キョンシー2−1


 異質な通路を歩きまわる。何が異質かというと、通路がコロコロ変わるのだ。

 僕はたしかに古城ステージをさまよい、ヴァンパイアをはじめとして、数多くのアンデッドモンスターたちと戦い、勝ち進んできていた。が、途中で宇宙から来た侵略者、スペースバンパイアが登場することになる。スペースバンパイアが登場してからというもの、通路はずっと近未来的な場所である。

 古城の中は複雑な構造になっており、2階3階へあがったり降りたりしながら進まなくてはいけない。そして徐々に城の中心部へと向かっていくのだ。

 中心に近づくにつれて、古めかしい石造りの壁が一変し、メカあふれる銀色の無機質な通路に変わった。そこから強力なスペースバンパイアが出現するようになる。上に行っても迷路のような金属通路は変わらなかった。

 しかしながら、地下に降りると、元の薄暗く廃墟のような石の通路に戻る。そして、淫気あふれるブライドが待ち構えているのである。バンパイアとキョンシーはところかまわず出現するが、ブライドは地下に出ることが多く、スペースバンパイアは近未来通路に出現することが多い。

 背景がコロコロ変わるギャップにとまどいながらも、僕はどうにか、ブライドを普通に倒せるところまでレベルアップしていた。初期にあれほど苦労していた妖しい色気も肉体の感触も、耐性というか、受けるダメージも少なくなっているし、魅了されて我を忘れる確率も減少した。

 相変わらず苦戦は強いられているものの、ギリギリで勝つということはなくなり、ある程度の余裕をもって戦えるようにはなっている。もちろん、連続でブライドと戦える余裕まではないし、複数出てきたら完全にアウトだが。一定のレベルは上がっているということだ。

 メカニックな通路と古めかしい石室が入り混じったステージで、僕はアンデッドモンスターたちと戦いながら、今のところ射精せずに済んでいる。強さの関係ははっきりとはつかめていないが、だいたい敵のバリエーションも出つくした感じだ。あとは人数が増えていくという感じだろう。

 だいぶ中心にも近づきてきた。もう少しでこのステージの最中心部にたどり着ける。そこで待ち構えているプチボスを倒せば、いよいよこのステージもクリアだ。長い道のりだった。

 自動扉を潜り抜けると、また古めかしい通路に戻った。自分の精力を確認してから、ずんずん先へ進む。

 「!」通路の真ん中が大きく広がっており、廊下が深くくぼんでいる。というより、四角く穴があけられているんだ。掘りごたつのようになっていて、そこになみなみと液体が満たされていた。湯気が立っているから、お湯か何かだろう。つまり風呂が目の前に広がっているのだ。

 普通の浴槽のように風呂釜があるのではなく、温泉宿の要領で掘られた浴場だった。

 怪しい。

 こういうのは絶対何かある。気軽に入浴というわけにはいかない。…といっても、飛び越えて進むにはちと広すぎるな。通路いっぱいに広がっているから、よけて通ることもできなさそうだ。

 別の通路と言っても、ここは一本道、おそらく迂回して先に進むことはできないだろう。風呂のお湯をつま先で触ってみる。とたんにつま先がにゅるにゅるになった。やはりな。こんなところに突然出てくる浴槽だ、ただのお湯のはずがなかった。ますますこれに浸かって先に進むことはできない。もっとも、これまで幾度となくローションプレイはこなしてきたから、全身がぬるぬるになったからといってそれだけで致命的というわけではない。それに、このローションには催淫効果はないようだ。

 問題は、ここで出てくる敵だ。ローションまみれになった上でブライドと戦うことになったら、今度こそ勝てる見込みはない。こちらの弱体化がなくても、これ以上に敵が強化されてはたまらないのだ。しかも場所が場所だけに、複数の敵が必ず出てくるはずだ。安易に突っ込むのは危険すぎる。

 こうなったら、多少の魔力の消費を覚悟しても、空を飛んで浴槽を避けるしかないか。敵が潜んでいる可能性もあるから、注意深く速やかに通り抜けなければ。

 ざばあ!

 とつぜん、浴槽から3人の女が立ち上がった。「ちっ。やはり隠れてやがったか。」浴槽に入らなくて本当に良かった。

 「こっちにおいでよ。」「気持いいよ!」「クスクス…」バンパイアのような薄暗い雰囲気もないし、ブライドのような妖しさもない。この3人の持ち前の明るさと体育会系のノリは、まちがいない、キョンシーだ。

 ローションで光った乳房は、これまで戦ってきたキョンシーたちをはるかにしのぐ巨乳ぶりだった。キョンシーは、男の精を吸って強くなればなるほど、乳房が膨らむ。だからオッパイの大きさでキョンシーのレベルを測ることができる。つまり、浴槽に隠れていたキョンシーたちは超強力版ということだ。

 形のいい乳房がツンと上を向いて僕を誘っている。ウエストはくびれ、腰から下は浴槽の中でよく見えない。若々しい肌に長い黒髪、女性らしい丸みを帯びた体つき、大きな瞳と整った顔立ち、髪の先につけた小さな鈴。ただ胸が大きいだけでなく、スタイルも相当いい美少女ぞろいだった。

 今まで戦ったことのないレベルのキョンシーが、しかも3人が相手だ。なおさらローションまみれになるわけにはいかないが…相手がすでに浴槽に浸かってしまっている以上、こちらもぬるぬるで戦うことを覚悟しなければならなそうだ。

 といっても、やはり安易に彼女たちの誘いに乗って、一緒にお風呂に入ることは避けておこう。4人入ると狭くなる浴槽で、ローションまみれで、3人に包まれて、強くなりすぎたキョンシーたちと戦うとなれば、やはり無事では済まないだろう。

 どうにかして、彼女たちを浴槽から出し、そのうえでローションを吹き飛ばす工夫が必要だ。そのためにはキョンシーを浴槽から引きずり出した後で風呂を埋め、彼女たちの体を覆うにゅるにゅるまで洗い流す必要がある。

 やはり思念して、大量の土を出して浴槽を埋め、さらに水を出してその体を一気に洗い流す作戦がいいな。そのためにもまずは彼女たちを風呂から出さないと。僕は数歩後ずさりして身構えた。

 「ふうん。あくまで入らないつもりか。」「きっと何か企んでるネ。」「それなら出るしかないヨ。」キョンシーたちも僕を捕まえる算段ができたらしい。彼女たちは一斉に浴槽から上がり、スタイルのいい全身をあらわにした。首から下に毛が生えていないキョンシーのオンナが丸見えになっている。太ももはいい感じに膨らんでいるのに、膝から下はレディの細さを保っている。わずかに丸い感じの顔とのギャップが魅力的だった。

 おっと、見とれてる場合じゃない。ここで土砂を出してローション風呂を埋めてしまおう。

 しかし、僕の思念よりも早く、キョンシーの一人が壁際のスイッチを押した。「ふふん。ここから先はどこまでもにゅるにゅるネ。」「簡単には湯船に入ってこないことも予測済み。」「この浴槽はただのフェイクよ。」

 ゴゴゴ…!

 見る見るうちに浴槽から水が減っていく。お湯を抜いているのか。「水源が移動したネ。もう逃げられない。」空になった浴槽は大きなくぼみになっている。そこへ僕が思念した土砂が降り注ぎ、あっという間に平らになってしまった。

 ごぼごぼごぼ…ゴポゴポゴポ…どこからか水の音がする。いや、上の方からだった。天井にパイプでも通じているのか。何をするつもりなのだろう。

 とにかく、キョンシーたちを洗い流さなければ。大量の鉄砲水をぶつければいいか。敵は強力なキョンシー、その程度で吹き飛ばされはしない。が、ローションを一瞬で吹き飛ばすには十分だ。

 ざああああっ! 「なっ!?」

 突然雨が降り出した。ばかな、ここは屋内、古城ステージだぞ!?

 「これでローション浴槽とおなじネ。」見ると、天井の岩が見えないほど水蒸気が固まっている。そこからひっきりなしに雨が降っているのだ。しかもその雨はただの水ではない。暖められたローションの雨だ。

 僕の頭上だけにできている雲から、しとしとと雨が降り続く。初めの一瞬だけどしゃぶりだったが、あとは小雨になった。だが、霧のようにまとわりつく水滴は、僕の体に付着すると、すでに付着していた水滴と混ざって大粒になり、全身をローションまみれにしていくのだった。

 僕は後ろに飛びのいた。しかし雲は瞬時にして僕の頭上に移動し、雨を降らせ続ける。「逃げても無駄ね。その雲はどこまでも追ってくるよ。」「傘をさしてもその傘から雨が降る。」「その体だけにローションをたっぷりしみ込ませれば、女の体に降らせる必要はないヨ。肌を合わせればお互いににゅるにゅるね。」

 くっそ、そういうことか。さっきの浴槽はあくまで水源。それがすべて干上がった代わりに、ひっきりなしに僕の頭上にローションの雨を降らせるようにしたのか。もちろん降り終わって床に落ちたローションは再び集められ、僕に降り注ぐ。男の体をローションまみれにするには浴槽一杯分の液体があれば十分だ。戦うごとに常に相手も僕からローションをもらってもち肌になる。その結果、ここから先は必ずローションバトルになる。

 せめてもの救いは、そこに催淫剤が含まれていなかったことだろう。

 しかし、もし先のステージで強力な敵と戦う時に、またローションの雨のトラップが発動すれば、今度は催淫などのいろいろな効果が付け加わるに違いない。これを教訓に気をつけなければ…といっても、傘も何も効果がないなら、どうしようもないのかな。とにかくいずれ強力なローションレインがお見舞いされるはずだから、そのための対策も考えておかないとな。

 とにかく、今はこのキョンシー三人をどうにかして倒すことが最優先課題だ。これまでにない巨乳ぶりで、妖力は並大抵ではない。実力的にはブライドをもしのぎかねない。そんな相手が3人もいるうえ、僕の方がローションまみれなのだ。かつてない苦戦を強いられるぞ。

 「さあ始めるよろし!」キョンシーたちが一斉に飛びかかってくる。まずはよけて主導権を握らないと勝てないぞ。僕はさっと身を引いて彼女たちの攻撃を避けた。

 強い快感が股間に集中した。「!?」しなやかなキョンシーの手がペニスを高速でしごいていた。い、いつのまに…

 次の瞬間、ペニスを包んでいたしなやかな手は突然お尻に変わった。やわらかい肉が僕の腰回りを包んでいて、ぐりぐり蠢いている。ペニスは突然の尻ズリ攻撃にあえぐしかなかった。

 するとまた細長い指先が亀頭をもてあそぶ。かと思うと整った丸顔がペニスを咥えてものすごいスピードでフェラチオされる。

 僕はさらに後ずさりしてキョンシーたちの攻撃から脱出した。

 しかし次の瞬間には、ペニスは立位でキョンシーに犯されているのだ。彼女は数回腰を前後させると、ふっと消えてしまった。そして後ろから両手でペニスが掴まれ、激しくしごきたてられる。

 3人のキョンシーたちは連携して、しなやかな体を駆使して僕を犯し続けた。キョンシーは体術の達人。ふたりがかりでペニスをオンナで挟み込んでしごきあげながらお尻の穴をまさぐられる。次の瞬間体勢が変わり、逆立ちでフェラチオしながら別の一人がお尻の穴をなめる。

 次から次へと、連携プレイがくり出された。よけたはずなのに次の瞬間にはキョンシーたちがはりついていて、男の敏感な部分が徹底的に責めたてられる。手や口やオンナがかわるがわるペニスを犯し、乳首やアナルなど他の感じやすいところもしっかり補助攻撃される。

 つまり、彼女たちの連携体術は、もはや達人の域さえも超え、僕の目がついていけないスピードで、交代で一方的に僕を悦ばせているのだ。よけようとも反撃しようとも、こちらの攻撃も回避も一切通用しない。アクロバットな体術やスピーディなしごきが股間に集中するばかりだ。

 これが超強力版のキョンシーたちの体術か。全くついていけないぞ。それでいて反撃されたり捕まったりしないように、わずかに責めては離れて別のキョンシーと交代する戦法をとっている。

 ジャブのきいた連携体術に、僕の精力はみるみる減っていった。バリエーション豊かな攻撃をひっきりなしに受け、常に新鮮な快感が股間に広がっているためだ。そのうえローションのヌルヌルが、彼女たちの攻撃力を高めてしまっている。

 このままでは立ったままキョンシーたちに抜かれてしまうぞ。目にもとまらぬスピードでひっきりなしにペニスを責める巨乳キョンシーに対抗するには、一体どうしたらいいんだろう。

 ぱっとキョンシーたちが僕の目の前に現れた。見えないほどのスピードでさっきまで僕を犯し続け移動し続けていた彼女たちが、動きを止めて、得意な目で僕を見つめている。

 「さあどうね。」「ついてこれないか?」「そのまま立ち尽くして感じるよろし。すぐに出させてやるね。」「くそ…」

 並のキョンシー相手でさえ、格闘技や体術では全くかなわない。それが超強力版では、姿さえ見えなくなるとは。実力の差は明らかだった。生身の僕ではおそらく対処できないだろう。なんとかして彼女たちを捕まえて、ゆっくりねっとりした動きで責めたてる作戦が有効そうだな。スピードで責めてくるということは、じっくり攻撃されると案外弱い可能性がある。

 さもなくば、魔法を駆使して対抗するか。いや…魔法は何らかの形で使う必要がありそうだ。敵を捕まえるためにバインド系を使うか。それともこちらのスピードや耐久力をあげて、強化して戦うのがいいか。

 またキョンシーたちの姿が消えた。とたんに股間に激しい快感が突き抜ける。見ると、ペニス周辺だけ手の甲から指先が見えている。6つの手先はものすごいスピードで股間のあちこちを撫でさすり、くすぐり、しごきあげている。6本の手がペニスと周辺に集中してやがるんだ。超スピードの百烈愛撫が股間に集中している感じだ。

 とにかくこのままではまずい、反撃しなければ。実力でかなわないのだから魔法に頼るしない。

−選択肢−
キョンシー2―2 バインド系で敵を捕まえる
キョンシー2―3 スピードアップで敵に対抗する
キョンシー2―4 防御力を上げて敵に対抗する


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