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ナメてる戦隊フザケンジャー!


第7話 スクールバスのつぼみたちを救え!



 僕は目覚めた。股間に違和感が残っている。ぐっちょりと臭く湿っている感じ。間違いなく恥ずかしい夢精をしてしまっていた。

 僕はシャワーを浴びて着替えを済ませ、窓を開けた。

 夢の中では何度も何度もイッているが、現実には何が起こっているのだろう。すぐに体液が玉袋に補充されるのは新世界でのことであり、まだそうなっていない現実世界では、射精は一回のはずだ。その後は精液が枯渇し、イクこともないはず。

 だが、夢の中では間違いなく、何度も何度も絶頂した感覚を味わっている。その間現実世界ではどうなっていたのだろう?

 結論はひとつしかなかった。たしかに夢でイッたペニスは、現実でもイッているのだ。だが液量には限りがあるため、一度二度精液を枯渇するまで放出したら、あとはペニスが律動するだけで体液は出てこない。でも脳はたしかに絶頂感を味わい、ペニスは脈打つだけのイク快感を味わっているのだ。

 これなら、夢精といっても、寝ている間に何回でもイクことができる。それでいてカリギューラの呪いのせいで、一向に疲れないのだ。通常、こんなにイキ続けていたら、股間には激しい痛みが伴い、気絶してしまうのかも知れない。だが今は、かえって元気になっている。それが逆に心の奥底の危険信号となっているのである。

 それにしても。夢に出てきたレディースたち。彼女たちはきっと現実世界にも存在している。新世界になっていないから、リーダーも何も気づいていないし、硬派な暴走集団として毎晩活動しているのだろう。

 そして彼女たちは、新世界になれば、まずはリーダーが統率して組織をまとめようとするも、そのうちタガが外れ、セックスに暴走する集団に成り果てるのだ。

 リーダーは夢の中であえて名前を名乗らなかったし、メンバーにも名乗らせなかった。それは現実世界への干渉を避ける意味合いがあったのだろう。

 新世界化して彼女たちに会わないようにしなければならないという、リーダーならではの警告、最後の抵抗だったのかも知れない。

 とにかく、これ以上淫夢に犯されて夢精するわけにはいかない。何とか対策を考えなければならないだろう。

 僕はフザケンジャー本部に足を運んだ。

佐伯:「…。話は分かった。」

 フザケンジャー本部について、ことのいきさつを話すと、佐伯長官は腕組みをしながら深刻に何かを考え込んでいた。

ポッティ:「だいぶ夢が深くなってきているようじゃな。もはや常人では対処できないくらい、淫夢の質が悪化しておる。」

佐伯:「淫気が濃ければ、いくらポッティが快感に耐性をつける術を施していたとしても、夢の中で何度もイキ続けてしまうことになる。神谷君の言うとおり、抜本的な対策が必要だろう。」

僕:「あの…ひとつ考えたんですが、フザケンジャーに蒸着してから寝ると、フザケンジャーとして夢を見ることにはならないんですか?」

ポッティ:「残念ながらそのスーツを身につけて夢の世界に入ることはできないのだよ。蒸着してから寝ても、夢の中では神谷達郎に戻っているし、強化もされない。淫夢はあくまで、君の内面に作用しておるからな。」

佐伯:「本来なら精神力を鍛え、たとえ新世界の淫気に毒されても抵抗できるくらいの強い意志が必要なのだが、それを君に要求するのは酷というものだ。引き続き修行して、抵抗力はつけてもらうが、淫夢は毎晩、容赦なく強められながら襲いかかってくる。とても追いつかないだろう。」

僕:「どうすれば…」

ポッティ:「やはり、淫夢に犯されて夢精をするのはもはや避けられないだろう。そうなると、せめて弱体化だけでも食い止めるしかない。あとは、君が現実世界において気をしっかり持ち、女体に溺れることがないよう、新世界を肯定することがないよう、強い意志を持ち続けるしかない。」

佐伯:「カリギューラの淫夢の狙いはふたつ。ひとつは弱体化であり、現実世界におけるフザケンジャーレッドを骨抜きにして、天国軍団やメカニック怪人の攻撃にぼろ負けさせ、奴らにとっての邪魔者を排除すること。そしてもう一つが、君を洗脳すること。淫夢の快楽にひっきりなしにさらされ、君自身が快楽に溺れ、これを肯定することで、心の底から魔族に忠誠を誓うよう仕向けることだ。」

ポッティ:「前者は何としても食い止めなければならない。それは我々の方で対応しよう。だが後者は、君自身の精神力次第だ。こちらは我々ではどうすることもできないし、そして君自身の精神が敗北してしまえば、いくら前者について我々が対処しても水の泡となる。分かるな?」

僕:「はい…。そこはしっかりがんばります!」

佐伯:「よし、それならまだ対処の方法はあるぞ。少しきついが、毎朝、淫夢のあとに、この装置に入ってもらえばいい。」

 並木さんが大がかりな機械(車輪つき)をガラガラと運んできた。身に覚えがある装置だ。

僕:「もしかして…お灸ですかぁ?」

ポッティ:「不服かね?」

僕:「いや、その…もうちょっと何とかなりませんかねえ。煙で死にそうになるんですけど。」

佐伯:「そう言うと思って改良しておいたぞ。今度はお灸の煙ではなく、同じ成分をミスト状にして噴霧するタイプにした。それなら煙たくないだろ?」

僕:「やった! ありがとうございます!」

 僕はさっそくカプセルに横になった。

 即座に並木さんが、手首足首首すじ肩腰頭部ふとももありとあらゆる場所にベルト固定する。

僕:「えっ…あれ…? さっ、佐伯さん! ただのミストですよね!? 噴霧シャワーだけですよね!? なんでこんなにがっちり固定されてるんですか!? ちょっと!」

ポッティ:「いやあ、夢とかであれほどシリアスでエロが続いたから今度は楽しいノリも見せないとなあ。フザケンジャーは明るいノリノリがウリの作品だから。悲壮な流れはNGであり、一方的なエロも作風からして裏切り行為となるのだよ。」

僕:「いやいやいやいやいや!!! 読者が読みたいのはあくまでエロであってですね、そっちがメインであってですね、ギャグとかそういうのはオマケみたいなもんでですね!」

佐伯:「天帝はお怒りだ。」

僕:「天帝って誰だよー!! みみまる氏のことかー!! とにかくだーーしーーてーー!!!」

 非情にもカプセルは閉ざされる。

 たしかに心地よい霧がカプセルを満たし、リラックスもできて香りも良く、それでいて体の芯から熱く蘇ってくる力強い感覚がこみ上げるのである。これで淫夢によって弱体化した肉体から毒素が抜け落ちていくのだ。

 だが、霧を噴射するノズル以外に、真っ赤な血の色の細いノズルがあちこちから伸びているのを、僕は見逃さなかった。

僕:「なっ、なんなんですか!? なんかヘンなノズルとかでてるんですけどー!」

佐伯:「心配はいらん。お灸がだめなら今度は鍼だ。ミリ単位で経絡がずれたら効果がないどころか肉体が内部から破壊されてしまうのでな。ハリの場所を正確に突くために全身を動けないように固定しただけだから。案ずるな。痛みはものすごいぞ。」

僕:「いーーやーーー!!」

 細いノズルから、ハリにしてはぶっとくてとっても長いハリがにゅううっと伸びてきた。

僕:「ひいいい! 痛いのいやああ! 出してー! まだお灸の方が…ああっ、なんかものすごい数のハリで数え切れないんですけどー!! もしかして全身アナだらけですかぁ〜〜!?」

佐伯:「ウルサイよ。」

 ちくちくちくちくちくちくちくぅっ!

僕:「うっぎゃああーー〜!!!」

 後頭部も肩も背中もお腹も脇腹も足の裏も玉袋も亀頭にも、鍼の先端が経絡に的確に突き刺さる! さらにノズルはゆっくり伸びていき、どんどんハリを全身の奥に突き刺そうとウインウイン蠢いている。もしかして何センチも奥まで刺すつもりですか!

 暴れようにも完全に固定されてしまって、モゾッとすることさえ許されなかった。

佐伯:「痛いか?」

僕:「いっ、痛いですぅ!」

佐伯:「助かりたいか?」

僕:「助かりたい助かりたい助かりたい助かりたい助かりたい助かりたい助かりたい助かりたい助かりたい助かりたいたーすーかーりーたーーいぃ!!!」

佐伯:「……ダメだな。」

僕:「なんでぇーーー!!? やめてとめてやめてとめてやめてとめてやめてとめてとめった!」

 ぐっさあ! 一気にハリが10センチくらいに奥深くまで突き刺さる。

 その瞬間僕は声も出すことができず、何も考えられなくなった。もはや痛みさえもなく、すべての意識、思考、感覚が途絶えた。

 針は瞬間的に奥に刺さり、そしてすぐに引き抜かれた。ばふっと止血のための粉末が吹きかけられたあと、生ぬるいお湯がかけられ、体中が洗われる。

 カプセルが開かれ、ベルトが外された。

 ふっと体の力が抜けたかと思うと、全身めきめきと力がわいてきて、さわやかでエネルギッシュな元気さが強くこみ上げてくる。

僕:「おおぉっ!!? こ、これは…!?」

ポッティ:「うむ。効果はてきめんのようだな。特殊なミスト、これはあのお灸の成分と同じじゃが、これを体内に吸い込むことによって、カリギューラの淫夢によって体内にて生成された淫毒を、自然に浄化させることができる。その上で、射精しすぎて弱体化した肉体をふたたび取り戻し、そればかりでなく男性としてのすべての機能を1.5倍に高めるのが、その針の効果なのだよ。」

僕:「い、1.5倍ですか! そりゃあすごい。」

佐伯:「これによって、勃起力、硬さ、持久力、耐久力、体力筋力、すべてが強化される。俺たちの修行と併用させて、この装置での強化も日々続けていくことで、生身の神谷でも天国軍団と渡り合えるくらいには強くなれるだろう。」

僕:「おおおっ!」

佐伯:「ただし、向こうも手をこまねいて同じことを繰り返すほど愚かではない。おそらくは天国軍団自体も強化され、組織力も統率力もアップするだろう。レッドスーツは欠かせない。」

ポッティ:「ちなみに、夢でイク回数が多くなればなるほど、ハリの痛みは倍加する。ワシの回復パワーも込めてあるから死ぬことはないが、その苦痛は相当なものとなるだろう。今日はまだマシな方じゃ。」

僕:「はうぅ…」それだけがネックなんだよなあ。

佐伯:「あとは、この装置では回復・強化が不可能な側面を何とかしないとな。ひとつが頭脳。こればっかりは勉強しないとどうにもならん。勉強しろ。」

僕:「…ぽかぽかくいず?」

ポッティ:「あれも飽きてきたから雷クイズにしようか。」

僕:「せめて普通に授業してくださいよ。」

佐伯:「何を言う。頭が残念な子はあのくらいスパルタでなければならんのだ。」

僕:「残念って言うな!」

佐伯:「じゃあ、蛍光灯が明るくなるメカニズムを説明してみろ。」

僕:「えっと、たしか。。。中になんかコナが入ってるんだよな。多分その粉が光るんでしょ。電気とか通って。」

佐伯:「………。」

ポッティ:「………。」

並木:「………。」

僕:「残念そうな目で見るな!」

ポッティ:「おツムは本当に鍛える必要があるが、それ以上に重要なのが、精神力だ。心が弱ければ、そもそもがすべて総崩れとなるのだ。」

佐伯:「うむ。そこだけがとにかく気がかりだな。結局悪魔の女体にとりつかれて心の底から性的に堕落してしまえば、もはや取り返しがつかなくなる。そしてそれは、我々がどんな工夫をしても、最終的には手の届かないところにある。いっさいは君次第ということだ。君が心奪われたらおしまいだ。そしてそれを我々が食い止めることはできない。どんなに説得しても、痛みを与えても、最終的には、心までを操作することはできない。心は君のものだ。そして精神を鍛えるのも、やはり君自身が日々鍛錬し続けることによるほかはないのだ。そこだけは、くれぐれも気をしっかり持つように。」

僕:「もちろんですよ。精神力はしっかり鍛えます。淫夢などの誘惑があっても、できるだけイかないようにして、心ふんばらせます。」

ポッティ:「うむ。君自身の戦いに期待しておるぞ。さあ、さっそく修行じゃ。」

僕:「はい!」

佐伯:「ではこちらの暗室へ。」

 僕は暗室に連れられた。そしてそこに坐らされる。

佐伯:「いきなり佐伯仙術の呼吸法を身につけるのは難しいだろう。少しずつ慣れていけばいい。ゆくゆくは1秒で10回呼吸したり20分で一呼吸したりができるようになる。」

僕:「…それって佐伯さんはできるんですよね?」

佐伯:「こぉおぉお!」

 ぶわあ! 周囲が闘気にあふれ、佐伯長官からやわらかい風が噴出する。たしかに彼の口から小刻みな息が吹き出したように思えた。本当に1秒で10回呼吸したのか…そうでもなければ彼の体がこんなに光るわけもないか。

僕:「お見それしました。」

佐伯:「分かればよい。では、心を静めて、座禅に意識を集中しろ。何も考えるな。心を無にせよ。そして、初心者なら、できるだけゆっくり呼吸するのだ。」

僕:「…。」

佐伯:「まだまだ! 吸うのが速すぎる。1分以上かけて息を吸え。それだと30秒足らずで肺がいっぱいになっちまうぞ!」

僕:「…。うっく…」

佐伯:「いわんこっちゃない! 今度はもっとゆっくり吐くのだ。」

僕:「…ぷはあ!」

佐伯:「なめとんのか!」

僕:「…。」思ったより、呼吸に気をつけて坐るのは難しい。

佐伯:「まったく。今は呼吸のことで頭がいっぱいだろうけど、そのうちに呼吸は自然とできるようになるだろう。そうするとな、いろいろなことが頭に浮かんでくる。とりとめのないことばっかりだ。これを雑念・妄想というが、それを振り払うのが次の修行。最後に、悪魔に魅入られた男の瞑想内部に、いっぱい女の誘惑空想が浮かんでくる。部屋中に裸の女が満たされるだろう。あの手この手で誘惑され、しかも精神が高まっていればその女たちに実際に触られている感覚に見舞われる。その妄想を振り払うのは至難の業だが、これをしてこそ…ってこのやろーーー!!」

 びしばしい!

僕:「ぎゃああ!」警策がうなりを上げ、肩の骨が折れそうなくらいに叩かれまくった。

佐伯:「俺の話を聞いてるだけで立ってんじゃねーよ! 呼吸に集中しろ!」

僕:「ひいい…」

 組み慣れていない足が痛くしびれてきた。が、佐伯さんは容赦してくれそうにない。

佐伯:「あのハリでだいぶ肉体は強化されているから、肉体鍛錬の修行は短縮してやろう。その分、この瞑想の時間を増やし、さらに並木による体術の訓練とポッティによるべえべえタイムとなる。そうだな、明日からは体力トレーニング、瞑想、体術技術、勉強の順で一日のスケジュールにするか。」

僕:「…うぐ」

佐伯:「なんだ。体が痛いのか。痛みがそのうちなくなってくるから安心しろ。あと2時間だ。」

僕:「えええええーーー!!!??」

佐伯:「声を出すな!」

 びしばしい!

僕:「ぎゃああああ!」

 佐伯さんの修行はかなりハードだった。

 なんだかんだで2時間が経過。でももう体が動かない。佐伯さんに手伝ってもらって、やっと足を崩すと、僕は四つん這いになって這って進んだ。

 足がしびれすぎて感覚がない。が、血が巡ってくると、あのジンジンしたイヤな感覚が襲ってくる。ヤバイ、ほんのちょっとでも刺激が加わったらそのまま狂ってしまいそうだ。

佐伯:「あーははははは!」

 ばんばんばんばんばん!

僕:「みぎゃああああ!」

 佐伯長官は、しびれた足を容赦なく両手で叩きまくってきた。

 僕はもんどり打って暗室を転げ回る。が、その衝撃がさらに足のしびれのじんじんを倍増させ、さらに僕を悶絶させるのだった。

佐伯:「はっはっは。そうやって一気に刺激しておいた方がしびれは早く治るのだ。」

僕:「ぎひいいい!」

並木:「あのー、足がものっそい痺れているところ悪いんだけど。」

 並木さんがレオタード姿で入ってきた。まさか、この状態ですぐに体術の訓練なの? し、死ぬ…

並木:「奴らがふたたび動き出したわ。」

佐伯:「なんだと!? ふとももんが倒されてから小康状態だったのにか!?」

並木:「新たな怪人の姿を確認しました。その名もフェラチオ怪人ふぇらちおん。口技の達人です。」

佐伯:「むむむ…新手の登場とは。ってことは、さっそく出動だな!?」

並木:「ええ。今度は密室で集団で襲いかかる作戦のようです。現在、私立納豆小学校のスクールバスが襲われています。バスジャックされ、バスに乗っていた13人の小学生男子を残して、運転手と女子がその場で降ろされ、天国軍団の運転する状態でずっと走り続けているそうです。」

佐伯:「なんと・・・小学生まで襲うとは、やはり悪魔集団、見下げ果てた連中だぜ。」

並木:「モニターで確認したところ、バスは現在S県の山奥、杉戸村を走行中です。パトカーの追跡が始まっていますが、いずれも魔の力で退けられ、ゆっくり走っているのに追いつけない・目の前を走っているのに見失うなどして、現在そのバス一台だけが山奥をひた走っている状態です。」

佐伯:「まぁ、そうだろうな。奴らを撃退できるのは俺たちだけだ。」

僕:「あうう〜もうちょっと待ってくださぁい…足が…」

佐伯:「ええい! いつまで四つん這いになっとるんだ。とっとと回復せんか! 出動じゃ!」

 げしげし♪

僕:「みぎゃああああああ!!!」

 す、杉戸村といえば100年以上昔に、村人の女性が暴走してすべての男に夜這いをかけ、惨逆レイプした事件があった伝説の土地ではないか。

 一時期廃村となったが、その後整備されて復興し、今は人口も多く、鉄道も通っている閑静な住宅街になっている。それでもどういうわけか、女性上位の伝統が残っていて、村長も女の人だ。やはりその時の女たちの怨念が染みついていて、男が性的に絞られやすくなっているとでも、いうのだろうか。そういう意味ではいわくつきの土地というわけか。

 って、そんなところに足の痺れて動けない僕が送り込まれようとしているわけで。

僕:「ひええ…」そんなことを思いながら恐れおののいていると、だんだん足の痺れも落ち着いてきた。

並木:「天国軍団の数は14人。うち一名は運転手、これに加えてメカニック怪人ふぇらちおんが一体、バスに乗り込んでいます。」

佐伯:「分かった。フザケンジャーレッドよ、さっそくそのバスに転送されろ。純真無垢な子供たちを、悪魔の大人女性の魔の手から救うのだ!」

僕:「ら、らじゃあ…ナメてる戦隊! フザケンジャー!」

 僕は赤いスーツに蒸着した。

佐伯:「よし、さっそく転送だ。天国軍団を倒したらバスを止め、子供たちを回復させて、怪人を外におびき出すのだ。そこで一気に倒してくれば、面倒ごとは拡大せずに済む。」

僕:「分かりました。」

 僕はさっそく移動し、転送装置のカプセルに入った。

僕:「…ところで、転送装置は直ったの? 数分過去に飛ばされたり、場合によっては異次元空間に飛ばされて帰ってこれない可能性があったんでしょ? 大丈夫なんでしょうね?」

佐伯:「…。」

並木:「…。」

僕:「…いやあああああ!」

 周囲が白い光に包まれ始める。直ってねえのかよおお!

 完全に周囲が白くなり、数秒の間、何も考えられなくなった。

 ………。

 ……。

 …。

 一方、その頃より少し時間はさかのぼる。

 わいわいわい・・・

 制服に身を包んだ子供たちがバスに乗っている。女子は紺色のブレザーにミニスカート。男子はネクタイに短パン姿。

 男の子は13人。うち3年生が5人、4年生が3人、5年生が1人、6年生が4人である。女の子は4年生が5人、5年生が3人である。少し大きめのバスで、大人でもゆったり座れるようになっていて、前方が大きく空いている。子供にとっては前のイスまで相当開きがある構造だ。しかしみんなお行儀が良く、イスを倒す者もいなければ、おしゃべりはしても暴れる子供もいない。

 私立納豆小学校。大学までエスカレーター式のエリート校で、入学はかなりの難関である。そんなお坊ちゃまお嬢ちゃまが21名、バスにゆられて学校に向かう途中であった。

 「うわあああ!」

 キキキ! 突然バスが急ブレーキをかけて止まる。運転手は危うく誰かを轢いてしまうところであった。道路の真ん中に、その少女はじっと立ち尽くしていたのだった。

 「ちょっと! あぶないでしょうが!」口汚く怒鳴りつけてやりたいところの運転手だったが、子供たちの手前、極力穏やかに注意を促すほかはなかった。

 「…。」白いフワフワしたワンピースの少女は、帽子で目を隠してうつむいたまま何も言わない。静かな風が吹くと、長い白スカートがふわっとなびいて清らかだった。

 「ふぇららららー!」

 「うわあああ!」「きゃああああ!」

 突然ドアが開き、全身真っ青の大柄な女が乱入してきた! さらにこれに引き続いて、19から20歳くらいの美女たち13人がどんどんバスに乗り込んでくる。

 「ただいまよりこのバスは我々天国軍団がジャックする!」

 「いやああ!」「うわあああん!」バスの中は一転して騒然となった。

 「ふぇららららーーー!」

 「うわあああ!」

 真っ先にバスから放り出されたのは、48歳の男性運転手であった。全身が青い全裸の長身女性が運転手をがっしり抱え込むと、力づくで巴投げ、ドアから軽々と運転手を放り出してしまった。

 「…ふん。今回はジジイはいらんのだよ。あくまで若いつぼみがターゲット。我らの力で大人の女の味を教え、幼いうちからセックスに溺れることで、ゆくゆく我らに大量の子種を提供する男に育て上げることが目的!」天国軍団の一人が高らかに笑う。

 「さあ! 女は降りろ! 男子だけ残るのだ!」

 天国軍団が少女たちの手を力づくで引っ張り、泣きじゃくる子供たちにかまうことなく、どんどん女子だけを降ろしていく。女は女に対して厳しく、泣きじゃくる娘たちを力まかせにバスから押し出していった。

 そうして小学生男子だけを残したバスは、運転手と女の子たちをその場に残して出発していく。運転手はたいへんなことになったと携帯電話を取りだしたが、電話はすでに何者かによって真っ二つに折られていた。怪人に投げられるタイミングだろうか。

 携帯電話の所持が禁じられている子供たちも誰一人通信手段を持っておらず、公衆電話もまばらになった現代で、近所のマンションに駆け込もうにもドアはオートロック。何かがあった時に誰にも助けを求めることができないという、現代社会特有の問題に直面したのだった。

 運転手たちがようやく徒歩で駅前の交番にたどり着く頃には、太陽はかなり昇ってしまい、バスジャックされてから1時間以上が経過してしまっていた。

 しかも交番はもぬけの殻であり、誰もいなかった。幸い、駅前ということで駅員に連絡を取ってもらい、無事に警察への連絡はできた。その頃には、スクールバスは簡単には見つけられない場所にまで移動してしまっていたのだった。

 バスの中では、子供たちが一列に一人ずつ座らされている。もはや泣く子はいなかった。泣き続ければ青い怪人に脅され、もはや恐怖で声も出ないのである。

 そして、一人一人の前に、一人ずつ、大人の女がしゃがみ込んでいた。子供たちの数とお姉さんの数は同じ13人。一人ずつ、大人の女の快感を教えることができた。

 「ふぇららー!」

 怪人の合図で、美女たちが一斉に動き出した。思い思いの私服のお姉さんたちは、みんな近所の短大からランダムに集められたレディたちであった。

 女たちが半ズボンに手をかける。

 「あっ! やだっ!」

 男の子たちが抵抗を示すが、すでにシートベルトで腰を固定されていて、奥までしっかり座らされた体勢では、そうそう機敏に動けるはずもなく、手で抵抗を示したところで大人に腕力で勝てるはずもなく、しかも相手は男のズボンをすばやく脱がすテクニックをたたき込まれた天国軍団、男の子たちはいともあっさりとズボンを脱がされてしまうのであった。

 13人は下半身すっぽんぽんのままで座らされている。全員が恐怖に縮み上がり、泣くことさえもできずに、当然股間も萎えきっている。

 まだ性にも目覚めていない子供たちだ。ここで彼女たちが服を脱いだところで、それで男子たちを興奮させることはできない。

 だが、彼らは性的な刺激にはほとんどまったくと言っていいほど耐性がない。そんな男子たちを性に目覚めさせるのは、天国軍団にとっては造作もないことであった。

 彼女たちは一斉に男の子たちの股間に顔を埋める。皮をかむった小さなペニスは、さながら巨大なクリトリスである。甘い息を吹きかけながら、女たちは少年のペニスに顔面を押しつけ、ほっぺでスリスリとやると、そのまま萎えたペニスを口に含み始めた。

 「あ! あうぅ!」

 始めに反応したのは高学年の男子たちである。ある程度の性の知識もあり、女子というものを多少は意識する年頃であるため、女が自分の股間に何らかの形で触れてくるという行為に対して、突然興奮の度合いを高めてしまったのだ。

 興味とはいっても、半ズボンの足を見たり、スカートからパンツが少し見えただけでも興奮するような状態である。

 当然、そこから先の知識や経験があるわけでもなく、そんな未経験のつぼみたちが、大人の女性相手に、ペニスを触られるどころかいきなり舌先で刺激されるのだ。その心地よさは天にも昇るほどである。

 小さく萎えたペニスと、大人の半分ほどの大きさもない小さな小さな玉袋は、天国軍団の大人の口の中にすっぽり収まってしまう。彼女たちは、舌先でペニスも玉袋もその周辺も、執拗に舐めしゃぶり、心地よい刺激を与えながら、時折口の中に玉袋ごとくわえ込んでしまってもごもごしている。

 男の子たちにとって、それが明らかな性的刺激であることを熟知する者はいなかった。高学年だけが、「なんだかエロいことをしている」という背徳感を感じるにとどまっていて、しかし彼らといえども、それをフェラチオと称することも知らなければ、もちろん実際にしてもらった経験もなかった。

 あまりに新鮮な心地よい刺激に、男子たちは驚きを隠さず、恐怖のうめきは奇妙な緊張感にとって代えられ、バスの中は静まりかえった。

 低学年男子たちは、すでに勃起もする能力があり、股間に性的な刺激を感じることもできた。というより、そうした刺激にほとんど出会ったことがないので、内股に何かを挟み込んだだけで奇妙なくすぐったさを感じてしまうくらいに敏感なのだ。

 そんな彼らが、いきなり大人の熟達フェラ攻撃にさらされているのだ。

 股間の急激なくすぐったさに、男の子たちは座ったまま体をこわばらせ、それでいて両足はだらんと開いてお姉さんの口に股間をさらけ出すに任せていた。

 いきなり下腹部がくすぐったく気持ちいいので、それまでのバスジャックの恐怖が瞬時に吹き飛び、低学年も高学年も我を忘れて、ペニスのくすぐったい刺激に身を任せ、時折軽くうめくばかりだった。

 女たちは、男の子たちの脚を軽く広げ、レディのやわらかい手や指を少年のふとももにめり込ませながら、しきりに股間に顔を埋める。

 ある女性は執拗なほおずりでやわらかいほっぺの感触をペニスや玉袋に刻みつけ、やわらかい吐息で股間全体を暖めている。

 別の女性は舌先だけを駆使してペニスや玉袋やその横の敏感な部分や会陰などをツンツンチロチロして遊んでいる。

 べろべろと唾液いっぱいにやわらかい舌で股間のあちこちを舐め回す女性も多い。

 ペニスを口に含んでは舌で包皮先端をこねくり回す女性や、玉袋ごと飲み込んで全部をもごもごと揉みしだく女性もいる。

 唇の感触だけで感じさせる大学生もいて、チュッチュッとくすぐったい刺激を押しつけてはペニスも玉袋も大人の女性のキス攻撃にさらし続けている。

 彼女たちの手は男の子のふとももや内股を撫でさすり、股間への刺激はもっぱら頭部のみに限られた。また、彼女たちは思い思いの私服で、Tシャツにジーンズの女子大生らしい格好や、ぴっちりスーツの学生、キャミソールの上に薄い生地を羽織った女性もいる。が、彼女たちは脱がず、女のやわ肌を露出したりもしない。少年たちに対しては、視覚刺激よりも、直接的な快感攻撃が一番効くことを熟知しているのだ。

 男の子たちのペニスはどんどん反応し、5センチ弱のところでフル勃起状態となった。皮を被った白く細い小指サイズのペニスは、女たちの舌先や口の中でもてあそばれながらヒクヒクと快感に悶絶している。

 「ふっふふふ。やっぱりコドモチンチンはそんな程度なのね。」「小さくてかわいい…」「お姉さんたちに任せなさい。いっぱいいい気持ちにしてあげるからね。」「ほら…もっと力を抜いて。」

 「ふぇらら!」全員の勃起を確認したふぇらちおんが次の指令を送る。

 すると女子大生たちはおしゃべりをやめ、おしゃぶり攻撃に入った。

 工場生産のように機械的な唾液の音だけがバスにこだました。

 女たちは一斉に、玉袋を指先でくすぐりながらのペニスフェラチオを始めたのだった。

 一人ずつ座席に座っている男の子たちの足下に、一人ずつ女子大生天国軍団がはりつき、彼らのペニスを一人一本、同じ仕草同じテクニックで咥えているのである。

 根本から先端まで、ぷるんと滑らかな唇が勢いよく滑っている。その内部では、包茎ペニスの先端をこじ開けるようないけない舌先が激しくうごめき、先っぽだけをグリュグリュ舐め続けている。

 小さなペニスは唇のやわらかさにしごき上げられ、敏感な先端部分はこれまたやわらかい女舌に翻弄された。彼女たちの口からクチョクチョといやらしい音だけが響くのだった。

 男の子たちは座ったままやや腰を突き出すようにして、静かにお姉さんたちの口に身を任せていた。快感で何も考えられなくなり、顔を上気させながら、ある子は上を向いて恍惚の表情を浮かべ、ある者は下を向いてお姉さんのきれいな顔といやらしい口の動きを凝視して、襲い来る快楽をどうしたらいいか分からずにじっとしているしかなかったのだ。

 軽い刺激だけでも、股間全体にくすぐったい心地よさがじわりと広がって、我を忘れてしまうほど未熟な少年たちのつぼみである。それを、大人でさえ一気に射精してしまうほどの超絶テクニックが一挙に襲いかかっているのである。

 ひとたまりもなかった。

 男の子たちのペニスは次々とおねえさんの口の中ではね上がる。急にくすぐったさが倍増したかと思うと、思考が完全に停止し、肉体が快楽一辺倒になる。律動はするが、まだ精液が作られていない幼い体は、イク時の脈打ちだけをする。白濁液が飛び出す子は一人もいなかった。

 それでもお姉ちゃんたちは、口の動きをいっさい止めることなく、ひたすら機械的に少年のペニスをしごき続けた。

 玉袋を這い回るいたずらな指先はやわらかく、ぷにぷにと小さな丸い袋を転がしくすぐっては、萎えかけたペニスをふたたび快楽にさらし、またもや5センチくらいに膨張した棒部分を容赦なく舌先と唇でかわいがるのである。

 唾液にまみれてぬるぬるになった股間全体を、女たちの口がこれでもかと刺激し続ける。どの座席も、どの男の子も、足下に身をかがめる美女たちのフェラチオの前になすすべもなく、ひたすら機械的に快感を与えられる。

 工場での生産活動のように、それぞれの座席で犠牲者たちが絞られ、イク快感から何かを吸い取られている状態である。前の座席も後ろの座席も、同じようにお姉さんたちのフェラチオに男の子たちがあえいでいた。

 バスはどこまでもひた走る。その間中ひっきりなしに、男の子たちは女子大生たちの口の中で快楽を爆発させた。精通がまだの少年たちのペニスは、絶頂時の脈打ちだけをして、精液を出さないまま萎えていく。そこへしつこく舌先と指先が股間に絡み付いて無理矢理立たせ、さらに刺激を加えてはふたたびイかせ続けた。

 その頃にはバスは街中を脱出し、S県の山奥へと向かっている。小学生たちは学校に行くことを完全に忘れ去り、このままずっと気持ちよくなっていたいとさえ思うようになっている。

 だが、やはり射精しない少年でも、何度も連続して律動させられると疲れてくる。だんだん、次の勃起までの時間が長くなってきた。

 運転手が小瓶を取り出し、通路に転がした。それを、最後部座席に座っていた怪人が受け取ると、非常口近くの床に叩きつけ、小瓶を割る。強い揮発性のある中の液体が、一気にバス中に充満する。

 すると、萎えたまま女の口の中で勃起しなくなったペニスが、一気に回復して、しかもさらに快感に敏感になってしまった。

 そこへ超絶フェラがしつこく襲いかかる。

 男の子たちは声も出すことができずに、さっきとは全然違う快楽に、大きく口を開けよだれを垂らし目をひん剥き、顔を上げて痙攣した。

 女たちのテクニックは変わっていない。あいかわらず棒全体をしごき上げ、舌先で皮をこねくり回しつつ時折その奥の亀頭へと舌をねじ込んで強く舐め続けるばかりである。

 だが、少年たちの肉体が変わり果てたのだった。

 性感神経が通常の3倍に敏感になる。女が軽く息を吹きかけるだけで、激しくしごかれているのと同じ感覚に陥るくらい、少年たちは感じやすくなってしまっていた。

 そこへ、息どころではないフェラチオ攻撃が襲いかかっているのである。疲れ果てたペニスは回復し、痛みも倦怠感もなく、新たな強い快感刺激にかえって悶絶するばかりである。
 
 ぐちょお!

 「あひ!」「ぃやああ!」「あうう!」

 バスのあちこちから男の子たちの甲高い悲鳴が上がる。性感神経が敏感になっただけでなく、イッた時の快感が数倍にはね上がり、脈打ちの律動スピードも3倍になっている。律動スピードが速ければそれだけ快感も強いのだ。しかも、数秒でイキ終わるはずが、1分近く脈打ち続け、その間中ずっと強い快感にさらされているのだ。悲鳴が上がらないはずがない。

 しかも、女たちの口は白濁液にあふれていった。これまで未発達なペニスからは精通もなく、精液が噴き出すことがなかったのだが、あの小瓶の魔性のエキスを吸い込んでからは一変、肉体が作り替えられ、10歳にも満たない少年が精子を生産し、それをペニスから放出する能力を得たのだ。

 つまり、“種”を大気に放出する能力を強制的に与えられたのである。

 それは、女の口の中に放出され飲み込まれても、種だけが大気に放出される仕組みであり、フェラチオでも中出しでもまったく問題なかった。

 バスはすでに2時間近く走り続けているが、女たちのフェラチオ精子生産工場は健在。少年たちは小瓶の魔力によって、何度イキ果ててもふたたび勢いを取り戻し、いくら射精してもあっという間に玉袋に精子がパンパンに溜め込まれ、しかもそれが即座に大人の女の口と舌にかかってペニスから吸い上げられていくのである。

 文字どおりこのバスは男の子たちの精子生産工場と化した。

 バスの中はあいかわらずくちょくちょと、精子と唾液の入り混じった音だけがこだましている。何度も何度も、数え切れないくらいに、少年たちは精子を吐き続けた。それでも彼らは、衰えることのない快感の連続に完全に自己を失い、白目を剥いたままぐったりしている。だが女子大生たちは、もはや完全に気絶してペニスから性を絞れなくなるまでは、少年たちの股間に張りつくのをやめなかった。

 「やめろ!」

 突然バスの中に、全身赤いタイツの変態仮面があらわれた! 転送装置によって、フザケンジャー本部から送られてきた正義の変態ヒーローである。

 …なんで僕はいつも変態呼ばわりされるのでしょうか。

 とにかく。転送装置がある限り、走行中のバスの中であっても敵陣に乗り込むことができる。

 僕の目の前に広がっていた光景は壮絶であった。

 年端もいかない小学生たちが、大人の天国軍団たちに一人一人咥えられ、精を吸い取られている。そしてその様子を楽しそうに、青い体の怪人が、後ろの座席にどっかと座って見つめているのだ。

 「…こんなあどけない子供まで淫魔の毒牙にかけるとは。てめえらの血は何色だ!?」僕は身構える。

 少年たちを咥えていた女たちが立ち上がる。そして通路に躍り出て、じわじわと僕の方に迫ってきた。

 「出たなフザケンジャー。」「このバスがお前の快進撃の終着点だ。」「ここで私たちの口で絞り上げ、骨抜きにしてあげる。」「覚悟するがいい!」天国軍団は思い思いの私服から、れいのきわどい半裸戦闘員の姿になった。

 といっても、通路は狭い。立って戦うには、かなりやりにくい場所であった。女たちも僕に群がることができず、僕の方も一気に彼女たちを倒すことができない。こうなったら、一人一人倒していくしかなさそうだ。

 ちょうど、バスの通路を進んでいって、一人ずつ天国軍団を倒していけば、最後には後部座席の怪人にたどり着けるようになっている。ここで怪人まで倒してしまえば、一気に事件は解決するだろう。

ポッティ:「レッド、先に子供たちを助けるのだ。」

僕:「ポッティ!?」

ポッティ:「子供たちは妙な薬品によって無理矢理立たされ、100回以上はイかされている。このままだと命が危ない。フザケンジャービームの回復効果も増されている。これで男の子たちの体から毒素を抜き、体力を回復させ、なおかつ記憶を奪って眠ってもらおう。」

僕:「分かった。」

ポッティ:「ビームは5秒に一回。子供たち13人全員に照射するために2分近くかかる。それまでは、敵に手出しはできないままだ。気をつけるんだぞ。」

僕:「ラジャー。ところでポッティ、転送装置はうまく行ったの?」

ポッティ:「…。」

僕:「…。」

ポッティ:「残念ながら、15分前の世界に飛んだようじゃ。」

僕:「カンベンしてくださいよ。」

ポッティ:「ま、今回はこのまま戦っても、天国軍団がバスを襲ったあとに転送されてきたのだから、タイムパラドクスは起こらないだろう。せいぜい、本来コトが済むまでにかかる時間よりも15分前倒しされるくらいだ。佐伯長官たちには15分後に私から話をしておこう。」

僕:「時間を飛び越えるだけならイイですけど、異空間に迷い込んで抜け出せなくなるのはカンベンですよマジで。」

ポッティ:「うむ。仮にそうなった場合でも、我々は何としても君を見つけて救出するから安心せい。ま、見つけ出されるまでの間の数百年間は苦労してもらうがな。」

僕:「なんじゃそりゃ。」

ポッティ:「異次元空間はこちらの時空とは違う時間の流れであり、生身の君がそこへ飛べば年も取らずに延々とさまようことになる。が、そこで何千年を過ごそうとも、時空の軸自体が違うために、救出された時には、こちら側の時間は経過していないのだよ。つまり元の時間に元の体で帰れるってことだ。心配はいらん。」

僕:「でも僕自身は何百年もそこで何かされるわけでしょう? カンベンしてください。」

ポッティ:「ま、そういうことになるのお。でも、別に血の池に浸かったりとか奴隷として働かされたりはない。何もない空間で数百年を何もできずに動けずに過ごすわけでもない。きっとそこは性的な快楽に満ちた世界となるはず。エロ小説の流れ的に。」

僕:「流れ的って言うな。それでもいやだ。」

ポッティ:「極力そういう転送はないようこちらも改善する。今は敵との戦いに集中したまえ。」

 ぷつ。通信が途絶えた。

 そうだ、詳しい話はあとだ。今は男の子たちをビームで助け、天国軍団を倒し、怪人を退治することが先だ。

 「フザケンジャービーム!」

 男子生徒にビームが当たると、彼はガクガクと身を震わせて深い眠りについた。体が回復し、記憶も抜け落ちた状態で、安らかに眠っている。

 「フザケンジャービーム!」

 次の少年にもビームが照射される。

 「ふん、男を先に助けるというわけか。だが、我々はその間も待たぬぞ! かかれ!」

 天国軍団の一人が僕の前にひざまずき、通路に立っている僕のペニスを口に含もうとした。

 「フザケンフィンガー!」

 僕は振動する指先で戦闘員の全身を撫でさすり、フェラチオ攻撃を退ける。のみならず、ペニスの勃起を抑えて、先に少年たちを助けることに専念する目的もあった。

 「甘いわ!」戦闘員は立ち上がると、僕の手を払いのけ、すっと僕の後ろに移動した。狭い通路なので、僕の後ろに回る時に、彼女のすべすべの肌が思いっきりこすれていく。

 彼女は僕の後ろからしがみつき、がっしりと抱きついて、女のやわ肌をレッドスーツに刻みつけてきた。

 スーツの障壁のおかげで、彼女の若い肌触りをじかに感じることはなかったが、やわやわとした肉の感触はじわりと伝わってくる。スーツに守られていてもやっぱり心地いい。

 ぱりーん! 「!!?」

 僕の足下で何かが割れる音がした。見ると、通路の端に小さな小瓶が割れてある。

 「あう! こ、これは…」

ポッティ:「むっ、その小瓶は、魔界の催淫トラップ!?」

僕:「ええっ!?」

ポッティ:「もともとはショタコン魔族が、精通もしていない少年の肉体を改造させ、射精できるようにする魔の薬じゃ。その香りを嗅いだ子供は、たとえ幼稚園児であっても勃起し、小学生であっても射精できる体になってしまう。」

僕:「そうか、奴らめ、そうやって年端もいかぬ少年たちを性に目覚めさせ、さらに虜にして、一人でも多く、魔族に精を提供するエサを、早いうちから生産しておこうという腹づもりだったんだな。」

ポッティ:「うむ。」

僕:「ますます許せん! …あ、あれっ…!?」

 ペニスが勢いよく勃起していく。股間がくすぐったくなり、性欲の疼きが強烈になった。

 戦闘員が背中に張りつき抱きついているからというばかりではない。スーツに守られ、なおかつビデオの特訓で、簡単には立たないように多少鍛えられているはず。天国軍団の刺激というより、何か内側からこみ上げるような機械的な勃起であった。

ポッティ:「気をつけろレッド。その催淫トラップは、少年を性に目覚めさせるほど強力なもの。青年が吸引すれば、強い催淫効果を引き起こす。股間は性欲にあふれ、精巣内部の精子生産が急ピッチで進められていく。イキやすくなっているから細心の注意を払い、絶対射精しないよう根性で踏ん張ってくれ。」

僕:「そ、そんな!」

 レッドスーツに守られていて、薬剤の効果は半減しているとはいうものの、魔性の強力な薬品を嗅がされ、ペニスはいきなり勃起、股間がジンジンとくすぐったく疼いている。そこへ天国軍団の刺激が加わり、玉袋に精子がしこたま溜め込まれたままでは、確実に負けてしまうではないか。

 しかも男の子たちにビームを照射しながら戦わなければならない。座席に一人ずつ座らされているので、一度の照射で複数の男の子を救うことはできない。あくまで5秒に一回、一人ずつ助けなければならない。

 仕方ない、少し遅れることになるが、天国軍団と応戦しながら照射するしかないだろう。

 ビームのエネルギーを充填している間にフザケンフィンガーなどで戦えば、それだけ充填完了が遅くなる。フザケンソードなど、多くのエネルギーを使うものはダメだ。比較的消費の少ないフィンガーだけで戦おう。

 後ろからはりついた戦闘員は、ぐにぐにと全身を押しつけてくる。そして僕の上半身を後ろから両手で撫でさすってきた。

 さらに前方にいた戦闘員がひざまずき、いきり立ったペニスを口に含んでくる。

 「フザケンジャービーム!」3人目の男の子にビームを当てる。

 「フザケンフィンガー!」

 僕はすかさず目の前の美女の全身を撫でさすり、快感ダメージを与えていった。

 それでも戦闘員はお構いなく、棒を唇でしごきながら先端だけをやわらかい舌先でぐりぐり舐め続ける。

 「うっふ!」通常の何倍ものダメージが全身を駆けめぐる。

 玉袋をくすぐりながらしきりにフェラチオ攻撃してくる戦闘員。これが、さっきまで男の子たちを悩ませていた天国軍団のフェラチオ…いや、戦闘員になって攻撃力が倍加しているから、それ以上の性感刺激になっているはずだ。

 イキやすくなっている体で、若い娘のぷるぷる唇にしごかれていると、どんどん高められてしまう。気を抜くとそのまま彼女の口で爆発してしまいそうだ。

 しきりに戦闘員の全身を撫でさする。ひざまずいた彼女に手を伸ばせるのはせいぜい上半身だけだが、それでもダメージは十分だった。神通力が戦闘員の全身を電流のように駆けめぐり、通常の愛撫をはるかに超える快感を魔性の戦闘員に与えることができるためだ。

 「むぐう!」戦闘員はペニスを口に含みながら、ガクガクと身を震わせて絶頂した。

 ウ〜ウ〜ウ〜…

 周囲にけたたましいサイレンが鳴り響く。警察がハイジャックされたバスをようやく見つけ、何十台もこぞって追いかけてきたのだ。

 「そこのバス速やかに停車しなさい! すぐに止まりなさい! 無駄な抵抗をするな。止まれ!」

 僕は後方から迫るパトカーの群れを見ていた。人間の感覚では、このバスはおかしな集団にハイジャックされ、子供たちを人質にS県めがけてひた走っていることになっている。

 だが、パトカーに捕まったところで、天国軍団や怪人に返り討ちに遭ってしまうのではないか。それが怖かった。

 「あー。とくにそこの赤い変態仮面。お前が主犯だな。早くバスを止め、おとなしく投降しろ。」

 「えええ!」

 なぜか僕が犯人になってる!?

 「罪のない少年と女性を解放しなさい! 君は恥ずかしくないのか。力の弱い女子供ばかり人質にとりおって! 早く止まれ!」

 あう〜・・・そんにゃあ…

 まぁ、世間一般から見ればそう決めつけられるのも無理はないのか…。とことん報われんな。

 「・・・!」

 みるみるうちにパトカーたちが遠ざかっていく。おかしい、とっくに追いついて横とかも走っているはずなのに、さっきまで真後ろまで迫って僕の姿を確認していたパトカーたちは、どんどんと後ろに追いやられていく。

 バスのスピードは変わらない。というよりもずいぶんゆっくりだ。運転も丁寧で、揺れ一つない。時速30から40キロくらいで、性交に影響しないよう、衝撃がないように走っているのだ。

 にもかかわらず、パトカーは一台も追いつけないでいる。パトカーがのろのろ運転をしているわけではなく、むしろハイスピードで、ゆうに時速100キロは超えているだろうスピードで迫ってきていたのだ。

 それでも、パトカーはどんどんバスから引き離されていった。

 「ああ!」

 よくよく見て、そのカラクリが分かった。よく見ると、パトカーは瞬間的に消えたりあらわれたりしているのだ。というより、パトカーは同じ場所をループしているのである。

 3メートル走ったら3メートル分後方に瞬間的にワープし、ふたたび同じ道路を3メートル走らされる。これを数百回以上繰り返して、やっとパトカーは次の3メートルに進むことができるのである。

 しかも、バスに近くなればなるほど、ループしなければならない回数は増えていく。バスの真横に来るためには数千兆回のループをしなければならなくなり、つまり無限にループするため永遠にバスにたどり着けないのである。

 それなら、時速120キロ以上出して追いかけていても、時速30キロのバスには絶対に追いつけないのである。

 警察官たちは自分の目の前のターゲットに集中しているために、周囲が3メートル単位で同じ風景に戻っていることに気づくことができない。猛スピードで走っていればなおさら、そうしたループには気づかないのだ。

 さらに、このバス自体も時空をゆがめているのが分かった。よくよく観察すれば、ぱっと風景が別の風景に変わっていることに気づく。つまりこのバス自体も瞬時にワープし、みるみるパトカーを引き離し、惑わしているのである。

 何十台で追いかけているにもかかわらず、一台、また一台と、パトカーは見えなくなった。向こうからしてみれば、ターゲットが目の前にあるのになぜかまっすぐな道路でも見失ってしまうように見えるだろう。相当のスピードを出しているのに不思議と追いつくことができず、そのうち忽然と見失ってしまうのだ。彼らには、一体何が起こっているのかさえ理解できないに違いない。

 やがて、バスがいよいよS県杉戸村に入るころには、すっかりパトカーの姿は消え失せていた。

 やっぱり警察ではダメだ。相手は魔族、僕たちが何とかしないと。

 僕は気を取り直して、バス内部に目を移した。

 「フザケンジャービーム!」4人目の男子を救済する。

 立て続けに僕は、フザケンフィンガーで真後ろの戦闘員のお尻を後ろ手で撫でさすった。戦闘員は腰をくねらせて悦んでいる。フィンガー攻撃ではイかせるのに多少の時間はかかるが、それでも何もないよりはずっと早く倒すことができる。

 後ろに控えていた戦闘員が、絶頂して私服に戻った娘を座席に移動させて座らせ、引き続きひざまづいてペニスを舐め始めた。

 フザケンフィンガーで後ろの娘を倒すと、フェラチオしていた戦闘員が口を離し、僕の背後に回って、今度はアナル部分に舌を這わせ始めた。

 さらに4人目の戦闘員がペニスにはりつき、さっきと同じように滑らかに唇でペニスをしごく。戦闘員の頭部がいやらしくリズミカルに動き続けた。

 「フザケンジャービーム!」5人目の男の子に照射。

 ふたたび戦闘員の上半身をかわいがりながら応戦するも、狭いバスの通路では分が悪かった。

 お尻の穴周辺をやわらかい舌が執拗にくすぐったく舐め回している。そこへ玉袋を撫でさすりつつ、ペニスをふにふにした唇で執拗にしごきつつけ、なおかつ亀頭部分がしつこく女舌の攻撃にさらされているのだ。前後からの股間への集中攻撃はかなり刺激的で、僕はどんどん高められてしまう。

 今はガマンだ。

 即座に僕は前方のフェラチオ娘の上半身を撫でさすり、彼女を時間をかけてじっくりいたぶって倒した。後ろの娘はひざまずいているために手が頭にしか届かず、舐めさせておくしかない。

 「フザケンジャービーム!」6人目。

 すかさず次の戦闘員が僕の目の前に迫ってくる。彼女は優しく微笑みながら、両手でペニスをつかむと、勢いよくしごきたててきた。僕はフザケンフィンガーで彼女のオンナをかき回し、手と手の対決の様相を呈した。

 滑らかな女手には苦戦したが、ようやく僕は彼女を倒すことができた。

 「フザケンジャービーム!」7人目。これで半分だ。戦闘員も5人倒した。

 だが、魔性の薬の効果はやはり強烈だった。僕はほどなくしてイキそうになり、全身を射精前の多幸感に包まれる。まずい、出してはダメ、だ…僕は腰を踏ん張らせて、イクのをガマンした。

 だが、そんな僕の抵抗をあざ笑うかのように、次の戦闘員がひざまずいて、ふくよかな乳房の間にペニスを挟み込んで左右交互にこすりあげ、さらに先端だけをチロチロと赤い舌で刺激してきた。

 「あ。あうう…だめっ!」

 「ほらほら、イッちゃいなよ!」「出せ出せ!」「んふふ…私のオッパイで射精するのね? イイよ、見ててあげる。」「気持ちいい? ほら、もう出そうだよ?」「出して!」「射精してっ!」戦闘員たちがはやし立てる。まずい、限界だ。

 おぴゅ。

 戦闘員のパイズリ攻撃に感極まり、僕は胸の谷間を白濁液で汚した。

 そのとたん、レッドスーツが解け、元の神谷達郎に戻ってしまう。

 「今だ! 取り押さえろー!」

 「なっ、ナメてる戦隊! フザケンジャー!」

 戦闘員たちが僕にしがみつく前に蒸着が完了した。バスの通路が狭かったおかげで、一気になだれ込まれることを防ぎ、僕は即座にレッドスーツにふたたび身を包むことができたのだった。

 「フザケンジャービーム!」8人目の男子を助ける。

 パイズリで僕を絞った戦闘員にフザケンフィンガーをお見舞いしてやる。自慢の大きな胸は性感帯でもあり、そこに神通力つきのバイブフィンガーが執拗にあてがわれるため、戦闘員はいともあっさりとイッてしまった。

 「フザケンジャービーム!」9人目。これで子供たちは残り4人。戦闘員は7人残っている。

 僕はしがみつこうと群がってきていた戦闘員たちに一度にフザケンフィンガーで応戦。二人の娘のオンナを指先でかき回し、どんどん高めていく。彼女たちも片手ずつ、ペニスと玉袋をかわいがってきた。

 一度に二人を倒すと、次の戦闘員がフェラチオ攻撃に入った。後ろのアナル戦闘員はあいかわらずお尻をくすぐったく舐め回してくれている。

 「フザケンジャービーム!」10人。

 僕はじっとガマンして、フェラチオとアナルのダブル攻撃に耐え続けた。薬剤の効果はまだ残っており、体内で精子がふたたび急ピッチで作られているのが分かる。股間がくすぐったく疼き、そこへ女舌が前後からこれでもかと刺激している。

 「フザケンジャービーム!」あと2人だ。

 くぽくぽと音を立てて執拗にペニスをしごかれ、同時に舌先で根本も先端も舐め回され、僕はふたたび高められていった。

 「フザケンジャービーム!」残り1人。

 僕は目の前のフェラチオ娘の上半身を愛撫し、彼女は頭部をしばらく揺すり続けていたが、やがて彼女を倒すことができた。

 しかしすかさず次の娘が飛びかかってきて、ペニスを口に含み、唇でしごき吸引しつつ亀頭を内頬でぐりぐりしてきた。舌先は敏感なところばかりを舐めしゃぶっている。

 「これで最後だ! フザケンジャービーム!」最後の男の子を回復させ、忌まわしい記憶を奪って眠らせた。

 「くっそ、離れろ!」僕は戦闘員の口を強引に離すと、そのままフザケンソードで倒そうとした。

 だが、男の子全員が助けられたとあっては、戦闘員たちも黙ってはいない。4人残っている戦闘員たちは次の手を打ってくる。

 女たちは一斉に僕にしがみつき、4人がかりで無理矢理僕をバスの座席に座らせる。

 二人がけの座席の真ん中に座らされ、その両側に戦闘員二人が座り込む。3人がみっちり座ったため、両側から女の肉の圧迫がぐいぐい押しつけられている。彼女たちは僕に生足やお尻の感触を刻みつけながら、同時に僕の体をこの座席に固定する役割を果たしていた。

 3人目がペニスをしごきながら背中を向け、僕にまたがってくる。身動きの取れない僕は、早業で連係プレイしてくる天国軍団のなすがままだった。

 彼女がペニスをオンナにあてがうと、座席を使った座位で挿入してきた。女の背中がぴったりと僕の上半身にはりつく。

 こうして、僕は前方も左右も女の柔らかい体に包み込まれた状態で、受け身の挿入を果たしてしまった。

 戦闘員は必死に腰を振り、全身を上下させてペニスをオンナでこすりあげてくる。4人目はそんな僕たちの前にしゃがみ込んで、両手で玉袋を愛撫してきた。

 イキそうになっていた僕にこの集中攻撃はかなりきつい。ペニスがこれでもかと締め上げられながら、ヒダつきの筒で熱くしごきたてられている。しかも精液がパンパンに溜め込まれた玉袋がくすぐられ、揉まれ、撫でさすられると、一気に中身が押し出されてしまいそうだ。

 男子全員を助けた以上、もはやエネルギー充填のために武器を温存する必要はなかった。

 「フザケンブレード!」

 股間が白く光る。ペニスが倍加し、攻撃力を上げたのだ。当然そこから大量の神通力が女体に流れ込む。

 戦闘員ごときでは、このペニスの刺激に一瞬たりとも耐えられはしない。「あひい!」挿入していた戦闘員はあっという間に痙攣し、絶頂して気を失った。

 「ふぇららー!」後方から怪人が何か指示を出す。

 すると戦闘員たちは、30センチに硬く伸びたペニスに群がり、思い思いにあちこちを舐め始めた。

 「うっく! しまった…」

 これが罠だと気づいた時にはもう遅かった。

 巨根と化したフザケンブレードは、フェラチオ娘たちにとっては格好のターゲットだったのだ。

 左側の戦闘員が亀頭だけを舐め、唇でしごき上げる。右側の娘はさらに屈んで、棒の真ん中あたりを丁寧にハーモニカしてきた。舌でひざまずいていた戦闘員は、玉袋を撫でさすりながら根本に吸いつき、チュウチュウチロチロしながらあちこちにはりついてくる。

 大きくなったペニスに3人が群がり、あちこちを舐め、吸い、しごき、飲み込んでくる。時々3人全員が先端に集まってべろべろとなめてきたりもした。二人がかりで棒全体をハーモニカしたあげく尿道口周辺をチロチロされることもあった。

 「くっそお!」僕はフザケンフィンガーで両側の戦闘員のオンナをかき回し、性感ダメージを与え続けた。催淫トラップのせいでイキやすくなっている体に、3人がかりのフェラ攻撃は相当にきつかった。どちらが先に果てるのかまったく分からない情勢となった。

 かろうじて勝ったのは僕の方だった。両側の娘はほぼ同時に果て、元の私服の女性に戻って気を失った。

 だが、彼女たちはキャミソールに半ズボンと、袖をまくったTシャツにミニスカートという格好で気を失っている。みっちり詰め込まれた座席だけに、彼女たちを移動させるわけにも行かず、僕はあいかわらず彼女たちの生足やふにふにの腕が両側から密着した状態のまま、残り一人の戦闘員と戦わなければならなかった。

 気を失った女子大生の頭部が僕にしなだれかかって眠っている。包まれている快感は変わらなかった。

 そこへ戦闘員のバキュームフェラが襲いかかった。強く吸引しつつ、プニッとした唇が亀頭から中程までをしごいて、舌先がカリの敏感なところばかりを集中攻撃している。それでいて、彼女の口に収まりきらない残りの棒部分は、戦闘員のなまの手がしきりにしごきたてている。

 できるだけ深く飲み込もうとした結果、ペニスは彼女の喉奥深くまでくわえ込まれてしまった。強く締まる快感に僕は天国を感じた。

 「あうう!」しこたま精子が溜め込まれ、どんどん押し出されるべくもみくちゃにされていた玉袋は、ついに精液を内部に溜め込んでおくことができなくなり、精管へと体液を押し出していく。

 そこへ強い吸引がかかり、押し出された精液は勢いよく戦闘員の口の中に吸い上げられていく。内部からの押し出しと外部からの吸引によって、精液はいつもよりもずっと勢いよく、脈打ちながら彼女の口の中に放出されていく。

 「むぐうぅ!」フザケンソードと化していたペニスは、神通力の固まりだ。これを執拗に舐め、しごき、集中攻撃していた戦闘員も無事では済まない。口から流れ込んだ神通力が、彼女をどんどん高め、ついにはアクメにいたらしむこととなったのである。

 僕は元の神谷達郎に戻った。

 すかさず立ち上がり、ポーズを取る。「ナメてる戦隊! フザケンジャー!」

 周囲に戦闘員がいなかったので、なんとか僕はフザケンジャーに戻ることができたのだった。

 「フェラチオ怪人ふぇらちおん、か。今ここでお前をイかせて倒す!」僕は身構えた。

 きききっ。

 「!」

 いきなりバスが止まった。ふぇらちおんは後部座席に座ったまま立ち上がろうとしない。

 「…ここがS県杉戸村。」運転手が静かなささやくような口調で言った。この落ち着いた、それでいて男心を心の底からくすぐるような戦慄の声、聞き覚えがあるぞ。

 「人口1万8000人。その昔、村の女たちが決起して村中の男を襲い、足腰が立たなくなるまで射精させて、それ以降、完全に女性主導の女性上位社会となった村…。」

 「お、お前は…!?」

 運転していた美少女は、天国軍団ではなかった。いや、天国軍団よりも、メカニック怪人よりも、もっとずっと恐ろしい怪物だ。白く清楚なワンピースと小さな帽子、清純メガネ、かわいらしく縛った青髪。たしかこいつは…忘れもしない、タ●サ…もといナガト●キ…じゃなかった、ヘルサたん総統の側近中の側近、ボウイ将軍だ。

 「…開発が進んで、普通の村になっているけど、かつての女たちの怨念が染みついているわ。その影響で、女性の力がいまだに強い。私たちの侵略拠点にふさわしい…」

 「なっ、なんだと!? ここをお前たちの人間界における本部にでもするというのか!」

 「…。」

 「そっ、そんなことはさせないぞ!」僕は身構えるも、恐怖に足がガクガク震える。さっきの薬剤の効果はもう消えて、感度も元通りになっているが、今の僕ではたしてボウイ将軍に勝てるのだろうか。いや・・・100%確実に負けるだろう。

 将軍の貫禄は、そんな予感を明らかに僕に植え付けていた。

 「…。」将軍は外の街の様子を眺めたまま、何も言わない。僕のことも完全に無視しているみたいだ。

 山の中にある杉戸村は、ひっそりと静まりかえっていた。人口も少なく、完全に田舎の町である。しかし、過疎化が進んでいるわけではないらしい。むしろ逆に、壮年や老人があまりいない村だとか。

 若者も多く、しかも彼らはあまり都会に出たがらないらしい。この杉戸村で一生を過ごす人も珍しくない伝統だ。経済成長が進んだ時代でさえ、外へ出る者があまりなかったとのこと。

 たしか、日本で唯一原油が産出されるんだっけ。多分そのおかげで生活に困ることがなく、外に出る若者もほとんどいないのかも知れない。

 山の中にところどころ家がある。物珍しいものはひとつだけだった。山に囲まれていて村の面積も狭い中、大きなビルというか、塔というか、人口18000の村にはふさわしからぬ巨大な箱物があるのだ。あれは村役場だ。こういうところはやっぱりハコモノ行政か何かなのかな。

 交通の便が悪いためか、外からやってくる者も移住者もほとんどなく、村から外に行く者もほとんどない。若者が多く、男女比もたしか女性が相当に多かったと聞く。

 集団逆レイプという杉戸村伝説もあって、観光客も多いそうだが、それ以外は移住者もなくひっそりとした村である。杉戸村伝説のおかげで情報だけは手に入るが、それでも周辺事情や人口情報のみ。彼らが現代どう生活しているかまでは分からないし、杉戸村伝説の核心も結局誰も知らないままである。

 どうして昔、村娘たちが決起したのか。そもそもそんな事件が本当にあったのか。原油が出るといっても微々たるもの、はたしてそれで村人が現代でも生活できるのか。都会を目指す若者がいないのはなぜか。男女比率がアンバランスなのはどうしてか。なぜ若い女性がたくさんいる村なのに移住者もいないのか。村役場なのに都心のビルのような建物はなんのためにあるのか。謎が謎を呼ぶ。

 たば…ボウイ将軍が村全体を眺めている。バスから一望できるくらいの小さな村なのである。

 「…。」

 ボウイ将軍はあれ以降何も言わない。僕は立ち尽くしたままどうしたらいいか分からないでいた。

佐伯:「何をしているんだレッド! 早くここから立ち去るんだ!」

 通信が入る。時空を超えたことを知った長官が、ポッティに替わってモニターから状況を確かめ、通信してきたのだ。

佐伯:「ボウイ将軍はまだ君の敵う相手じゃあない。襲われる前に脱出だ。」

僕:「でっ、でも…せめて怪人だけでも…」

佐伯:「だめだ! 今君が怪人に手を出せば、すかさずボウイ将軍が責めてくる。二体がかりで襲われたら、君は絶望的だ。状況からそんなことも読みとれんのか!」

 …そうか。怪人もボウイも手を出さない。完全に僕を無視しているが、それは僕を脅威に感じていないからなのだろう。怪人は怪人で、僕が手を出せば将軍が守ってくれることを知っているし、そもそも僕を倒すよう指示されていないから動かない。そしてもとより今の僕ではボウイ将軍には手も足も出ない。

 悔しいが、歯が立たないのは事実だ。ここは脱出するしか選択肢がないのか。

僕:「ですが長官、この杉戸村が危ないんですよ。黙って見ていろというのですか。」

佐伯:「…。もし奴らが本気でこの村を占拠しようとするのなら、…残念だが見捨てるしかない。ボウイ将軍と互角になるくらい、我々が強くならなければ。」

僕:「そんな!」

佐伯:「じゃあどうしろと言うのだ。ボウイ将軍には絶対に勝てない、村人たちに悪魔が襲ってくるから逃げろと触れ回ればいっぺんに狂人あつかいだ。手の出しようがないのだ。」

僕:「そんなら言いますけどね! ボウイ将軍は魔界にいる時よりはるかに弱くなって人間界に来てるんでしょう。そんな今なら…」

佐伯:「たしかに今のボウイ将軍の実力は、魔界の時の3分の1程度だ。だが、人間界に来てこれだけの期間に、3分の1くらいにまで魔力を取り戻しているということでもある。きっと、相当数の男から精を吸い上げているに違いない。そして、3分の1といっても、君の力をはるかに超える。その差はまだまだ20倍以上の開きなのだ。」

僕:「うっく…」

 そんなことは、実際わかりきっていた。だが、悔しくて、言うしかなかったのだ。だが、佐伯さんもその僕の気持ちを理解しつつ、やはり事実をはっきりと言わなければならなかったのだろう。

 今ボウイ将軍に挑めば、瞬時にして射精し果てるはずだ。そして神谷達郎に戻ってさらに弱体化したところへ、彼女の怒濤の攻撃が待っているだろう。ものの数分で廃人にさせられてしまうかも知れない。

 …だが、それだけの実力の差があることを彼女自身も知っていながら、なぜ今僕を倒そうとしないのだろうか。ヘルサたん総統やカリギューラたちにとっては、フザケンジャーレッドが、僕こそが、唯一の邪魔者であるはず。

 それなら、僕を早々に倒してしまって、悠々と組織拡大し、侵略を思う存分すればいいではないか。

 もしかして、ボウイ将軍には何か致命的な弱点があるのではないか。パワーは僕の20倍以上あっても、その弱点を突けば勝てる可能性があるのではないか。相手もそれを知っているから、僕を無視し、戦闘を避けているのではないか。

 「…その通りよ。」ぼそっとボウイ将軍が言った。

 「なっ!?」心を読まれた!? 「それなら! その弱点を見つけ出して、必ずお前を倒してやる!」

 「…。」ボウイ将軍は黙ったまま。

 「フザケンソード!」

 「ま、まて! やめろ!」佐伯さんが通信でがなり立てる。

 「この村は気に入ったけど、…今はまだ、その時じゃない。…ふぇらちおん。」

 「ふぇららららー!」やっとふぇらちおんが立ち上がったかと思うと、僕を飛び越して、さっさとバスから降りてしまった。運転席に座っていた長門y…ボウイ将軍も、僕には目もくれずにバスを降りてしまう。

 「まっ、待ちやがれ!」

 僕は慌ててバスから降りて、ボウイ将軍たちを追いかけた。

 「フザケンジャービーム!」僕は将軍めがけてビームを放った。

 「よせレッド! 逃げろ!」

 だが、ビームは彼女に当たらなかった。将軍の周囲に目に見えないバリアが張ってあり、ビームはそのバリアにはじかれてしまったのだ。

 「…勘違いしないで。まだ戦う時じゃない。」「!!?」

 瞬時にして、無表情のボウイ将軍が僕の右手前に来ていた。ワープでもしたのか、目にもとまらぬスピードか、いつのまにか彼女は僕のそばにいた。

 「…!」全身がこわばって動けなかった。ペニスはいきり立っているのに、強い恐怖に包まれて身動きが取れないでいる。

 「…5発にしておいてあげる。」

 ボウイ将軍は突然、ペニスを右手できゅっと軽く握りしめた。少女のような、小さな手のひらが、一瞬、肉棒を優しく包み込む。キレイな白魚のような細い指先だった。

 一回握りしめただけで、ボウイ将軍は手を離し、きびすを返して、怪人と一緒にすたすたと歩いていってしまった。

 「まっ、待てっ…あ、あううぅ!?」

 次の瞬間、股間から強烈な快感が吹き出した。

 「あ…あが…うはわあああ!」

 誰にも握られていないし刺激されていないのに、ペニスの、しかも将軍に握られたところから、強い快感がどんどんこみ上げていく!

 「あひいいい!」軽く握られた場所の性感神経が極端に振動し、強烈な快感を全身に拡げていく。電撃を見舞われたようなショックとともに、ペニスから精液がほとばしった!

 「あああああ!」神谷達郎に戻っても、快感は消えなかった。

 未だに握られているような感覚が股間にじわりと残っている。それが新たな刺激となって、誰にも触れられてもいないペニスが強烈な快楽に苛まれている。

 射精したばかりだというのに、僕はあっという間に追いつめられた。触られていないまま、ペニス内部にこみ上げる強烈な刺激が、射精直前の多幸感を全身に電撃のように伝え続けた。

 「ひゃああ!」僕は悶絶してその場に倒れ込んだ。そのとたんペニスからは精液が勢いよく放出される。イク時の絶頂感がしばらく続いて、数分を数えた。

 その感覚だけで、僕はもう一度射精させられる。イキながら僕は二回精液を噴きだしたのだ。

 ボウイ将軍に軽く握られただけで、僕は連続して3回もイかされてしまっていることになる。

 そんな! フザケンジャーのスーツで身を守っていたはず。だが、将軍のあまりに強大な魔力がレッドスーツを突き抜け、ペニスの性感神経を刺激し続けているとでもいうのか!?

 「あがああああ! た、たすけ…」快感はまだまだ収まらない。股間のくすぐったさは衰えを知らず、すでに玉袋の中の精液は一滴残らず出し切ってしまったというのに、きゅ〜んと心地よさがこみ上げてくる。股間が激しいくすぐったさに包まれると、僕は地面を転げ回り悶絶しながら絶頂を迎えた。

 出しつくして枯渇した玉袋からはもはや精液は少しも放出されず、ペニスが律動して終わりだったが、これまでのどんな射精よりも気持ちいい悶絶だった。

 「ああああああああ!」それでも快感は収まらない! こ、このままイキ殺されてしまうのではないか。そんな恐怖に襲われても、快感はとどまらず、ますます強くなっていく。全身が心地よくなっていき、お尻の奥からじわりじわりと射精感がこみ上げていく。ペニスは萎えきっているのに、内部の性感神経だけがビリビリ刺激され続け、夢精と同様触れられていない時にイク快感をさらに僕に押しつけてくるのだ!

 「あがっ!」ふたたび精子が出ない状態での絶頂! きゅううっとお尻の奥から全身めがけて強い快楽が走ると、ペニスが闇雲に律動した。

 脈打ちが1分くらい続き、腰がとろけそうになって上半身が痙攣する。その間、もはや声も出せず、暴れることも敵わず、アスファルトに突っ伏したまま、何も考えることができなかった。

 連続して5回イクと、急に快楽が収まった。

 腰が砕けてしまったように力が入らない。僕はその場に転がったまま起き上がることもできず、地面に突っ伏していた。

 ピリリリリリ! ピリリリリリ! 

 ああっ、フザケンジャーの呼び出し音だ。

佐伯:「無事か!?」

僕:「はい・・・なんとか・・・うう」

佐伯:「ムチャをするな。命が助かっただけでも儲けものだ。相手は将軍クラス。体内に魔力を注入されたら、誰にも触れられていなくても射精させることだってできる。」

僕:「すいませんでした。まさに今それをされて死にそうになりました。」

佐伯:「さらにそこに幻覚などを込められていたら一巻の終わりだったな。…どうだ、立てるか?」

僕:「はい。」

 とはいっても、股間が強烈に痛み、立ち上がるのがやっとだった。あれだけ何回も射精したら痛くなるに決まっている。

 もしもっと強烈に魔力を込められたら、何十回でも何百回でも射精し続けたのだろうか。背骨の奥からゾッとする。

 僕はふらふらしながら、何とか自分の足で歩けることを確認した。

佐伯:「ひとまず本部に戻れ。バスは警察に連絡しておいたから、いずれ救出に来るだろう。」

 そうだ、なんだか分からないが、僕(厳密にはレッドスーツの男)がバスジャックの犯人だと思われてるんだっけ。この場で悶絶したまま倒れていたら、重要参考人として引っ張られてしまう。その前に逃げないと。

 僕はふらふらと山道を歩き出した。

僕:「で。どうやってそっちに帰るんですか?」

佐伯:「ああ。まず、村の中心にある杉戸駅から、上り電車で成平橋というところまで行くんだ。そこから地下鉄リニアモーターカーにゆられること2時間30分、終点の羽木村鈴駅から飛行機で5時間、佐渡空港でふたたび電車に乗り換え、海上路線で3時間、そうするとほんにぁら産業前に着く。」

僕:「どこなんだ杉戸村。てかどう考えても転送でしょ転送!」

佐伯:「こっちの言うことも聞かずにボウイ将軍に手を出した罰だ。電車で帰ってこい。」

僕:「そんなあ! 本当にその件はすいませんでした! カンベンしてください!」

佐伯:「反省してるか?」

僕:「反省してます…」

佐伯:「分かった。今回だけだぞ。」

 僕の周りを白い光が包み込む。次の瞬間、僕は何も見えなくなり、何も聞こえなくなった。



######

ボウイ将軍:「…はあっ、はあっ、はあっ…」

怪人:「ふぇらら?」

ボウイ将軍:「…大丈夫…まだ…大丈夫…」

怪人:「…。」

ボウイ将軍:「…心配はいらない。少ししたら落ち着く、から…」

 ボウイ将軍は顔を真っ赤に上気させ、ふらふらしながら山道を歩いていた。心臓がドキドキと高鳴っている。

ボウイ将軍:「…まだ…戦える状態ではない。もっと・・・もっと精を吸い、溜め込み、この体質を…克服しなければ。」

怪人:「ふぇらら〜…」

ボウイ将軍:「…ありがとう。私も、戦わなくてはならない。あなたたちはあなたたちの戦いを。」

怪人:「ふぇら!」

ボウイ将軍:「ええ。天国軍団を引き連れて、次の作戦に移ってちょうだい。私はこの杉戸村にいる。」

怪人:「ふぇららら〜!」

 怪人はボウイ将軍と別れ、別の道を歩き出した。

ボウイ将軍:「…。はあっ、はあっ…手で握っただけでこんな…。本当にイヤな体質。早く魔力を戻し、克服しなければ。」

 ボウイ将軍はふらふらと山道を歩き続けた。



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カリギューラ女王:「ええい! ボウイ将軍は何をやっておるのだ! あの場でレッドと戦えば、確実に仕留められたというものを。」

ヘルサたん総統:「…まだその時ではないわ。」

カリギューラ女王:「どういうことだ! 力の差は歴然としておったではないか。なぜ、レッドをあそこで完膚無きまでに吸いつくさぬ!? レッドがいなくなれば、ポッティは次の候補者を見つけるまでに長い時間を要し、その間に我々が組織を拡大してしまえば、もはや奴らは手も足も出せなくなるというに。」

ヘルサたん総統:「…ボウイ将軍には、まだ戦えない理由があるのよ。弱体化した時に付随するある体質のせいで、ね。」

カリギューラ女王:「体質じゃと?」

ヘルサたん総統:「…。人間界に行くためには、上級淫魔は力をセーブし、魔力の大半を魔界に置いて人間界まで出向かなければならないのは知っているわね?」

カリギューラ女王:「当然じゃ。」

ヘルサたん総統:「それなら、どのくらいセーブすればいいのかしら?」

カリギューラ女王:「そんなの。低級淫魔並、または同じことだが人間と同じくらいのパワーまで落とさなくてはな。」

ヘルサたん総統:「フローリア将軍がかつて人間界に出向いた時、なぜ佐伯翔に敗北したか、分かるかしら?」

フローリア将軍:「…。」

ヘルサたん総統:「言えないならあたしが言います。」

フローリア将軍:「いいえ。あのときは、精力がほぼ“ゼロ”になっていました。」

カリギューラ女王:「なんじゃと!?」

ヘルサたん総統:「魔族にはいろいろな能力がある。魔力の他に、さまざまな能力が備わっている。魔王クラスともなるとすべてが複合されるけど、上級淫魔であれば、声の能力や、瞬間移動など、いくつかの特殊能力を持っているものよ。」

フローリア将軍:「…。」

ヘルサたん総統:「でも、そんな能力も魔力に付随する以上、多くは魔界に置いていく必要がある。それでもどうしても人間界に持ち込みたい能力、あるいは持ち込まなければならない(切り離せない)能力があれば、何かを犠牲にして持ち込まなければならない。フローリア将軍の場合、声の能力は魔界に置いて行ったけれども、ウロコ肌の能力は人間界に持ち込んだ。そうでしょう?」

フローリア将軍:「…。」

ヘルサたん総統:「その結果、ウロコ肌の能力を人間界に持ち込む代わりに、代償として、魔力とは別の、何らかの能力を犠牲にすることになる。フローリア将軍の場合、”総精力値”が犠牲になった。」

フローリア将軍:「調べたのですか。よくご存知で。」

ヘルサたん総統:「クスクス…総精力値が人間よりもはるかに低い。男子中学生並みにあっさりイッちゃう体で、佐伯に挑んだということね。」

カリギューラ女王:「ヘルサたん総統よ。フローリア将軍を侮辱するならいくらお主でも許さんぞ。」

ヘルサたん総統:「あら。侮辱なんてしてないよ。人間界に特殊能力を持ち込むなら、何か別の弱点が付加されるということを説明したかっただけ。何らかの能力が突出または追加される代わりに、別の能力で激しく劣ることになる。人間界に持ち込む特殊能力があるために、別の側面では人間以下になってしまう。これを解消するためには、魔力を人間界で増幅させて、元の上級淫魔クラスに戻す必要があるわ。そうすればすべての能力を思い出し、付加されていた弱点も克服される。」

フローリア将軍:「…。そうですわね。いきなり人間界に行って戦いを挑むのは得策じゃない。」

ヘルサたん総統:「ボウイ将軍は、肉体を一時的に消滅させる力を人間界に持ち込んだ。隠密行動が取りやすくなるためにね。その代わりに、ある弱点が彼女に追加されてしまった。」

カリギューラ女王:「その弱点とは?」

ヘルサたん総統:「恋着。」

カリギューラ女王:「れんちゃく? 鎖つきの棍棒を振り回す武器?」

ヘルサたん総統:「異性に触れると、その相手に心底惚れ込んでしまう心の弱点よ。手が少し触れ合っただけで、一生添い遂げようと決意してしまうほど、その相手が好きで好きでたまらなくなるの。当然ドキドキは止まらず、その相手を前にしてアソコは激しく濡れっぱなし。身も心も捧げ尽くそうとしてすべてを解放してしまうのよ。」

 もはやツッコミすらしないのだな。フローリアはそう思った。

ヘルサたん総統:「もしそんな心の状態でレッドとまともに戦ったらどうなる?」

フローリア将軍:「おそらく、どんなに力の差が歴然としていても、レッドに惚れ込み、絶頂を許してしまう可能性があります。」

ヘルサたん総統:「ええ。多分負けることはないでしょうけれども、体質が改善していないうちに戦って万一のことがあれば、我々の計画自体が台無しになる。だからボウイ将軍は、怪人や天国軍団に指令を出す傍ら、地道に精を吸い続け、力を蓄えているの。…さっきレッドのアソコを軽く握りしめていたわね。きっとあれだけでも、ボウイ将軍にはとてもつらいはず。」

カリギューラ女王:「すると、精を吸い続けているその相手にも彼女は…」

ヘルサたん総統:「ええ。心底好きになっているわね。それでいてその男性を吸いつくさなければいけない。そんなジレンマを抱えながら、彼女は黙々と魔力を蓄積しているのよ。」

カリギューラ女王:「…。」

フローリア将軍:「…。」

カリギューラ女王:「うーむ、立派なもんじゃのお。」

ヘルサたん総統:「恋着の弱点が自分の体質であることを彼女はよく理解している。だから、触れたあとしばらくすれば気持ちは落ち着く。もう少しすればボウイ将軍も正気を取り戻せるでしょう。そうしたら作戦続行よ。」

カリギューラ女王:「作戦というが、結局どういうものなのじゃ? さっきは子供を狙っておったようだが?」

ヘルサたん総統:「ええ。今回のターゲットは小学生。性に未熟な少年どもを大人の女にまみれさせ、味をしめさせることによって、性に奔放な青年に育て上げていくの。もちろん、精通促進剤もたっぷり使い、年端も行かぬコドモチンチンであっても立派に射精させることができる。」

カリギューラ女王:「フザケンジャーにも効果があったようじゃな。しっかり効いてイキやすくなっておったわ。」

ヘルサたん総統:「ええ。対策は万全よ。とくに今回は、乗り物や狭い部屋などの密室をしっかり利用し、地の利を用いて少年を堕落させ、さらにフザケンジャーが転送されてきてもきちんと対処できる。精通促進剤とうまく組み合わせれば、少年たちをいち早く性に目覚めさせるとともに、フザケンジャーをイかせることもできる。」

フローリア将軍:「あとはレッドを取り押さえる方法を探せば…」

ヘルサたん総統:「それも問題ないわ。要は奴にふたたびポーズを取らせなければ済むこと。“立てない場所”なら、ふたたびフザケンジャーになることができない。密室に誘い込み、精を絞ることができて、なおかつ小学生男子がよく来る場所であれば、我々の計画もうまく進むというもの。」

カリギューラ女王:「そんな場所があるのか?」

ヘルサたん総統:「ええ。とっておきの場所がね。ただ、準備に少し時間がかかるから、それまでは次の怪人の用意でもしておくといいわ。」

カリギューラ女王:「くっくくく…楽しみじゃのう。セックスを知らぬ無垢な少年どもが堕落していく顔を早く見たいぞよ。」

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