マミー3−1


 マミーのフロアにも大分慣れて来た。重苦しい扉に潜む3人バージョンもコツを掴んでしまえば何とか対処できる。僕のレベルアップもある。

 マミーの恐ろしさはその手コキ攻撃といくつかの呪文攻撃だ。特に時間停止攻撃は一方的にやられるので厄介だ。でもそういう危機にずっと晒され続けて来たから、今僕には秘策がある。呪文攻撃がなければあのおねえさん達を倒す糸口も見えて来る。

 それに彼女達は手コキにおいては相当の手だれだけど、本番の経験がほとんどない為こちらが主導権を握って腰を振れば彼女達はあっさり倒れてくれる。これがマミーの弱点なんだ。

 だから一番気をつけるべきはあのしなやかで甘美な手の攻撃だ。やわらかい手のひら、スベスベの甲、しなやかで繊細な細い指先。オンナ部分と違う刺激は、器用な指先の魔術が巧みに性感帯を突いて来るからなんだ。手の呪縛から逃れられればマミーも制覇したも同然だ。

 それから包帯を駆使した密着にも気を付けないと、彼女達の吸い付くような肌が僕の全身をこれでもかと愛撫し、包み込まれたまま放出してしまうからな。

 後懸念なのは僕にかけられた呪いだ。一番初めに女王と対決した時に僕の体は幼く若返り、感じやすい体になってしまったばかりでなく元のような攻撃力も持ち合わせていない。全能力が半分になっている状態だ。只でさえ彼女達を克服するのは難しいのに不利な状態でこのフロアを彷徨ってるんだ。

 とにかくこのふざけた体を元に戻して貰わないと。この先上の階もこのままだとかなり苦戦を強いられる事になる。通常の若返り魔法と違ってこっちは呪いだ。通常なら一定時間で元に戻るものだけどこの呪術の方はわざわざ呪いを解く手続きが必要になる。マミーの呪いなら解けるのもマミーだ。このフロアのボス的存在なら、解呪方法も知っているだろう。それなしには上に進めないんだ。

 だが、町娘マミーや神官マミー、学生マミークラスだと、こんな呪いのかけ方も知らないしもちろん解き方も分からない。まれに見習いクラスの女の子マミーに出合う事もあるが彼女達もこの呪いを知らない。

 見習いマミーは指先を磨く事から修行を始めるらしい。こうして長い年月をかけて「手を綺麗にする」手入れをして来たんだから、彼女達の手が美しく高い攻撃力を誇るのもうなづける。見習いなのにその攻撃力は若さパワーも手伝ってかなり高かった。呪いがかかった僕と同じ位の見習いマミーは修行を始めたばかりだけどこちらの期待度が高いからなのか中々の強敵だった。

 このフロア全体が、マミー達の国になっている。さながら僕はその儀式中の生贄なんだな。

 とにかく解呪の方法を知るマミーはいなかった。多分庶民や官僚クラスでは教わらない秘術なのだろう。何故フロアの最初に女王がいたのかも分かる気がする。

 恐らくこの先にいるだろうフロアのプチボス。そこには10人バージョンの敵がいる。人数は何人かは分からない。一人の時もあれば三人もあり、文字通り10人の時もある。人数いかんに関係なく「10人分の力」があるプチボスだ。

 通常マミーが10人分。このプチボスなら、きっと解呪の方法を知っているだろう。

 今までにない大きな扉があった。このフロアを彷徨っている時に手に入れた小さな黄金の仮面が役に立ちそうだ。僕は仮面を扉の繋ぎ目の所に嵌め込んだ。すると扉は重々しい音を立ててゆっくり開いて行った。いよいよこの先が決戦だ。

 中はとても広かった。あちこちに柱があり、蝋燭が灯り、そして真ん中に大きな祭壇やベッドがある。多分ここは神殿だろう。古代世界だ、神殿こそが国の中心、政治の中心だったに違いない。やっぱりここがマミーフロアの上り階段だ。

 「ようこそ。神聖なる空間へ。」声が響き渡る。凛とした女性の声だ。背中が電気が走るように痺れた。何か大いなるものが潜んでいる。

 ギ…ギギ……祭壇から音がした。ベッド状の物から人影がゆっくり立ち上がる。これは高貴な身分の人が眠っていた棺のようだった。神聖な神殿に眠る事でパワーが増しているに違いない。僕は身構えた。

 人影はどんどん多くなって行く。20メートル位ありそうな巨大な祭壇、そのあちこちを金銀宝石がちりばめられ、その財宝を蝋燭が輝かせている。相撲の土俵のように盛り上がった祭壇には10の棺が隙間なく並べられ、ベッドのようにやわらかい布地で覆われている。その布地の間から高貴な身分のマミーが出て来たのだ。

 マミーは10人いる。ここは10人バージョン。という事はこの一人一人のマミーは他とさほど変わらないのだろうか…?それとも神秘的な力が備わっているのだろうか。他のマミーに比べて神々しさがまるで違う。威厳のある風格は他と完全に一線を画していた。ここは警戒しなくては。

 「さあ坊や。ここにあがって来るのです。」巨大なホールのようになっている神殿は声が跳ね返って響き渡る。誰が発言しているかも分からない位だ。祭壇からは魅惑的な香りが漂っている。半分うっとりして僕は祭壇に近付いて行った。

 「さあ、…もっとこちらへ…」マミー達は包帯を半分ほどき、乳房を露にして誘って来る。「お前を特別に祭壇で搾り取ってあげる。」「…めったにない事じゃ。100年に一度の特別儀式!」

 甘美な雰囲気と香り…頭が朦朧とし、魅了された僕はどんどん祭壇に近付き、フワフワした布地に足をかけた。

 ま、待てよ!?このまま彼女達のいうなりに登ったらそれこそこの棺の上で囲まれて一方的に犯されてしまうではないか。危ない危ない!すんでの所で我に帰った僕はむせ返るような芳香の中でマミー達を凝視した。セクシーさと高貴さ、やはり他とは違う。間違いない、彼女達は女王クラスだ…

 でも、女王は最初に対決して僕が勝った筈。これは一体…

 …!ま、まさか…!マミー達は自分の文明が滅びた後その魂をすべてこのフロアに移したんだ。「ないと・めあ」の力を借りてこの塔のこの階で蘇ったんだ。そして古代文明は復活の信仰があって特に身分の高い者はミイラにされて保存される。という事はこの女王達は…

 「察したようね。」「我らは歴代の女王。全員全盛期の女ざかりの状態で蘇ったのじゃ。」「フロアの入り口にいた女王が最後の女王。わが文明を衰退に導いた、女王の中でも最もふがいない子孫じゃ。」「だが我らは違う!全盛期の、あまたの美少年を搾り取った伝統ある女王の顔ぶれ!」

 やっぱりそういう事か。祭壇に奉られる程のマミーなら女王身分でないと。初期から今まで、10人の歴代女王が「ないと・めあ」の力で一挙に蘇ってしまったんだ。他のマミーよりも特別な教育を受け、また特別な呪術も知っている集団か。中々の強敵だ。でも、彼女達なら、この呪いを解く事ができるかも知れない。

 「魅了香の呪縛から脱出できるとはそれなりに実力はあるようじゃ。」「この神殿に入った者は誰であれ激しく欲情する。普段は誰も立ち入れない神秘の空間が、実は淫らに人を狂わせる”魅了香”の煙で充満していたのじゃ。」「女王クラスでなければ、この淫靡な薬には抵抗できない。だからここに来た男は我らの言いなりにすぐに射精するのだが…」「これを解いてしまうとはな。感心したぞ。」

 たしかにこの神殿はほとんど密閉されている。僅かな空気口がある程度で窓もないし出入り口は黄金の仮面を鍵として普段はしっかり閉じている。迷い込んだら普通の人間ならあっという間に淫乱な毒気に当てられただろう。

 意識は何とか取り戻せたが、体はまだ収まりが付いていないのもこの煙のせいか。ペニスが脈打って体を疼かせている。精神力で何とか女性に飛び掛らないで済んではいるが…長くここにいるのは危険だ。

 とにかく交渉だ。「見ての通り、僕の体はこんなに縮んでしまっている。これじゃあ名探偵コ●ンだよ。体は子供でチンチンは大人。」「なんだと?」「もとい、アソコも…って、そんな事を言いたいんじゃない!これは最後の女王の呪いでこうなっちまったんだ。元に戻して欲しい。」

 「…。くっくっく…」「その呪いは本来、我らの肉体を死ぬまで若く保つ為の秘術。こうして最盛期の肉体を保ちながら寿命が尽きる。老いる事はない。」「この秘術は一子相伝。女王から次の女王にしか伝わらぬ秘術中の秘術じゃ。」「だから我らなら、その術を解く事もできる。」「お前にはその秘術が何重にも掛かっていて若返り過ぎている状態だが、それを解くのもたやすい。」

 「やっぱりそうか。それなら…」「我らがわざわざ解いてやるとでも思っているのか?」「ふっ。今まで通りのパターンさ。そんな甘い考えは持っちゃいない。」「分かっておるようじゃ。我らを倒さぬ限りその体は元には戻らぬと思え。」「ああ。僕がその祭壇で”100年に一度の儀式”とやらに付き合う代わりに、僕が勝ったら呪いを解いて貰う。」

 「ククク…その条件は飲めないね。」「お前は先に進む為には我らを倒さねばならぬ。つまりこんな条件を飲まなくても、お前は祭壇に上がって儀式の生贄になるしかないのさ。」「それに生贄が我ら女王集団を倒す事などありえない。」

 「ふうん。忘れているようだけど、僕はこの魅了香の呪縛を破っているんだぜ?」「だからどうした。精神は乗り越えても体はそのままではないか。その股間の先の汁が、おまえが魅了香に蝕まれ続けている事の何よりの証拠。」「たしかにそうだけど、永遠に無効にもできるんだよね。」「何!?」「黄金の仮面は僕が持ってる。条件が飲めないんだったら出て行くよ。」

 「出て行ってどうする。永遠にここを彷徨うのか?それもいいが…」「もちろん先に進むさ。今は出て行く。…ドアを開けっ放しにしてな。」「なっ!?」「この扉は仮面を持つ者の意のままに開け閉めができるみたいだ。って事は僕が開けっ放しで放置する事もできる。すると魅了香とかいうお香の煙は外に漏れ出して分散して効果が消えちまう。わざわざ神殿を”密閉してる”のはそれを避ける為だろ?」「おのれ…」

 「さあどうする?ここに新鮮な空気を入れて神秘の祭壇を台無しにするか、それとも解呪か。」僕は女王達に勝利の暁に解呪する事を迫った。戦う前から解呪を要求すると彼女達は条件を飲まないだろう。大人の男なんて相手した事がないんだ。圧倒的に不利になった状態で戦う位ならお香の効果が切れる方を断腸の思いで選んじまうだろう。だが古代人は神殿や祭壇を汚される事を何よりも嫌う。魅了香が外に漏れ出すなどという不祥事が起こってしまうのは堪えられない筈。ここが交渉のカギだ。

 「むむ…よかろう。我ら全員を万が一倒したなら、お前の体を元に戻す。自動的に戻るようにして置こう。」女王の一人がブツブツと詠唱した。これで勝った暁に自動的に元に戻れる筈。交渉成功だ。約束が破られる事はない。女王が約束を破るなんて事をしたら権威失墜だしプライドも許さないだろう。

 「では約束通り儀式を始めよう。」「ふん。」僕は戦闘開始の体勢をとった。「儀式の要領を説明していなかったな。まずは祭壇に上がるのだ。」「そこで一時間程、生贄は女王のもてなしを受ける。」「この時間だけ、生贄は女王を傅かせる事ができる。一時的に女王を服従させる事ができる。」「生贄に神が宿るがゆえに。」

 「その間は生贄は射精を禁じられる。魅了香のお陰でイク寸前まで高められながら、ペニスへの刺激は一切行わない。」「こうして一時間の贅沢の末、性欲の塊と化した生贄に対して儀礼の呪文を唱え(効果はない)、その後一挙に射精させ続ける。生贄の命は神に捧げ、その精液は我らに捧げる。溜まりに溜まっていた美少年は死ぬまで神殿の中でいやらしい体液を吐き続ける。」「快楽の中でこときれる為に生贄に苦痛もない。まさに完全無欠な儀式!」

 「さあ、儀式を始めよう!この祭壇に上がるのだ。」女王達が手招きをする。約束だからな、ここに登らなければなるまい。棺の上にかぶせられた大きなベッドは、とてもやわらかくしなやかな生地でできている。僕は足をかけて白いシーツの上をよじ登った。そしてだだっ広いベッドの真ん中に胡坐をかいて座らされた。

 なにやら女王達がブツブツと呪文をつぶやいている。これは呪術と言うよりも儀式の時の決まり文句みたいなもので何も効果はない。

 「さあ、ご奉仕致します。」女王達が僕の周りを取り囲んだ。僕の真後ろに足を投げ出して座ったマミーがおっぱいを僕の背中に押し付けて来た。丁度それが背もたれのようになって、僕は楽に胡坐をかく事ができるようになった。本来は座椅子が用意されるみたいだけど、今回は女王が10人いる為にその内の一人が椅子役を買って出たみたいだ。

 「お召し上がり下さいませ。」高貴な女性が赤い木の実のような物を僕の口に運んだ。甘酸っぱい実が口に広がる。歯の奥がジンとなる位おいしかった。これが古代の菓子か。僕は後ろの女王にもたれ掛かりながらどんどん菓子を食べさせて貰った。牛乳とは違う濃厚なミルクも用意された。これもまたおいしい。酒は流石に出ないが。

 他の女王達が手に蜜を取り、僕の体をさすり始めた。マッサージを加えながら甘い香りのするヌルヌルの蜜が全身に塗りたくられる。甘美な手が爪先、足の裏、ふくらはぎとさわさわ滑って行く。「あふ…」あまりの心地よさに僕は声を出してしまった。

 手も蜜を塗られながらマッサージされる。エステティシャンも顔負けの技術で気持ちいい。僕の全身から甘い香りが漂う。くまなく蜜が塗られ、体中を揉んだりさすったりされている。肩こりも何もかも吹き飛ぶだろうな。最高のあんまだ。

 もちろん只のマッサージで済む訳がない。行為自体は普通にマッサージで性的な愛撫じゃないけど、やわらかい女の手が何本も僕の体をさすってくれているから体が性的に反応してしまう。お香の効果もあるし。

 内股を細くてスベスベした指先が滑って行くと僕は甘美な声を漏らしながらくすぐったさに身を捩じらせた。全身に加えられる快感がペニスを一層反応させるけど、女王達は絶対に僕のペニスにも玉袋にも指一本触れようとしなかった。儀式の規則で「奉仕」が終るまで抜いてはいけないんだった。

 僕でさえ脱力して、下半身だけ熱くたぎっていると言うのに、経験もないしかも魅了香の毒気に当てられた生贄は耐え切れなかっただろう。一刻も早く射精したくて女王に飛び掛ったに違いない。聞いてみると、みんな飛び掛って来たけどそれはちゃんと避け、ペニス以外をかわいがり続けるらしい。身を捩じらせて生贄がマミーの手にペニスをあてがおうとしても女王は巧みに避け、決してペニスに触れないようにしたとか。

 僕の場合は一対一じゃなく、10人分の攻撃に晒されている。魅了香の効果がないだけましだけど、これでペニスを刺激できないのはかなりキツイ。生贄は女王の体に触ってもいいけどオンナ部分には触れてはいけない。胡坐または足を投げ出して座った格好か、あお向けに横になる以外の体勢をとってはいけないし、もちろん逃げる事は許されない。まあ逃げようとは思わないだろうな。イキたくてウズウズしてる状態だから。

 それから自分で自分のペニスに触る事も禁止だ。みんな自分で抜こうと触るけど女王が美少年の手を引き剥がしてしまう。そしてペニス以外の愛撫とマッサージを続けるのだ。

 「そうそう、菓子は男を感じやすくさせる効果もある。魅了香程じゃあないけどね。」そう言うと一人の女王が僕にのしかかって来た。巧みに足を開いて自分の体が決してペニスに触れないようにして「ローション踊り」を僕の上半身に加えて来る。僕の背中は後ろのマミーの胸が這い回る。投げ出された両足は二人がかりで股洗いされている。それでもペニス部分には肌が触れない。

 ここまでされちゃあ、経験浅い生贄は死ぬまで女王に抜かれるだろうな。それも本望だろう。苦しくないように魅了香やら菓子、ミルクの効果が体を疼かせるんだし。

 僕はと言うと、イク寸前にまで高められるとか、抜かれたくてどうにかなってしまいそうとか、そこまで精神を崩壊させはしなかった。感じるとはいえ女体にはある程度慣れているのもあるし、ここで負けてしまっては脱出できない、これは勝負なんだと気を引き締めているからだ。

 それでも全身をサワサワされ、グニグニときめの細かい肌を押し付けられたり擦られたりされ、一方的なマッサージや性的愛撫で精力を削られていた。「やはり慣れておいでなのね。」「普通なら生贄は泣き叫んで懇願するのに。耐え抜くとは。」「時間が来たらちょっとつついただけで射精したり、射精直後に握り締めただけで二発目を発射したりしたものだけど…あなたは違うようね。」「ナメて貰っては困る。僕だってこのフロアまで苦労して上り詰めて来たんだからな。」「ふふふ…倒し甲斐がありますわ。」

 乳首が二人の舌で舐られ、足の指の間にも舌が捻じ込まれる。わきの下も、唇も、首筋も、女王達の舌と唇によって刺激される。抱き起こされたりあお向けにされたりしながら僕はペニス以外の全身をくまなく愛撫された。それでも何とか興奮を抑える事ができた。薬物関係は今までも散々この身に受けて来たからな。全身愛撫も女体の感触もある程度慣れてる。たしかにペニスは疼いているが、耐え切れない程じゃない。魅了香が体を蝕んでいたが、それにも耐性が付いて来た。

 「そろそろ時間になります。」「あまり声を出さなかったのは不思議です。」「当然さ。魅了香とやらも克服した。儀式はこれで終わりだろう?」「終わりです。後は生贄の望み通り射精し続けるだけ。」女王達が「奉仕時間の終わり」を告げる呪文を唱えた。

 「さあ、ここからが本当の勝負だ。儀式の間僕を一方的に責め続けて有利に運ぼうと言う魂胆だったんだろうけど、あいにくだったな。精力消費も大した事はなかったし、お前らの期待通りイかせて呉れと懇願もしない。」

 「…口の減らない生贄だ。」奉仕時間が終って女王達はまた態度を変えた。「忘れたか、我らが一大帝国を築きあげた理由を。」「覚えているさ。」「一瞬で終らせてやろう。気付いたら射精している。」「その後は永遠に精を捧げて貰うぞ。」

 時間停止攻撃に移る気だ。だがこのフロアを彷徨う内に僕には対抗策ができ上がったんだ。もうマミー達の時間停止攻撃を恐れる必要はない。「…やってみろよ。」

 「時間停止に時間停止で対抗する気か?お前が止められるのは精々10数秒。我らとは比べ物にもならぬ!」マミー達が気を込め始めた。僕もそれに対抗して自分の眉間に意識を集中させる!

 「…。」「…。」「…どうした?時間を止めるんじゃあなかったのか?」「くっ…」「と、止まらぬ…!?」「一体何を!?」「悪いね。時間を止めるという超能力には無詠唱魔法が効くんだよ。スタンドより魔法の方が上って事さ。」「なっ…!!」

 そう、マミー達の時間攻撃に対抗する為、「時間を止めさせない魔法」を僕は習得していたんだ。これはタイミングを見計らって相手の超能力発動を無効化させるよう念じる簡単な魔法だ。これでマミーの特殊能力を封じる。これは魔法の中でも無効化の初歩、しかも生兵法だから、マミー相手にしか効かないんだけどね。でも今はそれで十分だ。

 「これで時間攻撃はできない!」僕は立ち上がり、改めて戦闘体勢を整えた。「さあ、どこからでも掛かって来やがれ!」これでマミーの脅威は手コキと包帯に絞られた。マミー達は自分の特殊能力が通用しない事に驚き、戸惑っている。「どうした、来ないならこちらから行くぞ!」僕は身構えた。

 とは言うけど次の作戦をどうしようか。マミーの手コキ攻撃を避けて反撃に移るか、邪魔な包帯を封じるか。両方いっぺんは難しそうだ。10人もいるからね。彼女達の手の攻撃を避ける為にいきなり一人ずつ挿入で一気に勝負を決めてしまうのがいいのか、それとも包帯を奪って丸裸にしてからじっくり攻防するのがいいのか。相手が体勢を整える前に反撃して置きたい。
 

−選択肢−
マミー3−2 挿入攻撃に移る
マミー3−3 包帯を奪う


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