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第23話 孤独なる新世界!?



 家に着くと厳重に鍵をかけ、窓の鍵もすべて厳重にシャットアウト! カーテンをすべて厳重に閉め、電気をつけずにうずくまる。これで完全居留守モードだ。覗かれる心配もない。

 身辺調査と言っていたから、僕の家くらいは突き止めているだろう。が、厳重に締め切ってしまえば、とりあえずはサラから逃れることができる。

 それにしても、困ったことになったぞ。

 アイツ、堂々とストーカー宣言してたからなあ。何をしてくるか分かったものではない。それに、本心からの告白だったとしても、サラの気持ちを受け入れるわけにはいかないんだ。

 それに、そもそも彼女は常任天国軍団。敵同士なんだ。

 学校でもずっとつきまとってくるんだろうなあ。周囲の反応がものすごく痛い。もともと監視する目的だったのだろうか。あるいは僕のことを好きでやってきたのは本当なのだろうか。

 いまいちよく分からないので、それがかえって不気味なのだ。

 僕:「はあ~…これからどうしよ。。。」

 サラ:「一発抜いてスッキリすればいいと思うよ?」

 僕:「わああっ!」

 がこ!

 驚きのあまり勢いづいてベッドから転げ落ち、頭を床に打ち付けてしまった。

 サラ:「タツロー、なにしてんの?」サラは勝手知ったるがごとくリモコンで電気をつける。

 僕:「なっなっなっ…」

 サラ:「何でここにサラたんがいるのかと言いたいのねえ?」

 何でここになんじゃ虫がいるんだあ!

 しかも彼女は、上半身セーラー服、下半身すっぽんぽんで、毛の生えていないオンナをあらわにして僕の前に立っている。

 僕:「どっどっどっ…」

 サラ:「どうしてサラたんはスカートとパンツを脱いでひときわ魅力的になっているのかと言いたいのねえ?」

 どうしてなんじゃ虫はいきなりやる気満々なんだ! アホか!

 サラ:「タツローのことなら、ワタシ、なんでも調べ上げているのYO。もちろん、家の鍵の開け方もお手の物♪」

 僕:「帰れーー!」泣いていいですか。

 サラ:「ね。そんなこと言わないでよ。タツロー…」

 サラがいきなり甘えた声でにじり寄ってくる。これまでの明るい口調でもなく、天国軍団の悪そうな地声でもない、かすれるような、脳天にしびれるような甘いささやきだった。

 サラ:「タツローの好きな子がどんなのかは知らないけど、ワタシなら、その子のことを忘れさせてあげられるんだよ? ねえ…しよ? 勝負じゃなくて、普通に愛して欲しいの。タツロー?」

 僕:「あわわ…」

深くにもまたドキドキしてしまった。なんじゃ虫のくせに、そんな甘い声を出すことができるんだ。

 サラ:「ねえ、ワタシ今、常任天国軍団のコスチュームを外して、ただの女になっているんだよ? だから、タツローがその気になれば、佐伯仙術でワタシを撃退することもできる。もちろんこの好意もヘルサたん総統の命令じゃなくて、ワタシの勝手な行動だからね。でも、大好きなタツローになら、神通力を受けてもいいネ。でも…できたら、普通に抱いて欲しい。おねがい…ワタシを好きになって?」

 僕:「あわわ…だめだよっ! そんなこと…」心臓の高鳴りが止まらない。好みの女ではない、というほど彼女に魅力がないわけじゃあなかった。むしろ、どんな男でも虜にしてしまえそうな、長身ながらかわいらしい、透き通るような白い肌の美しい娘だ。こんな女に迫られたら、どうしたって好みまで変わってしまうほど、男としての本能がいやがおうにも働いてしまうのだ。

 常任天国軍団としてではない、生身のサラが、僕を好いてくれている金髪美少女が、甘い声で僕の脳天をしびれさせながら、妖しく迫ってきている。

 そうだ、この自宅は一応ポッティに護られているはず。魔性のものが立ち入ることはできない。が、サラは本当に無防備に、コスチュームを外して、僕の自宅に不法侵入しているのだ。いつの間にか作り上げた合い鍵で堂々と家の中に入ってきて、下半身を露出させて僕に迫ってきている。

 い、いやいやいや!

 サラのしていることは間違いなく犯罪だ。悪いことだ。ストーカーだ。

 冷静になるんだ。

 僕は呼吸を整えた。常任天国軍団のコスチュームをあえて外すことで、サラは神通力が通用する状態になっている。肌は磨き抜かれているままではあるが、生気の攻撃力は元のサラのものとなっているので、以前の戦いよりも具合は下がっているはず。

 だとするなら、神通力を身にまとって攻撃すれば、瞬時にして彼女を絶頂させることもできるし、自分の身を守ればサラの肉体の快楽を感じないで相手をイかせ倒すこともできるだろう。

 思い出すんだ。そもそも僕には悪魔の精子…『デーモンの息子』の称号がついてしまっている。淫魔にとって、僕の精は常人とは比べものにならないほど濃い滋養となり、そんな男を買うだけで一人の弱小淫魔は魔王になれるほどだという。

 ポッティはそんなデーモンの息子を見つけ出しては、運命的に女性を遠ざけることで、その男を淫魔どもの悲劇から守ってきたのだ。

 デーモンの息子かどうかが分かるのは、女性の膣内に射精し、着床した瞬間である。着床したとき魔界は色めきだち、彼を堕落させようとエッチな誘惑が始まる。後は早い者勝ちで堕とし、魔界に連れ帰って飼うだけでいい。その男の末路は永遠の快楽地獄である。

 だから、恋人もできず、結婚もできず、一生女性に縁のない状態をあえて作り出し、それによって着床を避けて、悪魔どもにデーモンの息子であることを悟られないようにしてくれているのだ。その男は一生結婚もできないが、その代わり淫魔の地獄からは救われるという寸法だ。僕と十無がそうした精の持ち主なのである。

 それなのにどうして、サラは僕に迫ってきているのだ?

 僕は絶対に性交ができない状態になっているわけだが、例外もある。それはフザケンジャーとしてセックスバトルに挑むときだけだ。

 そう、だ。

 サラは、僕を好きだと言っているが、本当かどうかなんて分からないじゃないか。真っ赤な嘘で、僕をだますつもりなのではないか。

 落ち着くんだ。佐伯仙術の呼吸で神通力を高め、一気に流し込んで倒してしまおう。もしサラが魔族のコスチュームを身にまとった瞬間、ポッティの守護により、彼女はこの家からはじき出されてしまう。生身で挑むしかない。だから倒すチャンスは、たっぷりこちら側にあるんだ。

 サラ:「タツロー…見て?」

 サラは床にぺたんとしりもちをつくと、いきなりがばっと足をM字に開いた!

 僕:「ぶっ!」

 サラの大事なところが僕の目の前であらわになる。

 とたんにまた、心がかき乱され、心臓が高鳴り、ドキドキが止まらなくなる。神通力を体内で作り出そうと呼吸を整えていたのが、またもや乱れ、せっかく作れそうだったパワーもすべて抜けていってしまう。

 い、いや…おかしい!

 女性器は、これまでの戦いでもう、何度も、何人分も見てきたのだ。今更見せつけられたというだけでは、性欲が高まることはあっても、それだけであって、心がかき乱されることはなかったのだ。

 しかし、サラのを見たとたん、気持ちが高ぶり、ふわふわした感覚と一緒に、ドキドキが止まらなくなって、緊張が興奮し、脳天から背筋にかけてゾワゾワと心地よい電流が走り、恥ずかしさのような充血が顔面と股間に集中していく。

 こんなのは初めてだ。

 サラが僕のことを好きで体を開いてくれているという意識があるからだろうか。

 同い年の、若い娘の、上半身セーラー服のままの、あられもない美しい肢体を目の当たりにしていることも影響しているのだろうか。真っ白い雪のようななめらかな肌が、彼女の細い足と、出るところがしっかり女らしく膨らんでいる魅力が、僕をゾクゾクさせ続けているのだろうか。

 背の高いサラの細い足は、床から両側にすらりと伸びている。きめ細かい透き通るような肌だ。ふくらはぎも細く引き締まっており、日本の女子高生の太い足とは違って、モデル体型の細長いきれいな足だ。僕よりも足が長くてかっこいい。それでいて内股のふくらみはあくまでプニッとしていて、若娘特有の吸い付きの良さを物語っている。

 その奥に秘められ、いまや余すところなくさらけ出されている彼女のオンナは、使い込まれているにもかかわらず処女のような初々しさがあり、ピンク色の複雑な器官は、いつでも僕を受け入れることができるかのように、芳香を放ちながらはっきりと開かれていて、少し触っただけですぐに濡れきってしまいそうな、花開く直前の勢いがあった。

 サラ:「ね。タツロー、触ってもいいよ?」

 甘いささやきが僕の理性を奪う。僕は手を伸ばし、彼女の内股やふくらはぎに触れた。

 サラ:「んっ…いいよ、タツローの手、いい気持ち…」サラがぴくんと反応する。

 だが、それ以上に僕の方の反応が遙かに上回っていた。「な、なんてやわらかい…」

 サラの足は細く引き締まっていながら、どこまでも指がめり込んでいく柔らかさを具えていた。吸い付くような肌触りは、プニプニでスベスベ。どこにも毛が生えておらず、エステに通い詰めているみたいに、毛穴のきめも細かすぎる。弾力もあって、手のひらをスベスベと刺激しながら、一方でもっちりと手に吸い付いてくる。そのみずみずしさが名残惜しそうに手に吸い付きながら、なめらかに滑っていくのである。

 僕:「あああ…」触れば触るほど、僕はサラの下半身のあちこちをもっと触っていたい、撫でていたい、味わいたいという欲情に駆られた。

 決してサラに心奪われてはいない、はずである。しかし、ただこの女を性的に欲しがっているのとも違っていた。

 これまでのセックスバトルでも、性的に欲しくなるような敵はいた。が、それはあくまでも欲望であって、コントロールができる範囲のものだ。とくに佐伯仙術でかなりの程度コントロールでき、解放も可能なら抑制も可能なものだ。これを上手に利用して、敵を倒していくのだ。

 だが、今の僕の状態はそれとも相当違っている。

 サラのすべてが、僕の心を誘惑し、かき乱す。心臓を高鳴らせる肢体。初々しくときめくような、妖しい魅力で誘惑してきて、僕をドキドキさせ、調子を狂わせていく、危険な香りのする肉体であった。

 ペニスははち切れんばかりに膨張し、我慢ができないほどにズボンの中でその存在を誇張させ続ける。サラがそれに気づかないはずがなかった。

 僕が触っていると、サラも感じてくれ、花園から泉が湧き出でる。その感じ方は、僕が“攻撃”してダメージを受けているのとは明らかに違っていた。その肉体の反応そのものが、サラの気持ちが本物であることを物語っている。そのことが分かると、僕の興奮はますます高まってしまうのである。

 サラにとってみれば、最愛の男性から触られて、激しく興奮し、肉体が悦び、そのテクニックが十分であるかどうかにかかわらず、気持ちが高ぶって、それだけでオンナを濡れそぼらせるに十分な理由となる。

 そして、そんなサラの反応にドキドキしてしまう僕は、いっそう彼女に対して心がかき乱され、じんじんと全身が疼いてしまうのである。

 彼女は僕をだまそうとして嘘で好きといっているのではない。間違いなく彼女の気持ちは本物だった。そのことがますます、僕を狂わせていった。

 僕:「ああっ…サラ…だめ…」

 サラは両手を伸ばすと、僕のズボンに手をかけ、脱がせ始めた。僕は思わず抵抗しようとしたが、体がしびれたように動かない。彼女の太股や内股、オンナをまさぐる手は勝手に動いているみたいで、自制が効かず、離そうと思っても、魔法の力で吸い付いているみたいに離れない。間違いなく自分の意志で触っているのだが、手を離すことができなかった。

 僕はサラの手の動きに身を任せ、ズボンを脱がされるままになってしまった。パンツも降ろされ、僕は床にズボンとパンツを脱ぎ捨てると、ペニスをサラの前にさらけ出してしまった。

 サラ:「タツロー…すき…」

 サラの白魚のような白く細長い手がペニスを掴む。みずみずしく吸い付く手のひらと指がペニスに触れると、電撃が走ったみたいにぞわぞわっとしてしまう。

 手コキ攻撃などいくらでも受けてきたし、サラの攻撃力がとびきり高いわけでもない。しかし、サラに触れられると、僕自身の興奮が一気に高まり、それがすべて強烈な快感となって、全身を駆けめぐってしまうのだ。

 ペニスは、サラのオンナの前で今にも入ってしまいそうなほど、狙いを定めていた。もし僕が一気に腰を突き出せば、その勢いだけで入ってしまいそうなほど至近距離だった。

 しかし、サラがそれを許さなかったし、僕の方も、それだけはしてはいけないと最後の自制をきかせ、挿入を免れていた。一瞬、タガが外れて入れたくなってしまうが、サラの手と足がこれを押しとどめるので、僕ははっと我に返り、腰を引くのだ。

 そうして、彼女の大きな手がペニスを掴んで、ゆっくりとさするように大切にしごいてくる。

 背が高いだけ逢って手のひらのサイズも大きい。サラって、こんなに大柄だったんだ。あらためてそのサイズの違いを思い知らされる。自分よりも背の低い男性を好きになる女性は皆無だが、まれにサラみたいな子がいるんだなあ。そのことが僕をさらにかき立て、彼女の手の動きに身を任せながら、その快楽に酔いしれていた。

 なめらかな手のひら、指、手の甲が、ペニスの根本から先端までをかわいがり続ける。「いいネ。このまま私の手でイッて。これは勝負じゃないから、安心して…タツローを気持ちよくしてあげたいだけだから…ね?」「あふっう!」

 両手が別々に動いて、ペニスの敏感なところをあちこち同時に責めてくる。心臓がドキドキしっぱなしで、その快楽に身を任せたいと心から願ってしまう。彼女の右手指先が亀頭に吸い付き、あちこちを小刻みにコショコショしながら、手のひらが先端をシュッシュッとしごく。その時彼女の左手は根本や玉袋を、手のひらや甲で撫でさすり、快感を倍増させてくる。さすがに常任天国軍団としての訓練を受けているだけあって、そのタイミングも肌触りもテクニックは完璧だった。

 スピードはあくまでスローながら、指先だけがわきわきと小刻みに素早く動くので、股間の奥までとろけるような快感が僕を責め苛み続けるのである。

 サラの手はどこもかしこも心地よく吸い付いてきて、しっとりなめらかでスベスベだ。そんな指先が、手のひらが、甲が、ペニスのすべての敏感な部分をまんべんなく同時に刺激し、撫でさすり、しごき上げ、くすぐり続けている。

 心臓のドキドキがどんどん早くなっていく。心が奪われそうになるのを必死で抑えることで手一杯になってしまい、快楽を抑制するとか、神通力を体内でねるなど、到底不可能なことであった。

 僕は彼女の秘密の花園から目を離せなくなっている。とろっとあふれ出す密の様子を見ながら、そのなまめかしい魅力に釘付けになってしまい、彼女の両手でくり広げられる、スナップをきかせた手コキの魔術に酔いしれてしまっていた。視覚も聴覚も、直接の快楽刺激も、すべて僕の射精をうながしてやまない。

 ぎゅっぎゅっぎゅっ…

 僕:「うあああ!」

 サラが突然、根本から先端にかけて絞るようなしごきに変えてきた。スローでなめらかな手の動きは、優しく撫でさするようにしてとろけるような心地よい快楽をペニスに刻みつけてきたのだが、今度は激しく強く絞り出すような動きに変わって、直情的な快楽がいっそう激しくなった。

 やわらかい手のひらがしっとりとペニスを掴んで、ぎゅうっと締め付けながら根本から先端へとしごく。彼女の右手がペニスを引き抜いてしまうのではないかというくらい強く握り締めて、スピードを上げてぎゅっぎゅっとしごき続ける。

 それでいて彼女の左手は、玉袋に添えられて優しく撫でさすったり、吸い付く指先でコショコショとひっかくようにくすぐったり、さらには僕の両足の付け根にあるくすぐったい部分を的確にくすぐったり、亀頭先端に移動しては先っぽだけこちょこちょとかわいがったりしている。

 右手のダイナミックで力強い動きと対照的に、左手の繊細な動きが相乗効果となって、僕はいよいよ射精へと追い詰められていった。その左手のひらが亀頭を撫でるようにぐりぐりこねくり回すと、ますます体の奥からこみ上げるくすぐったい射精感が強く激しく呼び起こされてしまう。

 僕:「ああっ! サラ! ダメ! 出ちゃうよぅ…」僕は思わず情けない声を上げた。お尻の奥からこみ上げる強烈なくすぐったさは、脈打ちを直前に控えた多幸感そのものだ。

 サラ:「ワタシの脚、キレイでしょう?」

 ぎゅう!

 僕:「あああああ!」

 いきなりサラは脚をきつく閉じ、ペニスを挟み込んでぎゅうっと強く締め付けてきた。手でさんざん刺激され、爆発寸前となっていたところへ、やわらかく吸い付くきめ細かいふとももの肉がむっちりとペニスをすっぽり包み込み、両側からきつく締めてきたので、射精直前の感触が急に高まってしまい、僕はどうにも自制がきかなくなってしまう。

 びゅくう!

 精液が飛び出していく。サラのふとももの間から僕の体液がどんどんあふれ出し、彼女の下腹部を白く汚していった。彼女の生足の感触にじかにペニスを責められ、めり込むやわらかい脚のシコシコした感触に絶えることができなかったのだ。

 出し終わるまで、サラの内股はペニスを締め上げて、決して解放してくれなかった。

 脈打ちが終わるまで、僕はなにも考えられず、精液がどんどん飛び出すに身を任せ、サラの生足の感触を股間に愉しむほかはなかった。その間中、全身を駆けめぐる快楽の波は僕を捉え、魅了し、全身の肉体と精神をすべてくすぐらずにはいなかった。極上の女性に出し尽くした感じだ。

 出し終わった僕にずんと重い感覚がのしかかる。

 敗北感ではない。すべてを出し切った達成感と、精根尽き果てた心地よい疲労、何より、最高の射精をしたという安堵感が全身を包み、そのまま眠ってしまいたくなるような、安心する心地よさを伴った感覚だった。

 気持ちよかった。

 不覚ではある。みさという好きなひとがいながら、サラの肢体を目の当たりにして心臓が高鳴り、その手と足に翻弄され、たまらず精液を放出してしまい、しかも安心感に包まれてしまうのだ。それでも、こんな気持ちいい射精は初めてかもしれない。

 魔性の快楽でムリヤリ射精を長引かせられたり、何度も何度も抜かれたりという快楽とは、種類の違う快感だった。たった一発でありながら、その一瞬にすべてを託しきってしまうような、あるいは、心臓がずっとドキドキさせられ、そのドキドキを丸ごと精液という形ですべて放出しきってしまうような、何もかも吸い出されてしまったかのような、いっさいが凝縮された射精であった。

 サラ:「ね。タツロー。こうやってワタシに抜かれることは、たしかに多少は魔族に貢献するけど、実際のバトルのような状態にはならないネ。精を奪われて弱体化するには体内に魔力を流し込み、精液を世界変革の“種”に変換する必要があるけど、その変換が行われていないから、その射精はただの射精YO。でも、ただの射精でも、気持ちよかったでしょ。」

 僕:「う…うん…」

 サラ:「ワタシになら、こうやっていくらでも出していいんだよ? いっぱい出させてあげる。バトルの時はバトルで使い分けて、ワタシも割り切って戦う。でも。戦闘以外は、ただ射精させてあげる。こうやっていい気持ちになって欲しいの。」

 あああ…なんて甘美な誘惑なんだ。さすがに出した直後でドキドキはしないが、脳天がくすぐられるような、甘いささやきでそのままサラの胸に顔を埋めて眠ってしまいそうになる。そのくらい心が安心しきってしまう。頼ってしまいたくなる。

 サラ:「クスクス…ワタシに抜かれれば抜かれるほど、タツローのハートはどんどんワタシのものになっていくネ。好きな女の子となんかどんどん忘れさせてあげる。」

 そ、そうだ…。この誘惑に負け続ければ、僕はいけない快楽にのめり込み、心身ともにサラのものになってしまう。

 サラの狙いはそこにあった。僕のこの射精はたしかに、“種”への変換にはならないかもしれないが、僕は彼女で出せば出すほど、彼女を少しずつ好きになっていき、ついにはみさよりも好きになってしまうだろう。心奪われてしまうだろう。

 そして、みさに会う確率よりも、サラに逢う確率の方がはるかに高く、彼女に心奪われてしまう危険はずっと大きかった。

 サラが僕につきまとって、甘い誘惑で僕を高鳴らせ、精を奪うことで、僕の心をわがものにしようとしているんだ。

 サラは本気で僕を愛し、僕を欲しがっている。僕がその誘惑に屈すれば屈するほど、ゆがんだ性愛の虜となっていって、彼女の恋心は成就する代わりに、僕は彼女に帰依してしまい、なにもかもを捧げる存在となってしまうだろう。

 その結果は推して知るべし。フザケンジャーとしての活動は不可能になる。世界は自動的に新世界へと移行していくことになる。種の力を借りることなく、僕たちはサラの望み通りに敗北してしまうんだ。

 だめだ、サラの誘惑にこれ以上応じてはいけない。

 分かってはいるが、どうしても体は重苦しく安堵してしまっていて、抜けきれない。

 本来なら後悔しなければいけない場合なのに、少しもそんな気持ちがわき上がってこない。それもまた危険なことであった。

 どうしよう。これから先も、ことあるごとにサラにつきまとわれることになってしまった。その誘惑をどう振り切るか。彼女が本気で迫ってきたら、僕は抗いきれない。なんとかしなければ。そんな警鐘を抱きながら、僕はじわじわと眠りの世界にまどろんでいった。


######

ヘルサたん総統:「…ふうむ。」

フローリア将軍:「いかがなさいますか。常任天国軍団になったばかりのサラへの処分は。やはり解任ですか?」

ヘルサたん総統:「いいえ。彼女はそのまま常任天国軍団の第1号として活躍してもらうわ。」

ヘルサたん総統らはモニターで、サラの様子をずっと見ていた。カリギューラ女王はカプセルの中だ。

ヘルサたん総統:「見ていたわね?」

フローリア将軍:「はい。神谷は間違いなく、サラの手で射精しました。…不思議です。」

ヘルサたん総統:「そうかしら。案外、こういう基本的なところに糸口があるものだよ。サラはたしかに、私たちに造反し、勝手な行動をとった。それは本来、罰せられるべき行動。私の許可を得ずに勝手に転校し、神谷のそばに近づきすぎている。彼女の行為はフザケンジャー側を刺激し、警戒心を高めることにつながる。クレバーではないわね。でも、彼女はそのマイナス面を打ち消して余りあるほどの手柄を立ててくれたわ。」

フローリア将軍:「しかし、あの精は新世界のための種には変換されていません。」

ヘルサたん総統:「そりゃあそうでしょうねえ。変換しようと魔力を使ったらポッティの守護が働いて、たちまちサラは追放されてしまうもの。サラには引き続き、神谷に寄り添ってもらって、あからさまな偵察役でもしていてもらいましょう。」

フローリア将軍:「危険です。常任天国軍団がそばに居続けるということは、我々の手の内までも、彼女から引き出されてしまう可能性もあります。」

ヘルサたん総統:「くすくす…フローリア将軍らしくない発言ね。それとも、私を試しているのかしら?」

フローリア将軍:「…。」

ヘルサたん総統:「本心を明かさない化かし合い、私は嫌いじゃない。でも、まだまだ、私の域にはほど遠いわね。」

フローリア将軍:「…申し訳ございません。」

ヘルサたん総統:「あなたが不思議がっているのはふたつ。なぜ神谷があっさりと、神通力を使わずに、サラの手と足で簡単に抜かれてしまったのか。そして、どうしてサラを追放しないで、しかも神谷のそばに置くという暴挙に出ているのか。その理由についても、だいたい見当はついているのでしょう?」

フローリア将軍:「…。増えているのですね?」

ヘルサたん総統:「くすくす…やっぱりあなたはそうでなくっちゃ。ちゃんと見抜いているのね。そうだよ。常任天国軍団は、サラだけじゃない。一人、また一人と、快楽の虜になって、私たちに忠誠を誓う常任天国軍団が生まれ続けているわ。だから、サラが神谷に心奪われて勝手な行動をしていても、そのまま捨て置くことができている。」

フローリア将軍:「…。」

ヘルサたん総統:「あなたたちに内緒にしていたことは謝るわ。きっとあなたはそのことに警戒しているのでしょう。いいわ。全部説明してあげる。」

常任天国軍団が、密かに増加している。フローリア将軍はそのことにうすうす感づいていた。常任天国軍団を増やそうとヘルサたん総統は言っていたが、いっこうに増やそうとしている気配がないことが、フローリア将軍にとっては怪しかった。自分たちに知らせずに、密かに増やしているのではないか。秘密にしているのは、操作の主導権をカリギューラ女王側に少しでも握られないようにするため。

気にくわない。

ヘルサたん総統の説明は、フローリア将軍が予想したとおりだった。常任天国軍団は、少しずつ増加している。しかし、まだ訓練が済んでいないので、表に出されていないとのことだった。

フローリア将軍は、それが嘘であることを見抜いた。訓練が済んでいない、はずはない。なにかを、自分たちにさらに隠したまま企んでいる。悪いことにならなければよいが、と思った。

フローリア将軍が不思議だったもう一つは、神谷の簡単な射精についてだ。これは本当に不思議だった。

サラの手や生足程度の攻撃力なら、彼はこれまでも、現実でも夢でも、幾度となく味わってきたはずだった。そしてそれをことごとく乗り越えてきたのだった。

しかし、なぜ今、サラの手コキとスマタであっさりと神谷は果ててしまったのか。

ヘルサたん総統:「…それが大事なポイントね。私たちは、ごく単純な、男性の生理というものについて、見直さなくてはいけないのかもしれない。」

男の体のことなど知り尽くした魔王クラスの発言とは思えなかったが、彼女が言っているのは、表面的なテクニックや生理現象ではない。もっと単純で本質的な部分について、自分たちが重要な見落としをしていたのではないかという意味だ。それを見直すことで、思わぬ神谷の弱点が見えてくるかもしれないということである。その弱点を突き止めれば、仮に彼がフザケンジャーになったとしても、叩くことができるかもしれないという期待も込められている。

ヘルサたん総統:「神谷は、あの程度の攻撃をはねのけられなかった。我慢できなかった、ではないみたいね。生理的に“我慢しなかった”というのが正しいと見た。」

フローリア将軍:「私にもそのように見えました。あのとき神谷は間違いなく、神通力を体内に練っていなかったし、踏ん張って射精を抑えようとせず、むしろ出してしまおうと身をよじっていました。」

ヘルサたん総統:「そう。そこに、彼の弱点がある。いや、男性というものの根本的な弱点がある。それは、我々が男を堕とすのに普通に使う手段でもある。肉欲に訴えて無理に精を奪うのとは違う、心に働きかける手段。そう、私たちはフザケンジャーに対し、前者の方法ばかりとってきたけど、後者の方法はあまり採用していなかった。それは反省すべき点ね。」

フローリア将軍:「…属性…」

ヘルサたん総統:「…ご明察…くすくす…」

フローリア将軍:「しかし、神谷になにか属性というものがあるのでしょうか。いや、男性ならなにがしかの属性というものはあるのでしょうけれども、その属性攻撃が通用する相手とも思えないのです。神通力やフザケンジャーの力は、属性攻撃をもはねのけるでしょうし、はねのけられなかったとしても、奴らなら克服して次の戦いに臨んでくるでしょう。」

ヘルサたん総統:「そこにこそ、”思わぬ”弱点が隠されているのよ。私は、別に神谷の属性を探ろうとは思わないわ。そんなことはどうでもいい。それよりも、属性を作ってしまえばいい。」

フローリア将軍:「!!?」

ヘルサたん総統:「そんなことできるのかという顔をしているね。サラの行動を見ていれば、属性開発は難しいことじゃあないわ。」

フローリア将軍:「誘惑、ですか。」

ヘルサたん総統:「ええ。彼女は、自分の肉体、女子高生というバリュー、金髪白人という特製をフル活用して、神谷に迫った。神谷はその魅力にほだされ、ドキドキしてしまって、神通力を練ることもできなくなり、射精をこらえる意志も持つことができず、サラにあっさりと抜かれてしまったんだよ。誘惑が成功すればこうなる。完全に心奪われるほどには達していなくても、体はその女のことでいっぱいになってしまう。これが属性というもの、男の整理というものよ。」

フローリア将軍:「しかし、すべての誘惑がうまくいくとは…淫夢だって誘惑の連続です。」

ヘルサたん総統:「ええ。誘惑そのものが効果を発揮するのではない。誘惑の結果、彼の心臓が高鳴るところにこそ、秘密が隠されている。魔王クラスにもなるとね、そうやって男を堕とす方法も知っているものよ。懐かしいわ。昔飼っていたデーモンの息子も、そうやって淫魔の快楽に溺れさせたものよ。…もっとも、その時にはポッティの手は伸びていなかったから、直接誘惑して溺れさせたけど、神谷には同じ手は使えないわね。」

ヘルサたん総統は昔、デーモンの息子の精を持つ男を、3人吸い尽くしている。そのうちの一人に、ドキドキさせて自制がきかない状態にし続けて、延々と精を奪い続けることで、尽き果てるまで魔力を奪ったことがあるのだ。

その時には、魔力を直接使ってその男を堕落させたのだが、今度それをやろうとしてもポッティが防いでしまうだろう。別の方法で、神谷を誘惑しなければならない。

ヘルサたん総統:「…装置の開発が必要ね。久しぶりに新兵器開発します。わくわくするわ。」

タイムフラワーのように、男の精を奪ったり弱体化させたりする“兵器”を開発するのは、ヘルサたん総統の得意とするところであり、彼女にとって最高の趣味であった。機械関係の知識と技術は魔界随一である。

ヘルサたん総統:「じゃあ、私は研究室にこもることにするので、カリギューラ女王が出てきたらそのことを伝えてね。」

フローリア将軍:「…かしこまりました。」



######



 ………。

 ……。

 …。

 気がつくと僕は、荒廃した町の中に、全裸で立っていた。

 空が濃いピンク色に染まっている。

 しびれるほどの淫気。甘い香り。独特のいやらしい雰囲気。この感覚は、見覚えがある。

 僕は佐伯仙術で体内を浄化させ、淫気に毒されないようにバリアを張った。

 「新世界…」

 そう、僕は夢を見ている。久々の“新世界淫夢”だ。

 が、いつもと決定的に違っている。

 町が荒れ果ててしまっている。

 アスファルトに覆われていたはずの道路は砕け、土がほとんどむき出しになっている。

 家やビルが建ち並んでいるが、あちこちが破壊され、穴が空いている。まさに廃墟同然だった。

 車も走っておらず、店もやっておらず、人間の町とはとても思えない、廃村のような荒れ果てた姿だった。

 新世界淫夢。それは、このまま世界が新世界になると、どんなことになるかを、先取りして夢という形で僕に見せてくれる夢だ。その快楽に満ちたすばらしい姿を教え、僕の心をかき乱そうとする魂胆がある。

 だが、その町の荒廃ぶりは異様だった。家も店も、建物という建物はぼろぼろになっていて、砕け、潰れ、土もむき出し、荒れ放題になってしまっている。これが“すばらしい新世界”の姿だとでも言いたいのか。これが決定的に違っている点。

 そして、もう一つ。決定的に違っている点があった。

 新世界淫夢には、必ずガイドさんがいたのだ。新世界の特徴や、人口比や、構造や、変化したところなどをしっかり説明してくれる、ヘンテコだがかわいらしい、大切なひとがいたのだ。

 僕:「みさ…」

 そばには誰もいなかった。

 みさと別れてしまったがゆえに、新世界も荒廃してしまったというのか。いや、そんなばかな…

 とにかく、新世界淫夢へと引きずり込まれてしまった以上、一定時間、この世界を味わい、なるべく射精しないように気をつけながら、突破口を探して脱出するしかない。

 一体、あれから世界はどのように変わってしまったのだろう。

 男女の人口比はどのくらいになっているのだろう。

 時計を見る。が、腕時計をしていないし、周囲に時計がない。今が何時頃かを確かめる手段がない。太陽はピンクの雲に隠れ、しかもその雲自体が桃色に発光していて、朝も昼も夜も、同じ明るさを保っているようだった。

 新世界が進行すると、一日という概念自体が崩れてしまうのかもしれない。

 逢いたい人がいるのに、決して逢うことができない。そんな現実が突きつけられてしまい、愕然とする。新世界淫夢であるにもかかわらず、みさはいないのだ。

 これは、僕が自分で選んだことだ。

 突然女が一人飛びかかってきた。裸の若い女性だったが、僕は佐伯仙術で彼女をはじき飛ばした。女は愛液を噴き出させて失神した。かなり強い神通力を流し込んでやったからな。こいつを倒したとき、僕は邪魔な火の粉を力ずくで振り払うくらいの感情しか持たなかった。ゴミを片付けたような、軽い不満だけであり、それ以上にはなにも特別な感情を抱かなかった。

 心がずんと重苦しい。

 セックスどころではないくらいにふさぎ込んでいるのが、自分でも分かる。だから、誰かが飛びかかってきても、その女の顔さえ見ずに、あっさりと打ち倒してしまったのである。

 別の女が、僕の後ろから抱きついてきて、ペニスをまさぐってきた。

 「さわるな。」僕は電撃のように神通力をお見舞いして、彼女を失神させる。冷たい神通力はそれでも、この女を数十回以上連続して絶頂させ続けることができる。

 やはり気分がふさぎ込む。

 逆に、この状態なら、誰がどんな形で迫ってこようとも、すべてはねのけるだろう。みさのいない新世界なんて、悲しい悪夢以外の何物でもないからな。

 「…。」

 さらに歩くと、とたんに周囲を大勢の裸の女たちに囲まれた。

 十数メートル周辺をぐるりと囲むようにして、大小さまざまの若い女たちが僕の周囲を詰めている。少女もいれば、大人のレディもいる。立ち並ぶ大小さまざまなオッパイは、背の高さとも相まっていろいろな個性を醸し出している。そんな女たちの渦が何重にもなって、くすくす笑いながら、裸体を見せつけて僕を誘っているみたいだった。

 悪いけど、とてもそんな気分じゃあないんだ。ペニスはまったく反応せず。

 新世界に毒されている男なら、たっぷり淫気を吸い込んでしまっているので、この宴に身を投げ出し、永遠の快楽に交わっていることだろう。

 くだらない。

 僕の心はつめたく冷め切ったままであった。

 僕を取り囲む輪っかから、一人の大人の女性が、優しく微笑みながら歩いてきた。サラくらいに背の高い、色気にあふれた巨乳のレディであった。

 やっぱりサラよりも…みさだ。そのみさがいないなら、こういう美女が目の前に来ても、僕は怒りを覚えるだけで、さめた気分はいささかも変化しない。

 「…そんな気分じゃないっつってんだろ。」

 神通力を高める。僕の周りに青いドーナツ状の輪っかができる。初期のころ、佐伯長官が天国軍団に出していた技と同じものだ。これを一気に広げれば、周囲を取り囲む何十人何百人もの女を、仙術だけで一気になぎ倒すことができる。

 ぶうん!

 神通力の帯が一気に女たちの体を突き抜けていく! その間中も、僕の心は冷え切ったままだった。

 女たちは狂いながら一気になぎ倒されていく。あっという間に、女体の渦は4分の1以下に激減する。相当濃い神通力を当てているので、彼女たちは絶命しかねないほど絶頂しきってしまうのだ。もっとも、新世界では永遠の命か。

 …えっ!?

 4分の1、だと!?

 そんなはずはない! この神通力は全員に確実に当たっていて、したがって、女の輪っかは100%、絶頂仕切らないとおかしいんだ。全員がこの一発で倒されなければおかしいんだ!

 「!!!」

 4分の1程度の女たちが、絶頂せずに立っている!? 間違いなくこいつらにも神通力は当たっている。にもかかわらず、倒れた女たちが多いけれども、倒れずに残っている女たちもいるのである。

 僕の目の前まで歩いてきた大人のレディも、倒れずに残っている。そんなバカな! こいつこそ真っ先に、一番濃い神通力を当てられているのだから、一番倒されなければいけない相手じゃあないか!

 い、一体どうなっているんだ!?

 「こおおおおおお!!」僕はさらに濃い神通力を、裸の長身レディにぶつけてやった。

 「くすくす…」「なっ!」

 さ、佐伯仙術が通じていない!? たしかに間違いなく、神通力は彼女の体を駆けめぐっている。数百回イキ続けてもおかしくないくらいの濃い神通力が間違いなく流れている。その電撃が目に見えるほど光り輝き、バチバチと音を立て続けているのに、彼女は快楽に目を細めるでもなく、相変わらず魅惑的な肉体を僕の前にさらしてクスクスとなまめかしく笑い続けているのだ!

 くっそ、どうなってるんだ。

 僕は後ずさりし、走り出した。

 近づいてくる女たちを神通力でなぎ倒しながら、僕はどこか身を潜めることのできそうな場所を探した。

 「なっ!?」

 神通力で倒れてくれる女も多くいる、やはり4分の3くらいは神通力が効く。が、神通力を受けても平気な女が、やはり4分の1くらいの割合で混ざっているのだ。

 女によって、神通力が通用する相手と、通用しない相手がいるのだ。一体どうなっているんだ。

 僕は、神通力が通用しない相手に捕まらないように巧みに避け、突き飛ばしながら、とにかく落ち着いて考えられる場所を探して走り続けた。

 がしい!

 「うわああ!」

 突然、足首を何物かに掴まれた! そのため僕は身体のバランスを崩し、その場に倒れ込んでしまった。

 見ると、地面から女の手が飛び出しているのだ。

 「う、うううう、うわあああああっっ!!!」それは、かつて見たこともない恐怖といってもいいかもしれない。いや、その存在を僕は知っている。が、それでも叫ばずにはいられない恐怖が、僕の全身を逆立たせた。

 地面に全裸の女が埋まっているのだ。いや、腕から先が完全にガイコツになっている女が埋まっているのである。

 僕は訳も分からず、しりもちをついて後ずさった。全身ががくがくと震えて止まらない!

 地面に埋まっている手が動き、体を出そうとうごめいたかと思うと、ぼこぼこと音を立てて上に持ち上がっている。手首から先は、肉はなく、骨がむき出しているのだ。

 その骨がどんどん地面から上につき上がっていく。頭蓋骨、肋骨が見え、ガシャッ、ガシャッと音を立てながら、地面から這い出しているのだ。

 「ひいいいい…」

 その骨にごわごわと土が集まっていく。すると、土の分子が変質し、心臓になり、肺になり、膵臓になり、胃袋になり、血管になり、皮膚となり、髪の毛となっていく。ガイコツに内臓が備わり、その周囲に筋肉が備わり、さらに筋肉を皮膚が覆っていく。

 「うげあああ!」泣きそう。完全にホラー映画の世界だ!

 土が寄り集まって、ガイコツは完全に一人の若い女になった。僕はガイコツが女になっていく一部始終を目の当たりにしてしまったのである。

 「くすくす…」「うわああ! 来るな! 来るな! うわあああ!」僕は必死に神通力をぶつけるが、女はくすくす笑いながら僕に近づいてくる。

 「ひゃああああ!」

 なんとか起き上がり、恐怖で震えながら、よろよろと再び走り出すことができた。

 謎が解けた。最悪だ!

 4分の3は、もともとこの地球上に暮らしていた、生身の女性だ。ただし、一定以上の年齢になった女性は若返り、さらに全員体が改造されて美しくなっている。子供は子供のまま。また、子供の姿がいいと思った女性は自由に若返ることができる。

 死ぬことがなくなった世界だ。どんな老人でも性欲あふれる美しい若娘となり、男を求めてさまよい歩く。その数は無限と言っていいほど増え続け、地上にあふれかえっている。世界中の女がいるとすれば、単純計算で30億人近くの若い女が地上をうろついていることになる。

 しかし、それでさえも飽きたらず、新世界はさらに女を増やそうとしていやがるんだ。

 それが、土から生成される女、ゴーレムだ。いや…違う。ゴーレムなら完全に機械であり、造りや個性などというものはないはず。だが、生成された女たちには遺伝子があり、個性があり、身体的特徴があった。

 だとすると、彼女たちは一度死んで土に帰った者たちと考えるのが自然だろう。大昔から、死んでしまった女たちを延べ人数で数えると、とてつもない数字になる。その死人たちを、美しい姿でよみがえらせようとしているんだ。

 女たちは土から形成されるばかりではない。壁から、木から、金属から、あらゆるものから生成される。

 分子が変質し、ガイコツとなって、さらにそこから内蔵が寄り集まり、肉体になっていく。だから、どんな物質からも裸の女、死人が復活することができた。

 死人が再び肉体を得て復活し続ける。ゴーレムと言うよりは、ゾンビだ!

 ただし、死体がそのまま動かされるというタイプのゾンビではなく、地上の分子から遺伝子情報に基づいて組み立てられ、肉体を得ているのである。したがって彼女たちが、生前の記憶をともなって復活しているかどうかは疑わしかった。

 魔族にとって見れば、生前の記憶などどうでもいいだろう。遙か昔に死んだ女の遺伝子情報が与えられ、それに基づいて女体が形成されさえすればそれでいいのだ。

 そんな特殊な方法で“復活”するゾンビ娘だからこそ、神通力を身に浴びても何らの反応もないのだ。そもそも彼女たちは、男を射精させる道具として魔族によって復活させられ続けている哀れな存在。男を感じさせることができても、自分が感じたり絶頂したりという機能そのものが、そもそも備わっていないのかもしれない。

 町が荒れ果てている理由も分かった。ゾンビどもは、壁からも石からも瓦からも復活する。肉体を得るために物質が必要となるので、その場所からゾンビが復活すれば、壁を形成していた物質は失われ女体に変換される。したがって壁に穴が空く。

 土も水も何もかも、女体を形成し直すための素材に過ぎない。僕は、女体の素材の上を走り回っているのだ。逃げ場などあるはずがなかった。

 感じることのない、神通力も通じない相手に囲まれてしまえば、それこそ一巻の終わりだ。組み伏せられ、ゾンビ娘たちの肉体に責め苛まれ、永遠に射精し続ける存在になりはててしまうだろう。

 幸い、ゾンビ娘と生身の女性の割合は1:3程度だ。大半の相手には神通力が効く。効かない相手にさえ気をつければ良さそうだった。

 しかし、逃げ場のないこの地上で、どうやってゾンビ娘たちのエッチな魔の手から逃れればいいのだ。

 「空を飛べばいいと思うよ?」

 「飛べるかっ! 幽霊じゃあるまいし! アホか!」

 頭上からの女の子の声に、ついいつもの突っ込みを入れてしまう。

 「あっ!!」

 白装束の美少女が、ふわふわと僕の上を飛んでいる。

 みさ:「達郎…久しぶり!」

 僕:「みさー!!!」僕は思わずみさに飛びついてしまった。

 みさは僕の体を支えてふわりと空中に浮いた。

 みさ:「ゾンビは固体と液体、つまりある程度分子が密集している物質からしか生成されない。だから、空を飛んでしまえば、彼女たちに捕まる心配はないの。」

 僕:「みさ…」

 みさ:「ちょっ…そんな目を潤ませないでよっ…私まで…泣けて来ちゃうじゃない。」そういうみさも僕と同じように涙目だ。

 僕:「みさ…もう会えないと思っていた。」

 みさ:「私も、達郎に捨てられちゃったと思った。でもね。ヘルサたん総統に”もう一度案内しろ”って命令されて。うれしかった。また会えるんだもん。」

 僕:「そうだったのか…」

 みさ:「だからね、一生懸命、この新世界を案内してあげるね?」

 僕:「うん。みさ、よろしく。」

 みさ:「うん!」

 こうして、僕とみさは再会することができたのだった。

 みさ:「あれから新世界がさらに進行すると、実は一度、男性の数が元に戻るんだよ。世界のバランスをとるために必要なんだ。でもそれは、最終調整のための“詰めの作業”といったところかしらね。」

 みさの説明によると、世界中の男性は一度異世界へと多元化し、地上から男性が少なくなっていく段階を経て、その後、もう一度ひとつの世界に全男性が戻るのだという。

 それぞれの男性が別々の世界に行くので、その男性にとっては、ほかの男が減っていったように見えた。これによって、相対的に女の数を増やし、ハーレム状態を作っている。そうしないと依然として男が多すぎてしまい、新世界の快楽が半減してしまうのである。

 しかし、地上が魔界化する一歩手前の段階になって、もはや擬似的なハーレムを作る心配が要らなくなる。

 なぜなら、地球中の女が若娘となり、さらに、固形物がゾンビとなっていけば、疑似ではない本物のハーレム状態を作ることができるからである。

 そのため、異世界に飛ばされていた男性が、一度この世界に集められる。

 そして、ゾンビがそろい、さらに色情霊もそろった段階で、一気に男性一人ずつの多元世界が作られる。

 みさ:「もう少しするとね、達郎みたいに空を飛ぶ男性が増えていくの。この世界は思念した物体が自由に取り出せるからね。タ●コプターみたいな装置で女たちから逃れて浮遊する男も増えていく。そこで、色情霊が待ち構えているわけ。」

 僕:「空中にも逃げ場がなくなるのか。…今は?」

 みさ:「まだ地上にゾンビが出始めたばかりの段階だから、色情霊が出てくるのはもう少し先だよ。比較的最近死んだ女、数百年くらいなら、物質から肉体を生成できるけど、それより古くなってしまうと、遺伝子情報が失われているから、霊体として復活させるしかなくなってしまうの。そういうのが色情霊となるんだ。」

 僕:「そうなんだ…」

 色情霊まであふれかえるようになれば、もはやどこにも逃げ場がなくなり、男たちはもはや、射精だけをする装置となりはてる。そこで、世界は一気に崩壊し、魔界と一体になってしまうのだという。

 男たち一人一人に、それぞれひとつの世界が与えられる。そこで、無限の若い女たち、ゾンビたち、幽霊たち、そして、魔界とつながっているから魔物娘たちと、永遠に交わり続けることになる。そのひとつひとつの世界すべてをすべてひっくるめて、魔界に取り込んでしまう。そうすれば、人間界は完全に魔族、ヘルサたん総統のもの。ポッティの支配から逃れ、真に自由で快楽を恣にできる世界が実現する。

 みさ:「そこで私も、肉体を得て復活し、永遠に達郎と一緒にいられるんだ。」

 みさは“比較的最近に死んだ女”に相当する。が、案内人を務めた功績によって、生前と幽霊時代の記憶をともなって復活することができる。ゾンビではなく、生身の人間としての復活となる。それが彼女の念願でもあったわけだ。

 みさ:「その先は天国だよ。なんでも思い通りになる。いろいろな世界を快楽とともに過ごすことができる。魔族が人間を、老若男女問わず、永遠に幸せにしてくださる。」

 僕:「しかし…」

 みさ:「これまでの常識は全部崩れる。新世界は、新しい価値観のもとで、新しい快感と、新しい幸せと、永遠を楽しむことができる。古い考えに囚われなければ、新世界のすばらしさに気づくことになる。移行期間が必要というのもあるけど、少しずつ世界が新世界に映っていく中で、男たちも少しずつ考えが変わっていって、快楽の虜となるんだ。」

 僕:「それはよく分かるよ。少しずつ世界が変わっていくことが、洗脳プロセスにもなっているってね。でもみさ、この直前期になっても、逃げ惑う男たちがいるんだろう? それは、ありとあらゆる若い美しい女たちが集団で自分を快楽のるつぼに落とし込むことが、“生理的に間違っている”ことを何より証拠づけるんじゃないか?」

 みさ:「う…」

 僕:「事情が分かるかどうかは分からんが、男たちは、自分の精が、快楽の心が、魔族の糧になっていることをうすうす感じ取るのではないか。つまり、自分が魔族のエサに成り下がることを恐怖するのではないか。それに、このくらいになると、快楽に飽きるということがなくなる。いくら出しても、何千の女が覆い被さってきても、その感触や快楽に飽きることがなくなる。過剰な快楽が苦痛になるのが人間の性質、それが苦痛にならないことも恐怖となるのだろう。命が尽きないということも感じ取り、快楽に身を任せてエサとなることを望む男もいるが、心の警鐘にしたがって快楽を脱したいと望む男もいる。そういうことなんじゃないか?」

 みさ:「その通りよ。ここまで来ても、まだ快楽に逆らう男が1割ほど残ってしまう。3億人くらいにはなるかしら。だから、ここから先、空中を浮遊する男もかなりの数になるわ。」

 僕:「そこに大勢の色情霊が押し寄せるわけだな。まさに魔族のお為ごかし。ムリヤリ快楽漬けにし、洗脳を完了させる。一人も逃さない。」

 みさ:「ええ。否定はしないわ。魔族が人間に快楽を与えるのも、そこから糧を得るため。お互いにプラスになる。問題は、”契約”なしに勝手に一方的に人間を快楽漬けにすることかしら。」

 僕:「ああ。それは侵略でしかないよな。」

 みさ:「…そうね。でも、ポッティが悪いんだよ。アイツが自由な契約をさえ差し止め、干渉できないようにしているから。願望を実現させるためにこういう手段をとるしかなかったんじゃないかしら。」

 僕:「そうは思えないな。初めからヘルサたん総統は自分のために侵略しようとしているんだ。すべての人間を自分のエサにするために! 魔族の王としてではなく、ポッティをも超える全世界の絶対的な支配者になるために!」

 みさ:「…。」

 僕:「だから、やっぱりこの新世界は、食い止めなければいけない。フザケンジャーとして、なんとしても!」

 みさ:「…また、同じ話のくり返し、平行線だね。」

 僕:「…。もう、よそう。」そう、この話を突き詰めれば、僕はみさとまた、別れなければならなくなる。

 みさ:「とにかく、この世界を見ていってよ。」

 僕:「…ああ。」

 とにかく、この世界を見ておこう。この快楽の地獄を見ておこう。そして、絶対に実現させるものかと心に誓い、フザケンジャーとして、ヘルサたん総統を撃破し、この邪悪な計画を食い止めるために。この地獄を見ておこう。

 僕:「この空にいれば、とりあえず僕は安全なんだよな。」

 みさ:「うん。私の霊力で支えておいてあげる。達郎は、ほかの男たちが吸われている様子を見て興奮していればいいの。」

 僕:「興奮なんぞするものか。」

 みさ:「くすくす。そんなこと言って。エッチな光景を目の当たりにし続けたら、ちんちんが大きくなるのが男のサガ。」

 僕:「百戦錬磨の僕にそんなこと…」

 みさ:「じゃあ、できるだけ我慢してごらん? でも、立っちゃったら達郎の負けだからね。」

 僕:「負けって…立ったらゾンビどもの群れめがけて投げ込むつもりかよ。」

 みさ:「そんなことしないよ。その代わり、…私が…してあげる。」

 僕:「はあ!? おまえ…何言って…」

 みさ:「私がゾンビとかの代わりに抜いてあげるよ。」みさは顔を真っ赤にして僕を見つめた。僕もじわっと顔が充血するのが分かる。

 僕:「いや…ちょっと…それは…」

 みさ:「いやなの?」

 僕:「うっ…」

 みさ:「だっ、大丈夫だよ! 達郎が立たなければそんなことしないから、ね?」

 これは…大変なことになった。

 新世界の地上でくり広げられる痴態。これを目の当たりにしながら、もし性的に興奮して、勃起してしまったら、そのままみさに抜かれてしまう。あんなことがあったあとで、みさの魅力的な体に精液を搾り取られてしまうのだ。空中で。

 この夢に入る前に、僕はなんじゃ虫との性交前に、みさのことが好きだとはっきりと認識した。その好きな人が、勃起してしまったペニスをいじくってくれるとなれば、それこそ勝てる道理はない。

 あ…いかん、股間がむずむずし始めた。ここで立ってしまっては最悪の展開となる。

 僕:「~~ッ!!」僕はお尻の奥をこわばらせ、勃起を押さえつけた。

 みさ:「あ。佐伯仙術は使わないでね。私の霊力を中和しちゃうから、達郎の体を浮遊させておくことができなくなって、自動的に下に落ちちゃうからね?」

 僕:「う…わ、わかったよ…」神通力は使えないわけだ。

 とにかく、僕は自分の力で、集団逆レイプの宴の現場を目の当たりにし続け、それでもペニスを平常に保ち、無事にこの淫夢を切り抜けることとなった。

 みさとはしばしの逢瀬となる。この夢の中だけの一時の楽しみ。それを、ほかの男女の痴態を見て勃起し、その処理をみさにしてもらうなんて、このうえない恥ではないか。最悪の罰ゲーム状態だ。それだけは回避しなければ。

 みさ:「さ。始めるよー?」

 みさの案内が始まった。

 地上に近づいていく。が、女たちが手を伸ばしてもジャンプしても届かない絶妙な距離感で、みだらな様子を目の当たりにできる、丁度良い高さでの見物となった。

 少し人の多い場所に行き着くと、壮絶な追いかけあいと、肌色の人だかりが随所にできあがっている。

 すべての男性が一度、この世界に集められるため、人数はずいぶんある。異世界へ飛ばされ続けた男たちが元の世界に一同に戻っていったので、相当数の男が町中にあふれているのだ。

 そして、その数を遙かに超える若い女たちが、町中のあちこちで、男を一人も逃さない勢いで、集団で追いかけ回し、捕まえては、ひたすら責めて精を抜き取っている。

 男たちも若返っている。10歳から30歳くらいまでの間で、それぞれ一番、性的に活発な頃合いになっている。肉体にも個性があり、多くが10代後半がいちばん快楽に敏感で、精力あふれることになるのだが、中には熟練してこそ脂がのる男もあり、子供の体の方が快楽に溺れやすい男もある。その男性男性にぴったり合った年齢にさせられているわけだ。

 したがって、老人はおらず、すべて若い男となっている。

 女たちも同様だ。体が若返り、やはり10~30歳の若娘だけになっている。彼女たちの願望と、その肉体が一番はつらつとしている丁度良い年齢との折り合いで、彼女たちは自在に自分の肉体年齢を変えることができている。

 生身の女の数は、男性の数とほぼ同じ。この地上は男女半々、少しだけ男性の方が多いようになっている、そんなバランスのとれた世界だ。

 新世界もこの段階まで来ると、昼夜はなく、また、食事の必要もない。食べることそのものを楽しむことはできるが、空腹にもならず、眠たくなることもない。ただ性欲ばかりである。

 男も女もそれは変わらない。人数バランスもとれている。

 しかし、この世界にはゾンビ娘たち、死んで土に帰った女たちが地上の物質から肉体を得て復活する。分子、または原子レベルにまで分解された物質が、遺伝子情報に基づいて若い女体を形成し、男たちを襲っていく。年齢層もほかの若娘たちと同じ。

 今生きている人数よりもはるかに、死んだ人数が多くなるのは道理だ。生まれ変わって、現在も生きている女たちばかりではあるが、遺伝子情報は違う。魔族によって拾い上げられた、数百年の遺伝子情報が土や金属や壁や水に叩き込まれ、変質せられて、肉体になっていく。

 彼女たちはクスクスと笑うだけで、言葉を発しない。しかしその肉体は魔性を得て何とも凄艶である。

 どうやら、ゾンビ娘たちと生身の娘たちの決定的な違いはいくつか見えている。

 どの娘も、自分の理想の姿に変えることができる。肌のきめの細かさも実現し、顔かたちももっとも美しい状態に持って行くことができる(遺伝子を根底から変えることはできないが)。同時に、相手の男性の好みに自分を近づけ、より多くの精を奪えるようにもなっている。

 それはゾンビ娘も同じだ。江戸時代の美人の感覚と現代人の美人の感覚はまったく違うが、それを知っているみさも現代っ子っぽく体や顔を変えているし、ゾンビ娘たちも同じようにできる。

 その男の好みを瞬時に理解し、彼女たちはその好みに合うように、年齢、顔つき、体つきを変えることができる。それは生身の女性もゾンビ娘も変わらない。一件、両者の区別はつきがたい。

 が、言葉を話すのが生身の人間女性なら、モンスターの方は言葉を話さず、クスクスと妖艶に笑うばかりである。肉体だけを作られたため、生前の記憶はないのだろう、必要な会話能力は失われているのではないか。

 体に熱があるのは、その肉体が生きているからだ。厳密にはゾンビ娘とは言えないのかもしれない。しかし、永遠の命を得て、永遠に若くある姿は、どっちにしてももう、ただの人間とは言えない。魔族化しているのかもしれない。

 ただ、復活者たちは、言葉を話さず、どことなく不完全で、復活したとはいえ、動きもどこかたどたどしいところがある。やっぱり、彼女たちはゾンビというにふさわしい。

 ほかにも、生身の娘とゾンビを見分ける方法がある。

 ●神通力が通用しない、ゆえに、性感神経が存在しない
 ●男たちを捉える動きから、力は強く、押さえつけられたら逃れられない。
 ●走ることができないが、瞬時の動きは優れており、瞬発力が突出している。

 だから、ほかの娘たちが走って男を追いかけるのに対し、ゾンビは飛びかかることを得意とする。押さえつけて集団で犯すことを得意とする。

 みさ:「それだけじゃあないよ。いくつかゾンビの特徴があってね。彼女たちの体臭、吐く息には濃い淫気が含まれている。ほかの娘よりもずっと濃い。それだけじゃなくて、ゾンビ娘には特殊な眼力があってね。目の前でじっと見つめられて体をくねらせ誘われると、男たちは性欲を刺激され、その瞳から目が離せなくなる。時には男の側からゾンビ娘に抱きついて押し倒し、自分から腰を振るほど魅了されるそうよ。」

 なるほど。性的な能力は生身の娘以上にあるというわけか。

 みさ:「ほら…見て。あそこ…」

 みさに僕の体が操縦されている。彼女の意のままに僕の体は浮遊し、上下左右あちこちに、ラジコンのように操作され、地上の宴が一番よく見える場所に移されている。僕はじたばたしても逆らえないので、彼女のうながされるままにある場所まで移動させられるに任せた。

 男たちがちりぢりに逃げ惑っている。男たちは、異世界でセックス三昧にさせられていたところで、突然、この「元の世界」にワープさせられたばかりであった。

 そのうちの大半が、すでに快感の虜となっており、女たちの群れに向かってふらふらと吸い寄せられるように近づいていった。娘たちは男を受け入れ、ぎゅっと抱きついて、そのペニスを握り締め、または口に含んで、その性欲の解消に努め始めた。

 すでに淫気に毒された男たちは、永遠にいくらでも射精できる体になっている。それも、極度に敏感になっており、女のしっとりした柔らかい手に握り締められただけで、そのぷるんとした口に含まれただけで、精液が止めどなくあふれ出てくるのだった。

 抱き合いながら、ペニスがしごかれ、口に含まれ、舐め上げられる。はたまた、そのお腹に亀頭を押しつけ、肌のなめらかな感触を味わうたびに、射精は止めどなく続いていく。

 そこに、ほかの娘たちの補助攻撃が加わり、お尻を舐められ、全身を撫でられ、玉袋をくすぐられ、ムニムニと裸体を押しつけこすりつけられると、射精のスピードは増していって、脈打ちの速度が上がり、その分快楽は倍増しているのが、ペニスからほとばしる精液の量と、男たちの恍惚の表情から読み取ることができる。

 女たちは、突然町中に大勢の男たちが現れ、自分たちの元によろよろと近づいてくるので、喜んでセックスに応じていく。ほとんどの男が自分たちを求めて自分から近づいてくれるので、セックスの相手には困らなかった。

 しかし、じわじわと、異世界からどんどん男たちが呼び戻されていく。一時的にだが、男性の人数が飽和状態になる。

 だからこそ、ゾンビの復活が必要なのだ。

 一方で、町のあちこちから女体ができあがり続ける。それは、男性がこの世界に呼び戻されるペースをはるかに超えている。今のところ4人中1人がゾンビという割合だが、時間が進むにつれて、この割合はどんどん変わっていって、大半が復活した者となってしまうだろう。

 飽和状態となった男たちは、復活したゾンビ娘たちに飛びかかっていく。そして、同じように恍惚の表情を浮かべながら、ひっきりなしに精液を吐き出していった。ゾンビの手、足、腹、胸、尻、背中からでさえ、男たちはペニスを押しつけ、その感触だけで脈打ち続けるのだった。

 そのうちさらに、ディープなフェラや手コキ攻撃や、オンナによる攻撃で、男たちは猛スピードで脈打ちを続け、永遠に精液を吐き出し続けるのである。射精が収まることは決してなく、あの多幸感、気持ちよすぎる快感は永遠に男たちを囚えて離さない。

 こいつらはもう、魔族のエサに自分から成り果てているのだな。

 僕:「…。」これまでの百戦錬磨もある。自分から女体を求めて快楽に浸っている男たちは、もはや理性もなく、堕落しきって、自分から動物になってしまっていることが分かっていた。

 僕は、彼らの痴態を目の当たりにして、哀れみしか覚えなかった。

 もちろん、勃起する道理はない。

 女体の群れを目の当たりにしたくらいでは、ムラムラはしなくなっていた。抑えることができている。ほかの淫夢でも、リアルの戦闘でも、裸の女の群れに囲まれ誘惑されたことなどたくさんある。今更そのくらいで勃起を許すほど、僕の精神力が弱いわけではない。意識しないようにして、海綿体への充血も興奮もしないようにすることは簡単だった。

 それも、男たちの堕落した姿を、汚いモノでも見るかのように見せつけられ、哀れみしか抱き得ない僕に、興奮する素材はまったくなかった。

 みさ:「うっふふ…さすがだね達郎。でも、おもしろいのはここからだよ。」

 僕:「…。」

 男たちの大半はすでに堕落し、快楽に涎を垂らす動物に成り下がっているが、ごく一部、やはり10%くらいは、なおも理性を残している。というより、体も脳も毒されていながら、心の奥底で危険を察知し、ギリギリのところで踏ん張って、快楽地獄から逃れようとする男たちが、なおも残されているのだ。

 彼らは快楽漬けにさせられながら、それにどうしても負けて応じ続けながら、どこかで、今の状況の異様さと危険性を認識し続け、心の奥底の警鐘に耳を傾け、なんとかこの地獄から脱出したいと願っていた。

 みさによれば、彼らは一人、また一人と堕落していって、残った人々は、空を飛ぶという方法をとって一時的に難を逃れるが、それもつかの間、大量の色情霊たちが空中に浮遊し、一網打尽にされてしまうのだという。

 10人に一人の割合で、そんな男たちが転送されてくる。彼らは、女体の誘惑を振り切り、なんとか捕まらないよう、逃げ惑い始めるのだった。

 多くの女たちは、自分から精を提供する男たちによって満たされている。が、それでも、一時的に飽和状態となるために、どうしても男性にありつけない若娘が出てくる。彼女たちは、逃げようとする男性を見つけると、一目散に追いかけてくるわけだ。

 一人の男性が、女たちの群れを避けようと町の中を走っている。すでにあちこちにセックスの人だかりができていて、肌色の山になっている。そのほとんどは女性で、群れの中心に男性が一人いる感じだ。

 淫気に毒されているため、逃げる男たちもまた、ペニスをギンギンに勃起させている。女体の群れを目の当たりにして性的に興奮し、股間に悩ましいくすぐったさを抱えながら、それでも、捕まってたまるものかと、最後の理性を振り絞って走り続けている。

 その男を見つけた娘たち、男を抱くことのできない女たちが、彼を追いかけていく。

 新世界では、肉体の疲労がなく、全力で走り続けても息切れがせず、筋肉が悲鳴を上げることがない。したがって男も女も、どこまでも走り続けることができるのだった。

 だが、遠くまで走り続けることは、かえって危険な行為でもあった。走り続けることは、すなわちいろいろな場所に行くことでもあり、そのつど、より多くの若娘たちに「逃げている自分」を喧伝して回るようなものだ。逃げれば逃げるほど、自分を追いかける若娘の数は増えていく。

 その中から、自分よりも足の速い女の子が現れる。フル勃起状態での全力疾走は、本来のスピードをかなり落としてしまってのものであって、逃げているうちにじわじわ追い詰められ、ついには追いつかれてしまう道理だ。

 逃げていた彼にも、ついに若娘の魔の手が伸びた。高校生くらいの若い女の子が、男性に追いついて、彼の横をぴったり走るようになった。いたずらっぽく笑った女の子は、走りながら男性のペニスに手を伸ばし、そのやわらかいもっちりした手で、亀頭をきゅっと軽く握りしめた。

 「うわああ!」それだけでも、通常の快感とは比べものにならないくらいに刺激は強い。すでに彼の体は淫気に毒され、ちょっとした刺激でも射精してしまう状態になっているのだ。

 彼の足を止めるのはそれで十分だった。全身を駆けめぐる強烈な快楽は、全身の脱力を誘い、それ以上走っていられないほどのくすぐったさで、彼はその場に崩れ落ちてしまうのだ。

 若い女は、手にべったり精液をつけたまま、にっこり笑って彼の前に立つ。17歳くらいのハリのある肉体が彼の前にさらけ出されると、男はもう、自分が逃げられないことを思い知るしかなかった。

 ほかの女たちも追いついてくる。どんどん人だかりができ、取り囲まれ、もみくちゃにされていく。ペニスはひっきりなしに女手にかわいがられ、舌でねぶられ、唇でしごかれ、オンナに収められていく。その間中、休むことなくペニスからは精液がほとばしり続けていた。

 あっという間に3,40人の女たちの渦の中に巻き込まれ、男性の姿は見えなくなった。

 また、別の男性は逃げ惑いながら追い詰められ、行き止まりに追い込まれてしまった。後ろは壁。穴が空いてもいないし、壁が高くて乗り越えられない。目の前にはやはり何十人もの裸の女たちがいて、じわじわと距離を詰めている。あと少しで、どっと彼にめがけてなだれ込み、同じようにセックスの宴に持ち込むのだろう。

 「く、来るなあ! 来るなあ!!」男は壁を背に叫んでいる。が、大声を出せば余っている若娘を呼び寄せるだけだった。

 ボコ! 「わああ!」

 突然壁に穴が空いた。彼の背中の後ろの壁が、もろくも崩れ落ちたのだ。完全に壁に穴が空いたというより、ぐいぐいと背中で壁を押した結果、その部分だけが崩れ落ち、壁にくぼみができたといった方が正確だ。

 だが、それは新たなる宴のスタートでしかなかった。

 壁にくぼみができたのは、そこからゾンビ娘が生成されたからに他ならない。手と足、乳房と腹部は女体となって復活したが、頭部と、背中とお尻は壁と一体化して、不完全な復活の仕方をしている。

 中途半端な形で復活したゾンビ娘は、思惑があってそうしているのだ。彼女は男を羽交い締めにし、ぎゅっと抱きしめ、その腕力の強さで、男を捕まえてしまった。

 男の背中に、ゾンビ娘のやわらかい乳房とお腹が密着して潰れる。スベスベの腕が彼の上半身に巻き付けられ、しっかり固定して離さない。もちもちのふとももが彼の両足に巻き付き、グッと壁に引き寄せて固定する。

 彼は壁を背にして、四肢の自由を奪われてしまったのだ。

 ぼこぼこ…

 もう一体、ゾンビ娘が地中から現れた。それは彼の真下の土から、上半身だけを出している。壁側を向いて、つまり若娘たちに背を向けて、両足を開いた男の真下に出し抜けに現れたのだ。

 固定役のゾンビ娘は、彼の太股を自分の生足でかわいがりながら、彼の背中をみずみずしいオッパイとお腹で圧迫し、とろける安心感を与えつつ、力強い腕の力で決して拘束から逃れないように固定し続ける。彼女の役割はそれで十分だった。

 地中から現れたゾンビ娘は、両手を伸ばし、男の玉袋やお尻の穴、両足の付け根のくすぐったい部分を、白魚のような細い指先でコショコショとかわいがり続ける。

 二体のゾンビ娘は、決してペニスには指一本触れず、その周辺だけを徹底的にかわいがっていた。

 「あが…が…」彼のペニスは限界に達していた。抜かれたくてたまらない状態に追い詰められたのだ。

 そこへ若娘たちの登場だ。彼女たちは交代で、手でペニスをしごき、口でペニスを吸い、オッパイでペニスを挟み込み、そして膣内でペニスを包み込んだ。

 しごかれている間中、精液はひっきりなしに飛び出し続ける。イク時の多幸感が、ずっと彼を支配していた。女手特有の吸い付くようなしなやかしっとりの指先が踊るようにペニスをこすりあげると、白濁液はいつまでも放出され続ける。下のゾンビ娘の指先攻撃で快感は倍増し、脈打ち速度も相当に速くなっているようだ。

 バックの体勢でお尻を彼の萌に近づけ、ついにオンナで飲みこむと、娘の方から上下左右に腰を振ってペニスを悦ばせる。子宮内に精液を溜め込みながら、律動し続けるペニスをさらに、彼女の膣が締め上げ、しごきたて、こねくり回して快楽漬けにする。

 男は、壁を背に固定されたまま、永遠に娘たちのおもちゃにされ、交代で集団で責められながら、精液放出道具に成り下がっていくのだ。

 僕:「ううっ…なんて残酷な…」

 そこまで見せつけられ、股間の奥がじわりとくすぐったくなってくる。だが、この光景に感極まって勃起しては負けだ。絶対に負けるものか。僕は理性を振り絞って、勃起を抑え続けた。

 みさ:「へえ。がんばるね。じゃあ、あれはどお?」

 みさに連れられて向かった先は、ゾンビ娘率が高い場所だった。

 一人の男が、女の集団に囲まれている。さっき僕が陥った状況に似ている。半径3メートルくらいのところをぐるりと何重にも裸の女たちが取り囲んでいる。そのほとんどは生身の女性のようだった。

 が、一人、輪の中に入り、男の前に裸体をさらけ出して立っている美女がいる。あからさまにゾンビ娘だ。これも僕がさっき取り囲まれたのに似ている。

 さっき、僕は佐伯仙術で人間の女性だけを倒し、残すゾンビ娘の間をすり抜けることで、この女体の輪をくぐり抜けてきたのだ。

 だが、あの男には神通力は使えない。完全に取り囲まれ、どうやって切り抜けるのだろう。

 ゾンビ娘は、じっと男性の目を見つめ、なまめかしくくすくす笑っている。勃起した男性は身がすくんだように動けなくなり、彼女の目を見たまま、その裸体の魅力にじわじわと吸い寄せられていった。これがゾンビ娘の眼力か。

 「あああ…」性欲が限界に達したのだろう。彼はゾンビ娘に飛びかかり、その体で精液をほとばしらせ始めた。すると輪が一気に崩れ、女たちが男性めがけて押し寄せていく。彼はもみくちゃにされ、快楽の宴に溺れていった。

 さらに、逃げ惑う男性の足下に現れ、転ばせて、若娘たちと一緒に男を襲うゾンビ娘たちもいた。土からも壁からも女体が形成され、男たちの逃げ場はなかった。

 みさ:「どお? もし私がいなかったら、達郎も結局ああなっていたんだよ? 自分だと思うと興奮するでしょう?」

 僕:「うう…くっそ、興奮などするものか。」

 みさ:「ほれほれ。そう言って達郎は半立ち状態じゃない。うい奴じゃのう。」

 僕:「う、うるさい!」

 痴態を延々と見せつけられ、僕の方も少しずつ追い詰められていく。なんとか強い精神力を保たなければ。

 みさ:「今度はこっちだよ。」

 みさに連れられた先は、3人の男の子が逃げているところだった。12歳くらいだろうか、まだまだ小柄な子供たちであった。ペニスには毛も生えておらず、包茎で、小降りであった。そんな小さなペニスもまた、淫気に毒されて大きく膨らんでいる。ただし、子供のためにまだまだ、小さくぴょこぴょこしたペニスの勃起でしかなかった。

 男の子たちはバラバラにならず、固まって逃げ、一人が捕まりそうになったら残り二人が助けることで、なんとかこれまで難を逃れてきたのだった。

 小さな体を利用して、女たちの目を逃れて逃げ続けると、若娘たちは少年3人を見失ったようだ。

 少年たちは誰もいない空き地に腰を下ろした。穴だらけのビルに囲まれ、あまり人目に触れることのない場所だった。

 彼らは若娘たちに見つからなければ大丈夫と思っているらしい。

 僕:「まずいぞ、そこにはゾンビが…」

 案の定、少年たちに魔性の手が伸びていく。

 「ひゃああああ!」子供たちが腰を下ろしたふかふかの土から、無数の手が伸びた。手だけ復活した、数多くのゾンビ娘の手だった。

 無数の手はあっという間に3人を捕まえ、地面に固定してしまう。3人ともしりもちをつき膝を折って、手を後ろについてバランスを取って、一時の休息を取ろうとしていたので、両足とお尻、そして両腕を、無数の女手が掴むだけで、もはや彼らは立ち上がることもできず、その場に坐らされた状態で身動きがとれなくなってしまうのだった。

 ゾンビといっても、若い女だ。そのハリのある腕の肌のなめらかさ、しっとり吸い付くようなやわらかい指、手のひら、スベスベの手の甲は健在。そんな手が何本も、男の子たちのペニスに群がっていく。

 大人の女の手が皮の先端をつまむだけで、少年たちは快楽の悲鳴を上げながら、ペニスを激しくひくつかせてしまう。細いしなやかな指先が、包茎の皮の先端をつまんでいるので、射精していても、精液は皮の中に溜め込まれて外に出ない。みるみるうちに皮が膨らんでいく。戦闘が膨らみ、その中にたっぷり濃い精液が溜め込まれていった。

 別の手と交代するときに手が離れる。すると、精液は一気に飛び出し、ふかふかの土を汚していく。

 無数の手は、引き続き少年たちのペニスをしごき、くすぐり、つまんで、射精させ続ける。ほかの手は彼らの内股や、小さな玉袋をひっきりなしにかわいがり続けた。

 3人の少年のうち、とくに先端が敏感な子は、いけない指先でそこばっかり責められた。交代で、彼の先端の皮を指先でつまんで、親指、人差し指、中指だけで、ぐりぐりと皮をこねくり回すように刺激すると、どんどん精液があふれ、皮の間から爆発していく。さらに別の手は、皮の中に指をねじ込み、直接亀頭をぐりぐりとこねくり回す。その強烈な刺激で、無限に溜め込まれる精液をムリヤリに掻き出していく。

 隣の少年には、女手のしごきが加えられる。比較的細長いペニスだった少年は、それでも大人の手の方が大きいので、すっぽり包まれた状態で締め付けられ、手の筒からひっきりなしに精液を絞り出される。ときおり激しく上下すると、精液の量があからさまに増えた。こっちの子もやはり交代で、女のやわrかいてでしごかれ続け、亀頭がむき出しになるほど強く上下しながら、体液を吐き出し続ける。

 3人目は、指先突っつき攻撃だった。無数の女の指先が、ペニスのあちこちをつんつんつんつんと突っつき続ける。優しい指もあれば、強くつく指もあって、それがペニス全体をこねくり回すようにたくさん群がって、つんつんかわいがり続ける。この刺激は意外に体の奥の性感神経までも刺激し、じわりと高められる不思議な攻撃力があるのだった。もちろんこちらも、止めどなく精液を吐き出し続けている。

 子供たちは泣き叫びながら、快感に酔いしれ、次第に声を出さなくなっていった。いろいろな女手の責めにあい、ペニスだけでなくその周辺もひっきりなしにかわいがられ、それが全身に回っていくにつれて、年端もいかない男の子たちさえも、快感の虜になっていくのだ。

 ゆくゆくはこの場所も、若娘たちに見つけられ、さらに強い刺激に永遠にさらされてしまうことになるのだろう。

 おねえさんたちのしなやかな指や、スベスベの手のみずみずしさが、男の子たちを狂わせ続ける。

 みさ:「えへへー☆ 達郎、女の手、気持ちよさそうだよね。私の勝ちだよ?」

 僕:「あうう…」

 あろう事か、少年たちの3様の女手責めを見て、いつの間にか僕のペニスが頭をもたげてしまっていた。光景に釘付けになっていて、自分の股間が充血してしまっていることにも気づかず、抑えようという意志も働かなかった。

 みさ:「ほらほら。あの子たちの姿、もっと見てていいんだよ? あ、アソコ、先っぽだけ手のひらで包んでスリスリとしごいているね。あんなのも気持ちいいかな?」

 僕:「うああ!」みさが僕の亀頭先端を柔らかい手で包み込み、ぐりぐりねじるようにして優しく圧迫しながらシュッシュッとしごき始めた。

 みさ:「指先つんつん攻撃ぃ~♪」

 僕:「うあ! みさ、やめ…」みさの指先が僕のペニスのあちこちをつんつんとつついてくる。

 みさ:「あれれ? やめてもいいけど、約束破ってやめさせるようなことすれば、達郎をここに放り出すけど? そしたら本当にゾンビ娘たちに抜かれることになるね。」「そんな…」「それがイヤなら、ここで光景を見ながら、射精しちゃえ。」「うう…」


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