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ナメてる戦隊フザケンジャー!


第12話 ふぇらちおんとの対決!



 オバケ屋敷の外側で、ちょっとした騒ぎになっていた。

 「うちの息子がもう2時間も出てこないんですけど!」「うちの子もしばらく出てこないぞ!?」「ここってそんなに時間かかるんですか?」「どうなってるんだ!」

 「いえ、申し訳ございません。ただいま探しておりますので。。。」

 「さっきもそう言ったじゃないですか! 子供を返してください!」「いいから早く探してくれよ!」「迷子コーナーに届けはないんですか!?」

 「しゅ、主任!」別の男性スタッフが走って出てきた。「中には誰もいないんです。お子様だけでなくお客様も今立ち入らないようにしていますので。スタッフも男の子は見ていないと言っています。控え室や非常口にも人の姿はありません! 迷子コーナーには今スタッフが誰もおらず、無線で問い合わせても自動応答にしか繋がらなくて・・・」

 部下の男が探しに行って見つけられなかったので、謝っていた主任の男も顔をしかめた。「今日の非常事態では無線なんて役に立たない! 自分で走って迷子室まで行って確かめてくるくらいのことがなぜできないんだ!」「はっ、はい!」新人のスタッフはまた全力ダッシュ。迷子センターまで2キロはあるが、全力で走らなければならなかった。

 「ちょっと! どういうことですか! どうしてくれるんですか!」「けっ、警察を!」子供たちが屋敷内にいないことが分かった両親たちは慌てふためいた。

 「い、いえ、警察は・・・すぐにお探しいたしますので! もう少しだけお待ちくださいませ!」「悠長なこと言ってんじゃねーよ! 息子に何かがあってからじゃあ遅いんだよ!」「そうだそうだ!」「うっう…」

 少年たちがいなくなったので、父親母親が、オバケ屋敷のスタッフにくってかかっているのだった。ただでさえ女たちが忽然と消え、人手不足となっているところで、客である男の子たちまでいなくなって騒ぎとなったため、もはや現地にいるオバケ3人と主任と新人の5人では、どうにも手の打ちようがなくなっていた。

 警察を呼ばれることは恥だと言われているため、迂闊にそうすることはできなかったが、もはや親たちはしびれを切らし、次々と110番に電話をかけている。主任は自分の首が飛ぶことさえ覚悟しなければならなかった。

 それは、フザケンジャー本部が危険を察知して警報を鳴らす、ちょうど15分前の出来事であった。

 僕がそんな中正面切っては入り込むわけにはいかなかった。本部からレッドとなった僕が転送されたのだが、それは転送装置の仕様によって、転送された時間よりも15分前になる。豆腐動物公園に転送された時には、すでに親たちによって騒ぎとなってしまっていた。

 正面からは入れないだろう。赤い全身タイツの変態仮面が「子供たちは地下にラチされて天国軍団に射精させられてまっせ」とか言おうものなら、そのまま親たちにタコ殴りにされて縛られて警察に突き出されかねない。

 ここは穏便に。裏口から回って、子供たちを助けることにしよう。

 僕は見つからないようにオバケ屋敷の裏に回る。裏口はフランケンの変装をした男が立ち入り禁止の札を掲げて立っている。まずいな、ここからも入れないのか。

 「こっちよ、レッド!」

 物陰から一人の女性が姿をあらわした。コウテイペンギンの着ぐるみをした女性。ずんぐりむっくりしたかわいらしい水色の着ぐるみで、顔だけが露出され、帽子の代わりにペンギンさんの嘴が鍔となって、その上はペンギンの顔になっている。彼女はぱたぱたと横のスタッフ用入り口まで僕を案内すると、鍵を開けてくれた。

 「ここからなら子供たちを助けられるよ。さあ。」「あの…あなたは?」僕はスタッフルームに入りながら、コウテイペンギン娘に尋ねた。

 ぶわっ! ペンギンは着ぐるみを脱いだ。そこにあらわれたのは、天国軍団の戦闘員だった。

 「…やはりな。罠であったか。」そうか、豆腐動物公園の若い女性スタッフは、すでに天国軍団に引き込まれてしまっていたのか。

 ロッカーから、奥の扉から、数人の美少女戦闘員たちが乱入してきた。

 「待っていたよ、フザケンジャー!」「お前の快進撃もここまでだ!」「私たちが天国を見せてあげる!」

 「…やれやれ。」

 僕は身構えた。

 だが…

 フザケンソードも、フザケンフィンガーも、ビームさえ出す気にはなれなかった。

 「こおおおお……佐伯仙術…」

 夢の中でやってみたような呼吸法。佐伯長官に教わった、ゆったりと深い呼吸。まだまだ佐伯さんには遠くおよばないし、強力な神通力を身につけるほどではないけれども、それでも心を落ち着かせ、快楽を低減させつつ攻撃力を上げることはできる。丹田に意識を集中し、全身の気の巡りをはっきりと自覚しながら、どんどん呼吸を深めていく。

 敵の数は5人。

 僕はすぐ近くの美少女を抱き締め、そのままいきなり立位で挿入した。

 狭くてきつい膣がペニスをしごき上げる。

 熱くたぎった戦闘員の体の中はペニスをとろけさせながら、要所要所でひっかかって股間の性感神経をこれでもかと快楽の園に追いやってくる。

 僕は呼吸で気持ちを落ち着けながら、ズリズリと積極的に肉棒をしごかれるに任せて腰を振り続けた。

 佐伯仙術(のハシリ)と、フザケンジャースーツの防御のおかげで、精力の温存ができている。快感は容赦なく僕の体内を駆けめぐるものの、気を確かに持って呼吸を乱さなければ、まだまだイかずにすみそうだ。

 僕はすでに、現実でも、そして夢の中では何度も、こうして女性器の暴虐にさらされ、すでに数え切れない回数ピストンして、しごかれ続けてきたのだ。

 極上のオンナでしごかれる感触は、生身の人間でも、天国軍団でも、怪人でも、幽霊にさえも、すでに何人も何人も、そして何百何千こすりと、味わい続けてきたのである。

 そうなってくると、ペニスにも慣れが出てくる。

 オンナでしごけばしごくほど、その感触に耐性ができていく。今の僕は、呼吸のリズムも整い、フザケンジャースーツで覆われていて、二重にも三重にも強化されている。

 その結果、天国軍団戦闘員の膣であっても、簡単には果てない状態を作り上げることができた。

 そればかりでなく、ペニスからつむぎ出される快楽が戦闘員を貫き、彼女を文字どおり我を忘れる天国へといざなうことができた。佐伯仙術の微弱な神通力と、レッドスーツから放出されるポッティのパワーが女体に込められながら、固い男のたぎりが膣内の性感神経すべてをこれでもかと追いつめていくのである。

 「ひゃああ! なにこれえ!」戦闘員は猛スピードで出し入れされるペニスの感触に痙攣し、やがて全身を高められて、あっさりとイかされてしまった。

 次の娘が四つん這いになって待ち構えている。僕は続けざまにバックで挿入して、パンパンと音を立てて戦闘員の体を攻撃していった。

 さっきの子とはまた違う締まりと滑らかさであったが、それにひるむ僕ではなかった。ひたすらリズミカルに腰を振りながら、呼吸だけは乱さずに、さらにさらに深めていく。精神が落ち着き、一呼吸ごとに意識が深いトランス状態に入っていくと、ペニスの攻撃力が吸って吐くたびに強くなり、防御力もどんどん高まっていく。それでいて精力はあまり減らず、それどころかどんどん回復していくのが分かった。

 バックの女の子もあっさり絶頂してしまった。

 「ええい! ひるむな! こうやって連続しておマ●コでこすり続ければ、何人目かで射精させられるッ!」3人目が僕にまたがり、騎乗位でガンガン責めたててきた。

 だが僕は落ち着き払って、逆に腰をガンガン突き上げて応戦してやった。

 「あああ! 思っていた以上ッ! こんなにコイツは強かったのか! …あぐっ!」

 続けざまに別の女がまたがってくる。何人もで連続して挿入してしごき続ければやがては高められて射精するとでも考えているのだろう、僕を休ませることなくズニュズニュと出し入れし続ける。

 だがそれは無駄なことだった。

 4人目も果てると、ペンギン娘だけが残された。

 「ああっ、なんてこと…5人のアソコでずっとしごき続けたのに、こんなに短時間で倒されてしまうなんて。」彼女は明らかにうろたえている。

 淫夢にもメリットがあったのだ。

 ただの夢ではない。半分は現実でもある。だから、夢の中で挿入してしごかれ射精させられ、さんざん快感を与えられてきたペニスは、その分着実に鍛えられていた。その結果、呼吸さえ乱さなければ、連続本番でも耐えられるようになっている。

 つまり、夢の中で呼吸の鍛錬をすれば佐伯仙術をますますマスターできるようになり、夢の中でペニスをしごかれれば、それが何よりの修行となるのである。こうして、現実の戦いにおいて、挿入戦に持ち込まれても、女性器の感触に打ち勝つことができるようになっているのである。

 もちろん、この戦闘の成功体験もまた、淫夢内で行かすことができるだろう。相乗効果で、淫夢にも負けない体と心になり、現実の戦闘員にも負けない強靱な力を手に入れることができたのである。

 僕はペンギン娘に襲いかかり、正常位で犯すと、一滴も漏らすことなく彼女を倒すことができた。

 着ぐるみに身を包むような小柄な美少女は、僕の実力が信じられないまま、戦闘員から離脱させられた。

 「おのれええええ!」

 さらに外から別の天国軍団の集団がなだれ込んでくる。「おとなしくオマ●コで出していれば良かったものを!」「今度は23人がかりで一気に倒してくれるわ!」

 スタッフ控え室が若い娘で満たされた。

 彼女たちは体操服にブルマ、スパッツ、半ズボン、ミニスカート、キャミソール、水着など、きわどい格好をしていた。

 「ふははは、どうだあ! コスプレプレイにはお前も慣れていないだろう!?」「くっ…」「さあ、ブルマスマタ、スパッツスマタ、半ズボンスマタ、ミニスカスマタ、どれで抜かれたい?」「それとも、テニスウェアの私に服の中のパイズリで射精したいのかしら?」「くすくす。上半身ブラジャーのキリン飼育員のフェラチオなんてどお? 首の扱いは慣れているよ?」

 今度は数に任せる戦法というだけでなかった。ブルマやらミニスカやら、男心を刺激するコスチュームで僕を誘惑し、ブルマという生足の天国に僕をさらして射精に至らしむ、しかもそれが23人いるという相乗効果をもくろんでの作戦であった。

 まずい、ブルマ娘のお尻を凝視しながら生足でしごかれたら、その背徳的なシチュエーションに負けて、呼吸が乱れてしまう可能性がある。単純な女性器の刺激には慣れたとしても、色気やかわいさに満ちあふれた服や格好に迫られたらドキドキしてしまうかも知れない。

 僕の佐伯仙術はまだまだ未熟。心が乱れたらそれまでだ。気を引き締めないと。

 「さあ! コスプレ作戦に加えて、肌の質とアソコの良さが3倍になる、戦闘員モードで一気に襲えば、フザケンジャーといえどもひとたまりもないはず! …とりゃあ!」

 ブルマやスパッツやテニスルックや水着や巫女袴の格好をした若娘たちは、全員が天国軍団の戦闘員になった。

 当然、ブルマやら何やらではなく、ほぼ全裸の戦闘員のコスチュームになる。

 「・・・あ。」

 「こおおおおおおおおお!!!!!」呼吸を一気に深める。こいつらがアホで助かった。戦闘員に変身したらコスチュームもなくなるっちゅーねん。ブルマではなく、見慣れた戦闘員の格好なら23人いても恐るるに足りぬわ!

 「…フザケンショット!」

 どばばばばばば!!!

 僕の手から小さな玉のような光が無数に飛び出し、四方八方に飛び散っていく。そこにはもちろん、ポッティの神通力を佐伯仙術で練り上げて強化した強烈なパワーが込められている。

 無数のビー玉のような光の玉は、善良なる男女に当たれば、体力精神力を回復させ、軽い記憶喪失をもたらす効果があるが、魔の女に対しては、全身のあらゆる性感神経に作用し、触れずとも強烈な快楽を女体にもたらす効果がある。

 天国軍団は悪の魔女の手先であるからして、このパワーを身に受ければ、確実にダメージとなってどんどん絶頂していく仕組みだ。

 数個の光玉が女体に染みこむだけで、天国軍団戦闘員をイかせることができた。体内に入り込んだパワーが女体を駆けめぐり、あらゆる神経を快楽に染め上げ、それだけでじわりと高められた末、一気に絶頂に持ち込まれてしまうのである。

 「あひい!」「ひゃああん!」絶叫にも似た叫びが部屋中をこだまし、近くの娘も遠くの少女も差別なく倒れていくのだった。

 もともとこの技は、「フザケンジャービーム」を改良したものである。ビームと同じ成分を細かく細分化し、これを光の玉に変えて、四方八方に広がる散弾銃のように撃つのである。周囲を大勢に囲まれた時に便利だし、天国軍団くらいならその一発か二発程度で、全員をイかせ倒すことができるのだ。

 佐伯仙術の呼吸によって、まっすぐにしか撃ち出せなかったフザケンジャービームを、変幻自在の飴細工のように加工し、好きな形、好きな飛び方で敵に当てることができるようになる。

 以前僕がピンチに立った時に、佐伯さんがじきじきに出てきて、彼の回りにフラフープのように光の帯を撃ち出し、これを一気に拡げて、20人近い敵を一度に倒してしまったことがあった。

 僕の技は、もちろん彼ほどの威力はなく、その1割程度のパワーしかないけれども、それでも天国軍団を全滅させるに十分な力があった。

 フザケンジャービームは5秒に一度しか撃てないけれども、その形状を変えて工夫して撃ち出せば、それでも無駄なく敵集団を倒すことができるのである。

 さらに精神力を高めれば、もっと変幻自在に、しかも強いパワーで、フザケンショットを駆使することができるだろう。

 ちなみにこの技は、誰かに教わったわけでもないし、フザケンジャーのスーツにあらかじめセットされていたものでもない。僕が編み出した技である。スーツの力と佐伯仙術を組み合わせれば、独自に色々な技をその場で編み出すことができるのである。

 これはポッティの神通力の性質を理解すれば難しいことではない。工夫次第でいくらでも応用が利くのである。

 5秒後、もう一度フザケンショットをばらまくと、23人いた戦闘員は一人残らず倒れてしまった。戦闘員だった記憶は失われ、ふたたびもとの働くお姉さんに戻っていくのだ。

 …ただ、集団で勝手に持ち場を離れたということが、比較的大きな事件や傷跡になることは、容易に想像できることだった。そこまでは修復することができず、彼女たちは覚えがないのにペナルティを受けることになるだろう。

 その原因を作った悪魔どもがますます許せない。必ず倒してやる。

 奥の扉がオバケ屋敷内部に繋がっている。その地下に、少年たちが囚われているのだ。早く助けないと。

 僕はオバケ屋敷内部に飛び込んでいった。

 ぐにゅ。ずるる…

 「!」

 ごっ!

 「うわあっ!」

 一歩を踏み出したとたん、突然床が抜けた。僕はそのまま、滑るように下に落とされてしまう。一瞬床が沈んだかと思うと、次の瞬間には、僕の体は滑り台を急滑降するように地下へと落ちていくのだった。

 行き着いた先は異様な天国だった。

 低い天井。広大な部屋。滑り台のあちこちに到着地点があり、そのポイントに一人ずつ、天国軍団のお姉さんたちが待ち構えている。

 僕は瞬時に構造を理解した。オバケ屋敷に足を踏み入れた少年たちは、沈む床の罠にはまって地下に誘導され、そこで待ち構えているおねいさんたちにしこたま抜かれてしまうのだ。

 じっさい、広大な部屋のあちこちで、フェラチオの音や手コキの音が響き、挿入時の肉のぶつかり合いがくり広げられている。男の子たちは次々と地下室に滑り落とされ、次々と大人の女の毒牙にかかり、そして次々と精子を吐き続けているわけだ。

 そして。僕が落とされた先にも、敵が待ち構えていた。しかも、最悪の敵が。

 「ふぇららららー!」

 全身ペンキのように青い全裸の大女。一瞬気持ち悪く思えるが、実際その美しさは彫刻でさえ追いつかない。肌触りも色香も香りも、ふぇららとしか言わないが男心をくすぐるかわいらしくも情念にあふれた声の質も、女性の魅力をたっぷり備えていた。

 どうやら、僕が踏み込んだ時のことを想定して、特別枠で滑り落ちるように、オバケ屋敷をセットしていたらしい。僕が来た時だけ発動し、僕の体を特別な場所へと誘導するよう、滑り台が用意される。特別な場所とはもちろん、メカニック怪人ふぇらちおんが待ち構えている一角のことである。

 僕はあお向けに滑り込んできて、足下からふぇらちおんの待ち構えている方へ、こともあろうにペニスをそっくり差し出す格好になってしまった。

 あわてて起き上がろうとするも、天井が低くてそれも叶わない。仕方がないので体をひねって体勢を立て直そうとするも、それよりも、僕の下半身にふぇらちおんがのしかかってくる方が早く、結局上体をひねることができただけで、下半身はあお向けのまま固定されてしまっていた。

 「ふぇららー!」

 ふぇらちおんがペニスに襲いかかる! 口を大きく開けたかと思うと、いきなりペニスをひと飲みにしてしまった。

 「くっそ! フザケンブレード!」僕はペニスを振動させ、30センチ強の長さに伸ばした。これだけ長ければいくら怪人でも飲み込みきれないだろう。苦戦しているところで脱出する算段である。

 だが、僕のもくろみは見事に外れてしまった。

 ふぇらちおんはどんどんペニスを喉奥深くに飲み込んでしまう。あれほど長いコックなのに、これをヘビのように丸飲みにしてしまったのである。

 「あ・・・あふ・・・そんな・・・!」

 ふぇらちおんの口腔は尋常ではなかった。

 魔力にあふれ、じわりとフザケンスーツを通り越して浸透し始めていく。そしてそれは男性の精子を吸い上げる魔性の力なのだ。

 ぷるんとした唇はペニスを根本から締めつけて、女性器のようにやわらかい口腔内全体がペニスを締め上げながらねじっていく。

 オナホールでねじれたものがあるが、ちょうどそんな感じで、痛みはないもののきつくねじる口腔が、ペニス全体にまんべんなくはりついて粘液まみれにしている。

 そんな状態でしごかれれば、当然強烈な快感が棒全体に襲いかかることになる。締めつけながら吸引し、なおかつ性感神経をいたぶるようなグニュグニュねじれでこれでもかとしごき上げるのだ。

 ふぇらちおんの首が激しく上下すると、ペニスは魔性の名器でひっきりなしにしごき上げられ続けた。

 これに加えて、彼女には歯がなく、口の中は膣のような圧迫のみが強烈に迫ってきている。

 さらに、大小無数の舌が、ふぇらちおんの口腔内あちこちに突起しており、ぎゅっと締めたりゆるめたりする口の中で、同時にまんべんなくすべての気持ちいい場所が執拗に舐め上げられるのである。

 亀頭先端には大きな舌が一枚はりついてぐにぐにと尿道口をかき分けるようにねぶり続ける。根本や棒部分には中くらいのサイズの舌先がチロチロしてくれる。まるで幼子がペニスを大勢で舐めてくれているみたいだ。

 極めつけは、感じやすいカリヒダの部分だ。亀頭の裏側になる敏感なところには、小さな舌が無数にびっしりはりついていて、それが一つ一つ違う動きで、ペニスのヒダをかき分けながらちょこちょことしつこく舐めしゃぶり続けているのである。

 ふぇらちおんは首を激しく上下させ、唇と内頬と口腔全体でペニスをこれでもかとしごき上げているが、それなのに、感じやすい部位にまんべんなくはりつくやわらかいぬめぬめのベロは、片時もその部位を離れずにしつこくペニスにはりついてグニグニし続けている。これはつまり、彼女の口腔内で舌が伸び縮みしていることを意味する。

 「あ! あがが・・・」ペニス全体にいきなり襲いかかった極上のフェラチオ攻撃は、僕を悶絶させた。身をよじり、下半身をくねらせて快楽から逃れようと反射的にもがいてしまうが、のしかかるふぇらちおんの上半身がそれを押しとどめ、身をよじることさえ許さずに股間を快楽にさらし続けるのだ。

 精力がぐんぐんと減少し続けているのが分かる。このままでは一方的に抜かれてしまうぞ。

 だが、脱出しようと抗ったところで、両足が固定され、腰にはふぇらちおんの頭部がある状態では、せいぜい上半身をくねらせ、無駄な抵抗をすることくらいしかできない。

 リズミカルだが単調な攻撃である。にもかかわらず、あるいはそれだからこそ、快楽は容赦なく股間に蓄積され、じわじわと射精感が高まっていき、もうすぐ彼女の口の中に体液がまるごと吸い上げられてしまいそうな勢いだった。

 「ま、まずい!」この地下室の構造からして、絶体絶命のピンチであることは容易に想像できた。

 もしこのまま精液を放出してしまえば、フザケンスーツが消え、裸の神谷達郎に戻ってしまう。スーツを身につけ佐伯仙術の呼吸をしていてさえ、これほどに気持ちいいのだから、生身の人間に戻ればひとたまりもなく、その後は脈打ちが止まることなくふぇらちおんに絶頂させられ続けることになるだろう。

 しかも、天井が低いということが一番のネックだった。

 フザケンジャーレッドになるためには、立って背筋を伸ばし、足を肩幅よりわずかに開いた上で、決まったポーズを叫びながら取る必要があるのだ。

 だが、1メートルもない低い天井であお向けの状態で体を固定されて、フェラチオ攻撃で抜かれてしまえば、次はない。ふたたびポーズを取ることができず、フザケンジャーに戻ることができないのだ。

 くっそ、ヘルサたん総統め。考えたな。

 しかも、そこへ来て今僕は絶体絶命の状況に来ている。時間がずれているために、本部との連絡も取れない。あと少しでイキそうなくらい、僕は高められてしまっている。

 ・・・こうなったら、一か八かだ。

 「フザケンイラマチオ!」

 僕は腰を突き上げ、あえて相手の口腔内でペニスをしごき上げた。同時に神通力をたっぷりと敵の口や喉に送り込み、女体に二重に快楽を与える反撃だ。

 イラマチオ攻撃の刺激でふぇらちおんはダメージを受け、そこへ大量の神通力が流れ込んで効果を莫大なものにする。

 「ふぉももも! もごっごっご! もぐふぁ!」

 反撃のダメージが相当なものだったのだろう、思わずふぇらちおんは口を離し、大きくのけぞった。

 ごち!

 その勢いで怪人は、思いっきり後頭部を低い天井にしこたま打ち付けたのだった。

 「ぎゃぴ! ぃったぁ〜〜!!!」

 「あっ! い、今、痛いって言ったよね!? 絶対痛いって言ったよね!!? もしかして…中の人が痛がってる?」

 「ふぇ! ふぇらら! らら! ふぇらのふぇららんてふぇらい!」

 「…。」

 ふぇらちおんは大きくぶんぶんと首を振る。言いたいことは何となく分かるし…そっとしておいてやろう。

 「ふぇららー!!」

 体勢を立て直したふぇらちおんがふたたびペニスをつかみ、飲み込もうとしてきた。そうはいくか。

 僕はあお向けのまま、ふぇらちおんから離れようと上半身を駆使してスリスリと這い始めた。少しでも距離を取って、なんとか体勢を立て直して、さらなる反撃に出るんだ。

 「ふぇら! ふぇふぇふぇー!」なおも執拗に飛びかかってくるふぇらちおん。四つん這いの女の方が、逃げるあお向け赤タイツよりも有利だった。

 ごち!!!

 「ぴぎゃ! …ふぇ〜〜・・・」

 まったく同じ場所を、さっきよりも強く天井に打ち付けるふぇらちおん。一度の後頭部の衝撃でもなんとか体勢を立て直していたが、まったく同じ場所をさらに強くぶつけては、ふぇらちおんもひとたまりもない。怪人はついにその場にぱったりとうつぶせに倒れ込み、ぴくりとも動かなくなった。

 「あははは…ばかだ…」乾いた笑いが洩れる。かわいそうになってきてそれ以上なにも言えなかった。

 とにかく、今の隙に体勢を立て直し、うつぶせになると、這って周囲を進みながら、天国軍団を一人ずつしっかりと倒していった。そうして少年たちを解放すると、彼らの記憶を奪っていった。

 「レッド! 聞こえるかレッド! 応答せよ!」

 通信機から佐伯さんの声が聞こえる。どうやら15分が経ったみたいだ。

僕:「佐伯長官! ふぇらちおんを気絶させました。現在救出作業に入っているところです。」

佐伯:「うむ。分かった。その地下室の隅に脱出口があるから、全員の記憶を消してから、速やかに脱出せよ。」

僕:「ラジャー!」

 そうこうしているうちに、どんどんフザケンビームを男の子たちに送り込み、なおかつ天国軍団の残党を片付けていく。そしてついに、最後のひと組の“カップル”を引き離し、男子を助けることに成功した。

 気を失った子供たちは、後で自力で脱出していただこう。僕は速やかに地下室からの脱出をはかった。この場所で戦って万一のことがあれば、二度とレッドに戻ることができないからだ。

 地下室を出ると、そこはオバケ屋敷の裏側にあるマンホールだった。なんとかそこから脱出する。

 「ふぇららー!!」

 いつ気がついたのか、ふぇらちおんがすぐ後から出てきた。やはり怪人はイかせて倒さなければいけないわけか。

 「ちょっ、まさか、白昼堂々この遊園地で戦うの?」「ふぇららー!」

 なんか怪人さんがものすごく怒っていらっしゃいます。今ここでヤルつもりのようです。お構いなしです。

 「いや、そんなこと言ったってさ、頭ぶつけたの僕のせいじゃないじゃん。自分からぶつかって気絶しただけじゃん。逆恨みじゃん。」「ふぇらーーー!!」

 だめだ、通用しそうにない。



######

ヘルサたん総統:「今よ。ヘルサ空間に引きずり込め。」

フローリア将軍:「…」

ヘルサたん総統:「どうした!? 早く装置を発動せんか。」

フローリア将軍:「…またアレをやるんですかぁ?」

ヘルサたん総統:「まぁまぁ。そうロコツに嫌がるもんでもないぞ。読者の皆様はフローリア将軍が壊れていくサマを切に見たがっておる。がんばって♪」

フローリア将軍:「え〜…」

ヘルサたん総統:「ヤなの?」

フローリア将軍:「ヤです!」

ヘルサたん総統:「どうしても?」

フローリア将軍:「どうしても!」

 キラリとヘルサたん総統の目が光る。

フローリア将軍:「ヒッヒッフーヒッヒッフー! やんやん♪ いつでも産めるぞひっひっふーヤンヤン♪ ……えっ!?」

ヘルサたん総統:「何だ。楽しそうに歌い踊れるではないか。」

フローリア将軍:「…ヘルサたん総統。今…私になにをしました!?」

ヘルサたん総統:「別にぃ〜? ちょとだけ魔力の糸を出して四肢と口と声帯をチョチョイっと揺すっただけだよ?」

フローリア将軍:「私を操りましたね?」

ヘルサたん総統:「操っただなんて。人聞きの悪いこと言わないでよ。ちょっと糸を引いただけじゃない。」

フローリア将軍:「それを操ると言わずして何だというのですか! いくら総統でもそれはあんまりじゃないですか!」

ヘルサたん総統:「まぁまぁ。そんな涙目にならないでよ。私が言いたいのは、ムリにやらせるのは簡単なんだけど、やっぱりフローリア将軍が自分の意思で自分からやんないとおもしろくないってことなのよ。」

フローリア将軍:「…。」

ヘルサたん総統:「…本当なら、操り糸など使わずしても、”自分の意思で”しかも”喜んで”歌い踊らせることができる。その方法を私はいくつも知っているんだよ。 …なんなら、本当に試してみようか?」

 ヘルサたん総統の目がきつくなった。その視線だけで、フローリア将軍は、”その方法”が苛烈を極めることをおのずから察知せずにはいられなかった。彼女は脅迫という方法をいっさい使うことなく、敵に言うことを聞かせる方法をさえ、本当にいくつも知っているのだろう。そしてそのすべてが、取り返しのつかない絶望的な状況にしかならないことも。

 真に恐ろしい魔王である。

フローリア将軍:「ヒッヒッフーヒッヒッフー! やんやん♪ いつでも産めるぞひっひっふーヤンヤン♪」

 ヘルサ空間が発動した。

######



 ゴゴゴゴゴ・・・

 「!?」

 いきなり空が暗くなった。

ポッティ:「気をつけるんだレッド!」

僕:「ヘルサ空間ってヤツですか。」

 そう、魔界からの発動で、僕と怪人を特殊な空間に引きずり込む。これがヘルサ空間である。空間内部と外側とでは時間的なつながりがなく、空間内で戦っている間は、現実世界においては時間が経過しない。

 さらに、その異次元空間では、メカニック怪人の実力がはね上がり、およそ3倍にもなるのだ。おまけに、空間内では僕を射精させようとする数々のトラップが用意されている。

 次の瞬間には、薄暗い、岩場ばかりの、殺風景な灰色の空間にワープしてしまっていた。

 空もどんよりしている。ところどころにピンク色のカタマリが浮かんでいるのが見える。アレは確か…

 ぶわあ!

 突然ピンク色の固まりは鳥の形になり、僕の方にツッコンできた。しまった、性欲が増大するトラップ、催淫鳥だ!

 目を合わせると飛びかかってきて、体当たりし、催淫ガスを体内に流し込んでくる。見てはいけない!

 「とーう!!」僕はとっさに目を逸らし、飛び上がって前転、かろうじて催淫鳥の攻撃を避けることができた。

 ぼに! 転がった先は、何かやわらかい固まりだった。何かに抱きついた格好だ。

 巨大な抱き枕のような物質は、女のやわ肌と肉の弾力を備えている。そしてそれがぐにぐにと蠢いて、僕の全身を揺すり始めた。

 「あ…あふ…」

ポッティ:「いかん、すぐに離れるんだレッド! それは”床丸太”。女体に抱きついているのと同じ感触を男の全身に刻みつけながら、強制的に腰を振らされる恐ろしいトラップだ!」

 たしかに、色は肌色だったが、よく見ると倒れた巨大な丸太のようだった。そこに吸い寄せられるように抱きつくと、丸太はぐにぐにと蠢いて、僕の腰をはね上げながら重力で落ちてくる際に股間に女体の柔らかさを押しつけてくるのだ。

 床オナニーをさせられているような感覚に陥り、股間が徐々にくすぐったくなってくる。丸太に抱きついている間中、その心地よい刺激は続くのだ。

 僕は自分の意思とは関係なく腰を振り、股間をやわらかい丸太に押しつけ続ける。じわじわと心地よさが全身に広がり、とろけそうだった。

 だが、ここで射精するわけにはいかない。僕は起き上がり丸太から離れた。きめの細かい丸太の肌はぺりぺりと名残惜しそうに吸いつきながらも僕の体から離れていった。

 体がよろける。思わず近くの草むらに足を踏み入れてしまった。

 するとそこから3匹の蝶が飛び出してきた。その蝶は、美しい透き通った羽をはやし、虫部分が大きくなって肌色の美しい少女になっている。妖精のようなかわいらしい、体長10センチくらいの蝶であった。

 蝶たちはいきなりペニスにはりつくと、全身でけなげにズリズリと棒をこすりあげる。

 「あふっ!」突然の股間のくすぐったい刺激に、僕は思わず腰を引いた。

ポッティ:「それは極楽蝶。すぐに引き剥がすのだ。射精するまで全身コキをしてくるぞ。」

 僕は言われたとおり蝶たちを引き剥がす。だが、彼女たちは剥がされた先から飛び上がって、ふたたびペニスに抱きついてくるのだ。

 「くっそ! 離れろ!」僕は蝶たちを手で振り払った。

 ちくっ!

 突然足下に針のような痛みを感じた。見ると、草むらから出てきたヘビが、僕のかかとにかみついたのだ。

 「ひい!」

ポッティ:「いかん、それは幻覚ヘビ。エロティックな幻覚を一定時間見せてくる。いいか、これから起こることはすべて幻だ。草むらから離れ、腰を落ち着けて、瞑想するのだ。時間が経てば幻覚が消える。それまでは射精せぬよう欲望を出さぬよう、じっと辛抱するのだ。」

 噛まれてしまった以上、ヘビの毒が全身を駆けめぐる。神経に作用する毒で、いやらしい幻覚を見せられるのだ。

 僕は草むらから離れ、自分のペニスをぎゅっと握りしめてあぐらをかき、じっと呼吸を整え続けた。目をつぶっても周囲の風景は視覚情報として飛び込んでくるため、「見ない」ことはできなかった。そもそも触られた感触は味わってしまう。

 一定時間、というのは、およそひとかみ3分程度だという。複数のヘビに噛まれたり、強力な毒を盛ったヘビに噛まれれば、時間は延びるし、幻覚も激しくなる。

 あぐらをかいた僕の周囲に、全裸の女性たち数人が群がってくる。攻撃しても決してイクことがない美女たちは、一方的に僕を責めたてようとするのである。もちろん、全員幻覚だ。

 女たちは、あぐらをかいて頑固に座っている僕をしきりにセックスへといざなおうとする。スベスベの手で全身をなで回し、オッパイや生足を押しつけこすりつけ、唇を奪い、僕の背中に弾力のあるツルツルのお尻を這い回らせる。僕の乳首もいたずらな指先や舌先がコロコロとかわいがっていた。

 とたんに股間全体が性欲にくすぐったくなる。

 ここで誘惑に負け、ペニスをつかんだ両手を離してしまえば負けだ。幻覚どもは嬉々として股間に集中砲火を浴びせかける。手コキやフェラや挿入の幻覚に持ち込まれ、そのまま抜かれてしまう可能性が高い。

 もちろん、握りしめた手を離さなかったとしても、女体の感触に興奮しながら自分でしごいてもアウトだ。女の肉に包まれこすられながらその感触に酔いしれてオナニー、射精は間違いないだろう。じっとしているしかない。

 全身に押し来るくすぐったい感触、形のいいオッパイや、キレイなツルツルの太もも、かわいらしい好みの顔立ち、ふにょっとしたぷよぷよのヒップ。性欲が高まり、ついつい自分のペニスを揉んだり軽くしごいたりしてしまうが、そのたびに思いとどまって手を止め、頑として譲らなかった。

 肩から腕全体を優しく撫でさする女手のスベスベの感触についつい脱力し、あわやペニスをさらけ出してしまうところだった。幻覚が時間切れとなり、裸の女たちは忽然と消えてしまった。

 トラップに翻弄され、僕の方も射精が近づいてくる。ヘルサ空間が出ているということは、ふぇらちおんも追いつめられているはずだが、同様にして、僕の方も相当に追いつめられていた。敵の力が3倍になるという分だけ、こちらが不利な状況だ。

 幻覚が消えたので立ち上がると、数メートル前方にふぇらちおんが姿をあらわした。

 「ふぇららー!」

 怪人がポーズを取ると、無数の舌が僕の周囲にあらわれる。女の舌だけの小さな怪物たちだ。

 赤くぬめった女舌の群れは、いきなり僕の全身に吸いついてくる。そして敏感なあらゆるところを舐めしゃぶってきた。

 ヘルサ空間での怪人は、実力値が上がるばかりでなく、自分の属性にあった小型怪物を生み出すことができるのである。

 「ふぇららー!」一気に勝負をたたみかけようとするふぇらちおんは、僕のそばに駆け寄って、いきなりひざまずくと、即尺で抜きにかかってくる。人間離れした口腔内がふたたび、ペニスを根本から先端まで責め苛み始めた。

 顔中をやわらかい舌が這って、丹念に舐めてくれる。首筋も、乳首も、脇の下も、背中もお腹もおへそも、臀部もお尻の穴も、ヒザの裏にいたるまで、女舌の化け物が極上のテクニックで全身をいたぶってくる。

 そこへペニスへの快楽地獄が追加される。玉袋も会陰にも無数の舌が貼りつき、もはやレッドスーツの赤ではなくベロの赤だけが見えていた。足の付け根の敏感なところをくすぐったくチロチロされると、その勢いだけで射精してしまいそうだった。

 「あううっ…はふう! い、いっちゃいそう…だめ…やあっ…くうっ!」こんな全身への徹底的な責めを受け続ければ、あと1分もしないうちに、感極まって爆発してしまうだろう。状況は絶望的で、悶絶してもふぇらちおんはぴったり正確にペニスにはりついてくるし、女舌を振り払っても結果は同じだった。

ポッティ:「レッド! いまこそレーザーブレードを!」

 「!」そ、そうだった!

 僕には、ヘルサ空間ならではのとっておきの切り札があったのだ。僕は身を引いて、ふぇらちおんの口から逃れると、自分のペニスをしごきながら、この空間内でしか発動できない必殺の武器を用意した。

 「レーザーダイナミックブレード!」

 ポッティの神通力が股間に集まる。フザケンブレードをはるかに強化した、ペニスをレーザー光線に変えたようなとっておきの武器だ。

 ペニスは青白く光り、輝きを増している。スーツを流れる神通力が極端に増大し、貼りついていた女舌どもがジュウジュウと音を立てて剥がれ落ちていく。

 さらに、レーザーダイナミックブレード部分に触れようものなら、女舌くらいなら一瞬で蒸発してしまうだろう。そのくらい強力なパワーを秘めているため、ヘルサ空間内部でしか発動できない危険な武器なのである。もはや性感帯の刺激にとどまらず、魔力そのものを強烈な快感と引き替えに削り取ってしまうため、魔族に用いれば「ダメージを与える」というより「焼けただれる」形容の方が正しいくらいなのだ。

佐伯:「まーずーしさにー負けとりゃー!!」

並木:「いーえー世間にー負けたりゃーーーー!!!」

僕:「ぶっ!」ずっこけた。

僕:「だれだ!? こんな時に歌ってやがって!」

佐伯:「だからさ、レーザーブレードにつきもののテーマソングだよ。」

僕:「だーかーらーー! そういうのは下手なアカペラじゃないでしょうが! しかも何ですかその枯れススキな歌は。選曲思いっきりまちがってるでしょ! しかもデュエットかよ!」

 まったく。レーザーダイナミックブレード発動させるたびにカラオケはやめて欲しい。ヘンな歌ばっかりだし。

 「ふぇ…ふぇら…」そんなやりとりの中、狼狽したふぇらちおんが後ずさる。やはりこのペニスの威力は本能的に分かるらしい。

 「逃がすか! とーう!!!」僕はふぇらちおんに飛びかかった。そのまま正常位で挿入し、一気に必殺技でたたみかけてやる。

 「ふぇーっ!!」

 ゴス。

 「!!!!!!!!!!!!!!!」

 瞬間、思考が停止した。

 嫌がるふぇらちおんを押し倒し、脚を広げて無理矢理入れようとしたところまではかろうじて覚えているのだが、その後数秒間の記憶が飛んでいる。

 が、股間に広がるとてつもない激痛が、何をされたのかを如実に物語っている。

 野郎、キンタマに膝蹴りしやがった。

 「うごおおお…」

 僕はもんどり打ってシーツの上を転げ回る。アワを吹いて気絶してしまうのではないかとさえ思えた。

 が、スーツの神通力のおかげで、痛みはすぐにひき、ケガをするでもなく、もとの状態に戻っていった。

 おかげで、イキそうになっていた精子はすべて体の奥に引っ込んでしまったようだ。でもね、こういう回復はないと思うんですよ。僕的には。二度とごめんでございますよ。

佐伯:「あー、…大丈夫か?」

僕:「あうう…なんとか…」

佐伯:「よしよし。早く痛みが取れるように歌で励ましてやろう。」

僕:「けっこうです。黙ってろ。」

佐伯:「…。」

並木:「しっずかなご飯がススム先から♪」

ポッティ:「もうよしちゃいかがと母が言う〜♪」

佐伯:「おかわりー、おかわりー、かわりっかわりっかわり〜♪」

僕:「黙ってろっつってんだろカスども!!!」

 なんか疲れた。アソコ蹴られてそんな歌を歌われた日にゃ、悪化の一途をたどるばかりですよ。

 「ふぇっふぇっふぇっふぇ〜〜」

 「てめえ笑うな!」

 もう怒った。禁蹴りの怨みは誰よりも執念深く、怒りはポセイドンよりも深いぞ(←意味不明

 今度は蹴られないよう、ふぇらちおんをうつぶせにして、バックで挿入してやる。

 「ふぇ!? ふぇふぇふぇ〜〜〜!?」全身を震わせてふぇらちおんが悦んでいる。

 それも当然。神通力の凝集体であるレーザーブレードで、じかに膣内を荒らし回っているのだ。魔力が口に集中していようとも、致命的なダメージになるに決まっている。

 「今だ! 必殺! フザケン満腔月斬り!」

 ペニスが膣内でさらに円運動で振り回され、グリングリンとかき回していく。それが機械的に高速におよぶため、もはや女体は快楽一色に染まり、なにも考えられなくなって、残り少ない精力を一気に奪っていく。残り精力50のところに10000ポイントのダメージを与えるようなものだ。

 「ふぇらああああ!」

 ずん! と、ペニスが強烈にはねあがる。最後の仕上げに下から上にペニスが強くはねる仕組みなのだ。その動きは、バックの場合、敵の前立腺に大ダメージを与えることになる。

 瞬時にして果てきったふぇらちおんは動きを止め、そのまま砂の固まりになって崩れてしまった。

 次の瞬間、ヘルサ空間は解かれ、僕はふたたびもとの遊園地内に戻っていた。

 「…ふう。」

 天気は良く、オバケ屋敷の地下室の子供たちも無事に救出されたみたいだ。これで一件落着だな。

 「あ! いた! あいつです! 地下のマンホールから出てくるのをボク見ました!」

 オバケ屋敷の裏口を守っていたフランケン君がお巡りさんのそばで僕を指さしている。

 「貴様かー! 子供たちを地下に監禁しやがって! 逮捕する!」

 「げげっ!!」複数の警察官が全力で僕めがけて走ってくる。全身赤タイツでチンチンを勃起させた怪しい男がいて、そいつが地下室から出てくるのを目撃されれば、間違いなく犯人扱いだよなあ。

 とにかくヤバイ。逃げないと。

 と、周囲に白い光がこぼれ始めた。次の瞬間、僕の体は遊園地から跡形もなく消えてしまった。

 「えっ・・・」「き、消えた…!?」お巡りさんたちは唖然となって立ち尽くした。

 フザケンジャー本部に転送されると、時間がまたまたずれていて、次の日の午前4時30分だった。約半日時間が飛んで、僕からすれば半日未来に転送されたことになる。世界からすれば、僕が半日間世界から消えていたことになる。なんだかややこしいな。

 本部には佐伯さんとポッティだけがいた。ポッティは起きているが、佐伯さんはイスに座って姿勢を正したまま目を閉じている。よく見ると、眠っているみたいだった。

 ・・・もしかして、淫夢と戦っているのかな?

佐伯:「戻ってきたか。」

僕:「わっ。起きてたんですか。」

佐伯:「いや。4時から6時までは眠っているのだ。もちろんすぐに起きられるけどね。」

僕:「毎日二時間しか寝ていないんですか?」

佐伯:「まとめて脳を休める時間にしている。睡眠と同じ効果は呼吸法でなんとでもなるからな。」

僕:「それでも、夢は見ているんですね。」

佐伯:「まあな。といっても、これだけ瞬間的に深い眠りに入ってすぐに浅くなる眠り方では、魔族どもも簡単には淫夢を継続することができないでいる。せいぜい、瞬間的な夢に過ぎない。それでも、ちゃんと精神を保っていなければ身が持たない。」

僕:「やっぱり長官はすごいなあ。」

 佐伯長官は、僕と同じデーモンの息子で、その精は魔族にとっては魔力を大幅に増大させる恰好のエサである。そうなると淫夢を見せて堕落させようとしてくるので、佐伯長官はそれに対抗して修行をし、仙術を身につけたというわけだ。

佐伯:「人間の睡眠サイクルは90分。はじめの2サイクルで、夢を見ない深い睡眠をし、その後深い睡眠と浅い睡眠が交互に繰り返される。浅い睡眠の時に夢を見るんだ。」

僕:「へえ。」

佐伯:「だから、睡眠時間を調整したいなら、8時間ではなく7時間30分、7時間よりは6時間、5時間よりは4時間30分の睡眠の方が、寝覚めがよいのだよ。覚えておくといい。」

僕:「1分でも長い方がっていうのは間違いなんですね。」

佐伯:「まぁな。で、俺の仙術では、その90分サイクルをグッと短くして、きわめて短い時間でも深い質の睡眠にすることができるんだ。具体的には数秒ごとに深い眠りと浅い眠りを意識的に交代できる。その気になれば深い眠りばかりを継続させることができる。夢をブロックするんだ。その結果、1秒以内の夢しか魔族に見せられないで済んでいるんだな。」

僕:「すげえ・・・」

佐伯:「慣れてしまえば、短い時間で十分に休むことができる。今の2時間で集中して休むのが通例だが、そうでない時は別の時間に少し休めばいい。俺はもうずっとこういう睡眠を取っているんだ。もちろん、誰でもできることじゃあない。ヘンにまねをしようとすると体をこわすからな。」

僕:「しませんしできませんよ。」

ポッティ:「…。」

 これに慣れるためにはかなりの苦労をしているのだろう。過酷な修行だったに違いない。それに比べれば、僕の修行など遊びにも等しい。

 思い上がってはいけないということを身にしみて感じた。もっともっと修行して、淫夢にも負けず、実際の戦いでももっと簡単に怪人を倒せるくらいでなければ、敵の将軍クラスには届かないのだ。

 そのことを肝に銘じ、あらためて心に誓いを立てるのだった。


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