えろいぞん 3
「あふ…」興奮が最高潮に達し、ペニスの勃起もこれ以上ないくらいにはちきれ、ヒクヒクと小さく蠢いている。股間の奥のくすぐったさ、性欲のたぎりも、自分でもどうしようもないくらいに高まってしまっていて、このまま気持ちよくなってしまいたいという欲動に負けそうになる。
しっかりしなければ。この誘惑に負けて自分からブラックホールに飛び込んでしまったら、一巻の終わりだ!
そう思って全身もがいてみせるものの、もはや手足を女手で拘束されてしまっていて、大人の力にも敵うはずがなく、どうしても脱出することができない。
「くすくす…」「あああっ!」
目の前の床から、女性の上半身がにょきっと生えてきた。凄艶な笑みを浮かべ、髪にウェーブのかかった、とても色っぽいお姉さんだった。おっぱいもしっかりふくらみ、大人の色香を100%醸し出している。甘い匂いが鼻腔をくすぐった。
お姉さんの頭は丁度自分の股間に留まっている。上半身だけが床から飛び出してる格好だからだ。
「いい子にしててね…」お姉さんは両手でパンツをズリ降ろした。内股になって脱がされないよう抵抗したが無駄だった。ブリーフ型の宇宙服が外されてしまえば、全身のコーティングも途切れてしまう。すると、女体のなまめかしい淫気がさらに強くなったように感じ、くすぐったい心地よさがダイレクトに全身に染みこんでくる。
「くすっ…コドモだね…」「毛も生えていない…小さくてかわいい…おいしそう♪」「皮もしっかり被っている…ビンカンなんだね。かわいがり甲斐があるわ…」
お姉さんたちの視線が股間一点に集中する。羞恥と快楽が入り混じった奇妙な興奮が、さらにビクンとペニスを跳ね上がらせた。それほど隆起しているにもかかわらず、やはり大人の男性に比べれば、ペニスは肌色のまま皮も亀頭をくるんだまま、小さくぴょこんと跳ねている状態なのだろう。
「ああっ! やめ…あうっ!!」
お姉さんはいきなり、ペニスを咥え込んできた! あたたかい口腔があっさりとペニスを根本まで丸呑みしてしまう。
すぐにやわらかい舌が蠢き、くちゅくちゅといやらしい音を立てながら、根本も先端も、包皮の奥に隠された敏感な亀頭まで、しっかりと丹念に、そして執拗に舐め回す。「こんなの…初めてでしょう?」「うあああ!」
体をくねらせ快感に抗おうとするが、両手は別の女性に手首から掴まれ、両足首も床から飛び出した女手数本にがっちり掴まれて、身動きがとれない。腰を引いても上半身だけのお姉さんはしつこく身を乗り出してきてペニスを根本から飲み込み、やわらかい口腔と舌全体でペニスをこれでもかと刺激し続けた。
「あふっ!」不意に快感が体の奥からこみ上げた。股間からお尻にかけてくすぐったい心地よさが広がり、きゅーんと強まっていったかと思うと、股間が律動を始めた。
初めて女の人に精液を搾り取られた。
お姉さんの口腔内でペニスがはじけ、濃い白濁液がぶちまけられる。それがすべて彼女の喉の奥へと吸い上げられ、残さず飲み干されてしまった。
心地よい余韻が醒めやらぬうちに、さらなる快楽が押し寄せる。お姉さんは決して口を離すことなく、今度はくっちゅくっちゅと頭部を激しく前後させながら、小さなペニスを根本から先端まで、ぷるんとしたやわらかい唇でしごき上げてきたのだ。
「あああ! だめえ!」さらに腰を引いてしまう。ほとんど反射的な反応だが、それを予測していたのか、女たちはますます手足をがっしり拘束し、後ろにいた美女も女手で全身を撫でさすりながら、お尻を太股で押してきて、ペニスを突き出させるように固定してきたのだ。そこへフェラチオの舌さばきが襲いかかる。不慣れなペニスがいきなり美女の口腔にさらされ、敏感な性感神経が余すところなくかわいがられてしまうのだ。
後ろの女性に腰を突き出させられ、ペニスが根本からお姉さんの唇にさらされた格好になっている。どんなに暴れても、それ以上に強い大人の力で押さえつけられ、とろけるような口の前後運動が執拗に脱力を誘い続ける。
「んふふ…」ペニスを咥え込んだままくぐもった笑いを込めたお姉さんは、左手で小さなお尻を押さえて自分の方に引き寄せ、右手で小さな玉袋を指先でコショコショとくすぐった。そして唇のしごくリズムを高め、スピードを倍近くに跳ね上げてきた。
暴れ狂う舌の動きにペニス全体が舐め回されつつ、小刻みに素早く動く頭部の激しい動きでペニスが翻弄され、出したばかりだというのに激しい快楽が強まったまま止まることなく、快感は射精直前のくすぐったさを保ったままいつ出してもおかしくない状態になっていた。
それでも、すぐに次の射精が始まるわけでなく、直前期の強い快楽が維持されたまま女の舌に股間全体が敏感に反応し続けた。出してしまいさえすれば、一時的にでも快感が収まることは分かっていたが、脈打ちが始まらなければ、いつまでもこの強いくすぐったさは全身を駆けめぐり続けることになる。
「あっあはっはあっううあ…」腰を激しくくねらせながら、なんとかお姉さんの口から逃れようとしたが、彼女はぴったり腰元にはりついてきて、執拗なフェラチオをやめようとはしない。
後ろの美女が両手で乳首をこねくり回してくる。「男の子のココって敏感でしょう?」細くしなやかな指先でこりこりされると、気持ちよさが倍加していく。くっぽくっぽといやらしい音が響き渡り、女たちの息づかいがこだまする。
周囲を見れば、なまめかしい女の体が飛び込んでくる。どこを見ても、オッパイ、生足、お尻、性器が目に飛び込んできて、その視覚刺激が男としての興奮をいやがおうにも高めていく。
これが…これが本来の姿だというのか!
苦痛に満ちあふれた生殖行為は、井笠の説明では、数百年前には快感であって、男女ともにお互いを積極的に求め、快感を共有しあって愛を深めていたのだという。男性の生理機能が急激に変化し、セックスが痛みばかりを伴うようになって、人口は激減した。
淫魔の力を借りれば、快楽を取り戻せるというのが、井笠のもくろみ…いや、その計画に乗じて地球の王者になろうとしたんだ。
信じられなかった。そんな快楽が全身を貫くことも、井笠の説明も。
きっと、淫魔が「本来苦痛の」生殖行為に快楽を与え、本当は痛いはずなのにこれを気持ちいいと錯覚して、積極的に性行為をさせ、気づかないうちに身体に深刻なダメージを与え、やがて死に至るように仕組まれているんだ。
だが、そんな思いさえ、目の前の怒濤の快楽の前に消えてしまいそうだった。
淫気の影響で、男性は何度でも連続して射精ができるようになっている。それは、あのDVDを見て何度も自分で射精させたからよく分かる。
ぎゅうっと彼女の口腔が引き締まったかと思うと、今まで以上に強い吸引がペニスに襲いかかった。ぢゅうう~っと心地よい音が響くとともに、ペニスから精液がほとばしった。声も出なかった。ぶるるっと震え、射精の心地よさに心身ともに浸りきってしまっていた。
お姉さんが口を離し、どんどん盛り上がっていく。腰部分が出て、脚が伸び、ついにすっかり全身があらわになった。
左右の美女も後ろの女性も手を離してくれた。
「うああ!」
このまま快楽にさらされ続ければ頭がおかしくなってしまう。とっさにその場を逃れ、逃げようと、2,3歩走り出した。だが…
「うう…」
視界いっぱいに広がる女たちのパーツの群れに、ついに足を止めてしまう。どこを向いても、ハリのある乳房やお尻、女性器や手足、美しい顔を見る度に、さっきの快楽を思い出し、淫気と相まって股間のくすぐったい疼きに襲われたのだ。
「どうしたの? 逃げてもいいんだよ?」「行く先々で、みんなどこもかしこもきれいなオッパイやお尻に満ちあふれてるけどね。」「行った先でそのパーツで射精するのも気持ちいいかもよ? くすくす…」
全身を出している美女は4人。物をいわぬ女体のパーツの群れは数え切れないくらい、部屋中を埋め尽くしている。床からも天井からも、どの壁からもだ。
近くのイスから生えているふっくらした女の臀部に、つい腰をすりつけて射精してしまいたい衝動に駆られた。すんでの所でその欲動を抑えるが、どこを見ても、どこへ行っても、同じ誘惑に常にさらされ続けている。
目を閉じて見ないようにすれば、すかさず4人の美女に襲いかかられ、再び組み伏せられてしまうだろう。女体の群れを前に、快感への欲情を抑えきらなければ、危機を脱することはできない。だが、いったいどうすれば…
「ううっ!」
ついよろけた先に、大きな乳房があり、その弾力にぽよんと弾かれてしまう。そのなまの感触を身に受け、欲情は一気に沸点に達してしまう。
小さなペニスを、ものいわぬ乳房に挟み込んで、自分から腰を振った。やわらかいおっぱいの感触がペニスに襲いかかると、えもいわれぬ弾力とみずみずしい肌触りに、とろける股間の心地よさが加わって、恍惚の表情を浮かべてしまう。
自分から腰を振ってペニスを乳房でしごきたてると、程なくしてまたもや精液が飛び出してしまった。
「くすくす…」女たちが近づいてくる。完全に彼女たちの軍門に下ってしまったと思った。
「ん…」美女の一人が唇を重ねてくる。思わず目を閉じ、そのやわらかい唇の感触に酔いしれた。舌が絡み合い、唾液が混ざり合う。これほどまでにとろけるキスを味わったのも初めてだった。
膝ががくがく震える。相手は大人の女性。見下ろされるようなキスにとろけ、立っていられなくなる。
そこへ3人の美女がサポートに入り、軍門に下った自分を横に優しく寝かせてくれた。
しかし、優しかったのはそこまでだった。
「むぐう! むぐうう~~っ!」キスが苛烈を極めている中で、突然、全身に強烈な快楽が一気に押し寄せたのだ。
両手で頭部をがっしり押さえられ、キスからさえも逃れられない。目を閉じればなにも見えず、目を開けても美しい女性の凄艶な顔が間近にあるばかりで、様子は分からない。が、自分が今なにをされているのかは、感覚的にも理解できた。
誰かが両乳首をねぶっている。11歳の小さな乳首は、女のやわらかい舌先で執拗にこねくり回され、上下左右に大きくうごめいてしまっている。もう片方の乳首もしなやかな指先で同じようにくすぐられ、つままれ、やさしくいやらしい動きで翻弄する。
上半身はキスのレディと乳首レディに執拗に責められ、快楽一色に染め上げられた。
お尻の穴に白魚のような指がねじ込まれている。体の中からじわりとこみ上げるような快楽が駆けめぐり、その指先がぐりぐりと出し入れされながら、指先が前立腺をこねくり回すと、まるで精液が出ていないのに指で律動させられているような、絶頂時に近い気持ちよさが強制的に送り込まれるのだ。
アナルをかき回す女は、もう片方の手で玉袋を責めることにも余念がない。くすぐり、撫でさすり、揉みしだいてくる。
そして…ペニスは、これまでに味わったことのない甘美すぎる感覚に包まれていた。
直接見て確認することはできない。だが、手でしごくでもなく、口に含まれるでもなく、おっぱいやお尻の肌触りともまったく違っていた。
熱くて、狭くて、ぎゅうぎゅう締め付けて…とろとろしていて、ペニスを優しく包み込みながら潰してしまいそうなくらいに圧迫しているのだ!
それが、女性器の感触であることは直感していた。それと同時に、あふれんばかりの精液が膣内に降り注がれるのを感じた。
背中にも柔らかい感触が包み込んでくれている。床から張り出した乳房やお尻やお腹や生足が背中に密着しているんだ。
女の膣は執拗にペニスをしごきたてる。ヒダの名器がペニスを甘美にしごき上げ、出したばかりのペニスをこれでもかと快楽にさらし続ける。上半身もアナルも玉袋も唇さえも、4人がかりで執拗に刺激され、かわいがられ続ける。
なにも考えられなくなった。
ただ、律動を続ける。いくらでも射精できるようになったペニスは、いつまでも脈打ち続け、イク快感を全身に伝えていった。
乳首をねぶられ、全身を撫でさすられ、アナルを犯され、玉袋をくすぐられ、本番挿入を騎乗位で離れることなくひっきりなしにしごき続ける。射精しようとするまいとお構いなしに、11歳の不慣れな肉体は、熟練した大人の妖艶な美女たちによってたかって弄ばれ続けている。そのうち、律動が止まらなくなった。
別の美女が跨り、ペニスを膣内に咥え込むと、さっきの女性とはまた違った極上の味わいに包み込まれる。激しい上下運動で、射精を止めることを決して許さない。
もはや女たちの動きに身を任せたまま、快楽に頭がしびれ、どうすることもできなかった。
これを続けていれば、ついには精神が崩壊するだろう。そして、ふらふらとブラックホールまで誘導され、自分からそこへ飛び込んでしまうことだろう。
それが分かっているのに、もう、この気持ちよさから脱出することができなくなっていた。
###田中目線###
俺は走った。
目的地は、マツモ・トリセ号の動力室。そして、その先にある秘密の地下通路だ。艦長の見立てでは、その地下通路の奥に、ブラックホールの「吸引」を制御する秘密の装置があるはずだという。
たしかに、ブラックホールは単体で存在し、広い室内に黒い球体で浮かんでいた。そのほかにはなにもなく、近くに制御装置がない。
ブラックホールといっても、本物じゃあない。井笠が言っていた、「不活性反物質」なるものの凝縮体だ。その密度は大変に高く、光さえも逃さないほどのものになっているが、周囲の物質と干渉し合わず、対消滅することがなく、影響も作用もないらしい。その高エネルギー体の微震動が、空間の位相をずらし、ひも振動の別側面へと誘って、重なり合う別空間、別次元へと移動することができるとか。宇宙膜の外側に移動し、瞬時にしてどこへでもワープができる。…淫魔どものいる異世界にさえも。
だが、不活性なら、反物質といえども、いかなる影響力もない。それを自分の都合のよいように影響させるには、プログラムし、制御する装置が必要となる。井笠は教えなかったが、そういう装置がどこかにあって、淫魔界へと座標を合わせたり、緩い吸引を続けさせたりする機能があるのだ。
七星号からのスキャンで、動力室から通じる地下に奇妙な空間があることが分かった。それが通路のようになっていることから、そこに秘密の装置があるに違いないと艦長は判断したのだ。それはたぶん正しいと思う。他の場所はメンバーたちがしらみつぶしに探しているんだ。制御装置があるとすれば、秘密の地下通路をおいて他にない。
俺の役割は、その制御装置を見つけ出し、このビームガンで破壊することだ。人体に対する物理攻撃は無効化されているが、自爆装置が使えるということは、物への破壊活動は可能ということだ。破壊したら速やかに七星号に戻り、30分後に脱出することである。
制御装置を破壊するのは、操作できるのが井笠だけだから。操作次第では、たぶんブラックホールを完全停止させることもできるだろうし、淫魔界への通路を塞ぐこともできるだろう。だが、そういう操作ができるのは井笠だけだし、その井笠は完全に敵だ。だからぶっ壊すしかない。
タイムリミットは30分。それまでに戻れなかったら、七星号は切り離され、俺は取り残されてしまう。自爆装置に巻き込まれて爆死するか、ブラックホールに飛び込んで地獄に行くかのどっちかだ。なんとしても、任務を果たして船に戻らなければ。
任務自体はとても簡単だ。動力室に行き、地下通路を抜け、装置を破壊して戻る。5,6分もあれば完了するだろう。何事もなければ、な。
だが、艦長はあえてタイムリミットを30分に設定した。それ以上短い時間では任務の完遂は難しく、長すぎれば全員が淫魔の餌食になってしまう。丁度良い時間が30分なのだ。艦長の判断はやはり、ことごとく正しい。
…それでも。
俺は…この仕事には初めから乗り気じゃあなかったんだ。井笠を同行させて、詳細も伝えられないまま、どうなるか分からない任務に就かされたんだ。艦長には、この任務を拒否する権利もあった。だが、チーム・かねこが絡んでいるために、艦長は引き受けてしまった。
もっと反対しておけばよかったのかも知れない。なにも綾瀬艦長でなくても、俺たちでなくても、よかったんだ。そのせいで…大切な仲間、牧野を失ってしまった。
…いや…
その考えは、今となっては間違いかな。おかげでこんなに危険な目に遭っているし、それがほかのグループだったとしたらと思うとゾッとする。しかも、まんまとブラックホールが地球に送り込まれでもしたら、任務を拒否した俺たちも結局、地獄に堕とされてしまうことになる。
結局…俺たちがやるしかなかったのか。
とにかく、淫魔どもの陰謀、井笠の企みは、なんとしても阻止しないと。地球は淫魔どもの手に落ち、井笠は…地上の王になるとか抜かしてやがる。
綾瀬艦長は偉大だ。俺とさほど年は違わないのに、難しい試練をパスして艦長の資格を得、しかも、自分のチームまで持っている。
佐藤はもっとすごいかも知れないな。11歳の若さで、艦長の資格まで持っている。だが、アイツは俺と同じように綾瀬艦長にゾッコンだ。自分がチームを持つなんて夢にも思わないんだろう。佐藤は間違いなく綾瀬艦長の右腕だ。相当の実力を持ちながら、威張ることなく艦長の身の回りいっさいを引き受けている。
綾瀬艦長ももしかしたら…同じ気持ちなのかも知れない。艦長は金子艦長に惚れていた。ずっと金子艦長の下で働いていたかったのかも知れない。大抜擢されて、綾瀬艦長は俺たちの上に立つ立場になった。そういう経緯があったからこそ、この仕事を、休みであるにもかかわらず引き受けたのだろう。
俺と牧野は、残念ながら無能だ。ただ指示に従って一生懸命動くしか能がなかった。それをやるしかなかったのさ。艦長の資格は持たない。試験に受からなかったんだ。艦長の資格は比較的簡単に得られると言われるが、それさえも俺は手に入れられなかった。艦長の中でもさらに突出した者が、チームを持つことができ、部下を持つ立場になれる。俺は…自分のチームを持ちたかった。
今更愚痴っても仕方ない。俺は綾瀬艦長を見習いながら、いつかは艦長の資格を取り、さらにチームを持てるまでのし上がりたい。いつかは試験にもパスできると信じるしかない。
そんな中の、このアクシデントだ。生きて戻れるかどうかさえも分からない。
自分の夢を掴むためにも、淫魔どもに負けるわけにはいかないんだ。
俺の目の前に、数人の裸の女が現れた。
「おらあ! どけどけえ!」俺は女たちを突き飛ばし、動力室めがけてひたすら走り続ける。
ここに来てから、性的なものが苦痛ではなく、強烈な快感に変わり、性を嫌悪していた男性機能が変化して、性欲として心地よく頭をもたげてしまう。その誘惑に屈すれば、苦痛であるはずのセックスが、この上ない快楽として全身をとろけさせる。それが危険な誘惑なのだ。
だが、今の俺はそんなことにかまっていられないんだ。女を突き飛ばしたときの柔らかい感触も、ごく一瞬、気を惑わせるが、すぐに気を取り戻して、さらに先へと走っていく。
壁や床は、女体のパーツが飛び出している。おっぱいやお尻や性器があらわになって、俺に向けていやらしい姿を見せつけている。
ふざけやがって。
こんな誘惑に負けるようでは、牧野は浮かばれない。俺は粛々と任務をこなすだけさ。…もしかしたら、佐藤はこのシチュエーションに強くないかも知れないな。天才ではあるがまだ11歳。女体の誘惑には強くないかも知れない。だからこそ艦長は、佐藤を七星号に残したのかも知れない。時間さえ間に合えば、なんとか30分後に地球に向けて佐藤を脱出させることができる。そうすれば、どんなにセックスに溺れたとしても、佐藤は我に返ることができるはずだ。
そんなこんなで動力室にたどり着いた。一目散に奥へ行き、ハッチを開ける。下に降りるはしごがあった。思ったとおり、地下がある。
ゆっくりと地下に降りる。明かりは少なめだ。ピピピ…レーダーを作動させた。
この扉の先は100メートルくらいはただの通路のようだ。しかし、そこから先30メートルくらいは、小部屋が続いている。扉を開ければ大きめのロッカーくらいの広さしかない部屋があり、それが20部屋くらい続いている。いちいち電動扉を開け閉めして先に進まなければならないのだろう。一気に進ませないようにしているあたり、よほど重要な装置があるに違いない。その小部屋群を抜けると、やや細長い部屋にたどり着く。どうやらそこが例の装置がある場所なのだろう。
突き進むか。俺は地下室を歩き始めた。走ってもよいが、未知の領域はどんな罠があるかも分からないからな。
壁や天井にはなにも突きだしてはいなかった。それがかえって怪しいんだ。動力室に行く前までは、壁にも天井にも女体のパーツが飛び出していた。床からも何本も手や足やお尻なんかが浮き出て、俺の行く手を阻もうとしていた。俺はそれを避けながら走り抜けたんだ。
だが今は、そういうパーツもなければ、女の姿もない。そういう、一件安心させようとするところというのは、結局罠である可能性が高い。周囲を警戒しながら、俺は長い通路をひたすら歩き続けた。
数メートル進むも、なにも起こらない。レーダーも反応しない。淫魔どもの企みは、妄想と現実との境目を切ることだ。男に幻覚を見せ、性欲を刺激し、快楽を与えて精を搾り取る。その時、何かの力が働き、幻覚と現実とが入り交じる。ただ幻覚だと突っぱねることはできない。快楽を与えられたとき、ほぼ実体を得て本物の女体となってしまうようだ。
といっても、幻覚に基づく実体化のため、生体反応はなく、周囲からの認識もない。が、たしかにそこに女が現れ、しかも思い込みや幻覚ではないという、かなり中途半端な状況だ。
初めは空想から出発するが、最後は空想では終わらないという状態。
だとすると、生体反応探知は無意味だ。が、実体化する以上、レーダーは有効だろう。そしてもう一つ。俺自身の精神波をモニターする。幻覚作用、興奮状態などを自分自身で監視し、反応が現れたら、即効性の鎮静剤を注入する。それでどれだけ幻覚攻撃を回避できるのかは分からないが、少なくとも性欲を抑えることには役立つだろう。
大昔の人類が性欲を持ち、性的行為に快楽を得ていたという話は、何となく分かる気がする。そしてその源泉は、欲動に基づく。女体への興味関心に性的な意味が付け加わって、脳が生理的に性的な興奮反応を示すのだ。だとすると、この鎮静剤は興味関心も興奮反応も抑え込んでしまうからな。女を見ても何も感じない、現代の男たちと同じ状態にしてしまえば、何人来ようとはねのけられるだろう。
半分くらい進んだ。何も起こらないな。レーダーの反応もなし。
「!!!」
ばたん!
突然俺は倒れた。
腰のあたりに違和感があり、なにかに引っ張られたかと思うと、急に体のバランスが崩され、俺の体が倒された!?
「なっ!?」
半ズボンが脱がされている! 銀色の、全身コーティングの効果のある宇宙服だ。
「ばかな…」
驚くべきことが二つだ。
レーダーにも、精神波にも、何も異常は見られない。つまり、何かが現れたわけでも、俺自身が幻覚を見ているわけでもないということだ。
それなのに、俺は何者かに半ズボンを引っ張られ、バランスを崩して倒されたあげく、あっさりとこれを脱がされ、全裸にさせられてしまったのだ。
反応は相変わらずない。何もいないのに、何者かにズボンを脱がされただと!?
それだけではない。
脱がされた半ズボンが…ふわふわと宙に浮いている!
つまり、何者かが俺の半ズボンを手に持って、持ち上げているということ。しかも、その姿は見えず、レーダーにも反応しない。精神波にも幻覚の反応はない。ただ、信じられない光景を前に、恐怖と驚きの反応を示すばかりだ。
何が起こってやがるんだ。
念のため、鎮静剤を打っておこう。俺はピストルタイプの簡易装置を取り出し、自分の首筋に打ち込んだ。ぷしゅっと爽快な音とともに、全身にひんやりとした感触が広がる。心地よい涼しい感覚。即効性の薬剤なので、少量ですぐにクールダウンできる。
鎮静剤の弾丸は後9発残っている。任務を果たすには充分だろう。
ふわり…
半ズボンがさらに浮かび上がり、俺から遠ざかろうとする。「させるか!」俺は手を伸ばし、半ズボンを掴もうとした。
「!」突然スピードを上げたかと思うと、半ズボンはとんでもないスピードで入り口方面に飛んでいく。掴み取ることはできず、半ズボンはそのままどこかに飛んで消えていってしまった。…レーダーの反応も精神波の異常もない。くっそ、どうなってやがる!
俺は全裸のまま投げ出されてしまった。なにもいないはずなのに、幻覚も見ていないのに、実際に半ズボンが奪われてしまう。…くっそ、これが…「幻覚と現実が入り交じる」淫魔どもの魔の手なのか! なんてこった…
このまま全裸で進むしかない。鎮静剤はまだ効いている。足りなければ追加すればいいだけの話。
俺はさっき以上にレーダーと精神波に注意をこらしながら、そこにわずかでも異常がないか、注意深く観察して一歩一歩進んだ。
レーダーの精度を上げ、温度測定、空気の流れの測定まで行う。正体不明といっても、そこに何かが現れれば、必ず空気に異常があるはずだ。
3立方メートルに空気が詰まっていて、そこに誰かが入ってくれば、その人体分だけ空気は押しのけられる。その小さな流れを感知するのだ。
空気はしっかり流れている。が、それは空調の流れと、俺自身の存在による気の乱れであった。何も変わったところはない。
スリ…
「うわあ!」
突然の感覚に驚き、つい悲鳴を上げてしまう。精神波が恐怖と驚愕の反応を示す。
俺の脚に何かが絡みついた。いや…今もその感覚が続いている!
片足だけじゃあない。両足に何かがこすれるようなもちもちした感触が密着している。
レーダー反応なし。空気正常。精神波に幻覚の反応なし。つまり、実際に自分の足に何かが絡みついていながら、実体が存在していないのだ。
両足に感じるシコシコした感触は、間違いなく、女の脚の感触だった。スベスベでもっちりやわらかく、それでいてしっかり弾力がある。内股の感覚も、太股の感触も、ふくらはぎの肌触りも、しっかり感じ取ることができた。
姿は見えない。レーダーなどの反応もない。しかし確かに実体があり、俺の両足に生足の感触が刻みつけられている。右足にも左足にも、俺の脚を挟み込む女の生足の感触がある以上、女は二人以上いるはずなのだが、その姿もなく、ただ感覚だけが刻みつけられる。それでいて精神波の異常がないなんて!
生足は確かに、俺の両足に絡みついて、しきりに押しつけ挟み込みスリスリとこすりつけ続けている。そのスベスベの感触は、間違いなく男の情欲を誘い続けるものだ。それでいて抵抗や体重は感じず、俺が歩いても振りほどかれない。脚をどんなに進めても、ぴったりはりつきながら、太股を俺の脚に絡め続けてきている。くすぐったく心地よい感覚だ。
ぷしゅ! 俺は再び鎮静剤を打った。ペニスは反応しない。心地よかったが、これに興奮しなければ、敵の軍門に下ることはない。
歩こうが走ろうが、ぴったり生足の感触はついてくる。負けてたまるか。
初めの扉まで後40メートルくらいだ。それまでに、この奇妙な現象の正体を暴き出し、瞬時に対策してみせるぜ。
手で振り払おうとしても、手は空を切るばかり。ふとももが俺の両足にしつこく絡みついている以上、手を動かせば上半身が当たるはずなのだが、当たりはしない。つまり、相手は下半身だけが現れているということだ。女の体温もたしかに感じる。姿はない。
体温…温度反応を見る。
「だめか…」温度の反応もない。映っているのは俺の赤い体だけだ。それなのに、女の生足の暖かい感触をしっかり感じるだなんて。
いや…
俺の太股をしっかり観察すると、温度の変化が少しずつ変わっているのに気づく。「見つけた!」俺はやっと、敵の兆候を捉えることができた。
女の脚が俺の太股を上へ滑れば、俺のふとももの温度がわずかずつ変化し、上方へと熱が移動していくのが分かる。膝に向けてふとももが動けば、膝の方が赤みを増すのだ。
生足そのものは温度反応に現れないが、彼女の体が俺に密着すれば、俺の表面温度が上がる。それで、やっと敵の姿を、反応として捉えることができたのだ。
だが…この方法では、敵が俺の体に触れた時にしか、敵の反応を知ることはできない。もっと、ちゃんと敵の姿の“証拠”を掴まなければ。
レーダー…精神波…サーモグラフィー…
…ちがう!
俺はレーダーをしまった。
敵は淫魔。あるいは、淫魔が引き起こす“幻覚”作用。その幻覚も、普通の幻覚とはワケが違う。
次元そのものが違うんだ。
そう思ったとき、あることに思い当たった。
敵の姿というのは、“反物質”の一種なのではないか? それも、こっちの物質と触れたからといって爆発することのない、不活性反物質というもの。
不活性反物質といっても、その姿は確認できるはず。ブラックホールがそれを物語っている。しかし…それがきわめて希薄であったら、その姿は見えるだろうか、反応があるだろうか。
あのブラックホールが確実に視覚化されているのは、不活性反物質の密度が非常に高く、こっちの世界の重力に影響はないものの、ブラックホールと同じくらいの密度を持っているからだ。それが、宇宙の穴となり、異世界へ通じるトンネルの役割を果たしているのだ。
ブラックホールの密度なんかに比べれば、俺たち人間、宇宙船、恒星などは、まったくスカスカの、密度の低い粒子の集まりに過ぎない。だとすると、不活性反物質の密度がきわめて低いとすれば、その姿は見えないとしても不思議ではない。
不活性反物質は、こっちの世界とはまるで物理法則も違うとすれば、レーダーやサーモグラフィーなんかに反応がないのは当たり前のことなのだ。
だとすると、検知は不可能だ。まさに不活性反物質そのものを検知する装置がなければいけない。が、そんな装置は持ち合わせていない。…レーダーに反応がないのに存在だけが確かめられるのも当たり前なんだ。
…だとすると、俺にできることは3つだけだ。
ひとつ。自分自身の反応に焦点を当ててその反応から敵を検知すること。
頼りになるのは、サーモグラフィーに映った自分の姿と、精神波のわずかな異常。自分に焦点を当てることで、敵の存在を確かめることができる。
ふたつ。自分自身をしっかり守ること。
相手が反物質である以上、結局自分の身は自分で守るしかない。鎮静剤で性欲を抑え、気をしっかり持って、快楽への誘惑を振り切るしかない。もっとも…そればかり頼りにしようとしても、淫魔は誘惑のプロ、あっさり屈してしまうに違いない。搦め手で行くしかない。
みっつ。とにもかくにも、いちはやく目的地にたどり着き、ブラックホール制御装置を破壊することだ。これをおいてほかには…ねえ!
俺は覚悟を決めた。
両手をぎゅっと握られた。女性特有の柔らかい手の感触が、俺の手をしっかり包み込んで、ここちよく握り締めている。手を振りほどこうとなにしようと、女手のスベスベむっちりしたふんわりの感触は離れてくれない。
興奮が高まりそうになる。が、沈静化しているおかげか、すぐにドキドキすることはなかった。相変わらず生足の感触は、ひっきりなしに俺の両足をこすりまくってやがる。鎮静剤の力がなければ、すでに興奮させられていただろう。
奥の扉まであと20メートルくらいだ。薬の効果はまだ持続している。が、体の奥がだんだん熱くなってくるのを感じ、股間がじわりとくすぐったくなり始めた。
念のため、もう一発鎮静剤を打っておく。…あんまり打ちすぎると、副作用で倦怠感に襲われるから、バランスに気をつけないとな。欲のいっさいを奪えば、好奇心もなくなり、倦怠した心情ばかりが残ってしまう。
甘い香りが強くなっていく。男の情欲を誘う淫魔の淫気だ。薬がなければとっくに精神を毒されていただろう。
性欲増進効果に加えて、手を握られ太股の感触を刻みつけられ続けているのだ。並の男では、すでに勃起もしてしまっているかも知れない。が、俺は負けない。
体の奥のくすぐったさが、急に強くなった。お尻の奥やペニスの奥が甘く切ない疼きを覚える。俺は思わずぎゅっと股間に力を入れた。
これはいったい…どういうことだ。
鎮静剤はたしかに効いている。効き過ぎるくらいだ。心はかなり静まっている。それにもかかわらず、体の奥からは性欲が強まり続けているのだ。
心は静かなのに、股間の奥が精子を出したがっているという、矛盾する感覚が同時に俺を襲っている。奇妙な気分だ。
射精したいという感覚が強くなっているんだ。それでいて興奮は無理に押さえつけられているから、下半身に奇妙な違和感を覚えているというわけだ。
現代の場合、男性の射精は一生に一度あるかないか。多くても数回だ。それも、射精時には大変な苦痛を伴う。だが、昔はそうではなかったらしい。
射精が快楽だったとすれば、定期的に出してしまいたいという欲動を、昔の男性が持っていたとしても不思議ではない。だとすると…しまった!
ペニスがどんどん隆起していく。鎮静剤の効果を打ち破って、性欲に体が反応してしまったのだ。
精子を出したいということは、大便と同じく、そこに”もと”が溜まっているということだ。便が溜まればどうしても出したくなるのと同じ。玉袋には、精子がパンパンに溜め込まれてしまっているのである。
どんなに精神を鎮静させても、精子を溜め込んでしまえば、生理的に出してしまいたくなるのが道理。それは安定剤では抑えきれない。精神が安定して興奮が収まっても、それとはまったく別の系統で射精欲が爆発してしまうのだ。
そこへ女手と生足が密着していれば、どうしてもペニスの隆起は避けられないのだ。
だが…快楽に我を忘れるということはない。そこは薬のおかげだろう。
淫気を吸い込むと、信じられないスピードで精液が溜め込まれてしまう。いくらでも射精し続けてしまうし、そのつど精神は浸食され、快感の虜となっていく。それがあまりにも続くと、完全に敵の術中にはまり、自分からブラックホールに飛び込んでしまうというわけだ。
絶対に負けるわけにはいかない。だが…そうすれば玉袋に溜め込まれた精液を、快感抜きで“処理”できるだろうか。そもそも溜め込まない方法はあるだろうか。手持ちの道具や薬ではどうにもならない。なにか手はないか…
「あふっ!」
突然やわらかいものがペニスを包み込んだ! 女の手の感触だ! 勃起したペニスを、姿の見えぬ女が掴んできたのだ。
「くっそ…」振り払おうとしたが、俺の手は空を切るばかり。女手を外すことができない。
「うああ…」快感が強くなる。ふんわりした女性特有のやわらかい締め付けが、ゆっくりと、根本から先端へと優しく移動している。つまり…女の手でペニスをしごかれているんだ!
俺はつい内股になって足を止めてしまう。生足が両足を包み込んで、相変わらずスリスリし続ける。そのむっちりした弾力ある感触が、にわかに快楽となって俺に襲いかかっている。両手もしっかり握り締められ、俺の指のあいだに白魚のような女の指がはまり込み、手のひらごとがっしり掴まれている感じだ。
溜め込まれた精液を吐き出させようと、だんだんペニスをしごく柔らかい手がスピードを速めていく。快感が強まり、下半身がどっぷり女に埋まっていくような錯覚さえ覚える。精神波レーダーも異常を示していった。
亀頭の裏側、カリとヒダの敏感なところを、スベスベの手のひらがむちっと包み込んだ状態で、小刻みにちゅこちゅこされ続け、腰を引いて抗っても女手はぴったりはりついてペニスをしごき続け、とことんまで追い詰め、射精させようと猛スピードでしごき上げてくる!
「うああ!」生足のシコシコしたなめらかな感触に酔いしれながら、俺は姿の見えない女の手のひらで精液を爆発させた。
白く濁った快楽の汁がほとばしり、床に飛び散っていく。吸い付くような内股や腰まわりのみずみずしい感触を味わい続けながら、ペニスの律動が収まるまで身動きがとれない。ペニスをしごく手は脈打ちが終わっても止まることがなかった。
このままペニスを萎えさせないつもりらしい。
この姿の見えない敵の正体を暴き、根本から対策しなければ、また精子が溜め込まれて、ひっきりなしにうごめく女体の群れを味わいながら、また射精させられてしまうだろう。
背中やお腹にやわらかいものが押しつけられ、吸い付いてくる。突起が感じられるので、女の乳房に違いない。おっぱいのやわらかい弾力が俺の胸や背中でくすぐったく潰れながら、上下左右あちこちを滑り回っている。生足も、手を握る女手も、ペニスをしごく手も相変わらず密着して刺激したままだ。
重さや抵抗を感じるわけではないので、俺はこの状態のまま歩かなければならないのだ。扉に向けて歩きながら、全身を這い回るみずみずしい肌の感触を味わい、ペニスをしごかれたまま歩かなければいけなくなった。
このままでは、精子が溜め込まれたとたんに、鎮静剤が意味をなさず、あっさり抜かれてしまうだろう。なんとかしなければ。
一歩、また一歩と脚を進める度に、甘い香りは強まり、精液が玉袋に急激に溜め込まれていく。出してスッキリしたい欲動と、股間の奥のくすぐったさがまた強くなっていった。そこへひっきりなしに、全身女体の感触にあふれ、ペニスは半立ちのまま無理にでもしごかれ続けている。痛みはなく、甘美な心地よさばかりだ。
「んっく!!」突然快感が強くなり、イク寸前の多幸感に包まれた。かと思うと、俺は歩きながら精液をペニスから吐き出してしまっていた。
それでも、しなやかな女の手は動きを止めない。俺はしごかれながらさらに先を急いだ。
反物質…違う物理法則で…姿は見えなくて…しかし確かにそこに実体があり、幻覚とリンクして、快楽発生装置として俺にまとわりついている。
それは…たとえれば、”幽霊”だ。霊界という別世界にいて、”感触”だけを刻みつけ、こっちからの物理的な働きかけはまったく通用しないなんて。
相手が幽霊だとすると、すべてつじつまが合ってしまう。ブラックホールから反応なしに飛び出してくる幽霊。若い女の群れで、男に幻覚を見せながら実体を伴って性行為に及び、精液を奪い取っていく化け物だ。それならレーダーに反応しないし、鎮静剤も効かない。音もなく半ズボンを奪われることも説明がついてしまう。
だが、残念なことに、相手を幽霊と判断したところで、対処法がまったくないのだ。
大昔は、幽霊を祓う方法があったといわれているが…現代、今のこの俺に、若くて淫乱な美しい女の幽霊を撃退する方法があるわけではない。何しろこちらからの干渉が通用しないのだ。
俺は立て続けに3発、鎮静剤を打ち込んだ。一度にこれだけの量を打つのは危険であるが(ただし命に関わることはない)、倦怠してしまうくらいになった方が、むしろ丁度良いのかも知れないと判断したからだ。
欲も興奮もなければ、なにもかもがつまらないと感じてしまう。これが倦怠感だ。身体の異常による場合も多いが、精神の異常によって、胃の奥や腸が違和感を覚え、じわりといやあな感覚に包まれることも、決して少なくはない。
「ふうーっ…」深く深呼吸をする。淫気が充満しているので、ますます早く精子が作られているが、一方で心はかなり落ち着いた。倦怠感がじわじわと俺に嫌悪感を抱かせ、ペニスを刺激されてもあまり気持ちいいと感じなくなった。
もう、女体の群れに襲われているだけでは、射精させられる心配もしばらくはなさそうだ。俺は足を速め、扉へと急いだ。
扉にたどり着く。扉に手をかけると自動的に開く。一歩足を踏み入れると、後ろの扉が閉まり、明かりがふんわりとつく。
すでに、女の肌の感触も、ペニスをしごく女手の感触も消えてしまっていた。扉を超えたところで、ゴーストのトラップは終わりを告げたらしい。
胃がむかむかする。薬の副作用だ。これ以上は、鎮静剤の注入は危険だ。死ぬわけではないが、嫌気が先立って、せっかくの艦長の依頼さえこなせなくなってしまう可能性が出てきている。
目の前には、隣の部屋に行くための扉がある。…意外に狭いな。
まるでロッカーの中だ。もっと広いと思っていたが、実際に入ってみると、人が一人入ればもう、定員いっぱいという感じだ。
こんな小部屋が、この先まっすぐ、20ほど続いている。いちいち扉を開けて先に進み続けなければならない。
こういう構造になっている理由はひとつしかない。時間稼ぎだ。走ってあっさり奥までたどり着いて欲しくないから、小部屋を並べているんだ。敵の侵入を防ぐ意味合いもある。
もちろん、トラップをつけやすいという利点もあるだろう。
強い淫気が流れ込んでくる。倦怠感が消えていくようだ。
淫気を吸い込まないよう、ガスマスクでも用意すればよかったか。いや…たぶん無駄だろう。淫気も反物質の粒子だ。効果だけをもたらし、防御はすり抜けてしまうだろう。
だとするなら…鎮静剤さえも浄化してしまうこの淫気から身を守る方法は、今のところない。空気清浄機能も無意味だ。さっきのレーダーでもそうだったが、自分の身に受ける反応だけが、感知の手がかりとなる。
俺は目の前のドアを開け、次の部屋に飛び込んだ。さらに矢継ぎ早に次のドアを開けて部屋に飛び移る。
…頼りになるのは結局のところ、自分の精神力だけなのか。
俺はさらに隣の部屋に移る。
…仮に自分の精神力だけが頼りで、快感に負けないよう踏ん張り、がんばりきろうとしてみても、怒濤のように押し寄せ男を狂わせる淫気と、俺の下半身に迫る女たちの魔の手に、精神力だけで抗いきるのは不可能だ。
次の部屋に。
…何か、突破口が必要なんだ。
さらに次の部屋。どんどん進む。
なにもかも八方ふさがりになっている中で、大きな飛躍となる転機がなければいけない。
次の部屋に飛び込む。
ひらめきとか、状況の大転換とか。悪化し続ける状況や、重なり続ける悪条件、すれ違い続けるタイミングに、大きく活を入れる瞬間がなければ、最後には行き詰まってしまうだろう。
いくつも扉を超え、小部屋を渡り歩く。レーダーを見る。どうやら小部屋群は半分ほど超えたみたいだ。
だが、ここまで無事に、何もなく過ごせたわけではなさそうだ。
初めの部屋で浴びた怒濤の淫気。次の部屋からしばらくはなにもなかったが、鎮静効果は完全に消えてしまっている。自覚はないものの、確実に、一部屋進むごとに、必ず何らかの変化が、俺の身に起こっているはずなのだ。
弱体化か。精子が玉袋に溜め込まれたか。幻覚を見やすくなったか。…分からない。
分からないが、何かが起こっているのは確かなんだ。
次の扉を開く。
「!」
そこに女がいた。しかも…壁の奥にいる!
何が起こっているのか、一瞬分からなかった。
ホログラムの一種だろうか。実体のない女は、壁に映る形で、俺の前に立っている。
年は…俺と同じくらいだろうか。細身の少女で、目がぱっちりとしている。すっと立っている時には控えめな乳房だが、前屈みになるとその女らしいふくらみがはっきりと分かる。スレンダーで、かわいらしく、ちょっと小生意気な感じの女の子だった。
足が細く、ふくらはぎも引き締まっている。それでいて、出るところはしっかりと出っ張り、女性としての魅力はしっかり具えていた。10代の女の子の裸体は、俺の心臓を高鳴らせた。
この女を抱きたい。壁に映っただけのこの娘を、俺のものにしたい。妊娠させてもいい。
ああ…
何もない小部屋をいくつも通り過ぎるごとに、俺自身の肉体も精神も、すっかり変わり果ててしまったらしい。昔の男性と同じ、性欲の固まりで、快楽に忠実で、好みの少女を見つけては欲しがろうとする。おまけに、快感には相当敏感になっていて、いくらでも射精できる体になっているらしい。
そう、この小部屋群の前半は、男の肉体を改造するトラップだったんだ。
だが、この女は今は映像だけだ。実体は…隣にいる。
俺は次の扉を開けた。
すると、映っていた美少女が、実際に全裸で俺の前にいた。おいしそうな少女だ。
俺は彼女を抱きしめた。キスを交わす。生足を絡め合い、お互いの肉体を求め合った。
少女の乳房をまさぐると、やわらかい弾力が俺の手のひらに返ってくる。抱き合ったまま、お互いの興奮を高め続けた。
若くて体の細い美少女。そのハリのある肢体に俺は夢中になった。
少女は体を開いた。脚を開き、腰を突き出す。ペニスはすっかり元気になっている。いよいよ…入れるんだ。
俺は下からグッと腰を突き出し、ペニスを少女の性器にねじ込んでいった。
「んっ…」少女は顔を上気させ、初めての痛みに顔をゆがめた。が、その直後、火のような快楽が二人を貫いた。
細いふくらはぎが俺のお尻に回る。俺も少女も、お互いにタイミングを合わせて立位でつながったまま、腰を前後させていく。彼女もペニスを求めて腰を振り、俺も腰を突き上げながらこれに応える。
少女の中はとても熱く、直情的で、どこまでもペニスを締め上げるとろける感触だった。
「あふっ…でる…」俺は腰が砕けるほどの快感の中で、頭の中が真っ白になりながら、少女と抱き合い密着して射精した。彼女の小さなお尻がブルルッと震え、射精の律動をしっかりサポートする。
すべてを出し尽くしたような満足感を味わった。
すると彼女は、霧のように薄くなり、すぐに消えていってしまった。
俺は次の扉を開ける。そこにも美少女が待ち構えていた。
今度は頭にリボンをつけた、肩までの髪がサラサラの、清純な感じの女の子だった。やっぱり俺好みの10代美少女だ。少し年上っぽい感じがする。あどけなくて、凛とした表情で、全体的に細く、それでいてしっかり付くべきところに肉がついている。背は低めで小悪魔的だが、その物腰はあくまで清楚だ。
大きな乳房をふるわせながら少女が微笑む。俺はその表情に一瞬にして釘付けになった。
だが、裸の彼女を抱きしめようと思った次の瞬間、彼女はいきなりしゃがみ込んだ。そして、いきり立ったペニスを口に含み、ものすごい勢いでフェラチオを始めた。サラサラの髪が前後に揺れ、しなやかになびいていた。
ふにふにした唇がペニスをこれでもかとしごき上げながら、自由自在に動き回る舌が亀頭を中心にペニスをどこまでも舐めつくしている。そのダブルの刺激に吸引が加わり、きつく締め上げられながら奥まで飲み込まれている。先端と根本が同時に快感刺激にさらされ、俺はまた腰がとろける感覚を味わった。
「うっく!」実にあっさりしたものだった。おみごとなテクニックで、精液が吸い上げられ、女の子の口腔内で大量に放出されていく。
精液を受け取ると、少女はまた消えていった。
小部屋を確認してみる。あと5部屋、先にある。つまり、あと5人、俺の好みの少女が待ち構えていて、精液を抜き取ってくれるんだ。
ドキドキしながら、次の部屋に入っていく。また、かわいらしく小悪魔的で、それでいてしっかりした肉付きの、目のぱっちりした美少女が待ち構えていた。そうだ、10代後半の、若くてみずみずしい女の子が、俺とセックスする。こんなにすばらしいことが他にあるだろうか。
同い年くらいの女を抱きしめる。そのふんわりしたみずみずしい感触に我を忘れ、必死でしがみつき、その唇を奪った。心臓が高鳴る。
女はペニスを生足で挟み込んだ。むっちりした太股内股の感触がペニスをまんべんなく締め上げ、吸い付くような肌触りに翻弄されて、何とも心地よい。オンナ表面までもがペニスに密着している。俺は彼女に応じ、やや腰を落として高さの調節をしつつ、あとは快楽に身を任せることにした。
彼女は左右の脚を交互に前後させてペニスをスリスリしたり、腰を激しく前後させてペニス全体をしごいたりしながら、内股とオンナ表面で俺の股間をとろけさせる。上半身もお腹もぴったり密着し、抱き合いながら、いきり立ったペニスを下腹部でかわいがってくれた。
俺は彼女を抱きしめ、そのサラサラの髪を撫でたり背中をさすったりしながら、どこもかしこも心地よい感触を全身で味わった。もちもちしたやわらかいふともものみずみずしさに吸い寄せられたペニスは、同時にきめの細かい肌でしごきたてられ、今にも爆発してしまいそうだった。
「ううっ!」股間が急にくすぐったくなったかと思うと、俺は若い女のふとももの間から大量の白濁液を放出させた。内股と表面にもみくちゃにされたままついに脈打ってしまったのだった。
あああ…生足…きもちいい…
女は消えていく。俺はさらなる快感を求めて、次の部屋に突き進んだ。
乳房の大きな若い女が待ち構えている。萎えることのなくなったペニスが乳首めがけてヒクンと跳ね上がった。
おっぱいは発達していたが、顔はまだまだ幼い。そのつぼみのようなあどけない表情と、肉体が大人の女性にほとんど近づいて発達してしまっているギャップが、16~19歳の美少女の特徴だ。そこがまたいい。とことんまで俺のツボを心得ていやがる。
入ったとたんにその胸に釘付けになっていた俺の願望をいち早く察知したのか、自慢の胸でペニスを包み込んできた。谷間がくっきりとしているので、ペニスを挟むのもたやすいことだった。
左右交互に、あるいは両乳房を同時に、しゅこしゅこと激しく上下させてくる。上目遣いに見上げる女のあどけない顔が、ときおり妖艶になり、ときおりいたずらっぽくなり、ときおり怒ったような女豹のどん欲さをたたえ、さまざまな表情を作ってみせる。そして、俺の反応に合わせて、タイミングよく乳房をふるわせ、交互が気持ちいいタイミングで左右の乳房を大きく互い違いに跳ね上げてくるし、先っぽが感じるときには徹底的に乳首で亀頭をいたぶるのだった。
若い女のハリのあるもちもちしたおっぱいは、あっさりとペニスを快楽漬けにして、溜め込まれた精液を絞り出す力を具えている。きめが細かすぎて、ペニスに細胞が吸い付き、ぬっちりと滑っていって、名残惜しそうにペニスを引っ張っていく。そんなみずみずしい感触で、ものすごいスピードでしごき上げているのだからひとたまりもなかった。
精液は女の乳房から首筋にかけて大量に放出され続ける。胸板全体にかけて、体液が振りかけられ、濃く粘ついているのでなかなか下に流れていかない。最高の快楽がまだ腰をとろけさせている。
あああ…おっぱい…いいきもち…
女は消える。もっと…もっとしたい…
次の部屋に行くと、華奢な体をした美少女が待ってくれていた。体は細く、胸の発達もまだまだだが、その下半身、ふともものすらりとした女らしい白さや、ふっくらとした臀部は、すでに大人のそれに劣らない発達をしていた。俺は彼女のお尻に強い興味を覚えた。
それを察知したのか、あるいは、もともとお尻の攻撃に自信があるのか、彼女はバックの体勢でペニスを飲み込んできた。狭い部屋で、俺は身動きもとれず壁際に追いやられたまま、ペニスが根本までオンナに入っていくに身を任せるしかなかった。いや…自分から入れてもらうことを期待していたという方が正確かも知れない。
「あぐ!」美少女の、熟れてはいないが直情的な締まりを見せつけるオンナは、俺を一瞬で高めるに十分な力を持っていた。なんという名器だ。ぎゅっと締め上げられた瞬間、射精感がこみ上げてしまったのだ。
とろっとろで、熱くて、根本から先端まできつく圧迫しながら、ペニスの感じるところにぴったりとヒダが絡みつき、動いてもいないのに、ペニス中の性感神経をまんべんなく刺激してやまない。
「んンっ…♪」少女は腰を上下左右にくねらせながら、ペニスをこれでもかと揉みしだき、同時に激しく前後に動いて全体を徹底的にしごき上げてくる!
「あがが!」膣内に白濁液がぶちまけられる。あっさり精液を絞られてしまった。それでも女は腰を使うのをやめず、1秒でも長く射精し続けられるよう、俺の股間にこれでもかと快楽をたたきつけてくる!
腰がひねられ、根本まで飲み込んだままくねくねと動かし続ける。自慢のスベスベのお尻が俺の腰を滑り回る。上下左右に変幻自在に形を変えながら前後運動も忘れず、そのたびに名器がさまざまな形でペニスを締め上げ、しごきたて揉みたて続ける。
俺はイキ続けたまま何も考えられず、1分、2分と脈打ちを続けた。
あああ…おんな…気持ちいいっ! こんなにいい気持ちなら、ずっと永遠に、好みの女と交わり続けていたい…
出し尽くし玉袋が空っぽになると、俺はその場に崩れ落ちた。女は霧のように消えていった。
すぐに玉袋に精子が溜め込まれる。性欲が頭をもたげ、快楽に対する衝動が高まっていく。出し尽くした疲労感と、相反するくすぐったい疼きとのギャップが、奇妙な感覚を生み出していた。
ああ…これが…洗脳…
だ、だめだ…このままでは…
この小さな扉の群れは、間違いなくトラップだ。通る男を快楽漬けにし、装置にたどり着くのを断念させながら、ブラックホールに自分から飛び込ませるように仕向けているんだ。
艦長…
「くっ!」俺はがくがく震える膝に力を入れて立ち上がった。
快感に負けてはいけない。女の誘惑に抗い、はねのけて、先へ進まなければならない。
部屋はあと2つ。狭い部屋だから、逃げるという選択はできない。あくまで女体をはねのけて、セックスせずに先の部屋に進まなければダメだ。
俺が洗脳され、装置の破壊に失敗すれば、艦長はブラックホールに近づけず、自爆装置を起動させることができない。そうすればすべての任務は失敗に終わる。それだけは…絶対に避けなければ!
俺は次の部屋に飛び込んだ。
「!!」突然女が飛びかかってくる! 「うわっ!」押し倒され、俺はしりもちをついてしまった。
むぎゅっ! 18歳くらいの美少女が突然抱きついてきて、ペニスを座位で飲み込んできた! 狭い空間でしりもちをつくと、もはや立ち上がることも自在にはならず。あっさりと挿入を果たしてしまったのだ。
さっきと同じ名器がペニスを襲う。腰に力が入らないくらい気持ちいい。彼女は俺を抱きしめたまま全身を激しく上下させ、乳房やお腹で俺の上半身をこすりあげながら、若い膣でペニスをしきりにしごきたててくる!
くっそ! 負けるものか!
俺は脈打ちそうになるペニスを渾身の力で押さえつけながら、なんとか女を引きはがそうと抵抗を続ける。だが、若くみずみずしい裸体が上半身を離れてベリベリッと音を立てるばかりで、また彼女はしつこくしがみついてきて、きめの細かい柔らかい肌が再び密着してくる。はがしてもはがしても、女はしつこく抱きついてきて、ひっきりなしにペニスを締め上げては根本から先端まで極上のヒダでしごき上げ続けた。
後ろ手で玉袋をくすぐり撫でさすり揉み立てながら、早く律動を始めるようしきりにうながしてくる。俺は負けるまいと抵抗を続けるが、とろけそうな腰には力が入らず、上半身と両腕で空しい抵抗を続けるしかなかった。
少女は俺の首に腕を回してがっしり密着すると、控えめなおっぱいをこすりつけながらラストスパートに入った。さっきのバック娘に負けない名器で、イクまいイクまいと踏ん張るペニスをこれでもかこれでもかと快楽にさらし続け、ついにお尻の奥のくすぐったい快感が強烈に強くなった。
イク直前の多幸感。何秒かで律動が始まってしまう。「うぬおおお…!」俺は必死で踏ん張り続け、脈打ちしないように快感を押さえつけ続けた。
だが、若娘の凄艶な腰使いが、俺の悪あがきをあざ笑うように抵抗の壁を怒濤のように打ち破ってくる!
上半身を固定させてパンパンと大きく素早く腰を前後させ、ひときわ大きく激しくペニスをしごくと、多幸感は数倍に跳ね上がった。これにはさすがに耐えきれなかった。
「やめろ! やめ…んあああ!」ごぼぶぶぶっ
多幸感が強いまま、強烈なくすぐったさに股間の奥が支配された。強制的に精液が絞り出され、脈打ちが通常の倍以上のスピードで数分続いていく。精液が枯渇し、汁がまったく出なくなっても、律動が終わることなく、座位娘の膣内でペニスが跳ね上がり続けている。その間中、イク快感がずっと続き、本格的におかしくなってしまいそうだった。
やっと女が消えた。
俺はふらふらしながら起き上がり、次の部屋の扉を開けた。
目の前には、前に進む扉と、横に進む扉があった。横に進む扉は簡易のエレベーターになっている。きっと、これに乗ったが最後、上に行き横へスライドし、ブラックホールの部屋に投げ出される仕組みだ。
ここまでで大半の男の洗脳が完了するはず。ほとんどの侵入者は、ここで横の扉を選び、自分からブラックホールに飛び込んでいくんだ。
俺は、前方の扉を選んだ。
だが、前方の扉には、若い女がはりついている。背中が扉と一体になっていて、横の扉に行こうとしない侵入者を抱きしめる仕組みになっている。彼女に抱かれ、射精すれば、ギリギリのところでまともな精神を保っている侵入者でも、やっぱり横の扉を選ぶようになっているんだ。
扉のスイッチに手をかけようとすると、女はぎゅっと俺を抱き寄せ、密着するべく引き寄せてしまった。
「うぐぐ…はなせ!」俺は抵抗しようとするが、女体は背中ごと自動で数センチずつ小刻みに上下するようになっていて、むにむにした裸体で俺の体をしごきたて、抱きしめたままそのみずみずしい肢体の感触を刻みつけてくる。
後ろに逃れようとしても、扉に手をかけた侵入者を射精させるトラップはすでに発動されている。扉ごと女体は前方に迫り、俺の体は肢体と壁の間に挟まれてしまっている。左も壁が迫っていて、逃れるとしたら右に行くしかない。しかし…右に逃れるということは即、ブラックホール行きを意味する。
ぶるぶる上下しながら、女は俺を抱きしめ、ペニスを生足や腰やお腹でしごき、こすりあげ続けている。その若い肌触りにペニスは悦び、射精に向けてのカウントダウンを始めている。ふとももが俺の脚をしきりに滑り、心地よい快楽を高め続けている。
女はしつこく抱きつき、抵抗する俺を押さえつけては密着し、自慢の肌でこすりつけ攻撃。内股に亀頭がめり込み、オンナ表面がカリを滑り、お腹の肉で全体を圧迫しながらこする。そのやわらかくなめらかな感触に、どんどん脱力していってしまう。
「だめっ…」俺は腰を引いて若い肌から逃れようとしたが、女は執拗にペニスを下腹部全体で揉みしだき、こすりあげては刺激し続けている。
裸体のあちこちがペニスを襲う。大きく下に移動したかと思うと、10代の乳房がペニスを襲い、俺のお腹をキスと舌が荒れ狂う。少し上に上がってはお腹の肉とおへそのくぼみでペニス先端をかわいがる。
俺は女体と壁に挟まれた状態のまま、自分が快楽に屈していくのをじわじわと感じていた。多幸感が襲いかかる。
「うぐうっ」精液が噴き出し始める。女の腰まわりからおへそにかけて、その肌の感触だけで抜かれてしまい、体液がどんどん放出される。性器だけでなく、女の体のどこででも、精液を出すことができることを思い知らされたのだ。
右に行けば、…女体のすべてのパーツで射精することができる。天国に行くことができる。性器も舌も手も足もお尻も脇の下も背中もふくらはぎも首筋も髪の毛も…ありとあらゆる部位が快感に満ちあふれている。
いや…! ここで負けてはいけない。艦長のためにも、地球のためにも、なんとしても俺は先に進むのだ。
女が足を開いた。バイブ振動する性器がペニスにあてがわれる。あの名器にこの機械的な振動が加わったら、きっと俺は止めどなく射精させられ、気が狂った状態でブラックホールに送り込まれてしまうだろう。
ここで彼女が腰を落として挿入させられてしまったら、一巻の終わりだ。
「うわああああああ!!!!!」俺は後ろに身を引いて抵抗する路線を切り替えた。むしろ積極的に前に出て、さらにぎゅううっと女体にしがみついた。ペニスが半分ほど膣内に押し込められる。あとほんのわずか、彼女が腰を突き出すだけで、挿入が完了してしまう。
だが、俺の意識はそこにはなかった。女体の裏にあるスイッチに手を伸ばすのだ。
先端を襲うバイブ振動と名器が、精液を搾り取り続ける。俺は脈打ちながら、イク多幸感に全身を犯されながら、必死で手を伸ばした。
ぐぼぼぼ!
ペニスが根本まで収まる。律動が止まらなくなっている中で、何も考えられない快楽の渦の中で、俺はすんでの所で、扉のスイッチに触れることができた。
女体が消え、扉が開かれる。俺は精液を吐き出し続けながら、その場に倒れ込むようにして次の部屋にもんどり打った。
2,3秒だった。その間、魔性のバイブマンコに入れただけで、律動が止まらなくなってしまっていたのだ。完全に閉ざされた状態の中で挿入していたら、完全に狂わされていただろう。
落ち着くまでに数分を要した。やっと律動が収まると、快感も引いてきた。
「はあっ…はあっ…」
肩で息をしながら、俺の目の前にある装置を万感の思いで見つめた。装置はごく小さなものだったが、見たこともない威圧感と、なにをどう操作すればいいか分からないほどの、高度なテクノロジーが、この小さな箱に凝縮されているみたいだった。確かに、これを操作してブラックホールを止めることは、俺たちにはできそうにもない。扱えるのは、しゃくだけど井笠だけなんだ。
だったら俺のすることはひとつ。
俺はレーザーガンを取りだした。そして、出力最大で制御装置に熱戦をぶち込んだ!
ばちばちばち!!!
機械はショートを起こす。赤や青の様々な光を発していた機械は、あっという間にショートを繰り返し、輝きを失い、焦げ付いていく。
ぷすん…
何かがダウンした音。機械は全く反応しなくなった。
「や…やった…」
俺はその場にへたり込んだ。時間は…あと半分くらいだ。おれは…にんむを…まっとうしたぞ…
いや! 艦長の命令はまだ続いている! 俺は渾身の力で立ち上がった。全力で七星号に戻り、佐藤と合流して待機、時間とともに脱出、地球に生還するんだ。
ごごごごご…
「!!」
後ろで大きな物音がする。振り返ると、あの扉だらけの小部屋群が壁や天井に引っ込んでいって、さらに奥の通路と一体化しているんだ。もはや小部屋群はなくなり、一本の長い通路になってしまった。走っていけば、1,2分で上に上がれるようになっている。
しかし…それは、装置に何か異常があった時に自動的に発動する、”最後のトラップ”だったんだ。
百数十メートルの長くて広い通路のあちこちに、どこから現れたのか、数十人の若い娘たちが全裸でたむろし、こっちに向かってきている。みんな、俺好みの若い少女たちだった。
俺の体がふわりと浮かび上がる。この通路だけ、無重力状態になったんだ。宇宙服もはぎ取られている以上、簡易重力装置で足場を固めることができず、俺の体はふわふわと浮かび上がったまま制御が利かなくなっている。
それに対して女体の群れは、空を飛ぶように自由自在に空中を泳ぎ、一目散に俺に向かってきている。
装置を破壊するなどした侵入者に対する最後のトラップは、あまりに苛烈なものだった。
通路全体を無重力状態にして、体の自由を奪う。そして、大勢の女たちに襲われ、体中を犯され、精神が快楽一色に染め上げられ、結局ブラックホールに放り込まれる…自分から…そういう仕組みになっているのだ。
すまない…艦長…どうやら俺はここまでのようだ。
せめて艦長と佐藤の二人だけでも…地球に戻ってくれ。俺は天国に行くことになりそうだ。
体中を覆う淫気が性欲をマックスに高める。快楽への強い欲情を自分自身でどうすることもできなくなっていた。もはや、この体は性欲だけの存在に成り下がってしまったようだ。
きっとこれから射精地獄が待っているだろう。女たちが俺を捕まえ、宴が始まったら、もう二度と、ペニスが萎えることはないだろう。それどころか、たぶん脈打ちも収まらなくなるはず。精子が一時的に枯れ果てても律動が続き、すぐに生産された体液が女体の群れで抜き取られる。しばらくそれが続いたあと、俺は自分から、横にあるエレベーターに乗り込むことになるんだ。
…さようなら…みんな…