Tweet



第31話 ほたるんはいい娘だよ?


 彼女たちは、わざと僕を無視して襲いかかってこなかったが、それも作戦のうちなのだった。友達とキャッキャとしている姿を見せつけ、”自分から”勃起する瞬間を待っていたのだ。強制的にしがみついても、万一僕にはねのけられてしまった場合、敗北・淫夢失敗となる。だが、僕をいないものとして裸の少女の会話と肉体を見せ、卑猥な会話で誘惑し、勃起を誘ってしまえば、“既成事実”を作り上げることができてしまうという戦法だったんだ!

 しかもクピドの矢によって、僕はこの年代の娘たちに異様に興奮的反応を示し、彼女たちの全身どこもかしこもに、通常以上の性的な魅力を感じてしまう精神にされてしまっていた。

 立っちゃったら負けだが、抑えることはできなかった。

「くすっ……」
「私たちの勝ち~」
「きゃーっ、ヘンタイにいちゃんだー!」

 女の子たちは一斉に、敷き布団の領域になだれ込んできた!

「うゎっ!!」

 僕は3人の少女に横向きに寝かされる。その前後に1人ずつ女の子がはり付いてくる!

 ペニスはすかさず、1人の少女のお尻の肉に包まれた!

「ボッキしちゃったんだからしょうがないよねー」
「ああっやめ……」
「ほぉらっ! あたしのお尻、ちっさくてプニプニやわらかいでしょー?」

 お尻少女がペニスをむにむにと揉みまくる。ペニスは軟らかな肉に包まれ、圧迫されながら、あちこちにこすれて、根元から先端までまんべんなくモミモミされ続ける。少女の腰は激しくくねり、膨らんだヒップは容赦なく右側左側の尻肉でペニスをこすりあげ、やわらかくめり込ませてきた。

 むにゅむにゅと刺激され、ひしゃげる肉厚で包まれながら、ペニスはどんどん高められてしまう。つるっつるの背中が僕のお腹にこすれていくが、相手が少女過ぎるため、いいニオイのする柔らかな髪は、僕の胸板周辺をくすぐるばかりで、全然頭部に達しない。彼女のお尻の位置と僕の腰の位置が同じ高さにあるのに、ちいさな肉体は、僕の乳首の高さまでにしか、達していないのだ。脚も僕よりずいぶん短く細く、僕の脛くらいにしか達していなかった。

 それでも、第二次性徴の始まったヒップは柔らかく膨らんでおり、ペニスをどこまでも飲み込むに十分、弾力に満ちあふれているのだった。その吸い付く肌触りは、完全に“異性”を感じずにはいられない魅力だ。

 背後からしがみつく少女は、ふくらみかけの、スポーツブラをしはじめたばかりのお胸を、一生懸命僕の背中に滑らせてきた。大人ほどには潰れる弾力がないものの、弾けるようなみずみずしい肌触りは、男から精を絞るに十分な攻撃力を具え、オッパイの肉付きをきめ細かに感じることができるようになっている。

 その娘のフトモモが僕のお尻にしっかりはりついて、前方のお尻少女から逃れられないよう、しっかりガードしている。

 3人目の少女は、がら空きになった僕の頭部に目をつけ、強制膝枕をする。しかも正座で僕の頭を乗せるのではなく、あえてあぐらをかいて、むっちりした生足の内股部分に、僕の頭部を乗せてくるのだった。それによって、ぷにっぷにの弾力がさらに僕の横顔にめり込む構造にできる。

「ううぅ……」

 だめだ!

 ここで負けて射精してしまえば、彼女たちはしつこく迫ってきて、何度でも精を奪おうとしてくるだろう。そして……この淫らな背徳の夢は延々と終わらなくなってしまう。射精を堪えるんだ。また、一方的に快感を与えられるばかりではなくて、こっちからも反撃して、この3人を倒してしまわないと。

 フザケンジャーになれない以上、神谷として、生身のまま応戦しなければいけない。クピドの矢に毒された状態で、うまくいくかどうか自信がなかった。でもやるしかない。

 ひとつだけ、突破口があったはずだ。少女たちは、攻撃力としては相当のものではあるものの、そもそも経験に乏しく、快感にも弱い。少年がすぐイッてしまうのと同様に、きっと少女だって思った以上に早く絶頂してくれる。快楽に慣れていないのが弱点なんだ。

「ごにょごにょごにょ……」
「えっ?」

 膝枕の女の子が、何かを言った。が、声は聞き取れたが、日本語ではない、そもそも聞いたこともないような言語を、もごもご言って、内容が分からない。

 どきっ!

「!!!」

 急激に心臓が高鳴る!

 誰か好きな人に告白する直前のような、極度の緊張。

 顔が真っ赤になり、ドキドキがさらに止まらなくなる! なんだこれ!?

 すると、お尻少女の跳ねるような腰使いに、僕はすぐさま夢中になった。

「へへへー。あたしのこと、スキでしょう? 好きになったでしょう!」
「うああ! なにこれっ!!?」
「私たち、魔法少女なの。ほれごにょっごにょっ……みんなのこと大好きになぁれ♪」

 とたんに、クピドの矢に輪をかけた魅了魔法が、僕の全身を覆い尽くした!

 少女たちに対する欲情を高める“属性開発”のみならず、とくにこの3人だけを本気で愛してしまう魔法の力だった。本気で好きな異性に、今現在ペニスをむさぼられ、とことん愛されている!

「ああ! だめえ! うぁ!」

 僕は拒否の姿勢を示しながら、しかしどうしても、目の前の少女の頭部をギュッと抱きしめ、その小さな髪に鼻を埋めて、女の子の体にしっかり密着し味わってしまう。

 少女のお尻はペニスをスリスリ揉みしだくのをやめてくれない。

 出したい! 心底愛するこの娘に、精子を提供してしまいたい! そんな強い劣情が、全身を駆け巡り、心臓はドキドキしっぱなしになっている。

 イかせないと……倒さないと……僕は震える手で、前方の少女のツルツルなオンナに手を伸ばした。そして激しく動くワレメのスジを、ゆっくり愛撫し始めた。

「あははっ、か~わいいネ、おにいちゃん、それであたしを責めてるつもり!? ……ガード!」
「!」

 魔法少女の股間周辺に見えないバリアがまとわりつき、僕からの責めを受け付けなくなる。いくらいじりまわしても、少女の性感神経に僕の刺激が届かなくなった。

「私たちの防御魔法、よっぽどのレベルじゃないと、ダメージ与えられなくなるよー♪」
「あと、マジカルガールって精力たっかいから、カンタンにはイかないけどねー!」
「ああっ! もう! ……っ!」

 びゅくん! びるびるっ!

 ついに僕は、女の子のお尻の暴れる揉みしだきに耐えきれず、ペニスを律動させた!

「どんどん本気を出していってあげる……まだ魅了魔法が続いてるでしょ」
「うああ……気持ちいっ……」

 びるっ……びるるっ……

 しゃ、射精が終わらない!?

 絶頂していながら、イク直前の多幸感が次々とこみ上げ、玉袋の精液をすべて出し切っているのに、ペニスはあいかわらず脈打ちを続けている。1分、2分と経っているのに、律動が全然収まらない!

「魔法のチカラで、根こそぎエッチな精を出し続けられるんだよー。いーい気持ちでしょー?」
「素人が高レベルのマジカルガールに手を出すとこうなるんだよねー」
「ああ……もうやめて! うああ!」

 出し尽すまで、少女のお尻はペニスを容赦なく刺激し続けた。数分経って、やっと射精の律動は収まった。

 ぐんっと強い魔力が全身にまとわりつく。少女たちは時折、ゴソゴソとなにやら唱え、それが呪文となって僕の心を引きずりこむんだ。

 魅了に加え、攻撃が鈍くなる魔法、体が重くなる魔法、体表面の性的な刺激に敏感になる魔法がかかっていく。

 さらに、出し切ったはずの精が、みるみるうちに回復していくのが分かる。淫夢の影響と、魔族のそもそもの力でもあるのだが、魔法少女たちがまとわりついて、さらに急ピッチで性欲を復活させる魔法を駆使しているんだ。

 倦むことも疲れることも痛むこともなく、玉袋には体液がしこたま溜め込まれ、さらに僕自身の恋心も手伝って、性欲はギンギンに復活する。

 すりすりすり……

 交代して別の娘が僕に抱きつき、自慢の生足を僕の両脚にこすりつけた! スベスベで、11~12歳とは思えないほどのシコシコ吸い付く肌触り……もともとこの年代の娘たちが、これほどの魅力的なふとももを具えていることは分かっていた。カラオケ店で経験済みだ。

 しかし、魔法少女たちは百戦錬磨、さらに肌の質を高め、ぷにっぷにで滑らかすぎる感触を身につけている。そこに魔力が加わり、彼女たちの肌のどこもかしこもが、男の体に触れるだけでその場の性感神経を刺激できるようになっている。

 後ろからも、容赦なく生足がこすりつけられた。僕は左右の足をしきりに前後させて、少女たちの滑る肌触りをさらに強く深く味わい続けた。

 ぐちょっ……

「ひあ!」

 女の子は突然、ペニスをオンナの中にねじ込んでしまった! 少し腰をくねらせたなと思った次の瞬間だった。女の子のお腹周辺で勃起していたペニスは、あっという間に彼女の膣内奥深くまで収まってしまう。未熟なはずの性器なのに、どんな男の太い長い男根でも丸呑みできるよう、強化されているのだった。

 くっちょくっちょくっちょ……

 少女は脚を開いて大きく下半身を前後させ、ペニスを膣内で激しくしごき立て続けた!

「だめ! だめえ!」

 腰を引いて挿入から脱出しようとしても、後ろの子供がそれを許さない。僕のお尻はギュッと押し返され、ペニスはマジカルガールに丸ごと差し出されてしまう。

 また出てしまう! て、抵抗しなければ! ああっ……でも……イク直前の感覚が急激に強まる。

 渾身の力を振り絞って射精を堪えようとしたが、これまで数え切れない大人の男を射精させてきた魔法少女に、しろうとのガマンなど通用するはずがなかった。

「ごにょごにょごにょっ! いっぱい出しちゃえー!!」

 また何らかの魔法が使われた!

「ひぁ!!」

 お尻がくすぐったい! アナルのさらに奥が、むずむずし始めたかと思うと、急激にハッキリと、体の奥の快感に変わっていった。ぜ、前立腺が……直接刺激されている感覚!

「性感のまほうだよー☆」
「男の人のお尻の奥が、じかにグリグリ舐められているのと同じになるんだ。」
「気持ちい?」

 どばあ! びゅくあ! びくびくん!

 大量の精液が、マジカルガールのオンナに注がれていく!

 ただでさえイク直前だったのに、快感魔法によって、律動はさらに速められる。しかもそれが、やはり数分間続くんだ。

「も、もうだめぇ! いやああ!」

 僕はペニスを脈打たせながら、強く腰を引いて、マジカルガールたちを振りほどき、無理矢理起き上がる。だが、絶頂は止まることなく、とっくに出し尽して一滴も出ないまま、ペニスだけがビクビクと律動している。

 そんな状態ではすぐに捕まってしまう。

 3人目が、僕にしがみついて座位でハメ込んできた! イッている最中なのに、その律動ペニスを小さな手で掴んで、そのまま一瞬で腰を落とし、オンナの中に包み込んでしまったのだ。僕はイキながらマジカルガールの膣内に締め上げられることになった。

 僕はあぐらをかいて座らされた体勢で、女の子がしがみついて全身上下されるに身を任せるしかなかった。

 すべすべの全身の肌が、僕の肉体を滑っていく。背後からもしがみつかれ、背中が支えられている。

 さらに僕の股へと首を伸ばしたマジカルガールが、玉袋のあちこちを丹念に舐めてくれている。舐めながら女の子は短い呪文詠唱をくり返し、玉袋の中の精液が急激にかき回されていく。それらの体液は一刻も早く尿道から外へ出ようという強い圧力になる。

 アナルの奥を刺激する魔法の効力が執拗に続いていて、玉袋も会陰もお尻の奥までも、魔法少女たちの肉体や呪文の餌食となる。

 魔法のパワーと、ロリロリな肉体を武器に、多数の男性を絶頂地獄へと追いやってきたマジカルガール。それが3人がかりで僕ひとりめがけてくれば、ひとたまりもないに決まっている。彼女たちは、男を射精させる専門の女のコドモなのだ!

 ペニスがさらに脈打つ! どばどばと白濁液は少女の膣内に絞り上げられ、急ピッチでつくられた生殖細胞は、生殖の意味を失ったまま、1cc残らず奪われていく。しかも、出し尽しても絶頂自体はまだまだ終わらないんだ。精通前の男子のペニスのように、ただヒクヒクと素早く脈打ち続けるばかりである。

 もちろん、快感は一切衰えることなく僕の下半身を貫き通し、少しも衰えることなく与えられ続けていた。

「いや! やめてえ!」

 必死で抵抗した僕は、少女たちを押しのけて、部屋の隅まで這いずるように逃げていく。それでも魔法によって、精子は限界まで生産され、性欲も衰えることなくそそり立っている。

「あははっ、逃げられないよー!」
「すんごいこと考えた! ぴゅっぴゅるるる~!」
「うああ!」

 女の子たちは敷き布団の上で立ち上がり、それ以上には近づいて来ない。しかし、呪文の力が僕に覆い被さっていく。体が重く、僕は部屋の隅に四つん這いになったまま、身動きが取れない。ずんと重たくて、動作がとてもスローになる。

 それだけではなかった。魔法はしっかりと僕の体を包み込み、動きを止めさせた状態のまま、じかにペニスに襲いかかっているようだった。

 きゅ~~んとペニスがくすぐったくなる。と、強い快感がペニスに襲いかかり、さらに電流のようにお尻の穴まで駆け巡っていく!

「これスゴイでしょう! さわってないのにおちんちんが感じるマホマホ!」
「いや! いやあ!」

 誰にも触れられていないペニスが、きゅんきゅんとくすぐったい快感に包まれる。

 ペニスの内側の性感神経がすべて刺激されていて、体の奥まで気持ちいい感覚がじわじわ責め込んでくる!

「こーんな魔法はどうかなー?」

 布団から離れているはずの少女たちの肉体が、目前に迫ってきた! 実際には離れたままなのだが、魔法で少女たちの肉体が間近に迫っているように見えるんだ。拡大鏡のような感じ。

 しかも、ただ拡大されているのではなく、膨らみかけた乳房、まだまだ幼い乳輪や乳首、ツルツルのオンナ表面や、お尻、生足など、性的な魅力をたっぷり含んだ部位ばかりが、僕の目の前に強調されているのだった。

 僕はマジカルガールたちのあられもない肉体の群を凝視しながら、自動的に加えられるペニスへの性的な刺激にぶるぶる震えた。

 ついにペニスは、誰にも触られないまま、白い床に精液を吐き出した。吐き出すともう止められず、溜め込まれた白濁液は全部押し出されてしまう。そしてやはり……律動は数分続くのだった。

 僕は再び敷き布団に引き戻され、仰向けに寝かされる。

「じゃあ今度は、魔法つかわないであげるね。」

 急激に体の重さが消えた。魅了も、アナル魔法も効力を失った。

 だが、反り返ったペニスの上にはツルツルのオンナ表面が乗っかり、ズリズリと騎乗位スマタでこすっていく。魔法少女は、魔法を使用しなくても、十分に性的な攻撃力を具えていることを思い知った。

 別の女の子が両手で玉袋をくすぐり、心地よい刺激を送り込み続けた。3人目は僕の横に寝そべって、太ももを僕の上半身に滑らせ続ける。

 抵抗して逃げようとすれば、彼女はすかさず挿入に持ち込むだろうし、使わないという約束を破棄して多重魔法攻撃に移行するはずだ。それだけは避けたい僕は、このまま我慢し続けるほかはないのだった。しかし、そんなガマンをする男など、すでに数え切れないくらいに絶頂させてきた女の娘たちは、意に介することなく僕への性的虐待を続ける。

 むにむにとオンナ表面は容赦なくペニスをしごき立てる。こちょこちょとくすぐる玉袋への刺激は、僕の射精本能をとことんまで追い詰めていく。

 完全敗北だった。

 もはや魔法なしでも、生身で戦っても、絶対に勝てない相手だった。ホットドッグされたペニスは激しく律動し、精液が僕のお腹にぶちまけられる。出し尽してもしつこく脈打ちが続き、その間じゅう、絶頂の快感が僕を支配し続けた。

 ごぼっ……ごぼごぼっ……

 敷き布団が水のように溶けていって、僕の体は沈み込んでいく。魔法少女たちは姿を消し、僕は乳液と化した布団の中に沈んで、温かいお湯の中に入っているような心地よさに包まれる。

 ぶんっ!! ぶんっ!!!

「!!!!!」

 急激に目が覚めた!

 そこはカプセルの中。僕は複数回の電圧をかけられ、蘇生したのだった。

ポッティ:「やれやれ。失敗だ。」
佐伯:「死にはしないが……しばらくは動けんな。」

 僕は声も出せず、体も動かすことができなかった。

 フザケンジャー本部だ。僕は強制的に気絶させられ、淫夢の世界に入り込んで……射精が止まらなくなって強制蘇生されたのだった。

 淫夢の中でクピドの矢の対処を見いだすはずが、淫夢の力が強すぎて、僕は完全敗北し、その肉体は魔界へと引きずられるところだったのだ。危ういところで蘇生措置が執られ、僕は現実世界に帰ってくることができた。

 だが、強い電気の力なのか、僕はくぐもった声さえも出せず、筋肉がこわばって指一本動かせなかった。



######



ヘルサたん総統:「……それで。一応進捗を聞いておこうかしら。」
ボウイ将軍:「はい。すべては計画通りでございます。すぐに目に見える結果にはできませんが……天国軍団、および常任天国軍団の人数は、ひとり、またひとりと、少しずつ増えております。常任天国軍団がひとりできれば、そこに複数の天国軍団の娘たちが付き従い、系統化・組織化を進めているところです。」
ヘルサたん総統:「わかったわ。それでいい。くれぐれも、急がないこと。じっくりでいいから、着実に増やして行きなさい。急激に増やせば、ポッティのセンサーに引っかかってしまうからね。奴に見つからないよう、必ず水面下で、ひとりずつを大切に常任に仕立て、育てるように。」
ボウイ将軍:「かしこまりました。」

 居城で交わされる、ヘルサたん総統とボウイ将軍とのあいだの秘密通信だ。魔界と人間界を繋いでいる。あくまで秘密の通信なので、傍受されないよう、何重にもガードが敷かれている。

 その通信は、2人以外には決して分からないものである。ポッティたちには通信そのものの存在が認識できない。そして、仲間内であるはずの、カリギューラ女王にも、フローリア将軍にも、分からないようにしてある。

 フローリア将軍は、すでに2人のあいだで秘密の通信を行っていることを察知していたが、「音声」を自在に操り、敵のヴォイスにもエキスパートであるフローリア将軍をもってしても、この通信を盗み聞きすることはできなかった。無理に内容を聞こうとすると、意味不明な言葉が延々と返ってきてしまい、わけが分からなくなってしまうのだ。

 フローリア将軍もそれが分かっているので、通信が行われているな、ということを察知しても、それをもう聞き取ろうとは思わなくなっていた。

 だが、……確実に、ヘルサたん総統とボウイ将軍は、自分たちにさえ知られないようにしながら、何かを企んでいるんだ。そしてそれは、絶対的に、私や、カリギューラさまにとって、決してプラスにはならないものの筈である。

 ヘルサたん総統、やはり信用ならない。何か打つ手はないものか……そんなことを考えていた。

ボウイ将軍:「もうひとつ、例の場所への接触も、少しずつ進めております。……こちらは簡単にはいかないもので……」
ヘルサたん総統:「ああ。あっちは難航するに決まっているから、後回しで構いません。いまは常任を増やすことと、フザケンジャーどもを陽動作戦で踊らせることを優先させるように。」
ボウイ将軍:「はい……。フザケンジャー……はい……」
ヘルサたん総統:「どうかしたの?」
ボウイ将軍:「えっ!? え、ええ、えぇえぇ! な、なんでもありませんよ! なんでもないですってば! やだなあっヘルサたん総統! べっ、べつにフザケンジャーだかカミヤクンだか気になんてしてないですってば! 倒しますよ! 必ず! えぇ! 倒しますとも! ただですね、あの子、ちょっと敵に優し……あっ、甘いトコロがあるもんですからね? その甘さを、こう、どうにか突けば、突破口も見えるんじゃないかなーって! それだけですよ! やですよぉヘルサたん総統! もぅ!!」
ヘルサたん総統:「……。(わかりやすすぎるだろオマエ……)」

 残念ながら、ボウイ将軍の”呪縛”は続いている。それは、自らを異世界に転送する代わりに、己の能力を極限まで削られ、呪いともいうべき弱点を付加されるというものであるものである。

 ボウイ将軍ほどの魔力の持ち主は、簡単に人間界に来られては困るので、ポッティが防護壁を張り巡らせ、異世界同士を行き来できないようにしてある。それを魔術で無理に通ろうとすると、魔力は減少し(ただしそれでも怪人よりはるかに強くなっている)、さらに、個人差はあるものの、ある欠陥を与えられてしまうようになるのである。

 ボウイ将軍の場合、触れた男性に心底から心を奪われ、惚れきってしまうというのが、その呪縛である。

 鉄の心の持ち主だった、寡黙なボウイ将軍は、初期の頃にフザケンジャーと相まみえ、ひょんなことから触れ合ってしまい、それ以降、どうしても呪縛によってフザケンジャーへの恋心を高める一方になってしまっているのである。彼女がおいそれとフザケンジャーの前に姿を現せないのは、常任天国軍団を増やす、ある筋との接触など、ほかの任務があるからという理由だけではなかった。

ヘルサたん総統:「とにかく。私の許可があるまで、あなたはフザケンジャーと出会ってはいけない。コツコツ常任を増やし、陽動作戦を定期的に入れていけばそれでいい。わかった?」
ボウイ将軍:「はっ。御意に! すでに一件、陽動を入れてあります。」
ヘルサたん総統:「よろしい。」

 表だった活動は控えながら、天国軍団と常任天国軍団は、確実に数を増やし、組織化されている。ヘルサたん総統へのこの報告は、彼女を安心させるに十分な情報であった。

 なお、天国軍団は、魔族によって強制的に巻き込まれる女性たちである。精神はそのままで、肉体のすべてを操られて、男性から精を絞る女の軍団である。

 彼女たちの心は残っており、どんなにイヤでも、勝手に体も口も顔の筋肉も言葉も動き、魔族の指示どおりにセックスを”させられる”存在である。相手を選ぶこともできない。

 どれほど嫌悪感を募らせても、全身の筋肉も内臓も何もかもが操られているので、吐くことさえも許されないまま、性的な行為に耽ることになる。それも笑顔で、強制的にである。その心のトラウマは計り知れない。

 魔族に年齢は関係ないので、性行為が可能な年齢の娘なら、容赦なく天国軍団に引き入れられる。彼女たちの意思は無視される。低年齢であればあるほど、勝手に体が動いて性行為を行ってしまうことは、この上もなく苦しいことであり、心の傷はあまりに深い。だからこそ、フザケンジャーの神通力で記憶を消去し、トラウマを残さないようにしなければならないのだ。

 一方、常任天国軍団は、一時的に操られる存在と異なり、あくまで”自分から”天国軍団たることを望む女たちである。理由はさまざまあるだろうけれども、セックスに対する嫌悪感がほとんどなく、男の精を魔族に提供して糧とすることに喜んで協力する、より凶悪な集団である。彼女たちは操られているわけではないので、自分の意思で逆レイプを行い、指示があれば喜んで精を奪いにかかる。

 そうやって魔族に絶対的な忠誠を誓う代わりに、セックスの能力が強化され、肌の質や膣の感触も含め、元の自分とは見違えるほど見目麗しい外見になる。美人になりたいという理由で常任になろうとする女性さえもいるくらいだ。90キロ近い体重にまで太りすぎて悩んでいる少女が、一晩で常任天国軍団として生まれ変わり、スレンダーな美女に変身した例もある。

 そして、常任天国軍団には、佐伯仙術と神通力が通用しない、特別なピアスを装着する権限が与えられることになる。神通力が性感神経を刺激する前に、瞬時にしてそのパワーをピアスに集め、空気中に散らしてしまう効果がある。つまり、常任天国軍団に佐伯仙術は通用しない。……ただし、佐伯翔は、そのピアスの特性を逆手にとって、佐伯仙術を直接体内に転送させ、常任天国軍団のひとりを倒したことがある。

 魔王たちの暗躍は続く。フザケンジャーは、少数の組織であり、実質たったひとりの孤独なヒーローである。どう立ち向かうのがよいのだろうか。



######



 ぴぴぴー! ぴぴぴー! ぴぴぴー!

 しばらく時間が経過し、僕がやっと動けるようになった頃、フザケンジャー本部の警報が鳴り響いた。

並木:「天国軍団が現れました!」
佐伯:「なっ……こんな時に……」
並木:「場所は……関東の豆腐ドゥーブツ公苑敷地内です。数人のJSとJCがアトラクション内で男性ひとりを物陰に連れ込んでいるとの情報が入っています。」
佐伯:「仕方がない、フザケンジャー、出動だ。」
僕:「そんな……ちょっとは休ませてくださいよ……」

 電撃のショックからやっと立ち直ったばかりで、クピドの矢も相当に染みこんでおり、体も心もヘトヘトに疲れている。

ポッティ:「しかし、放っておくわけにもイカンだろう。相手は小中学生、きっとナニモノかに操られているに違いない。」
並木:「女性にとって、強制的に意思に反してセックスすることは相当な苦痛。ましてやコドモでは、一生の心の傷になりかねないわ。」
佐伯:「どうやら情報では、大規模ではないらしいし、大騒ぎというわけでもなく、わりと簡単に倒せそうな小集団のようだ。クピドの矢のせいで、お前はこの年代の少女たちに滅法弱くなっているが、今回は乗り切ってくれ。」
僕:「うぐ……しかたないですね……」
ポッティ:「もうすぐ”強化ベルト”ができあがる。相手の性的魅力に対して鈍感になるよう、脳に特殊な波動を送り込む装置だ。これを頭に巻けば、多少ではあるが、クピドの矢に抵抗できる助けになるかも知れん。」
僕:「おおおっ!!?」
ポッティ:「だが……強化ベルトはあくまで補助装置。クピドの矢の魔力の強さには到底及ばぬ。やはり君自身の精神力が頼りとなるだろう。それに、残念ながら、まだ強化ベルトは完成していない。もう少しだけ、時間がかかるのじゃ。残念だが、強化ベルトは今回は間に合わない。」
僕:「そんにゃー!!!!! 役立たずー!!!」

 豆腐ドゥーブツ公苑といえば、日本人で知らない人などひとりもないというくらいに有名な、動物園と遊園地の融合した総合施設で、あの出銭関係やUFなんとかに比肩してあまりある勢いの超人気レジャーランドだ。すべての施設に、日本の伝統料理である豆腐がモチーフに使われ、動物のエサはすべて豆腐のみ、そしてレストランもすべて豆腐料理というこだわりようだ。……だが、ここからどうやって、公苑まで行けばいいんだ? 行き方が分からんぞ。

佐伯:「えっと……ナビによるとだな、まず酒々井から柏に出て、豆腐線に乗り換え、春目部経由で業平橋駅まで行き、そこから直通線に乗り換えれば、そのレジャーランドに着くらしい。今回も電車だな。がんばってね。」
僕:「いやいやいやいや! なんかおかしいだろその道順! ヘンな往復してるだろ! なんだよ業平橋って! ……ねーもー! 電車めんどくさいよぉ! 車買ってよー! 新車買ってよおお! 運転手つきでさー! ゼイタクは言わない。スターレットか何かでいいからさー……」
佐伯:「もう造ってねーよwww いいから早く行ってこい!」

 どきゃ!

 僕はフザケンジャー本部を蹴り出された。……仕方ない、今回も電車で行くしかないのか。

 レジャーランドに着いたのは、それからしばらく経ってからだった。だいたいカシワ経由ってのがそもそも間違ってるんだよな! ちゃんと調べ直しておいてよかった。

 時間はすでに夕暮れ時。暗くなり始め、街灯が徐々に点灯を始める。しかし日は沈んでおらず、空が赤く輝いている。

 人気が……ほとんどない。

 人気アトラクションだったはずの豆腐ドゥーブツ公苑は、この時間でも賑わっているはずだ。平日にも若者がやってくるし、休日は家族連れでごった返す。それなのに、僕が到着したころには、人の気配がほとんどないのだった。

 まずい……魔族に制圧された後なのか!? それとも……なにかの魔力で”人払い”がなされているのか。どっちにしても、心配ではある。この静けさは異常だ。絶対になにかのチカラが働いている。間違いない。

 だが、人の姿が見当たらないということは、当然、天国軍団たちの姿も見当たらないということだった。動物園ブースより、遊園地の方が怪しい。そう睨んだ僕は、ほとんど稼働していない遊具のあいだを歩き回り、敵の存在や気配を察知しようとした。

「!!」

 あっちで物音がする。メリーゴーランドの反対側だ。僕はこっそりとビニール製の屋根に登り、そっと反対側を覗いてみた。高いところは苦手だが、降りるときに佐伯仙術を駆使すれば、一瞬だったらなんとかなる。

 思ったとおり。メリーゴーランドの反対側には、5,6人の子どもたちが呆然と立ち尽くしている。それ以外に人の気配はない。この娘たちは何をしているんだろう。情報では男性を連れ込んでいるということのようだったが、男の姿は見当たらなかった。出動してから2時間ほど経過しているので、すでに吸い尽くされた後なのか。

 この娘たちが天国軍団であることも間違いがなかった。彼女たちはただ立ち尽くし、何もしていない。会話もほとんどなく、遊んでいるわけでもなく、ただそこに立ったままだ。彼女たちは、何者かに肉体を操られ、そこにいることを命じられているんだ。自分の意思が残っているまま、肉体その他すべては魔族に操作され、何もかも、身体は言うことを聞かない。泣き叫ぶための器官も筋肉も、自分の意思で動くことが許されない。だから彼女たちは黙って立っているんだ。

 見た目からすると、そこにいるのは全員が中学生のようだった。制服を着ている娘、やけに大柄な私服の女の子、かと思いきや制服中学生なのに140センチ未満の美少女も混じっている。

 彼女たちは大がかりな活動をせず、そこにいた男ひとりを食い物にした後は、この場所で立ち尽くすよう命じられているんだろう。その目的も……僕だ!

 彼女たちは僕が来るのをひたすら待っているんだ。クピドの矢によって、小中学生に対する耐性が完全に失われている僕にとって、彼女たちはこの上もない強敵である。5人くらいではあるが、こうして屋根部分から遠巻きに少女たちを眺めているだけで、すでに僕の心臓はドキドキ言い始めている。もっと近づけば、一瞬で彼女たちに惚れ込んでしまい、ヘタをすれば我を忘れて少女たちにしがみつき、そのまま射精し続けてしまうのかも知れない。

 いや!

 そんなことではだめなんだ!

 気をしっかり保ち、彼女たちの未発達な肉体の魅力に抗って、イかせて倒していくしかない。それが僕の責務であり、僕がここに来た理由でもあるんだ。

「とうっ!!」

 僕は目をギュッとつぶって屋根から飛び出し、彼女たちのいる方にめがけて飛び降りていく。高いところは苦手なので、ある程度の高さまでは目を開けられない。

「こおおお! 佐伯仙術奥義、対地疾風!」

 びゅううう! 僕の体の周囲から強い風が起こり、それが地面に叩きつけられると、空気の圧力によって、僕の落下スピードが遅くなる。神通力にはこんな使い方もあるんだ。これなら、高いところから飛び降りても、とりあえずは怖くないってわけだ。

 少女たちは、人形のように立ち尽くしていたが、僕のかけ声によって、一斉に生気を吹き返し、ガバッと上を見上げてくる。

「あれはっ!?」
「トリだ!」
「飛行機だ!!!」
「……ハクビシン?」
「ぷっ、イタチっすよ。」

 大柄な娘がとりあえず一番悪そうである。

「イタチじゃねーよ! ナメてる戦隊、フザケンジャー! ただいま見参!」

 僕は少女たちの前で戦隊のポーズを取る。操られている彼女たちを倒し、その記憶を奪えば、とりあえずは任務完了だ。

「ふぉーほほほほ! ひっかかりましたねええ!」
「!!!??」

 突然、僕の背後から声がした。急いでふり返ってみると、そこには……

「しまった……罠……」

 立ち尽くしている少女たちは囮だった。僕が少女たちの前に姿を現したのを見計らい、隠れていた”別働隊”が、ぞろぞろと姿を現したのだった。

 真ん中には、白い仮面を被った背の高い美女が、ぴっちりタイツを身につけて立っている。タイツの下は全裸のようで、チクビが浮き上がっている。

 そして、おとなの仮面女性の周囲には、2,30人は軽く超える小中学生の軍団が、操られた状態で、裸になって、お姉さんの横にずらりと並んでいた。少人数と見せかけて、背後から大勢が姿を現し、僕を取り囲む……それがこいつらの作戦だった。

 間違いなく、仮面の女が常任天国軍団であり、そいつの命令で、年端も行かぬ娘たちが全裸で動かされているのだろう。外で、人前で、自分から服を脱いで裸になることだけでも、勝手に体が動いて全裸になってしまう自分を止められないというだけでも、彼女たちのストレスは相当なものの筈だ。なんとかこの仮面女を倒し、少女たちの記憶を消去、救い出さなければ!

 ばばばばばっ!!!!!

 全裸少女たちは一斉に、”クピドの矢”を構えた。カラオケ店で、さんざんロリ属性が開発されてしまった僕を、さらに強く深く魅了させてくる気かっ!

「うぅ……」

 すでにドキドキが止まらない!

 少女たちの上半身はほとんど発達していないが、肌の吸いつく魅力は十分に女性的なみずみずしさをたたえ、男子と同じようにするーんとまっすぐなのに、女の子たちの上体は、男子のそれとは完全に一線を画する性的魅力に満ちあふれている。

 そして、その下半身は、立派な武器として、どこもかしこもが精を吸い上げる凶暴な成熟を始めていた。10歳にもなれば、その生足はプニップニでシコシコした肌触りを身につけており、ちいさくて短いふとももなのに、男の脚をこすればゾワゾワした心地よさを男性に与え、その内股でペニスを包みしごけば、すぐにでも精液を奪い取れる……そのくらいにまで、速い成長をして女らしさを高めている。第二次性徴おそるべし。

 さらに幾人かは、14,5歳くらいになっていて、胸もしっかり膨らんだ娘も混じっている。ただし、その乳首はまだまだツボミのままという、コドモの顔つきと連動した乳首であった。それなのに、胸の肉だけが盛り上がり始め、左右非対称な肉付きになっている娘までいる。おっぱいが膨らみ始めている途上であることを、如実に物語っていた。

 そして、年齢にかかわらず、毛の生えていないツルツルのオンナ表面が、全員、僕めがけて向けられている。みんな同じような女性器ではあるが、ワレメのスジもどれもこれも魅力的であり、年齢や成熟の遅早次第で、個性にあふれてもいるのだった。

 僕は彼女たちの上半身ばかりでなく、下腹部にも釘付となった。あの娘たちの、いけない器官に触ってみたい! そんな強い欲動が、ずんと全身を突き抜けてしまう。

 クピドの矢が放たれ始める! だめだ! これ以上に、矢を身に受けてしまっては……カラオケ店の苦闘以上に、決定的な敗北が僕を待ち受けている。

 避けきることはできない。だが、神通力で、矢の多くを食い止め、はじき返すことができるはず!

「うぬおおおおお!!!」

 僕は佐伯仙術をフル稼働させ、前面に強力なバリアを張る。これで防ぎ切れはしないことは分かっているが、放たれる矢の多くを受け止め、そこに留まらせることはできるんだ。魔力をたっぷり含んだピンクの矢は、神通力と中和されて効力を失い、バリアに刺さったものが次々と消えていく。

 それでも、10本に1本くらいは、バリアさえ突き抜けて、僕にめがけて飛んでくる。僕は巧みに、クピドの矢を避け続けた。こちらに届いてくる本数がかなり少ないので、なんとか避けきることができる。いまのままでも十分に、小中学生の性的魅力にメロメロになっているのに、これ以上一本でも突き刺さってしまったら、いったいどんなことになってしまうのか、考えただけでもゾッとする。

 敵が放てるクピドの矢にも限りがあるはず。あと少し、やり過ごしてしまえれば……なんとか活路も見いだせるかも知れない。

 とすとすとすっ。

「うぐああ!!!!!」

 くすぐったい感触が背中じゅうを駆け巡る!

 前面の大勢の子どもたちが放つクピドの矢を食い止めることに全力を使ったせいで、背後への注意がおろそかになっていた。

 そうだ……背後にも……女の子たちがいたんだ。立ち尽くしていた囮の少女たちが!

「うああ……」

 急激な性欲の高まり! 女の子たちの放ったクピドの矢は、すべて僕の背中に当たり、僕の体の中にめり込み、染みこんでいく。

 僕は性的な弱体化が激しくなり、ちょっとした刺激だけでも、簡単に射精できる状況に陥る。何ヶ月も抜いていないような、性欲でいっぱいのカラダになってしまっていた。しかも、その性欲の矛先は、クピドの矢を放った相手の少女たちに向けられている。

 全裸少女たちの矢を受けることはなかったが、背後の娘たちにすっかり惚れきった僕は、完全に精神的に心を奪われてしまっていた。

 ぼろっちいクマのぬいぐるみを片手に持った140センチ未満の制服娘が、あえて制服姿のまま、フザケンジャーのスーツ越しにペニスを咥え込んできた! 彼女は14歳にしては背が小さすぎて、わざわざ跪かなくても、少し上半身を前に倒すだけで、十分に僕のペニスをフェラチオ攻撃にさらすことができるのだった。

「くすっ……こまちぁん先輩の口、いい気持ちでしょう?」

 大柄な女の子が不敵な笑みを向けてくる。僕と同じくらいか、もしかしたら僕より背が高いかも知れない女の子は、中学生か大人のように見えるが、よく見ると顔はまだまだ子どもっぽいのだった。

「ううぅ!」

 びくん! びゅく!

 精液が律動とともに爆発していく! フェラチオが始まってものの数秒で、そのやわらかな口腔内に包まれ、ふにふにした唇でしごかれ、ペニス先端ばかりを集中的に舐め回すやわらかい舌と、ペニスを奥まで吸い上げてくる強い吸引によって、相手は中学生なのに、可愛らしい顔立ちの小柄娘なのに、そのフェラチオ攻撃とクピドの矢の魅力に負けて、あっという間に精を奪われてしまったのだった。

 体液はフザケンスーツに染み出していくが、浄化装置ですぐに片付けられ乾いてしまう。フザケンジャーのスーツを着ているかぎり、精液がこまちぁんの胃袋の中に飲み込まれることはなさそうだ。だが、敵の女の子に射精してしまえば、僕の精神エネルギーは確実に、魔族の糧になっていってしまう。

 クピドの矢で弱体化した僕は、フザケンスーツの防御力などゼロに等しかった。なまの肌が密着すれば、その感触をじかに受けるのと同じ刺激が伝わってしまう。

 周囲を少女たちが群がり、ジマンの生足で僕の両脚をスリスリしてくる! うああ……なんて……スベスベでやわらかいんだ。細っこいのに、女らしい肌触りと肉付きは、もはや小学生のそれではない。いや……イマドキの小学生は、このくらいの生足を具えているとでもいうのだろうか。

 こまちぁん先輩は一瞬、ペニスから口を離した。だが、それはひとりでフェラチオするためではなく、別の少女と一緒になって、ペニスを舐めるための動きに過ぎなかった。

 赤髪の中学生がこまちぁんの隣で跪き、ペニスの亀頭先端を素早く動く舌で舐め回し始める! そして小柄なこまちぁんもやや中腰の体勢で隣の娘と一緒になって、先端だけをペロンペロンと猛スピードで舐め回していく!

「へへへー☆ 2人がかりの、亀頭先端ばっかり攻撃ですよ~。いかがです? この赤髪の先輩もね、実はこまちぁんの妹さんなんですよー……姉より大きいんですけどね♥」

 大柄少女はさらに得意げな笑みを浮かべた。彼女はあえて手を出さず、2人がかりの亀頭フェラを間近で見て楽しそうに笑うばかりだった。

 敏感な部分に2人の舌先が執拗に絡みつく! ぬりゅぬりゅと滑るように流れていっては、尿道口や裏スジなどの敏感なところばかりを付け狙うようにして、しつこくしつこく舐め回す。そのスピードは、相当熟練していないと出せないくらいに速かった。

「うああ……」

 腰を引こうとしても、全裸の少女たちに取り囲まれ、僕のお尻部分もしっかりと女の子たちの肉体がはりついて、グイグイ押してくるので、僕は立ち尽くしたまま、中学生姉妹のフェラ地獄を受け続けるしかなくなっていた。スリスリと生足がいやらしく滑り続ける。

 びくん! どばどばあ!

 精は情けなくもまたすぐに発射させられてしまった。大好きな小娘たち2人にペニス先端を執拗に舐められ、僕はすぐに感極まって、二回目の射精をあっさり許してしまったのだった。

 このままでは……またカラオケ店の失敗の二の舞だ。なんとかしなければ!

 少なくとも、クピドの矢の影響を直接受けていない、周囲の小学生たちからでも、減らしていこう。彼女たちの性的魅力にも十分ほだされてはいるが、幸い彼女たち自身のクピドの矢は受けていないので、「小学生の身体には異常に性的興奮を覚える」肉体であっても、「彼女たちひとりひとりに個人的に惚れ込む」肉体にはなっていない。それが突破口になるはずだ!

「こおおお! フザケンショット!」

 僕は上半身をひねり、下腹部はこまちぁん姉妹に預けたまま、両手から光の玉を大量に放出した。フザケンジャーのパワーに佐伯仙術を混ぜて強化された、小さな光の玉は、無数に子どもたち全員の肉体に散弾銃のように当たっていき、遠くにいる娘まで届く。

「あひっ」
「くぅぅ!」

 夢の中の魔法少女たちと違って、ただの天国軍団としてムリヤリ働かされている女の子たちは、その性的攻撃力と魅力においては十分な強さを誇っていたかも知れないが、もともとが性に未熟で、無知で、不慣れな普通の女の子たちなんだ。神通力が流れ込んだら、その体内に染みこんだパワーが効力を発揮し、幼い性感神経を直撃していく!

「ふああ……!」

 周囲を取り囲んでいた数人がバタバタと斃れ、気を失っていく。少女たちは同時に記憶を消され、天国軍団のトラウマが残らないようになっている。

 僕は隙を突いて、中学生姉妹の亀頭フェラ地獄から脱出した。「こぉあああ!」気を高め、心を鬼にして、さらに次のフザケンショットの用意を始める。

 がしいっ!

「!!」
「やれやれ。クピドの矢でこんなにも弱体化しているのに、元気がいいですこと。」

 フザケンショットを避け、少女たちの陰に隠れていた、長身の仮面女が、いつの間にか僕の背後に近づき、がっしりと羽交い締めにしてきた! くっそ……やはりコイツが常任だ。だとすると佐伯仙術は効かない。特殊なピアスで、神通力を散らしてしまうんだ。コイツだけは、肉体のセックスバトルそのもので、倒していくしかない。

 女の子たちは作戦を変えた。

 少女たちはフェラチオ地獄をやめ、僕の両脚をがっしり掴む。フザケンショットでイかされなかった娘たちもそれに加担する。

「うゎ! 離せ! なにをするっ!」
「まだまだ、精神力が強いようですから、ちょっとオモシロイことをしてあげますねぇ。ひょほほほほ~」

 仮面女は僕を羽交い締めにしたまま、僕の体を持ち上げる。周囲の子どもたちがそれを手伝い、僕は完全に持ち上げられ抱え込まれてしまった。

「うわあ!」

 そのまま、メリーゴーランドの隣にあるアトラクションに連れ込まれる。

「離せ! いやあ!」

 それは、どこか古びた、きたならしいジェットコースターだった。ゴーカートを思わせる4人乗りの小柄なコースターで、ねずみの顔が小型車両の前面にくっつけられている。

「これぞ豆腐ドゥーブツ公苑の最大名物、”狂気鼠”です。楽しんでくださいねーにょほほほ!」

 ガチョンガション!!!

 サビだらけの鉄の棒が僕の腰部分に降ろされる。ジェットコースターの安全装置のようだった。

「いやああ! やめてえ! 僕高いところヤなのー! ジェットコースター大っキライなのーーーーー!!!!! やーーーめーーーてーーー!!!」

 小型とはいえ、相当の長距離、猛スピードで、高いところから低いところへと、矢継ぎ早に移動する有名ジェットコースターだ。

「うわあん! てかこの安全装置、やけにぶっかぶっかでガッタガタなんですけどー!? サビで穴も空いてんですけどー!? だいじょうぶなんだろねー!? 外れたりしないですよねー!? ねー!?」
「あー……うん。多分ね。ひょほほ、念のため、しっかり掴まっていることですわね。振り落とされたらフザケンジャースーツがあっても大けがでは済まないかもね♥」
「うわああああん!!!!! 離してー! 降ろしてー!」
「では出発しますよ~。」

 仮面女は操縦室に入り、スイッチを押す。そしてマイクをとおして、車体に語りかけてくるのだった。

 ぎぎい……がたたっ……ぎい……ぎい……

 ナニカが軋むような音を立てながら、狂気鼠のジェットコースターが動き出す。数十メートルの高さまで、ゆっくりゆっくりのぼっていくんだ。

「いやあああ! うわああん! おーろーしーてー!!!」
「あー、言い忘れてましたけど、この狂気鼠、昭和56年から一度も改修も補修も手入れもされていない細い金属製のコースターなんで、あちこち錆びてたり曲がってたり軋んでたりしてますけど、多分まだ動きますよー。」
「ひいいいい!」
「途中でレールがポキッとイッちゃって、コースターごと飛び出して宙を舞うかもぉ、なぁんてリスクもまた、スリル満点ですよぉお?」
「いやあああ!」

 仮面女が古びた操作機械をあちこちいじくる。

「設定完了でーす♥ これでこのコースターは連続7回、同じコースを猛スピードで走り続けます。所要時間は18分32秒。まぁ、その間に事故とか起こらなければのハナシですけどねー……ふひょふぉふぉふぉ!」
「たーかーいーよー! やーめーてーよー!!! 降ろしてよおお!!!」泣きそう。

 ごおおおおおおお!!!

「ぎゃあああああ!!!!」

 ジェットコースターは猛スピードで急降下を始める! あああ! ふわっと浮く感じが! この逆Gの感覚がたまらなくいやあああ!

「ほーれほれ、一回転しますよー」
「ぎょべべべべ!」

 ジェットコースターはスピードを落とさないまま、何度も回転し、上下をくり返す。車体が右に左にと大きく傾く。

「あ。いま右側の車輪がレールから外れました。でも大丈夫、たぶん元に戻りますからねええ!」
「ひえええええ!」
「ほぉら。でっかいネコちゃんの口の中に入っていくよぉぉー! ひょほほほ~!」
「も゜ほ゜へ゜へ゜へ゜!!!」

 ジェットコースターは止まることなく、連続7回、同じコースを回り続けた。

 ぎぎい……がったん!

 そして18分32秒後、やっと狂気鼠は止まってくれた。ぎしい。錆びた安全装置が取り外され、僕は仮面女に引きずられるようにして、コースターから降ろされた。そしてメリーゴーランドの前に再び立たされた。

 ちなみに誰も信じてくれないが、この公苑には昔、遊覧ヘリが飛んでいたんだぜ! ホントなんだってば!!!

「にょほほほ! これでアナタもおしまいです。もうほとんど体力も精神力も残っていないでしょう?」

 仮面女の周囲には、まだ10人ほど、少女たちがいた。こまちぁんたちも制服や私服を脱ぎ、全裸になっていた。

 アシがガクガク震える。きらいなジェットコースターにこれでもかと乗せられ、僕は膝が笑ったまま、立っているのがやっとだった。フラフラだ。

 再び子どもたちが押し寄せる! うぅ……絶体絶命だ……このあとの展開は分かりきっている。立っていられない僕を押し倒し、年端も行かぬ女の子たちが次々と騎乗位で僕の精を奪っていくんだ……枯れ果てるまで! くっそ……なんてことだ……受胎能力ギリギリの幼いオンナにしごかれて、情けなくもこんなところで大敗を喫し、二度と立ち直れなくなるなんて!

 分かっている。もし枯れ果てるくらいに精を奪われるようなことになれば、フザケンジャーとしての僕はもう終わりだ。僕の魂は魔界へと転送され、死ぬこともなく延々と、魔界の女たちに絞られ続けることになる。デーモンの息子であることもバレ、さらに大勢の魔族や魔王クラスの敵たちが押し寄せるようになるだろう。通常の男性を遥かに超える魔力が提供される、この僕のペニス一本ばかりをめがけて。

”……気を確かに持つのだ……”

 !!?

”まだ終わりではない。”

 心の声……が……聞こえる……

 心の声……でも……何かが違う。

 人間は普通、何かを考えるとき、自分の声で、自分の言葉で、自分の脳内に語りかけるものだ。しかし……心の声の主は、明らかに僕のものではなかった。

”考えよ。しいっかりと考えよ。……人間とは何か。”

 人間とは……なにか……だと!?

 こんなときに!

 そんな難しい哲学的な話題を、いま考えている場合じゃない。そんなのわかんないし、ああ、僕はもう、精神的にもどうにかなってしまったのだろうか!

”考えるのだ。「人間の本質とは何か」を。さあ、まだ終わりではない。立ち上がれるのだ。お前が倒れれば、残された人間の男たちは、魔族によって精を奪われ放題になるのだぞ。お前が立ち上がる以外に、いまの世を魔族から救う手段はない。さあ、気を確かに持つのだ!”

 この声……聞き覚えのある声……ああ! そうだ、あれは……杉戸村伝説の淫夢で……

 そうだ! 思い出したぞ。杉戸村伝説の淫夢の中で、僕に”ヴァジュラの力”を授けた、まだ逢ったことはないけれども、僕の味方になってくれた男の声だ! ヴァジュラの力とは、佐伯仙術ともフザケンジャーのパワーとも質の違う、法力のようなものである。これを爆発させることで、一気に大勢の女たちを絶頂させることができる。

 ただし、この力は溜め込むのに時間がかかり、一度爆発させたら、少なくとも一日待たなければ、再び使えるようにはならない。淫夢によって授けられ、現実世界でも使用できるようになった法力ではあるが、ほとんど役には立たないんだ。

 だが……この男、大昔の高僧だった男は、僕に何かを託そうとして、この法力を僕に授けたのは間違いない。それは、あの高僧の、数ある種類の法力のうち、ほんの一部ではあるが、絶大な力は確かにある。そして、そのパワーの源である高僧の声が、僕の心の中で、自分が思考しているみたいに、くり返し響いているのだ。

 昔の人であるにもかかわらず、僕の思考として言葉を発しているので、その言葉は現代語になっている。人間とは何か。これを考えることが、重要な鍵を握っていると高僧は言っているんだ。人間の本質とは……

 僕にヴァジュラの力を授けてくれた高僧は、間違いなく、あの杉戸村伝説を解決に導き、大昔に起こったあの村の悪夢を解決に導いたキーパーソンであるに違いない。少なくとも、大きな関わりがあることは確かだ。僕はあの淫夢の中で、もう一度杉戸村伝説と向き合い、闘い、救済することで、確実に強くなっていくし、ヘルサたん総統どもの襲撃をはねのけて、奴らを倒すための一歩となるのも確実なんだ。

 そしてなぜか……あの高僧は、杉戸村伝説だけでなく、この僕自身にも、深く関連がある人物のような気がしてならないのである。あの高僧の正体は一体……

”人間の本性、それは「心」である。”

 僕自身の思考の声と、高僧の思考の声が重なっている。

”心こそが人間である。魔の者はその心を支配することによって、人間を奪うのである。また、人間の心にも、魔を求める部分が介在し、それが人間を苦の娑婆に置くのである。さあ、救え救え!”

 声はそれで途切れた。いくら考えても、もう僕自身の中でも、高僧としての思考は浮かんでこない。残るは、僕自身の思考の言葉ばかりだった。

 心……精神……魂(ガイスト)。

 よくは分からない。だけど、クピドの矢は、確かに僕の心を操り、その相手を好きになってしまい、その相手への性欲属性が開発されてしまうという魔性の武器である。心に直接襲いかかるもの、すなわち人間の本性に直接関わるものだからこそ、これだけ苦労させられているんだ。

 人間とは、心である。それが人間の本質である。魔族は、人間の本質である心のエネルギーを糧にして、パワーを拡大させる存在である。まさに、射精時の「気持ちいい」という心から、魔力が紡ぎ出される。そこに、……あの高僧の法力の本質があるのではないか。

 まだ、すぐには解決する方法は分からないが、一時的な防御ならできるかも知れない。

 僕は立ち上がった。ジェットコースターの衝撃で、まだヒザがガクガクしているが、女の子たちにしがみつかれても、いいように操られることはもうなかった。

 少女たちは、絶頂しやすい。もともと未熟な人間の娘。軽い神通力で、ほんとうは簡単に倒せる敵たちなんだ。でも、僕の本質である「心」が、クピドの矢によって弱体化され、簡単に倒せなくなっている状況にある。それが、この苦境の原因にもなっている。

 いまは……これ以上は考えたくない。目の前の少女たちを救済することだけに、全神経を集中させる。心の目を閉ざし、一時的に無になる。落胆にも近い精神だが、落胆とはまた違う。心にモヤモヤしたものがない。相手のなすがままになる前に倒してしまう以外に、クピドの矢で弱体化した自分をピンチから救う方法はない。

「ふぬうっ! フザケンショット! 連続7回!」
 
 どばばばばばっ!!!!

 大量の光の玉が、周囲の娘たちに瞬時にして当たっていく! ジェットコースターで7回マワされたんだから、こっちも7回イかせてやる! ……ただし、巻き込まれただけの天国軍団は、その絶頂の記憶も消させてもらうけどね。

「こおおおおお!」さらに佐伯仙術をフルパワーで出力、とにかく仮面女以外の娘たちを一瞬で片付けるぞ!

「~~~!!!」
女の子たちは、声を立てることもできずに倒れ込んだ!

 こまちぁんもその妹も含め、全裸の小中学生が次々絶頂していく。連続7回イクほどの快感が、彼女たちの小さな女体を駆け巡っているはずだ。

「おひょおおお!!」

 仮面女が苦しみだした。そして地面に倒れ込むと、がくっと気を失ってしまった。

「えっ……この女……ピアスしてないぞ……!?」

 仮面の女は、常任天国軍団のフリをして、リーダーぶっていたが、実はただの公苑のアルバイトおねえさんにすぎなかった。仮面は、アトラクション衣装の一部だったらしい。この女は……常任のフェイク! ただの天国軍団であり、操られていたひとりに過ぎなかった!

 なん……だと……じゃあ、本物の常任天国軍団は、いったい……

「ふふ……さすがっすね……あれだけいた天国軍団を、私の先輩たちや、私の大事なこまちぁん先輩までも、一瞬で昇天させてしまうなんて……でも、佐伯仙術もフザケンパワーも、この私には通用しないのです!」
「!!!」

 フザケンショット+佐伯仙術をピアスの力で散らせてしまい、いっさいダメージを受けなかった娘……それが、始めに立ち尽くしていたグループに混ざっていた、ちょっと大柄の女の子だった。僕をイタチ呼ばわりした、清楚な外見とは裏腹にとっても悪ぅい女の子だ。

 くっそ……騙された。本物の常任天国軍団は、この子だったんだ。

「私の名は六条ほたる。174センチ! どお? おっきいでしょぅ?」
「くっ……」

 ほたるはすでに全裸だった。この娘……体は女子大生か大人のレディかと思わせるくらいに成熟しているのに、顔だけはとても幼く見える。成長の速い女子中学生か何かなのか。

「へへー☆」

 ほたるは地面に尻餅をつき、両脚をM字に開いて、ツルツルのオンナを僕の前にさらけ出した。

「フザケンジャー、カミヤ先輩、来て……」
「う……うぅ……」

 クピドの矢はほたるも放っており、僕はそのダメージをしっかり負ってしまっている。つまり、彼女の魅力に完全に心奪われてしまっているのだった。

「ね……私、小学5年生なんですよー? しんじられないでしょお?」
「うあああ……!」

 僕は吸い寄せられるようにして、ほたると正常位で結合してしまった。彼女のあけっぴろげにさらけ出されたツルツルのオンナは、発達した大人のものではなく、どこか幼さを残しているとは思っていたが、まさかこれで……5年生!

 大きすぎる! 乳房の発達も、ふとももの心地よく女らしい膨らみも、臀部の安定感も、おとなとほとんど変わらない。それが小学生だったなんて!

 その童顔とのギャップにほだされ、僕はまんまとほたるの誘いに乗り、ペニスを5年生のオンナに挿入してしまった!

「くすくすっ……イタチさ~ん、いっぱい出してくださいねー☆」
「う、これはっ……!」

 間近で見ると、ほたるの幼い顔立ちは、まさに5年生そのものであった。少し化粧をし、着飾ってしまえば、少し離れただけで18歳以上と勘違いされても不思議ではないほど、成長の速い娘ではあったが、ここまで近くで見ると、顔はまだまだコドモそのものだということがよく分かった。

 それにもかかわらず、その肉体は、発育がよすぎて、首から下はもう十分女性そのものになりきっていた。乳首だけすこしばかり小さめだが、それでもこまちぁんよりはずっと膨らんでいて、つまめるくらいに発達している。何より、乳房が中学生以上に、いや、少し小ぶりな大人のオッパイと何ら変わらないくらいにまで大きくなっている!

 それに、そのふとももはスベスベシコシコで、なんら大人の太ももと変わらず、僕と同じくらいの長さを誇ってしまっている。彼女の下半身は、もうどこにも、いとけない部分を残していないくらいに成熟してしまっている。

 ほたるは、常任天国軍団として鍛えられた腰使いで、ぐにぐにとペニスを揉みしだきながら、前後左右に腰を揺り動かしてきた! とても小学生とは思えないテクニックだ。オンナも強化され、僕が心を奪われて腰を振っている間中も、やわらかに締め上げながら、優しくキツく徹底的にペニスをしごき上げてくれる。

「ね、もっと私を好きになってね?」

 ぎゅうう!

 ほたるの膣が強く締まる!

「うああ!」

 どばっ! どばあ! びゅるるるるっ!!!

 さっきと同じだ。

 クピドの矢で弱体化し、性欲も体液も極限まで高められたペニスは、フザケンスーツなどものともせずに、あっさり射精に持ち込まれてしまう。スーツで遮られているにもかかわらず、弱体化のせいで、ほたるの肌触り、生足の感触、膣圧とそのテクニックを、まるで裸で抱き合っているのと同じように感じてしまう。もっちもちした肌触りは、僕に吸いついて離れず、ぺりぺっりと音を立てながら、僕の全身に絡みついてくる。

 少女の肉体が僕に密着し、僕の腰振りに合わせて自分の腰を前後左右にひねることで、彼女はどんどん、僕を高め続けた。射精したペニスが萎えることはなく、ほたるの中でかき回されて、再び絶頂のピンチに陥ってしまう。

「くっそ……さえき……」
「効かないってば。」

 だめだ。常任天国軍団に佐伯仙術はいっさい通用しない。フザケンジャーのパワーも、本質は同じなので、ほたるを感じさせる手助けにはならない。そして、神谷達郎としての実力だけでほたるをイかせなければ、この闘いには敗北であるにもかかわらず、突破口が何も見つからないまま、僕は操られているみたいに腰を前後させ続け、5年生とはとても思えない成熟しきった女体に、正常位で精を奪われていく。

 射精するごとに、身体も、精神も、魔族に近づいていっているのが分かる。このままでは、ほたるによって魔界に連れ込まれてしまう。174センチもある長身小学生の、クピドの矢の効力も手伝っての大敗では、それも仕方ないのかも知れない。

 いや……

 人間の本質。心。あの高僧が本当に伝えたかったこと。

 こんなにも苦戦してしまう情けない状況。それはもちろん、僕の心の弱さ、そしてそこに付け込むクピドの矢の魔性の力のせいでもある。だが……それだけではないのではないか。

 本当に倒さなければならない相手に、まったくたどり着けないどころか、足取りも分からず、その片鱗もヒントもほとんど見つけられていない現状で、これほどの苦戦をさせられていることが、どうしようもなく情けなかった。どうして、こんなに情けない状況に追いやられてしまっているんだ。

 あの高僧は、おそらく杉戸村の悲劇を救済したか、重要な関わりを持って救済に近い状態をもたらしたほど、法力の高いお坊さんだったのだろう。それに引き換え……僕の今の情けない状況といったら……

 くっそ……

 僕はペニスを引き抜いた。

 まだまだ感じていたい、射精したい、そんな思いを一時的にはねのけて、僕は意を決して正常位から脱出し、すっくと立ち上がる。体が重たい。ふらつく。睡眠不足で早朝に目覚ましが鳴った直後みたいだ。椅子に座れば、そのまま寝落ちしてしまいそうなほど、疲弊しきっていた。

 なんとかしなければ。いまだけでも。

 そんな思いで、僕は気を取り直して、勇気を振り絞ってペニスを引き抜いたのだった。

 そして……佐伯仙術だけではない、フザケンジャーの力だけでもない、人間の本質に関わる部分、あの高僧の”法力”に、何か鍵というか、ヒントが隠されているはずだ。

 ヴァジュラの力を思い出せ。それも、1回爆発させて終わらせるのではなくて……もっと練り込むんだ。自分の中に。自分の精神に。魔の者に打ち勝つために。ポッティによるかりそめの神通力でもなく、佐伯長官から教わった神通力でもない。人づての力ではない、自分自身の「心」の底から湧き上がってくる、もっと人間の本質に関わる力、「心」の力を信じて、闘うのだ。今のこの瞬間だけは。

 僕はある覚悟を決めていた。

 そして再び立位に持ち込もうと片足を振り上げたほたるのオンナに、人差し指と中指の二本の指をねじ込んだ。

「フザケンフィンガー。」

 フザケンジャーの技術のひとつだ。オンナに挿入された二本の指が、神通力で激しくバイブし始める。

「うふっ……いい気持ち~。でもね、私、この年齢と、ギャップのある肉体で、男の人といっぱい遊んで、常任天国軍団になれたんですよ。いまさら、そんなバイブ攻撃なんかで、私を倒すことはできないですよ~。それに、神通力は私の体内には流れないですし。」
「……あぁ。分かっている。」

 僕はそこに、佐伯仙術とはまったく違う聖なる力、法力の一部を加えて、指先から放出していった。

 今までに使用したことのない力だ。いや、使用したことは何度もあるが、こんな使い方をしたのは初めてだった。

 それはあの高僧から授かった法力、ヴァジュラのパワーにほかならなかった。ただし、一気に広範囲に爆発するように放出するのではなく、本当にわずかだけ、指先の振動に波長を合わせて、法力を小出しにしていく。

 法力を爆弾のように使用すれば、一斉に大勢の敵を倒せる、まさに爆発的な力だ。だが、本当は、この法力はそうやって使うものではないはずだ。爆発させることもあるだろうけれども、それは無駄にエネルギーを消耗させる。もっと……そう、ヴァジュラの力を、己の意思によって、「心」によって、コントロールするんだ!

 いわばヴァジュラの変形版だ。これを彼女の体内に流し込む。

「えっ……ええっ……!?」

 すると、ピアスの力は働かず、女体のすべての性感神経がズン!ズン!と刺激され、オンナに加えられる振動の刺激が、彼女の身体全身で感じる刺激へと変換されていく。

 体の奥にある気持ちいい神経が、振動に合わせてズンズン開発されていき、ほたるは、今までに味わったことのない気持ちよさに打ち震えた。その快楽は、乳房にも感じ、脇の下にも足の裏にも首の後ろにも感じられた。そしてそれらの心地よさは、次の瞬間にはすべて、股間で震えている僕の指の振動による快楽へと流れ込んでいく!

「そ、そんな! ばかな……あうぅっ! こ、この私が……」
「どうやらこの世界には二つのほたるんがいるようだ。いいほたるんは、お前のようなことはしないし、人をイタチ呼ばわりしてバカにするような悪いことはしない。ほたるんはいい子だ。でも……お前は悪い子だ。コレはお仕置きだよ!」
「うあああん!!!」

 ほたるは急激に精力を失い、信じられないといった表情で悶絶する。そしてなすすべもなく、指を入れられフザケンフィンガーの振動によって追い詰められ、あえなく絶頂、倒れ込んでいく。

 これで、この場には誰もいなくなった。フザケンジャーのパワーも、仙術を練る力も、もうほとんど残っていなかったし、射精も多すぎて、完全にフラフラになっていた。

「おててててーーー!!」
「あああっ!」

 メリーゴーランドの屋根に、青い巨体が立っていた。あれは……怪人「てこきんぐ」だ! 常任天国軍団よりも強く、魔力をたっぷり蓄えた強敵である。コイツは手コキの技に特化して強化され、その女手の良さで、すでに大勢の男性を根こそぎ絞り抜いている怪人である。

 まずい……これでこのてこきんぐと闘うことになったら……まず勝ち目はないぞ。こちらは疲労困憊しきってしまっている。これ以上この怪人の女手で抜かれでもしたら、再起不能は確実だ。

「フザケンジャー! 聞こえるか!」
「ポッティ!」

 ポッティからの通信が入った。

「よくやった! とりあえずは子どもたちを魔族から解放させ、常任天国軍団のひとりを倒せたんだ。……いまはてこきんぐと闘うときではない。なんとか脱出するんだ。」
「分かりました。」

 もとより、僕にはもう、戦意そのものが喪失してしまっていた。僕はきびすを返し、てこきんぐが襲ってくる前に、豆腐ドゥーブツ公苑から脱出した。

 てこきんぐはこれ以上追ってこない。おそらくは奴が、”人払い”をしていた張本人だろう。常任を含めて全員倒されたので、自分が出てきたというわけだ。

 てこきんぐにヘルサたん総統から指令が届いていて、その場で撤収することになったようで、怪人はそのまま姿を消し、ひとまずそれ以上、このテーマパークで暴れ回るようなことはしなかったようである。

 夜。

 僕は帰ってきてすぐ、ポッティのところに行った。そして、夕方、ほたるを倒すときに決めていた覚悟を、心のままに話した。

「ポッティ。僕はもう、フザケンジャーを引退します。」

前へ      次へ


メニューに戻る(ノーフレーム用