マーメイド1−1
 

 階段を昇った。以前と変わりない迷宮の風景が広がる。だが…敵はもっと強くなっている筈だ。一体どんな相手が出て来るのか。

 歩いている内に、ずりずりと不気味な音が後ろから聞こえて来た。振り返ってみると敵がいた。上半身は普通の女性、でも下半身は魚だった。これは…「マーメイド」だ。

 「…つらくない?」「陸上って、動きづらいわ〜」マーメイドが答える。下半身が魚だと歩き回るのが大変そうだ。両手で自分の魚を引きずって歩いている訳だ。ずりずりという不気味な音は、マーメイドが這う音だった。

 「で、今回の敵が君という訳か。」「そゆ事。」「でも下半身が魚なのに、どうやってエッチするの?」「大丈夫、ほら見て見て〜!」

 マーメイドは、下半身を上半身の前に突き出した。人間のオンナに当たる所にもばっちりウロコがついている。やっぱり魚だ。

 「…魚じゃん。」「サカナってゆーな!」「じゃあなんて呼ぶんだよ。」「ちゃんと見てよ!ほらぁ…」

 よく見るとウロコとウロコの間が縦にピンク色になっている。それがエラ呼吸のようにパクパク動いている。つまりここがマーメイドのオンナの部分という訳か。

 「なるほど、付いてましたね、ちゃんと。」「そういう訳だから、勝負しなさい!」

 ずりっ、ずりっ、と、マーメイドがにじり寄って来る。自分の体を重たそうに引きずりながら。そう、重たそうに、だ。むふふ…

−選択肢−
マーメイド1−2 これなら逃げられる!全速力でダッシュすれば追いつけまい!
マーメイド1−3 いや、正々堂々とここで闘います!


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