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ナメてる戦隊フザケンジャー!


第11話 オバケ屋敷のトラップ!



 やがて夕日が沈み始める。夢の世界なので、あっという間に夜のステージに変わっていくのだ。

 僕はみさに、家までのワープを頼んだ。

 ただし、家の中ではなくて、家の近くの路地を指定した。彼女は不思議そうな顔をしたが、結局言うとおりにしてくれた。

 「…思った通りだ。」窓からこっそり自分の家の中を覗く。部屋もリビングも電気がついており、すでに全裸となった女たちが大勢詰めかけているのである。鍵がかけられず、誰の家でも自由に出入りできるようになっているため、誰かが進入しても罪にはならないのだ。

 私有財産はない。誰が入ってきても、モノはたくさんあるのだ。盗むこと自体に価値がなく、いつでもセックスを楽しめるよう、鍵というもの自体が撤廃された世界なのである。

 当然、僕がここに住んでいるという情報は、近辺の女たちの知るところであり、暗くなる直前にもかかわらず、そこに女たちが押しかけるのは理の当然であった。

 さらに言えば、家の中は「ラブホテル」と同じ扱いになる。昼間家にいれば、誰かが入ってきて精を奪っていくだろう。夕方のこのこ家に帰るということも含めて、自宅にいるということは、即座に「自分からラブホテルに入った状態をキープ」というのと同義である。

 街のラブホテルでどんな戦慄の饗宴が繰り広げられているかは想像に難くない。住宅地やマンションなどがラブホテルと同じであるということは、昼も夜も家にはできるだけいない方がよいということになる。

 かといって、一晩中外をさまよい歩いているわけにも行かないのも確かだ。

 「帰らない気? 言っとくけど、法律で猥褻罪として守られているのは、あくまで昼間の、家およびラブホテルの外に限られている。分かってる?」「…。そうだな。」

 つまり、夜は繁華街であっても人前で堂々と性行為ができるのだ。ラブホテルも、家の中も、電車の中も、月の下でさえも、安全な場所はどこにもない。

 だが、それも考えようである。それならできるだけ、人口密度の低いところにいればいいのだ。女が一人もいない場所はおそらく見つけられまい。だが、少ないところであればなんとか見つけられるかも知れない。

 まず、繁華街はダメだ。ビルの中も、町の中も、ラブホテルはもちろん、電車内でさえ、女たちが大勢いるだろう。

 僕の家など論外。すでに裸体の群れが詰めかけている。僕の帰りを彼女たちは待ち構え、家の中なら好きなだけ襲ってよいので、彼女たちは即座に僕に飛びかかってくるだろう。

 田舎の山の中。といっても、電車での移動は危険だし、タクシーで行こうとすればその運転手のお姉ちゃんに繁華街に連れて行かれてしまうだろう。みさに頼んだところでコイツは絶対首を縦に振らないだろう。僕を射精させて新世界の快楽を教えるのが彼女の役目なのだ。

 それにおそらく、新世界になったら、繁華街だけに人が集まって来るという、従来の世界の価値観は信用できない。一日中セックスの快感にさらされる数少ない男たちはおそれおののき、我先にと繁華街を離れて、人がいないであろう田舎に移動するはずだ。

 が、考えていることはみんな同じだから、世界中あちこち、男たちはまばらに散っていくことになる。

 女たちはそれを追いかけ、地の果てまでも追ってくるわけだ。田舎といってももはや魔の機械化が進み、どこに行っても同じようなビルディングとモールとラブホテルが設置されているはずである。電車も採算を考えなくていいので頻繁に全国行き来する。逃げてもムダというわけだ。

 近くの路地裏や物陰は、逆に女たちが罠をはって待ち構えている可能性がある。昼間、それらの場所は本番行為の穴場でもあるのだ。

 さて。いよいよ袋小路だな。そろそろ日が沈み、この近辺も危険になる。どうしようか。

 そもそも一人当たりにして180人の女に追い回されているのだ。簡単には活路は見いだせない。

 「なあ、みさ。」「ん?」「この近くに環状線の電車はないか? 地下鉄ならなおよし。」

 「んー、少し行けばあるけど?」「よし、そこに行くぞ。」「なんで?」「…そこなら女に出会うことはないだろう?」「あー、わかってないなあ。どこに行っても無駄だよぉ。」「…。」もちろん、女に出会うことはないというのはウソだ。が、アホのみさをだますならこの程度のウソで十分だった。

 僕たちは駅に向かって歩き出した。ほんにぁら産業駅まで行って、そこから地下鉄両猛線に乗り換える。そこからはしばらく環状に運行し、5時間でほんにぁら産業前に戻ってくる。新世界では採算度外視なので、24時間ロボット自動運転だ。ここで一晩を過ごそう。

 電車に乗ると、数名のパンティ美女が乗っていた。

 「あーららー。どうするの達郎? 電車走り出しちゃったよ? 逃げられないね。」「・・・かまわんさ。」

 僕は呼吸を整え、女たちに向き合った。彼女たちは嬉々として僕に走り寄ってくる。

 受け身にはならずに、積極的に攻めることにした。フザケンジャーでなかったとしても、神谷達郎として、セックスに勝つ。

 女たちは破廉恥にも、僕の目の前で服を脱ぎ、裸になった。座席を拡げるとベッドのように広くなった。電車内でもいくらでも性交ができるようになっているのだろう。

 僕はそこに乗り、女たちが来るのを待ち構えた。

 さっそく4人の娘がベッドに乗ってくる。

 僕は近くの女の人にキスをし、その胸をまさぐった。乳首をこねくり回すように丁寧な愛撫を加える。

 左手で彼女の乳房をかわいがりながら、右手は後ろに控えている別の女性のオンナに伸びていく。

 後ろの女はペニスを右手でしごき、背中にぴったり乳房を押しつけてくる。

 僕は呼吸を整え続け、落ち着き払った。そして股間の神経を鈍磨させた。触られていても、しごかれていても、女手の感触を身に受けていても、そこに意識をあえて集中せず、玉袋の奥へと送り込まれる快感を体内で無効化していった。

 僕は目の前の女性に抱きつき、グッと押し倒した。22歳くらいの女性は素直にそれに従い、足を開いて女を押し広げた。僕はそれを機械的に見て照準を定め、ペニスを押し込んでいった。

 強い締まりと滑らかすぎる肌が僕にしがみつき、ペニスと全身を強い快楽と安心感にさらしてくる。

 僕は股間の快楽から意識を逸らしつつ呼吸のリズムをくずさないまま、ぐっぐっと腰を振り始めた。ペニスはスムーズにオンナの中を出入りし続ける。

 強烈なしごきが股間に襲いかかる。僕にしがみついて抱きついてくる若い娘のみずみずしい肌が、僕の全身に絡み付いて包み込む。僕は彼女たちの淫気を吸っては毒素を吐き出し、それ以上精神的に興奮することがないよう細心の注意を払いながら、一心不乱にオンナを突き続けた。

 クリトリスや膣内の性感帯をこれでもかと肉棒でかき回しこすりあげ、お姉さんに快感を送り込み続けた。

 ほどなくして彼女はあっさりと絶頂を迎えた。だらんと脱力した女性は、他の女たちの手で別の場所まで運ばれた。

 本来ならこちらも相当なダメージを受けているはずだが、そこはポッティのバリアがある。佐伯さん直伝の仙術(の入り口)がある。フザケンジャーとして天国軍団と戦ったテクニックがある。

 いずれも完璧ではなく、気を抜けば射精してしまうものだが、うまく組み合わせ、細心の注意で全力で取り組めば、なんとか乗り切れるのだ。

 後ろの娘のお尻を撫でさすりながら、バックで挿入。さらに乳房を揉みながら力強くペニスを突き上げる。さっきの女性とは違う若々しい締まりがペニスに直撃する。僕は精力を消費しながらも、本来の挿入よりは軽減された快楽に耐え、やがて彼女をイかせることに成功した。

 淫気を吸って、性欲の虜となった新世界の女たちは、願望満たされて数少ない男性と本番挿入できた悦びで、ずいぶんゆるんでしまっている。つまりあっさりと精力を大量に消費し、比較的短時間で絶頂を迎えてしまうのだ。

 そこに多少なりとも強化された僕が攻撃しているのだから、彼女たちも僕を射精させることができず、先に自分から果ててしまうのである。もっとも、彼女たちは自分が愉しめればいいので、必死にイクのをガマンしようともしなかった。こちらとは目的も気合いも違うのだ。

 ひとまずは、ほんにぁら産業前に着くまでの辛抱だ。

 あぐらをかいて座る僕に、次の美女が座位で結合してくる。彼女はズリズリと全身をこすりつけながら、一心不乱にペニスをオンナでリズミカルにしごき続けた。

 さすがにこの攻撃はきつい。股間を力ませながら同時に神経を鈍らせ、できるだけ快感を感じないようにして体を固定させていた。それでも、全身をきめの細かすぎるやわ肌でこすり続けられて同時にペニスに強烈な性感刺激が押し寄せてくるのである。

 だいぶ精力を消費したが、女は自分からアクメを迎え、満足して離れていった。

 4人目も座位で結合してこようとしたので、僕はあえて寝そべり、側位で繋がった。左足を高く持ち上げて股を拡げ、ペニスを受け入れた美女の顔が快楽に上気する。

 僕は深くペニスを出し入れし、彼女の体を強く抱き締めながら膣奥までガンガン力強く突き上げ続けた。やがて彼女も絶頂を迎えた。

 5人目がベッドに乗ってくる。それまで数駅を停車し、あらためて乗ってきた女たちが僕の姿を認めて、自分もセックスに混ざろうと順番を待っていたのである。

 昼間のように、一度に群がるのは8人までという縛りもない。

 彼女は僕に飛びつくと、女性上位で乳房をシュッシュッと僕の胸板にこすりながら、腰だけを上下させてペニスを責め続けた。

 ペニスがずりゅずりゅとやわらかい膣の筒で強くしごかれる。ざらついた大人の女性器は容赦なく僕の精力を奪っていく。それでいて吸着し、吸い上げられてしまうそうな感覚に僕をおとしめていくのである。

 徐々にガマンの限界に達してきたが、これをも佐伯流呼吸法で鎮め、リズムを整えて落ち着き、下からガンガン突き上げて早々とイかせてしまうことにした。

 電車のドアが開く。終点のほんにぁら産業前に着いたのだ。そこから数十秒、リズミカルにパンパンとペニスを突き上げると、彼女もあっさりとイッてしまった。

 僕は服を着て外に出る。すぐに地下を目指し、両猛線に乗り換える。電車は僕が乗ってすぐに出発した。

 両猛線はとても豪華で、床に絨毯が敷き詰められ、そこでもセックスができるようになっていた。掃除ロボが這い回り、常に清潔に保たれている。さすがは地下鉄だ。

 二周すればおよそ10時間。寝ながら回ることができるだろう。夜中でも女たちが襲ってくるかも知れないが、その時に相手をしてやって、また眠ればいい。

 幸い、電車の中には誰もいなかった。

 次の駅で、30歳くらいのお姉さんが一人乗ってきた。彼女はどこかで男を食いあさってきた後らしく、即座に僕に襲いかかることはなかった。が、だらしなく足を開いて内股を見せ、時折パンティをずらしてツルツルのオンナを見せつけてくる。無駄な毛はまったく生えていないし、30を過ぎてもその肌は高校生のようにハリがあるものだった。若い肌は衰えを知らない。そこに三十路の妖艶さが加わっているので、たまらない色気だった。

 が、僕は呼吸を整えて彼女の色香をはねのけた。

 僕はごろんと横になった。夢の中ではあるが、そこですーすーと寝息を立てていく。

 気がつくと、誰かが股間をまさぐっている。寝ている僕の後ろにぴったりとはりつき、若娘がセックスを求めてきているのだ。やわらかい女手がペニスをしゅこしゅことしごいている。

 僕はがばっと起き上がり、彼女を押し倒すと、いきなりペニスを正常位でねじ込んだ。

 お姉さんは腰を左右にくねらせてペニスを揉みしだきつつ、熱いオンナでペニスをとろけさせたが、僕はお構いなしに、壊れてしまいそうなほど激しく突き続けた。

 突然、僕は動きを止め、ゆっくり噛んで含めるようにペニスを出し入れした。じわりとした性感が女体を電撃にさらす。滑らかでねちっこい動きに翻弄され、最後のトドメとばかりに深くゆっくり奥までねじ込むと、その刺激で彼女は絶頂を迎えた。

 僕はふたたび眠りに落ちた。

 股間に快感を感じて目を覚ますと、僕の周りに3人が群がっている。あお向けに寝かされ、騎乗位で犯されていた。

 一人がペニスを女手しごき続ける。別の娘が玉袋をふよふよとまさぐり、もう一人が僕の乳首をピチャピチャ舐めしゃぶっていた。

 僕は呼吸を整え、反撃に出た。ポッティのバリアのおかげですぐに射精することはなかったが、じわじわと高められ、精液は確実に玉袋に溜め込まれていく。それでも自分を信じて、どんどん積極的に責めたてるのだった。

 騎乗位の女は絶頂を迎えた。

 玉袋をまさぐっていた美女がペニスにまたがり、連続して騎乗位で腰を振ってきた。

 彼女は両手を床について前屈みになり、腰だけを上下させてペニスをかわいがってくれた。リズミカルですばやい腰の動きにペニスはくすぐったくなってしまう。もはや呼吸を整えても、射精前の高まりを抑えることができない。

 すでに何人もの膣に包まれ、激しくしごきまくられている。本当なら何度でも出してしまっていただろう。

 僕は彼女の乳首を両手指先でこねくり回しながら、腰を沈めてとくに亀頭に快感を感じないようにし、グッとガマンの体勢を取った。体を固定しても女の方が勝手に動くので、女体は激しい快楽にさらされ続けている。

 淫気が大気を満たしていて、女性が性欲に疼いているために、簡単な責めでも彼女たちはイクのである。いわば弱体化したレディに、わずかに強化された僕が立ち向かうようなものだ。

 問題は、人数の多さと、しつこくしつこく、次から次へとセックスさせられる点だ。そのままでは、長引かせることはできても、いつかは射精してしまう。

 僕は意識を快感以外のところに向けているために、簡単に女体に“記号”を見いださず、本番行為も機械的な作業として行っているに過ぎない。快楽を楽しむつもりは毛頭なく、受けるダメージもわずかだ。膣にしごかれる感触がペニスに刻みつけられ、記憶に深くくい込んでくるけれども、それをこらえて、快楽に負けずに目が覚めることが目的だ。

 女はイッた。

 最後に残った一人が騎乗位でハメ込んできた。イキそうになってきた僕にこの連続挿入はきつい。オンナで激しくしごかれている間中、呼吸を整えているにもかかわらず、股間がジンジン痺れてくる。少しでも気を抜けば、そのまま律動が始まってしまいそうだった。

 僕は必死で快感をこらえ、玉袋から内股にかけてじわじわこみ上げてくるくすぐったい快感を必死でなだめ続けた。歯を食いしばり、脈打ちしそうになるのを根性で押さえつけた。

 そうこうしている間にも、女の方は追いつめられていき、やがて大量の愛液を拭きだして絶頂を迎えたのだった。

 「はあっ、はあっ…」もはや呼吸さえ乱れてしまった。もっと修行して、この程度では高められないようにしなければ。

 引き続き女が電車に乗ってこなかったのは幸いであった。

 さすがに真夜中になれば、24時間走行の地下鉄に乗ってくる女性はまずいなかった。

 興奮が冷めやらないまま、数駅が過ぎた。

 やっとの思いで、呼吸を元に戻すと、イク寸前にまで高められたペニスが落ち着きを取り戻した。

 なんとか射精は免れたが、精液が玉袋にパンパンに溜め込まれているのは確かだ。ふたたび戦闘になったら、もっと苦戦するのは明らかである。早く夢から覚めることを望むしかない。

 すーすーとふたたび僕は仮眠状態に入った。

 ふと気がつく。今何時頃だろう。地下鉄なので外が分からない。時計も持っていない。僕は起き上がり、路線図を見た。

 「…一周りし終わっているみたいだな。」つまりあれから5時間以上は経過していることになる。

 「はあっ! はあっ!」そばで荒い息づかいが聞こえた。

 見ると、アホでドスケベでなんだか憎めないご先祖サマの甘い吐息だった。

 「…なにしてんだお前?」

 みさはずっとマスクをしていたが、なぜかマスクをしていない。白装束だった娘は、完全に裸になっている。近くに装束が乱暴に脱ぎ捨てられていた。

 「ごめ…達郎! はうぅ…」みさは腰をくねらせて苦しそうにしている。ツルツルの15歳マ●コからは大量の淫気を含んだ愛液がしたたり落ちている。

 「あのマスク…一日限定での貸与だったみたい。うっく・・・」

 一日限定。つまり日付が変わり、早朝になる頃に、マスクが勝手に消え、みさは大気に満ちた淫気をダイレクトに吸い込むことになったというわけか。

 何日も何日も淫気を吸い続けてある程度体に抵抗力がついている(それでも性欲の虜になる)新世界の女たちと違って、単なる案内役の幽霊であるみさにとっては、この淫気はたいへんな魅力となって女体を犯し、彼女を激しく欲情させ、狂わせることになるのだ。

 そんなみさの前に僕がいる。彼女の渇望するところは分かっていた。

 「ううう・・・たつろー…」

 「しっかりしろ、みさ! 大丈夫か! どうすれば治るのだ。」

 「一時的にでもイけば、しばらくは大丈夫。でも・・・あううぅ・・・」

 本来の予定では、新世界の案内中に僕がラブホテルに引き込まれ、夜は夜で自宅でしこたま射精し、それで目覚めることになっていたのだろう。だから、淫気を防ぐマスクは1日分あれば良かった。一日経てば、マスクは自動的に消えてしまう。

 僕が機転を利かせ、修行の成果を発揮して、射精せずにいたせいで予定以上に夢が長引いてしまったのだ。

 マスクを永久貸与とすると、奪われて分析され、複製されてしまうことをヘルサたん総統は恐れたのだろう。その結果、みさが淫気に毒され、我を忘れそうになっているのである。

 悪魔め。つくづくひでえことしやがる。配下の色情霊まで苦しめるなんて。

 「みさ…」

 「だっ、だめだよ! 達郎は新世界の女たちでイかないといけないの。それが私のつとめなんだから。私がシたらダメなんだよぉ…」「いいんだ、みさ。今楽にしてやる。」「あうう・・・たつろお・・・」みさは涙をぽろぽろと流した。

 足を投げ出して座った僕に、みさが乗っかってくる。彼女の背中が僕の上半身にスリスリとこすれる。僕は狙いをつけて彼女の腰を落とさせ、ペニスをオンナにねじ込んだ。

 呼吸を整えながらずんずんと突き上げる。僕たちは思いっきり開脚して、性器をこすり合わせ愛し合い続けた。

 「あっ、あああ〜〜ええ〜〜っ! たつろう、そこきもちええよっ!!」みさは体を震わせながら性感の悦びに身もだえしている。口調が昔に戻るくらい彼女はよがっていた。僕は彼女の乳房やオンナの周辺や脇腹や首筋を丹念に愛撫しながら、こちらの主導でペニスを力強く出し入れし続けた。

 一度は味わったことのある、みさの体。だが、ここまで体液を溜め込んでいる状態で15の若い体にしごかれることは、即座に拷問であり、僕にとって超えられない悦楽の壁となるものであった。

 「ああっ、みさ! みさ!」「たっ、達郎! きて! いっぱいきてえ!!」みさは全身を僕にあずけながら足を開いた状態で、イキそうな快感にすべてをゆだねていた。かわいらしい頭部が僕にしなだれかかり、少女特有の甘い髪の香りに僕を包み込む。

 みさのオンナは直情的で青いつぼみだったが、その若い締め付けと、それでいて女性の優しい抱擁たっぷりの密着吸引は、イキそうになっていたペニスからあっさりと精を絞り出すほどの魅力を十分に持っている。

 呼吸を整えることもできず、股間の性感神経がフル稼働して、僕は急激に全身に広がっていく柔らかな安心感とくすぐったい心地よさにとろけそうになった。射精寸前の状態だ。

 「み、みさっ!」「達郎! 達郎! すきっ、たつろうぅ!」

 みさは全身を震わせて、小さな体をびくんとしならせながら、快感の最高潮に達し、同時に膣をこれでもかと締め上げた。

 その直後、精液がみさの膣内にほとばしった。僕たちはほぼ同時にイキ果てたのだった。

 女体がじわりと脱力し、やわらかい体重がしなだれかかってくる。僕も快楽に満たされ、なにもかも出しつくしたようにずんと体が重くなった。

 「はうう・・・ごめんね、達郎、本当にごめんなさい…」「みさ・・・」「キライにならないで…」「そんなこと・・・キライになんてなってないよ。」

 「本当?」「ああ。」「だって、だってだってだって!」みさの目からまた涙があふれてくる。

 「だって、あと少しで、達郎は新世界で射精せずに淫夢に打ち勝って目が覚めたんだよ? 私としなければ、夢精せずに済んだんだよ? …ぐすっ・・・」

 「…みさのせいじゃないさ。ヘルサのヤツがマスクを一日で消したからこうなったんだろ。恨むべきはあの魔王なのであって、みさじゃあない。」「ほっ、本当?」「ああ。」

 「…じゃあ、また会ってくれる?」「…。」

 そう。みさは幽霊。江戸時代に死んだ僕の遠縁のご先祖。僕の夢の中、しかも新世界の紹介のシーンでしか登場できない幽霊なんだ。

 彼女が実体を持って(具現化して)現実世界に飛びだし、好きなものを食べ、好きなように人生をやり直すことができるためには、現実世界が淫気に満ち、新世界に作り替えられなければならない。

 そうならないかぎり、僕は彼女とは、新世界の夢の中でしか会えないということになる。

 もちろん、こんな新世界になんか絶対にしてはならない。

 やっぱり相手は幽霊、成仏すべき存在なのかも知れない。だが…

 そうなれば、みさとは永遠に会えない。

 また、この新世界の淫夢に続きがあるとすれば、僕はさらに過酷な誘惑にさらされることになるだろう。そうなれば、世界はまた危機にさらされることになりかねない。僕がみさに会うということは、世界をさらに危険に追いやることを意味する。たとえわずかな危険であっても、積み重なれば取り返しがつかないことになる…

 僕は一瞬迷ってそんなことを考えた。そして、答えを出した。

 僕は返事をする代わりに、彼女の手をぎゅっと握りしめた。

 (…また会おう、みさ!)

 周囲が白い光に包まれた。

 ………。

 ……。

 …。

 僕は目を覚ました。シャワーを浴びて着替えを済ませる。夢精したパンツを洗濯機に放り込み、淫夢による毒を抜きにフザケンジャー本部に足を運んだ。

 たしかに僕は夢精した。でも、まったく後悔していなかった。

 それでも、弱体化はしている。悪魔は容赦ないのだ。

 本部に着くと、僕は無言で夢精したことを表情で告げ、例の装置に自分から入っていった。

 全身がちくりとやられる。が、昨日に比べればあまり痛くなかった。

ポッティ:「うむ。よく頑張ったな。夢の中で射精したのは一回だけのようじゃ。」

佐伯:「一回だけなら、それほど痛くはないだろう。何度も出したらその分痛みはベキ乗的に増していくけどな。」

僕:「…。」

ポッティ:「…何かあったのかね?」

僕:「いえ…別に。」

ポッティ:「…。」

佐伯:「よし、体も治ったし、このまま修行に入るぞ。」

僕:「はい!」

 僕は暗室に行き、佐伯さんの指導のもと、座禅瞑想の世界に入った。

佐伯:「ほお。呼吸が整っているな。正直こんなに早く整うのは珍しいぞ。見込みがあるのかも。」

僕:「…お願いします。」僕は自分から上半身を倒し、佐伯長官に警策で撃つよう促した。

佐伯:「むっ!?」

僕:「今の佐伯長官の“見込みがある”というお言葉に対し、自分は自分に期待をし、心を躍らせてしまいました。打ってください。こんなことで心を乱すようではまだまだです。」

佐伯:「ふむ。」

 佐伯長官は僕の背中を打った。

 それから二時間、僕たちは一言も話をせず、時間が止まった。

 精神的には前向きになったかも知れないが、体はまだ慣れていない。解放された時の足のしびれだけはいかんともしがたかった。

佐伯:「あーはははは!」

僕:「みぎゃああああ!」

 長官は容赦なく、痺れた僕の足をばしばししてくる。しかしおかげで、じっと動かないよりも早くしびれは直っていった。

 瞑想が終わっても、僕は呼吸のリズムを乱さなかった。運動中、どんなに走っても、呼吸だけは乱さないように気を配った。それは走りながら酸素を補給しない状態となったので、ことさらに苦しかった。

 だが、きちんとした呼吸のリズムを確立していれば、走りながら深い呼吸をして、なおかつ苦しくならないはずなのだ。まだまだ修行が足りない。

 お昼になり、僕たちは何か外食をしにいくことになった。

並木:「神谷君、何か食べたいものはある?」

僕:「そうですねえ。。。」

 公園に鳩が群がっているのに目をやった。

僕:「…ヤキトリ」

 ばさばさばさ! 鳩が一斉に飛び立った。

並木:「…長官は?」

佐伯:「そうだなあ。。。」

 佐伯長官は、少し考えた。

佐伯:「軽食でいいだろう。喫茶店でナポリタンとかな。」

並木:「じゃあ決まりね。」

 なぜか僕たちは、喫茶店『キノコぐんぐん伝説』に行くことになった。

マスター:「いらっしゃいま・・・あ、神谷君じゃないか。」

僕:「こんにちは。」

マスター:「最近顔を見せないからどうしてるのかと思ったよ。…そちらの方は。以前ご来店くださいましたよね?」

佐伯:「はい。その節はたいへん失礼しました。」

マスター:「いえいえ、とんでもない。神谷君がお世話になっているようで、ありがとうございます。ささ、どうぞこちらへ。」

 佐伯さんたちはあるボランティアサークルを主催していて、僕はそこに参加している、という風に紹介した。さすがにマスターにもフザケンジャーのことは話せないからね。

マスター:「そうですか。それはたいへん結構なことです。神谷君にも目標ができればと思っていたので。」

佐伯:「ええ。彼はよく頑張ってくれていますよ。我々もとても助かっているのです。」

マスター:「それはそれは。」

 そんな会話をしている時、隣の席で初老のサラリーマン二人が話をしていた。

 「今日は本当にありがとうございました。」「いえいえ。こちらこそ有意義な時間を過ごすことができました。また機会がございましたら、ぜひ。」「ええ。ぜひとも。」

 奥に座っている男性がすっと伝票を取り上げ、「ここは私が。」と微笑んだ。

 「いえいえ! とんでもない! ここは私が。」もう一人が伝票を自分のもとに引き寄せた。「なにをおっしゃいます。あなたには日頃からお世話になっているのです。ここは私が。」「いえいえここは私が…」

 そんなやりとりをした後、結局片方が支払うことになって、二人は店を出て行った。

佐伯:「じゃあ俺は、スペシャル餃子定食。」

僕:「ちょwww 喫茶店にそんなのあるわけないだろ!」

佐伯:「あるよ。メニューにちゃんと載ってる。」

僕:「え・・・」

 見ると、たしかにメニューに餃子定食が載っていた。

佐伯:「ここでバイトしてるんだったら、メニューくらい見とけよ。」

 そういえば、ここのメニューって見たことなかったな。無気力で、テキトーにここにいただけだし。あらためてメニューをじっくり見ると、マスターが色々おすすめしたりして、工夫を凝らしているのが分かる。品書きも多岐にわたり、並び順にも、写真の使い方にも、考え抜かれている節が見受けられた。

 こういうところでがんばってるんだなあ。

 今まで無為に過ごしていた自分が恥ずかしい。

 メニューにはいろいろある。佐伯さんが頼んだ餃子。並木さんが頼んだナポリタン。他にもホットケーキやらピザやら、すべすべまんじゅうがにまんじゅう(毒抜き)とか、いなり寿司とか、赤坂スペシャルとか、納豆ケーキ、ハンバーガー、牛鍋丼、ラーメン、フォアグラなど、喫茶店らしからぬメニューが多岐にわたっていた。コーヒーはおかわり自由。他にも手作りのジュースや熟成された紅茶などがしっかりマスターの説明入りで紹介されている。

僕:「この赤坂スペシャルって何だろう?」

 300円と安い。写真や説明はない。ここで働いているのによく分からないなんて。いかに怠けてきたかがよく分かる。ためしにこれにしてみようか。

僕:「じゃあ、マンゴージュースと赤坂スペシャル。」

 注文が決まり、マスターが奥に引っ込む。しばらくして、マスターが料理を運んできてくれた。

マスター:「神谷君。ボランティアの方が忙しいんだったら、こっちの仕事はあまり気にしなくていい。」

僕:「すみません。」

 もちろん、無気力でろくに働かず、することもないので何となくここでぼーっとしているくらいなら、外のボランティアでも何でも生き生き活動していて欲しいというのはマスターの願いである。僕もそれは十分納得できることだった。

 佐伯さんのところに餃子とスープと大盛りライス。並木さんには小じゃれたナポリタンが置かれた。

 僕の目の前には、厚切りトーストとマーガリンが置かれた。

 赤坂スペシャルって、ただのトーストかよ。ひでえ・・・

 まぁ、自分の店でメニューも知らない自分への罰だと思うことにしよう。みさも言っていたとおり、食べ物にそういうケチをつけるのはそもそも良くない。ゼイタクだ。ちゃんと食べ物をおいしくいただき、感謝し、粗末に扱わないこと。これも修行であるし、そもそも人として当然の態度である。飢饉で死んで幽霊になった娘のことを思うと、トーストに文句を言う気にはなれない。

 なんだかんだで、僕たちは昼食を済ませた。

佐伯:「…ここはお前が。」

 佐伯長官が伝票に三つ指を乗せ、すっと僕のところに流してくる。

僕:「いえいえ。とんでもない! ここはお前が。」僕も負けじと伝票を佐伯のところに指先で滑らせる。

佐伯:「なにをおっしゃるウサギさん。ここはお前が。」

僕:「いえいえそちらこそウサギさん。ここはお前が。」

佐伯:「てめえ! 年下のクセに年長者にお前とか言うんじゃねーよ! ボケ!」

僕:「てめえこそ年長者のクセに年下におごらせようとすんじゃねーよ! カス!」

 伝票がテーブルをすっすっと滑り続ける。

並木:「・・・アホかおまいら。」

 …結局、別勘定、自分の分を自分で払うことになった。そりゃあそうだろう。

 昼食を終え、戻ってくると、並木さんとの修行が始まる。

 だが、ラジオ体操をちょうど始めたところで警報が鳴った。

 並木さんが急いで司令室に戻り、状況を確認。僕もあとをついていって、すぐにでもフザケンジャーレッドになれる心の準備をした。

並木:「レッド、出動よ! 場所は豆腐動物公園! 最近できたばかりの話題のテーマパークよ!」

僕:「ちっ、そんな人の集まるところを選びやがるとは。」

佐伯:「そういうところに男もいる。奴らが人気のテーマパークを選ぶのも当然だな。」

 豆腐動物公園。山の中に突然作られ、テレビとかで宣伝やリポートを行い、あっという間に人気となったテーマパークだ。豆腐にまつわるアレコレの遊具が揃っており、食堂も土産物も豆腐一色という珍しい遊園施設だ。

並木:「やっぱり今度も子供が狙われているわ。テーマパークなら子供もいっぱい集まる。奴らも考えたものね。」

僕:「くっそ。」

並木:「その中にオバケ屋敷があるんだけど、そこで今男の子ばかりが行方不明になっている。きっと奴らはそこに潜んでいるんだわ。」

僕:「分かりました。…ナメてる戦隊! フザケンジャー!」

 僕は蒸着して、レッドスーツに身を包んだ。すぐさま転送装置が用意される。

ポッティ:「すでに説明した通りじゃ。現在時刻よりも15分前に飛ぶことになるな。その頃にはすでに天国軍団が入り込んでいる。殲滅してくるのだ。」

僕:「了解! …って、ことは、現時点ですでに“15分前に移動した僕”が豆腐動物公園で敵と戦ってるんですよね。」

ポッティ:「うむ。そういうことになる。」

僕:「その様子をモニターで見ることはできませんか?」

ポッティ:「絶対にダメだ。もしそれを見て君が行動を変えるようなことがあれば、修復不可能なタイムパラドクスを引き起こすことになりかねん。時間軸はあくまで不可逆でなければならんのだ。」

 僕は仕方なく、なにも見ることなく転送装置に入った。ま、敵の罠とかそういうのを知ってから戦った方が有利だと思ったけど、たしかにそれを知って戦っている僕がいて、その様子をさらに僕がモニターで見てってなるとおかしなことになるよなあ。

佐伯:「いいか。転送してから15分から20分は、通信ができない。15分前と言えば、俺たちは喫茶店で“ここはお前が”ってやっていた時間だ。ポッティも姿を隠して俺たちについてきていた。つまり本部には誰もいないんだ。自分の判断で戦うしかない。」

僕:「はい。がんばってきます!」

 周囲を光が包み込む。

………。

……。

…。

 一方、その頃。

 豆腐動物公園では、ちょっとした騒ぎになっていた。

 といっても、それは内輪での騒ぎにとどまっている。スタッフ内部で、騒ぎが表に出ないよう、客に感づかれないよう、状況をひた隠しにしながら、残った男性スタッフたちが大汗をかいてかけずり回っていた。

 その一方で、「上」の者たちが、状況を悟られないよう、必死で客たちに愛想を振りまき、部下に”的確に”指示を出しながら、接客や対応に追われているのだった。

 なにが起こったかというと、その日働く予定であったアルバイトや店員や社員たちが、突然姿を消したのである。それも断りもなく、突然いなくなってしまったのだ。

 しかも、17歳から27歳までの、若い女性ばかりが忽然と、である。指示を守らず、ふらっと何も言わずに外に出てしまって、それきり戻ってこなくなった。その時間に入るはずのアルバイトの娘も姿を見せなくなった。

 それが、すべての部署で同時に起こった。レストランのウエイトレス、受付、アトラクションの係、案内係、売り子、迷子放送担当、動物コーナーの説明役の娘も、飼育係でさえも、条件に合う若い娘でありさえすれば、全員同時にいなくなってしまったのだ。

 驚きとまどったのは、残されたスタッフたちや上司、所属長たちであった。本来常備されていなければならないところに、係の者がいない。しかも日曜日、家族連れやデートカップルなどで混雑する遊園施設である。

 休日の客を見込んで、スタッフも数をそろえるものであるけれども、もちろん豆腐動物公園も平日よりは増やすけれども、社長の意向により、ギリギリ最低限の人員しか配備できないよう厳格にルールが定められており、たとえばバイトの娘が一人、風邪をひいて休もうものなら、残ったスタッフたちはかけずり回る地獄を見ることは必定。そんな有様の中で、頼りの若い女性たちが全員姿を消したのである。

 美女たちが練り歩くパレードの準備ができていないうちに、裏方を含め、スタッフが8割以上消えた部署もある。

 動物の格好で風船を渡す娘がいなくなり、施設から着ぐるみが消えてしまった。

 残されたスタッフたちは大慌てである。なんとかしてパレードを開催しなければならないし、その前に今の仕事をきちんとこなさなければならなかった。彼女たちがしなければならない仕事のうち、女性にしかできないもの以外は、男性スタッフが3人分も4人分も、短時間内で終わらせなければならないのである。客を待たせることは許されない。人員をギリギリ以下にまで抑えている分際で、誰も待たせてはならないという鉄の掟が厳として存在していた。レストランでさえも。

 現在の目の前の仕事だけでも数人分余計に働かされた。普段でさえ一人分がやっとのところである。にもかかわらず上層部は、パレードの準備を早くしろとせかし続けてきた。暴動寸前であった。

 そうした大喧噪をよそに、表面上は穏やかで平和で楽しみに満ちた遊園施設である。カップルも家族連れも、わいわいと楽しそうに歩き回り、人気のアトラクションに並んでいる。

 並んでいる間も「待たせない」ために、退屈しないような仕掛けをいくつも用意していた。売り子が練り歩き、モニターにいつでもアニメが流れ、ミニゲームがそこかしこに用意されていて、並んでいる間も退屈せずに、客たちは待つことを許されないのである。

 ところが、その売り子やゲーム担当が姿を消したからたいへんである。その分を男性スタッフたちがしなければならなかった。客たちは容赦なくアイスやジュースを買おうとどんどん手を上げている。彼らは客を待たせずに割高の商品を売りつけなければならない。完売しなければどやしつけられる。

 かれらは、アトラクションの遊具を運転しながら(ほとんど自動運転だが)、駆け回って売り子もしなければならなかった。しかも、一人で3以上のアトラクションを担当させられた。しかも慌てふためいている姿を客に悟られず、しかも一秒たりとも待たせていらいらさせてはならなかった。汗だくの男性スタッフ社員は控え室に呼ばれて上司に腹を蹴られた。慌ててゼエゼエしているみっともない姿を客に見られたからである。大汗をかいているなど、夢を売る遊園施設にあるべからざる姿なのである。

 こんな状態では、どうしても手薄になる部署があらわれる。

 女性にしかできない着ぐるみの仕事などはもはや不可能。そして、警備にも手が回らない。監視カメラはあっても、チェックできる人間はいなかった。魔族にとっては、格好のシチュなのであった。

 サービスの質はどんどん高く引き上げるよう要求されつつ、人手はどんどん減らされる。じわじわと質は低下していくであろう。イレギュラーに対応できなくなり、ちょっとしたきっかけで大事故や大事件が起こって一気に信用をなくす。現代日本の大手企業の典型であり、魔族に付け狙われるにもっとも適した施設なのであった。

 ともかく、豆腐動物公園からは、若い娘が消えた。

 客の若娘が消えればそれこそ大騒ぎになるため、彼女たちは無事であった。客には影響はなかった。

 魔の者どもは、施設内の若い女性スタッフに目をつけ、彼女たちを即席の天国軍団に仕立て上げた。そしてあるアトラクション内部に密かに集結させたのである。



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カリギューラ女王:「ぐふふ…いよいよじゃな。」

ヘルサたん総統:「ええ。準備したかいがあったわ。作戦は完璧よ。」

カリギューラ女王:「お主も考えたものよ。オバケ屋敷の地下を使うとは。」

ヘルサたん総統:「ええ。あそこなら怖い物好きの少年たちが集まるし、おねえちゃんはいっぱい集められるし、何より、フザケンジャーのヤツが来てもどうにでもなる。ふたたびポーズを取らせなければ、生身の神谷など取るに足りぬ。怪人じきじきに絞り尽くしてやる。くっくくく・・・」

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 家族連れの人気スポットのひとつにオバケ屋敷がある。そこは機械仕掛けメインではなく、生身の人間が変装して客をおどかす古いタイプのものであったが、それがかえって新鮮さを呼び起こし、子供たちに大人気を博しているのである。

 小さな家のようであったが、迷路状になっていて、歩いて通ると普通は15分くらいかかる。その間に何回も何回も、白い布のオバケやドラキュラやフランケンなどに扮した男性スタッフが待ち構えている。

 だが、その日に限っては、13人常備しているオバケ役はメイクを落とされ、他の部署に回らざるを得なかった。中に待機しているのはたったの3人。彼らが一度おどしては全力疾走で先回りしてもう一回おどかすという手で、なんとか客を動かしていた。おどかすポイントも通常の半分に減らされた。それでも客に不満と違和感を感じさせないようにするのが、このコーナーに与えられた至上命令であった。

 カップルは無事に通過できた。大人は無事に通過できた。女の子は無事に通過できた。

 唯一、男の子だけが無事では済まなかった。7歳から13歳までの男子は、出口に出ることがなかった。

 男の子が足を踏み入れ、少し歩くと、突然床が沈んだ。これは急に床が沈んでびっくりさせるバネ仕掛けなのだが、ヘルサたん総統はここに仕掛けを作るように命令していた。

 その結果、10センチ沈んで驚かせる仕掛けが、そのまま地下に男の子を落としていく仕掛けに変えられており、少年たちは次々と地下に滑っていった。

 床が沈むと、そのまま角度のよい滑り台のようになり、少年たちは2,30メートルも、下へ下へと滑っていく。滑り台には滑車がついており、それが自動的に激しく回って、男の子たちを猛スピードで滑らせていく。

 少年たちが滑って行った先は、ヘルサ一味が短時間で作り上げた地下室であった。

 高さが1メートルもない、這って進むような大部屋だった。天井はきわめて低く、子供でも立ち上がることができない。しかし、広さは相当にあり、50メートル四方は超えていた。

 滑り台は数十カ所の出口を持っていて、それぞれ“空いているところ”に自動的に子供たちを振り分けるようになっていた。そこへ次々と少年たちを滑り込ませ、出てきた先で天国軍団が待ち構える仕組みだった。

 一人の男の子がオバケ屋敷に入った。家族と一緒では肝試しにならないからと、やんちゃな12歳はたった一人で屋敷に入った。

 歩き始めてすぐ、床が沈んだ。「わあっ!」少年は叫んだが、それはオバケ屋敷につきものであるため、遠くにいるスタッフも他の客もいっさい違和感を感じない。そうして彼は、忽然と姿を消した。

 長い滑り台を叫びながら滑っていく。少年は、これも仕掛けのひとつだと思い、こんな程度で叫んでは恥ずかしいと思った。そうして、彼は黙って滑り台を落ちていったのである。

 滑り終えた先は、コンクリートで覆われた狭い地下室だった。

 淡い桃色の明かりで全体が照らされている。天井はとても低く、起き上がろうとすれば頭をぶつけるくらい狭かった。だが、周囲はくまなく照らされ、奥行きはとても広いことに気づいた。

 一体ここはどこだろう、どんなオバケの仕掛けなのだろうと少年はいぶかしがった。

 「えへへー…おばけだぞお〜…」少年の足下に誰かがいる。思わず彼は足をこわばらせた。足下にいたのは、24歳くらいのお姉さんだった。

 肩まで伸ばした茶色めの髪と、豆腐動物公園のスタッフが被る小さなキャップ。灰色の作業服みたいなスーツに身を包んでいる。お昼前に観覧車前で売り子をしていた娘だった。

 「えっ…なに? 何のオバケ?」「妖怪なめなめ女のコーナーだよ〜。」「ええっ!?」どう見ても普通のスタッフの女性なんですけど。

 彼女はキャップを取る。サラサラの髪が揺れた。

 「あ…」おねえちゃんは男の子の下半身に覆い被さった。そして柔らかい上半身を少年の下半身にぎゅみっと押しつけてきた。

 オバケ屋敷のオバケたちは、あの手この手でおどかしはするけれども、決して触れてくることはなかった。そのことを知っている少年は、お姉さんの行動に何か違和感を感じた。

 急に少年は恥ずかしくなってモジモジし始めた。若い娘の香りが鼻腔をくすぐる。異性に対して少しは意識をするようになる年代である。そんな男の子に大人の女性が覆い被さり、下腹部にオッパイの弾力を押しつけているのである。

 「ちょっと…やめ…」このままでは、少年は過敏に反応して、オチンチンが立ってしまうかも知れない。そうしたらどんなことを言われるかわかったものではない。それだけは避けようと、モゾモゾと体をくねらせ、お姉さんの上半身からの脱出をはかろうとしたが、ぎゅうっとしがみつかれ、起き上がることもできず、ますます女の弾力を股間に刻みつけられてしまうのであった。

 「やだっ、やめてよ!」男の子は思わず叫んだが、そのことは、女の色香に少年が負け、股間が無残にもくすぐったく反応してしまったことを意味する。

 「えへへっ、恥ずかしがらないでもいいよ? 周りをもっとよく見てごらんよ。」おねえちゃんはかわいらしい笑顔で少年を見上げた。

 見てみると、あちこちで同年代の子供たちが、同じようにお姉ちゃんにしがみつかれていた。淡い桃色の光であるために詳細までは分からないが、みんな、男の子の股間にお姉さんが顔を埋めているように見えた。

 15メートルくらい奥に、中学一年生になったばかりの別の少年がいて、彼も年上の女性にはりつかれている。

 「あ・・・」

 その少年はズボンを脱がされていた。むき出しのオチンチンに一人のレディが顔を埋め、しきりに上下させている。「あふっ・・・くうう!」男の子は顔を上気させて息も荒く悶絶しながら、あお向けの体勢で全身をくねらせている。一体何をされているのだろう。

 フェラチオという概念を、この12歳の子供は知らなかった。男女が愛し合い抱き合うと心臓がドキドキして、その結果子供が生まれるという程度の性知識しかなかった。

 周囲に気を取られている隙に、少年の股間に張りついたお姉さんが、ついにズボンに手をかけた。

 「あ! やあっ! なにをするだぁーっ!」「だぁめ。おとなしくしてなよ。おねえちゃんに任せて、いい気持ちになろ?」

 いともあっさりと半ズボンは脱がされ、ブリーフも足首のところまで降ろされてしまった。小さく勃起した包茎ペニスがお姉ちゃんの前にむき出しになった。

 「!」

 次の瞬間、少年にとっては信じられないことが起こった。

 女の人に触られたことなどなく、性の知識も乏しい少年のペニスに、いきなり大人の女性が口を近づけ、一気に口腔内に飲み込んでしまったのである。

 くちゅくちゅと舌がペニス全体に絡み付いて、股間がくすぐったい音に包まれる。同時にぷるんとした唇が、白いペニス棒部分を小刻みにしごき上げる。勃起しても数センチくらいにしかならないコドモチンチンは、お姉さんの滑らかな口の動きで翻弄され、内部の舌の動きとの相乗効果で、一気に快楽にさらされた。

 天国軍団にとっては、小さく小刻みな動きに過ぎないが、少年にとっては、棒全体をすばやく唇でしごきたてられているのと同じだった。

 これほどの股間のくすぐったい気持ち良さを味わったことはなかった。

 これまで、誰にも見つからないように、布団や枕にブリーフごとぐいぐい押しつけ、その股間の心地よさに酔いしれたことはあった。しばらくそうやって動かしてくると、だんだんくすぐったさが強くなり、ある瞬間、一気にそれが強くなったかと思うと、オチンチンがヒクヒクして、我を忘れる快感に包まれる。それが絶頂であることも知らず、精通もまだの少年だった。

 いま、おねえちゃんにチンチンを舐められ咥えられ、「オチンチンがヒクヒク」の前の「一気にくすぐったさが強くなった」状態になっている。舐められ始めた瞬間から、その感覚に一気に包まれた。

 布団にペニスを押しつけている時には、その一気のくすぐったさは数秒しか続かない。あとは「ヒクヒク」が数秒続いて、落ち着いてしまう。

 だが、いま、一気のくすぐったさが10秒も20秒も続いていた。あるいは、「ヒクヒク」になかなかならずに、その直前の状態がずっと続いているだけのような感覚だった。

 「んあ!」ひとたまりもなかった。

 ついにオチンチンのヒクヒクが始まり、少年は絶頂を迎えた。だが、甘い香りを嗅ぎ続けながらのヒクヒクは、もはやただの絶頂ではなかった。

 ペニスからは白く粘ついた液体が噴き出している。

 「てへへ! わっか〜い! かわいい〜! 新鮮な香りだね。どお? 気持ちよかったでしょう?」「あう・・・」「それがイクって状態なんだよ。そして男の子はね、イク時に精子をオチンチンから吐き出すの。それが子供の元なんだよ?」「う?」

 ペニスは萎えない。天国軍団の毒牙にかかっている間は、興奮が静まらないのだ。

 「もっとずっと気持ちよくなっていよ?」おねえちゃんはそう言うと、ふたたび少年のペニスに喰らいついた。

 またもや、「ヒクヒク前の一気のくすぐったさ」が突然股間を包み込んだ。

 それが40秒ほど続くと、感極まってヒクヒクが始まる。その時に決まって白くて変わった匂いのする粘っこい液体が飛び出した。これが精子であり、子種であると同時に魔族どもの魔力の源となるものであった。

 それが終わっても、お姉ちゃんが口を離さないかぎり、イク前のくすぐったさは決して終わらずにずっと続いた。そうして、時々ヒクヒクが訪れる以外は、四六時中「一気のくすぐったさ」が持続するのだった。

 少年は上半身をくねらせながら悶絶し、それでもくすぐったい股間の魅力には勝てずに、お姉さんの頭部が上下するのをじっと見つめながら、自分から腰を突き上げて快楽に酔いしれていた。おねえちゃんはしっかりとこれに応え、何度でもヒクヒクを味わわせてくれるのだった。

 そうこうしている間にも、次々と滑り台で男の子たちが滑ってくる。天井は狭いが横は広大な地下室で、ピンクの光と甘い香りに包まれ、大勢の少年たちが魔族の毒牙にかかっていった。

 滑り台で落ちてくる先は決まっているので、そこに天国軍団一人一人が待ち構えていれば、いずれそこに“エサ”が滑り込んでくる。あとはその未発達なペニスに刺激を与えて、精気を抜き取れば良かった。

 女体やセックスに不慣れ、というより未経験な少年たちは、簡単な刺激だけでもあっさりと果て続ける。そこに、魔性の力を得た天国軍団が高度なテクニックを駆使して少年たちを悦ばせるのである。

 今度の作戦は、年端もいかぬ男の子にターゲットを絞っている。彼らを骨抜きにし、セックスの虜にさせ、できるだけ早い段階から種を放出できる男に育て上げ、将来にもつなげていこうという趣旨であった。

 性の知識がなければ、必要な最低限のことと、後は快楽を肯定する歪んだ知識ばかりを植え付け、天国軍団から発せられる魔性の淫気でプロラクチンを抑えて何度でも絶頂できるようにし、おまけに地下室中に充満している魔の香り”精通促進剤”によって、射精すらできない未発達なチンチンからも精子を絞り出すことができた。

 数十人の少年から、一気に精を絞り続けることが理論的に可能となっている。滑り台からは次々と年端も行かぬ子供ばかり連れ込まれ、豆腐動物公園のスタッフから転じた天国軍団が待ち構え、しがみついては、本人たちの本来の意思とは無関係に、次々と射精させていく。

 彼女たちはあくまで、仕事をしに来たのであった。自分がいないことで所属部署がどうなるかもよく分かっていた。こんなことをしている場合じゃあないのに、しかも好みでもないガキの洗っていない小さな包茎ペニスをもてあそんでいやらしい台詞を吐いている自分がいた。それでも体と声は勝手に動いてしまう。泣き叫ぶことも狂うことも許されずに操られ続けた。

 この少年のように、あお向けで足から落ちてきた少年には、フェラチオ係がはりついた。

 あお向けで頭から滑ってきた少年に対しては、薄着で覆い被さってのシックスナインかパイズリが待ち構えている。

 うつぶせで足から滑ってきた少年には、足を押さえてのアナル舐め地獄。あえてペニス以外の、玉袋や会陰やアナルに舌を這わせ続けることで、やわらかい床に自分から股間を押しつけ腰を振らせるようにして、射精させていくのだ。壁や天井はコンクリだが、床は女の肉と同じやわらかい素材でできていた。

 横向きで滑ってくる少年に対しては、背中に張りついて、優しい女手で翻弄し、無理にでもしごきたて揉みたてては射精させ続けた。

 うつぶせで頭から滑ってくる少年は、全裸であお向けに寝ている美女が担当した。滑ってきた勢いで、性器どうしが触れ合ってしまう。後は体を動かして興奮させ、一気に挿入に持ち込んでしまうのである。

 抵抗する少年には特別ルームが用意された。

 滑り台を落ちている途中で異常に気づき、鋭い勘と警戒心によって、滑っている途中で体を突っ張らせ、落ちまいと踏ん張る子は、”見込みがある”のである。よりいっそう強力な精を秘めている可能性が高い。生き残り、子孫を残そうとする勢いが強く、そのために簡単には魔族の毒牙にかからないような精こそ、濃い滋養となるのである。

 多く聖職者や禁欲主義の男に淫魔が群がり誘惑するのも同じ理由による。それだけ強い遺伝子であり、危険を察知して生き残り環境に適応する生物としての能力や感性に優れていれば、その分だけ確実に魔力を秘めているというわけだ。

 滑り台の途中で踏ん張る少年には、掃除機のような吸引が待っている。滑り台の筒全体が吸引され、少年は特別ルームまで一気に吸い落とされてしまうのである。

 そこに待ち構えているのは、戦闘員となった天国軍団だ。それも複数。見込みがある男であっても、やはりセックスは知らない弱い少年。裸同然の美女集団に包み込まれればひとたまりもない。

 ロッカーの中のような狭い空間に3,4人の戦闘員が待ち構え、その中に少年が放り込まれる。服を脱がされ、全身をまさぐられ、手と言わず舌と言わず性器と言わず、ありとあらゆる全身を駆使して少年を射精に至らしめる。女体全体がズリズリと少年の全身をしごきこすり圧迫し、まるで男の子の体自体が巨大なペニスになり、複数の女の肉体が膣の内部と同じ働きをして、少年から快楽と引き替えに精を絞り上げているみたいだった。

 こうして、ひとり、またひとりと、少年たちがオバケ屋敷の床から地下に誘導されていく。

 「わあああ!」8歳の少年が頭から滑り台を滑っていく。オバケ屋敷なのにこんな仕掛けは考えにくいということで、どこかに連れ去られてしまうのではないかという不安が少年を恐怖に駆り立てていた。

 しかし、落ちていった先は天国であった。

 パレードの中心で、豆腐動物公園ナンバーワンの美少女が待ち構えていた。フリフリのスカートにメイドのようなドレス姿でパレードの花となっていた彼女は、今やあられもない姿、全裸で、少年が落ちてきたのをがっしりと捕まえたのである。

 「ほお〜ら、つかまえたー♪」「ひゃっ、なに?」

 天国軍団となった年上スターは、鮮やかな手つきで少年を裸にしていく。抵抗しようとしても、彼女の生足が少年の腰にがっしりと回り、ふくらはぎでお尻を固定してしまっている。天井が低いために起き上がることもできず、少年はあっという間に上半身裸にさせられた。

 さらに女は、男の子のズボンに手をかけ、一気にズリ降ろしてしまった。相当に脱がせ慣れているが、これはオリジナルの彼女のテクニックではなく、天国軍団として身につけさせられたものである。

 男の子は暴れて抵抗し、全裸の女から離れようともがいた。

 だが、天井が低く、起き上がろうとしては頭をぶつけて、その勢いでお姉さんに抱き締められてしまう。しかも女のふとももが少年の脇腹に、ふくらはぎが少年のお尻にぴったり密着し、ぎゅっと締めているために、少年は横にも後ろにも逃げることができないのだった。

 女の裸にはあまり興味がない年頃だ。やっと高学年になったばかりであり、無理からぬことであった。

 だから、少年の頭部が彼女の乳房にめり込んだとしても、下腹部やお尻に大人の女の生足がぎゅっと密着したとしても、それだけでは激しい欲情を引き出すことはできなかった。

 それでも、股間に快感を感じる能力は発達していて、その上性的な刺激にまったく慣れていないために、ペニスへの快感攻撃は、ダイレクトに少年の頭の中を真っ白にすることができた。

 おねえさんの武器はそこであった。

 少年の股間は恐怖に縮み上がりながらも、しっかりとツルツルのオンナ表面にはりついている。濡れそぼった愛液から出る淫気が小さなペニスに絡み付き、にゅるにゅるにしている。

 じわりと押しつけられるやわらかい秘部表面の感触が、感じやすいペニスに密着し吸いついている。そこへさらに、おねえさんのふくらはぎが少年のお尻をぐっぐっと押し続けているのである。

 勢い、少年の腰は浮いたり沈んだりして、ペニスがオンナ表面に強く押しつけられたり弱く押しつけられたりをくり返し、股間への甘い刺激をつむぎ出している。

 「えっ…何これっ!?」思わぬくすぐったさがペニスから全身に広がり、少年は甘いため息を漏らした。

 「ほら…おねえさんの体って、やわらかくて気持ちいいでしょう?」「う、うん…」「いっぱい気持ちよくなれるオバケだから、安心して身を任せなさい。」「ぅ…」

 少年が脱力した。性的な知識がまったくないまま、ただオチンチンがくすぐったくて心地よいだけで、十分彼を屈服させることができた。

 もちろん、精通促進の魔性薬品の香りも、少年を興奮させ続けている。

 小さなペニスは徐々に男としての反応を示し始めた。

 「うりゃ。」「えあっ!!? な、なにこれっ! あううっ!」

 少年のペニスは半立ちするやいなや、おねえさんの足によって、一気に腰を落とさせられ、大人の女の膣内に一気に飲み込まれてしまった。そしてその瞬間、股間を押しつけていただけのじわりとしたくすぐったさとは比べものにならないほど強烈な快感が彼を襲い、一気に精液を吐き出してしまったのである。

 射精自体が初めてであった。精通促進剤によって、4年生であっても濃い精子を吐き出すことができた。

 「あははっ、いっぱい出てるね? いいんだよ? こうやって気持ちよくなるのが人間の幸せ。私も幸せだし、君も気持ちよくて幸せでしょう?」「うっ、うん!」

 後は簡単な手ほどきで十分だった。“男”が、そして女が蠢くだけで、射精の脈打ちは止まらなくなる。そこへ妖しい腰使いのレディが攻撃を加えれば、なまめかしい膣の蠕動によって、水道の蛇口のように射精が勢いを増し続ける。誰に教わるでもなく、少年は腰を振って快楽をむさぼり続けた。

 地下室は狭い天国と化していた。一番隅の一角を除いて、数多くの子供たちが、大人の女の毒牙にかかり続けた。

 口で抜かれ続ける者、手でしごかれ揉まれて精子を吹き出す者、生足で挟まれたり膝裏で挟まれたりして律動させる者、オッパイに吸いつきながら大人の膣に中出しし続ける者、性の知識も半端な未成熟の青いつぼみたちが、熟練の天国軍団の肉体に刺激されてイキ続けている。少年たちはみな、性的な快楽に酔いしれ、みずからチンチンを差し出してはもっとこの快楽をずっと味わっていたいと、我を忘れ続けていた。

 幸いにして、別室に通された子は一人だけだった。彼は見込みがある男の子ということで、戦闘員姿の美女たちに徹底的に抜かれまくったが、それはただ単に彼が臆病なだけで、精が特別おいしかったわけでもない。ちょっと連続射精させるだけですぐに快楽の虜となったふぬけな子であった。

 もし、連続射精の責めを受けても抵抗新が薄れず、しかも濃い精を吐き続ける力がある少年であったなら、すぐにでも別の場所にラチされ、タイムフラワー(一秒で一日経過する玉袋用のトラップ)に咥え続けられながら、延々と性霊や魔族に抜かれ続けることになっていただろう。

 地下でこのような宴が繰り広げられているにもかかわらず、上のオバケ屋敷は平和そのもの。何事もなかったように客たちは通り過ぎ、少年だけが帰ってこなかったのである。

 外では異変に気づいた人間どもが、やっと客の流れを止めた。
 


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