マミー1−1


 階段を上った。また雰囲気が変わった。おどろおどろしい青い壁、それでもまっすぐ並んでいた壁がなくなっていて、ゴツゴツした岩が壁になってた。

 床には柔らかい絨毯が敷いてあったけど、周りには岩が散乱している。まるで洞窟の中だ。

 蝋燭の明かりが薄暗い。でも、壁を映し出すだけの明かりがあった。

 壁には何か書いてある。古代の壁画みたいな物とその周りにびっしりと描かれた象形文字だ。古代エジプトの文字のようだが、雰囲気とかは全然違った。もちろん何が書かれているのかはまったく検討つかない。

 とにかく先に進んでみよう。

 象形文字は全然分からなかったが、そこに描かれている絵について書いてあるだろう事は想像がつく。よく見ると、絵は普通の壁画とは違っていた。動物とか政治とかが書いてあるのではなく、裸の男女しか登場していないみたいだった。

 立ち止まって壁画だけ見ていると何が何だかよく分からなかったが、歩きながら見ていると、なんとなく分かって来た。下り階段辺りの壁画は、男女が立っているだけの意味不明な絵だったが、通路を進む毎に絵は連続したストーリーを成している事が分かった。

 屈強な裸の男達が立ち並んだり走ったりしていて、また高貴そうな女性の前にひざまづいたりしている。多分かれらは兵士だろう。

 歩みを進めるとどんどん場面が変わって行く。屈強な男達の中にひときわ背の低い美少年らしき裸の男が描かれ始める。岩陰にうずくまる少年や、それを取り囲む裸の男達。この壁画に書かれている男女はほとんど全裸なのか。

 少年は高貴そうな女性の前にいる。その後ろを兵士達が並ぶ。少年には…縄のようなものがつけられているように見える。

 これを境に、筋肉質の男達の姿はなくなった。「これは…」青系統が多かった壁画が、オレンジやピンクの基調に変わっていた。そして、男達の代わりに描かれたのは、裸の女性達だった。

 さっきの少年以外に男性は描かれなくなり、少年の周りを背の高い女性達が取り囲んでいる。この少年は王子か何か、位の高い者だろう。侍女達を侍らせて、入浴したり食事の風景が描かれている。

 「!」横になっている少年の周りを女性達が取り囲んでいたり、明らかに抱き合っているような絵が多くなって来た。壁画はどんどんヒワイになって行く。この少年は、ハーレムの主なのか。

 包茎のペニスが大きく描かれているが、足の大きさや周りに群がる女性の手の大きさから、ペニス自体の大きさはそれ程でもない。反り返っているから勃起しているのだろうけど、「慣れた」感じのものではない。

 壁画は、一人の少年に群がる美女達や、ペニスと手コキの画像ばかりになった。先端から根元まで、しなやかな指先や手のひらが纏わり付いている。同じような壁画が二つあっても、よく見ると指の位置が違っていたりして、かなり繊細で微妙な動きまで表現されている。

 「変だな…」さっきから、「本番挿入」の画像がないのだ。群がって体をこすり合ったり、大浴場であわ踊りをされたり、それもそう多くなくて、ほとんどが手コキ画像なのだ。この高貴な王子がたとえば世継ぎを作る為に女達を従えているなら、子作りの絵もあっていいものだが、それがまったくない。時々金のカップに液体が注がれる画像は出て来るが、それ以外はすべて猥褻な光景が描かれている。

 確か壁画というのはかなり重要な意味を持って描かれる物の筈。こんなヒワイなものを面白半分に書く事はなく、そこには何か宗教的な、あるいは政治的な儀式、重要な儀式等が象徴される。一体、この壁画は何を意味しているんだろう。

 おっと、そうだった、ここは仮想世界、壁画も現実のものじゃない。何かストーリーがあるんだろうけど、重要な意味もなさそうだ。多分誘惑の一種でしかないんだろう。深く考えるのはよそう。

 「ぐわっ!」突然何かに躓いて倒れた。壁画ばかり見て歩いていたから、下に気を配らなかった。まさか道の真ん中に障害物があるなんて予想も付かなかった。

 立ち上がりながら、何に躓いたか振り返って確認する。見ると石でできた細長い箱だった。

 近付いてみると、人が一人入れる位の大きさだ。「これは…棺だ。」蓋は何かの革のような物で作られていて、乾燥しているがプラスチックみたいに丈夫で、軽かった。さっき躓いたお陰で蓋がちょっとずれている。中から包帯の一部が見える。

 「やべぇ…なんかグロテスクな予感が…」ミイラでも入っていたら最悪だ。あわてて蓋を戻した。「…。」中には何が入っているんだろう。こんな大層な棺に納められてるんだから、きっと高貴な人の物だろう。宝石か何かも入っているかも知れない。

 段々怖いもの見たさで中を覗きたくなって来た。変な物が入っていたらすぐ蓋を閉めて逃げよう。もしかしたら黄金の仮面か何かが入っていたりして…

 僕は恐る恐る、ゆっくりと棺の蓋をずらして行った。なんか怖いから一気に開けたり音を立てたりできなかった。そして…棺は開かれた。

 視界が突然暗転する…いや、目の前の棺が消えた…!?

 ち、違う!目の前に広がっているのは、洞窟の天井だ!両側に例の壁画が見える。そして自分の周りは狭い石の壁で覆われている…!この壁は…棺の壁だァァァ!!

 「…え!?………」…ぼ、僕?そんな…!ひ、棺の…「な、中にいたのは…僕だったァーー今フタを開けていたのにィ〜〜〜」

 僕が棺の中に”入った”瞬間を見た者はいない!いや、入れられた瞬間を見た者はいない!見えなかった。棺を”しっかり見ていたが”気がついた時は既に中に入っていた!これは超高速だとか錯覚だとかでは…決してない!

 何かやばいぞッ!僕はあわてて棺を飛び出し、警戒しながら周りを見渡した。周りには誰もいない…

 「わが眠りを覚ましたのはお前か?」「!」突然下から声がする!

 いつの間にか棺に全身包帯だらけの人の姿があった。声と胸のふくらみから女性なのは分かった。「いつの間にそこに!」さっきまで僕が入っていた棺だ。飛び出してからじっと周りを凝視していたんだ。誰かが棺に入る瞬間を見ていなかった!

 全身包帯という事は…「ミ、ミイラ女!」「無礼者が!」ミイラ女は立ち上がり、僕に近づいて来た!「ひいい!」古代の死体が蘇ったんだ、中はガイコツに違いない!そう思うと恐怖で縮み上がった。

 「…感謝するぞよ。」「…え?」「お前のお陰で蘇ったぞッ!」そうだ、確か古代は死体を保存して置くと復活できるって信仰があったんだっけ。「…でもアンタミイラ化してるじゃん。」「重ねて無礼な男じゃ。これを見るがよい!」

 復活したマミーは自分の包帯をするすると取り始めた。包帯の下は…真っ白な美しい肌が肉付きよく顕わになっている。胸の部分と腰の部分以外のすべての包帯が取り除かれ、端正な顔立ちの美女が目の前に立ちはだかる。これが僕の敵になるのか…ミイラとかじゃなくてよかった。

 それにしても謎だらけだ。壁画の意味は?古代から蘇ったというのにどうしてそんなみずみずしい肢体なのか?棺の蓋を開けた時に僕がいつの間にか入っていた事や僕が辺りを見回している最中にいつの間にか棺に入っていたトリックは?

 「…。」「フン。不思議そうな顔をしておるな。何故この美しい肉体で復活しているのか、そう思っておるのだろう。」「…ああ。」「では教えてやろう、この壁画の意味も込めてな。」

 マミーは古代の事を話し始めた。その昔、ある星の文明のでき事。

 その文明は女権社会で、女性が支配者となり、男は奴隷か兵士か、さもなくば”選ばれた者”に身分分けされていた。壁画の屈強な男達は女主人のお抱えの兵隊だった。女達は豪華な都市に住み、男達は周辺のみすぼらしい僻地に住まわされ、生活は別だった。許可なしに女の園に入る者は処刑された。奴隷や兵士達は適宜集められ、女達の為に働かされていた。この頃結婚制度はなかったという。

 3年に一度、大切な儀式が行われる。その儀式は、女達の信仰上も、女性支配の存続の為にも、とても大事だった。「精通が始まったばかりの純潔な男が一人選ばれる。選ばれた者は奴隷身分から解放されるが、その先に地獄が待っている。だから選ばれた者は度々逃走したものじゃ。」

 逃走しても、少年は兵士達に捕まってしまい、女達に差し出される。壁画で縛られていたのはそういう意味だったのか。差し出された少年は丁重な扱いを受ける。体は常に清められ、豪勢な食事も振舞われる。

 儀式は数ヶ月も続く事もある。儀式が始まる日以降、少年は地獄に転落する。

 「これを見よ。」マミーは金の杯を取り出した。「これは?」「選ばれた者の精液を溜めて置く杯じゃ。一日この杯を一杯分満たすのが、我らの儀式なのだ。」

 女達は少年に群がり、そのみずみずしい肉体を押し付けてムリヤリ勃起させる。勃起すると祭祀が舐めて”禊”とし、祭祀の唾液交じりの精液が杯に注がれるとその日の儀式が始まる。

 女達は代わる代わる手コキで少年を射精させる。精液は杯にどんどん溜められる。立たなくなっても群がって女体をこすり付け、無理に勃起させ、さらに手で射精させる。

 「女達は、何百年と伝統を重ねる内に、効率よく射精できる手コキのテクニックを身に着けて行った。指の位置、微妙な動き、手で男を感じさせる多くの技が編み出され、実践された。」

 壁画に手コキの絵ばかり描かれていたのは、そういう儀式だったからなんだな。

 杯に一杯精液が溜まれば、その日の儀式の半分が終わる。少年は再び牢に押し込められ、休息と栄養を取らされる。精液の杯は、スプーン一杯分飲んだり、体に塗り付けられたりする。これによってその女の美貌と命が保たれ、また女性支配の象徴としてこの儀式が意味を持っていた。

 さらにこの精液が膣に流し込まれ、次の世代を作るのだった。その意味でも精液を集めるのは大事な儀式だった。

 都市の女全員が精液を塗り、飲み、そして膣に流し込むまで、手コキによる精液搾りは続けられた。都市の女性の人口に合わせて、儀式が何ヶ月も続く事もあり、その間少年は毎日大量の精液を女手で搾られ続けるのだった。

 「…すさまじい儀式だな。」「選ばれた少年を生贄にする事で、雑多な交配をやめ、男達に永遠に我らの奴隷である事を悟らせたのだ。」「結婚や同居してたら男性支配にいつ変わるか分からないもんな。」「そう言う事じゃ。」

 そして、都市の女達は大体若くして死んだらしく、ほとんどが30を迎える事もなかったという。その寿命の短さが、永遠の命への信仰を生み出した。精液に浸した包帯を巻いて死体を棺に葬ると、次に若い男が棺を開けし時、若いまま永遠の命を得るという。

 女達は幼少の頃から、手コキの訓練をずっとして来た。新しい技が開発されるとすぐに広められた。試験まであったという。当然、手コキが上手な女性の方が高い身分を獲得できる。

 「だから、わらわはこの通り美しい姿のまま復活したのじゃ。」「ちょっと待って。そんな事ある筈…」そうか、「ないと・めあ」の魔力で、彼女達の思う通りに復活できるようになっている訳だな。

 「さて。長話はここまでにしよう。折角蘇らせてくれたのだ、お礼も兼ねてお前の精液をこの手で絞ってやろう。」「…遠慮します…」「ならん!この異世界に遺跡ごと移し、遺跡と文明の保存を約束してくれた我らが女帝『ないと・めあ』様の約束なのだ。『ここに来る男の精液をその杯に入れて献上せよ』とな。」はぁ…やっぱりこういう展開か。

 「では、数千年かけて培われて来た手コキのテクニックで、お前を一瞬にして昇天させてやろう。儀式初日の少年は、握り締めただけで精液をぶちまけた。それだけの力が、我らの手にはある。」「ちょ、ちょっと待ってよ。棺の謎は教えてくれないの?」「フン。そんな事は自分で考えろ!」

 そこは秘密という訳か。

 「さあ、わらわの極上の手で果てるがよい。」マミーが近付いて来る。

 これは…かなりの強敵だ。敵は手コキの女王。ペニスをしごいて右に出る者がいないと自負する女達だ。その肉体は白く美しいが、特に手は極上だった。細長くスベスベの指、尖るように先細る指先、スベスベに透き通った手の甲、握ると肉付きが良さそうでよく滑る手のひら、手首から二の腕まで、しなやかに鍛え抜かれていた”武器”だった。

 とにかくマミーの手だけは気を付けないといけない。相手の手に触られないように戦わなくては…

 「!!!」突然下半身に快感が襲った。1メートル位距離があった筈なのに、次の瞬間目の前にマミーがワープして来て、正面からドアノブを引く要領で激しく僕のペニスをしごいていたのだ。

 手のひらがペニス全体に吸い付くような、それでいて滑らかに素早く滑って行く。思った以上に強烈な快感だった。一体いつの間に…気がついたら手コキが始まっていた!この謎を解かないと勝ち目はない気がする。

 右手がペニスを絞り続け、左手はしっかり玉袋に添えられている。今度は右手の指先で亀頭を引っ張るように優しく撫でて来た。五本の指が亀頭周りに配置され、亀頭を軽くつまんだかと思うとそのまま引っ張る。裏スジに当たる親指以外の四本の指が心地いい。

 さらに左手が根元を掴み、指を下にして右手のひらが先端を回転させるように撫で回して来た。そしてすかさず亀頭を親指と人差し指の間で握り、1センチ位前後に軽くしごいたりして来る。

 単に荒々しくしごき立てるのではなく、絶妙な手の位置や指の動きでペニスを翻弄している。かと思うと手首のスナップを利かせて素早くペニス全体を力強く絞ったりして来る。常に変化し続ける手の動きに、僕は早速ガマン汁を滲ませた。

 「…まずは正面から抜いてやろう。」くそ、このままでは瞬殺されてしまう!どうしよう?
 

−選択肢−
マミー1−2 後ろに下がって手コキを脱する
マミー1−3 前に進んで積極的に責める


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