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ナメてる戦隊フザケンジャー!


第5話 ふとももんとの死闘!



 まずはビームで応戦だ。少しでも敵精力を削っておかないと。

 僕はエネルギー充填を確認し、ポーズを取った。

 「フザケンジャービーム!」

 七色の光がメカニック怪人に命中!

 「ももー!」

 スマタ怪人ふとももんは走るのを止め、ビームの衝撃を身に受けてずさあっと後ずさった。

 「もももー!」

 まともにビームを受け、1秒弱動きを止めた怪人であったが、すぐに身を立て直して、ふたたび僕のところに走ってくる。天国軍団は一発のビームで一度に2,3人はイかせることができるのだが、さすがにメカニック怪人ともなると手強い。全面的にビームを受けても、ビクともしない。

 「フザケンソード!」僕は手を水平にして、左から剣を抜く。何もないのだが、左手に透明の短剣を持っていて、それを左から右へと引き抜くイメージだ。

 そうすると、黒く巨大なハリガタ状のソードが姿をあらわすのである。これは微弱電流の力で女体の性感神経を刺激するだけでなく、柔肌に触れたとたんに先端亀頭部分が高速でこねくり回すように回転する仕組みだ。亀頭部分だけわずかに角度があり曲がっているために、女体にあてがえばその肌をぐにぐにとこねくるのである。その部位に集中する性感神経への攻撃は計り知れない。

 普通の女性や天国軍団であれば、体のどこかを“斬る”だけで、体内の性感帯まで深く深く電撃が入り込み、女体全体を快感が駆けめぐる。その結果、一回二回斬るだけで絶頂させることができる。さらに、性感神経が集中している胸や性器部分など、敏感なところを的確に斬ることができれば、一発で仕留めることも可能だ。

 振り回すのも軽く、扱いやすい剣ではあるが、もともとバイブであり、その卑猥な形状からして、正直僕はあんまり好きではない。僕自身十二分に扱えているわけでもないので、囲まれてしまえば十分に機能しない。そのうちに敵に剣を奪われてしまうこともある。それでも威力は絶大だ。

 僕はふとももんめがけて数回、フザケンソードで斬りつけ、たたきつけ、押しつけ、ぐりぐりとあてがって刺激してやる。

 怪人の乳首やオンナ表面、首筋も、脇の下も、胸の谷間も、いやらしくこねくり回す亀頭の動きによって、柔らかい女肌をかき分ける。そこから性感電気がふとももんの体内に入り込み、全身の性感神経までも敏感に刺激していく。

 「ももー!」

 もちろん、これだけで倒せるほど弱小な相手ではない。

 ふとももんは僕の攻撃をものともせずに、ついに僕に強く抱きついてしまう。大柄な怪人であるため、僕の頭部はしっかりと彼女のオッパイにめり込んでしまう。

 「うぐっ!?」

 天国軍団に抱かれた感覚とはまったく違う。すべすべとしなやかな感触が全身にダイレクトに襲いかかっているみたいだ。

 生身の女性や天国軍団相手であった時には、レッドスーツ生地が防護服となって、スベスベの肌触りがじかに触れないようになっている。これによって、やわらかい弾力にさえ耐えれば、精力の消費はずいぶん抑えられたものだ。

 だが、メカニック怪人はまったく勝手が違っている。そのしなやかな肌触りは、まさにじかに女体と裸で抱き合っているのと同じ、あるいはそれ以上の心地よさを全身にしっかりしっとり伝えてくるのだ。

佐伯:「気をつけろレッド。フザケンスーツの防御は完全ではない。軽減はさせるが、肌の感触はやはり伝わってくるはずだ。その上、こちらが微弱電流で敵の性感神経を直接体内まで刺激するのと同じように、敵は魔力によって君の性感神経を直接体内まで刺激してくるぞ。レッドスーツでこちらも軽減できるが、やはり万能ではないのだ。敵に広面積触れられている、また長時間触れられていれば、その分どんどん射精感を高められてしまうのだ。」

僕:「なんだって!」

佐伯:「普通なら、女のもちもちしたスベスベの肌触りやそのみずみずしさを、全身タイツの生地越しに感じることはありえない。実際、生身の人間女性や天国軍団であれば、そうやってやわ肌の感触をガードできる。だが、魔界で製造されたメカニック怪人は、全身に、天国軍団をはるかに凌ぐ魔力が充満し、流れ、放出され続けている。その魔力は生地を通り越して、男の肉体に直接作用することができるのだ。」

僕:「じゃ、じゃあ、今僕が感じている、この女体の感覚はっ!?」

佐伯:「ふとももんの魔力によって、レッドスーツを通り抜けて君の触覚に直接作用している感覚だ。服を脱がない男性や鎧甲冑に身を包んだ男性であっても、直接裸で抱き合う感触をもたらすことができるのだ。そのスーツはある程度魔力をはじき返すものの、100%はじくわけではない。一部は通り抜け、君の肌に魔力が流れ込み、それが細胞の神経に作用して、あたかも直接女の肌に触れているかのように感じさせることができるのだ。」

僕:「そんな!」

佐伯:「それだけじゃあないぞ。そこから流れ込んだ敵の魔力は、君の体の奥底まで浸透し、すべての性感神経を刺激することもできる。抱かれているだけで射精にいたらしむ力があるってことだ。フザケンジャースーツが魔力をガードしているものの、君は普通の女性と裸で抱き合っているのと同じ感触を刻みつけられて、なおかつじわじわと軽い気持ちよさを全身に感じているはずだ。」

僕:「うう…たしかに。」

佐伯:「フザケンジャースーツによるガードでさえ、人間の女性と同じ快感攻撃力くらいは通してしまう。これが鉄の鎧程度だったら? さらには相手の男がスーツや裸だったら?」

僕:「あのときのサラリーマンのように、ひっきりなしに連続射精して気絶してしまう!」

佐伯:「そういうことだ。それがメカニック怪人の基本能力! こちらが神通力で女体を絶頂にいたらしむのと同じように、向こうも魔力で射精させようとしているのだ。抱かれているだけで危険だ。」

僕:「くっそ…」

佐伯:「しかも敵には、これにさらに加えて、手コキやフェラ、挿入などというバリエーション豊かな攻撃がある。簡単には射精を止めることができんぞ。心してかからねば。」

僕:「ま、負けるものか…」

 じわじわと性感が高まっていく。青い体の大柄女性に抱き締められているだけなのに、体中がくすぐったく心地いい。その快感は股間へと集中していき、さらにそこから脳へと伝達されて、精液がどんどん溜め込まれ、やがて射精してしまうのだ。

 もしそんな力を持つ女体で、しかも手コキや挿入やパイズリなど、股間を直接攻撃してきたとしたら、抱き締められている今以上に気持ちよくなって、あっという間に出してしまいかねない。こちらも微弱電流であっさりと女たちをイかせることができるが、敵も同じ強烈な武器をその肉体に秘めているのだ。

 もしこれで負けて射精してしまい、ふたたびレッドに戻れずに裸で怪人に抱かれセックスさせられたら、あっさり気絶し、再起不能に陥ってしまうだろう。

佐伯:「怪人には特徴がある。ヘルサたん総統の制作する怪人を総称して“メカニック怪人”と呼ぶが、その中の流派として、”●●怪人”という呼称もある。コイツの場合はスマタ怪人だ。そのあとの呼称は固有名詞。つまりこいつの名前は、正式には、メカニック怪人流派スマタ怪人ふとももんなのだ。」

 メカニック怪人→●●怪人(スマタやフェラなどが入る)→固有名詞

 これがメカニック怪人の構造である。怪人にはその肉体の特徴に応じて、流派がつけられる。ふとももんは生足でペニスを挟んでこすりあげるスマタ攻撃が得意であるために、流派もスマタ怪人となっている。もし手コキが得意な怪人であれば、メカニック怪人流派手コキ怪人となる。通常、すべての怪人がメカニック怪人であるため、流派から呼称する。

 したがってコイツは、スマタ怪人ふとももんなのだ。

佐伯:「今説明したとおり、怪人に触れられるだけで魔力による快感攻撃が男を襲う。そこへペニスへの攻撃が加わるのだ。さらに、怪人は流派ごとに、特殊能力を秘めている。スマタ怪人は、その生足や性器表面に特別なテクニックや武器を具えているのだ。」

僕:「えええ!? ただ魔力が流し込まれる攻撃だけじゃないのー!」

佐伯:「敵のふとももに挟み込まれるな。奴はそこにさらに強力な武器を隠し持っている。」

僕:「くっそ、離れろ!」

 僕はふとももんの体を離そうとしたが、敵は強い力で僕に抱きつき、ぎゅっとしがみついて離さない。フザケンソードは敵に抱きつかれた衝撃で地面に落ちてしまった。

 こうなったらフザケンフィンガーとフザケンブレードの合わせ技で戦うしかない。

 「フザケンフィンガー! フザケンブレード!」

 指先がぶるぶるバイブ振動する。また、股間が肥大化し、30センチを超える巨大なコックが僕の股間に出現した。もちろん、バイブ振動つきだ。よし、この巨大化したペニスと絶妙な指先で、ふとももんを攻撃しよう。

佐伯:「馬鹿っ! フザケンブレードを引っ込めろ!」

 「ももももー!!」ふとももんがうれしそうににやりと笑った。

 「あぐっ!?」

 突然ペニスがやわらかいものに包まれた!

 ふとももんが瞬間的に足を開いて、長くなったペニスを股間に収めると、次の瞬間、きつく足を閉じてきたのだ。

 ペニスはふとももんのふとももの間に、あっさりと挟み込まれてしまった。

佐伯:「ダメだレッド! すぐに脱出するんだ!」

 「あ・・・ああああ!」

 モニターで中年サラリーマンが気絶させられるほど抜かれ、脈打ちが止まらなくなって精液がひっきりなしに噴出していた理由が分かった。それは単純にコイツの魔力だけではない、決定的な原因があった。

 スマタ怪人だけあって、彼女の内股はあまりにも甘美で柔らか、すべすべだった。シコシコした肌触りは、通常の女性など比較にならないほど滑らかな弾力で、吸いつくようなきめの細かさに魔力が上乗せされて、ペニスにダイレクトにたたきつけられるのだ。

 これがふとももんの生足。いや、それだけにはとどまらなかった!

 内股部分だけが、変幻自在に突起している。大小様々な“こぶ”が、やわらかい凹凸となり、同時にこりこりした心地よい感触を刻みつけてくるのである。スキー場のこぶのように突起した、内部に芯のある肉が、ペニスの敏感なところにまんべんなくまとわりついている!

 内股の突起は変幻自在に位置を変えながら、さらに盛り上がったり引っ込んだりして、ペニスの感じやすいところに集中して襲いかかり、さらに自在に動き回って、足を動かしていなくてもペニスをしごくことができている。全体が振動し、さまざまな周波数のバイブが股間の奥底までを快感にさらす。コブごとに振動のぶるぶる具合が違うので、それが絶えず新鮮の刺激となって、一気に射精を促すことができるのだ。

 しかも魔力が内股に集中しているため、ここに挟み込まれたペニスは一番ダイレクトに大量の魔力を送り込まれることになる。性感神経をこれでもかと責めさいなむことができた。

 そこへ、ふとももんが左右の足を交互にスリスリしてきたのだからたまらない。あっという間に高められ、僕はイキそうになってしまった。

 脱出しようとしても、彼女の長い腕が僕の背中までがっしり抱え込み、ぎゅっと抱き締めて離さない。上半身は彼女の胸から大量の魔力が送り込まれ、全身がとろけそうになっている。

 「うぐぐ…」僕は何とか脱出しようともがくが、どうしても離れることができなかった。それどころか、もがけばもがくほど、さらに魔性の女体に細胞単位で深く深くめり込み、そのまま融合してしまうのではないかとさえ思えるほど甘美で心地よかった。

佐伯:「早く! 何とか脱出するのだ! このままでは…あのサラリーマンみたいに気を失うまで抜かれてしまうぞ。そうなれば人類はおしまいなのだ!」

 「ああっ!」気の遠くなる快感の中で、僕は後悔していた。フザケンブレードはペニスを長く硬くして、女体を悦ばせる武器だ。だが、巨大化するということは、股間を狙われやすくしてしまうことをも意味した。

 硬く太く長くなったペニスは、怪人のふとももにたやすく挟みやすくなってしまい、これをチャンスに敵はペニスを内股で挟み込み、必殺のスマタ攻撃をくり出してきたのである。

 完全に僕のミスだ。

 ペニスを巨大化させれば、「どうぞ挟んでください」と言っているようなものだったからだ。

 とにかく、このままでは射精してしまう。レッドスーツに守られているために、サラリーマンのように絶頂射精が止まらなくなることはないものの、それでもいつイッてしまってもおかしくないほど、ふとももんの生足は気持ちよかったのだ。

 「ふっ、フザケンジャービーム!」

 ばちい!

 電気刺激がショートを起こす。接近戦でのビームは危険であり、僕自身にも悪影響を及ぼす。だが、今のところ反撃できる唯一の武器は、フザケンジャービームしかなかった。

 「もももっ!?」

 ふとももんの拘束が弱まった。今だ!

 僕は渾身の力で彼女の両腕をふりほどき、ふとももんのスマタ攻撃から、命からがら脱出することができた。

 「このままでは…確実に射精させられてしまう。何かいい方法は…!?」僕は思案に暮れた。想像以上に怪人は強すぎる。いかにレッドスーツが僕の能力を格段に強化させ、女体の快感をギリギリまで削減すると言っても、それでも耐えきれずにイキまくって敗北してしまうだろう。

 「そうだ、せっかくフザケンブレードを発動させているのだ。あれをヤルしかない!」

 僕はポーズを取った。ブレード発動時に頭にちらついた技だ。

佐伯:「そのポーズは…ま、まさか! 待て、やめるんだレッド!」

 「必殺技しか、コイツを倒す方法はない! …喰らえっ! フザケン満腔月斬り!!」

 僕は左手で円を描き、その中心を右手の手刀で斬るポーズを取った。電子●月斬りと違って、斬る方向は上から下ではなく、逆に下から上に斬り上げるポーズだ。

 ぶううん!

 レッドスーツの神通力が股間に集まる。実際には名前とポーズだけ聞いたに過ぎず、一体どんな必殺技なのかは見たことがなかったが、必殺技にふさわしい強力な攻撃になるはずだ。

 ぶるるるるるるる…

 次の瞬間、巨大化した僕のペニスが、ぶるぶると振動して、手首を回すようにぐるんぐるんと大きく回転し始めた! そのスピードも速く、遠心力が加わって根本から引きちぎられそうになっている。

 「あだだだだだだ! ぎゃああ!」

 股間に激痛が走る。そりゃあ、チンチンを高速で強制的に振り回されては、引きちぎられそうな衝撃でチンチンがもげる。痛い。死ぬ! いやああ!

 しばらくぶるぶるペニスが高速回転していたが、やがて、ぴょこっと、亀頭が下から上に振り上げられた。回転して円を作っていた中心を、亀頭が下から上へ斬りあげたような格好だった。

 股間だけの動きなのでショボイ。チンチンが回転してぴょこっと小さくはね上がっただけだった。

 「ひい…なんだったんだ今のは。。。」

佐伯:「馬鹿者ーー! 必殺技というのは最後のトドメの時にだけ発動させるんだ。今出してどうする! しかも使い方が思いっきりまちがってるぞ!」

 「あ…やっぱりまちがってた?」

佐伯:「印籠は最後に出してこそ効果がある! 今やるな馬鹿たれ!」

 「すいません。」

 「もっもっもっも〜」

 「てめえ笑うな!」

 もう怒ったぞ。執念を超える怒りで、絶対にこの怪人を倒してみせる!

 僕はふたたびスマタ怪人ふとももんに向き合った。幸い、さっきの痛い失敗のおかげで、イキそうになっていたペニスはすっかり平静を取り戻した。けがの功名だが、しっかり回復を果たしていた。

 僕は近くに転がっているフザケンソードを拾い、ふたたび身構えた。

 「もももー!」

 突進してくる怪人の股間めがけて、フザケンソードをくり出す。

 ソードはしっかりと、ふとももんの内股にくい込んだ。

 「お前、生足で責めるのは得意なようだな。だが、逆にソコを責められる気分はどうだ?」

 「ももっ、もももー!!」

 ふとももんは内股になって、くねくね腰をゆり動かしている。彼女の内股で暴れる亀頭部分と刺激電流が、怪人を悦ばせ、大ダメージを負わせ続けているのだ。コブがソードを責めるが、もともとプラスチックの卑猥な武器、ダメージはまったくない。

 このまま倒してやる。僕はソードをやや上向きにして、亀頭が彼女のオンナ表面をこねくり回せるよう、さらに奥へと力尽くでツッコンだ。

 「ももー! ももー! もっも〜…」

 怪人のクセに悩ましい声を立てやがって。だが、もう少しで敵も絶頂を迎えるはずだ。このまま勝って活路を開こう!



######

ヘルサたん総統:「へえ。あの変態仮面、なかなかやるじゃない。」

カリギューラ女王:「何をのんきなことを! せっかくの怪人がイキそうになっておるぞ!」

ヘルサたん総統:「あたしも正直、あのスマタ攻撃でレッドがイキ狂ってしまうと思ってたのに。踏ん張ったあげく強烈な反撃をしてくるとはね。しかもあのバイブの角度はなかなかいいわ。あれなら内股もマ●コもいっぱい気持ちよくできるものね。」

カリギューラ女王:「うぐぐ…」

ヘルサたん総統:「仕方ない。…フローリア、奴らを”ヘルサ空間”に引きずり込め。」

カリギューラ女王:「!」

フローリア将軍:「!」

 ヘルサ空間。一時的擬似的に作られた、強大な魔力に包まれた閉鎖空間である。この亜空間に入った怪人の全能力は3倍となる。人間界と魔界の間に作られ、半分魔界のような状態となるが、そこは不毛の地であり、薄暗い崖に囲まれた荒野である。ただし地面にはあちこちにやわらかいシートが敷かれており、そこで戦うことができる。

 カリギューラの夢幻時空は、人間界内部に作られ、周囲の女性を巻き込んで男を襲う疑似空間であり、その内部と人間界とでは時間が切り離されるため、周囲はセピア色となり、内部の時間だけが進んでいく。

 これに対してヘルサ空間は、空間(場所)は切り離されるものの、時間は連動する。人間界でもあり魔界でもある空間のホールであるため、人間界からの通信も可能だが、怪人が倒されるか男がイキ狂って気絶するのでない限り、お互いにヘルサ空間からの脱出はできない。

 荒野ではあるが、いくつかのトラップもある。擬似的空間に一時的な生を与えられたホールワーム、男性だけに作用する催淫ガス、玉袋の時間だけを進めるタイムトラップ(数週間抜いていないのと同じ状態になり激しく疼く)、幻覚攻撃などである。

 もともと、魔族の糧になる精が濃い男性をここに連れてきて、怪人にしこたま抜いてもらい、魔族のエネルギーを効率よく吸収しつつより多くの種を人間界にばらまくために設置された亜空間である。

 だが今や、ピンチに陥っている怪人を助け、フザケンジャーレッドを射精させるために、ヘルサ空間が用いられようとしているのだ。

 そのヘルサ空間を発生させる装置が、魔界の指令本部に設置されている。装置は、ヘルサたん総統が命令を発し、フローリア将軍がレバーを引くことで発動するようになっている。

ヘルサたん総統:「さあ、フローリア将軍、ヘルサ空間を発生させるのだ。」

フローリア将軍:「かしこまりました。」

 フローリア将軍は装置のレバーを引こうとした。

フローリア将軍:「…あれ?」

 しかしレバーは硬く、どんなに力を込めても引くことができずビクともしなかった。

ヘルサたん総統:「違う違う! 鳥人間みたいに嬉しそうにフィッフィフィ〜言いながら、なおかつ”ヒッヒッフーヒッヒッフー! やんやん♪ いつでも産めるぞひっひっふーヤンヤン♪”って歌い踊りながらレバーを引くのだ。」

フローリア将軍:「ええ〜〜〜…」

ヘルサたん総統:「そうしなければヘルサ空間は発動しないぞ。ほれ。急がないとふとももんがやられてしまうぞ。」

フローリア将軍:「うう・・・」

 前略。天国のおかあさん。なぜワタクシはかような辱めを受けなければならないのでしょうか。もう嫌ですこのちんちくりんと一緒は。

ヘルサたん総統:「ちんちくりんとか思わないでよ。」

フローリア将軍:「い、いえっ! 滅相もございません! 決してそのようなことは…」

ヘルサたん総統:「じゃあ早くヘルサ空間出してよ。」

フローリア将軍:「いやああ!!」そんな恥ずかしい歌を歌うくらいなら死んだ方がマシであった。

ヘルサたん総統:「早くしなければ反逆と見なします。大丈夫よ、そのうち慣れるからさ。ね? がんばってフローリアちゃん♪」

フローリア将軍:「あうう……ヒッヒッフーヒッヒッフー! やんやん♪ いつでも産めるぞひっひっふーヤンヤン♪ …ぐすっ、ぐすっ…」

カリギューラ女王:「泣くでないフローリア。ほれ、お前のおかげで、ヘルサ空間が発生するぞ!」

ヘルサたん総統:「これでフザケンジャーレッドも終わり。意外にあっさりとカタがつきそうね。」

フローリア将軍:「うぅ・・・」

######



 ゴゴゴゴゴ…。

 「!」

 なっ、なんだ!? あのおかしな黒雲は!?

 突然、快晴の空の一角に真っ黒い雲が現れ、もわもわと一気に広がっていく。あれよあれよという間に、空一面を覆ってしまった。

 激しい地震が数秒続いたかと思うと、地面全体が浮き上がるような感覚に襲われる。

 「うわああ!」地面ではなく、今度は僕たちが揺れている。体が素粒子レベルで分離してしまうみたいな、いやあな振動が脳天を直撃し、僕は気を失いそうになった。

 次いで奇妙な浮遊感が全身を襲い、僕は足下もおぼつかなくなってその場に倒れ込んでしまった。

 「…はっ!」

 とっさに起き上がって周囲を見ると、風景が完全に一変してしまっていた。

 町の公園にいたはずなのに、だだっ広い荒野にたたずんでいる。周囲を崖に囲まれ、草一本生えていない不毛の砂地にいた。

 「こ、これは一体…。」

ポッティ:「聞こえるかねレッド。」

僕:「その声はポッティ!?」

ポッティ:「君は今、“ヘルサ空間”という疑似空間に閉じ込められている。そこにはいくつかのトラップがあるから気をつけるんだ。その上で、ヘルサたん総統と波長の合うメカニック怪人のパワーを3倍にはね上げることができるんだ。」

僕:「なっ、なんだって! そんなの勝てるわけないじゃあないか! さっきまでの戦いだってギリギリで押されていたところで、やっと逆転し始めたばかりなんだし、そこで一気にふとももんが3倍になって、勝ち目はないよぉ!」

ポッティ:「落ち着きたまえ。奴らがこの空間を発動させたということは、ふとももんの精力が残りわずかとなって、怪人がピンチに陥ったことをも意味するのだよ。もし向こうが余裕で勝てるなら、わざわざ膨大な魔力を使って、ヘルサ空間を発動させる必要もなく君を倒せるはずだからな。」

僕:「ピンチは同時にチャンスでもある、ということか。」

ポッティ:「そういうことだ。ここで敵の猛攻撃をこらえきって反撃できれば、敵精力は残り少ないのだ、勝利は間近と言えるだろう。がんばるのだレッド。」

僕:「わ、分かった。」

 それにしても、メカニック怪人の姿が見あたらない。周囲を見回しても、薄暗く、黒くて青い光がわずかに差し込んでいるだけで、見通しも良くない。地獄はきっとこんな風景なのだろうな。

 ぐにょ。

 「ひっ!」

 なんかヘンなものを踏んづけたぞ!?

 よく見ると、肌色の膜であった。絨毯みたいに10メートル四方に敷かれていて、布団のように厚みもあり、その上はぐにゅぐにゅしている。触ってみるとスベスベしていて、女の肌でできているみたいだった。

 なるほど、荒野と言っても砂や砂利の上に寝そべってセックスはしなくていいんだ。さすがにそういう痛いのはカンベンして欲しかったからなあ。

 それでも、このシーツは危険でもある。やわ肌でできているのと同じ状態で、寝そべるだけで気持ちいいからだ。ただの布団ではない以上、警戒しておくに越したことはない。

 「むっ…?」

 さらに目が慣れてくると、荒野のあちこちにマカロニが落ちているのが見えた。

 「なんであんなところに?」

 おそるおそる近づいてみた。だが、近くにあると思っていたマカロニは、意外に遠くにあった。近づくほどにマカロニは大きくなり、それが食べ物でないことが明らかになっていく。

 「うひい…」ある程度近づいて僕は足を止め、おぞましい生き物に後ずさった。

 ソレは、尺取り虫のように荒野を這い回る白い虫であった。体長は20センチはある。目はないが、マカロニのような筒状になっていて、ぐにゅぐにゅと地べたを這い回っている。幅はおよそ5センチと言ったところか。巨大な芋虫のように、意志もなくシャクトリで這い回っていた。

 「きもちわるい…」僕はその場を後ずさり、それ以上近づかないようにした。

ポッティ:「ソレはホールワーム。ヘルサ空間だけで生を許された、意志のない疑似生物だ。気をつけなさい。そいつはいわゆるオナホールが虫になった生き物。近づけばペニスめがけて飛びかかってくるぞ。」

僕:「ひええ…」

僕はあちこちで這い回っている気持ち悪い虫を避けながら、さらにふとももんを探し回った。

僕:「ん? アソコに花があるな。」

 虫の他にも、無機質な深い紫の花が咲いているのが見える。

ポッティ:「絶対にソレに近づいてはいかんぞ。それはタイムフラワー。近づいた男の玉袋にはりついてまるごと飲み込み、内部の時間を急速に進めるトラップだ。」

僕:「げえ。」

ポッティ:「そいつに食いつかれたら、一秒につき一日、玉袋の時間が進められてしまう。数秒食いつかれただけで、内部の精巣に精液がパンパンに溜め込まれてしまう。何日もオナニーしていない状態が一瞬で作り上げられてしまうのだ。しかも吸着力がたいへんに強く、必死に引き剥がしても数十秒はかかってしまう恐ろしい花なのだ。」

 僕は絶対花には近づかないと決めた。

 空を見上げる。すると、桃色の鳥が飛んでいるのが見えた。

 ぶわあ!

 「うわあ!」

 ピンクの鳥はいきなり襲いかかってきた。僕は瞬時に避け、何とかとっさの動きで鳥の直撃を避けた。

ポッティ:「鳥を見てはいけない。その鳥は自分の姿を見た男に突っ込んでくる禍々しい催淫鳥だ。もしその鳥にぶつかったら、鳥はガスのカタマリとなり、強力な催淫ガスが男の体内に残らず入り込んでくる。そうなれば性欲が増強され、全身が敏感になって弱体化し、簡単にイかされてしまう。」

 くっそ、トラップだらけじゃあないかこの空間は。かなり不利な条件だ。

 もっとも、このヘルサ空間はほぼ完全に敵側のテリトリーなのだ。そこに引きずり込まれ、敵を倒すまで脱出できないのであれば、やはりこの条件でも戦い、イキそうになっているメカニック怪人を倒す他はない。がんばろう。

ポッティ:「他にも、今はいないようだが、ガスを吐く女顔の犬(白いガスを身に受けるとその部分の性感神経が刺激される)、噛まれると幻覚を一定時間見せられるヘビ、お尻の穴から進入して前立腺を刺激するミミズ、刺されると女の色香に心を奪われやすくなるモスキート、経験浅く感じやすい子供に戻る若返りのピラニア、脱力を誘うヒル、オッパイの実が襲いかかる魔木などが、この亜空間には生息しておる。こやつらは厳密には生物ではない。ヘルサの設計によって擬似的に生を与えられた、一種の精巧な機械のようなもの。ヘルサ空間発生と同時に生態として誕生し、一瞬で生態系を営む。そして引き込まれた男をどんどん弱体化し攻撃するのだ。」

僕:「近づいたり見たりしなければ襲ってこないの?」

ポッティ:「うむ。ヘルサのもくろみは、この疑似生命体のトラップにひっかかって弱体化した男を、怪人の圧倒的なパワーで搾り取るところにある。ふとももんは今もどこかに隠れていて、君がトラップにひっかかって弱体化するのを待っているのだろう。何かにひっかかれば即座に姿をあらわし、一気に精を奪いに来るはずだ。」

僕:「でも…。」

ポッティ:「無論、トラップにひっかかってはいけない。疑似生命どもを避け、何とかしてふとももんが潜んでいる場所を見つけ出すのだ。」

僕:「わかった。」

 僕は周囲をきょろきょろ見回した。敵の姿はない。でも、必ずふとももんはこの空間のどこかにいる。あの崖の向こうではなく、崖に囲まれたこの広い荒野のどこかにいるはずなんだ。

 ぐにゅっ!

 「あふ!」

 突然股間が気持ちよくなった。見ると、あのホールワームがペニスにはまり込んでいるのだった。

 薄暗くてこの虫の存在に気づかず、僕はこいつに近づきすぎてしまったのだ。

 オナホールから生まれた虫は、ペニスを挿入したまま高速でしごき上げてきた。

 「うあああ! はなれろお!!」僕は必死で虫を掴み、ペニスからムリヤリ引き剥がすと、遠くへ投げ捨てた。

 「!」

 視界の隅にピンク色の光の玉が見えたかと思うと、そいつはまっすぐに僕に突進してきた。ほんのわずかでも見てしまうと、桃色鳥がツッコンできて、僕をガスまみれにするのだ。

 「うわあ!」僕はとっさにしゃがみ込んで、地べたを転がり、鳥から目をそらした。

 すると見られていない桃色鳥は、どこかに消えてしまったようで、それ以上に襲いかかってはこなかった。

 ぐちょお! 「ひゃあ!」転がった先に虫がいて、またペニスは女筒と同じ感触に包まれてしまう。

 そうやってじわじわと僕を追いつめてから、ふとももんは生足スマタ攻撃でトドメを刺そうとしているんだろう。なんて狡猾な戦い方をしやがる。これも敵の実力が3倍になった結果だということか。

 「もももー!」

 「あっ!」

 数回トラップにひっかかった僕を、そろそろ倒せると踏んだのだろう。メカニック怪人ふとももんが飛び出してきた。

 いきなり抱きつかれる。さらに性感ダメージが襲いかかる。

 「くっそ!」

 僕はとっさにしゃがみ、ふとももんの拘束から逃れた。

 「ももも。ももっもー!」

 「なっ、なにい!」

 ふとももんの周囲に、数本の女の足があらわれた。

ポッティ:「気をつけろレッド。ヘルサ空間では、メカニック怪人はその流派に応じた飛び道具を使ってくるぞ!」

 飛び道具って、あの女の足ですか?

 不気味な光景であった。股から下だけの生足が、ふとももんの左右に数本ずつ、ぴしっと並んでいるのである。

 「もももー!」怪人が僕を指さすと、唐傘小僧のように飛び跳ねながら、足だけの怪物たちが一斉に襲いかかってくる。

 「うわああ!」女のふにふにした足だけが僕の体にまとわりつく。ふともももふくらはぎもヒザの裏でさえ、僕の両足を責めさいなんでいる。

 シコシコした肌触りは何とか軽減できてはいるものの、それでも女の足のやわらかい弾力はぬぐい去れず、レッドスーツ越しに僕をとろけさせる。

 無数の女の足は、僕の両太ももにまんべんなく絡み付きながら、すりすりと自慢の肌をこすりつけてくる。

ポッティ:「レッド、何とか生足の拘束を解くのだ。」

僕:「そっ、そんなこと言ったって!」振り払ってもしつこくしつこくまとわりついて、僕の足の外側といわず内側といわず、まんべんなく隙間なくスベスベのふとももの感触を刻みつけてくるのだ。脱出は困難であった。

ポッティ:「ここでなら、あの技も発動できる。フザケンブレードに神通力を集中させてレーザー化した”レーザーダイナミックブレード”だ。その白い光に触れた怪人はとろけるような強烈な快感を味わうことになる。ヘルサ空間に引き込まれることもこちらは想定済みでな。その空間だけで発動できる強力な武器を組み込んでおいた。ふとももんがあらわれた以上、今こそレーザーダイナミックを発動させるのだ。やり方は、一回根本から先端までをしごきながら言霊を発すればよい。やってみよ。」

 ピンチの中にチャンスがあるというのは本当だった。このまま女の生足に囲まれ、ペニスはふとももんの足に挟み込まれてそのまま射精に至る。敵はそんなシナリオを用意しているに違いない。

 そこへフザケンジャーの秘密兵器、レーザーダイナミックブレードを発動させ、一気に逆転させればいいのだ。

 「レーザーダイナミックブレード!」

 僕は台詞を言いながら、自分のペニスを右手で根本から先端まで、一回だけしごいた。

 「おおっ!」右手でゆっくりしごいていくと、しごいたあとの部分がネオンのように青白く強く光ってゆく。先端までしごくと、ペニス全体がレーザーのカタマリのようになった。

ポッティ:「そのレーザーちんちんは、触れた女すべてに強烈な快感をもたらす。それはとろける感覚をはるかに超え、瞬間的には焼けただれるような感触を敵に与えることになる。そしてその直後、どこに触れても全身が痙攣を起こすくらいに電撃が体内を駆けめぐり、女体をどこまでも追い詰めるのだ。」

僕:「そいつはすげぇ・・・」

ポッティ:「その力はあまりに強大なため、人間の女性や天国軍団に対しては使用できぬ。脳がすり切れてしまい精神に異常をきたしかねない。あくまで魔族や怪人に対してだけ、そのレーザーブレードを使用すること。そうなるよう、このダイナミックブレードはヘルサ空間内部でしか発動できないようになっておる。これで怪人のパワーが3倍となり、淫靡な罠がたくさん張り巡らされている亜空間であっても、しっかり互角に戦えるはずじゃ。」

僕:「よし!」

 僕はあらためてふとももんに立ち向かう。反撃開始だ!

佐伯:「ボンビーロード♪ ボンビーロード♪ おめこのためにすべて〜〜♪」

僕:「って、誰だこんなクライマックスの時に歌ってる奴は!」

佐伯:「いや、だって…レーザーブレードといったらそれに見合ったテーマソングとかBGMとか必要だろ? ギャ●ンみたいに。」

僕:「そういうのは読者の頭の中で自動的に流れるんだろ。だいたいBGM用意できなかったからってアンタが歌うことないじゃないかー! しかもその曲微妙に歌詞違うだろ!」

佐伯:「だってそういう風にしか聞こえないんだもん。特にエ●ザヰル。」

僕:「そういうこと言ってると多くの読者がそういう風にしか聞こえなくなるからやめてください。貧乏道じゃないですか。空耳自重!」

佐伯:「っち。しょうがねーな。」

 あらためて反撃開始だ。

 まずは僕の足にまんべんなく絡みついている女足から何とかしないと。

 「はああああ!」

 僕は呼吸を整え、ぐるんと回転しながら、レーザーダイナミックブレードを生足だけの怪物に振りかざした。

 長く伸びた硬いペニスはすでに強力な武器となって、フザケンブレードという呼称を与えられている。そこに強烈な神通力が集中し、
強力なプレジャーボルトを兼ね備えたパワーアップを果たしたのが、このレーザーダイナミックブレードである。

 ペニスにはレーザーがまとわりついており、これに触れたりこれで触れたりすれば、女体に大ダメージを与えることができる。

 じゅううう!

 青白く神々しい光を放つペニスがふとももに当たると、氷のカタマリに熱い鉄の棒があてがわれたようにしゅうしゅう音を立てて、文字どおりただれていく。しかしそれは痛みを伴うものでなく、逆にあまりにも強い快感を女体にもたらすものである。

 実際にただれているのは女の肉体ではなく、そこにまとわりついている禍々しい魔力のほうである。

 腰をうまく使って、股間から伸びているレーザーブレードで生足を斬っていくと、まとわりつくシコシコのふとももはぶるぶるっと震えて消滅していく。

 ふとももんから派生した飛び道具は、ほとんど魔力がなく、わずかにレーザーブレードが触れただけで消滅してしまうのだ。

 僕は何回か回転しながらすべてのふとももに斬りつけ、あっという間に飛び道具すべてを片付けることに成功した。

 「とーう!」

 僕は大きくジャンプして、ふとももんの前に立ちはだかった。いよいよ決戦だ。

 「もももーー!」怪人は足を開き、ペニスを内股に挟み込むと、僕にぎゅっと抱きついた。

 「ももっ!? もー! もーもー!」

 そのとたん、ふとももんの股間がジュウジュウ焼けただれる。彼女の素股攻撃部位にこそ、一番魔力が集中しているのだ。そこに強烈な神通力のレーザーペニスをお見舞いしているのだから、ダメージも半端ではないはず。

 たしかにふとももんの内股の弾力や、快感攻撃力、すべすべ度合い、みずみずしさは、3倍に達しているのだろう。だが、その強化こそが仇となるのだ。その分魔力が集中するため、ペニスレーザーを挟み込めばタダでは済まない。

 「とりゃあ!」僕はさらに奥までペニスを突っ込みつつ下から上へと腰をはね上げた。

 「もももー!!」ふとももんは上半身をのけぞらせ、僕の立位攻撃に白目を剥いた。スマタの体勢から、立位での挿入に切り換えたのだ。すでにイク寸前にまで高められているふとももんの愛液はふとももをびしょびしょにしてしまっており、そこから挿入に持っていくのは難しくなかった。

 僕はふとももんの膣内をどんどん腰を振って責め続ける。そのたびに、レーザーブレードが怪人のオンナ全体をかき回し、さらに性感神経が集中している器官に、ダイレクトに強烈電流が流れ込んでは全身に広がっていく。

 そうか! さっきの必殺技はここで使うんだ!

 「必殺! フザケン満腔月斬り!」

 ペニスが回転を始める。だが、外での回転はペニスを痛めつけるけれども、挿入時であれば話は別だった。

 膣内部全体を押し広げるようにして、ペニスが高速回転しながら激しくかき回していく。あの痛い動きは、挿入時にレーザーブレードの威力を存分に膣内にまき散らすためのものだったのだ! そりゃあ、入れてもいないのに発動させてもダメだよなあ。

 そうしてしばらくオンナを徹底的にかき回して絶頂を迎えさせたその瞬間、ペニスは下から上へと力強くはね上がる! これは、空中では小さくぴょこっと跳ねる動きだが、挿入時であれば格別な攻撃となる。絶頂した瞬間に思いっきりクリトリスとその周辺めがけて強烈な衝撃を与えるのである。

 怪人といえども、一度に2回以上イクほどの快感となるはずだ。

 「も! もももおおおおお!!!」

 スマタ怪人ふとももんはアクメにアクメを重ね、一瞬にして果てきってしまった。

 ざあああ!

 怪人は絶頂を迎えると砂になってしまう。魔力は散逸し、製造された怪物は完全消滅してしまうのである。

 次の瞬間、ヘルサ空間は消え失せ、僕は元の昼間の公園に戻っていた。

 「や・・・やった・・・」

佐伯:「おめでとうレッド。君はあの魔性の怪物に勝利したのだ。」佐伯さんの拍手の音が通信機から聞こえる。「さあ、これでひとまずの危機は去った。一度本部に戻ってこい。」

僕:「ラジャー!」

並木:「通信機能は忘れずに切ってね。」

僕:「あ…」

並木:「何考えてるのよ。私をオカズにしたら承知しないよ!」

僕:「わ、分かってますよ。やだなあ。」

 僕は通信機能を切り、公園のトイレに駆け込んだ。

 数分後、僕は基地に戻ってきた。もちろん、神谷達郎に戻っている。

佐伯:「おっ。ハヤかったな。」

僕:「そりゃあ、あれだけの戦いをしたあとですからね。こっちも結構追いつめられてたし、トイレで自分で抜くのは簡単だったですよ。」

並木:「最低ね。この早漏野郎。」

僕:「あう・・・並木さん…」

ポッティ:「ともかく、これでひとまずは安心じゃ。怪人がいなければ、天国軍団だけでの行動があってもたいしたことはない。」

僕:「ええ。」

佐伯:「だが、いずれ奴らは新しい怪人を製造し、ふたたび人間界で事件を起こすだろう。その都度出動していって、怪人を倒し続ければ、敵も疲弊し枯渇していく。」

ポッティ:「奴らは魔力に神通力をコーティングして、怪人を作っておるようじゃ。ということは、戦っていくうちに、神通力は徐々に衰え、そのうち怪物を作れなくなる可能性がある。…もっとも、こちらが敗北を喫し続け、敵に精を提供していけば、形勢は逆転し、もっと短期間で数多くの怪人を作れるエネルギーを与えてしまうことに繋がるがね。」

佐伯:「最悪の場合、戦いが長引けば、魔力100%でもポッティのバリアをすり抜ける技術が開発されちまうかも知れない。そうなれば怪人は文字どおり量産されてしまう。」

ポッティ:「そうなる前に、敵の“資金”を枯渇させなければならない。神谷君、君のがんばりと勝敗次第で、どうなっていくかが決まる。すべて君の双肩にかかっていると言っても過言ではない。」

僕:「はい。」

並木:「とにかく、これで2.3日は敵も身を潜めるでしょう。しかし、次の怪人が製造され送り込まれれば、ふたたび活動を開始するはず。その時は、またレッドになって戦うことになるわ。これに備えて訓練は積み重ねましょう。」

僕:「もちろんです。」

佐伯:「淫夢にも負けるなよ。」

僕:「あ・・・そうだった。奴らが怪人の製造まで息を潜めたところで、僕自身は夢の中で戦わなければならないのですね。」

ポッティ:「うむ。苦しく厳しい戦いになるが、形勢が逆転するまでの間だ、辛抱してがんばって欲しい。」

僕:「はい!」

 今日のところはこれで解散となった。



######

カリギューラ女王:「ぬああああ! ま、負けてしまったではないかあ! おのれポッティ! おのれフザケンジャー!!」

ヘルサたん総統:「へええ。淫魔のクラスでも中級から上級くらいの力を持っているメカニック怪人なのに。しかもヘルサ空間で戦ったのに、その怪人を倒してしまうとはね。クスクス、あのフザケンジャーレッドとか言う奴、侮れなくなってきたわ。」

フローリア将軍:「…。」

ヘルサたん総統:「ま。いいか。」

カリギューラ女王:「なぁにをのんきなことを言っておるのじゃ! 我々の怪人が倒されたのに、なぜおぬしは平然としておるのじゃあ!」

ヘルサたん総統:「そんなの。ふとももんは怪人第一号で、第一陣に過ぎないからよ。スタートしたばっかりでうまくいくのは相当ラッキー。こうやって障害があるからおもしろいのよ。」

カリギューラ女王:「うぐぐ・・・」

ヘルサたん総統:「心配しなくても、すでに次の怪人が胎動しているわ。遅くても明日の晩には生まれるでしょう。」

カリギューラ女王:「明日の晩!!」

ヘルサたん総統:「こういうのはね。長い戦いを前提に計画を立て、先を見越して動かないとだめなのよ。言ったでしょう。100年計画だって。スタートして数日、少し邪魔が入ったくらいで感情的になっているようでは勝てないわ。」

カリギューラ女王:「ぬうう…そなたの言う通りじゃ。」

ヘルサたん総統:「おそらくフザケンジャーは、一人怪人を作るごとにたたきつぶそうとしてくるはず。もし怪人が負け続け、生産するごとにフザケンジャーに倒され続ければ、いずれこちらが押されてしまう。その場合、怪人を量産できる手段をなにか考えない限り、我々に勝ち目はなくなるわ。」

カリギューラ女王:「だが、もしフザケンジャーレッドに敗北の快感を味わわせ続けることができれば、あるいは完膚無きまでに廃人にしてしまうほど抜くことができれば、一気にこちらが有利になる。」

ヘルサたん総統:「そう。レッドが負ける回数が多くなれば、逆にこちらの圧倒的な組織がポッティを押していくことになる。レッドが倒されれば完全に我々の勝利となる。じわじわ怪人を増やし、男どもの精を奪っていって、世界をじわじわ変革していくのよ。」

カリギューラ女王:「そうなれば、ポッティの奴はもはや何もできずに指を咥えて見ているだけ。ざまあ見ろ、ふはははは〜!」

ヘルサたん総統:「そのためにも、カリギューラ女王陛下、あなたの淫夢の力が重要になるわ。今のレッドは、ヘルサ空間でも強力な武器を発動させるほどのパワーを持っているわ。不慣れな素人男だけど、スーツの力だけは偉大で、それを駆使すればあの変態神谷でさえ怪人を倒せることが証明されたのだから。油断は禁物。」

カリギューラ女王:「おおっ! その通りじゃ。私の淫呪で、夢精の回数を増やせば、いかにレッドスーツに身を包もうと、本体が弱体化していく。そうすればもはや、怪人が負けるということはないはずじゃ。」

ヘルサたん総統:「毎晩淫夢を見せ続ければ、佐伯のようなよほどの鋼の意志でもない限り、いつかはゆるんでいくでしょう。そうすれば、はじめは勢いのあったフザケンジャーレッドも、徐々に弱まっていくことは間違いないわね。じっくり取り組みましょう。」

フローリア将軍:「…。」

 戦いは始まったばかり。これからの戦略次第で、戦局は大きく変わっていく。お互いにまだ小さな組織だが、攻勢はどのように変わっていくのだろうか。勝つのは我々か、それともフザケンジャーか。フローリアはこの戦いの行く末を案じていた。

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