今度生む1


 歩いていると扉があった。僕は扉をそっと開け、中を覗き込んでみた。中は小部屋になっている。薄暗いけど、何とか視界も開けている。敵の姿はなかった。

 安心して小部屋に入った。部屋の中心に小さな宝箱がある。鍵はかかっていないみたいだ。

 恐る恐る開けてみた。フェアリー・ミミックではなかった。宝箱の中には、コンドームが入っていた。すぐ側に取扱説明書がある。

 「カーシドコンドーム:装着すると、硬質化してぴったりフィットします。硬さは天下一品!それでいて攻撃力バツグン!バイブ機能付です♪」

 そうそう、鉄のコンドームとかダイヤのコンドームというのは、装着前は厚いゴムのような素材でできているんだけど、装着して引き伸ばすと、硬質化し、鉄と同じ硬さになるのが鉄のコンドーム、ダイヤの強度を誇るのがダイヤコンドームになる。攻撃力も防御力も上がるスグレモノだ。僕はまだこういう特殊コンドームを手に入れてはいなかった。今装着しているのは強化ゴムのコンドーム。鉄の方が防具として上だし、このカーシドコンドームは「天下一品」らしい。しかもバイブ機能付とある。という事は挿入攻撃の時にバイブするって事か。これはかなり期待できそうだ。

 僕は強力な防具を手に入れてウキウキして来た。早速装着してみようかな?それとも様子を見てみるか?

 (ここで装着しないを選択した場合、終了となります。)

 早速装着してみよう。僕は強化ゴムのコンドームを脱ぎ、カーシドコンドームを装着した。もっと英語を勉強しとくべきだった。

 コンドームはペニスによって引き伸ばされ、段々硬くなって来た。爪で弾いてみると金属音がする。相当硬いんじゃないかな。これなら敵のオンナの攻撃に晒されてもダメージは少ないだろう。しかもバイブ機能付で絶大な攻撃力も手に入れた。筈だった。

 「!」僕はペニスの異変に驚いた!コンドームが勝手に動いてる!?

 コンドームは一回り大きく膨らんだ。握り拳位の太さになってしまった。おいおい、これじゃ特別な相手じゃなきゃ挿入できないじゃんか。フィストファックしろってのか?

 これじゃあ使い物にならん。これを武器にする事を断念して、カーシドコンドームを脱ごうとした。

 「あ、アレ?」

 コンドームが取れない!説明書にあった通りぴったりフィットしている。ぴったり過ぎて、いくらがんばってもコンドームががっちりペニスに張り付いて取る事ができなかった。まるで呪いの仮面が顔面の肉と一体化するように、コンドームとペニスが一体化しているようだった。

 呪い?あ!カーシド!cursed!「呪われた」という意味だ!しまった、これは呪いのコンドームだ!全然取る事ができない!この小部屋はトラップだった!

 「!!!」あせっている僕に衝撃が走った!呪いのコンドームが変質した!外側は依然として硬いままだったけれども、内側、ペニスに触れている方は、ぐにゃりとした感触になった!またコンドームから粘液も出て来ている!拳程の大きさだったペニス部分はさらに膨らみ、CD位の太さになった。

 もうコンドームとは言えない程肥大化したソレは、オンナと同じ、あるいはそれ以上に上質の感触に変化した。まるでオンナだけが僕のペニスに張り付いて取れないみたいだ!

 「うあ!」CD位の太さのコンドームは、キュッとこぶし位の大きさに収縮した!すると内側の生暖かくて柔らかいヌメヌメした物質がペニスを締め付ける。コンドームは膨張収縮を繰り返して、また内部がウネウネと上下左右に蠕動し、僕のペニスをむさぼり始めた!

 「く、くそ、離れろ!」僕は力一杯コンドームを引き離そうとしたが、呪いグッズがそう簡単に取れる訳がない。

 「あ、あひいい!」オンナのような動きに加えて、バイブ攻撃が加わり、さらにペニスを弄び始めた!僕は悶え、脱力し、立っていられなくなった!がくっとヒザを落とし、そのまま横に倒れた。コンドームは僕のペニスに吸い付き、締め付け、振動させ、こねくり回している!

 説明書にあった通りだ。装着すると硬質化してぴったりフィット(取れない)!攻撃力バツグン(僕に対して)!バイブ機能付♪

 僕は悶絶しながら、何とかコンドームを引き剥がそうと、ペニス部分を掴み、コンドームの動きを制御しようとした。しかし硬く力強く蠕動する三段締めコンドームの動きを、僕はどうする事もできなかった。

 呪いを解かなくてはダメなんだ。多分、どこかに解呪をする店か何かがあると思う。そこを探して外して貰わなくては!という事は、外に出て敵の女性達と戦いながら、呪いのコンドームの精力削りにも耐えながら、どこにあるかも分からない解呪屋を探すという事か。しかもこのコンドームのペニスへの集中攻撃はかなり強烈だ。まともに歩く事はおろか立っている事もままならない!

 とにかくここにいても始まらない。探しに出るしかないだろう。

 僕は小部屋の扉を押した。だが、扉はびくともしなかった。しまった、僕はこの小部屋に閉じ込められてしまったんだ!小部屋に僕を捕まえて置いて、この呪いのコンドームで射精させるというトラップだったんだ!

 何かこのピンチを切り抜ける方法はないのか!コンドーム、コンドーム、今度生む…

 やはり、なんらかの方法でこのコンドームをイかせる事しか、切り抜ける方法はないのだろうか。しかし、ペニスは完全に捕らえられているし、僕が触れる所といったら硬質化した外側だけだ。第一愛撫攻撃といってもコンドームの化け物のどこを愛撫したらいいってんだ?

 「うわあああああ!!!」

 硬質化した表面から、柔らかい素材でできた触手が一気に噴出した!僕はそのおぞましさに一瞬心臓が止まる思いだった。触手は5ミリ位の太さ。真っ白で、よく見ると、先端は女の手の様になっている。短く伸びる触手、長く伸びる触手があった。沢山の触手はウネウネと蠢きながら僕の体に群がって来た!ある触手は僕の乳首に、首周りに、耳たぶに。また沢山の触手が玉袋とお尻の穴に伸び、性感帯を責め始める!

 足に絡み付く沢山の触手も、実際に女性の足が触れているかのような感触に演出されている。体中に触手が這い回る。気色悪い思いはすぐに快感に変わった!

 一体どうすればいいんだ!この呪いのコンドームを倒してピンチを脱出するには…

−選択肢−
今度産む2 コンドームごとしごき立てる
今度産む3 自分で解呪を試みる


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