スペースバンパイア１（ないと・めあ）

スペースバンパイア１－５
　

　多分スペースバンパイアたちの特殊能力は、魔力に基づくものではない。魔性の魅力は備えているものの、その力からは魔法の波動を感じない。どちらかというと、超能力とかそっちのほうに近い。精神の力を直接物理的な力に変えていくのだ。

　と、いうことは、逆に魔法攻撃に耐性がないかもしれないということだ。敵のＥＳＰに僕の耐性がないというのと同様に、こちらの魔法の力には弱いかもしれない。しかしだからといて、安易にプレジャーボルトに頼るのも危険すぎる。失敗したときのしっぺ返しは相当なもので、しばしば絶体絶命のピンチに立たされてしまう。大技は魔力の消費が大きい上、隙ができやすく敵の反撃を容易に許してしまうのだ。

　それなら、ＭＰは回復と補助攻撃に使ったほうがいいだろう。魔法の力で快感ダメージを直接与える、いわゆる攻撃系の魔法は控えめにして、防御力の増幅や素早さアップ、また敵の性感神経を過敏にするなどの補助魔法を中心に戦おう。

　まずは防御力アップだ。スベスベの肌が全方向から押しつけられ、こすりつけられている。人間を超えたきめの細かすぎる柔肌の感触は、容赦なく僕の皮膚から快感をもぎ取り、精力を削りとっている。ペニスにこすれる腰や足のやわらかい感触だけでも十分心地よく、つい脱力して少なからずダメージを受けている状態だ。これに加えて表皮からのわずかなドレイン攻撃が、敵を回復させながら余計に僕の精力を消費させているんだ。

　僕は強力な魔法を自分自身にかけた。性感神経を鈍らせ、触覚を鈍磨させる魔法だ。これは麻痺魔法の一種なんだろうな。ＳＢでは自分を軽くパラライズさせることが防御力増強につながる。もちろん指先などの末端まで痺れさせてしまっては十分な攻撃ができないし、加減を間違えれば身動きが取れなくなって危険だ。調節しながら自分を麻痺させるのである。

　その上で全身に魔法の薄いコーティングを施し、あたかも極薄コンドームの膜が全身を覆っているのと同じような状態にする。とりわけペニスの周囲のコーティングは念入りにし、大昔の数ミリ厚コンドーム並にしておくんだ。これによって、神経鈍磨が女体のスベスベ感によるダメージを軽減させ、コーティングが女体のやわらかい感触を鈍らせくれる。

　もくろみは当たった。スペースバンパイアは、僕のこの簡易魔法でさえ突き破ることができない。それどころか、防御力を上げていることに気づいてもいないみたいだ。相変わらずナイスバディを押しつけこすりつけ、ときおりふとももでペニスを挟み込んではパイパンスマタをお見舞いしている。しかし、さっきほどにはダメージを受けていない。

　僕の足にむっちり生足が滑っていっても、何かが触れた感覚は残るが性感神経はほとんど反応しない。上半身がギュッと豊かな３人分の乳房に包まれて圧迫されているが、その柔肌の弾力は周囲のコーティングでほとんどはじき返されていて、密着の心地よさがずいぶん和らいでいる。少し魔法に詳しい者なら、僕の魔法の波動を感じ取り、変化に気づくはずだ。そしてこの魔法障壁をあっさり突き破ってさらなる快感攻撃をくり出してくるだろう。が、スペースバンパイアたちはまったく気づくことなく、同じような攻撃を続けている。

　さすがに連続スマタ攻撃を喰らうと股間の奥がくすぐったくなり、少なからずダメージを受けるが、それも戦局を左右するほどではない。問題なのは、僕の魔力などお構いなしに発動するドレインのほうだ。いまやこっちの吸収パワーのほうが、僕にとってダメージとなっている。触れ合っただけで精気を吸い取ることができるあたりが、やはりバンパイアなのだろう。それも超強力なスペースバンパイアの所以だ。

　そもそも魔法と超能力は異質なパワーであり、ＥＳＰにたいしてはＥＳＰで防壁を作らなければ防ぐことはできない。逆に、魔法の力は魔力でなければはじくことができないわけだ。だから、魔法障壁を作ったところで敵のドレインを防ぐことはできない。

　正面のスペースバンパイアが移動し、左右と後ろに３人が張りつく状態になった。そして両側からしなやかな指先が伸び、ペニスをいきなりはげしくしごき始めた。彼女たちの両足が僕の片足ずつをしっかりと挟み込み、２人の手が棒部分を分担して素早くしごき上げる。余った手はペニス周辺のくすぐったいところを重点的にまさぐり、くすぐっている。また脚の付け根のところにスベスベと手を捻じ込んで内股をさするのも忘れない。

　誰かが僕のお尻から内股にかけて手を捻じ込み、後方から玉袋をふにふにと揉んでくれている。別の手が亀頭の尿道口付近を指先でぐりぐりしていた。その指先はカリの敏感なところまで満遍なくかわいがっている。つまりスペースバンパイアたちは、全身で僕の体を愛撫する攻撃から、ペニスを手コキで集中攻撃する作戦に切り替えてきたのだ。

　さすがに女性特有の細くてスベスベした柔らかい手の持ち主だ。指先の動きも相当に慣れていて、素早く巧みだ。手のひらの質感がギュッと棒を締めつけ、甲の肌触りが股間周辺を撫でさする。こなれた指先は的確に性感ポイントをまさぐり、くすぐりながら滑りまわり、これでもかと股間全体を快感にさらすのだった。

　何本もの魔性の手による、これだけの集中攻撃にさらされれば、当然少なからずダメージをこうむることになる。しかしいまは魔法でペニス周りを重点的にコーティングしてある。敵のパワーが魔力にもとづくなら、こんな程度のバリアなど軽く無視してダイレクトに快感を与えることもできるだろうけど、スペースバンパイアの攻撃の場合、この障壁だけで十分性的な攻撃を防ぐことができた。

　やはりくすぐったいところはくすぐったく、感じはするのだけれども、大きな性的ダメージには至っていない。生手とペニスの間に目に見えないゴムがあるみたいで、、スベスベ質感を伴わずにしごかれている感じなのだ。これならスペースバンパイア３人がかりの集中手コキ攻撃もしのげそうだ。

　だが、問題なのはここからだ。あいかわらず魔法障壁だけでは、彼女たちの怒涛のドレイン攻撃を防ぐことはできない。触れているというだけで無条件に生命エネルギーと精力を奪われつづけている。やはり快感攻撃のダメージよりも自動ドレインによる精力の目減りのほうが激しかった。これはどんなに魔力でバリアを張ってもすり抜けて効果を発揮してしまう。このままではすべて吸い尽くされてしまうのも時間の問題だ。なんとかしなければ…

　後ろに張りついて豊かな胸を僕の背中にこすりつづけていたスペースバンパイアが、妖しい笑みを浮かべながら正面に移動してきた。その好色な視線は赤く染まっており、しかし魅了攻撃ではなく、視線の先はもっぱら僕の股間に釘付けだった。この表情は…まずい…

　彼女は足を開いて腰を突き出した。左右の２人がペニスを上に向け、照準を合わせている。このまま立位に持ち込むつもりだ。キスだけで強烈な吸引になるのだから、挿入時には計り知れない精気が吸われてしまうだろう。ドレインを防げていない状態でこれはまずい。たとえペニスをコーティングしてオンナの感触によるダメージを半減させたとしても、精力が吸われたのでは意味がない。絶頂まであっという間だろう。

　何か手はないのか…！　魔力とは違う超能力で有無を言わさず精気を奪い取っていく宇宙の化け物。口腔や膣のような湿ったところで十全な効果を発揮するほか、しっとり感を残す肌全体からも吸い取ることができる。その感触と魅力には抗えず、しかも目が合えば魅了までされてしまう。なんて恐ろしいモンスターと戦っているのだろうと、いまさらながらに戦慄を禁じえない。

　魔法ではどうしても防げない。精力と生命力をものすごい勢いでドレインされてしまうだろう。何とか脱出しようと抗うも、左右の２人ががっしり僕の腰を捕えて離さず、もはや挿入は避けられない情勢だった。

　敵のドレインは快感を伴う。鈍く重い安堵感をもたらし、体の奥から徐々にくすぐったさがこみ上げる。間違いなく精力を奪われている。そしてそれは、精力が生命力として吸い取られることを意味し、ほどなくして吸われた男はミイラになってしまうんだ。もはやペニス先端にオンナ表面がくっついた。ほんの少し彼女が体重をかければ、あっさりと肉棒はオンナのなかにはめ込まれてしまうだろう。もう時間がない。

　まてよ…生命力を…精気を…吸い取ることでこいつらは生き長らえてるんだよな。ドレインの代償がえもいわれぬ天国のような快感だから、エサは魅了されながら黙って吸われるにまかせ、全生命力を枯渇させることになる。宇宙をまたにかけるバンパイアだけあって、効率のいい”食事”方法を確立しているわけだ。

　僕には超能力はないから、これを防ぐことも、逆に奪い返してやることもできはしない。しかし…むしろ積極的に吸い取らせることはできるのではないか。あえて精気を放出して、それを吸わせれば、逆に突破口が見えるかもしれない。そして…そうするかぎりで魔力が役に立つんだ。

　僕は魔力を体内に凝集させ、これを微小な粒子にして全身の細胞にばら撒くイメージで、全身内部に拡散させた。細胞から少しずつ放出させられていた生命エネルギーをその魔力と融合させる。これによって生命エネルギーの粒子は数倍に膨れ上がり、より大きなパワーとなって体外に放出される。そのパワーをスペースバンパイアたちが吸収していく仕組みだ。

　魔力によって増幅されたパワーは僕の生命力そのものではなくなり、いわば擬似生命エネルギーだ。分身の術と同じで、おそらく彼女たちの糧となるようなものではないだろう。しかしパワーであることには変わりがなく、精気との区別がつかない。つまり敵は霞ばかり吸収していることに気づかないままドレインを続け、こっちの吸収量は少なくてすむというわけだ。

　魔力を擬似生命エネルギーに変換し始めたのと同時に、スペースバンパイアの滑らかな膣がペニスに覆い被さった。とたんにドレイン量が跳ね上がり、強烈な股間奥のくすぐったさとともに大量の精気が渦巻き始める。尿道口から放出された青いエネルギーの帯が一旦僕たちの体の外に出て渦巻き、スペースバンパイアたちのパワーと融合してから、彼女たちの体内に取り込まれていく。大音量の轟とともに、青い雷のようなエネルギーの帯がどんどん僕の体から飛び出し、そしてスペースバンパイアたちの体内に吸い込まれていった。

　思ったとおり膣からの吸収力は、肌のそれをはるかにしのぐ。オンナそのものの攻撃力だけではない強い快感が、ペニス全体から全身に向けて広がっていった。立位の女は腰を振りながら僕の唇を奪い、上からも激しく生命エネルギーを吸い取っていくのだった。

　だが、そのエネルギーのほとんどはニセモノだ。魔力をつぎ込んで生命エネルギーを何倍にもして放出しているだけであり、慣れてくるとさらにその倍率を高めることもできた。つまり彼女たちが吸い取っているのはほとんどが僕の魔力によるニセのエネルギーであり、徐々に本体の精気の流出は食い止められていく。

　それにともなって、ペニスから放出される強烈な快感も収まり、もとの締めつける感触だけになった。股間に集中させた大量の魔力から飛び出したニセエネルギーに置き換えられたため、股間からほとんど精気が流出することがなくなったのだ。

　もしこうやってドレインをごまかすことができず、かつ魔力でコーティングもしていなかったとしたら、オンナの甘美な感触をダイレクトに受けて大ダメージをこうむり、しかも強烈なドレインですぐに我を忘れて悶絶していただろう。それほどまでに彼女たちの名器は強力だったし、そこからの吸収も苛烈を極めていた。二重の快感攻撃にきっと耐え切れなかった。

　いまは魔力のコーティングで数ミリのゴムが覆っているのと同じだし、そこからの吸収はほとんどなくなっている（表面上はものすごい勢いでエネルギーが放出されているけど、ニセモノ）。呼吸に合わせて艶かしく蠕動しながら、巧みでいやらしい腰の動きでしごきまくるスペースバンパイアのオンナは、ドレインなしでも十分強力だった。しかしペニスへの圧迫はコーティングの反発で抑えられているし、ヒダの感触やしごく動きも防壁によってクッションがなされている。ダメージは少ない。その上魔力をうまく使ってドレインを無効化できた。もちろんキスからの吸収もさせない。

　スペースバンパイアたちは魔法に疎いから、こちらの生命エネルギーがこの肉体の精気とは違う、摂取してもカロリーにならない霞であることにも気づかないで、擬似生命エネルギーをばかり喜んで吸収しつづけている。これで僕の体は衰えず、ミイラになる心配はなくなった。快感も激減し、精力もほとんど減らなくなった。ここで気付かれる前に反撃だ。

　僕は正面のスペースバンパイアを押し倒し、正常位で大きく腰を振った。ペニス先端から大量のニセエネルギーを放出して、スペースバンパイアたちに過剰に吸わせてやる。すると彼女たちは身震いして、オンナからドレインローションが大量に滴り落ちるのだった。精気吸収は敵の回復となる。だがそれは本物の精気を吸収したときだけだ。僕の魔力は女体の快感神経を刺激するオマケつき。みずから吸い込んだ快楽エネルギーで、彼女たちの体細胞すべての神経が快感に染め上げられているのだ。

　もちろん正常位で責められているスペースバンパイアのダメージが一番大きかった。男のほうが従順にならずに積極的に愛してくれるという突然の展開に、彼女たちは戸惑っている様子だった。全身に受ける魔法エネルギーが女体すべての性感を締め上げ、その上でペニスがオンナの敏感のところをすべてかき回しながら容赦なく責めたてているのだ。敵精力の激減は目に見えて明らかだった。

　敵が濡れればそれだけ水分が多くなり、ドレインパワーがアップする。が、こっちはその分魔力から作り出したニセエネルギーを増やして食らわしてやればいい話だ。

　別のスペースバンパイアが僕の背中に乗っかってきた。上下逆向きで、背中に女体の感触を刻みつけつつ両手で僕の臀部を掻き分け、はげしく動くアナルに舌を這わせた。僕のお尻に顎を乗せれば、こちらの動きに関係なくくにゅくにゅと舌を僕のお尻の穴に捻じ込みつづけることができた。３人目は僕の玉袋や会陰を両手でくすぐりつづけた。

　通常ならこの上下サンドイッチ＋玉袋攻撃に悶え果てていただろうけど、直接的な快感攻撃は股間コーティングで防いである。この程度の攻撃なら、百戦錬磨の僕の精力を決定的に奪うことはできない。僕はお構いなしに正常位でスペースバンパイアを責めつづけた。

　ほどなくして、僕の下で悶絶していたスペースバンパイアが絶頂を迎えた。何か変化するでもなく、そのままルールどおり彼女は消えていった。すかさず体を上に向け、くすぐったいアナル攻撃をしていたスペースバンパイアのオンナを、舌と両手で責めまくる。彼女はスリスリと玉袋をなでさすりながら、一心不乱にぷるぷる唇でペニスをしごきまくった。

　もちろんこっちのダメージは小さい。まだまだこちらに分があった。もう一人のスペースバンパイアが背中に張りついて首筋に吸いついてきたが、このサンドイッチにもめげなかった。精力は半分を切っていたが、まだ戦える。毛の生えていないツルツルのオンナを、表面から内部まで、感じやすいところを同時にすべて満遍なくかわいがってやる。しばらくして２人目もシックスナイン攻撃及ばず、絶頂を迎えて消えていった。

　最後の１人が僕から離れて立ち上がった。これほどに精気を吸収してもやせ衰えることなく、一向に消耗しない僕に不信を抱いたのか、あるいはこれほどに精気を吸収して回復しているはずなのに、一向に回復しないで、それどころか自分の精力がどんどん目減りしていることに疑問を抱いたのか、彼女は容易に攻撃してこず、警戒して立ち尽くしていた。

　ギン！　「あっ…！！」しまった、油断した！　僕は彼女と目を合わせてしまった。これまですんでのところで目をそらしたり、目を閉じたりして、その目を見ようとはしなかった…とくに魅了攻撃の時には絶対に。魅了攻撃に嵌ってしまったらそのままフラフラと吸い寄せられ、とことんまで吸い尽くされてしまうからだ。

　体が動かない。不思議な力が僕の心の奥底を捕えてしまった。あらためてその美しい顔立ちやきめの細かい肌の質感、スタイルや乳房に見とれてしまう。脳が直接犯されているみたいに、彼女の魅力のとりこになってしまった。

　「はあ…はあ…お前は…一体何者なのだ！？　ここまで吸われても平気でいるなんて…一体何をしたのだ。」「…秘密だよ。」「おの…れ…」スペースバンパイアがフラフラと近づいてくる。僕はあぐらをかいて座ったまま身動きが取れず、期待感が高まった。「何をしているのかは知らぬが…ズルをしているだろう？　正直に答えろ。」「…ズルを…してます…」

　もはや相手の命令には逆らえなくなってしまっている。正直に答えるしかないか。「それなら、その仕掛けを外せ。黙っておとなしく吸われるのだ。」「はい…」自分の意志とは関係なく口が勝手に答え、そして魔力が消滅した。コーティングもなくなったし、ドレイン対策のニセエネルギーも出せなくなった。これで吸われれば本物の精気が奪われることになる。かなりのピンチだ。

　スペースバンパイアは僕にまたがり、座位で結合した。そのとたんに強力な青いエネルギーが僕たちを覆って、スペースバンパイアを回復させ始めた。今度は擬似エネルギーではない。オンナがグニグニと蠢き、ダイレクトにペニスを悦ばせている。密着した肌触りも心地よいし、股間の奥からお尻にかけてきゅんと強い疼きが全身に向けて広がっていった。僕の首を抱き締めるスペースバンパイアのスベスベの腕に我を忘れそうになる。

　スペースバンパイアは腰をランダムにグラインドさせ、僕の精力を徹底的に削り取って行った。僕は体の力が抜けてしまっており、快感を受身で味わいつづけるしかない。コーティングで味わえなかった蠢く小さなヒダが、今度はペニス表面全体に絡みついていやらしくしごき上げていく。強い圧迫がペニスの快感神経をこれでもかと苛んだ。

　「あ…ああ…っ、もう…」突然スペースバンパイアがのけぞった。後ろに手をついて数回はげしく腰を前後させたかと思うと、彼女はイッてしまった。そのときのはげしいしごきと蠕動、ぶるぶる震える振動によって僕は一気に高められ、彼女の膣に精液を放出してしまった。これまで溜め込んでいた快感の体液が一度にすべて排出され、脈打ちとともに強い快感が全身を突き抜ける。その瞬間何も考えられなくなった。

　脈打ちが終わる頃には、スペースバンパイアは消えてしまった。それまで送り込みつづけた擬似エネルギーが彼女の体内をも犯し、全身の性感神経が満遍なく刺激されつづけていたので、結合時のドレインによる回復でさえ間に合わず、あと少しで僕をイかせることができた直前で果ててしまったのだった。

　危ないところだった。半分をきっていたとはいえまだ相当残っていた精力も、ガードもニセエネルギーもなしにスペースバンパイアと結合したとたん、あっという間に追いつめられてしまったのだ。直接ズルなしで戦った場合、まず勝ち目がないということだ。スペースバンパイアがイってドレインが止まったあとの絶頂だったから、精液が出た。ドレイン中だったらきっと射精もできずにイキつづけていただろう。本当に恐ろしい相手だった。

　それにしても…。戦闘中にもし射精したとしたら、やっぱりとてつもなく気持ちいいものだな。膣内になまで射精したとき、我慢にガマンを重ねていたものが一気に噴き出す。そのとき尿道を通る強烈な快感は、何もかもを忘れてしまえるほど甘美である。あんな多幸感はめったに味わえない。それだけに、負けたあとはきっと、この多幸感だけに包まれるのだから、天国の中の天国といえるのだろう。すんでのところで勝ったとはいえ、中出ししたときの心地よさはえもいわれない。しばらく余韻に浸れるほどだ。それも、スペースバンパイアほどの魔性のオンナならなおさらだろう。

　一瞬、負けてみたい気もしてきた。が、すぐに気を取り直した。そういう快楽こそが、｢ないと・めあ｣の誘惑の正体なのだ。ここで負けるわけにはいかない。快感の誘惑を跳ね除けて、自分の活路を開くんだ。僕は気を引き締め、奥の扉に手をかけた。自動ドアはスペースバンパイアの縛りもなく開いた。メカニックな通路がその先に広がっていた。

　実力だけでスペースバンパイアが倒せるようになるほど強くなれるかどうか、自信はない。やはりしばらくは、魔法で擬似エネルギーを食らわせてやり過ごすしかないだろう。それでも今よりもずっとレベルを上げて、やはりあの魔性のブライドを倒せるようにはなっておきたい。これ以上にはまぐれは出ないだろうから。あとは、魅了されないように気をつけないといけない。いまのレベルでは彼女たちの魅了の視線にはかなわないからな。

　とにかく精進あるのみだ。頑張ろう。僕は決意を新たに先に進んでいくのだった。

（スペースバンパイア１　クリア）

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