エルフ1−1


 広い草原を歩く。迷路になってはいないけれども、だだっ広い世界に一人投げ出されているだけに逆に自分の位置を見失いがちになる。地図もなしに広野を歩くのは危険だ。どうも場所が掴めない。

 たしかに森や川、木が目印になるけど、それでも正確ではなく、度々元の位置に戻っていたり、戻っているように思えて別の場所だったりする。完全に当てになる目安もなく、僕は迫り来る敵と時々戦いながらこのフロアを彷徨っていた。

 このフロアは屋外を模している。以前のように室内ではない。室内は室内なりの閉塞感みたいのもあったし、エンカウント率ももっと高かった。が、歩く度に道が変わる事はなく少し歩き回れば大体覚える。通路型の迷路なら慣れるのも早い。その気になれば目印も付けられる。しかし、ここは自然溢れる草原だ。歩き回っても慣れる事がないし広過ぎるから却って肉体的にも精神的にも疲れてしまうんだ。

 そして出現するのは「妖精」さんなのだという。草原はエンカウント率が低いのでその点は助かっているが、自然豊かな緑のステージだけに登場する敵も開放的で清らかだ。これまで出会った敵はピクシーという10センチ位の小さな妖精。小さい体ながら…気性はかなり激しい。言葉遣いも乱暴だしやる事もかなり強引だ。

 なんか妖精って、もっとこう…清らかで純真で、幻想的な美しさみたいなイメージがあったんだけどね。現実は、ねぇ。いやまぁ、妖精にもイロイロ種族があって性格も千差万別なんだろうけど。最初に出会った妖精でかなりイメージダウンになった。顔にトビゲリはするは暴言は吐きまくるはちょっとでも気に入らない事があると僕のお尻めがけて突撃して来るはで散々な目に遭っている。

 ピクシーの常套手段はペニスに抱きついて全身をこすりつける事。その肌触りは流石に妖精だけあって極上、そそり立った棒に抱きつかれるとぐんぐん精力を吸い上げられてしまう感じだ。裏スジ等敏感な場所に的確に小さな乳房を押し付け擦り付けるテクニックはたしかに凄い。小さな舌先が尿道口に捻じ込まれると体液が掻き出されてしまいそうになる。ソッチの実力は決して侮れない。

 それでも何度かピクシーと戦っている内にいくつか攻略法も見つけたしレベルも上がった。本番挿入は体の大きさが違うから無理だが、綿棒等道具を使って挿入する事ができる。案外防御力が弱い。後、実は彼女達は足の裏が弱かったりする。彼女の両足を僕の口に含み、大きく激しく彼女の足先を舐り続ける。ピクシーはくすぐったさに悶絶して笑い転げながらもしっかり感じてくれる。乱暴な奴だから口の中あちこち蹴りまくるけどな。でも結局体をピンと延ばして絶頂してしまうんだ。

 このフロアは相当広いからエンカウントも少ないのだろう。また暫くぐるぐる彷徨ってはいるが結局まだ大して先に進んでもいないのだろう。出会うのはピクシーばかり。どうやらこのフロアは何種類かの妖精さんがいるらしいから、ピクシー以外の魅力的な妖精さんが出て来るかも知れない。そこは用心しないとね。

 森に差し掛かった。奥から川のせせらぎが聞こえる。もしかしたら川の向こうに渡れるかも知れないし、例え橋が掛かっていなくてもこの森の木を使って架け橋を作れるかも知れない。森に入るのは初めてだな。それはそれで進展と言えるだろう。川をどんどん渡ると「先に進んだ」目印になる。森という新しい場所で多少の恐怖があるけどここは飛び込むしかあるまい。僕は川の音を頼りに森に入って行った。

 森の中なのに暗さを失わず、心なしか周囲が白く光っている。足場も悪くない。岩もなく平らで、柔らかい土壌は清潔だ。流石にエッチな戦闘の為の舞台作りには気を使っているのだろう。ランダムに木が生えていて迷いやすいかとも思ったが、さっきの草原よりは気持ちが楽だ。よく見れば道のような道でないようなものが続いているし樹木の並びも心なしか整然としている。せせらぎの音と木の並びを目印にすればこの森で迷う事はなさそうだ。僕は敵襲に気をつけながらズンズン突き進んだ。

 ザクッ!「うああ!」突然僕の胸に矢が刺さった。一瞬何が起こったか分からなかったが、自分の胸から伸びる硬い棒を見て撃たれた事を理解した。鏃は完全に肉体に埋没し、心臓に達している。こ…このまま死ぬ!目の前、自分の胸から伸びる長い矢を見ながら、もうだめだと思った。それ以上は何も分からないし考えられない。ショックの為か痛みさえ感じない。撃たれたので自分は死ぬという事だけは分かったが誰が何の目的でとかには考えが回らない。それ所じゃない。死にたくないぃ…

 「…!?」次の瞬間、矢が白く光り、鏃も棒も跡形もなく消えてしまった。血も出なければ痛みもない。もちろん死ぬような事もない。そうだ、ここは精神世界で物理的な暴力は通用しない筈なのだ。爆風に飛ばされても死なないし仮に怪我をしてもすぐに元に戻る。そういう世界なんだ。だから矢が刺さろうが鉄砲で撃たれようが平気だ。でもそれだからってイキナリ矢が心臓を貫いたらパニックになるだろ。

 何かのトラップだったのだろうか。「それにしても危ないなあ。精神世界じゃなかったら死んでるぞ。」僕は足元を確認したが、ボタンも紐も見当たらない。一応上空も確認。やっぱりスイッチを発動させた形跡はないな。トラップでないとすれば…

 さくっ♪「あがっ!」今度は額に矢が放たれた。長さから言って間違いなく鏃が頭蓋骨を貫通して脳に達している。矢はすぐに消えてしまった。僕は動いていないのに矢が放たれたという事は、これはトラップではなく、間違いなく何者かが故意に放ったものだ。「こらあ!出て来い!誰だ!」イタズラにしては悪質過ぎる。それにこんな大きな矢をピクシーが放てるとは思えない。新手の敵か!?

 「う…」体の奥からくすぐったさがじわりと込み上げる。ペニスが激しく疼き、亀頭からカウパーが滲み始める。しまった、この矢…催淫剤入りだったのかっ!「安心して。この矢で撃たれても痛みも怪我もないし、まして死んだりもしない。…ここでも現実世界でもそうだ。そういう矢なのだ。」木の陰から美少女が姿を現した。

 この矢はこの女が放ったのか…。まずい、僕は催淫剤を二発分体に撃ち込まれた事になる。強烈な性欲が体中を駆け巡り、また性感神経が過敏になっていてかなり感じやすくなってしまっている。こんな状態で女体に触れてしまったらと思うと…戦慄が走る。最悪の形のエンカウントだ。

 「…その代わり、特殊な草から抽出した催淫毒が体中に回る。男の全身の性感神経を刺激しながらな。」「はうう…」僕は疼く股間に身悶えしながら膝をついた。「この矢は挨拶代わりだ。そのまま君を弱体化させたまま戦う事はしない。…今回はな。」

 段々体の疼きと快感が収まって来た。「この毒の持続時間は短い。だから集団戦でなければ功を奏さない。…が、矢の力を使わずとも君に勝てる自信はある。」さっきまでの熱病がウソみたいに体は元の状態を取り戻していた。もう疼きもなければ能力の低下もなくなっている。彼女の言う通りこの催淫剤の効果は数秒から十数秒程度のようだ。後は血液に溶け込んで無害化される。

 「君は…」僕は立ち上がりながら美少女の方を見やった。「おっと、自己紹介が遅れたな。私はエルフ。妖精の代表格を自負する存在だ。」「エルフ…」ミニスカートから伸びるすらりとした長く細い足がとても美しく、全体的にスレンダーで小さな体つきの娘は、緑色の半袖でラフな格好をしていた。首までの短さのサラサラした栗色の髪、透き通るような白い肌、彫刻のような理想的な美しさを備えた顔立ち、切れ長の大きな目と尖った長い耳が特徴だ。

 背は僕より随分低い。かなりの子供にも見えるしそれにしては態度や物腰は凛として堂々たる品格がある。「そう言えば妖精って人間と年の取り方とか違うの?君そんな小学生並の華奢な体なのにどこか大人っぽいし。」「まずその無礼な口調を改めなさい。私は一万二千歳を超えているのだ。しかも私はエルフの中でもまだ若い方だ。」「い…いちまんにせん〜!?」「エルフの寿命はとても長い。ま、時間についての考え方や感覚は人間とは多少違うが。」「す、すごいですね…。」外見はどう見てもかなり年下なのに年の取り方が遅く、自分の何百倍も生きてるとは。

 「つまり。」エルフは真顔のまま僕に向き合った。長年生きて来た貫禄が威圧的なオーラを醸し出している。「私は君なんかよりもキャリアも経験もずっと豊かだという事だ。」「うう…」小柄なエルフが巨大に思える。こいつは…ピクシーなんかとは比べ物にならないスゴさがある。やはり妖精は人間よりも高次な存在…ヒトがサルと交尾する以上の格差がある。正直勝てるか分からない相手だ。

 「一体何故…この世界に…?」「おっと、話の続きは君が昇天した後にでも聞いてやる。もっともそうなっては話所ではなくなるだろうがな。」エルフは服を脱いだ。「あうっ…それは…!」彼女のオンナはツルツルだった。「…わざわざ剃ってるの?」「違う。エルフは頭部以外の場所に毛が生える事はない。」経験に裏打ちされた大人の自信と、それに相反するような、どちらかと言うと幼い顔と体のギャップ。たしかにその表情は西洋風の美しさと自信でキリッとしているが、肉体そのものにはあどけなさを残している。女性の両方の魅力、大人っぽさと幼さの両方を備えている。が、恐らく敵の未知の魅力は外見だけに留まらないだろう。

 ほとんど未知の強敵が相手だ。様子見などというぬるい作戦程度では勝てないだろう。この未知の森で逃走は却って危険だし相手はもう完全にその気になっている。戦うしかないが…ここは初めから全力で行かないと簡単にやられてしまうだろう。まるでゴールまでの距離が分からないマラソンで全力疾走しなければならない気分だ。だが…脱出するにはこういう状況でも勇敢に立ち向かわねばならないのだ。のっけから体位攻撃で決戦だ!

−選択肢−
エルフ1−2 正常位で戦う
エルフ1−3 バックで戦う
エルフ1−4 座位で戦う
エルフ1−5 立位で戦う


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