バンパイア・ブライド1−3
ここは長期戦覚悟でじわじわ責める作戦を取ろう。一気にたたみかけようとして強烈なしっぺ返しを喰らうのは命取りだ。魔力でバリアを張って魅了攻撃を軽減させ、地道な攻撃で倒していくしかない。
まずは相手の服を脱がせよう。特殊な絹でできた魅惑的なウエディングドレスは、どうしても男の心をかき乱してしまう。表面を覆う清楚な雰囲気を剥ぎ取ってしまえば、魔性の妖しさだけが残る。強力な魅力といっても、魔の者の雰囲気だけなら何とか対処できるかもしれない。これまでもダークな雰囲気は体験してきているからね。清楚とダークの両面が混じったブライド性が問題なんだ。
僕は両手を伸ばしてバンパイア・ブライドの服を剥ぎ取りにかかった。このドレスは後ろをはずしてしまえば簡単にはだけることができるはずだ。そのまましゅるりとスカートまで床に落としてしまえば、清楚な雰囲気のない裸の女が残る。魔性の雰囲気だけにするのだ。
彼女は音もなく1メートルほど後ろに下がった。1,2ミリほど浮いて一瞬であとずさったかのようだった。こちらの思惑を察知したのか。ということは簡単には服を脱がせてはくれないらしいな。やはりそのドレスが彼女の魅力の一端を担っている以上、おいそれとは武器を手放すつもりはないわけか。
とたんに強烈な淫気が僕の周囲を取り巻いた。ぶわああっ! さらに強い花の香りが立ち込める。バンパイア・ブライドの丸いブーケからピンクの霧が大量に放出されている。それらは意志を持ったように僕のところに一目散に放出され、一気に僕の体を性欲の塊にしてしまう。魔法でガードしていても、その淫気は強力で、魔力を帯びているから完全には防ぎきれない。
体内の精子が急ピッチで生産されていて、ペニスから奥までくすぐったく疼いている。まとわりつく澱んだ風でさえ僕の全身をくすぐり、ただ立っているだけで精力を消費し続けてしまう。性感神経も相当開発されてしまっているようだ。この状態で挿入に持ち込まれたら勝ち目はないぞ。僕は深く呼吸して魔力を体内にめぐらせ、逆立った神経を鎮めていった。回復にもかなり魔力を使っているから、いずれはバリアさえ張れなくなってしまうな。長期戦はまずいかもしれないが…。
ブライドはまたもや音もなく僕のすぐそばに近づいていた。そのまま僕の唇を奪う。淫液を流し込まれたが、逆にチャンスだ。僕はとっさに彼女の細い腰をがっしりと抱え込んだ。後ろに手を回して、ドレスを脱がしにかかった。ドレスはあっさりと外れた。絹の純白は音を立てずに床に落ち、彼女は全裸になった。
強力な淫気が部屋に充満する。服で覆われなくなった彼女の体中から大量の淫気が放出されているんだ。地下三階の狭い空間に彼女が待ち構えていたのは、この体臭が外に漏れて行かないようにするためだった。ここまできたらもう、淫気にかまっている暇はないな。バリアは今のままでいい。残りの魔力は回復だけに使おう。あとは愛撫中心だ。百烈ではなく、普通に乳房を攻撃するのだ。余分な力は使うわけにいかないし、ここまできたら精力の続く限りじっくり責めるしかない。
僕は彼女を上半身中心に責めた。手のひらや指先を駆使して、これまで培ってきたテクニックをお見舞いしてやる。少しずつジワジワとダメージが蓄積されていくはずだ。下に手が移る前に彼女の鉄壁のガードをはずしてしまえば、何とか勝機も掴めるだろう。乳房だけでなくわきの下や背中まで丹念に快感を与えていく。
ブライドは不敵な笑みを浮かべた。やはりこの程度では大ダメージには繋がらないか。でも大丈夫だ。上半身中心にジャブをきかせるということは、敵が気づかないうちにジワジワ追いつめているということなんだ。気がついたときには相当に敵精力も削られて緩んでいる。そこへ一気に畳み掛けるんだ。
僕は魔力を費やして体内の淫毒を抜きつつ精力を回復させながら、なおかつ手を動かして敵を責めるという、同時にいくつもの作業をこなす高等テクニックを駆使した。1ターンでできるアクションはひとつだが、”複合技”ならいくつでも可能だ。もちろん複合技自体が高度で、内容次第で相当高いレベルが要求されることになる。今の僕にできることはこれが限界だろう。
バンパイア・ブライドは微笑したままだ。その赤い瞳はまっすぐ僕を見つめている。唇から銀色に光る牙が見えた。「…自滅しなさい。」敵の攻撃が始まる。僕は身構えた。
ふぁさっ。彼女はブーケを僕の股間にあてがった。ペニスに直接淫気を送り込むつもりか。弱体化させて射精を誘うつもりのようだが、その前に倒してみせる。こちらも愛撫の手を早めた。
「!」この感触は…生々しい花弁の感覚が股間を包み込む。肉厚の花びらがペニスのあちこちをくすぐっていたが、ただの植物ではなさそうだ。魔族の所有するブーケなら、何か秘密でもありそうだな。
しかし、こちらが対策をとる前にブライドの攻撃のほうが早かった。ブーケは丸い肉の塊に変化した。いや…おそらくはこっちが本来の姿なのだろう。ブーケの外観を保ったまま硬質化し、柔らかい肉状の物体になったブーケが、僕の股間に張りついている。乳房を押しつけられているような錯覚さえ受けてしまう。
くぱあ! ブーケが真ん中から割れた。中は広い筒状になっており、舌状の突起がいくつも見える。グロテスクな肉の塊だった。あっという間にそいつはペニスを一飲みにしてしまった。ブライドの手が離れた。
「あうう…これは…」丸いブーケはいやらしい音を立てながら激しく前後する。この快感はフェラチオのものだ。ペニスを柔らかい肉が包み込んだまま前後し、唇のようにしごき上げながら、ひっきりなしにあふれ出す粘液でにゅるにゅる度を増していく。内部ではいくつもの舌がペニスにまとわりつき、大小さまざまな触手のように刺激しながらペニス全体をなめ回している。
ブーケの粘液はバンパイア・ブライドの淫毒と同じ成分で、ぬとぬとペニスを滑りながら体内に吸収されつつ、外にこぼれた体液はすぐに揮発して僕の全身を包み込む。亀頭に絡みつくウロコのような触手があちこちで勝手に蠢いてコチョコチョと刺激して離さない。そのスピードはラストスパートのようなスムーズですばやいものであり、僕の精を一気に抜き取るつもりなのだろう。
ブーケの口の中は無数の舌と触手、そして愛液に満たされているだけではない。全体がうにうにと蠕動して、ペニス全体を激しく揉みしだいてくる。おまけに変幻自在な振動が体の奥まで送り込まれてしまう。魔性のおもちゃは、バイブと蠕動、締めつけ、しごき、さらにカリなど敏感なところを細かく丹念に刺激することができる究極の道具だった。
僕は思わず腰を引いた。ブーケを掴んで引き剥がそうとしたが、魔力で僕に貼りついているためか、引き剥がすこともできない。さらなる気持ちいい刺激と淫気が僕を包み込んだ。このまま弱体化され続け、ブーケフェラで至高の快感を与えられ続けたら、魔力での回復も追いつかなくなりそうだ。
それでも、ブーケの攻撃はまだまだ留まるところを知らなかった。全体から細長い触手が無数に飛び出し、股間に張りついたまま全体を責め始めた。二本の長い触手は正確に僕の乳首をとらえてくすぐってくる。ヒモのような触手は幾重にも重なってロープのようになり、僕の腰に回って、密着の度合いを強めた。これでどうあっても剥がれなくなった。
無数の触手は玉袋やお尻の穴にも容赦なく襲い掛かる。玉袋全体が触手で覆われ、優しく揉まれながら内部でコチョコチョさすられている。会陰もやわらかい触手がツンツンして体の奥を暖め、別の触手群がお尻の穴周辺をすばやい動きでくすぐりながら、アナル奥までねじ込んで内部をかき回している。ブーケ本体のフェラ攻撃は休むことなく高速を維持している。もはや腰を引こうが突き出そうが徹底的に快感にさらされる事態となった。
ブライド本体は足を広げて僕の前に立ち、僕を見つめつつ自分の乳房や股間をまさぐりながら腰をくねらせ、淫靡な姿を僕に見せつけている。この視覚攻撃や、甘い吐息の聴覚攻撃、そして彼女の股間から大量に揮発される淫気による嗅覚攻撃が、僕をどんどん高めるのだった。オナニーを見せれば彼女もダメージを負うが、それでも勝てると踏んでいるのだろう。それほどブーケ攻撃はあまりに甘美だった。
もしこれで魔法バリアがなかったら、大量の淫気に毒されてとっくに精力が尽きていただろう。淫気なしでも相当高められてしまっていただろう。定期的な回復は不可欠だった。しかし…それにしても、魔力の残りもあまりないぞ。このままでは射精してしまうのも時間の問題だ。なんとかしなければ…いや、こんなときこそあわてずあせらず、着実に戦っていかなければ。
僕は踏ん張りながら、ゆっくりと手を伸ばしてふたたびブライドの乳房に触れた。股間中心に全身にかけて、魔性のブーケが容赦なく僕の精力を奪い取っている中で、それでも僕はあきらめずに愛撫攻撃に入った。体感ダメージはそれほどではなくても、気づかぬ精力消費が必ずある。たえずうめき続けてダメージを受けている僕の姿を見て油断しているのか、彼女は手を出さずに僕の責めを余裕で受け続けている。こちらはオンナに手を出すことなく、もっぱら上半身を滑らかな手つきで撫でさすり続けた。
バンパイア・ブライドは両手で自分の股間をまさぐり始めた。彼女自身が受ける快感で愛液がどっと溢れ、床に零れ落ちる。合体などで空気にさらされなければぬるぬるローション状の毒液だが、空気に触れ続ければすぐに乾き、代わりに強烈な甘い香りを発して僕にまとわりつく。つまり彼女の体液が淫気となって、粒子状の毒が僕の鼻から、皮膚から、どんどんしみこんでくるしくみだ。これで僕はどんどん弱体化し、そこへブーケが容赦なく最後の一滴まで絞ろうと激しく蠕動するのだ。
しかしこれはチャンスでもある。ペニスからお尻の穴まで、ブーケの形をした肉の塊とそこから飛び出している無数の触手がぴったり張りつき、完全に覆いつくしている。つまり、ブライド本体が僕の股間に攻撃を加えることはないのだ。もちろん挿入もしないし、手コキもフェラもしてはこない。彼女にやっていることといえばせいぜい、体から強烈な淫気と魔力を放出させて僕を快感の虜にすることくらいだ。
ということは、本体の弱体化攻撃を防ぎさえすれば、あとはガマンしだいで勝機も見えるということだ。僕のほうも限界に近づいていて、それを知っているから、彼女はブーケをとらずに、そのまま最後まで仕上げてしまおうという腹なのだ。だから多少のダメージを負ってもマスターベーションにふけることができるし、こちらの攻撃も無視しているわけだ。
その気になれば、きっと彼女は魔法の力で僕の体内にダメージを与えることができるだろう。ブーケをすり抜けてしごいたり挿入したりもできるはずだ。もちろん直接性感神経を刺激することも可能だろう。それだけ強大な魔力を彼女は秘めている。それをやらないのは、勝利を確信した余裕からだろう。余計な魔力を浪費せずに勝つ意味もあるに違いない。
彼女は自分の力に溺れているんだ。勝負が決まる前に絶対に勝てると思ったほうが、セックス勝負においては敗北する。肉体のぶつかり合いは、最後まで結果がわからないものさ。たとえ現時点で、僕と彼女との間に相当の実力差があったとしてもだ。
僕はギラギラした相手の目を絶対に見ないようにして、あくまで優しく上半身をかわいがった。そろそろジンジン痺れる疼きが全身に回っているはずだ。あえて感じやすい場所を直接刺激しないが故の、体内奥深くに浸透したどうしようもない性欲がな。
僕の股間からは、ブーケの粘液が大量に滴り落ち、足元に水溜りができている。それがどんどん淫気となって僕に襲い掛かる。しばらくオナニーを我慢した、精通したての少年になった気分だ。そんな僕の目の前、なまめかしく腰をくねらせながらみだらにあえぐおねえさんがいる。気を抜くとその勢いだけで射精してしまいそうだった。
しかし、彼女も自分の体の異変に気づいても、もはや自分の指を止められなかった。オナニーをやめてしまえば体の疼きは強くなる。二の腕を優しくさすってゾクゾクした快感を叩き込み、女体の欲望を徹底的に渇きの底に叩き込むのだ。
「くっ…」妖しい大人の顔がキリッとゆがんだ。彼女の両手が僕の股間に伸びる。…魔力はまだ尽きていない。この時を待っていたぜ。
僕はバリアを解いた。とたんに射精の脈打ち寸前のくすぐったさに襲われた。バリアを張っていなかったらこんなに気持ちよかったのか。危ないところだった。だが考えている暇はない。僕は間髪いれず魔力の残りすべてを結集させた。
「プレジャーサンダー!」彼女の頭上に球状になった雷の塊が出来上がった。尾を引く電気の塊は光の速さでバンパイア・ブライドにぶち当たる。ペニスを掴むことに意識を集中させた瞬間の、彼女の隙をついた攻撃だった。
ばりいっ! プレジャーサンダーは、プレジャーボルトを一極集中させ、何発分にもして一気に当てる大技だ。今の僕の魔力なら6〜7発分には相当するだろう。PVは通常敵と接触して、性感神経を刺激する電流を相手に流す技だ。神経を直接いじくるので高度な魔力が必要な上、よほど熟練していなければ成功しない。しかし成功すれば、敵精力を一気に大幅に奪うことができる。プレジャーサンダー(PT)は、PVよりもはるかに強力で、しかも接触していない遠くの相手にも当てることができる。その代わり、電気の弾丸を操作することになるため、よけられてしまう可能性が非常に高く、成功率の低い技でもある。
PTを彼女にぶち当てた瞬間、体内から大量の精液があふれ出した。ブーケに包まれて行き場を失っていた体液がペニス周辺で暴れまわり、ブーケさえ押しのけんばかりの勢いだった。耐えに耐えてきた神経が一気に解放され、股間を満遍なく刺激していた快感がついに実って、僕は大きく腰を引いたままお尻の奥の強烈なくすぐったさに我を忘れ、全身で脈打ってしまったのだった。込み上げる射精感はいつもよりもずっと強く甘美で、脈打ち速度もずいぶん速い。そして射精する時間もずっと長かった。溜まりぬいていたものがすべて吸い出されたのだから、当然のことだった。
射精した瞬間、ブーケの動きも止まっていた。が、もはやそのやわらかく張りつく感触だけで十分だった。僕は立っていられなくなり、ひざをついてその場に倒れこんでしまった。間に合わなかったのか…
いや…、脈打ちが終わるころには、ブーケも本体も姿を消していた。僕がイク一瞬前、ほんのミクロン単位の違いで、電撃の刺激がバンパイア・ブライドの精力を完全に奪い取っていたのだ。僅差で僕の勝ちだ。彼女は声もなく絶頂し、自分の敗北に気づくころには消えてしまっていたのだった。僕だけが残ったことになる。床に大量の精液を滴らせて。
僕は勝った。成功するかどうかも分からないPTで最後の賭けに出たのだった。油断していないバンパイア・ブライドなら、この程度のPTなど軽く避けていただろう。あるいは、あえて身に受けてその凝縮した魔力の弾丸を、みずからの魔力だけで拡散または吸収してしまったかもしれない。はたまた、自分の目の前でPTを指で弾いてかき消すことくらいは余裕でできたはずだ。それほどまでに敵は強かった。
しかし、僕がPTを放った瞬間は、なんとかしてペニスを掴もうと両手を伸ばした瞬間だった。ガードも何もできず、強烈な電流がダイレクトに彼女の性感神経を刺激した。もはや電流刺激が脳まで達し、快楽の塊となった女は、魔族といえどもただでは済まず、致命的なダメージとなるだろう。
もし余裕で勝てるのなら、彼女は手を出さずにそのままブーケに仕上げをさせていただろう。しかし、執拗な上半身へのジャブと、自分でまさぐったオンナへのダメージで、彼女自身が気づかないうちに体が激しく疼き、相当に追いつめられてしまっていたんだ。
彼女はややもするとイッてしまいそうになっている自分に気づき、己の魔性の肉体で直接僕を攻撃して瞬殺しようとしたんだ。たぶん、彼女が僕に触れた瞬間射精していただろう。敵はブーケをすり抜けて直接ペニスを手コキできたはずだからな。ということは、彼女が手を伸ばした瞬間に反撃すれば、小さなPTでも絶頂させることができると踏んだのだった。本体が攻撃に移るということは、敵自身が自分のピンチをさらけ出していることになると睨んで。
精力満タンのブライドなら、この程度の攻撃を仮に受けてもまだイかなかったに違いない。しかし、気づかぬうちに相当高められていた彼女を倒すには、この小さな電球で十分だった。読みは当たり、僕はどうにかこうにかバンパイア・ブライドを倒すことができた。精力も魔力も尽きてしまったが。
彼女が消えたと同時に、ブーケも淫気も消えうせていた。あれらもまた彼女の一部だからな。僕のほうも出しつくしてしまって、しばらく体力と魔力の回復のためにここで休むことになりそうだが、おかげで精力は元に戻った。それに…強い相手を倒したおかげでレベルも上がったみたいだ。
それにしても本当に強い敵だった。辛うじて、というよりは半ば偶然に勝てたようなものだ。ほんのわずかでもタイミングがずれれば負けていた。PTがわずかでも遅ければ僕のほうが先に射精を始めていたし、わずかでも早ければ、バンパイア・ブライドが僕の攻撃に気づいてガードに回り、その間にブーケに抜かれていただろう。本当に危ないところだった。
この先は、彼女のような敵がわんさかたむろしているというわけだ。うかうかしてはいられないぞ。もっともっとレベルを上げて、このアンデッドステージを乗り越えなければ。まだまだ実力は足りていない。ブライドを余裕で倒せるほどにレベルを上げなければ心許ない。がんばろう。
しばらく休んで十分に回復したあと、僕は決意を新たに、古城のはしごを上って先を進むのだった。
(バンパイア・ブライド1 クリア)