急だ。押し流される程ではないがサラサラと連続して流れている。
にゅるり…手に異様な感覚が纏わり付いた。とっさに手を引き上げる。ねっとりと手から液体が滴っていた。「うっく…」体が小さく疼いた。手から全身に向けて性感が痺れるように広がる。この川は…催淫ローションでできていた。
まずいな…この流れに飛び込んで腰まで浸かりながら歩くのは危険だ。ペニスをわざわざ精力を消費する魔の催淫ローションに晒して歩けば確実に弱体化する。ねっとりしたローションの流れが股間を刺激すればヘタをすると川の真ん中で射精してしまうかも知れない。川の中でエンカウントなんて事になったら最悪だ。
腕が疼く。性感帯が少ない箇所でさえこんな調子で、しかも性感効果が結構長い時間続くみたいだ。これじゃあ渡るのはやめて置いた方がいい。直線距離ならすぐに建物に辿り着けるが、この小川は危険過ぎる。多少遠回りしても橋が掛かっている場所を探し、着実にレベルも上げながら進むしかなさそうだ。小川といってもこの川幅では飛び越えられないしね。
僕は川を渡るのをあきらめて方向転換した。川沿いを歩いて橋を探せば見つけやすいが、ここで敵と戦えば敵は必ずこの催淫ローションを使って攻撃して来るだろう。川の近くは危ない。僕は川から離れ、森の方向に向けて歩き出した。
(ピクシー1 クリア)